JP2014163049A - 注意喚起用マット - Google Patents

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Abstract

【課題】 トラック等の大型車両が通過した場合でもマットの位置ズレや捲り上がりが生じず、また道路幅に合わせた長さの調節も可能で、しかも、修理コストの低減も図れる注意喚起用マットを提供すること。
【解決手段】 道路等に敷設されて車両通過時に段差による適度な振動・衝撃を発生せしめることにより当該車両の運転者に注意を促す注意喚起用マットを、エラストマー材料から成り、かつ、車両の通過方向を前後方向とした場合に、中央部に少なくとも左右方向のスリット14が形成された複数のマットユニット1・1…と;これらのマットユニット1・1…を左右方向に並べて連結可能な連結部材2・2…とから構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通行車両に対する注意喚起用マットの改良、詳しくは、トラック等の大型車両が通過した場合でもマットの位置ズレや捲り上がりが生じず、しかも、道路幅に合わせた長さ調節、及び修理コストの低減も可能な注意喚起用マットに関するものである。
周知のとおり、高速道路や一般道路において舗装工事やガス管工事等を行う際には、工事現場に居眠り運転の車両が侵入して事故が起きないように車両運転者への注意喚起が行われる。そして、その注意喚起の方法の一つに、現場手前の道路に専用マットを敷いてこの先に侵入禁止エリアがあることを車両通過時の振動や衝撃で伝える方法がある。
ところが、上記専用マットを使用する場合、マットを一体物として作製すると(特許文献1参照)、幅員が異なる道路に使用する際に、その道路幅に合わせてマットの長さを自由に調節することができないという欠点がある。また、一体物のマットは、一部が破損しただけで全体を交換しなければならないため、不経済になり易い。
また、不使用時において、上記専用マットを簀巻き状に丸めてコンパクトな形態で持ち運びや収納が行えるようにする場合、マット本体の厚みを薄くしてシート状にする必要があるが、マット本体の厚みが薄くなると変形が起き易いだけでなく重量も軽くなるため、車両通過時の負圧で簡単に位置ズレや捲れ上がりが発生し易くなる。
そこで、従来においては、折り畳みが行えるようにマット全体を複数のマットユニットから構成した専用マットも開発されているが(特許文献2,3参照)、これらの専用マットに関しても、トラック等の大型車両が通過して大きな負圧が発生した際に、マットユニットが浮き上がってマット全体が捲り上がる危険があった。
特開2006−291667号公報 特開2012−193603号公報 特開2010−168898号公報
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、トラック等の大型車両が通過した場合でもマットの位置ズレや捲り上がりが生じず、また道路幅に合わせた長さ調節も可能で、しかも、修理コストの低減も図れる注意喚起用マットを提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、道路等に敷設されて車両通過時に段差による適度な振動・衝撃を発生せしめることにより当該車両の運転者に注意を促す注意喚起用マットを、エラストマー材料から成り、かつ、車両の通過方向を前後方向とした場合に、中央部に少なくとも左右方向のスリット14が形成された複数のマットユニット1・1…と;これらのマットユニット1・1…を左右方向に並べて連結可能な連結部材2・2…とを含んで構成した点に特徴がある。なお、マットユニット1の左右方向のスリット14については、マットユニット1の左右幅の三分の二以上の長さで形成するのが望ましい。
また、上記マットユニット1においては、左右方向のスリット14で区切られた前後の各領域に錘部材15・15…を埋設することによって、マットの捲り上がりを抑える効果をより高めることができる。
また更に、上記マットユニット1の左右方向のスリット14を太めに形成する場合には、スリット14を括れ部14a・14a…を有する形状とすることで、マットユニット1上を通過する自転車のタイヤがスリット14内に落ち込まないようにすることができる。
また、上記マットユニット1の中央部に、前後方向のスリット14’を左右方向のスリット14と交差するように設ければ、車両通過時にマットユニット1の左右端部を浮き上がらせる力が働いた場合でも、マットユニット1全体が浮き上がり難くなる。
なお、上記ようにマットユニット1の中央部に、左右方向のスリット14と前後方向のスリット14’を設ける場合には、マットの捲り上がりを防止するためにも、各スリット14・14’で区切られた四カ所の各領域に錘部材15・15…を埋設するのが望ましい。
一方、上記連結部材2については、エラストマー板材を使用して、このエラストマー板材の中央にマットユニット1・1間に挿入するスジ状凸部23を形成することで、車両通過時のマットユニット1の左右端部の浮き上がりを防止することができる。
また、上記のように連結部材2・2…にエラストマー板材を使用する場合には、左右に並んだ複数のマットユニット1・1…に対して連結部材2・2…を表裏交互に取り付けることで、連結したマットユニット1・1…の折り畳みを容易化することができる。
本発明では、通行車両に対する注意喚起用マットを、複数のマットユニットから構成すると共に、各マットユニットの中央部に左右方向のスリットを形成したことにより、大型車両が通過してマットユニットに大きな負圧がかかった場合でも、マットユニットが中央で屈曲して全体が浮き上がり難くなるため、使用中にマットが位置ズレを起こしたり、捲れ上がったりする心配がない。
しかも、上記のようにマットユニットにスリットを形成したことによって、マットユニットに大きな負圧がかかった場合でも、スリットから空気が入ることで負圧を逃がすことができるため、マットユニット全体が浮き上がる心配は殆どない。
そしてまた、本発明では、注意喚起用マットをユニット化しているため、使用する道路幅に合わせて連結するマットユニットの数を変更すれば、マットの長さを自由に調節することもできる。また、マットの一部が破損した場合でも、その部分のユニットだけを交換するだけでよいため、修理コストの低減も図れる。
したがって、本発明により、車両運転者に注意を促すことができるだけでなく、使い勝手に優れ、更に交通事故に繋がる虞れのあるマットの捲れ上がりの問題を未然に防止することもできる安全性に優れた注意喚起用マットを提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本発明の実施例1における注意喚起用マットを表わす全体斜視図である。 本発明の実施例1における注意喚起用マットを表わす全体斜視図である。 本発明の実施例1におけるマットユニット同士の連結構造を表わす説明断面図である。 本発明の実施例1における注意喚起用マットの使用状態を表わす状態説明図である。 本発明の実施例1におけるマットユニットを表わす上面図、下面図及びX-X’断面図である。 本発明の実施例1における注意喚起用マットの使用状態を表わす状態説明図である。 本発明の実施例1における注意喚起用マットの使用状態を表わす状態説明図である。 本発明の実施例2における注意喚起用マットを表わす全体斜視図である。
『実施例1』
まず本発明の実施例1について、図1から図7に基いて説明する。同図において、符号1で指示するものは、マットユニットであり、符号2で指示するものは、マットユニット同士を連結するための連結部材である。
[注意喚起用マットの構成]
この実施例1では、注意喚起用マットMを、平面視で正方形型のエラストマー厚板から成る複数のマットユニット1・1…から構成している(図1参照)。なお本実施例では、マットユニット1の材料に合成ゴムを使用して、これをゴム成形法の一種である金型を用いたプレス成形によって作製している。
また、上記マットユニット1に関しては、前後二辺(車両の進行方向に向けられる二辺)の端縁部に、車両通過時の衝撃を抑えるためのスロープ部11・11を形成すると共に、これらのスロープ部11・11の中央に、車両のヘッドライトを反射して注意を促すための光反射材11a・11aをそれぞれ取着している。
一方、上記マットユニット1の左右二辺の端縁部には、図2に示すように連結部材2の本体部21の両側辺部に設けられた突起部22・22…を嵌挿するための止着孔12・12…をそれぞれ設けている。なお本実施例では、上記止着孔12・12…をマットユニット1を貫通した形状で左右に3つずつ設けている。
また更に、上記連結部材2に関しては、本体部21を可撓性を有するエラストマー薄板から構成すると共に、両側辺部間の中央に、エラストマー製のスジ状凸部23を長辺方向に沿って形成している。なお本実施例では、連結部材2にパンク等の原因となる金属部品を一切使用せずに、引張り強度及び耐久性に優れた繊維強化エラストマーを使用して連結部材2を作製している。
そして、図3に示すように、上記連結部材2のスジ状凸部23を、左右方向に並べたマットユニット1・1間に挿入した状態で、本体部21の両側の突起部22・22…を各マットユニット1・1の止着孔12・12…に嵌挿して、マットユニット1・1同士を連結している。なお、本実施例では、連結部材2が外れないように接着剤を用いて両者を固着している
ちなみに、注意喚起用マットMの長さは、設置する道路の幅によって変える必要があるが、上記のように連結部材2・2…を固着する場合でも、図4(a)及び(b)に示すように、長さが異なる数種類の注意喚起用マットMを作製しておき、これらを使用する際に連結したり、余った部分を折り畳んだりすることで長さを調節することができる。
また、上記連結部材2・2…を、マットユニット1・1…に対して脱着自在に取り付けることで、注意喚起用マットMを分解・組み立て可能とすることもでき、その場合には、設置する道路幅に応じてマットユニット1・1…を数を増減することで、注意喚起用マットMの長さを自由に調節することができる。
また更に、本実施例においては、上記マットユニット1の左右の端縁部に、連結部材2の本体部21の厚みとほゞ同じ深さの窪み部13・13を、連結部材2との当接範囲に亙って形成しているため、マットユニット1・1間に連結部材2を取り付けた際に、連結部材2とマットユニット1・1の表面に大きな段差が生じることもない。
そして、上記注意喚起用マットMを一般道路や高速道路に敷設すれば、車両がマット上を通過した際に、路面とマットの段差によって適度な振動・衝撃を発生させることができるため、車両の運転者に注意換気用マットMの先に危険なエリアがあることを体感的に知らせることができる。
また本実施例では、図5(a)に示すように、マットユニット1の中央部に左右方向のスリット14を設けている。これにより、車両通過時にマットユニット1の前後端に大きな負圧がかかった場合でも、図6に示すようにマットユニット1が中央部分で屈曲して、マットユニット1全体が浮き上がり難くなる。
しかも、本実施例では、マットユニット1の中央部に、上記左右方向のスリット14と交差するように前後方向のスリット14’も設けているため、車両通過時にマットユニット1の左右端部を浮き上がらせる力が働いた場合でも、マットユニット1全体が浮き上がって捩れや位置ズレ等を起こす心配がない。
また本実施例では、上記スリット14・14’の長さを、マットユニット1が屈曲し易くなるように、マットユニット1の左右幅または前後幅の三分の二以上の長さとしている。また更に本実施例では、図5(b)及び(c)に示すように、上記マットユニット1の各スリット14・14’で区切られた四カ所の領域に錘部材15・15…を埋設することで、マットの各部位を浮き上がり難くしている。
ちなみに本実施例では、上記マットユニット1に埋設する錘部材15・15…に、同じ重量(275g/枚)の四枚の金属板を使用している。また、上記錘部材15・15…は、マットユニット1の成形時において、金型の内側に錘部材15・15…を配置した状態でプレス成形を行うことによりマットユニット1内に埋設している。
なお、上記マットユニット1に対する錘部材15・15…の埋設方法については、マットユニット1の成形時に錘部材15・15…インサートする方法だけでなく、マットユニット1の内部に中空部を形成して成形後に錘部材15・15…を挿入する方法、或いはマットユニット1の裏面に凹部を形成してこの凹部に錘部材15・15…を接着剤で固定する方法なども採用できる。
また更に、本実施例においては、上記マットユニット1自体を分厚く(厚さ:15mm)形成して、マットユニット1の重さを大きくしている(約20kg/枚)。そしてまた、本実施例では、上記マットユニット1の材料に、路面との摩擦が大きいエラストマー材料を用いているため、優れたマットの位置ズレ抑制効果が得られる。
また、本実施例では、上記マットユニット1にスロープ部11・11を形成しているため、注意喚起用マットMが位置ズレを起こす原因となる車両通過時の水平方向の負荷も軽減できる。また本実施例では、上記マットユニット1の表裏面に溝部16・16…を形成して、排水機能と摩擦力を高めている。
他方また、本実施例では、上記マットユニット1の止着孔12・12…と窪み部13を、左右の端縁部で表裏逆に設けているため、左右方向に複数並べたマットユニット1・1…に対して、連結部材2・2…を表裏交互に取り付けることができる。そしてこれによって、図7に示すように、収納時や運搬時の注意喚起用マットMの折り畳みが容易となる。
また、上記折り畳んだ注意喚起用マットMを持ち運ぶ際には、マットユニット1に形成したスリット部14・14’を取っ手として使用することができる。また、錘部材15・15…を着脱可能に埋設する場合には、錘部材15・15…を取り外して軽量化した状態で上記折り畳んだ注意喚起用マットMを持ち運ぶこともできる。
『実施例2』
次に本発明の実施例2について、図8に基いて説明する。この実施例2では、マットユニット1に、部分的に幅が狭くなった括れ部14a・14a…を有するスリット14・14’を左右方向および前後方向に形成して構成している。これにより、スリット14・14’の幅が広い部分が自転車のタイヤよりも太い場合でも、幅の狭い括れ部14a・14a…によってスリット14・14’内へのタイヤの落ち込みを防止することができる。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、マットユニット1の形状については、平面視で四角形状のものだけでなく、多角形状や円形状のものを使用してもよい。
また、上記マットユニット1の材料に関しても、一定の強度を有するエラストマー材料であれば天然ゴムや合成ゴム、シリコーンゴムや熱可塑性エラストマー等から自由に選択できる。また上記マットユニット1の製造方法についても、プレス成形法以外のゴム成形
また更に、上記マットユニット1に形成するスリット14・14’についても、マットユニット1にかかる負圧を軽減できる範囲でスリット幅やスリット形状を自由に変更することができる。また、一つのマットユニット1に、左右方向のスリット14や前後方向のスリット14’を複数形成することもできる。
そしてまた、上記連結部材2に関しても、左右に並べたマットユニット1・1同士を連結できる部材であれば、ワイヤー等の線材やヒンジ軸等を用いることもできる。また、連結部材2にエラストマー薄板を用いる場合には、凹凸嵌合以外のボルト留め等の固定手段を採用することもできる。
また、上記連結部材2の長さに関しても、比較的長さの短い連結部材2・2を複数使用してマットユニット1・1を連結することもできる。また、上記連結部材2の取り付け位置に関しても、表裏交互でなくても全て同じ側に取り付けることもでき、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
近年、道路工事が増えたことにより、工事現場への車両の侵入リスクが高まっている。そのような中で、本発明の注意喚起用マットは、運転者に注意を促して侵入事故等を未然に防止できるだけでなく、使用時にマットが通行の障害となるようなこともない安全性に優れた有用な技術であることから、その産業上の利用価値は非常に高い。
1 マットユニット
11 スロープ部
11a 光反射材
12 止着孔
13 窪み部
14 スリット
15 錘部材
16 溝部
2 連結部材
21 本体部輪郭
22 突起部
23 スジ状凸部
M 注意喚起用マット

Claims (8)

  1. 道路等に敷設されて車両通過時に段差による適度な振動・衝撃を発生せしめることにより当該車両の運転者に注意を促す注意喚起用マットであって、
    エラストマー材料から成り、かつ、車両の通過方向を前後方向とした場合に、中央部に少なくとも左右方向のスリット(14)が形成された複数のマットユニット(1)(1)…と;これらのマットユニット(1)(1)…を左右方向に並べて連結可能な連結部材(2)(2)…とを含んで構成されていることを特徴とする注意換気用マット。
  2. マットユニット(1)における左右方向のスリット(14)で区切られた前後の各領域に、錘部材(15)(15)…が埋設されていることを特徴とする請求項1記載の注意喚起用マット。
  3. マットユニット(1)の左右方向のスリット(14)が括れ部(14a)(14a)…を有する形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の注意換気用マット。
  4. マットユニット(1)の左右方向のスリット(14)が、マットユニット(1)の左右幅の三分の二以上の長さを有していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の注意喚起用マット。
  5. マットユニット(1)の中央部に、前後方向のスリット(14’)が左右方向のスリット(14)と交差するように設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の注意喚起用マット。
  6. マットユニット(1)の左右方向のスリット(14)と前後方向のスリット(14’)で区切られた四カ所の各領域に錘部材(15)(15)…が埋設されていることを特徴とする請求項5記載の注意喚起用マット。
  7. 連結部材(2)が、エラストマー板材から成り、かつ、エラストマー板材の中央にマットユニット(1)(1)間に挿入されるスジ状凸部(23)が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の注意喚起用マット。
  8. 連結部材(2)(2)…が、左右に並んだ複数のマットユニット(1)(1)…に対して表裏交互に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の注意喚起用マット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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