JP2014163280A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
内燃機関の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014163280A JP2014163280A JP2013034987A JP2013034987A JP2014163280A JP 2014163280 A JP2014163280 A JP 2014163280A JP 2013034987 A JP2013034987 A JP 2013034987A JP 2013034987 A JP2013034987 A JP 2013034987A JP 2014163280 A JP2014163280 A JP 2014163280A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- request
- value
- internal combustion
- throttle opening
- combustion engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/04—Introducing corrections for particular operating conditions
- F02D41/045—Detection of accelerating or decelerating state
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D11/00—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated
- F02D11/02—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by hand, foot, or like operator controlled initiation means
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D11/00—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated
- F02D11/06—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance
- F02D11/10—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type
- F02D11/105—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type characterised by the function converting demand to actuation, e.g. a map indicating relations between an accelerator pedal position and throttle valve opening or target engine torque
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D11/00—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated
- F02D11/06—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance
- F02D11/10—Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type
- F02D11/107—Safety-related aspects
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D37/00—Non-electrical conjoint control of two or more functions of engines, not otherwise provided for
- F02D37/02—Non-electrical conjoint control of two or more functions of engines, not otherwise provided for one of the functions being ignition
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/22—Safety or indicating devices for abnormal conditions
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/24—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents characterised by the use of digital means
- F02D41/26—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents characterised by the use of digital means using computer, e.g. microprocessor
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/0002—Controlling intake air
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
【課題】少なくともスロットル開度を制御する内燃機関(エンジン1)の制御装置において、トルク要求だけでなくそれ以外の他の要求も勘案して目標スロットル開度を算出する場合を含めて、制御演算の異常を正確に判定できるようにする。
【解決手段】トルク要求に対応するスロットル開度の第1の要求値と他の要求に対応する第2の要求値とのいずれかを選択し、この選択した要求値から目標スロットル開度を算出する目標開度算出部(スロットル開度の調停部541)を備える。第1の要求値が選択される場合、異常判定部560により、第1の要求値と目標スロットル開度との偏差の大きさによって異常を判定する。第2の要求値が選択される場合は、目標スロットル開度が所定の上限値以上であるか否かによって、異常を判定する。
【選択図】図5
【解決手段】トルク要求に対応するスロットル開度の第1の要求値と他の要求に対応する第2の要求値とのいずれかを選択し、この選択した要求値から目標スロットル開度を算出する目標開度算出部(スロットル開度の調停部541)を備える。第1の要求値が選択される場合、異常判定部560により、第1の要求値と目標スロットル開度との偏差の大きさによって異常を判定する。第2の要求値が選択される場合は、目標スロットル開度が所定の上限値以上であるか否かによって、異常を判定する。
【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関連し、特に、内燃機関の各種の機能に関する要求を調停して目標スロットル開度を算出するようにしたものに係る。
従来より、自動車の動力システムにおいて、内燃機関の例えばスロットルバルブやイグナイタなど複数のアクチュエータを協調制御することによって、トルク要求を実現する、いわゆるトルクデマンド制御は公知である。例えば特許文献1に記載のトルク制御装置では、機関トルクを増大させるときに、その増分を2つに分けてスロットル開度および点火時期の要求値に反映させ、スロットルバルブおよびイグナイタの動作によるトルク増分が合わさって目標トルクを実現するようにしている。
また、前記の例では、スロットル開度の制御によるトルクの変化の応答感度と、点火時期の制御によるトルクの変化の応答感度とが異なることに着目して、その応答感度の低い順に分配優先順位を設定している。
そのような制御装置においては、例えばRAM化けやRAM値異常などの演算上の異常によって目標スロットル開度が過大になってしまい、意図しない過剰なトルクの発生によってドライバが違和感を覚えることがある。この点について前記特許文献1の段落0159,0160等には、目標トルク(トルク要求)とアクチュエータ(スロットルバルブ)への指令値との差分に基づいて、目標トルク信号を生成する機能に異常が発生しているか否か判定することが記載されている。
ところで、一般的に内燃機関のスロットル開度を決めるための要求としては、主としてドライバのアクセル操作などに応じて設定されるトルク要求以外にも、始動や部品保護、OBD(On-Boad Diagnostics)などの要求もある。例えば、ドライバがアクセルペダルを踏み込んでいても、機関回転数の過度の上昇を抑えるために吸入空気量を制限することがあり、このときにはスロットル開度を所定値までに制限する要求が発生する。
そして、このような要求に基づいてスロットル開度が制御されるときには、スロットルモータへの指令値、即ち目標スロットル開度がトルク要求とは大きく異なる値になるので、前記従来例のように両者の差分に基づいて異常を判定するようにしていると、誤って異常が発生していると判定する虞がある。
かかる点に鑑みて本発明の目的は、内燃機関の制御装置においてトルク要求だけでなくそれ以外の他の要求も勘案して目標スロットル開度を算出する場合を含めて、制御演算の異常を正確に判定できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために本発明では、目標スロットル開度の算出がトルク要求またはそれ以外の要求のいずれに基づいて行われたかによって、異常の判定方法を切り替えるようにした。
すなわち、本発明は、少なくともスロットル開度を制御する内燃機関の制御装置を対象とする。そして、前記内燃機関へのトルク要求に対応するスロットル開度の第1の要求値と、それ以外の他の要求に対応するスロットル開度の第2の要求値とのいずれかを選択するとともに、この選択した要求値から目標スロットル開度を算出する目標開度算出部と、当該目標開度算出部において前記第1の要求値が選択される場合、この第1の要求値と前記目標スロットル開度との偏差の大きさによって異常を判定する一方、前記第2の要求値が選択される場合は、前記目標スロットル開度が所定の上限値以上であるか否かによって異常を判定する異常判定部と、を備えている。
前記の発明特定事項により、制御装置の目標開度算出部では、内燃機関へのトルク要求に対応するスロットル開度の第1の要求値と、それ以外の他の要求に対応する第2の要求値とのいずれかが選択され、これに基づいて目標スロットル開度が算出される。例えば、内燃機関の運転中に第1の要求値が選択されることで、トルク要求に対応してスロットル開度が制御されるようになり、ドライバビリティに優れた制御が実現する。
このように第1の要求値に基づいてスロットル開度が制御される場合は、異常判定部において第1の要求値と目標スロットル開度との偏差の大きさによって異常を判定することができる。一方、例えば内燃機関の始動の際や過回転の防止など、トルク要求以外の他の要求に対応する第2の要求値が選択されると、これに対応するようにスロットル開度が制御されるので、機関トルクはトルク要求とは異なる大きさになる。
この場合には、前記異常判定部において目標スロットル開度が所定の上限値以上であるか否かによって異常を判定することができる。例えばアイドル状態において目標スロットル開度が15度以上、開いていれば、異常があると判定することができる。つまり、トルク要求だけでなくそれ以外の他の要求も勘案して目標スロットル開度を算出する場合にも、制御演算の異常を正確に判定できる。
好ましくは前記異常判定部は、前記目標開度算出部において前記第2の要求値が選択される場合、内燃機関の状態に関連する所定の情報を参照して、当該内燃機関の状態では前記他の要求が発生しないときにも異常と判定するようにしてもよい。こうすれば、演算の異常の結果として算出される目標スロットル開度が上限値未満であっても、異常を判定できる可能性がある。
具体的には、例えば、前記他の要求が内燃機関の始動時にのみ発生する要求である場合、エンジン回転数はあまり高くはならないはずなので、前記所定の情報としてエンジン回転数を参照し、所定回転数以上であれば異常と判定するようにしてもよい。また、例えば、前記他の要求が内燃機関の停止時にのみ発生する要求である場合には、燃料噴射は行われないはずなので、前記所定の情報として燃料噴射量を参照し、これが零でなければ異常と判定するようにしてもよい。
ところで、内燃機関へのトルク要求以外の他の要求として、例えば始動要求、フェールセーフ要求、部品保護要求、OBD要求などが挙げられるが、これらの要求は、トルク要求のように内燃機関の通常の運転中に満たされる基本的なものとは異なっている。例えば、フェールセーフや部品保護の要求には緊急性があり、これらの要求が生じた場合には、トルク要求に比べて優先度が高い。また、始動やOBDなどは通常の運転とは異なる特定の状況での要求であるが、これら特定の状況においては優先度の高い要求である。
これら要求の優先度を考慮して、例えば始動、フェールセーフ、部品保護、OBDなどの複数の他の要求に対応して、前記第2の要求値が複数、存在する場合には、それぞれの要求値の信号に選択の優先順位の情報を随伴させることが好ましい。そして、前記目標開度算出部において、前記優先順位の情報に従って前記第1の要求値と複数の第2の要求値とのうちから、いずれか1つの要求値を選択するようにすれば、こうして選択した適切な要求値に基づいて、そのときどきの機関状態に適したスロットル制御を実現できる。
そうして複数の第2の要求値の信号に優先順位の情報が随伴されていれば、その優先順位の情報からいずれの要求値が選択されたか判断することができる。そこで、前記異常判定部は、前記目標開度算出部において前記第2の要求値が選択される場合、前記優先順位の最も高い第2の要求値について異常の判定を行うようにすればよく、こうすれば判定の迅速化が図られる。
以上、説明したように本発明に係る内燃機関の制御装置によると、トルク要求に応じて目標スロットル開度を算出する場合には、この両者の偏差の大きさに基づいて、制御の演算上の異常を判定することができるだけでなく、トルク要求以外の他の要求に応じて目標スロットル開度を算出する場合にも異常を正確に判定できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態では、本発明の制御装置を自動車に搭載される内燃機関(以下、エンジンという)、特に、火花点火式のエンジンに適用した場合について説明する。
−エンジンの構成例−
以下に、まず図1を参照して、実施形態に係る火花点火式エンジン1の構成の一例を説明する。図にはエンジン1の本体部分における1つの気筒2の構成のみを示しているが、エンジン1は例えば直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック1aに形成された気筒2内には、図の上下方向に往復動するようにピストン3が収容されている。シリンダブロック1aの上部にはシリンダヘッド1bが組み付けられ、その下面とピストン3の上面との間が燃焼室となる。
以下に、まず図1を参照して、実施形態に係る火花点火式エンジン1の構成の一例を説明する。図にはエンジン1の本体部分における1つの気筒2の構成のみを示しているが、エンジン1は例えば直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック1aに形成された気筒2内には、図の上下方向に往復動するようにピストン3が収容されている。シリンダブロック1aの上部にはシリンダヘッド1bが組み付けられ、その下面とピストン3の上面との間が燃焼室となる。
ピストン3はコネクティングロッド4を介してクランクシャフト5に連結されていて、クランクシャフト5は、シリンダブロック1aの下部のクランクケースに収容されている。クランクシャフト5にはロータ301aが取り付けられ、その側方近傍には例えば電磁ピックアップからなるクランクポジションセンサ301が配設されている。クランクポジションセンサ301は、ロータ301aの外周の歯が通過する際にパルス信号を出力する。この信号からエンジン回転数を算出することができる。
また、シリンダブロック1aの側壁には気筒2を取り囲むようにウォータジャケットが形成され、ここにはエンジン冷却水wの温度を検出するように水温センサ303が配設されている。シリンダブロック1aの下部は下方に向かって拡大されてクランクケースの上半分を構成し、その下方には、クランクケースの下半分を構成するようにオイルパン1cが取り付けられている。オイルパン1cには、エンジン各部に供給される潤滑油(エンジンオイル)が貯留されている。
一方、シリンダヘッド1bには気筒2内の燃焼室に臨むように点火プラグ6が配設されていて、その電極にはイグナイタ7から高電圧が供給されるようになっている。こうして高電圧を供給し点火プラグ6に通電するタイミング、即ちエンジン1の点火時期はイグナイタ7によって調整される。つまり、イグナイタ7は、エンジン1の点火時期を調整可能なアクチュエータであり、後述するECU(Electronic Control Unit)500によって制御される。
また、シリンダヘッド1bには、気筒2内の燃焼室に臨んでそれぞれ開口するように、吸気ポート11aおよび排気ポート12aが形成されている。吸気ポート11aには吸気マニホールド11bが連通していて、吸気通路11における吸気の流れの下流側を構成している。また、排気ポート12aには排気マニホールド12bが連通していて、排気通路12における排気ガスの流れの上流側を構成している。
吸気通路11の上流側には、図示は省略のエアクリーナの近傍に、吸入空気量を検出するエアフロメータ304(図2を参照)が配設され、その下流側に吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ8が配設されている。また、吸気通路11(吸気マニホールド11b)には、エンジン1に吸入される前の空気の温度(吸気温)を検出する吸気温センサ307(図2を参照)も配設されている。
この例ではスロットルバルブ8は、図外のアクセルペダルとの機械的な連結が切り離されていて、電動のスロットルモータ8aにより駆動されて、その開度が調整される。スロットル開度を検出するスロットル開度センサ305からの信号は、後述するECU500に送信される。ECU500は、エンジン1の運転状態に応じて好適な吸入空気量が得られるように、スロットルモータ8aを制御する。つまり、スロットルバルブ8は、エンジン1の吸入空気量を調整するアクチュエータである。
前記のように燃焼室に臨む吸気ポート11aの開口は吸気バルブ13によって開閉され、これにより吸気通路11と燃焼室とが連通または遮断される。同様に排気ポート12aの開口は排気バルブ14によって開閉され、これにより排気通路12と燃焼室とが連通または遮断される。これら吸排気バルブ13,14の開閉駆動は、クランクシャフト5の回転がタイミングチェーンなどを介して伝達される吸気および排気の各カムシャフト15,16によって行われる。
この例では吸気カムシャフト15の近傍に、特定の気筒2のピストン3が圧縮上死点に達したときにパルス信号を発生するカムポジションセンサ302が設けられている。カムポジションセンサ302は例えば電磁ピックアップからなり、前記のクランクポジションセンサ301と同様に、吸気カムシャフト15に設けられたロータの回転に伴いパルス信号を出力する。
また、排気通路12において排気マニホールド12bの下流には、一例として三元触媒からなる触媒17が配設されている。この触媒17においては、気筒2内の燃焼室から排気通路12に排気された排気ガス中のCO、HCの酸化およびNOxの還元が行われ、それらを無害なCO2、H2O、N2とすることで排気ガスの浄化が図られる。
この例では触媒17の上流側の排気通路12に空燃比(A/F)センサ309が配設され、触媒17の下流側の排気通路12には、排気温センサ308と、O2センサ310とが配設されている。
−燃料噴射系−
次に、エンジン1の燃料噴射系について説明する。
次に、エンジン1の燃料噴射系について説明する。
エンジン1の各気筒2には、それぞれ燃焼室内に直接、燃料を噴射するように筒内噴射用インジェクタ21が配設されている。4つの気筒2のそれぞれの筒内噴射用インジェクタ21は共通の高圧燃料用デリバリパイプ20に接続されている。また、エンジン1の吸気通路11には、各吸気ポート11a内に燃料を噴射するようにポート噴射用インジェクタ22が配設されている。ポート噴射用インジェクタ22も4つの気筒2にそれぞれ設けられ、共通の低圧燃料用デリバリパイプ23に接続されている。
前記高圧燃料用デリバリパイプ20および低圧燃料用デリバリパイプ23への燃料供給は、燃料ポンプである低圧ポンプ24および高圧ポンプ25(以下、単に燃料ポンプ24,25ともいう)によって行われる。低圧ポンプ24は、燃料タンク26内の燃料を汲み上げて、低圧燃料用デリバリパイプ23および高圧ポンプ25に供給する。高圧ポンプ25は、供給される低圧の燃料を所定以上の高圧にまで加圧して、高圧燃料用デリバリパイプ20に供給する。
この例では高圧燃料用デリバリパイプ20に、筒内噴射用インジェクタ21に供給する高圧燃料の圧力(燃圧)を検出するための高圧燃料用燃圧センサ311(図2を参照)が配設され、低圧燃料用デリバリパイプ23には、ポート噴射用インジェクタ22に供給する低圧燃料の圧力(燃圧)を検出するための低圧燃料用燃圧センサ312(図2を参照)が配設されている。
筒内噴射用インジェクタ21およびポート噴射用インジェクタ22は、いずれも所定電圧が印加されたときに開弁して燃料を噴射する電磁駆動式のアクチュエータである。これらのインジェクタ21,22の動作(噴射量や噴射時期)並びに高圧ポンプ25および低圧ポンプ24の動作などは、後述するECU500によって制御される。
そして、インジェクタ21,22のいずれか一方または両方からの燃料噴射によって、気筒2内の燃焼室に空気と燃料ガスとの混合気が形成される。この混合気が点火プラグ6によって点火されて燃焼・爆発するときに生じる高温高圧の燃焼ガスにより、ピストン3が押し下げられてクランクシャフト5を回転させる。燃焼ガスは、排気バルブ14の開弁に伴い排気通路12に排出される。
−ECU−
ECU500は、図2に模式的に示すように、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、および、バックアップRAM504などを備えている。
ECU500は、図2に模式的に示すように、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、および、バックアップRAM504などを備えている。
ROM502は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。CPU501は、ROM502に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM503は、CPU501での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM504は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU501、ROM502、RAM503およびバックアップRAM504は、バス507を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース505および出力インターフェース506と接続されている。
入力インターフェース505には、クランクポジションセンサ301、カムポジションセンサ302、水温センサ303、エアフロメータ304、スロットル開度センサ305、アクセル開度センサ306、吸気温センサ307、排気温センサ308、空燃比センサ309、O2センサ310、高圧燃料用燃圧センサ311、および、低圧燃料用燃圧センサ312などの各種センサ類が接続されている。
また、入力インターフェース505にはイグニッションスイッチ313も接続されており、このイグニッションスイッチ313がオン操作されると、スタータモータ(図示せず)によるエンジン1のクランキングが開始されるようになっている。一方、出力インターフェース506には、点火プラグ6のイグナイタ7、スロットルバルブ8のスロットルモータ8a、筒内噴射用インジェクタ21、ポート噴射用インジェクタ22、低圧ポンプ24、および高圧ポンプ25などが接続されている。
そして、ECU500は、前記した各種センサ301〜312やスイッチ313からの信号などに基づいて、前記イグナイタ7による点火プラグ6の通電制御、スロットルバルブ8(スロットルモータ8a)の制御、インジェクタ21,22の駆動制御による燃料噴射制御などを含むエンジン1の各種制御を実行する。これによってエンジン1の運転状態は、ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費という基本的な機能要求がバランス良く満たされるよう、好適に制御される。
つまり、ECU500は、エンジン1の各種の機能に関する要求を複数のアクチュエータ(イグナイタ7、スロットルバルブ8,インジェクタ21,22等)の協調制御によって実現するものである。このECU500により実行される制御プログラムによって、本発明の実施形態である、少なくともスロットル開度を制御する内燃機関の制御装置が実現する。
−制御装置の階層構造−
次に、制御装置の構成について詳細に説明する。図3は、制御装置の各要素をブロックで示し、ブロック間の信号の伝達を矢印で示している。この例では制御装置は、5つの階層510〜550からなる階層型の制御構造を有し、最上位には要求発生階層510が、その下位には物理量調停階層520および制御量設定階層530が、さらにその下位には制御量調停階層540が設けられ、最下位に制御出力階層550が設けられている。
次に、制御装置の構成について詳細に説明する。図3は、制御装置の各要素をブロックで示し、ブロック間の信号の伝達を矢印で示している。この例では制御装置は、5つの階層510〜550からなる階層型の制御構造を有し、最上位には要求発生階層510が、その下位には物理量調停階層520および制御量設定階層530が、さらにその下位には制御量調停階層540が設けられ、最下位に制御出力階層550が設けられている。
前記の5つの階層510〜550間では信号の流れは一方向であり、最上位の要求発生階層510から下位の物理量調停階層520へ、物理量調停階層520から下位の制御量設定階層530へ、さらに制御量設定階層530から下位の制御量調停階層540へ、と信号が伝達される。また、図示は省略するが、それらの階層510〜550とは独立して各階層510〜550にそれぞれ共通の信号を並列に配信する共通信号配信系統が設けられている。
階層510〜550間を伝達される信号と、共通信号配信系統により配信される信号とには次のような違いがある。階層510〜550間を伝達される信号はエンジン1の機能に関する要求を信号化したものであり、最終的にはアクチュエータ7,8,…(図の例ではイグナイタ7、スロットルバルブ8およびインジェクタ21,22を示す)の制御量に変換される信号である。これに対し、共通信号配信系統によって配信される信号は、要求を発生させたり制御量を演算したりする上で必要な情報を含んだ信号である。
具体的には、共通信号配信系統により配信される信号は、エンジン1の運転条件や運転状態に関する情報(エンジン回転数、吸入空気量、推定トルク、現時点の実点火時期、冷却水温度、運転モードなど)であり、その情報源はエンジン1に設けられた各種のセンサ301〜312や制御装置内部の推定機能などである。これらの情報は各階層510〜550で共通に利用される共通エンジン情報であるので、各階層510〜550に並列に配信することとすれば、階層510〜550間の通信量を削減できるだけでなく、階層510〜550間における情報の同時性を保つこともできる。
−要求発生階層−
以下、各階層510〜550の構成と、そこで行われる処理について上位の階層から順に説明する。まず、要求発生階層510には、複数の要求出力部511〜517が配置されている。ここでいう要求とはエンジン1の機能に関する要求(エンジン1に求められている性能とも言える)であり、要求出力部511〜517はエンジン1の機能毎に設けられている。エンジン1の機能は種々多様であり、エンジン1に何を求めるか、何を優先するかによって、要求発生階層510に配置する要求出力部の内容は異なってくる。
以下、各階層510〜550の構成と、そこで行われる処理について上位の階層から順に説明する。まず、要求発生階層510には、複数の要求出力部511〜517が配置されている。ここでいう要求とはエンジン1の機能に関する要求(エンジン1に求められている性能とも言える)であり、要求出力部511〜517はエンジン1の機能毎に設けられている。エンジン1の機能は種々多様であり、エンジン1に何を求めるか、何を優先するかによって、要求発生階層510に配置する要求出力部の内容は異なってくる。
本実施形態では、エンジン1を車両のドライバの運転操作に応じて効率良く運転するとともに、自然環境の保護という要請にも応えるべく、基本的な機能としてドライバビリティ、排気ガス、燃費をバランス良く満たすことを制御の前提としている。このため要求発生階層510には、まず、ドライバビリティに関する機能に対応して要求出力部511が設けられ、排気ガスに関する機能に対応して要求出力部512が設けられ、燃費に関する機能に対応して要求出力部513が設けられている。
なお、本実施形態では、前記3つの基本的な機能要求以外の要求として、例えば、始動要求、フェールセーフ要求、部品保護要求、OBD要求なども考慮している。このため、図3に表れているように要求発生階層510には、それぞれの要求に対応する要求出力部514〜517も設けられている。これらの要求出力部514〜517について詳しくは後述する。
前記の要求出力部511〜513は、エンジン1のドライバビリティ、排気ガスおよび燃費という基本的な機能要求を数値化して出力する。アクチュエータ7,8,…の制御量は、以下に説明するように演算によって決定されるので、要求を数値化することでアクチュエータ7,8,…の制御量に要求を反映させることが可能になる。本実施形態では、前記の基本的な機能要求については、エンジン1の動作に係る物理量で表現する。
その物理量としてはトルク、効率および空燃比の3種のみを用いる。エンジン1の出力(広義の出力)は主としてトルク、熱、排気ガス(熱と成分)ということができ、これらの出力は上述のドライバビリティ、排気ガス、燃費といった機能に関係している。そして、これらの出力を制御するためにはトルク、効率および空燃比の3種の物理量を決めればよいので、これら3種の物理量を用いて要求を表現し、アクチュエータ7,8,…の動作を制御することで、エンジン1の出力に要求を反映させることが可能になる。
図3では、一例として要求出力部511が、ドライバビリティに関する要求(ドラビリ要求)をトルクや効率で表現した要求値として出力している。例えば、要求が車両の加速であれば、その要求はトルクによって表現することができる。要求がエンストの防止であれば、その要求は効率(効率アップ)によって表現することができる。
また、要求出力部512は、排気ガスに関する要求を効率や空燃比で表現した要求値として出力している。例えば、要求が触媒17の暖機であれば、その要求は効率(効率ダウン)によって表現することができるし、空燃比によっても表現することができる。効率ダウンによれば、排気ガス温度を高めることができ、空燃比によれば、触媒17で反応がしやすい雰囲気にすることができる。
さらに、要求出力部513は、燃費に関する要求を効率や空燃比で表現した要求値として出力している。例えば、要求が燃焼効率の上昇であれば、その要求は効率(効率アップ)によって表現することができる。要求がポンピングロスの低減であれば、その要求は空燃比(リーンバーン)によって表現することができる。
なお、各要求出力部511〜513からそれぞれ出力される要求値は、各物理量につき1つには限定されない。一例として、要求出力部511からは、ドライバからの要求トルク(アクセル開度から計算されるトルク)だけでなく、VSC(Vehicle Stability Control system)、TRC(Traction Control System)、ABS(Antilock Brake System)、トランスミッション等の車両制御にかかる各種デバイスから要求されるトルクも同時に出力されている。効率に関しても同様である。
要求発生階層510には共通信号配信系統から共通エンジン情報が配信されている。各要求出力部511〜513では、共通エンジン情報を参照して出力すべき要求値を決定している。エンジン1の運転条件や運転状態によって要求の内容が変わるからである。例えば排気温センサ308により触媒温度が測定されている場合、要求出力部512では、その温度情報に基づいて触媒17の暖機の必要性を判定し、判定結果に応じて効率要求値や空燃比要求値を出力する。
さて、上述のように、要求発生階層510の要求出力部511〜513からは、トルク、効率或いは空燃比で表現された複数の要求が出力されるが、それらの要求を全て同時に且つ完全に実現することはできない。複数のトルク要求があったとしても実現できるトルクは1つだからである。同様に、複数の効率要求に対して実現できる効率は1つであり、複数の空燃比要求に対して実現できる空燃比は1つである。このため、要求の調停という処理が必要となる。
−物理量調停階層−
物理量調停階層520では、要求発生階層510から出力される要求値の調停が行なわれる。物理量調停階層520には、要求の分類である物理量毎に調停部521〜523が設けられている。調停部521はトルクで表現された要求値を集約して1つのトルク要求値に調停する。調停部522は効率で表現された要求値を集約して1つの効率要求値に調停する。そして、調停部523は空燃比で表現された要求値を集約して1つの空燃比要求値に調停する。
物理量調停階層520では、要求発生階層510から出力される要求値の調停が行なわれる。物理量調停階層520には、要求の分類である物理量毎に調停部521〜523が設けられている。調停部521はトルクで表現された要求値を集約して1つのトルク要求値に調停する。調停部522は効率で表現された要求値を集約して1つの効率要求値に調停する。そして、調停部523は空燃比で表現された要求値を集約して1つの空燃比要求値に調停する。
これらの各調停部521〜523は、予め定められた規則に従って調停を行なう。ここでいう規則とは、例えば最大値選択、最小値選択、平均、或いは重ね合わせなど、複数の数値から1つの数値を得るための計算規則であり、それら複数の計算規則を適宜に組み合わせたものとすることもできる。但し、どのような規則とするかは設計に委ねられるものであって、本発明に関しては規則の内容に限定はない。
また、物理量調停階層520にも共通信号配信系統から共通エンジン情報が配信されており、各調停部521〜523において共通エンジン情報を利用することは可能である。例えば、エンジン1の運転条件や運転状態によって調停の規則を変更することができるが、以下に説明するように、エンジン1の実現可能範囲を考慮して規則を変更することは行なわない。
なお、調停部521〜523においては、エンジン1が実際に実現することができる上限トルクや下限トルクを調停に加味していない。また、他の調停部521〜523の調停結果も調停に加味していない。つまり、各調停部521〜523はそれぞれ、エンジン1の実現可能範囲の上下限や他の調停部の調停結果は加味せずに調停を行なっている。このことも制御の演算負荷の軽減に寄与している。
以上のように各調停部521〜523にて調停が行なわれることで、物理量調停階層520からは1つのトルク要求値と、1つの効率要求値と、1つの空燃比要求値とが出力される。そして、その下位の階層である制御量設定階層530では、これら調停されたトルク要求値、効率要求値および空燃比要求値に基づいて各アクチュエータ7,8,…の制御量が設定される。
−制御量設定階層−
本実施形態では、制御量設定階層530に1つの調整変換部531が設けられ、まず、物理量調停階層520にて調停されたトルク要求値、効率要求値および空燃比要求値の大きさを調整する。前述のように物理量調停階層520ではエンジン1の実現可能範囲は調停に加味されていないため、各要求値の大きさによっては、エンジン1を適正に運転できない可能性がある。そこで、調整変換部531は、エンジン1の適正運転が可能になるように各要求値を相互の関係に基づいて調整する。
本実施形態では、制御量設定階層530に1つの調整変換部531が設けられ、まず、物理量調停階層520にて調停されたトルク要求値、効率要求値および空燃比要求値の大きさを調整する。前述のように物理量調停階層520ではエンジン1の実現可能範囲は調停に加味されていないため、各要求値の大きさによっては、エンジン1を適正に運転できない可能性がある。そこで、調整変換部531は、エンジン1の適正運転が可能になるように各要求値を相互の関係に基づいて調整する。
制御量設定階層530よりも上位の階層では、トルク要求値、効率要求値および空燃比要求値はそれぞれが独立に演算され、演算に係る要素間で演算値が相互に使用されたり参照されたりすることはなかった。つまり、制御量設定階層530において初めてトルク要求値、効率要求値、空燃比要求値が相互に参照されることになる。調整対象はトルク要求値、効率要求値および空燃比要求値の3つに限定されるので、調整に要する演算負荷は小さくて済む。
前記の調整をどのように行なうかは設計に委ねられるものであって、本発明に関しては調整の内容に限定はない。但し、トルク要求値、効率要求値および空燃比要求値の間に優先順位がある場合には、より優先順位の低い要求値を調整(修正)するのが好ましい。例えば、優先順位が高い要求値は、できるだけそのままアクチュエータ7,8,…の制御量に反映し、優先順位が低い要求値は調整した上でアクチュエータ7,8,…の制御量に反映する。
こうすれば、エンジン1の適正運転が可能な範囲内で、優先順位が高い要求を十分に実現しつつ、優先順位が低い要求も或る程度は実現することができる。一例として、トルク要求値が最も優先順位が高い場合には、効率要求値と空燃比要求値とを修正し、そのうちより優先順位が低いほうの修正度合いを大きくする。エンジン1の運転条件等によって優先順位が変わるのであれば、共通信号配信系統から配信される共通エンジン情報に基づいて優先順位を判定し、どの要求値を修正するのか決定すればよい。
また、制御量設定階層530では、物理量調停階層520から入力される要求値と、共通信号配信系統から配信される共通エンジン情報とを用いて新たな信号を生成する。例えば、調停部521にて調停されたトルク要求値と、共通エンジン情報に含まれる推定トルクとの比が除算部(図示せず)にて演算される。推定トルクは、現在の吸入空気量および空燃比のもと点火時期をMBTとした場合に出力されるトルクである。推定トルクの演算は制御装置の別のタスクにて行なわれている。
詳しい説明は省略するが、前記のようにトルク要求値の優先順位が最も高い場合には、以上の処理の結果として制御量設定階層530において、トルク要求値、修正された効率要求値、修正された空燃比要求値、およびトルク効率が算出される。これらの信号のうちトルク要求値および修正された効率要求値からスロットル開度が算出(変換)されて、制御量調停階層540に伝達される。
具体的には、まず、修正された効率要求値でトルク要求値が除算される。修正された効率要求値は1以下の値なので、これによりトルク要求値を除算すれば、トルク要求値は嵩上げされることになる。こうして嵩上げされたトルク要求値が空気量に変換され、空気量からスロットル開度が演算される。なお、トルク要求値の空気量への変換、および空気量からのスロットル開度の演算は、予め設定したマップを参照して行われる。
また、点火時期については主にトルク効率から算出(変換)される。この際、トルク要求値や修正された空燃比要求値も参照信号として用いられる。具体的にはトルク効率からマップを参照して、MBTに対する遅角量が演算される。トルク効率が小さいほど遅角量は大きい値になり、結果、トルクダウンが行われることになる。前記のトルク要求値の嵩上げは、遅角によるトルクダウンを補償するための処理である。
本実施形態では、トルク効率に基づく点火時期の遅角と、効率要求値に基づいたトルク要求値の嵩上げとによって、トルク要求値と効率要求値の双方の実現を可能にしている。なお、前記のトルク要求値および修正された空燃比要求値は、トルク効率を遅角量に変換するためのマップの選定に用いられる。そして、遅角量とMBT(或いは基本点火時期)とから最終的な点火時期が演算される。
さらに、修正された空燃比要求値とエンジン1の気筒2内への吸入空気量とから燃料噴射量が演算される。吸入空気量は共通エンジン情報に含まれており、共通信号配信系統から調整変換部531に配信される。
以上の処理の結果として、制御量設定階層530(調整変換部531)から制御量調停階層540に伝達される信号は、スロットル開度の要求値(トルク要求に対応する第1の要求値)、点火時期の要求値および燃料噴射量の要求値となる。これらの信号はそれぞれ、制御量調停階層540の調停部541,542,545に入力されて、詳しくは後述するが、要求発生階層510から直接的に伝達される他の要求値とともに調停される。
−制御量調停階層−
一例として図3に示すように制御量調停階層540には、要求の分類であるアクチュエータ7,8,…の制御量毎に調停部541〜543が設けられている。図示の例では調停部541は、スロットル開度の要求値を集約して1つの要求値に調停する。また、調停部542は、点火時期の要求値を集約して1つの要求値に調停する。さらに調停部543は、燃料噴射量の要求値を集約して1つの要求値に調停する。
一例として図3に示すように制御量調停階層540には、要求の分類であるアクチュエータ7,8,…の制御量毎に調停部541〜543が設けられている。図示の例では調停部541は、スロットル開度の要求値を集約して1つの要求値に調停する。また、調停部542は、点火時期の要求値を集約して1つの要求値に調停する。さらに調停部543は、燃料噴射量の要求値を集約して1つの要求値に調停する。
前記の各調停部541〜543も、物理量調停階層520の各調停部521〜523と同様に、予め定められた規則に従って調停を行なう。その規則については設計に委ねられるもので、本発明に関しては規則の内容に限定はない。但し、制御量調停階層540で行われる調停の場合は、伝達される信号の要求に予め優先順位が設定されており、これに基づいて調停が行われる。調停について詳しくは後述する。
なお、制御量調停階層540にも共通信号配信系統から共通エンジン情報が配信されており、各調停部541〜543において共通エンジン情報を利用することができる。また、図3に示すように、スロットル開度の要求値の調停部541には異常判定部560が接続されて、RAM化けなどの制御演算の異常を判定するようになっている。この異常判定については後述する。
以上のように各調停部541〜543にて調停が行なわれ、制御量調停階層540からは少なくとも、1つのスロットル開度要求値と、1つの点火時期要求値(または点火カット要求値)と、1組のインジェクタ21,22についての1組の噴射量要求値(または噴射カット要求値)および1組の噴射時期要求値とが出力される。
−制御出力階層−
制御量調停階層540の下位の階層である制御出力階層550では、前記の各要求値に基づいてアクチュエータ7,8,…の各制御量が算出される。図示の例では最下位の制御出力階層550には、前記制御量調停階層540から伝達される信号に対応して制御出力部551〜553が設けられている。制御出力部551(スロットル駆動制御部)には、前記スロットル開度の要求値の調停部541からスロットル開度要求値が伝達され、これに応じてスロットル駆動信号が出力される。
制御量調停階層540の下位の階層である制御出力階層550では、前記の各要求値に基づいてアクチュエータ7,8,…の各制御量が算出される。図示の例では最下位の制御出力階層550には、前記制御量調停階層540から伝達される信号に対応して制御出力部551〜553が設けられている。制御出力部551(スロットル駆動制御部)には、前記スロットル開度の要求値の調停部541からスロットル開度要求値が伝達され、これに応じてスロットル駆動信号が出力される。
また、制御出力部552(イグナイタ通電制御部)には、前記制御量調停階層540の点火時期の要求値の調停部542から点火時期要求値が伝達され、これに応じてイグナイタ通電信号が出力される。さらに、制御出力部553(インジェクタ駆動制御部)には、前記噴射量の調停部543から噴射量要求値が伝達され、これに応じてインジェクタ駆動信号が出力される。
−アクチュエータの制御量の調停−
次に、上述した制御量調停階層540におけるアクチュエータの制御量の調停について説明する。特に、本実施形態の特徴であるスロットル開度の要求値の調停については、図3の他に図4も参照して詳細に説明する。
次に、上述した制御量調停階層540におけるアクチュエータの制御量の調停について説明する。特に、本実施形態の特徴であるスロットル開度の要求値の調停については、図3の他に図4も参照して詳細に説明する。
まず、上述したように本実施形態の制御装置では、ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費というエンジン1の基本的な機能要求をトルク、効率および空燃比という3種の物理量の組み合わせによって表現し、物理量調停階層520にて調停するようにしているが、これらの基本的な機能以外にも各種の要求がある。例えばフェールセーフや部品保護などの緊急性が高い要求もあり、このような要求は一旦、トルクや効率、空燃比の要求値に置き換えて調停すると、余計な演算負荷が生じてしまい、処理の高速化には不利になる。
また、エンジン1にはその通常の運転状態以外に例えば始動、停止やOBDというような特定の状況のみでの要求もあるが、これらの要求も単純にスロットル開度や燃料噴射量、点火時期などの制御のシーケンスで表現すれば済むので、わざわざトルクなどの物理量で表現した上で調停することの意義は小さく、こうすると、前記のフェールセーフなどと同じく余計な演算負荷が生じることとなる。
このような観点から本実施形態では、上述した図3に表れているように、要求発生階層510に例えば始動要求、フェールセーフ要求、部品保護要求、OBD要求などにそれぞれ対応する要求出力部514〜517を設けている。これらの要求出力部514〜517からはそれぞれ要求が物理量ではなく、アクチュエータ7,8,…の制御量で表現された要求値として出力され、物理量調停階層520や制御量設定階層530を介さず直接的に制御量調停階層540に伝達される。
そして、それらの要求値が、上述したように制御量設定階層530から制御量調停階層540に伝達されるスロットル開度、点火時期または燃料噴射量の要求値とともに各制御量毎に集約されて、制御量調停階層540の各調停部541〜543により制御量毎に1つの要求値に調停される。
例えば図4に示すように、スロットル開度の要求値の調停部541には、上述の如く、制御量設定階層530の調整変換部531から、トルク要求に対応するスロットル開度の要求値(第1の要求値)の信号が伝達される。なお、図示の例では、エンジン1を停止させるときには振動抑制のためにスロットルバルブ8を閉じるべく、停止時要求値も入力されるようになっている。そして、調停部541の閉じ側選択部541aにおいて両者のうち閉じ側の要求値が選択される。
また、前記調停部541には、上述したように要求発生階層510の要求出力部514〜517からの信号、すなわち始動要求、フェールセーフ要求、部品保護要求、OBD要求などにそれぞれ対応するスロットル開度の要求値(第2の要求値)の信号が伝達される。本実施形態では、それら要求出力部514〜517からの信号には、それぞれを識別するとともに、予め設定されている要求の優先順位を表す情報(ID)が随伴されている。
一例として優先順位は、エンジン1が停止していれば始動要求が1番高いが、エンジン1が運転中であればフェールセーフ要求が1番高く、以下、部品保護、OBDの要求順に優先順位が高く設定されている。また、それらの要求はいずれも運転中の基本的な要求(ドライバビリティ、排気ガスおよび燃費)よりも優先順位が高く設定されている。よって、例えば、前記のトルク要求に対応する第1の要求値の信号には、ID=0が設定され、始動、フェールセーフ、部品保護、OBDなどの第2の要求値の信号には順番に、ID=1〜4が設定されている。
本実施形態では、ID=0を除いて数字の小さなものほど優先度が高いと識別される。例えばエンジン始動の際は、ID=1の始動時スロットル開度の要求値の信号が伝達されるので、それ以外の要求値の信号が伝達されても、優先度の最も高い始動時スロットル開度の要求値が選択される。このような選択は、調停部541の優先選択部541bで行われる。優先選択部541bは、入力される複数の第2の要求値の信号から、最も優先度の高い要求値のみを選択する。
こうして優先選択された第2の要求値の信号と、前記第1の要求値の信号とがそれぞれ調停選択部541cに入力されて、予め定められた規則に従って選択(調停)される。この選択の手法に限定はないが、例えば、ID=0の第1の要求値の信号のみ入力される場合はこれを選択する一方、ID=1〜4の第2の要求値の信号も入力される場合は、そのうちの優先度の高いものを選択するようにしてもよい。また、第1または第2のいずれかの要求値の信号を選択した上で、この選択した方の要求値に重み付けをしながら、選択しなかった方の要求値も反映されるように、加重平均などにより要求値を算出するようにしてもよい。
そうして選択(調停)された要求値は、調停選択部541cから上限ガード部541dに伝達される。ここでは、フェール発生の際にドライバがアクセルペダルを踏み増したとしても、エンジントルクがあまり大きくならないようにガードをかけている。すなわち、フェールセーフ処理によってエンジントルクが制限されると、ドライバは一時的にアクセルペダルを踏み増しすることがあり、もしもフェールセーフ処理が誤処理であると、これが解除されたときにエンジントルクが急増する虞があるからである。
上限ガード部541dでは、入力されるスロットル開度の要求値を、予め設定されているガード値以下に制限して出力する。こうして出力された要求値は選択部541eに伝達されて、退避走行時のスロットル開度の要求値との間で選択される。この要求値は、車両の退避走行が可能となるように予め設定されたスロットル開度であり、エンジン1の故障によって通常の走行が行えない所定の状況で選択される。
以上のようにして選択(調停)されたスロットル開度の要求値、即ち目標スロットル開度が前記選択部541eから(即ち調停部541から)出力されて、制御出力部551に伝達される。これに応じて制御出力部551からスロットルモータ8aにスロットル駆動信号が出力される。そして、スロットルモータ8aの動作によってスロットルバルブ8の開度が、エンジン1の運転状態若しくは始動、フェール、OBDなどの種々の状況に対応して好適に制御される。
つまり、本実施形態においては前記のスロットル開度の調停部541によって、トルク要求に対応する第1の要求値と、始動、フェールセーフ、部品保護、OBDなどの他の要求に対応する第2の要求値とのいずれかを選択して、目標スロットル開度を算出する目標開度算出部が構成されている。
−制御演算の異常の判定−
本実施形態では、前記スロットル開度の調停部541における制御演算上の異常を検出するために異常判定部560が設けられている。いわゆるRAM化けやRAM値異常などと呼ばれる制御演算の異常は、例えばノイズやECU500の瞬間的な電圧低下などの影響で、RAMへのデータの書き込みが正常に行われなかったときに発生する。異常が発生すると目標スロットル開度が過大になってしまい、意図しない過剰なエンジントルクによってドライバが違和感を覚えることがある。
本実施形態では、前記スロットル開度の調停部541における制御演算上の異常を検出するために異常判定部560が設けられている。いわゆるRAM化けやRAM値異常などと呼ばれる制御演算の異常は、例えばノイズやECU500の瞬間的な電圧低下などの影響で、RAMへのデータの書き込みが正常に行われなかったときに発生する。異常が発生すると目標スロットル開度が過大になってしまい、意図しない過剰なエンジントルクによってドライバが違和感を覚えることがある。
これに対し本実施形態では、前記図4の他、図5にも示すように、調停部541に伝達されるスロットル開度の第1および第2の要求値の信号と、トルク要求に対応する第1の要求値(ID=0)が選択される場合に調停部541から出力されるID情報の信号と、調停部541から制御出力部551へ伝達される目標スロットル開度の信号とを受けて、前記のような制御演算上の異常を判定する異常判定部560を設けている。
図示の例では異常判定部560は、スロットル開度の第1の要求値と目標スロットル開度との偏差の大きさによって異常を判定する第1の判定部561と、目標スロットル開度の大きさなどによって異常を判定する第2の判定部562と、を有している。すなわち、第1の判定部561は、目標スロットル開度からスロットル開度の第1の要求値を減算し、その偏差の絶対値と予め設定されている閾値との大小を判別する大小判別部561aを備えている。
また、第1の判定部561は、前記目標スロットル開度と第1の要求値との偏差(絶対値)が閾値よりも大きいときに大小判別部561aから出力される信号と、調停部541からのID情報の信号とが、それぞれ入力されるANDゲート部561bも備えている。このANDゲート部561bから出力される信号はORゲート部563に入力される。また、ORゲート部563には、前記第2の判定部562からの信号も入力される。
第2の判定部562は、詳しくは以下に説明するように、複数の第2の要求値のうち優先順位の最も高いものについて異常の判定を行う。そして、第1または第2の判定部561,562のいずれかからの信号が入力されると、ORゲート部563から出力される信号が時間判別部564に入力され、これが所定時間以上、継続すると時間判別部564から異常判定が出力されるようになっている。
以下、第1および第2の判定部562によって実行される異常判定ルーチンについて、図6のフローチャートも参照して具体的に説明する。なお、このルーチンはECU500において所定の時間(例えば数十ミリ秒)間隔で繰り返し実行される。
まず、ECU500は、スロットル開度の調停部541から異常判定部560に出力されるID情報の信号によって、スロットル開度の第1または第2のいずれの要求値が選択(調停)されたか判別する(ステップST1)。前記のようにID情報の信号は、ID=0の場合に調停部541から出力され、第1の判定部561のANDゲート部561bに入力されるので、この信号が入力していれば第1の要求値が選択されたと否定判別し(NO)、ステップST2に進む。
ステップST2では、スロットル開度の偏差の大きさ(絶対値)が閾値よりも大きいか否か判別し、否定判別(NO)であれば後述のステップST9に進む一方、肯定判別(YES)であればステップST3に進んで、異常カウンタをインクリメントする。すなわち、偏差が閾値よりも大きいときには、図5の大小判別部561aから出力される信号がANDゲート部561bに入力され、ここから出力される信号がORゲート部563に入力され、ここから出力される信号が時間判別部564に入力されて、異常カウンタがインクリメントされるのである。
こうしてインクリメントされる異常カウンタの値が所定値になったか否かによって、所定時間の経過が判定され(ステップST4)、これが否定判別(NO)であれば前記ステップST1に戻る一方、所定時間が経過して肯定判別(YES)になると、異常判定出力がなされる(ステップST5)。つまり、スロットル開度の第1の要求値が選択された場合、この第1の要求値と目標スロットル開度との偏差の大きさによって異常が判定され、これが所定時間以上、継続すれば異常との判定結果が出力される。
一方、調停部541からID情報の信号が出力されておらず、前記のステップST1において第2の要求値が選択されたと肯定判別すれば(YES)、ステップST6に進んで、第2の要求値がエンジン1の状態を表す所定の情報と関連する要求を表すものか否か判別する。所定の情報とは、例えばエンジン回転数、吸入空気量、燃料噴射量、現時点の実点火時期、冷却水温度など、エンジン1の種々の状態を表すものであって、この情報によって表されるエンジン1の状態で前記の要求が発生し得るか否かを判別するために用いられる。
すなわち、上述したようにスロットル開度の第2の要求値の信号には、例えば始動、フェールセーフ、部品保護、OBDの順にID=1〜4が設定されているので、ステップST6では、それぞれの要求が前記所定の情報によって表されるエンジン1の状態と関連するか否か判別する。そして、否定判別(NO)すれば後述のステップST8に進む一方、肯定判別(YES)すればステップST7に進む。
ステップST7では、前記したように所定の情報によって表されるエンジン1の状態で第2の要求値が出力され得るか否か、即ち要求が不適か否か判別する。例えばエンジン1の始動時にはエンジン回転数はあまり高くはならないので、第2の要求値が始動要求である場合にエンジン回転数が所定回転数以上であれば、要求は不適と肯定判別(YES)する。同様に、所定の情報として燃料噴射量を参照し、これが零でないときにはエンジン1の停止時にのみ発生する要求は不適と判別するようにしてもよい。
ステップST7において要求が不適でないと否定判別(NO)すれば、後述のステップST9に進む一方、要求が不適であると肯定判別(YES)すれば前記のステップST3に進んで、異常カウンタをインクリメントする。すなわち、前記の図5において第2の判定部562から出力される信号がORゲート部563に入力され、ここから出力される信号が時間判別部564に入力されて、異常カウンタがインクリメントされる。
また、前記ステップST6において第2の要求値が所定の情報と関連する要求でないと否定判別(NO)された場合は、ステップST8に進んで、第2の要求値が所定の上限値以上であるか否か判別する。この上限値は、エンジン1の現在の状態に対してあり得ないスロットル開度の値を予め設定したもので、例えばアイドリング中であればスロットル開度の15°くらいを上限値に設定すればよい。
そして、スロットル開度の要求値(第2の要求値)が上限値以上であれば、異常が発生しているので、ステップST8において肯定判別(YES)して前記のステップST3に進み、異常カウンタをインクリメントする。こうしてインクリメントされる異常カウンタの値が所定値になれば(ステップST4でYES)、上述したように異常判定の出力がなされる(ステップST5)。一方、第2の要求値が上限値以上でないと否定判別(NO)すればステップST9に進んで、異常カウンタはクリアする。
つまり、スロットル開度の第2の要求値が選択された場合は、この第2の要求値が所定の上限値以上であるか、現在のエンジン1の状態では第2の要求値が発生しないか、のいずれかの場合に異常が判定され、これらの状態が所定時間以上、継続すれば異常との判定結果が出力される。
したがって、本実施形態の制御装置では、ドライバビリティなどの基本的な機能要求を所定の物理量によって表現し、調停することによって、エンジン1への基本的な要求をバランス良く満たした好適な運転状態に制御することができる。一方、始動やフェールセーフなどの他の要求は、スロットルバルブ8などアクチュエータの制御量で表現して調停するようにしている。
このことからスロットル開度の調停部541では、主にトルク要求に対応する第1の要求値と、それ以外の他の要求に対応する第2の要求値とを調停して、目標スロットル開度を算出することになる。この場合、第1の要求値に基づいて目標スロットル開度を算出するのであれば、異常判定部560により両者の偏差の大きさから制御の演算上の異常を判定することができる。
一方、第2の要求値に基づいて目標スロットル開度を算出する場合には、トルク要求と目標スロットル開度との偏差から異常を判定することはできないが、この場合には第2の要求値が現在のエンジン1の状態では発生しないか、或いは所定の上限値以上であるか、のいずれかによって異常を判定することができる。
つまり、目標スロットル開度の算出の仕方によって異常の判定方法を切り替えることにより、トルク要求だけでなくそれ以外の他の要求も勘案して目標スロットル開度を算出する場合にも、制御演算の異常を正確に判定することができる。
−その他の実施形態−
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば前記の実施形態では、スロットル開度の第2の要求値に基づいて目標スロットル開度を算出する場合に、この第2の要求値が現在のエンジン1の状態では発生しないか、或いは所定の上限値以上であるか、のいずれかによって異常を判定するようにしているが、これは上限値以上の場合に異常を判定するだけであってもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば前記の実施形態では、スロットル開度の第2の要求値に基づいて目標スロットル開度を算出する場合に、この第2の要求値が現在のエンジン1の状態では発生しないか、或いは所定の上限値以上であるか、のいずれかによって異常を判定するようにしているが、これは上限値以上の場合に異常を判定するだけであってもよい。
また、前記の実施形態では複数の第2の要求値の信号に、それぞれを識別するとともに要求の優先順位を表す情報(ID)を随伴させているが、これにも限定されず、複数の要求には予め優先順位を設定しなくてもよい。
さらに、前記実施形態の制御装置は、エンジン1の基本的な機能要求を所定の物理量で表現して調停するとともに、それ以外の要求はアクチュエータの制御量で表現して調停するようにしているが、これにも限定されない。本発明は、トルク要求に対応する第1の要求値とそれ以外の他の要求に対応する第2の要求値とのいずれかを選択して、目標スロットル開度を算出するようにしたエンジン制御装置に適用可能である。
さらにまた、前記の実施形態では、本発明の制御装置を車両に搭載される火花点火式エンジン1に適用した場合について説明したが、本発明は火花点火式エンジン1以外のエンジン、例えばディーゼルエンジンにも適用可能であり、電動機も備えたハイブリッドシステムに備わるエンジンにも適用可能である。
1 エンジン(内燃機関)
8 スロットルバルブ
500 ECU
540 制御量調停階層
541 スロットル開度の調停部(目標開度算出部)
560 異常判定部
8 スロットルバルブ
500 ECU
540 制御量調停階層
541 スロットル開度の調停部(目標開度算出部)
560 異常判定部
Claims (6)
- 少なくともスロットル開度を制御する内燃機関の制御装置であって、
前記内燃機関へのトルク要求に対応するスロットル開度の第1の要求値と、それ以外の他の要求に対応するスロットル開度の第2の要求値とのいずれかを選択するとともに、この選択した要求値から目標スロットル開度を算出する目標開度算出部と、
前記目標開度算出部において前記第1の要求値が選択される場合、この第1の要求値と前記目標スロットル開度との偏差の大きさによって異常を判定する一方、前記第2の要求値が選択される場合は、前記目標スロットル開度が所定の上限値以上であるか否かによって異常を判定する異常判定部と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
前記異常判定部は、前記目標開度算出部において前記第2の要求値が選択される場合、内燃機関の状態に関連する所定の情報を参照して、当該内燃機関の状態では前記他の要求が発生しないときにも異常と判定する、内燃機関の制御装置。 - 請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
前記他の要求が内燃機関の始動時にのみ発生する要求であり、
前記所定の情報はエンジン回転数であって、エンジン回転数が所定回転数以上であれば異常と判定する、内燃機関の制御装置。 - 請求項2または3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置において、
前記他の要求が内燃機関の停止時にのみ発生する要求であり、
前記所定の情報は燃料噴射量であって、燃料噴射量が零でなければ異常と判定する、内燃機関の制御装置。 - 請求項2〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置において、
前記第2の要求値は、複数の他の要求に対応して複数、存在するとともに、それぞれの第2の要求値の信号には選択の優先順位の情報が随伴されており、
前記目標開度算出部は、前記優先順位の情報に従って、前記第1の要求値と複数の第2の要求値とのうちから、いずれか1つの要求値を選択する、内燃機関の制御装置。 - 請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、
前記異常判定部は、前記目標開度算出部において前記第2の要求値が選択される場合、前記優先順位の最も高い第2の要求値について異常の判定を行う、内燃機関の制御装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013034987A JP5716771B2 (ja) | 2013-02-25 | 2013-02-25 | 内燃機関の制御装置 |
PCT/JP2013/076268 WO2014129003A1 (ja) | 2013-02-25 | 2013-09-27 | 内燃機関の制御装置 |
CN201380073698.3A CN105074181B (zh) | 2013-02-25 | 2013-09-27 | 内燃机的控制装置 |
DE112013006725.0T DE112013006725B4 (de) | 2013-02-25 | 2013-09-27 | Verbrennungsmotor-Steuerung |
US14/765,966 US9638123B2 (en) | 2013-02-25 | 2013-09-27 | Internal combustion engine controller |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013034987A JP5716771B2 (ja) | 2013-02-25 | 2013-02-25 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014163280A true JP2014163280A (ja) | 2014-09-08 |
JP5716771B2 JP5716771B2 (ja) | 2015-05-13 |
Family
ID=51390821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013034987A Active JP5716771B2 (ja) | 2013-02-25 | 2013-02-25 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9638123B2 (ja) |
JP (1) | JP5716771B2 (ja) |
CN (1) | CN105074181B (ja) |
DE (1) | DE112013006725B4 (ja) |
WO (1) | WO2014129003A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10145325B2 (en) * | 2016-01-28 | 2018-12-04 | GM Global Technology Operations LLC | System and method for identifying a potential engine stall and controlling a powertrain system to prevent an engine stall |
JP7004161B2 (ja) * | 2018-03-16 | 2022-01-21 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP6939707B2 (ja) * | 2018-05-30 | 2021-09-22 | トヨタ自動車株式会社 | 車両システム |
CN110967189A (zh) * | 2019-12-13 | 2020-04-07 | 潍柴动力股份有限公司 | 节气门诊断方法、装置及存储介质 |
JP7302466B2 (ja) * | 2019-12-23 | 2023-07-04 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用内燃機関の劣化判定装置 |
CN111810302B (zh) * | 2020-07-01 | 2021-11-12 | 东风汽车集团有限公司 | 汽油机最大输出扭矩的确定方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000073835A (ja) * | 1998-08-31 | 2000-03-07 | Hitachi Ltd | 自動車のスロットル制御装置および燃料制御装置 |
JP2011153578A (ja) * | 2010-01-27 | 2011-08-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | エンジンの吸気系に用いられる制御弁の制御装置及び制御方法 |
JP2012225245A (ja) * | 2011-04-19 | 2012-11-15 | Toyota Motor Corp | 機関吸気系の異常判定装置 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3611028B2 (ja) | 2000-08-29 | 2005-01-19 | トヨタ自動車株式会社 | 走行制御装置 |
US7267100B2 (en) * | 2001-04-03 | 2007-09-11 | Hitachi, Ltd. | Controller of internal combustion engine |
JP4121318B2 (ja) | 2002-06-26 | 2008-07-23 | 三菱電機株式会社 | 車両用のエンジン制御装置 |
JP4760626B2 (ja) | 2006-09-06 | 2011-08-31 | トヨタ自動車株式会社 | 動力システムのトルク制御装置 |
JP4298769B2 (ja) * | 2007-02-07 | 2009-07-22 | 本田技研工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
US7810468B2 (en) * | 2007-06-13 | 2010-10-12 | Denso Corporation | Controller and control system for internal combustion engine |
JP4442704B2 (ja) | 2008-08-26 | 2010-03-31 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP5189513B2 (ja) | 2009-01-28 | 2013-04-24 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
-
2013
- 2013-02-25 JP JP2013034987A patent/JP5716771B2/ja active Active
- 2013-09-27 US US14/765,966 patent/US9638123B2/en active Active
- 2013-09-27 WO PCT/JP2013/076268 patent/WO2014129003A1/ja active Application Filing
- 2013-09-27 CN CN201380073698.3A patent/CN105074181B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2013-09-27 DE DE112013006725.0T patent/DE112013006725B4/de not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000073835A (ja) * | 1998-08-31 | 2000-03-07 | Hitachi Ltd | 自動車のスロットル制御装置および燃料制御装置 |
JP2011153578A (ja) * | 2010-01-27 | 2011-08-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | エンジンの吸気系に用いられる制御弁の制御装置及び制御方法 |
JP2012225245A (ja) * | 2011-04-19 | 2012-11-15 | Toyota Motor Corp | 機関吸気系の異常判定装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20150377163A1 (en) | 2015-12-31 |
US9638123B2 (en) | 2017-05-02 |
CN105074181A (zh) | 2015-11-18 |
DE112013006725T5 (de) | 2015-11-12 |
CN105074181B (zh) | 2017-08-25 |
JP5716771B2 (ja) | 2015-05-13 |
WO2014129003A1 (ja) | 2014-08-28 |
DE112013006725B4 (de) | 2020-01-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5716771B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US8306722B2 (en) | Power-based engine speed control | |
JP4396748B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US7599780B2 (en) | Methods and systems to feedback coordinated torque control system information | |
US8364381B2 (en) | Control system and method for idle speed control torque reserve reduction | |
JP5786880B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5811128B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US9541014B2 (en) | Method for pre-ignition control | |
US8340888B2 (en) | System and method for reducing powertrain disturbances based on system energy | |
JP6123759B2 (ja) | エンジンの制御装置 | |
US8942908B2 (en) | Primary torque actuator control systems and methods | |
US9096210B2 (en) | Coordination of fuel cutoff for fault detection and hybrid operation | |
JP2009133276A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
WO2016088649A1 (ja) | エンジンの制御装置 | |
JP6167637B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5585600B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6171504B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP6904274B2 (ja) | 内燃機関制御システム | |
JP4315221B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
US9353655B2 (en) | Oil pump control systems and methods for noise minimization | |
JP2014214681A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2011085064A (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
JP2019019712A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2013057288A (ja) | 気筒間空燃比ばらつき推定方法および故障判定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150217 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150302 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5716771 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |