JP2014161610A - 固定具および医療装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】医療器具50が挿入され該医療器具50の外周面に取り付けられる筒状の本体2と、該本体2の外周面に長手方向に間隔を空けて配置され、組織を長手方向に挟んで把持する2つの把持部材3,4とを備え、該2つの把持部材3,4が、長手方向に接触する位置と互いに離間した位置との間で長手方向に相対移動可能な接触部7を各々有し、これら接触部7が、本体の外周面から半径方向外方に間隔を空けた位置において互いに長手方向に接触する固定具1を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、体内に挿入される細長い医療器具を前記体内の組織に対して固定するために前記医療器具に装着される固定具であって、前記医療器具が挿入され該医療器具の外周面に取り付けられる筒状の本体と、該本体の外周面に長手方向に間隔を空けて配置され、前記組織を前記長手方向に挟んで把持する2つの把持部材とを備え、該2つの把持部材が、前記長手方向に接触する位置と互いに離間した位置との間で前記長手方向に相対移動可能な接触部を各々有し、これら接触部が、前記本体の外周面から半径方向外方に間隔を空けた位置において互いに前記長手方向に接触する固定具を提供する。
この場合に、組織は、本体の外周面に隣接する孔の切縁部分ではなく、本体の外周面から離れた、穿孔時の切開作業や医療器具の挿入作業の影響を直接受けない位置において接触部によって把持される。これにより、切開によって脆くなった組織の切縁部分を保護しつつ組織に医療器具を安定して固定することができる。
このようにすることで、本体の外周面と2つの把持部材と接触部とによって囲まれる空間が、本体の外周面に隣接する領域に確保される。これにより、組織の切縁部分を周囲の部材との接触からより確実に保護することができる。
このようにすることで、本体を組織の孔に挿入するまでは把持部材を本体の外周面に沿った形状とすることにより、挿入性を向上することができる。
このようにすることで、流体供給手段によってバルーンに流体を供給するだけの簡易な操作でバルーンを拡張させることができる。
このようにすることで、共通の流体供給手段を用いて2つのバルーンを同時に拡張させることができる。
このようにすることで、さらに堅固に組織を把持することができる。
このようにすることで、本体の先端部を組織の孔に挿入した状態で本体を蛇腹状に変形することによって、本体の長手方向に隣接する2つのひだ部によって組織が挟まれ、ひだ部から組織に向かって突出する接触部によって組織が把持される。このように本体の一部を変形して把持部材を構成することにより、構成部材の数を減らして簡易かつ細径の構造にすることができる。
このようにすることで、本体に医療器具の先端部を挿入して本体を医療器具に装着する際に、医療器具の先端が係止部に突き当たる位置まで医療器具を挿入することによって、医療器具と本体との長手方向の相対位置を容易に位置決めすることができる。
以下に、本発明の第1の実施形態に係る固定具1およびこれを備える医療装置100について図1から図7を参照して説明する。
本実施形態に係る医療装置100は、図1に示されるように、内視鏡や処置具のような他の医療器具が挿入されるシース(医療器具)50と、該シース50の先端部に装着される固定具1とを備えている。
固定具1は、両端が開口した円筒状の本体2と、該本体2の外周面に設けられた2つのバルーン(把持部材)3,4と、これらバルーン3,4の内部に連通するチューブ(流体供給手段)5と、本体2の先端に設けられたストッパ(係止部)6とを備えている。本体2、バルーン3,4およびストッパ6は、シリコーンゴムのような生体適合性および可撓性を有する材料から構成されている。
まず、先端部に固定具1が装着されたシース50を、両方のバルーン3,4を収縮させた状態で生体内に挿入し、図3(a)に示されるように、シース50の先端を、心膜Xに予め貫通形成された孔Y内に挿入して心膜X内に配置する。このときに、第1のバルーン3が心膜X内に、第2のバルーン4が心膜X外にそれぞれ配置されるように、心膜Xに対してシース50を位置決めする。
以上の手順により、体外から心膜X内まで組織から隔離されたルートがシース50内に確保される。術者は、シース50内を介して他の医療器具を体外と心膜X内との間で容易に挿脱することができる。
(第1の変形例)
本実施形態の第1の変形例に係る固定具1−1は、図4に示されるように、凸部材7が、第1のバルーン3に代えて、第2のバルーン4の外面に設けられている。
このように心膜Xの外側に配置される位置に凸部材7を設けることによって、固定具1の体内への挿入性を向上することができる。
本実施形態の第2の変形例に係る固定具1−2は、図5に示されるように、凸部材7が省略され、十分な径寸法まで膨張した第1のバルーン3および第2のバルーン4の外面の、本体2の長手方向に接触する部分(接触部)によって心膜Xを把持するようになっている。
このようにすることで、固定具1の体内への挿入性をさらに向上することができる。
本実施形態の第3の変形例に係る固定具1−3は、図6に示されるように、第2のバルーン4に代えて、本体2の外周面から半径方向外方に突出するフランジ部(把持部材)12を備えている。第1のバルーン3が十分な径寸法まで膨張したときに、2点鎖線で示されるように、凸部材7と、フランジ部12の先端側の面の一部(接触部)とが接触するようになっている。
このようにすることで、バルーン3の膨張に必要な流体の供給量が少なくて済み、操作を楽にすることができる。
本実施形態の第4の変形例に係る固定具1−4は、図7に示されるように、本体2の先端に設けられたストッパ6が省略されている。
このようにすることで、本体2とシース50との長手方向の相対位置を任意に変更して、シース50に対するバルーン3,4の位置を任意に設定することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る固定具20および医療装置200について、図8から図11を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る医療装置200は、固定具20の本体21が、外周面に形成された溝21a,21b,21c,21dによって蛇腹状に折り畳み可能に構成されている点において、第1の実施形態と異なっている。
シース50の先端には、外周面から半径方向外方に突出するフランジ状のストッパ61が設けられており、ストッパ61に本体21の先端を突き当てることによって、本体21とシース50との長手方向の相対位置が位置決めされるようになっている。
まず、外周面に固定具20が装着されたシース50を生体内に挿入し、図10(a)に示されるように、シース50の先端を、心膜Xの孔Y内に挿入して心膜X内に配置する。このときに、少なくとも最も先端側の第1の溝21aの位置までが心膜X内に配置されるように、シース50を位置決めする。
以上の手順により、体外から心膜X内まで組織から隔離されたルートがシース50内に確保される。術者は、シース50内を介して他の医療器具を体外と心膜X内との間で容易に挿脱することができる。
2,21 本体
3,4 バルーン(把持部材)
5 チューブ(流体供給手段)
5a コネクタ
5b バルブ
6,61 ストッパ(係止部)
7 凸部材(接触部)
9 爪部(接触部)
10 ひだ部(把持部材)
11 シリンジ
12 フランジ部(把持部材)
21a,21b,21c,21d 溝
50 シース(医療器具)
100,200 医療装置
Claims (9)
- 体内に挿入される細長い医療器具を前記体内の組織に対して固定するために前記医療器具に装着される固定具であって、
前記医療器具が挿入され該医療器具の外周面に取り付けられる筒状の本体と、
該本体の外周面に長手方向に間隔を空けて配置され、前記組織を前記長手方向に挟んで把持する2つの把持部材とを備え、
該2つの把持部材が、前記長手方向に接触する位置と互いに離間した位置との間で前記長手方向に相対移動可能な接触部を各々有し、
これら接触部が、前記本体の外周面から半径方向外方に間隔を空けた位置において互いに前記長手方向に接触する固定具。 - 前記2つの把持部材が、前記本体の外周面から前記半径方向外方に広がった形状を有し、
前記接触部が、前記把持部材の互いに前記長手方向に対向する位置に設けられている請求項1に記載の固定具。 - 前記把持部材が、前記本体の前記外周面に沿った形状と、前記外周面から前記半径方向外方に広がった形状との間で変形可能である請求項2に記載の固定具。
- 前記把持部材が、前記本体の前記外周面に設けられたバルーンであり、
前記バルーンに流体を供給する流体供給手段を備える請求項3に記載の固定具。 - 両方の前記把持部材が、前記バルーンであり、
これら2つの前記バルーンは、内部が互いに連通している請求項4に記載の固定具。 - 前記接触部が、前記バルーンの外面に設けられ該外面から突出する凸部材を備える請求項4または請求項5に記載の固定具。
- 前記本体は、長手方向の少なくとも一部が、前記半径方向外方に広がった複数のひだ部が前記長手方向に並ぶ蛇腹状に折り畳み可能に形成され、
前記把持部材が、前記ひだ部からなり、
前記接触部は、前記本体が蛇腹状に折り畳まれたときに前記ひだ部の谷の位置から前記半径方向外方に間隔を空けて配される位置において、前記本体の外周面から半径方向外方に突出して設けられている請求項3に記載の固定具。 - 前記本体の先端に設けられ前記本体の内面から半径方向内方に突出する係止部を備える請求項1から請求項7のいずれかに記載の固定具。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載の固定具と、
該固定具の前記本体内に挿入されて前記固定具が外周面に取り付けられる医療器具とを備える医療装置。
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