JP2006316760A - オイルポンプの組み付け構造 - Google Patents

Abstract

【課題】オイルポンプを潤滑部のハウジングに組み付ける際に必要となる部品点数や組み付け工数を減ぜられるオイルポンプの組み付け構造を提供する。
【解決手段】オイルポンプ上面に開設された吸入口２３，２４には連結口４３、４４がジョイントプラグ５３，５４を介して連結されている。ジョイントプラグ５３，５４は、肉薄に形成された筒状体の略中央部に環状の異径部５３ａ，５４ａを円周方向に沿って立設して構成されている。吸入口２３，２４は、その開口端部に近いほど直径が広がるテーパ形状に形成されており、吸入口２３，２４には予めジョイントプラグ５３，５４の一端が、その異径部５３ａ，５４ａが開口端部に突き当たるまで圧入されて油密に固定されている。ジョイントプラグ５３，５４の他端はＯリング６３，６４によって連結口４３，４４に油密に装着されている。
【選択図】図４

Description

本発明はオイルオンプの組み付け構造に係り、特に、オイルオンプのオイル出入口（吐出口および吸入口）を連結対象に簡単かつ確実に連結できるオイルポンプの組み付け構造に関する。

オイルタンクから内燃機関の各潤滑部へオイルを供給するフィードポンプと、内燃機関の底部に溜まったオイルを前記オイルタンクへ戻すためのスカベンジポンプとを備え、これらが一体に組立てられた内燃機関用のオイルポンプにおいて、フィードポンプおよびスカベンジポンプの各ロータが同一駆動軸上に並設された内燃機関用のオイルポンプが特許文献１に開示されている。

図５は、オイルポンプの吸入口（または、吐出口）７１と連結対象７２との連結構造を示した断面図であり、両者はジョイントプラグ７３を介して相互に接続されている。ジョイントプラグ７３とオイルポンプの吸入口７１とはＯリング７５により油密にシールされ、連結対象７２とジョイントプラグ７３とはＯリング７４により油密にシールされている。
特開２００１−１４０６１４号公報

上記した従来技術では、オイルポンプを潤滑部のハウジングへ組み付けるに際して、ジョイントプラグと２組のシール部材とを別途に用意し、さらにオイルポンプと潤滑部のハウジングとを相対的に位置決めするためのノックピン等を用意しなければならないので、部品点数や組み付け工数が多くなってしまうという技術課題があった。

本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、オイルポンプを潤滑部のハウジングに組み付ける際に必要となる部品点数や組み付け工数を減ぜられるオイルポンプの組み付け構造を提供することにある。

上記した目的を達成するために、本発明は、潤滑油を吸入口から吸引して吐出口から圧送するオイルポンプの組み付け構造において、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
(1)吸入口および吐出口の少なくとも一方を連結対象に油密に連結するジョイントプラグを具備し、ジョイントプラグは、その一端が前記吸入口および吐出口の少なくとも一方に予め圧入固定され、その他端が前記連結対象にシール部材を用いて油密に連結されることを特徴とする。
(2)オイルポンプは、フィードポンプとスカベンジポンプとを一体化して構成され、ジョイントプラグが、フィードポンプの吸入口とスカベンジポンプの吸入口とにそれぞれ圧入固定され、前記各ジョイントプラグの座面が同じ高さであることを特徴とする。
(3)ジョイントプラグは、筒状体の略中央部で円周方向に異径部を立設して構成され、その一端側は、前記異径部がオイルポンプの吸入口および吐出口の少なくとも一方の開口端部に当接されるまで圧入されることを特徴とする。

本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1)請求項１の発明によれば、オイルポンプの吐出口または吸入口とジョイントプラグとがシール部材を用いることなく圧入により予め油密に固定されるので、組み付け時に従来は必要であったシール部材が不要になる。また、オイルポンプの吐出口または吸入口とジョイントプラグとが遊び無く正確に位置決め固定されてノック機能を発揮するので、オイルポンプを連結対象に対して正確に位置決めするためのノックピン等の位置決め部材が不要になる。
(2)請求項２の発明によれば、オイルポンプと連結対象とが２箇所で連結される場合でも、各ジョイントプラグの座面が同じ高さなので連結が容易になる。
(3)請求項３の発明によれば、オイルポンプの吐出口または吸入口へジョイントプラグを圧入する際に、その異径部がオイルポンプの吐出口または吸入口の端部に当接されるまで圧入すれば、座面の高さを一定に揃えられるようになる。

以下、図面を参照して本発明の最良の実施の形態について詳細に説明する。図１は、本発明に係るオイルポンプ１０の駆動軸５に沿った断面図であり、図２は図１のZ1矢視図、図３は図１のZ2矢視図であり、図１は図２のAA線に沿った断面図である。ここでは、フィードポンプとスカベンジポンプとが同軸状に一体化されたオイルポンプを例にして説明する。

オイルポンプ１０は、第１スカベンジポンプハウジング１と、フィードポンプハウジング３と、第２スカベンジポンプハウジング４と、前記第１スカベンジポンプハウジング１とフィードポンプハウジング３との間に配置された中間ハウジング２とをネジ１１，１２で共締めすることにより油密に構成され、各ハウジングを上下に貫通するように駆動軸５が挿貫されて回転自在に支持されている。

前記第１スカベンジポンプハウジング１のポンプ室１１ａでは第１スカベンジポンプローラ１１が前記駆動軸５により支持されている。前記フィードポンプハウジング３のポンプ室１３ａではフィードポンプローラ１３が前記駆動軸５により支持されている。前記第２スカベンジポンプハウジング４のポンプ室１４ａでは第２スカベンジポンプローラ１４が前記駆動軸５により支持されている。

図２に示したように、オイルポンプ１０の下面では第２スカベンジポンプハウジング４に２つのオイル吐出口２１，２２が開設されている。前記吐出口２１はフィードポンプのポンプ室１３ａと連通し、オイルをオイルフィルタ（図示せず）経由で潤滑部へ圧送する。吐出口２２は第１スカベンジポンプのポンプ室１１ａおよび第２スカベンジポンプのポンプ室１４ａと連通し、オイルをオイルクーラ（図示せず）経由でオイルタンク（図示せず）へ圧送する。リリーフバルブ２０は、フィードポンプの吐出側の油圧が所定値を超えた際に、その圧力を第１スカベンジポンプへ排出する。

図３に示したように、オイルポンプ１０の上面では第１スカベンジポンプハウジング１に３つの吸入口２３，２４，２５が開設されている。前記吸入口２３は第１スカベンジポンプのポンプ室１１ａと連通し、エンジンのオイルパン（図示せず）に連結される。前記吸入口２４はフィードポンプのポンプ室１３ａと連通し、オイルタンク（図示せず）に連結される。前記吸入口２５は第２スカベンジポンプのポンプ室１４ａと連通し、オイルストレーナ（図示せず）に連結される。

図４は、前記オイルポンプ１０の組み付け構造を示した断面図であり、オイルポンプ下面に開設された前記２つの吐出口２１，２２には、それぞれオイルフィルタに通じる連結口４１およびオイルクーラに通じる連結口４２が、それぞれジョイントプラグ５１，５２を介して従来技術と同様に装着され、両者はOリング６１，６２によって油密にシールされている。

これに対して、オイルポンプ上面に開設された前記吸入口２３，２４には、前記オイルパンに通じる連結口４３および前記オイルタンクに通じる連結口４４が、それぞれジョイントプラグ５３，５４を介して連結されている。前記ジョイントプラグ５３，５４は、肉薄に形成された筒状体の略中央部に当該筒状体よりも大径の異径部５３ａ，５４ａを円周方向に沿って立設して構成されている。

前記吸入口２３，２４は、その開口端部に近いほど直径が広がるテーパ形状に形成されており、前記吸入口２３，２４には予め前記ジョイントプラグ５３，５４の一端が、その異径部５３ａ，５４ａが開口端部に突き当たるまで圧入されて油密に固定されている。

なお、本実施形態ではジョイントプラグ５３，５４の他端を連結口４３，４４に対して簡単に装着できるようにするために、各ジョイントプラグ５３，５４の座面、すなわち上端部が同じ高さになるようにしている。前記ジョイントプラグ５３，５４の他端には、それぞれOリング６３，６４が前記異径部５３ａ，５４ａに当接されるように挿貫され、前記異径部５３ａ，５４ａとＯリング６３，６４とを組み合わせによるシール機能により連結口４３，４４に油密に装着されている。

このような構成において、駆動軸５の一端に結合されたスプロケット３０に、エンジンの動力あるいはモータの動力が伝達されて回転駆動されると、フィードポンプおよびスカベンジポンプの吸引力により前記吸入口２３，２４，２５から潤滑オイルが吸引され、オイルポンプ１０内に供給された潤滑オイルは、ここで加圧されて前記２つの吐出口２１，２２からオイルクーラおよび潤滑部へ圧送される。

本実施形態によれば、オイルポンプの吸入口とジョイントプラグとがシール部材を用いることなく圧入により油密に固定されるので、従来は必要であったシール部材が不要になる。また、オイルポンプの吸入口とジョイントプラグとが遊び無く正確に位置決め固定されてノック機能を発揮するので、オイルポンプを連結対象に対して正確に位置決めするためのノックピン等の位置決め部材が不要になる。

なお、上記した実施形態では、本発明に固有のジョイントプラグ５３，５４がオイルポンプの吸入口２３，２４のみに圧入固定されるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、吐出口２１，２２のみ、あるいは吸入口２３，２４および吐出口２１，２２の双方に圧入固定されるようにしても良い。

本発明に係るオイルポンプの駆動軸に沿った断面図である。 図１のZ1矢視図である。 図１のZ2矢視図である。 オイルポンプの実装構造を示した断面図である。 従来のオイルポンプ出入口と内燃機関との連結構造を示した断面図である。

符号の説明

１…第１スカベンジポンプハウジング，２…中間ハウジング，３…フィードポンプハウジング，４…第２スカベンジポンプハウジング，５…駆動軸，１０…オイルポンプ，１１，１３，１４…ローラ，１１ａ，１３ａ，１４ａ…ポンプ室，２０…リリーフバルブ，２１，２２…オイル吐出口，２３，２４，２５…吸入口，５１，５２、５３，５４…ジョイントプラグ，６１，６２…Oリング

Claims (4)

1. 潤滑油を吸入口から吸引して吐出口から圧送するオイルポンプの組み付け構造において、
   前記吸入口および吐出口の少なくとも一方を連結対象に油密に連結するジョイントプラグを具備し、
   前記ジョイントプラグは、その一端が前記吸入口および吐出口の少なくとも一方に予め圧入固定され、その他端が前記連結対象にシール部材を用いて油密に連結されることを特徴とするオイルポンプの組み付け構造。
2. 前記オイルポンプは、フィードポンプとスカベンジポンプとを一体化して構成され、
   前記ジョイントプラグが、フィードポンプの吸入口とスカベンジポンプの吸入口とにそれぞれ圧入固定され、前記各ジョイントプラグの座面が同じ高さであることを特徴とする請求項１に記載のオイルポンプの組み付け構造。
3. 前記ジョイントプラグは、筒状体の略中央部で円周方向に当該筒状体よりも大径の異径部を立設して構成され、当該ジョイントプラグの一端側は、前記異径部がオイルポンプの吸入口および吐出口の少なくとも一方の開口端部に当接されるまで圧入されることを特徴とする請求項１または２に記載のオイルポンプの組み付け構造。
4. 前記ジョイントプラグの他端側は、前記異径部とＯリングとを組み合わせによるシール機能により前記連結対象に油密に連結されることを特徴とする請求項３に記載のオイルポンプの組み付け構造。

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