JP2014162656A - 半導体層の製造方法および成膜装置 - Google Patents

半導体層の製造方法および成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 CBD溶液に対して補充を行ないながら、成膜条件を大きく変えることなく連続して半導体層の成膜を可能にする。
【解決手段】 半導体層の製造方法は、インジウムイオン、塩化物イオンおよび硫黄化合物が溶解したCBD溶液中に成膜対象物を浸漬して該成膜対象物上に硫化インジウムを含む半導体層を成膜する工程を、複数の前記成膜対象物に対して連続して行なう半導体層の製造方法であって、第1の成膜対象物33に対する成膜が終了した後に、硫酸インジウムおよび硫黄化合物を含む第1溶液をCBD溶液21に添加し、さらに水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのうちの少なくとも1種を含む第2溶液をCBD溶液21に添加することによって硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウムおよび硫酸バリウムのうちの少なくとも1種の沈殿物を生じさせ、沈殿物をCBD溶液から除去した後に第2の成膜対象物33に対する成膜を行なう。
【選択図】 図3

Description

本発明は、CBD法を用いた半導体層の製造方法およびCBD法を用いて半導体層を製造するための成膜装置に関する。
化学溶液析出法(CBD法)を用いて半導体層を成膜する方法がある。例えば、太陽光発電等に使用される光電変換装置の製造において、金属カルコゲナイド等の光吸収層上にCBD法を用いて硫化インジウムを含む半導体層を形成することが行なわれている(例えば特許文献1参照)。
生産性を向上するために、特許文献1では、CBD溶液を収容する複数の反応槽を設け、1つの反応槽で成膜を行なっている間に、他の反応槽の液交換を行なっている。しかしながら、このような方法では多量のCBD溶液を用いる必要がある。
CBD溶液の使用量を低減するためには、1つの反応槽を用いて、CBD溶液に対して新しいCBD溶液の補充を行ないながら、連続して複数の成膜対象物の成膜を行なうことが望ましい。しかしながら、CBD溶液は、成膜によって消費される成分と、消費されずに残留する成分とがある。そのため、CBD溶液に新しいCBD溶液を補充すると、消費されない成分が増加し続け、同条件で成膜を行なうことが困難になる。
具体的には、CBD溶液として、塩化インジウムとチオアセトアミドとを含む水溶液を用いた場合、成膜によってインジウムイオンとチオアセトアミドは消費されるが塩化物イオンは残存する。この状態で新しいCBD溶液を補充すると、塩化物イオンの濃度が増加することとなり、成膜条件が異なってしまう。
特開2002−118068号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、CBD溶液に対して補充を行ないながら、成膜条件を大きく変えることなく連続して半導体層の成膜を可能にすることを目的とする。
本発明の一実施形態に係る半導体層の製造方法は、インジウムイオン、塩化物イオンおよび硫黄化合物が溶解したCBD溶液中に成膜対象物を浸漬して該成膜対象物上に硫化インジウムを含む半導体層を成膜する工程を、複数の前記成膜対象物に対して連続して行なう半導体層の製造方法であって、第1の成膜対象物に対する成膜が終了した後に、硫酸インジウムおよび硫黄化合物を含む第1溶液を前記CBD溶液に添加し、さらに水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのうちの少なくとも1種を含む第2溶液を前記CBD溶液に添加することによって硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウムおよび硫酸バリウムのうちの少なくとも1種の沈殿物を生じさせ、該沈殿物を前記CBD溶液から除去した後に第2の成膜対象物に対する成膜を行なうことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る成膜装置は、インジウムイオン、塩化物イオンおよび硫黄化
合物が溶解したCBD溶液を収容する反応槽と、前記CBD溶液に硫酸インジウムおよび硫黄化合物を含む第1溶液を添加する第1添加部と、前記CBD溶液に水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのうちの少なくとも1種を含む第2溶液を添加する第2添加部と、前記CBD溶液をろ過するろ過部とを具備する。
本発明の上記実施形態によれば、CBD溶液に対して補充を行ないながら、成膜条件を大きく変えることなく連続して半導体層の成膜を可能にする。
光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る成膜装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る半導体層の製造方法および成膜装置について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同一符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。
<(1)半導体層の製造方法>
硫化インジウムを含む半導体層は、化学溶液析出法(CBD法)を用いて成膜することができる。CBD法は、硫化インジウムの原料となるインジウムイオンおよび硫黄化合物が溶解したCBD溶液に、成膜対象物を浸漬することによって、硫黄化合物から生じる硫化物イオンまたは硫化水素イオンとインジウムイオンとを反応させて、成膜対象物上に硫化インジウムを含む半導体層を成膜する方法である。
CBD溶液としては、インジウムイオン、塩化物イオンおよび硫黄化合物が溶媒に溶解したものを用いることができる。CBD溶液に用いる溶媒としては、水あるいはアルコール等の極性有機溶媒を用いることができる。インジウムイオンおよび塩化物イオンは、塩化インジウムを上記溶媒に溶解させればよい。CBD溶液中の塩化インジウムの濃度は、例えば、1〜50mMとすることができる。また、硫黄化合物は、溶媒中で硫化物イオンまたは硫化水素イオンを生じる化合物であり、例えば、チオ尿素やチオアセトアミド等のチオアミド誘導体等を用いることができる。CBD溶液中の硫黄化合物の濃度は、例えば、1〜100Mとすることができる。なお、CBD溶液に酸や塩基を添加してpHを酸性あるいは塩基性にしてもよい。
このCBD溶液を用いて成膜する際のCBD溶液の温度は、例えば30〜90℃とすることができる。
上記CBD溶液を用いて、第1の成膜対象物に対する成膜を行なった後、第1の成膜対象物に対する成膜で消費されたインジウムイオンおよび硫黄化合物を補充するため、上記CBD溶液に硫酸インジウムおよび硫黄化合物を含む第1溶液を添加する。第1溶液に用いる溶媒としては、水あるいはアルコール等の極性有機溶媒を用いることができる。第1溶液の硫黄化合物は、上記CBD溶液で用いた硫黄化合物と同様のものを用いることができる。
第1溶液をCBD溶液に添加した後、さらに、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのうちの少なくとも1種を含む第2溶液を上記CBD溶液に添加
する。これによって、第1溶液の添加でCBD溶液に加わった硫酸イオンを、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウムまたは硫酸バリウムの沈殿物として生じさせることができる。一方、CBD溶液中のインジウムイオンは、CBD溶液中に含まれる塩化物イオンが配位した錯体構造をとることで、CBD溶液中に溶解し続けることとなる。そして、この沈殿物をフィルター等で除去することによって、初期のCBD溶液とほぼ同条件にすることができる。つまり、第1の成膜対象物に対する成膜でインジウムイオンおよび硫黄化合物が消費されたCBD溶液に対して、第1溶液を添加することで、消費されたインジウムイオンおよび硫黄化合物を補充することができる。しかし、第1溶液の添加によって、インジウムイオンの対イオンである硫酸イオンが追加されることとなるが、続けて第2溶液を添加することで、この硫酸イオンを沈殿物として分離することができる。
そして、この沈殿物が除去されたCBD溶液を用いて、第2の成膜対象物に対してCBD法で成膜を行なうことによって、第1の成膜対象物に対して成膜した硫化インジウムを含む半導体層と近似した半導体層を第2の成膜対象物上に成膜することができる。以上のような第1溶液および第2溶液を用いた方法用いることによって、CBD溶液に対して補充を行ないながら、成膜条件を大きく変えることなく連続して半導体層の成膜が可能となる。
なお、第1の成膜対象物の成膜処理および第2の成膜対象物の成膜処理において、処理する成膜対象物は1枚に限らず、複数枚の成膜対象物を一度に成膜してもよい。また、第1の成膜対象物の成膜処理を1回行なうごとに上記第1溶液および第2溶液の添加を行なってもよいが、第1の成膜対象物の成膜処理を連続して複数回行なった後に上記第1溶液および第2溶液の添加を行なってもよい。
<(2)成膜装置の構造>
上記半導体層の製造方法を用いて成膜を行なうための成膜装置について、図を参照しながら説明する。図3は成膜装置20の一例を示す断面図である。成膜装置20は、反応槽22と、第1添加部23と、第2添加部26と、ろ過部30とを備えている。
反応槽22は、インジウムイオン、塩化物イオンおよび硫黄化合物が溶解したCBD溶液21を収容するための容器である。反応槽22には、CBD溶液21を攪拌するための攪拌装置29やCBD溶液21を加熱するための加熱装置(図示せず)等が設けられていてもよい。この反応槽22に収容されたCBD溶液21内に成膜対象物33が浸漬され、成膜対象物33の表面に成膜が行なわれる。
第1添加部23は、CBD溶液21内に、硫酸インジウムおよび硫黄化合物を含む第1溶液を添加するためのものである。第1添加部23は、バルブ25を介して第1溶液が収容された第1溶液収容槽24に接続されており、バルブ25の開閉によって、第1添加部23から反応槽22内への第1溶液の添加量を調製できる。
第2添加部26は、CBD溶液21内に、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのうちの少なくとも1種を含む第2溶液を添加するためのものである。第2添加部26は、バルブ28を介して第2溶液が収容された第2溶液収容槽27に接続されており、バルブ28の開閉によって、第2添加部26から反応槽22内への第2溶液の添加量を調製できる。
ろ過部30は、第1溶液および第2溶液をCBD溶液21に添加して生じた沈殿物をCBD溶液から除去するためのものである。ろ過部30は、例えばフィルター等からなり、バルブ31およびバルブ32を介して反応槽22に接続されている。
以上のような成膜装置20を用いた半導体層の製造方法について以下に説明する。まず、第1の処理対象物33を反応槽22内のCBD溶液21に浸漬し、成膜を行なう。その後、バルブ25を開くことによって、第1添加部23から第1溶液を反応槽22内に添加してインジウムイオンおよび硫黄化合物を補充する。次に、バルブ28を開くことによって、第2添加部26から第2溶液を反応槽22内に添加してCBD溶液21中の硫酸イオンを沈殿させる。そして、バルブ31およびバルブ32を開いて、バルブ31からCBD溶液21をフィルター30に送り、フィルター30でCBD溶液21をろ過した後、バルブ32からろ過後のCBD溶液21を反応槽22内に送る。なお、第1溶液の添加中、第2溶液の添加中はCBD溶液21を循環しておいてもよい。循環手段としては、例えばバブリング、回転羽による撹拌等がある。また、第2溶液添加中にフィルター30でろ過を行っても良い。このようにすることで、沈殿はすぐにろ過することが出来るようになり、反応槽22表面への沈殿物堆積を抑制することが出来る。その後、この処理されたCBD溶液21を用いて、第2の処理対象物33に対して成膜を行なう。このような工程を繰り返すことによって、成膜条件を大きく変えることなく連続して半導体層の成膜が可能となる。
<(3)光電変換装置の構成>
上記半導体層の製造方法を光電変換装置に適用した例を以下に示す。図1は、光電変換装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1の光電変換装置のXZ断面図である。なお、図1および図2には、光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
光電変換装置11は、基板1の上に複数の光電変換セル10が並設された構成を有している。図1では、図示の都合上、2つの光電変換セル10のみが示されているが、実際の光電変換装置11には、図面のX軸方向、或いは更に図面のY軸方向に、多数の光電変換セル10が平面的に(二次元的に)配列されている。
各光電変換セル10は、下部電極層2、第1の半導体層3、第2の半導体層4、上部電極層5、および集電電極7を主に備えている。光電変換装置11では、上部電極層5および集電電極7が設けられた側の主面が受光面となっている。また、光電変換装置11には、第1〜3溝部P1,P2,P3といった3種類の溝部が設けられている。
基板1は、複数の光電変換セル10を支持するものであり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、または金属等の材料で構成されている。具体例として、例えば、基板1として、1〜3mm程度の厚さを有する青板ガラス(ソーダライムガラス)が用いられてもよい。
下部電極層2は、基板1の一主面の上に設けられた導電層であり、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、または金(Au)等の金属、あるいはこれらの金属の積層構造体からなる。また、下部電極層2は、0.2〜1μm程度の厚さを有し、例えば、スパッタリング法または蒸着法等の公知の薄膜形成方法によって形成される。
第1の半導体層3は、光吸収層として機能して光電変換を行なう半導体層である。第1の半導体層3は、第1の導電型(ここではp型の導電型)を有しており、下部電極層2の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に、例えば、1〜3μm程度の厚さで設けられている。第1の半導体層3としては特に限定されず、例えば、金属カルコゲナイド等の化合物半導体やアモルファスシリコン等が挙げられる。特に光電変換装置11の光電変換効率をより高めるという観点からは、第1の半導体層3は金属カルコゲナイドを含んでいてもよい。なお、金属カルコゲナイドとは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。カル
コゲン元素は、VI−B族元素(16族元素ともいう)のうち、硫黄(S)、セレン(Se)およびテルル(Te)をいう。金属カルコゲナイドとしては、例えば、II−VI族化合物、I−III−VI族化合物およびI−II−IV−VI族化合物等がある。
II−VI族化合物とは、II−B族(12族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、例えば、CdTe等が挙げられる。
I−III−VI族化合物とは、I−B族元素(11族元素ともいう)とIII−B族元素(13族元素ともいう)とVI−B族元素(16族元素ともいう)との化合物であり、カルコパイライト系を有するものが好適に用いられ得る。I−III−VI族化合物としては、例えば、CuInSe(二セレン化銅インジウム、CISともいう)、Cu(In,Ga)Se(二セレン化銅インジウム・ガリウム、CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム、CIGSSともいう)が挙げられる。あるいは、第1の半導体層3は、薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜にて構成されていてもよい。
I−II−IV−VI族化合物とは、I−B族元素とII−B族元素とIV−B族元素(14族元素ともいう)とVI−B族元素との化合物である。I−II−IV−VI族化合物としては、例えば、CuZnSnS(CZTSともいう)、CuZnSn(S,Se)(CZTSSeともいう)、およびCuZnSnSe(CZTSeともいう)が挙げられる。
第1の半導体層3は、スパッタリング法、蒸着法などのいわゆる真空プロセスによって形成可能であるほか、いわゆる塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによって形成することもできる。塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスは、第1の半導体層3の構成元素の錯体溶液を下部電極層2の上に塗布し、その後、乾燥・熱処理を行うプロセスである。
第2の半導体層4は、第1の半導体層3に接合された、硫化インジウムを含む半導体層である。第2の半導体層4は、硫化インジウムに加え、水酸化インジウムや酸化インジウムを含む混晶体であってもよい。また、第2の半導体層4は、第1の半導体層3とは異なる第2の導電型(ここではn型の導電型)を有していてもよい。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体のことである。また、上記のように第1の半導体層3の導電型がp型である場合、第2の半導体層4の導電型は、n型でなく、i型であっても良い。更に、第1の半導体層3の導電型がn型またはi型であり、第2の半導体層4の導電型がp型である態様も有り得る。
第2の半導体層4は上記半導体層の製造方法を用いて作製される。つまり、第1の半導体層3が成膜対象物であり、この第1の半導体層3に対して上記半導体層の製造方法を用いてCBD法によって第2の半導体層4が成膜される。第1の半導体層3が金属カルコゲナイドを含む場合、硫化インジウムを含む第2の半導体層4との電気的な接合が良好となり、光電変換装置11の光電変換効率がより向上する。
上部電極層5は、第2の半導体層4の上に設けられた、n型の導電型を有する透明導電膜であり、第1の半導体層3において生じた電荷を取り出す電極である。上部電極層5は、第2の半導体層4よりも低い抵抗率を有する物質によって構成されている。上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものも含まれ、この窓層に加えて更に透明導電膜が設けられる場合には、これらが一体の上部電極層5とみなされても良い。
上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このよう
な材料としては、例えば、ZnO、InおよびSnO等の金属酸化物半導体等が採用され得る。これらの金属酸化物半導体には、Al、B、Ga、InおよびF等のうちの何れかの元素が含まれても良い。このような元素が含まれた金属酸化物半導体の具体例としては、例えば、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、GZO(Gallium Zinc Oxide)、
IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、FTO(Fluorine tin Oxide)等がある。
上部電極層5は、スパッタ法、蒸着法、または化学的気相成長(CVD)法等によって、0.05〜3.0μmの厚さを有するように形成される。ここで、第1の半導体層3から電荷が良好に取り出される観点から言えば、上部電極層5は、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有するものとすることができる。
また、上部電極層5の上に集電電極7が設けられていてもよい。集電電極7は、Y軸方向に離間して設けられ、それぞれがX軸方向に延在している。集電電極7は、導電性を有する電極であり、例えば、銀(Ag)等の金属を含む。
集電電極7は、第1の半導体層3において発生して上部電極層5において取り出された電荷を集電する役割を担う。集電電極7が設けられれば、上部電極層5の薄層化が可能となる。
集電電極7および上部電極層5によって集電された電荷は、第2溝部P2に設けられた接続導体6を通じて、隣の光電変換セル10に伝達される。接続導体6は、例えば、図2に示されるように集電電極7のY軸方向への延在部分によって構成されている。これにより、光電変換装置11においては、隣り合う光電変換セル10の一方の下部電極層2と、他方の集電電極7とが、第2溝部P2に設けられた接続導体6を介して電気的に直列に接続されている。なお、接続導体6は、これに限定されず、上部電極層5の延在部分によって構成されていてもよい。
集電電極5は、良好な導電性が確保されつつ、第1の半導体層3への光の入射量を左右する受光面積の低下が最小限にとどめられるように、50〜400μmの幅を有するものとすることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1:基板
2:下部電極層
3:第1の半導体層
4:第2の半導体層
5:上部電極層
6:接続導体
7:集電電極
10:光電変換セル
11:光電変換装置
20:成膜装置
21:CBD溶液
22:反応槽
23:第1添加部
26:第2添加部
30:ろ過部
33:成膜対象物

Claims (3)

  1. インジウムイオン、塩化物イオンおよび硫黄化合物が溶解したCBD溶液中に成膜対象物を浸漬して該成膜対象物上に硫化インジウムを含む半導体層を成膜する工程を、複数の前記成膜対象物に対して連続して行なう半導体層の製造方法であって、
    第1の成膜対象物に対する成膜が終了した後に、硫酸インジウムおよび硫黄化合物を含む第1溶液を前記CBD溶液に添加し、
    さらに水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのうちの少なくとも1種を含む第2溶液を前記CBD溶液に添加することによって硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウムおよび硫酸バリウムのうちの少なくとも1種の沈殿物を生じさせ、
    該沈殿物を前記CBD溶液から除去した後に第2の成膜対象物に対する成膜を行なうことを特徴とする半導体層の製造方法。
  2. 前記成膜対象物として金属カルコゲナイドを含む半導体層を用いる、請求項1に記載の半導体層の製造方法。
  3. インジウムイオン、塩化物イオンおよび硫黄化合物が溶解したCBD溶液を収容する反応槽と、
    前記CBD溶液に硫酸インジウムおよび硫黄化合物を含む第1溶液を添加する第1添加部と、
    前記CBD溶液に水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのうちの少なくとも1種を含む第2溶液を添加する第2添加部と、
    前記CBD溶液をろ過するろ過部と
    を具備する成膜装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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