JP2014163259A - 高圧燃料ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウジング本体からシリンダ部材にプランジャ摺動面を変形させる力が働くのを抑制し、ポンプ寿命やポンプ効率を向上させ得る高圧燃料ポンプを提供する。
【解決手段】ポンプハウジングのハウジング本体22が、プランジャを摺動させるシリンダ部材21と、その一端部21aが嵌入されるとともにバルブユニット14が結合された上ハウジング部材32と、シリンダ部材21が嵌入されるとともに上ハウジング部材32に対しシリンダ部材21の他端部21b側に配置された下ハウジング部材33とを含み、上ハウジング部材32は、シリンダ部材21が嵌入された圧入穴32hの下端側内周壁部32iと、バルブユニット14が結合された接続部材結合部32fとを有する。そして、下端側内周壁部32iと接続部材結合部32fとの間には、圧入穴32hの径方向で下端側内周壁部32iと接続部材結合部32fとを離間させる隙間32gが形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】ポンプハウジングのハウジング本体22が、プランジャを摺動させるシリンダ部材21と、その一端部21aが嵌入されるとともにバルブユニット14が結合された上ハウジング部材32と、シリンダ部材21が嵌入されるとともに上ハウジング部材32に対しシリンダ部材21の他端部21b側に配置された下ハウジング部材33とを含み、上ハウジング部材32は、シリンダ部材21が嵌入された圧入穴32hの下端側内周壁部32iと、バルブユニット14が結合された接続部材結合部32fとを有する。そして、下端側内周壁部32iと接続部材結合部32fとの間には、圧入穴32hの径方向で下端側内周壁部32iと接続部材結合部32fとを離間させる隙間32gが形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、高圧燃料ポンプに関し、特にプランジャを摺動させるシリンダ部材がポンプハウジングのハウジング本体に嵌入されている高圧燃料ポンプに関する。
高圧燃料噴射を行う内燃機関において、ポンプハウジングのシリンダ内にプランジャを摺動可能に挿入し、プランジャの往復動によって燃料を吸入および吐出できるようにした高圧燃料ポンプが多用されている。また、ポンプハウジングのハウジング本体にシリンダ部材を圧入等により嵌入することで、ハウジング本体の加工を容易化するとともに、シリンダ内壁面の形状精度および耐久性を高めることが行われている。
そのような高圧燃料ポンプとしては、例えば互いに別体をなす単純形状の上下のハウジング部材およびカバー部材によりポンプハウジングのハウジング本体を構成することで、ポンプハウジングの駄肉を減らすようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述のような従来の高圧燃料ポンプでは、ハウジング本体の上ハウジング部材に吸入側および吐出側のバルブユニットが結合されたり、高圧燃料ポンプを内燃機関に取り付けるための取付フランジ部がハウジング本体のカバー部材もしくは下ハウジング部材と一体に設けられたりしていたため、次のような問題があった。
すなわち、吸入側および吐出側のバルブユニットがハウジング本体の上ハウジング部材にねじ締結や圧入等によって結合されると、シリンダ部材の軸方向の一部に、摺動面と垂直な方向である側圧方向に大きな力が加わってしまう。また、取付フランジ部からカバー部材や下フランジ部材にボルト締結に起因するモーメントが加わるため、カバー部材からバルブユニットに力が加わったり下ハウジング部材が歪んだりし易くなる。
そのため、特にバルブユニットが本来の取付け位置や取付け姿勢から変位し易くなり、プランジャを摺動させるシリンダ部材の内壁面が変形することで、プランジャの摺動抵抗の増加によってポンプ寿命の低下やポンプ効率の低下を招く虞があった。
そこで、本発明は、ポンプハウジングのハウジング本体からシリンダ部材の一部にプランジャ摺動面を変形させるような力が働くことを有効に抑制し、ポンプ寿命やポンプ効率を向上させることのできる高圧燃料ポンプを提供することを目的とする。
本発明に係る高圧燃料ポンプは、上記目的達成のため、(1)プランジャと、前記プランジャが摺動可能に挿入され、前記プランジャによる燃料の加圧が可能な燃料加圧室および該燃料加圧室に連通する燃料通路が形成されているポンプハウジングと、前記燃料通路を外部の通路に接続するよう前記ポンプハウジングに装着された配管接続部材と、を備えた高圧燃料ポンプであって、前記ポンプハウジングが、前記プランジャを摺動可能に案内するシリンダ部材と、前記シリンダ部材の一端部が嵌入されるとともに前記配管接続部材が結合された上ハウジング部材と、前記シリンダ部材が嵌入されるとともに前記上ハウジング部材に対して前記シリンダ部材の他端側に配置された下ハウジング部材と、を含み、前記上ハウジング部材は、前記シリンダ部材が嵌入された嵌入穴の下端側を形成する下端側内周壁部と、前記配管接続部材が結合された接続部材結合部と、を有し、前記下端側内周壁部と前記接続部材結合部との間には、前記嵌入穴の径方向で前記下端側内周壁部と前記接続部材結合部とを離間させる隙間が形成されていることを特徴とする。
この構成により、配管接続や取付け等に際し、上ハウジング部材の接続部材結合部側に対して下端側内周壁部とシリンダ部材との間の圧接力を高めるようなモーメントが入力されたとしても、隙間の存在により、下端側内周壁部が上ハウジング部材の接続部材結合部側から直接的にシリンダ部材に向かう圧接方向の力を受けることがなくなり、シリンダ部材の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことを有効に抑制できることになる。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(2)前記配管接続部材が、前記燃料加圧室への燃料吸入通路を形成するとともに該燃料吸入通路を開閉する吸入バルブを内蔵する吸入バルブユニットと、前記燃料加圧室からの燃料吐出通路を形成するとともに該燃料吐出通路を開閉する吐出バルブを内蔵する吐出バルブユニットとのうち少なくとも一方によって構成されていてもよい。
この場合、吸入バルブユニットおよび吐出バルブユニットのうち少なくとも一方が予め組み付けられた高圧燃料ポンプとなり、その組付け時の結合力を十分に高めることができるとともに、そのバルブユニットに接続される外部の配管を簡素化できることになる。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(3)前記配管接続部材が、前記吸入バルブユニットおよび前記吐出バルブユニットの双方によって構成され、前記吸入バルブユニットおよび前記吐出バルブユニットが、互いに同一軸線上に配置されていてもよい。
この場合、吸入バルブユニットおよび吐出バルブユニットが直線的に配置されるため、シリンダ部材の軸方向の特定部位にプランジャの側圧を過大にするような力が入力され易くなるが、それにもかかわらず、シリンダ部材の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことを有効に抑制できることになる。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(4)前記ポンプハウジングが、前記上ハウジング部材を覆うとともに前記配管接続部材が貫通する貫通穴が形成されたカバー部材をさらに含み、前記ポンプハウジングの前記カバー部材と前記配管接続部材との間の環状隙間が閉止されるように、前記カバー部材と前記配管接続部材とが固着されていてもよい。
この場合、カバー部材から配管接続部材に力が作用すると、シリンダ部材の軸方向の特定部位でプランジャの側圧が大きくなるようなモーメントが入力され易くなるが、その場合も、隙間の存在により、下端側内周壁部が上ハウジング部材の接続部材結合部側から直接的にシリンダ部材に向かう圧接方向の力を受けることがなくなり、シリンダ部材の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことが有効に抑制される。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(5)前記下ハウジング部材が、前記上ハウジング部材に嵌入された環状圧接部を有し、前記環状圧接部は、前記上ハウジング部材の前記嵌入穴の径方向で前記接続部材結合部に圧接するとともに、前記嵌入穴の軸方向で前記上ハウジング部材の前記下端側内周壁部に対向していてもよい。
この場合、上ハウジング部材がシリンダ部材の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わる方向に変形するのを、下ハウジング部材の環状圧接部によって有効に抑制することができる。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(6)前記環状圧接部は、前記上ハウジング部材の前記嵌入穴の径方向外方側で前記上ハウジング部材に圧接する一方、前記嵌入穴の径方向内方側で前記シリンダ部材に圧接していてもよい。
この場合、上ハウジング部材がシリンダ部材の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わる方向に変形するのを、下ハウジング部材の環状圧接部によって効果的に抑制しつつ、シリンダ部材の軸方向の中間部を的確に保持できる。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(7)前記上ハウジング部材の前記下端側内周壁部は、前記シリンダ部材に圧入嵌合する内周嵌合面を有しており、前記圧入嵌合面は、前記嵌入穴の軸方向一方側における前記隙間の最端位置よりも前記嵌入穴の軸方向他方側に位置するものであってもよい。
この場合、上ハウジング部材の下端側内周壁部の外周側の全域に及ぶ隙間が形成されることになり、シリンダ部材の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことがより有効に抑制される。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(8)前記下ハウジング部材が、前記嵌入穴の軸方向一方側で前記上ハウジング部材に突き当てられるとともに、前記嵌入穴の軸方向他方側で前記シリンダ部材に突き当てられていてもよい。
この場合、上ハウジング部材および下ハウジング部材に対するシリンダ部材の嵌入深さ位置および嵌入範囲を安定させることができる。
本発明の高圧燃料ポンプにおいては、(9)前記隙間が、前記上ハウジング部材の前記下端側内周壁部の全周を取り囲む環状に形成されていてもよい。
この場合、上ハウジング部材に対して、複数の配管接続部材が軸線を交差させる方向に接続されたとしても、隙間が確実に存在することにより、下端側内周壁部が上ハウジング部材のいずれかの接続部材結合部側から直接的にシリンダ部材に向かう圧接方向の力を受けることがなく、シリンダ部材の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことが有効に抑制される。
本発明によれば、ポンプハウジングのハウジング本体からシリンダ部材の一部にプランジャ摺動面を変形させるような力が働くのを有効に抑制し、ポンプ寿命やポンプ効率を向上させることのできる高圧燃料ポンプを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプを示している。
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る高圧燃料ポンプを示している。
なお、本実施形態の高圧燃料ポンプは、車両に搭載される内燃機関、例えば気筒内直接燃料噴射が可能ないわゆる筒内噴射式あるいはデュアル噴射式の多気筒のガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)に装備され、そのエンジンの燃料をプランジャにより高圧に加圧して吐出するものである。
図1に示す本実施形態の高圧燃料ポンプ10は、その吸入側で、図示しない低圧燃料ポンプから燃料が供給される低圧燃料回路に配管接続されており、低圧燃料ポンプによって燃料タンク内から汲み上げられてフィード圧に加圧された燃料を吸入するようになっている。ここにいう低圧燃料ポンプは、例えばポンプインペラを駆動モータで回転駆動する電動式ポンプ等で構成されている。
また、高圧燃料ポンプ10は、その吐出側でデリバリーパイプを介して複数の筒内噴射用のインジェクタに配管接続されており、デリバリーパイプに対して高圧の燃料を圧送するようになっている。ここにいうデリバリーパイプは、高圧燃料ポンプ10から吐出される高圧の燃料を貯留し蓄圧するもので、前記エンジンの各気筒内直接燃料噴射(以下、筒内噴射という)用のインジェクタの開弁時に、そのインジェクタに高圧の燃料を分配・供給するようになっている。
図1に示すように、高圧燃料ポンプ10は、略円柱状のプランジャ11と、このプランジャ11の一端側を軸方向に往復変位可能に保持するポンプハウジング12と、ポンプハウジング12に対しプランジャ11の軸線と直交する径方向に向かって取り付けられた吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14と、を備えている。
プランジャ11は、図1中の下方側で駆動カム15に係合するとき、駆動カム15の回転に伴って図1中の上下方向に往復移動するように、復帰ばね16およびばね受け板17を介して駆動カム15側に付勢されるようになっている。この駆動カム15は、少なくとも周方向の一箇所でそのリフト量が大きくなるカムプロフィール、例えば楕円形または角が丸められた多角形のカムプロフィールを有している。この駆動カム15は、例えばエンジンの排気側か吸気側のカムシャフトScに一体に装着されており、エンジンの動力により回転駆動される。
ポンプハウジング12の基端側には、複数の取付ボルト穴12hが形成された取付フランジ部12fと、ヘッドカバー等に一体化されたポンプ取付ケースCvの取付穴部に嵌入される取付嵌合部12eとが設けられており、ポンプハウジング12は、複数の取付ボルト穴12hに挿入された図示しない複数のボルトによってポンプ取付ケースCvに締結される。なお、プランジャ11とポンプハウジング12の間には、燃料シールおよびオイルシールを併有するシールユニット18が介装されている。
ポンプハウジング12は、プランジャ11を摺動可能に案内するシリンダ部材21と、このシリンダ部材21を中心部に圧入嵌合させたハウジング本体22とによって構成されている。そして、これらシリンダ部材21およびハウジング本体22により、プランジャ11を介して燃料を加圧可能な燃料加圧室23と、その燃料加圧室23に連通する吸入側の燃料通路24a(燃料吸入通路)および吐出側の燃料通路24b(燃料吐出通路)とが形成されている。
吸入側の燃料通路24aは、低圧燃料ポンプからの燃料を燃料加圧室23に吸入させることができ、吐出側の燃料通路24bは、燃料加圧室23の内部で加圧された燃料を燃料加圧室23からデリバリーパイプ側に吐出させることができるようになっている。
ハウジング本体22は、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14が図1中の左右方向に貫通するカップ状すなわち有底筒状のカバー部材31と、カバー部材31の内方に収納された上ハウジング部材32と、取付フランジ部12fや復帰ばね16のばね受け部を有し、シリンダ部材21とともにカバー部材31の開口端を閉止する下ハウジング部材33と、を含んで構成されている。
そして、シリンダ部材21がハウジング本体22の長手方向中央部に軸直角方向に圧入嵌合された状態で、これらカバー部材31、上ハウジング部材32および下ハウジング部材33が一体的に結合されている。なお、カバー部材31の下ハウジング部材33への結合方法や、シリンダ部材21の下ハウジング部材33への結合方法としては、圧入やろう付け、ねじ結合等、任意の結合方法が採用できる。
ポンプハウジング12の内部であって上ハウジング部材32の周囲には、吸入ギャラリ室12gが形成している。この吸入ギャラリ室12gは、吸入側の燃料通路24aに連通する所定容積の室で、低圧側の燃料が貯留されるとともに図示しない公知のパルセーションダンパが収納されている。
吸入バルブユニット13は、詳細を図示しないが、吸入側の燃料通路24aの途中に弁座13cを形成する筒状の外筒部材13aと、その外筒部材13a内に収納された吸入弁体13bおよび弁ばね13dとを備えている。そして、その外筒部材13aは、上ハウジング部材32の吸入側の取付穴32aに嵌入されるかねじ結合され、その取付穴32aの内奥側の突当部32bに突き当てられている。また、吸入弁体13bは、弁ばね13dによって例えば閉弁側に常時付勢されており、その前後に燃料加圧室23側が低圧となる所定の開弁差圧が生じるときに開弁するようになっている。なお、吸入バルブユニット13は、吸入弁体13bを開弁操作することができるソレノイド等を実装したものであってもよいし、常開型の吸入弁体13bをソレノイド等により閉弁させるものでもよい。
吐出バルブユニット14は、図2に示すように、上ハウジング部材32の吐出側の取付穴32cにねじ結合された外筒部材14aと、外筒部材14aのねじ先端側から内方に圧入された内筒部材14bとを有し、これら外筒部材14aおよび内筒部材14bによって吐出側の燃料通路24bの一部を形成している。また、外筒部材14aの内方には逆止弁機能を有する吐出弁体14vが収納されており、吐出バルブユニット14は、吐出側の燃料通路24bを吐出弁体14vによって開閉するようハウジング本体22にねじ結合された流体制御ユニットとなっている。
吐出バルブユニット14の外筒部材14aは、ハウジング本体22にねじ結合するねじ結合部14sを有しており、そのねじ結合部14sの先端側で内筒部材14bのフランジ部14fを介して上ハウジング部材32の取付穴32cの内奥側の突当部32dに突き当たるようになっている。
内筒部材14bには、吐出側の燃料通路24bの一部を形成するとともに吐出弁体14vが係合および離脱することによって開閉される弁座14wが形成されている。また、内筒部材14bには、吐出弁体14vを閉弁方向に常時付勢する弁ばね14pが収納されている。さらに、内筒部材14bの弁座14wより下流側の部分は、外筒部材14aとともに吐出弁体14vより下流側の高圧通路部分24cの一部を画成している。
そして、吐出弁体14vは、燃料加圧室23から吐出される燃料の圧力が下流側の燃料圧力に対して所定の吐出弁開弁差圧(例えば数十kPaの差圧)分だけ余計に加圧されたときに開弁する。すなわち、プランジャ11が燃料加圧室23の容積を減少させるよう図1中の上方側に変位するとき、燃料加圧室23内の燃料が加圧され、吐出弁体14vの前後に吐出弁開弁差圧以上の差圧が生じることにより、吸入弁の閉弁状態下で吐出弁体14vが開弁方向に変位し得るようになっている。
このように、本実施形態の高圧燃料ポンプ10は、シリンダ部材21を有するとともに燃料加圧室23、吸入側の燃料通路24aおよび吐出側の燃料通路24bがそれぞれ形成されたポンプハウジング12を備えており、そのハウジング本体22を構成する上ハウジング部材32に対して吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14が結合されている。
これら吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14は、互いに同一軸線上に直線的に配置されつつカバー部材31を貫通するよう、カバー部材31の一対の貫通穴31a,31bの内方にそれぞれ挿入されている。そして、カバー部材31と吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14は、互いの間の環状隙間をそれぞれ気密的に閉止するように、略L字形断面の環状補助部材51,52を介した溶接結合により互いに固着されている。
本発明にいうバルブユニットは、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14のうち、上ハウジング部材32を介してシリンダ部材21の近傍に歪みを生じさせるモーメント等の発生が予測される少なくとも一方側のバルブユニットで構成される。また、そのバルブユニットは、吸入弁や吐出弁以外の弁、例えば吐出燃料圧力の上限を規定するリリーフ弁14r(図2参照)を内蔵するものであってもよいし、他の流体制御要素を内蔵するものであってもよい。また、吸入弁または吐出弁を内蔵するバルブユニットに、リリーフ弁その他の流体制御要素が併せて組み込まれてもよい。なお、リリーフ弁は、吐出弁より十分に高設定圧の逆止弁機能を有し、吐出弁をバイパスするバイパス通路に吐出弁とは逆向きに設置される。
カバー部材31は、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の共通の軸線に対し直交しつつ互いに平行に離間する少なくとも一対の平行面、例えば4対の平行面31fを外周側に有している。そして、カバー部材31の貫通穴31a,31bは、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の共通の軸方向における上ハウジング部材32の両端と平行をなす一対の平行面31f上に開口しており、カバー部材31の両平行面31fに対してこれらに対応する環状補助部材51,52が固着されている。
図1および図2に示すように、上ハウジング部材32は、吸入バルブユニット13が圧入結合された一端側の第1の接続部材結合部32eと、吐出バルブユニット14がねじ結合された他端側の第2の接続部材結合部32fとを有している。
また、上ハウジング部材32は、第1および第2の接続部材結合部32e,32fの間に位置する長手方向中央部に、シリンダ部材21の一端部21aが嵌入された中央の圧入穴32h(嵌入穴)と、その圧入穴32hの下端側を形成する下端側内周壁部32iとを有している。
図2に示す断面の近傍において、ハウジング本体22によるシリンダ部材21の圧入保持は、シリンダ部材21の一端部21aが上ハウジング部材32に対して圧入された図2中上方側の高さh0の嵌合範囲で強固に行われる。さらに、この圧入保持は、シリンダ部材21の軸方向中央部21cが上ハウジング部材32に対して圧入された図2中の上下方向中央側の高さh1の嵌合範囲と、その軸方向中央部21cが下ハウジング部材33に対して圧入された図2中の下方側の高さh3の範囲とでも行われるようになっている。
そして、下端側内周壁部32iと第1および第2の接続部材結合部32e,32fとの間には、それぞれ圧入穴32hの径方向において下端側内周壁部32iと第1および第2の接続部材結合部32e,32fとを離間させる所定形状の溝状の隙間32gが形成されている。
図3中に破線で示すように、この隙間32gは、上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iの全周を取り囲む下向きの凹部、例えば環状溝として形成されているが、シリンダ部材21を間に挟んで対向する一対の円弧溝状の隙間として形成されていてもよい。また、隙間32gの断面形状は、矩形、U字形、V形その他の任意の断面形状とし得るし、全周で一定の断面形状である必要はない。
より具体的には、上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iは、シリンダ部材21に圧入嵌合する内周嵌合面F1と、隙間32gを隔てて上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fに対向する外側対向面F2とを有しており、図2に示すように、上端側を固定端とする片持ち梁状の断面形状をなしている。
また、下端側内周壁部32iの内周嵌合面F1は、圧入穴32hの軸方向一方側(図2中の上方側)における隙間32gの高さ位置H1(最端位置)よりも圧入穴32hの軸方向他方側(図2中の下方側)に位置している。
下ハウジング部材33は、シリンダ部材21が嵌入された中央の嵌入穴33aと、嵌入穴33aの周囲で上ハウジング部材32の下部に嵌入された環状の凸形状をなす環状圧接部33bとを有している。
この下ハウジング部材33の嵌入穴33aは、上ハウジング部材32の圧入穴32hと略同一の穴径を有しており、例えば上ハウジング部材32の圧入穴32hよりもシリンダ部材21に対する圧入代が小さくなっている。
下ハウジング部材33の環状圧接部33bは、上ハウジング部材32に対してシリンダ部材21の他端部21b側である図2中の下方側に配置されており、上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fに対して径方向の内方側から圧接するとともに、圧入穴32hの軸方向で上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iに対向している。
そして、環状圧接部33bの外周面33c側(圧入穴32hの径方向外方側)では、環状圧接部33bが接続部材結合部32e,32fの下端側の内壁面部32j,32kに圧接し、一方、環状圧接部33bの内周面33d側(圧入穴32hの径方向内方側)では、環状圧接部33bがシリンダ部材21に圧接している。
また、下ハウジング部材33は、図2中の上方側で段付状に形成されて、環状圧接部33bの上面および径方向外側でそれぞれ上ハウジング部材32に突き当てられるとともに、図2中の下方側でシリンダ部材21の拡径部21fに突き当てられている。
下ハウジング部材33は、また、内周側の上端部に環状圧接部33bを有するとともに外周側の下端部に取付嵌合部12eを有する内側環状部材35と、この内側環状部材35を取り囲むとともに外周側に取付フランジ部12fを有する外側環状部材36と、によって構成されている。
シリンダ部材21およびハウジング本体22の間の嵌合は、吸入側および吐出側の燃料通路24a,24bに近接する近接領域Zの内方では、図2および図4に示すような隙間嵌めとなっているか、あるいは、いわゆるしっくり嵌合状態や相対的に弱い締まり嵌めとなっている。一方、近接領域Zの外方では、シリンダ部材21およびハウジング本体22の間の嵌合は、相対的に強い締まり嵌めとなっている。
すなわち、シリンダ部材21およびハウジング本体22は、図3中の左右の近接領域Zの範囲内では、嵌合がゆるい弱嵌合状態となり、左右の近接領域Zの範囲外では、互いに径方向に圧接するようきつく嵌合した強嵌合状態となるように、嵌合条件が設定されている。両図中においては、近接領域Z内におけるシリンダ部材21およびハウジング本体22の嵌合隙間を誇張して示している。
なお、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14は、上ハウジング部材32にねじ結合されていてもよいし、他の結合方法で一体的に結合されていてもよく、一部品として一体形成されていてもよい。また、吐出バルブユニット14の外筒部材14aの一端側の外周には、ねじ締結時に工具を係合させるための係合部、例えば6角形に拡径された工具係合部14hxが設けられているとともに、図示しない配管接続用のねじ部等が設けられている。
次に、作用を説明する。
上述のように構成された本実施形態の高圧燃料ポンプ10においては、吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14がカバー部材31に溶接されたり、ポンプハウジング12の取付フランジ部12fがボルトにより締結固定されたりする。そのため、上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fには、吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14をそれらの取付け姿勢から傾けるようなモーメントや、シリンダ部材21の軸方向の一部に側圧方向の力を加えるような各種応力が発生し得る。
また、吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14を介した燃料配管の接続時やエンジンの運転中における外力や加振力等によっても、上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fに対して下端側内周壁部32iとシリンダ部材21との間の圧接力を高める方向にモーメントや各種応力が発生し得る。
そして、それらモーメントや各種応力がシリンダ部材21に伝達されると、シリンダ部材21の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまい、プランジャ11を摺動可能に案内するシリンダ部材21の内周面21iに歪が生じる可能性がある。
しかし、本実施形態においては、上ハウジング部材32における下端側内周壁部32iと接続部材結合部32e,32fとの間に環状溝形状の隙間32gが存在することから、下端側内周壁部32iが上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32f側から直接的にシリンダ部材21に向かう圧接方向の大きな力を受けることがない。
しかも、吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14を取付け姿勢から傾けるようなモーメントが入力されるとき、上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fは、隙間32gの形成範囲(図2中の高さ位置H1と高さ位置H2の間の高さ区間)よりも下方側である図2中の高さh2の範囲内に位置する内壁面部32j,32kにて、下ハウジング部材33の環状圧接部33bの外周面33cに圧接している。さらに、シリンダ部材21に圧接嵌合する下ハウジング部材33の内周面33dの形成範囲は、図2中の高さh2の範囲よりさらに下方側の高さh3の範囲に拡大されている。なお、高さh3は、図2中のシリンダ部材21のフランジ状の拡径部21fの上面高さ位置H3から下ハウジング部材33の上面高さ位置H2までの高さであり、下ハウジング部材33の内周面33dの高さと略同一である。
したがって、前記モーメントの中心からの距離が小さい範囲内においては、シリンダ部材21の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことがなく、図2中の高さ位置H2より下方側まで中心からの距離が大きくなる広い範囲内では、前記モーメントに起因してシリンダ部材21に加わる圧接方向の力が十分に低下することになる。
また、本実施形態の高圧燃料ポンプ10では、配管接続部材として、吸入弁体13bおよび吐出弁体14vを内蔵する吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14のうち少なくとも一方が予め組み付けられているので、その組付け時の結合力を十分に高めることができるとともに、そのバルブユニット13または14に接続される外部の配管を簡素化できることになる。
さらに、本実施形態では、配管接続部材である吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14が互いに同一軸線上に配置されているので、従来であれば、シリンダ部材21の軸方向の特定部位にプランジャ11の側圧を過大にするような力が入力され得るところである。しかし、本実施形態では、上述の環状溝形状の隙間32gが存在することから、シリンダ部材21の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことを有効に抑制できる。
特に、本実施形態では、ポンプハウジング12がカバー部材31をさらに含み、そのカバー部材31と吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14とが溶接により固着されているため、カバー部材31から吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14に対しても前述のモーメントや各種応力が入力され得ることになる。しかし、下端側内周壁部32iと上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fの間の隙間32gの存在により、下端側内周壁部32iが直接的にシリンダ部材21に向かう圧接方向の力を受けることがない。
加えて、本実施形態では、下ハウジング部材33の環状圧接部33bが上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fに径方向内側から圧接しているので、上ハウジング部材32の変形によって軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わるのを、下ハウジング部材33によって十分に軽減し、有効に抑制することができる。
しかも、その下ハウジング部材33の環状圧接部33bは、圧入穴32hの径方向内方側ではシリンダ部材21に十分な面積で圧接しているので、シリンダ部材21の軸方向の一部に大きな力を加えてしまうような上ハウジング部材32の変形を有効に抑制するだけでなく、シリンダ部材21の軸方向の中間部を的確に保持できる。
また、上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iにおける内周嵌合面F1が、圧入穴32hの軸方向一方側(図2中の上方側)における隙間32gの上端の高さ位置H1よりも圧入穴32hの軸方向他方側(図2中の下方側)に位置するので、所要の圧接嵌合状態を確保しながらも、圧入穴32hの下端側近傍でシリンダ部材21に過大な側圧方向の力が加わってしまうことを有効に抑制できる。
さらに、下ハウジング部材33が、図2中の上方側では上ハウジング部材32に突き当てられ、図2中の下方側はシリンダ部材21に突き当てられているので、上ハウジング部材32および下ハウジング部材33に対するシリンダ部材21の嵌入深さ位置および嵌入範囲を安定させることができる。
また、上ハウジング部材32の隙間32gは上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iの全周を取り囲む環状に形成されているので、上ハウジング部材32に対して吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14や他の配管接続部材が互いに軸線を交差させる方向に接続されたとしても、下端側内周壁部32iとそれらの接続部材結合部32e,32f等の間に隙間32gが確実に存在することになる。したがって、下端側内周壁部32iが上ハウジング部材32のいずれかの接続部材結合部32e,32f等側から直接的にシリンダ部材21に向かう圧接方向の力を受けることがなく、シリンダ部材21の軸方向の一部に側圧方向の大きな力が加わってしまうことが有効に抑制される。
このように、本実施形態においては、ポンプハウジング12のハウジング本体22からシリンダ部材21の一部にプランジャ11の摺動面を変形させるような力が働くのを有効に抑制することができる。その結果、ポンプ寿命やポンプ効率を向上させることのできる高圧燃料ポンプ10を提供することができる。
(第2実施形態)
図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプを示している。
図5(a)は、本発明の第2実施形態に係る高圧燃料ポンプを示している。
なお、以下に説明する各実施形態は、上述の第1実施形態と略同様な全体構成を有する高圧燃料ポンプであり、そのポンプにおける下端側内周壁部と接続部材結合部との間の隙間形状が上述の第1実施形態とは相違するものである。したがって、以下の各実施形態については、上述の第1実施形態と略同様な構成部分については図1ないし図4に示した対応する構成要素の符号を用い、上述の第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図5(a)に示す第2実施形態の高圧燃料ポンプにおいては、第1実施形態における隙間32gに代えて、同図中の上下方向である吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の全域に及ぶように、一対の長い平行溝状の隙間42gが形状されている。
本実施形態においては、上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iは、シリンダ部材21に圧入嵌合する内周嵌合面F1と、下端側内周壁部32iの周方向の二箇所で平行溝状の隙間42gを隔てて上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fに対向する一対の平行な外側対向面F2とを有するものとなっている。
したがって、本実施形態においても、下端側内周壁部32iが上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32f側から直接的にシリンダ部材21に向かう圧接方向の大きな力を受けることがない。また、上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fは、平行溝状の隙間42gの形成範囲(図2中の高さ位置H1と高さ位置H2の間の高さ区間に相当する)よりも下方側で下ハウジング部材33の環状圧接部33bの外周面33cに圧接しており、シリンダ部材21に圧接嵌合する下ハウジング部材33の内周面33dの形成範囲は、図2中の高さh2の範囲よりさらに下方側の高さh3の範囲に拡大されている。
その結果、本実施形態においても、吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14を取付け姿勢から傾けるようなモーメント等が入力されるとき、ポンプハウジング12のハウジング本体22からシリンダ部材21の一部にプランジャ11の摺動面を変形させるような力が働くのを有効に抑制することができ、ポンプ寿命やポンプ効率を向上させることができる。
(第3実施形態)
図5(b)に示す第3実施形態の高圧燃料ポンプにおいては、第1実施形態における隙間32gに代えて、同図中の上下方向である吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の範囲内に位置するように、一対の短い平行溝状の隙間52gが形状されている。なお、これら一対の隙間52gに対応する溝の深さは、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の中央側で深く、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の両端側でそれぞれ浅くなっていてもよい。
図5(b)に示す第3実施形態の高圧燃料ポンプにおいては、第1実施形態における隙間32gに代えて、同図中の上下方向である吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の範囲内に位置するように、一対の短い平行溝状の隙間52gが形状されている。なお、これら一対の隙間52gに対応する溝の深さは、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の中央側で深く、吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の両端側でそれぞれ浅くなっていてもよい。
本実施形態においては、上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iは、シリンダ部材21に圧入嵌合する内周嵌合面F1と、下端側内周壁部32iの周方向の二箇所で短い平行溝状の隙間52gを隔てて上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fに対向する一対の平行な外側対向面F2と、を有するものとなっている。
したがって、本実施形態においても、図5(a)の場合と略同様に、下端側内周壁部32iが上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32f側から直接的にシリンダ部材21に向かう圧接方向の大きな力を受けることがない。また、吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14を取付け姿勢から傾けるようなモーメント等が入力されるとき、ポンプハウジング12のハウジング本体22からシリンダ部材21の一部にプランジャ11の摺動面を変形させるような力が働くのを有効に抑制することができる。よって、本実施形態においても、上述の各実施形態と同様の効果が得られる。
(第4実施形態)
図5(c)に示す第4実施形態の高圧燃料ポンプにおいては、第1実施形態における隙間32gに代えて、同図中の上下方向である吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の範囲内に位置するように、一対の短い円弧状溝状の隙間62gが形状されている。
図5(c)に示す第4実施形態の高圧燃料ポンプにおいては、第1実施形態における隙間32gに代えて、同図中の上下方向である吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の幅方向の範囲内に位置するように、一対の短い円弧状溝状の隙間62gが形状されている。
本実施形態においては、上ハウジング部材32の下端側内周壁部32iは、シリンダ部材21に圧入嵌合する内周嵌合面F1と、下端側内周壁部32iの周方向の二箇所で円弧溝状の隙間62gを隔てて上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32fに対向する一対の円弧断面の外側対向面F2と、を有するものとなっている。
したがって、本実施形態においても、図5(a)および図5(b)の場合と略同様に、下端側内周壁部32iが上ハウジング部材32の接続部材結合部32e,32f側から直接的にシリンダ部材21に向かう圧接方向の大きな力を受けることがない。また、吸入バルブユニット13や吐出バルブユニット14を取付け姿勢から傾けるようなモーメント等が入力されるとき、ポンプハウジング12のハウジング本体22からシリンダ部材21の一部にプランジャ11の摺動面を変形させるような力が働くのを有効に抑制することができる。よって、本実施形態においても、上述の各実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上述の各実施形態においては、配管接続部材として吸入バルブユニット13および吐出バルブユニット14の双方をポンプハウジング12のハウジング本体22に組み付けるものとしたが、両バルブユニット13、14のうち少なくとも一方が予め組み付けられているか、あるいは、バルブを内蔵しない接続配管部材が、ハウジング本体22に予め組み付けられてもよい。
また、本発明は、ハウジング本体22がカバー部材31を別体部品として容積の大きい吸入ギャラリ室12gを形成するものに限定されないことはいうまでもなく、上ハウジング部材、あるいは、シリンダ部材が圧入されるハウジング本体の他のセグメントに吸入ギャラリ室12gが形成される場合にも適用できる。勿論、カバー部材31は、多角形や円筒面に限定されるものでなく、円筒形状の外周の一箇所を平面カットしたD字形の横断面や、円筒形状の外周の二箇所を平行に平面カットした小判形の横断面等を有するものであってもよいし、その接合面部分のみを外周面より内方に窪ませた凹形状を有するものであってもよい。
さらに、本発明の高圧燃料ポンプは、ガソリンを燃料とするものに限定されないことはいうまでもなく、他の燃料を用いるエンジンにも効果的に適用できる。
以上説明したように、本発明に係る高圧燃料ポンプは、ポンプハウジングのハウジング本体からシリンダ部材の一部にプランジャ摺動面を変形させるような力が働くのを有効に抑制し、ポンプ寿命やポンプ効率を向上させることのできる高圧燃料ポンプを提供することができる。このような本発明は、プランジャを摺動させるシリンダ部材がポンプハウジングのハウジング本体に嵌入されている高圧燃料ポンプ全般に有用である。
10…高圧燃料ポンプ、11…プランジャ、12…ポンプハウジング、12e…取付嵌合部、12f…取付フランジ部、12g…吸入ギャラリ室、12h…取付ボルト穴、13…吸入バルブユニット(バルブユニット、配管接続部材)、13a…外筒部材、13b…吸入弁体、13c…弁座、14…吐出バルブユニット(バルブユニット、配管接続部材)、14a…外筒部材、14b…内筒部材、14s…ねじ結合部、14v…吐出弁体、14w…弁座、15…駆動カム、18…シールユニット、21…シリンダ部材、21a…一端部、21b…他端部、21f…拡径部、21i…内周面(プランジャ摺動面)、22…ハウジング本体、23…燃料加圧室、24a…吸入側の燃料通路(燃料吸入通路、燃料通路)、24b…吐出側の燃料通路(燃料吐出通路、燃料通路)、31…カバー部材、31a,31b…貫通穴、31f…平行面、32…上ハウジング部材、32e…第1の接続部材結合部(接続部材結合部)、32f…第2の接続部材結合部(接続部材結合部)、32g…隙間(環状溝)、32h…圧入穴(嵌入穴)、32i…下端側内周壁部、32j,32k…内壁面部、33…下ハウジング部材、33a…嵌入穴、33b…環状圧接部、33c…外周面、33d…内周面、35…内側環状部材、36…外側環状部材、Cv…ポンプ取付ケース、F1…内周嵌合面、F2…外側対向面、H1…高さ位置(最端位置)、Sc…カムシャフト、42g…隙間(平行溝)、52g…隙間(平行溝)、62g…隙間(円弧溝)
Claims (9)
- プランジャと、前記プランジャが摺動可能に挿入され、前記プランジャによる燃料の加圧が可能な燃料加圧室および該燃料加圧室に連通する燃料通路が形成されているポンプハウジングと、前記燃料通路を外部の通路に接続するよう前記ポンプハウジングに装着された配管接続部材と、を備えた高圧燃料ポンプであって、
前記ポンプハウジングが、前記プランジャを摺動可能に案内するシリンダ部材と、前記シリンダ部材の一端部が嵌入されるとともに前記配管接続部材が結合された上ハウジング部材と、前記シリンダ部材が嵌入されるとともに前記上ハウジング部材に対して前記シリンダ部材の他端側に配置された下ハウジング部材と、を含み、
前記上ハウジング部材は、前記シリンダ部材が嵌入された嵌入穴の下端側を形成する下端側内周壁部と、前記配管接続部材が結合された接続部材結合部と、を有し、
前記下端側内周壁部と前記接続部材結合部との間には、前記嵌入穴の径方向で前記下端側内周壁部と前記接続部材結合部とを離間させる隙間が形成されていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 前記配管接続部材が、前記燃料加圧室への燃料吸入通路を形成するとともに該燃料吸入通路を開閉する吸入バルブを内蔵する吸入バルブユニットと、前記燃料加圧室からの燃料吐出通路を形成するとともに該燃料吐出通路を開閉する吐出バルブを内蔵する吐出バルブユニットとのうち少なくとも一方によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧燃料ポンプ。
- 前記配管接続部材が、前記吸入バルブユニットおよび前記吐出バルブユニットの双方によって構成され、
前記吸入バルブユニットおよび前記吐出バルブユニットが、互いに同一軸線上に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の高圧燃料ポンプ。 - 前記ポンプハウジングが、前記上ハウジング部材を覆うとともに前記配管接続部材が貫通する貫通穴が形成されたカバー部材をさらに含み、
前記ポンプハウジングの前記カバー部材と前記配管接続部材との間の環状隙間が閉止されるように、前記カバー部材と前記配管接続部材とが固着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の高圧燃料ポンプ。 - 前記下ハウジング部材が、前記上ハウジング部材に嵌入された環状圧接部を有し、
前記環状圧接部は、前記上ハウジング部材の前記嵌入穴の径方向で前記接続部材結合部に圧接するとともに、前記嵌入穴の軸方向で前記上ハウジング部材の前記下端側内周壁部に対向していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載の高圧燃料ポンプ。 - 前記環状圧接部は、前記上ハウジング部材の前記嵌入穴の径方向外方側で前記上ハウジング部材に圧接する一方、前記嵌入穴の径方向内方側で前記シリンダ部材に圧接していることを特徴とする請求項5に記載の高圧燃料ポンプ。
- 前記上ハウジング部材の前記下端側内周壁部は、前記シリンダ部材に圧入嵌合する内周嵌合面を有しており、
前記圧入嵌合面は、前記嵌入穴の軸方向一方側における前記隙間の最端位置よりも前記嵌入穴の軸方向他方側に位置することを特徴とする請求項6に記載の高圧燃料ポンプ。 - 前記下ハウジング部材が、前記嵌入穴の軸方向一方側で前記上ハウジング部材に突き当てられるとともに、前記嵌入穴の軸方向他方側で前記シリンダ部材に突き当てられていることを特徴とする請求項5ないしは請求項7のうちいずれか1の請求項に記載の高圧燃料ポンプ。
- 前記隙間が、前記上ハウジング部材の前記下端側内周壁部の全周を取り囲む環状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちいずれか1の請求項に記載の高圧燃料ポンプ。
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