JP2014161199A - 電力ネットワークシステム並びに電力ルータ及びその管理装置、運転方法及び運転プログラム - Google Patents

電力ネットワークシステム並びに電力ルータ及びその管理装置、運転方法及び運転プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電力ルータ内の複数のレグの中から、特定の役割を担うレグを選定する際の指針を定めること。
【解決手段】電力ルータは、電力セルを外部の電力系統に非同期に接続するものである。所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、一方の接続端と他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、各電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する制御部と、を備える。運転モードは、直流母線の電圧が所定の定格電圧に維持されるように電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含む。制御部は、複数の電力変換レグのうち少なくとも1つの電力変換レグをマスターモードで運転制御し、複数の電力変換レグのそれぞれに、電力変換レグの運転モードがマスターモードになる可能性を表す指標値を対応付ける。
【選択図】図19

Description

本発明は、複数の電力セルを相互に非同期接続することで構成される電力ネットワークシステム並びに電力ルータ及びその管理装置、運転方法及び運転プログラムに関し、特に、電力ルータに内蔵される装置を運転するための電力ネットワークシステム並びに電力ルータ及びその管理装置、運転方法及び運転プログラムに関する。
電力供給システムを構築するにあたっては、電力送電網をさらに安定的に拡張していくことはもちろん、今後は大量の自然エネルギーを導入できるシステムにすることも大事な課題となってきている。そこで、新たな電力網としてデジタルグリッド(登録商標)という電力ネットワークシステムが提案されている(特許文献1:特許4783453号、非特許文献1:デジタルグリッドコンソーシアムのウェブサイト参照、http://www.digitalgrid.org/index.php/jp/)。デジタルグリッド(登録商標)とは、電力網を小規模なセルに細分化し、それらを非同期に相互接続した電力ネットワークシステムである。各電力セルは、小さなものとしては一つの家やビル、商業施設であり、大きなものとしては県や市町村といった規模になる。各電力セルは、その中に負荷を有することはもちろん、発電設備や電力貯蔵設備を有する場合もある。発電設備としては、太陽光発電や風力発電、地熱発電などの自然エネルギーを利用する発電設備が例として挙げられる。
各電力セルの内部で自由に発電したり、さらに、電力セル間でスムースに電力を融通し合うようにしたりするため、電力セル同士は非同期で接続されている。(すなわち、複数の電力セルが相互に接続されているとしても、それぞれの電力セルで使用される電力の電圧、位相および周波数は他の電力セルとは非同期である。)
図40に電力ネットワークシステム10の例を示す。図40において、基幹系統11は大規模発電所12からの基幹電力を送電する。そして、複数の電力セル21−24が配置されている。各電力セル21−24は、家31やビル32などの負荷や、発電設備33、34や、電力貯蔵設備35、を有している。発電設備としては、太陽光発電パネル33や風力発電機34などが例として挙げられる。電力貯蔵設備とは蓄電池35などのことである。本明細書では、発電設備と電力貯蔵設備とを総称して、分散型電源ということがある。
さらに、各電力セル21−24は、他の電力セルや基幹系統11と接続されるための接続口(接続ポート)となる電力ルータ41−44を備えている。電力ルータ41−44は複数のレグ(LEG)を有している。(紙幅の都合上、図40中ではレグの符号を省略した。電力ルータ41−44に付属している白丸が各レグの接続端子であると解釈してほしい。)
ここで、レグとは、接続端子と電力変換部とを有しており、各レグにはアドレスが付されている。なお、レグによる電力変換とは、交流から直流へまたは直流から交流への変換や、電力の電圧、周波数、位相を変化させることをいう。
すべての電力ルータ41−44は通信網51によって管理サーバ50に繋がっており、管理サーバ50によってすべての電力ルータ41−44は統合的に運用制御される。例えば、管理サーバ50は各電力ルータ41−44に対し、各レグに付されたアドレスを用いてレグごとに電力の送電または受電を指示する。これにより、電力ルータ41−44を介し、電力セル間での電力融通が行われる。
電力セル間での電力融通が実現することにより、例えば、一つの発電設備33、34や一つの電力貯蔵設備35を複数の電力セルで共有することができるようになる。電力セル間で互いに余剰電力を融通し合うようになれば、設備コストを大幅に削減しながらも電力需給バランスを安定的に保つことができるようになる。
特許第4783453号公報
デジタルグリッドコンソーシアム、[平成24年11月28日検索]、インターネット<URL:http://www.digitalgrid.org/index.php/jp/>
電力ルータによって複数の電力セルを非同期に接続できればその利点は非常に大きいものであるので、早期に電力ルータを実用化することが期待されている。
しかし、実際に電力ルータを実用化するとなると、これまでの送配電設備にはない特有の課題が顕在化する。電力ルータの機能を維持し続けるためには、電力ルータに含まれるレグの一部に特定の役割を割り当てる必要がある。しかし、その特定の役割を担うレグの選定方法は未だ確立されていない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、電力ルータ内の複数のレグの中から、特定の役割を担うレグを選定する際の指針を定めた電力ネットワークシステム並びに電力ルータ及びその管理装置、運転方法及び運転プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる電力ルータは、
電力セルを外部の電力系統に非同期に接続するための電力ルータであって、
所定の定格電圧に維持される直流母線と、
一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
前記電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する制御部と、を備え、
前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
前記制御部は、前記複数の電力変換レグのうち少なくとも1つの前記電力変換レグを前記マスターモードで運転制御し、
前記複数の電力変換レグのそれぞれに、前記電力変換レグの前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値が対応付けられる
ことを特徴とする。
本発明の第2の態様にかかる電力ネットワークシステムは、
外部の電力系統に非同期に接続するための電力ルータを有する複数の電力セルを備える電力ネットワークシステムであって、
前記電力ルータは、
所定の定格電圧に維持される直流母線と、
一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
前記電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する制御部と、を備え、
前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
前記制御部は、前記複数の電力変換レグのうち少なくとも1つの前記電力変換レグを前記マスターモードで運転制御し、
前記複数の電力変換レグのそれぞれに、前記電力変換レグの前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す第1の指標値が対応付けられる
ことを特徴とする。
本発明の第3の態様にかかる電力ルータの管理装置は、
所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、前記電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する制御部と、を備える電力ルータを管理する管理装置であって、
前記電力ルータを有する複数の電力セルとネットワークを介して接続され、
前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値であって前記複数の電力変換レグのそれぞれに対応付けられている指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを少なくとも1つ選択し、
前記電力ルータに対して前記選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御させる指示を行う
ことを特徴とする。
本発明の第4の態様にかかる電力ルータの運転方法は、
所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、制御部と、を備える電力ルータにおいて、各電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する電力ルータの運転方法であって、
前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値であって前記複数の電力変換レグのそれぞれに対応付けられている指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを少なくとも1つ選択し、
当該選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する。
本発明の第5の態様にかかる電力ルータの運転プログラムは、
所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、制御部と、を備える電力ルータにおいて、各電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する電力ルータの運転プログラムであって、
前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値であって前記複数の電力変換レグのそれぞれに対応付けられている指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを少なくとも1つ選択する処理と、
当該選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する処理と、
を前記制御部に実行させる。
本発明により、電力ルータの機能を維持し続けるために、電力ルータ内の複数のレグの中から、特定の役割を担うレグを選定する際の指針を定めた電力ネットワークシステム並びに電力ルータ及びその管理装置、運転方法及び運転プログラムを提供することができる。
本発明の各実施の形態にかかる電力ルータの概略構成を示すブロック図である。 本発明の各実施の形態にかかる電力ルータの内部構成を詳しく示すブロック図である。 電力ルータを基幹系統、負荷および各種分散型電源に接続した一例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、可能な組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、禁止される組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを考慮にいれた場合に、電力ルータ同士の接続において可能な組み合わせの例を示す図である。 ACスルーレグを利用した接続例を示す図である。 電力ルータ同士の接続において、組み合わせのパターンをまとめた図である。 4つの電力ルータを相互に接続した場合の一例を挙げる。 複数の電力ルータをバス接続した様子の一例を示す図である。 電力ルータ間に基幹系統が介在した接続形態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力ルータ及び管理サーバを含む電力ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる管理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる電力ルータの運転処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる電力ルータ及び管理サーバを含む電力ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2にかかる優先度テーブルの例を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる除外値を含む優先度テーブルの例を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる優先度テーブルの初期値の例を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる優先度更新処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3にかかるマスターレグ切替処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4にかかる優先度の割り当ての例を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかる優先度の割り当ての例を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかる優先度テーブルの例を示す図である。 本発明の実施の形態5にかかる電力ルータ及び管理サーバを含む電力ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5にかかるレグ情報テーブルの例を示す図である。 本発明の実施の形態5にかかる電力ルータの運転処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5にかかる優先度テーブル重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。 本発明の実施の形態6にかかる電力ルータの運転処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態6にかかるレグの出力可能電力重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。 本発明の実施の形態6にかかるレグの出力可能電力重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。 本発明の実施の形態6にかかるレグ候補数固定する場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。 本発明の実施の形態7にかかるレグ候補数重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。 電力ネットワークシステムのシステム概要を説明するための図である。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。尚、以下における「接続相手」はレグの接続先を指すものとする。
まず、本発明の各実施の形態に共通する電力ルータの構成について説明する。
図1は、電力ルータ100の概略構成を示す図である。
また、図2は、電力ルータ100の内部構成をやや詳しく示す図である。
電力ルータ100は、概略、直流母線101と、複数のレグ110−160と、制御部190と、を備えている。
電力ルータ100は直流母線101を有し、この直流母線101に複数のレグ110−160が並列に接続されている。直流母線101は直流電力を流すためのものであり、直流母線101の電圧が所定の一定を保つようにコントロールされる。
(直流母線101の電圧がどのようにして一定に保たれるのかは後述する。)
各レグ110−160を介して電力ルータ100は外部に繋がるのであるが、外部とやり取りする電力を一旦総て直流に変換して直流母線101にのせる。このように一旦直流を介することにより、周波数や電圧、位相の違いが無関係になり、電力セル同士を非同期で接続することができるようになる。ここでは、直流母線101は、図2に示すように、平滑コンデンサー102を有する並列型であるとする。直流母線101には電圧センサ103が接続されており、この電圧センサ103によって検出された直流母線101の電圧値は制御部190に送られる。また、制御部190は、通信バス104を介してレグ110−160の動作状態(外部への送電動作、外部への受電動作など)を制御することにより、直流母線101の電圧を所定の一定値に維持する。
次に、レグ110−160について説明する。複数のレグ110−160が直流母線に対して並列に設けられている。図1においては、6つのレグ110−160を示した。6つのレグ110−160を、図1に示すように、第1レグ110、第2レグ120・・・第6レグ160とする。なお、図1では、紙幅の都合上、第1レグ110はレグ1と示し、第2レグ120はレグ2のように示している。また、図2においては、第3レグ130と第4レグ140と第6レグ160とを省略している。
第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるのに対し、第6レグ160は電力変換部を有していないという点で第1から第5レグ110−150と異なっている。まずは、第1レグ110から第5レグ150の構成について説明する。第1レグ110から第5レグ150は同じ構成であるので、代表して第1レグ110の構成を説明する。第1レグ110は、電力変換部111と、電流センサ112と、開閉器113と、電圧センサ114と、接続端子115と、を備えている。電力変換部111は、交流電力を直流電力に、あるいは、直流電力を交流電力に変換する。直流母線101には直流電力が流れているので、電力変換部111は、直流母線101の直流電力を定められた周波数および電圧の交流電力に変換して、接続端子115から外部に流す。あるいは、電力変換部111は、接続端子115から流入する交流電力を直流電力に変換して、直流母線101に流す。
電力変換部111は、インバータ回路の構成をとっており、すなわち、サイリスタ111Tと帰還ダイオード111Dとで構成される逆並列回路111Pを三相ブリッジ接続したものである。(すなわち、一のインバータ回路に対して6個の逆並列回路111Pが設けられる。)
ここでは、三相交流を使用しているので三相インバータ回路としたが、場合によっては単相インバータ回路としてもよい。二つの逆並列回路111Pの間のノードから引き出され、前記ノードと接続端子とを結ぶ配線を支線BLと称することにする。(三相交流であるので、一のレグは三つの支線BLを有する。)
電力の向きや交流電力の周波数等は制御部190によって制御される。すなわち、サイリスタ111Tのスイッチングは、制御部190によって制御される。制御部190による運転制御は後述する。
電力変換部111と接続端子115との間には開閉器113が配設されている。この開閉器113の開閉によって、支線BLが開閉され、すなわち、外部と直流母線101とが遮断されたり、接続されたりする。また、支線BLの電圧は電圧センサ114によって検出され、支線BLを流れる電流の電流値は電流センサ112で検出される。開閉器113の開閉動作は制御部190によって制御され、電圧センサ114および電流センサ112による検出値は制御部190に出力される。
上記説明では、電力変換部をインバータ回路とし、レグの接続相手は交流を使用するとしたが、レグの接続相手が蓄電池35のような直流を使用するものである場合もある。(例えば図1中の第3レグ130は蓄電池35に接続している。)
この場合の電力変換とは、DC−DC変換ということになる。したがって、電力変換部にインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設け、接続相手が交流か直流かに応じてインバータ回路とコンバータ回路と使い分けるようにしてもよい。あるいは、電力変換部がDC−DC変換部であるDC−DC変換専用のレグを設けるようにしてもよい。すべてのレグのなかにインバータ回路とコンバータ回路とを並列に設けるよりは、AC−DC変換専用のレグとDC−DC変換専用のレグとを併せ持つ電力ルータとする方がサイズやコスト面で有利な点も多々ある。
第1レグ110から第5レグ150の構成は以上の通りである。
次に、第6レグ160について説明する。第6レグ160には、電力変換部がなく、すなわち、第6レグ160の接続端子165は、直流母線101に繋がっているわけではない。第6レグ160は、第5レグ150の支線BLに接続されているのである。第6レグ160の内部配線についても、支線BLと称することとする。第6レグ160の支線BLは、第5レグ150に対し、第5レグ150の接続端子155と開閉器153との間に接続されている。
第6レグ160は、開閉器163と、電圧センサ164と、電流センサ162と、接続端子165と、を備える。第6レグ160の支線BLは、開閉器163を介して、第5レグ150の支線BLに繋がっている。すなわち、第6レグ160の接続端子165が第5レグ150の接続端子155に接続されている。第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間には開閉器163があるだけで、第6レグ160は電力変換器を持たないので、第6レグ160の接続端子165と第5レグ150の接続端子155との間では何等の変換も受けずに電力が導通することになる。そこで、第6レグ160のように電力変換器を持たないレグのことをACスルーレグと称することがある。
電流センサ162および電圧センサ164は、支線BLの電流値および電圧値を検出し、制御部190に出力する。開閉器163の開閉動作は制御部190で制御される。
(レグの運転モードについて)
第1レグ110から第5レグ150は電力変換器111−151を有しており、電力変換器内のサイリスタは制御部190によってそのスイッチング動作を制御されるものであることは既に述べた。
ここで、電力ルータ100は、電力ネットワーク10のノードにあって、基幹系統11、負荷30、分散型電源および電力セルなどを互いに結びつける重要な役割を持つ。このとき、各レグ110−160の接続端子115−165がそれぞれ基幹系統11や負荷30、分散型電源、他の電力セルの電力ルータに接続されるわけである。本発明者らは、接続相手によって各レグ110−160の役割は異なるものであり、各レグ110−160が役割に応じた適切な運転を行わなければ電力ルータが成り立たないことに気付いた。本発明者らは、レグの構造自体は同じであるが、接続相手によってレグの運転の仕方を変えるようにした。
レグの運転の仕方を、運転モードと称する。
本発明者らは、レグの運転モードとして3種類を用意しておき、接続相手によってモードを切り換えるようにした。
レグの運転モードとしては、
マスターモードと、
自立モードと、
指定電力送受電モードと、がある。
以下、順番に説明する。
(マスターモード)
マスターモードとは、系統など安定した電力供給源に接続される場合の運転モードであり、直流母線101の電圧を維持するための運転モードである。図1では、第1レグ110の接続端子115が基幹系統11に接続されている例を示している。図1の場合、第1レグ110は、マスターモードとして運転制御され、直流母線101の電圧を維持する役目を担うことになる。直流母線101には他の多くのレグ120−150が接続されているところ、レグ120−150から直流母線101に電力が流入することもあれば、レグ120−150から電力が流出することもある。マスターモードとなるレグ110は、直流母線101から電力が流出して直流母線101の電圧が定格から下がった場合、流出で不足した電力分を接続相手(ここでは基幹系統11)から補てんする。または、直流母線101に電力が流入して直流母線101の電圧が定格から上がった場合、流入で過剰になった電力分を接続相手(ここでは基幹系統11)に逃がす。このようにして、マスターモードとなるレグ110は、直流母線101の電圧を維持するのである。
したがって、一の電力ルータにおいて、少なくとも一つのレグはマスターモードとして運転されなければならない。さもなくば、直流母線101の電圧が一定に維持されなくなるからである。逆に、一の電力ルータにおいて二つ以上のレグがマスターモードで運転されてもよいが、やはり、マスターモードのレグは一つの電力ルータには一つであった方がよい。
また、マスターモードとなるレグは、基幹系統の他、例えば、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)に接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源とマスターモードとなるレグとは接続できない。
以下の説明において、マスターモードで運転されるレグのことを、マスターレグということがある。
マスターレグの運転制御について説明する。
マスターレグを起動させる際には次のようにする。
まず、開閉器113を開(遮断)状態にしておく。この状態で接続端子115を接続相手に繋ぐ。ここでは、接続相手は基幹系統11である。
電圧センサ114によって接続先の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて系統の電圧の振幅、周波数および位相を求める。その後、求めた振幅、周波数および位相の電圧が電力変換部111から出力されるように、電力変換部111の出力を調整する。すなわち、サイリスタ111Tのオン/オフパターンを決定する。この出力が安定するようになったら、開閉器113を投入し、電力変換部111と基幹系統11とを接続する。この時点では、電力変換部111の出力と基幹系統11の電圧とが同期しているため、電流は流れない。
マスターレグを運用する時の運転制御を説明する。
直流母線101の電圧を電圧センサ103によって測定する。直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧を上回っていたら、マスターレグ110から系統に向けて送電が行われるように、電力変換部111を制御する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ110を介して直流母線101から基幹系統11に向けて送電が行われるようにする。)なお、直流母線101の定格電圧は、予め設定によって定められているものである。
一方、直流母線101の電圧が所定の定格母線電圧より下回っていたら、このマスターレグ110が基幹系統11から受電できるように、電力変換部111を制御する。(電力変換部111から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、マスターレグ110を介して基幹系統11から直流母線101に送電が行われるようにする。)このようなマスターレグの運転が行われることにより、直流母線101の電圧が予め定められた定格を維持できるようになることが理解されるであろう。
(自立モード)
自立モードとは、管理サーバ50から指定された振幅・周波数の電圧を自ら作り出し、接続相手との間で送受電する運転モードである。
例えば負荷30などの電力を消費するものに向けて電力を供給するための運転モードとなる。あるいは、接続相手から送電されてくる電力をそのまま受け取るための運転モードとなる。
図1では、第2レグ120の接続端子125が負荷30に接続されている例を示している。第2レグ120が自立モードとして運転制御され、負荷30に電力を供給することになる。
また、第4レグ140や第5レグ150のように他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから要求される電力分を送電するためのモードとして第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。
または、第4レグ140や第5レグ150のように他の電力ルータと接続される場合に、他の電力ルータから送電されてくる電力を受電するためのモードとして第4レグ140や第5レグ150を自立モードで運転する場合もある。
また、図に示していないが、負荷30に代えて、第2レグを発電設備に接続する場合も第2レグを自立モードで運転することもできる。ただし、この場合には発電設備に他励式インバータを搭載するようにする。
電力ルータ同士を接続する場合の運転モードについては後述する。
自立モードで運転されるレグを自立レグと称することにする。一つの電力ルータにおいて、自立レグは複数あってもよい。
自立レグの運転制御について説明する。
まず開閉器123を開(遮断)にしておく。接続端子125を負荷30に接続する。管理サーバ50から電力ルータ100に対し、負荷30に供給すべき電力(電圧)の振幅および周波数が指示される。そこで、制御部190は、指示された振幅および周波数の電力(電圧)が電力変換部121から負荷30に向けて出力されるようにする。(すなわち、サイリスタ121Tのオン/オフパターンを決定する。)この出力が安定するようになったら、開閉器123を投入し、電力変換部121と負荷30とを接続する。あとは、負荷30で電力が消費されれば、その分の電力が自立レグ120から負荷30に流れ出すようになる。
(指定電力送受電モード)
指定電力送受電モードとは、指定によって定められた分の電力をやり取りするための運転モードである。すなわち、接続相手に指定電力を送電する場合と、接続相手から指定電力を受電する場合と、がある。
図1では、第4レグ140および第5レグ150が他の電力ルータと接続されている。
このような場合に、決まった分の電力を一方から他方へ融通するようなことが行われる。
または、第3レグ130は蓄電池35に接続されている。
このような場合に、決まった分の電力を蓄電池35に向けて送電して、蓄電池35を充電するというようなことが行われる。
また、自励式インバータを搭載する分散型電源(蓄電池も含む)と指定電力送受電レグとを接続してもよい。ただし、他励式インバータを搭載する分散型電源と指定電力送受電レグとは接続できない。
指定電力送受電モードで運転されるレグを指定電力送受電レグと称する。一つの電力ルータにおいて、指定電力送受電レグは複数あってもよい。
指定電力送受電レグの運転制御について説明する。起動時の制御についてはマスターレグと基本的に同じであるので、割愛する。
指定電力送受電レグを運用する時の運転制御を説明する。
(説明には、第5レグ150に付した符号を使用する。)
電圧センサ154によって接続相手の系統の電圧を測定し、PLL(Phase−Locked−Loop)などを用いて接続相手の電圧の周波数・位相を求める。管理サーバ50から指定された有効電力値および無効電力値と、接続相手の電圧の周波数および位相と、に基づいて、電力変換器151が入出力する電流の目標値を求める。電流センサ152によって電流の現在値を測定する。目標値と現在値との差分に相当する電流が追加で出力されるように、電力変換器151を調整する。(電力変換部151から出る電圧の振幅および位相の少なくともいずれか一方を調整して、指定電力送受電レグと接続相手との間で所望の電力が流れるようにする。)
以上の説明により、同じ構成である第1レグから第5レグが運転制御の仕方によって3パターンの役割を果たせることが理解されるであろう。
(接続制約)
運転モードの違いによってレグの働きが違ってくるので、接続相手の選択と運転モードの選択との間には自ずと制約が発生する。すなわち、接続相手が決まれば選択できる運転モードが決まり、逆に、運転モードが決まれば選択できる接続相手が決まる。(接続相手が変われば、それに合わせてレグの運転モードを変更する必要がある。)
可能な接続組み合わせのパターンを説明する。
以後の説明にあたって、図中の表記を図3のように簡略化する。
すなわち、マスターレグをMで表す。
自立レグをSで表す。
指定電力送受電レグをDで表す。
ACスルーレグをACで表す。
また、必要に応じてレグの肩に「#1」のように番号を付してレグを区別することがある。
また、図3以降では、図面ごとに系統立てた符号を付すが、必ずしも図面を跨がって同じ要素に同じ符号を付しているわけではない。
例えば、図3の符号200と図4の符号200とが全く同じものを指しているわけではない。
図3に示した接続組み合わせはいずれも可能な接続である。第1レグ210がマスターレグとして基幹系統11に接続されている。これは既に説明した通りである。
第2レグ220が自立レグとして負荷30に接続されている。これも既に説明した通りである。
第3レグ230および第4レグ240が指定電力送受電レグとして蓄電池35に接続されている。これも既に説明した通りである。
第5レグ250はACスルーレグである。ACスルーレグ250が他の電力ルータ300の指定電力送受電レグと繋がり、ACスルーレグ250は第4レグ240の接続端子245を介して蓄電池35に繋がっている。ACスルーレグ250は電力変換部を持たないのであるから、この接続関係は、他の電力ルータ300の指定電力送受電レグが蓄電池35に直接に繋がっていることと等価になる。このような接続が許されることは理解されるであろう。
第6レグ260は、指定電力送受電レグとして基幹系統11に繋がっている。第6レグ260を介して基幹系統11から決まった電力を受電するとすれば、このような接続が許容されるのは理解されるであろう。
なお、第1レグ210がマスターレグとなっていることの関係でいうと、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に足りなければ、マスターレグ210は、基幹系統11から必要な電力を受電することになる。逆に、第6レグ260による受電電力が直流母線201の定格維持に必要な量を超過してしまった場合、マスターレグ210は、過剰な電力を基幹系統11に逃がすことになる。
次に、電力ルータ同士を接続する場合を説明する。電力ルータ同士を接続するということは、一の電力ルータのレグと他の電力ルータのレグとを接続するということである。レグ同士を接続する場合、組み合わせられる運転モードには制約がある。
図4および図5に示す接続の組み合わせはいずれも可能な組み合わせの例である。図4においては、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とが接続されている。詳しく説明しないが、第2電力ルータ200のマスターレグ220は、基幹系統11に繋がり、これにより第2電力ルータ200の直流母線201の電圧が定格に維持されるものとする。
図4において、第1電力ルータ100から負荷30に対して電力供給を行うと、直流母線101の電圧が下がることになる。マスターレグ110は、直流母線101の電圧を維持するように接続相手から電力を調達する。すなわち、マスターレグ110は、足りない分の電力を第2電力ルータ200の自立レグ210から引き込むことになる。第2電力ルータ200の自立レグ210は、接続相手(ここではマスターレグ110)から要求される分の電力を送出する。第2電力ルータ200の直流母線201では、自立レグ210から電力を送出した分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ220によって基幹系統11から補てんされる。このようにして、第1電力ルータ100は、必要な分を電力を第2電力ルータ200から融通してもらえる。
このように、第1電力ルータ100のマスターレグ110と第2電力ルータ200の自立レグ210とを接続したとしても、マスターレグ110と自立レグ210とで役割が整合しているので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図4のようにマスターレグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
図5においては、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とが接続されている。詳しく説明しないが、第3電力ルータ300のマスターレグ320と第4電力ルータ400のマスターレグ420とはそれぞれ基幹系統11に繋がっており、これにより、第3電力ルータ300および第4電力ルータ400のそれぞれの直流母線301、401は定格の電圧を維持するものとする。
ここで、管理サーバ50からの指示によって第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310は指定の電力を受電するように指示されているものとする。指定電力送受電レグ310が第4電力ルータ400の自立レグ410から指定の電力を引き込むようにする。第4電力ルータ400の自立レグ410は、接続相手(ここでは指定電力送受電レグ310)から要求される分の電力を送出する。第4電力ルータ400の直流母線401では、自立レグ410から送出した電力分だけ電圧が下がることになるが、これはマスターレグ420によって基幹系統11から補てんされる。
このように、第3電力ルータ300の指定電力送受電レグ310と第4電力ルータ400の自立レグ410とを接続したとしても、指定電力送受電レグ310と自立レグ410とで役割が整合するので、どちらの動作にも不都合は生じない。したがって、図5のように指定電力送受電レグと自立レグとを接続してもよいことがわかる。
なお、第3電力ルータ300が第4電力ルータ400から電力を融通してもらう場合を例に説明したが、逆に、第3電力ルータ300から第4電力ルータ400に向けて電力を融通する場合でも同じように不都合が無いことは理解されるであろう。
このようにして、第3電力ルータ300と第4電力ルータ400との間で指定電力を融通し合うことができるわけである。
電力変換部を有するレグ同士を直接に接続する場合には、図4と図5とに挙げた2パターンだけが許される。
すなわち、マスターレグと自立レグとを接続する場合と、指定電力送受電レグと自立レグとを接続する場合と、だけが許される。
次に、互いに接続できない組み合わせを挙げる。
図6から図9は、互いに接続してはいけないパターンである。
図6、図7、図8を見てわかるように、同じ運転モードのレグ同士を接続してはいけない。
例えば、図6の場合、マスターレグ510及び610同士を接続している。
マスターレグは、運転動作の説明で前述したように、接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手もマスターレグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、マスターレグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、マスターレグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
マスターレグは、直流母線の電圧を維持するために接続相手から電力を引き込まなければならない。(あるいは、直流母線の電圧を維持するために、過剰な電力は接続相手に逃がさなければならない。)マスターレグ同士が接続されてしまっては、互いに接続相手の要求を満たすことはできない。(仮にマスターレグ同士を接続してしまうと、両方の電力ルータで直流母線の電圧を維持できなくなる。すると、それぞれの電力セル内で停電などの不具合が発生するかもしれない。)このように、マスターレグ同士では互いの役割が衝突してしまうので(整合しないので)、マスターレグ同士を接続してはいけない。
図7では、指定電力送受電レグ同士を接続しているが、これも成り立たないことは理解できるであろう。
前記マスターレグと同じことであるが、運転動作の説明で前述したように、指定電力送受電レグも接続相手の電圧、周波数および位相に同期した電力を作り出す処理をはじめに行う。
ここで、接続相手も指定電力送受電レグである場合、お互いに相手の電圧および周波数に同期しようとするが、指定電力送受電レグは電圧および周波数を自立的に確立しないため、このような同期処理は成功し得ない。
従って、指定電力送受電レグ同士を接続できないのである。
またさらに、次のような理由もある。
仮に、一方の指定電力送受電レグ510が送電すべき指定送電電力と、他方の指定電力送受電レグ610が受電すべき指定受電電力と、を一致させたとしても、このような指定電力送受電レグ同士を接続してはいけない。例えば、一方の指定電力送受電レグ510が指定送電電力を送電しようとして電力変換部を調整するとする。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧を高くする。)その一方、他方の指定電力送受電レグ610が指定受電電力を受電しようと電力変換部を調整する。(例えば、接続相手よりも所定値だけ出力電圧が低くなるようにする。)同時にこのような調整動作が両方の指定電力送受電レグ510、610で行われてしまっては、互いに制御不能に陥ってしまうことは理解されるであろう。
図8では、自立レグ同士を接続しているが、このような接続はしてはいけない。
自立レグは自ら電圧・周波数を作り出すものである。
仮に自立レグ同士を繋いだ状態で2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相のいずれかが少しでも乖離すると、2つの自立レグの間に意図しない電力が流れてしまうことになる。
2つの自立レグが作り出す電圧、周波数および位相を完全に一致させ続けるというのは無理なのであり、したがって、自立レグ同士を接続していけない。
図9においては、マスターレグと指定電力送受電レグとを接続している。
これまでの説明から、これも成り立たないことは理解できるであろう。マスターレグ510が直流母線501の電圧を維持するように接続相手に対して電力を送受電しようとしても、指定電力送受電レグ610はマスターレグ510の要求に応じて送受電しない。したがって、マスターレグ510は直流母線501の電圧を維持できない。また、指定電力送受電レグ610が接続相手(510)に指定電力を送受電しようとしても、マスターレグ510は指定電力送受電レグ610の要求に応じて送受電しない。したがって、指定電力送受電レグ610は接続相手(ここではマスターレグ510)に指定電力を送受電することはできない。
ここまでは、電力変換部を有するレグ同士を接続する場合を考えたが、ACスルーレグを考慮にいれると、図10から図13のパターンも可能である。ACスルーレグとは、電力変換部を有していないことから、単なるバイパスである。したがって、図10や図13のように、第1電力ルータ100のマスターレグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がるというのは、マスターレグ110が基幹系統11に直結していることと本質的に変わりがない。同じように、図12や図13のように、第1電力ルータ100の指定電力送受電レグ110が第2電力ルータ200のACスルーレグ250を介して基幹系統11に繋がるというのは、指定電力送受電レグ110が基幹系統11に直結していることと本質的に変わりがない。
それでも、ACスルーというのは設けておくと便利である。例えば、図14のように、第1電力ルータ100から基幹系統11までの距離が非常に長く、第1電力ルータ100を基幹系統11に接続するためにはいくつかの電力ルータ200、300を経由しなければならないという場合が考えられる。
仮にACスルーレグが無いとすると、図4で示したように、一または複数の自立レグを経由しなければならなくなる。電力変換部をもつレグを経由すると、交流電力から直流電力への変換および直流電力から交流電力への変換を経由することになる。電力変換にはやはり数%とはいえどもエネルギーロスが発生するので、単に基幹系統に接続するためだけに複数回の電力変換を必要とするのは効率が悪い。
したがって、電力ルータに電力変換部を有さないACスルーレグを設けておくことには意味があるのである。
ここまでに説明したことを図15にまとめた。また、図16に、4つの電力ルータ100−400を相互に接続した場合の一例を挙げる。いずれの接続関係もこれまでの説明中に登場したので、一つ一つの接続先を細かく説明することはしないが、いずれも許容される接続関係であることは理解されるであろう。
ここで、電力ルータと接続相手とを繋ぐ接続線について補足しておく。
電力ルータ同士を繋ぐ接続線を送電線と称するとすると、送電線は基幹系統の一部となっていてもよいし、基幹系統から切り離されていてもよい。
(図16においては、基幹系統の一部となっている送電線に71Aの符号を付し、基幹系統から切り離された送電線に71Bの符号を付した。)
すなわち、基幹系統に対して複数の電力ルータが接続されていてもよい。このように基幹系統を介して二以上の電力ルータを接続することにより、複数の電力ルータ間で基幹系統を介した電力融通が可能となり、融通される電力の過不足を基幹系統で補填するようにもできる。その一方、基幹系統を介さないで二以上の電力ルータ同士を接続してもよい。
また、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ接続線を配電線72と称するとすると、配電線72は基幹系統11から切り離されたものである。すなわち、電力ルータと負荷(または分散型電源)とを繋ぐ配電線72は基幹系統11に繋がらない。
また、図17に図示するように、電力ルータ100−400をバス接続のようにして接続するようにしてもよい。
各レグの運転モードについては説明を省略するが、電力融通の方向とこれまでに説明した接続制約とを考慮して適切に各レグの運転モードを選択しなければならないことはもちろんである。
なお、図17において、基幹系統11を、蓄電池や発電設備などの分散型電源に代えてもよいことはもちろんである。すなわち、複数の電力ルータを分散型電源にバス接続してもよい。
また、図18に示す例は、二つの電力ルータ100、200を基幹系統11に接続した接続形態の一例である。
図18において、基幹系統11を分散型電源に代えてもよい。
これまで説明したように、電力ルータの接続相手としては、基幹系統、蓄電池や発電設備を含む分散型電源、および、他の電力ルータが挙げられるところ、本明細書および特許請求の範囲においてこれらを電力系統と称する。
電力ルータにより、電力セル同士を非同期に相互接続した電力ネットワークシステムを構築することができる。そして、本実施形態に説明した接続制約に従うことによって、互いの役割が矛盾しないようにレグ同士を接続していくことができる。これにより、電力ネットワークシステムを拡張し、また、全体を安定的に運用することができるようになる。
上述のように、マスターレグは直流母線電圧を一定電圧に維持する役割を担う。マスターレグが故障したり、マスターレグの接続先が停電などの障害に見舞われたりすると、直流母線電圧は維持されなくなる。1つの電力ルータにおいて全てのマスターレグがその機能を停止した場合、他のレグを通して直流母線に流入する電力もしくは直流母線から流出する電力によって直流母線電圧が上昇または下降し電力ルータの動作に影響を及ぼす。従って、1つ以上のマスターレグを1つの電力ルータで選定すること、また、マスターレグが停止した場合、他のレグの運転モードをマスターモードに切り替えることが重要となる。このように、マスターレグは重要な役割を担うため、マスターレグの接続先にも安定性や信頼性が求められる。ゆえに、電力ルータ内の複数のレグの中からマスターモードで運転させるレグを選択する際の指針を定めることは、電力ルータの安定性の観点で非常に重要である。
そこで、以下の本発明の各実施の形態は、電力ルータ内の複数のレグの中からマスターモードで運転させるレグを選択する際の指針を提供する。
<発明の実施の形態1>
図19は、本発明の実施の形態1にかかる電力ルータ100a及び管理サーバ52を含む電力ネットワークシステム10aの構成を示すブロック図である。尚、本発明の実施の形態1にかかる電力ネットワークシステム10aの概要構成は、上述した図40と同等のものである。そこで、図19には、本発明の実施の形態1に関係する部分を中心に図示した。
電力ネットワークシステム10aは、少なくとも電力ルータ100aと、管理サーバ52と、基幹系統11と、電力ルータ200aと、負荷30と、蓄電池35aと、蓄電池35bとを含む。基幹系統11、負荷30、蓄電池35a及び蓄電池35bは、上述したものと同等のものである。但し、蓄電池35aは管理サーバ52によって管理され、蓄電池35bは電力ルータ100aによって管理される。また、図19における電力ルータ100aの接続先は、例であって、これらに限定されない。
電力ルータ100a及び200aは、それぞれ異なる電力セル(不図示)に属しており、所属する電力セルを外部の電力系統に非同期に接続する。以下、電力ルータ100aの構成及び機能について説明する。電力ルータ200aは、電力ルータ100aと同等の構成及び機能を持つため、その図示及び説明を省略する。電力ルータ100aは、少なくとも直流母線101と、レグA〜Eと、制御部190aとを備える。電力ルータ100aのその他の構成及びレグA〜Eの内部構成は、上述した図1及び図2と同等であるため、それらの図示及び説明を省略する。
図19では、レグAの外部接続端子が基幹系統11と接続され、レグBの外部接続端子が電力ルータ200aと接続され、レグCの外部接続端子が負荷30と接続され、レグDの外部接続端子が蓄電池35aと接続され、レグEの外部接続端子が蓄電池35bと接続されている。
制御部190aは、レグA〜Eのそれぞれが所定の運転モードで運転するように、それらを制御する。所定の運転モードは、例えば、上述したマスターモード、自立モード及び指定電力送受電モードのいずれかであることが望ましい。制御部190aは、レグA〜Eのうち少なくとも1つの運転モードをマスターモードにする。制御部190aは、図1の制御部190の機能も有する。
制御部190aは、レグA〜Eのそれぞれに指標値を1つずつ対応付ける。指標値とは、対応するレグがマスターレグとして選択される可能性を表す値である。例えば、数値で表現される。指標値は、対応するレグがマスターレグとして好適であるか否かを示すもの、ともいえる。但し、指標値が2値であるとは限らない。
制御部190aは、各レグに固定的な指標値を設定してもよい。また、定期的又は任意のタイミングで指標値を決定しても構わない。さらに、マスターレグを選択する際に指標値を決定するようにしてもよい。制御部190aは、電力ルータ、レグ又はレグの接続先の状態が変化するたびに指標値を更新してもよい。制御部190aは、電力ルータ、レグ又はレグの接続先における、現在の状態、過去の状態の履歴又は将来の状態の予測の少なくともいずれかに基づいて指標値を決定することが望ましい。例えば、過去に何度も障害を発生させた系統に接続されているレグは、信頼性に劣るためマスターレグとして相応しくない。制御部190aは、そのレグがマスターレグとして選択される可能性が低くなるように、そのレグの指標値を決定する。制御部190aは、各レグの接続先の種類を考慮して、そのレグの指標値を決定する。例えば、あるレグの接続先が基幹系統や発電装置、電力貯蔵装置であれば、そのレグはマスターレグになることができる。さらに、レグの接続先が基幹系統であれば、接続先が蓄電池である場合に比べてそのレグはマスターレグとしてよりふさわしいといえる。また、一方のレグの接続先が別の電力ルータの他方のレグであって、その他方のレグの運転モードが自立モードでない場合、前述のレグ間の接続制約により、その一方のレグをマスターレグにすべきでない。また、制御部190aは、各レグのハードウェアスペックに基づいて指標値を設定してもよい。例えば、制御部190aは、各レグの電圧の最大出力値である定格出力値に基づいて指標値を設定してもよい。この場合、定格出力値がより大きいほどマスターレグとしてふさわしい。また、制御部190aは、各レグの現在の動作状態、例えば、運転モードや動作又は停止の別に基づいて指標値を設定してもよい。例えば、制御部190aは、レグが停止中であれば、次にマスターレグとなる可能性があるといえる。また、マスターレグを切り替えるときには、既に運転モードがマスターモードであるレグについては切り替えの対象外といえる。
制御部190aは、マスターレグが故障したり、マスターレグの接続先が停電したりすると、障害レグを除くレグA〜Eの中から新たなマスターレグを選出する。この際、制御部190aは、候補のレグの指標値を参照してマスターレグとして最も好適なレグを選択し、そのレグをマスターレグとして運転制御する。このように電力ルータ内でレグを選択することで、障害発生時に迅速にマスターレグを切り替え、電力ルータの動作を継続させることができる。
管理サーバ52は、電力ルータ100aを有する電力セルや電力ルータ200aを有する電力セルとネットワーク(不図示)を介して接続される。管理サーバ52は、電力ルータ100a及び200aを管理する情報処理装置である。ここで、電力ルータ100aの代わりに管理サーバ52が、各レグに対応付けられている指標値に基づいてレグA〜Eの中からマスターモードとして運転制御させるレグを少なくとも1つ選択してもよい。その場合、管理サーバ52は、電力ルータ100aに対して、選択したレグをマスターモードとして運転制御させる指示を行う。
管理サーバ52は、制御部190aの代わりに、各レグの接続先の種類、又は、電力ルータ、レグ若しくはレグの接続先における、現在の状態、過去の状態の履歴若しくは将来の状態の予測の少なくともいずれかに基づいて指標値を決定してもよい。
図20は、本発明の実施の形態1にかかる管理サーバ52の構成を示すブロック図である。管理サーバ52は、CPU(Central Processing Unit)521と、メモリ522と、通信部523と、ハードディスク524とを備える。
ハードディスク524は、不揮発性記憶装置である。ハードディスク524は、OS(不図示)、運転プログラム525を格納する。ここで、運転プログラム525は、本発明の実施の形態1にかかる電力ルータの運転処理(例えば、後述する図21の処理)が実装されたコンピュータプログラムである。
CPU521は、管理サーバ52における各種処理、メモリ522、通信部523及びハードディスク524へのアクセス等を制御する。通信部523は、電力ルータ100a及び200a等を含む外部との通信を行う。
管理サーバ52は、CPU521が、メモリ522又はハードディスク524に格納されたOS、運転プログラム525等を読み込み、実行する。これにより、管理サーバ52は、電力ルータの運転処理を実現することができる。
尚、図20に相当する構成を電力ルータ100aの一部に持たせて、制御部190aが運転プログラム525を実行するようにしてもよい。
図21は、本発明の実施の形態1にかかる電力ルータの運転処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部190aは、各レグの指標値を決定する(S11)。すなわち、制御部190aは、電力ルータ、レグ又はレグの接続先における、現在の状態、過去の状態の履歴又は将来の状態の予測の少なくともいずれかに基づいて指標値を決定する。各レグの指標値は、電力ルータに内蔵されるメモリ(不図示)内に保持される。
続いて、制御部190aは、各レグの指標値を参照し、レグA〜Eの中からマスターモードで運転させるレグを少なくとも1つ選択する(S12)。例えば、指標値が大きいほどマスターレグとして相応しい場合、制御部190aは、最も大きい指標値を持つレグを選択する。
その後、制御部190aは、選択したレグをマスターレグとして運転制御する(S13)。尚、管理サーバ52がステップS13を実行した場合、制御部190aは、管理サーバ52からの指示に応じてステップS14を実行する。
<発明の実施の形態2>
本発明の実施の形態2は、上述した実施の形態1に改良を加えたものである。以下、実施の形態1の指標値を優先度と呼ぶ。図22は、本発明の実施の形態2にかかる電力ルータ100b及び管理サーバ52aを含む電力ネットワークシステム10bの構成を示すブロック図である。電力ルータ100bと電力ルータ100aの相違は、電力ルータ100bが制御部190aの代わりに制御部190bを有し、さらに記憶部180を備えるという点である。
記憶部180は、優先度テーブル181を記憶する記憶装置である。優先度テーブル181は、電力ルータ100b内の各レグの識別子とそのレグの優先度とが対応付けられた表である。レグ毎に優先度は2つ存在し、1つ目の優先度は制御部190bによって決定される優先度p1であり、2つ目の優先度は管理サーバ52aによって決定される優先度p2である。尚、管理サーバ52aは、各レグについて決定した優先度を電力ルータ100bへ通知し、優先度テーブル181内の管理サーバ52a用の領域に優先度p2として格納させる。優先度p1と優先度p2を特に区別しない場合、優先度と記載する。
レグ毎に優先度を2つ設ける理由は、電力ルータ100bと管理サーバ52aとが直接的に把握できる情報の種類がそれぞれ異なっているからである。例えば、電力ルータ100bは、電力ルータ自身、自身が備えるレグ及びこれらのレグの接続先の障害を直接的に検出できる。しかし、管理サーバ52aはこれらの障害を直接的には検出できない。一方、管理サーバ52aは、電力ルータ100bのレグの接続先のさらに先で発生している障害や計画停電の有無などの広域情報を、電力ルータ100bよりも迅速に検出することができる。
基本的にレグの優先度の値が大きいほど、そのレグがマスターレグとして選択される可能性が高くなる。ただし、特定の優先度の値がレグに設定された場合、制御部190bは、そのレグをマスターレグとして選択しない。レグをマスターレグの候補から除外するための優先度の値を、除外値と呼ぶ。なお、除外値の個数が1つであるとは限らない。
制御部190bは、制御部190aの機能に加え、マスターレグとして選択すべきでないと判定したレグに、除外値に等しい優先度p1を割り当てる機能を持つ。マスターレグとして選択されるべきでないレグは、直流母線電圧を一定電圧に維持できなくなったレグ、もしくは将来、当該維持できなくなることが見込まれるレグ、である。例えば、故障したレグは直流母線電圧を維持できないため、制御部190bはそのレグに除外値の優先度p1を割り当て、マスターレグとしての役割を果たせないレグがマスターレグになることを防止する。
管理サーバ52aは、管理サーバ52の機能に加え、マスターレグとして選択すべきでないと判定したレグに、除外値に等しい優先度p2を割り当てる機能を持つ。
記憶部180を管理サーバ52aの中に配置しても構わない。この場合、制御部190bは、各レグについて決定した優先度を管理サーバ52aへ通知し、優先度テーブル181内の制御部190b(電力ルータ100b)用の領域に優先度p2として格納させる。ただし、記憶部180を管理サーバ52aの中に配置するよりも、電力ルータ100b内に配置したほうが、制御部190bと優先度テーブル181の間の物理的な距離が短くなるため、マスターレグの切り替えが高速になる。
電力ルータ100bは、レグの優先度を自身の判断で決定できないとき、最小値に等しい優先度p1をそのレグに割り当てる。同様に、管理サーバ52aは、レグの優先度を自身の判断で決定できないとき、最小値に等しい優先度p2をそのレグに割り当てる。ここで、最小値とは、優先度の値として使用可能な値の範囲の下限である。レグの優先度p1と優先度p2のいずれか一方が最小値に等しければ、他方の優先度がそのレグの最終的な優先度となる。レグの優先度p1と優先度p2の両方が最小値に等しければ、そのレグはマスターレグの候補から除外される。つまり、最小値は除外値の1つでもある。
レグに最小値の優先度を割り当てる場合の例を挙げる。図22のレグDに接続されている蓄電池35aは管理サーバ52aの管轄下にある。そのため、電力ルータ100bは蓄電池35aに関する情報(残容量など)を直接的に取得することができず、レグDをマスターレグとして選択できるかどうかの判断を下すことができない。この場合、電力ルータ100bの制御部190bはレグDの優先度p1を最小値にする。一方、レグEに接続されている蓄電池35bは電力ルータ100bの管轄下にある。この場合は逆に、管理サーバ52aはレグEの優先度p2を最小値にする。
以下、制御部190bまたは管理サーバ52aが優先度を決定する方法を述べる。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグの接続先の種類に基づいて優先度を決定する。レグの接続先が負荷やマスターレグ、指定電力送受電レグであれば、そのレグはマスターレグになりえないため、そのレグの優先度を除外値にする。レグの接続先が基幹系統や発電装置、電力貯蔵装置、自立レグであれば、そのレグはマスターレグになりえるため、除外値以外の優先度をそのレグに設定する。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグまたはその接続先の障害の有無に基づいて優先度を決定する。障害がある場合、そのレグは運転されるべきでないため、そのレグの優先度を除外値にする。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグまたはその接続先が将来停止するであろう確率に基づいて優先度を決定する。その確率が高いほど、低い優先度をそのレグに割り当ててもよい。特に、レグまたはその接続先が近い将来に停止することが明らかである場合、そのレグの優先度を除外値にする。電力不足やメンテナンスによる計画停電などがこのような場合に相当する。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグとその接続先、レグと接続先とを結ぶ送電線、の送受電能力や安定性に基づいて優先度を決定する。この送受電能力は送電線の送電容量を含む。それらの送受電能力や安定性が十分に高ければ、電力ルータ100bの直流母線101の電圧が安定に保たれる。そこで、それらの送受電能力や安定性が高いほど、高い優先度をそのレグに割り当ててもよい。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグの接続先の種類が電力貯蔵装置である場合、その残容量に基づいて優先度を決定する。電力貯蔵装置から放電可能な電力量が少なければ、放電電力を用いて電力ルータ100bの直流母線101の電圧を十分に上げることができない。また、充電可能な電力量が少なければ、直流母線101から電力貯蔵装置に電力を移動させて直流母線101の電圧を十分に下げることができない。つまり、そのレグをマスターモードとして動作させるには、電力貯蔵装置の残容量が多すぎても少なすぎてもいけない。そこで、制御部190bまたは管理サーバ52aは、電力貯蔵装置の残容量が所定の上限値を超えている、または所定の下限値を下回っている場合、そのレグの優先度を除外値にする。また、電力貯蔵装置の残容量と理想量との差分の絶対値が大きいほど、低い優先度をそのレグに割り当ててもよい。ここで、理想量は電力貯蔵装置の満充電容量の半分であることが望ましい。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグの接続先が発電装置か電力貯蔵装置である場合、その発電装置や電力貯蔵装置の管理主体に基づいて優先度を決定する。特に、制御部190bは、レグの接続先が管理サーバ52aによって管理される発電装置か電力貯蔵装置である場合、そのレグの優先度を最小値にする。また、管理サーバ52aはレグの接続先が電力ルータ100bによって管理される発電装置か電力貯蔵装置である場合、そのレグの優先度を最小値にする。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグの接続先が発電装置または電力貯蔵装置である場合、その発電装置または電力貯蔵装置が入出力(充放電)できる電力に基づいて優先度を決定する。入出力(充放電)電力が十分に高ければ、電力ルータ100bの直流母線101の電圧が安定に保たれる。そこで、入出力(充放電)電力が高いほど、高い優先度をそのレグに割り当ててもよい。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグまたはその接続先で過去に送受電された電力の大きさの履歴に基づいて優先度を決定する。例えば、レグまたはその接続先の仕様上の送受電能力が高かったとしても、過去に送受電された電力の大きさの実績が低い場合には、そのレグはマスターレグとして相応しくない可能性がある。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグとその接続先、レグと接続先とを結ぶ送電線、において過去に発生した障害の履歴に基づいて優先度を決定する。例えば、レグが停電しやすい系統に接続されている場合、そのレグの優先度を低くすることが望ましい。制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグの接続先から履歴を取得し、それを解析して加工することで接続先の故障の頻度を算出することもできる。その頻度が高いほど、低い優先度をそのレグに割り当ててもよい。
制御部190bまたは管理サーバ52aは、レグとその接続先との間で送受電される電力の料金に基づいて優先度を決定する。この料金は、レグと接続先とを結ぶ送電線の託送料金を含む。電力の自由化により供給源ごとに料金が異なる可能性がある。また、時間帯によっても料金が異なる場合もある。そこで、料金が安いほど、高い優先度をそのレグに割り当ててもよい。
以上、優先度の決定方法について説明したが、上記に限定されない。
以下、制御部190bが優先度テーブル181を参照して、マスターレグとして最も好適なレグを選択する方法について述べる。
上述の通り、優先度テーブル181は、電力ルータ100bのレグごとに優先度p1と優先度p2を有する。制御部190bは、レグそれぞれについて最終優先度p3を求める。レグの最終優先度p3は、そのレグの優先度p1と優先度p2のうち大きいほうである。この際、除外値や最小値を特別扱いせず、純粋に数値的に大小比較を行う。
なお、最終優先度p3の決定の仕方はこれに限定されない。最終優先度p3は、優先度p1と優先度p2を入力とする何らかの関数の出力である。例えば、制御部190bは、優先度p1と優先度p2の和を最終優先度p3としてもよい。また、優先度p1と優先度p2のいずれかが除外値に等しいとき、最終優先度p3を強制的に除外値にしてもよい。
その後、制御部190bは、電力ルータ100bの全てのレグの最終優先度p3の中で最大の最終優先度p3を持つレグを、マスターレグとして選択する。この際、除外値に等しい最終優先度p3を持つレグは選択の候補から除外される。言い換えると、制御部190bは、除外値に等しくない最終優先度p3を持つ全てのレグの中で最大の最終優先度p3を持つレグを、マスターレグとして選択する。
以上、制御部190bがマスターレグを選択する方法について説明したが、同様の方法で管理サーバ52aがマスターレグを選択することもできる。
図23は、本発明の実施の形態2にかかる優先度テーブル181の例を示す図である。優先度テーブル181は、レグの識別子(A〜E)と、電力ルータ100bによって決定される優先度p1と、管理サーバ52aによって決定される優先度p2とを、レグごとに格納する領域を持つ。レグAについて、電力ルータ100bの制御部190bが優先度p1”60”を割り当て、管理サーバ52aが優先度p2”90”を割り当てている。
制御部190bは、レグAの優先度p1”60”と優先度p2”90”とを比較し、より大きい値である優先度p2”90”をレグAの最終優先度p3にする。同様に、制御部190bは、レグB〜Eについて最終優先度p3を求める。その後、制御部190bは、レグA〜Eの最終優先度p3の中で最大の最終優先度p3“90”を持つレグAを、マスターレグとして選択する。
最終優先度p3は、マスターレグを選択すべき時点までに求められていればよい。制御部190bは、マスターレグを選択する際に最終優先度p3を全て求めてもよい。また、制御部190bは、優先度テーブル181の優先度p1または優先度p2が更新されるたびに、対応する最終優先度p3を再計算してもよい。この場合、制御部190bは、優先度テーブル181に最終優先度p3を格納する領域を追加し、再計算した最終優先度p3をその領域に保存してもよい。
図24は、本発明の実施の形態2にかかる除外値を含む優先度テーブル181の例を示す図である。ここでは、優先度の値域は0以上100以下であり、除外値は0と100、最小値は0である。前述の通り、最小値は除外値でもある。本例では優先度の最大値が除外値に等しくなっているが、これに限定されない。
制御部190bは、レグAの優先度p1”90”と優先度p2”100”とを比較し、より大きい値である優先度p2”100”をレグAの最終優先度p3にする。また、レグDの優先度p1”0”と優先度p2”10”とを比較し、より大きい値である優先度p2”10”をレグDの最終優先度p3にする。ここで、レグAの優先度p2“100”とレグDの優先度p1“0”はともに除外値であるが、これらの比較では優先度p1や優先度p2が除外値か否かは考慮されない。同様に、制御部190bは、レグB、C、Eについて最終優先度p3を求める。
レグAの最終優先度p3とレグCの最終優先度p3はともに100、すなわち除外値に等しい。それ以外のレグの最終優先度p3は除外値に等しくない。従って、制御部190bは、レグAとレグCを選択の候補から除外し、レグB、D、Eの最終優先度p3の中で最大の最終優先度p3“70”を持つレグBを、マスターレグとして選択する。
優先度の大小関係を逆にしても構わない。また、優先度の値域や除外値は上記の例に限定されない。さらに、優先度は、値の順序関係さえ決まっていれば数値以外でもよい。例えば、優先度はA、B、C等の記号でもよい。
<発明の実施の形態3>
本発明の実施の形態3は、上述した実施の形態2における優先度テーブル181の更新契機と、マスターレグの切替契機に関するものである。
制御部190bは、電力ルータ100bの起動時に、直流母線101の電圧の維持を開始しなければならない。そのため、制御部190bは、優先度テーブル181を参照してマスターレグとして最も好適なレグを少なくとも1つ選択し、選択したレグをマスターモードで運転制御する。従って、電力ルータ100bの起動時、優先度テーブル181の内容は何らかの方法によって初期化されていなければならない。
以下、電力ルータ100bの起動時に優先度テーブル181の内容を初期化する方法として、(A)、(B)及び(C)の3つを例示する。尚、(A)〜(C)の複数を組み合わせても構わない。
(A)電力ルータの運用者又は設置者が優先度テーブル181の内容を決定する方法
電力ルータ100bの運用者又は設置者は予め電力ルータ100bが備える各レグについて優先度の初期値を決定し、その初期値を優先度テーブル181中の対応する優先度p1に記録しておく。また、優先度テーブル181中の全ての優先度p2を0にしておく。例えば、図22を参照すると、レグAの接続先は基幹系統11であるから、レグAはマスターレグとして好適である。そこで、電力ルータ100bの運用者又は設置者は、優先度テーブル181中のレグAの優先度p1に除外値以外の値を設定する。図25は、本発明の実施の形態3にかかる優先度テーブルの初期値の例を示す図である。
(B)電力ルータ100bが管理する電力貯蔵装置の残容量に基づいて制御部190bが優先度テーブル181の内容を決定する方法
制御部190bは、電力ルータ100bの起動時に、電力ルータ100bが管理する電力貯蔵装置の残容量を取得する。制御部190bは、その残容量が所定の上限値を超えている、または所定の下限値を下回っている場合、優先度テーブル181中のレグの優先度p1を除外値にする。このレグは電力貯蔵装置に接続されているレグである。また、制御部190bは、その残容量と理想量との差分の絶対値が大きいほど小さくなる値を、その優先度p1に設定してもよい。ここで、理想量は電力貯蔵装置の満充電容量の半分であることが望ましい。
(C)管理サーバ52aが優先度テーブル181の内容を決定する方法
管理サーバ52aは予め、電力ルータ100bが備える各レグについて優先度の初期値を求めておく。例えば、図22を参照すると、レグDに接続されている電力貯蔵装置35aは管理サーバ52aの管轄下にある。そこで、管理サーバ52aは、その電力貯蔵装置35aの残容量に基づいてレグDの優先度の初期値を決定する(この決定方法は上記(B)に記載の通りである)。制御部190bは、電力ルータ100bの起動時に、管理サーバ52aへアクセスし、管理サーバ52aが決定した優先度の初期値を取得し、それらの初期値を優先度テーブル181の対応するレグの優先度p2に記録する。
電力ルータ100bの稼働中に優先度テーブル181を更新する方法について説明する。図26は、本発明の実施の形態3にかかる優先度更新処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部190bは、自身が属する電力ルータ100b内の各レグ及びその接続先の状態が変化したか否かを監視する(S21)。状態の変化は、接続先の発電装置や電力貯蔵装置の出力低下や、電力貯蔵装置の残容量の変化を含む。さらに、状態の変化は、各レグまたはその接続先の将来の停止または稼動の予定を制御部190bが察知することを含む。さらに、状態の変化は、各レグまたはその接続先の稼動状態や送受電に関する過去の履歴を、制御部190bが取得することを含む。
次に、制御部190bは、レグ又は接続先の状態の変化を検出したか否かを判定する(S22)。検出していなければステップS21へ戻る。状態の変化を検出したら、制御部190bは、少なくとも状態の変化が検出されたレグの優先度を決定する(S23)。その後、制御部190bは、記憶部180に格納された優先度テーブル181中の該当レグに対応する優先度p1を、ステップS23で決定された優先度に更新する(S24)。
尚、管理サーバ52aが図26の更新処理を実施してもよい。その場合、管理サーバ52aは、ステップS24で優先度p1の代わりに優先度p2を更新する。また、制御部190bと管理サーバ52aの両方が図26の更新処理を並行して実施してもよい。さらに、制御部190bあるいは管理サーバ52aが、図26の代わりに、所定の間隔で優先度テーブル181を更新してもよい。
図27は、本発明の実施の形態3にかかるマスターレグ切替処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部190bは、切替の契機であるか否かを判定する(S31)。ここで、切替の契機とは、例えば、優先度テーブル181が更新されたとき、所定の間隔が到来したとき、さらには、管理サーバ52aまたは電力ルータ100bの管理者が切替を指示したとき、などである。切替の契機でなければステップS31を繰り返す。制御部190bは、記憶部180に記憶された優先度テーブル181に基づいてマスターモードで運転制御させるレグを選択する(S32)。この選択は、本発明の実施の形態2に記載の方法に従って行われる。
制御部190bは、現在のマスターレグと、ステップS32で選択されたレグとが異なるか否かを判定する(S33)。両者が同一であれば、マスターレグを切り替える必要がないので当該切替処理を終了する。一方、両者が異なれば、制御部190bは、マスターレグを切り替える(S34)。すなわち、制御部190bは、ステップS32で選択されたレグの運転モードをマスターモードに設定し、これまでマスターレグであったレグの運転モードをマスターモード以外の運転モードに設定する。
尚、管理サーバ52aが上記の切替処理を行う場合、管理サーバ52aは、ステップS34の代わりに、ステップS32で選択されたレグの運転モードをマスターモードに設定する指示を電力ルータ100bに送出する処理を行う。また、これまでマスターレグであったレグの運転モードをマスターモード以外の運転モードに設定する指示を電力ルータ100bに送出する処理も行う。
<発明の実施の形態4>
本発明の実施の形態4は、上述した実施の形態2の応用である。ここでは、電力ルータが指定できる優先度の値域と、管理サーバが指定できる優先度の値域が重ならないようにする。但し、除外値(最小値も含む)については例外的に、電力ルータも管理サーバも共通的に指定できるとする。このようにすることで、電力ルータと管理サーバの間で優先度の値が競合することを防止でき、各々が他方に依存せずに優先度を決定できるようになる。
図28は、本発明の実施の形態4にかかる優先度の割り当ての例を示す図である。ここでは、電力ルータはHigh領域(200〜299)とLow領域(1〜99)に属する値を優先度として使用し、管理サーバは中間領域(100〜199)を優先度として使用する。また、電力ルータと管理サーバは共に除外値(0と300)を使用する。この場合、あるレグについて、電力ルータがHigh領域に属する値を優先度とした場合、管理サーバが除外値以外のいかなる値を優先度に設定したとしても、管理サーバの意向は無視され、電力ルータの意向が反映される。
電力ルータは、接続先が当該電力ルータ配下の電力貯蔵装置であるレグについて、High領域に属する値を優先度として設定してもよい。こうすることによって、管理サーバ配下の電力貯蔵装置に接続されたレグの優先度よりも、電力ルータ配下の電力貯蔵装置に接続されたレグの優先度を高くすることができる。なお、電力ルータは、その電力貯蔵装置の残容量に基づいてHigh領域に属する値を選択するとよい。
管理サーバは、接続先が当該管理サーバ配下の電力貯蔵装置であるレグについて、中間領域に属する値を優先度として設定する。この際、管理サーバは、その電力貯蔵装置の残容量に基づいて中間領域に属する値を選択するとよい。また、管理サーバは、接続先が基幹系統や他の電力ルータであるレグについて、中間領域に属する値を優先度として設定する。この際、管理サーバは、そのレグの接続先の送受電能力や安定性に基づいて中間領域に属する値を選択するとよい。
電力ルータは、接続先が当該電力ルータ配下の電力貯蔵装置であるレグについて、Low領域に属する値を優先度として設定してもよい。こうすることによって、管理サーバ配下の電力貯蔵装置に接続されたレグの優先度よりも、電力ルータ配下の電力貯蔵装置に接続されたレグの優先度を低くすることができる。なお、電力ルータは、その電力貯蔵装置の残容量に基づいてLow領域に属する値を選択するとよい。
電力ルータや管理サーバは、電力ルータやレグの故障を検出したとき、除外値”300”を当該レグの優先度に設定する。また、電力ルータまたは管理サーバは、あるレグをマスターレグにできるか否かを判断できない場合、そのレグの優先度を最小値“0”にし、その判断を他方に委任する。
尚、領域の割り当て方はこれに限定されない。各領域の大きさは均等でなくてもよい。また、電力ルータの値域の間に管理サーバの領域を割り当てなくてもよい。管理サーバに2つの領域を割り当て、その間に電力ルータの領域を割り当ててもよい。さらに、領域の個数もこれに限定されない。値域が0〜300である必要はなく、優先度の刻み幅が1単位でなくても構わない。
図29は、本発明の実施の形態4にかかる優先度の割り当ての他の例を示す図である。ここでは、電力ルータはHigh領域(400〜499)とMiddle領域(200〜299)とLow領域(1〜99)に属する値を優先度として使用し、管理サーバはHigh領域(300〜399)とLow領域(100〜199)に属する値を優先度として使用する。また、電力ルータと管理サーバは共に除外値(0と500)を使用する。図29は図28よりも領域が細かく区分されている。
図30は、本発明の実施の形態4にかかる優先度テーブルの例を示す図である。この優先度テーブルは図29の優先度の割り当てに基づいている。制御部190bは、本発明の実施の形態2に記載の方法に従って、この優先度テーブルを参照してマスターレグを選択する。制御部190bは、レグA〜Eのそれぞれについて優先度p1及び優先度p2から最終優先度p3を決定する。レグAとレグCの最終優先度p3は除外値”500”に等しいから、制御部190bはレグAとレグCをマスターレグの候補から除外する。制御部190bは、残りのレグの中で最大の最終優先度p3”370”を持つレグBを、マスターレグとして選択する。
上述した実施の形態1乃至4にかかる電力ルータの制御部等は、マスターモードで運転制御するレグを複数選出してもよい。例えば、制御部等は、優先度テーブル中の優先度の高い順にN個のレグを選び、それらのレグをマスターモードで運転制御する。
<発明の実施の形態5>
本発明の実施の形態5は、上述した実施の形態1に改良を加えたものである。特に、マスターレグが、直流母線の電圧を所定の定格電圧に維持することができなくなった場合、又は、当該維持することが将来できなくなると見込まれる場合を対象とする。そして、これらの場合を「マスターレグに関連する異常」として検出した場合の新たなマスターレグの候補を選択し、選択したレグをマスターモードにより運転制御する方法について説明する。
図31は、本発明の実施の形態5にかかる電力ルータ100c及び管理サーバ52bを含む電力ネットワークシステム10cの構成を示すブロック図である。電力ルータ100cと電力ルータ100aの相違は、電力ルータ100cが制御部190aの代わりに制御部190cを有し、さらに記憶部180aを備えるという点である。
記憶部180aは、優先度テーブル181a及びレグ情報テーブル182を記憶する記憶装置である。優先度テーブル181aは、電力ルータ100c内の各レグの識別子(レグID)とそのレグの優先度とが対応付けられた表である。但し、優先度テーブル181aにおけるレグの優先度は、少なくとも実施の形態1における指標値であればよい。または、優先度テーブル181aにおけるレグの優先度は、実施の形態2における最終優先度p3に相当する値であってもよい。例えば、優先度テーブル181aは、優先度テーブル181に最終優先度p3の領域を追加した表であってもよい。
レグ情報テーブル182は、各レグのレグID、定格出力、現在の出力及び現在の運転モードが対応付けられた表である。但し、レグ情報テーブル182は、少なくともレグIDと定格出力とが対応づけられた表であればよい。
ここで、レグの「定格出力」とは、送受電可能な電力値である送受電可能電力値の一例であり、当該レグが出力可能(送受電可能)な電力値である。そして、レグの「定格出力」は、レグのハードウェアスペックである。また、レグID及び定格出力は、レグ情報テーブル182に予め設定された値であり、例えば、電力ルータ100cの起動時又は電力ルータ100cに追加されたタイミング等にレグ情報テーブル182に登録される。
レグの「現在の出力」とは、当該レグが現在出力(送電又は受電)している電力値である。そして、マスターレグの「現在の出力」は、現在融通している電力値である現在電力値といえる。レグの「現在の運転モード」とは、当該レグが現在、運転制御されている運転モードである。また、「現在の出力」及び「現在の運転モード」は、電力ルータ100cの動作中に動的に更新され得る値である。
図32は、本発明の実施の形態5にかかるレグ情報テーブル182の例を示す図である。ここでは、レグID“1”がマスターモードで動作し、現在の出力が300Wであることを示す。また、レグID“2”がGrid Connect(指定電力送受電モード)モードで動作し、現在の出力が200Wであることを示す。ここで、レグID“1”に関連する異常が検出された場合、切替候補のレグは、レグ“2”〜“4”となる。
図31に戻り説明を続ける。制御部190cは、各レグを監視し、適宜、レグ情報テーブル182の「現在の出力」及び「現在の運転モード」を更新する。そして、制御部190cは、マスターレグに関連する異常を検出した場合、優先度テーブル181a及びレグ情報テーブル182を参照して、マスターレグ以外のレグの中から、新たにマスターモードとして運転制御させる候補レグを1以上選択し、当該選択した候補レグをマスターモードで運転制御する。このとき、制御部190cは、少なくとも優先度テーブル181aの優先度、マスターレグにおけるレグ情報テーブル182の定格出力又は現在の出力、マスターレグ以外のレグにおけるレグ情報テーブル182の定格出力又は現在の出力に基づいて、候補レグを選択する。言い換えると、制御部190cは、マスターレグに関連する異常を検出した場合、優先度に基づいて、直流母線の電圧を所定の定格電圧に維持するように、候補レグを選択する。
尚、制御部190cは、各レグを監視することで、レグのハードウェア故障や、送受電電力の変化を検出できる。また、制御部190cは、電圧センサ(不図示)を用いて直流母線の電圧が定格に維持できなくなったこと等を検出できる。
また、制御部190cは、マスターレグに関連する異常が当該マスターレグの故障である場合、選択した候補レグをマスターモードで運転制御し、かつ、当該マスターレグの運転を停止する。一方、制御部190cは、マスターレグに関連する異常が当該マスターレグの故障ではない場合、選択した候補レグをマスターモードで運転制御し、かつ、当該マスターレグの運転を維持又は他の運転モードで運転制御する。
さらに、制御部190cは、マスターレグ以外のレグの中から、優先度に従って1以上の候補レグを選択し、選択した候補レグにおける送受電可能電力値の合計値が現在電力値を賄うことができる場合に、当該選択した候補レグの全てをマスターモードで運転制御する。
図33は、本発明の実施の形態5にかかる電力ルータの運転処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部190cは、マスターレグの異常を検出する(S101)。尚、ここでは、マスターレグの異常がハードウェアの故障であり、マスターレグの切り替えが必要である場合とする。
次に、制御部190cは、優先度pを“1”に設定する(S102)。そして、制御部190cは、選択対象のレグが存在するか否かを判定する(S103)。具体的には、制御部190cは、優先度テーブル181aを参照し、マスターレグ以外で上述した除外値が設定されていないレグのうち、未選択のものが存在するか否かを判定する。
ステップS103で選択対象のレグが存在すると判定した場合、制御部190cは、優先度テーブル181aの中から優先度pのレグを選択する(S104)。そして、制御部190cは、レグ情報テーブル182を参照し、選択したレグ(候補レグ)に対応付けられた定格出力を用いて、以下の式(1)により予定出力値(指定出力)を算出する(S105)。尚、予定出力値の初期値は0である。
予定出力値 = 予定出力値 + 選択レグの定格出力 ・・・(1)
その後、制御部190cは、上記算出した予定出力値が現在のマスターレグの現在電力値(現在の出力)以上であるか否かを判定する(S106)。つまり、制御部190cは、候補レグの予定出力値で現在電力値が賄えるか否かを判定する。
ステップS106で予定出力値が現在電力値未満であると判定した場合、制御部190cは、優先度pに1加算する(S107)。そして、再度、ステップS103の判定を行う。
ステップS106で予定出力値が現在電力値以上であると判定した場合、制御部190cは、マスターレグの切替を行う(S108)。すなわち、制御部190cは、選択した候補レグをマスターモードで運転制御し、かつ、マスターレグの運転を停止する。
また、ステップS103で選択対象のレグが存在しないと判定した場合、制御部190cは、電力ルータ100cが備える全レグを停止する(S109)。そして、制御部190cは、停止と異常を管理者等へ通知する(S110)。
尚、本発明の実施の形態5にかかる電力ルータの運転処理では、マスターレグの異常がハードウェアの故障ではなくとも、マスターレグの切り替えを行っても構わない。具体的には、マスターレグが直流母線の電圧を所定の定格電圧に維持することが現時点ではできていても、将来、維持することができなくなると見込まれる場合には、予めより安定的なマスターレグに切り替えを行うことが望ましい。例えば、マスターレグの接続先において計画停電等がある場合が該当する。
一方、本発明の実施の形態5にかかる電力ルータの運転処理では、マスターレグの異常がハードウェアの故障ではない場合、マスターレグの追加を行うようにしてもよい。例えば、マスターレグの異常が、マスターレグの接続先の稼働状態の変化、送受電能力の低下等に起因するものである場合、現在のマスターレグの運転を維持しつつ、新たに稼働させるマスターレグにより、直流母線の電圧を所定の定格電圧に維持することができる。
これらの場合、図33のステップS101において、制御部190cは、マスターレグに関連する異常を検出するようにすればよい。このとき、電力ルータ100cが管理サーバ52b等から通知を受けても構わない。そして、ステップS101の後に、検出した異常の種別を判別し、以後は、異常の種別に応じた処理を行うようにすることもできる。例えば、マスターレグの切り替えではなく追加を行う場合、ステップS105の予定出力値の初期値には、現在のマスターレグの現在の出力を設定し、ステップS106では、予定出力値が直流母線の定格電圧以上であるか否かを判定し、ステップS108では、現在のマスターレグを停止せずに、候補レグをマスターモードで新たに運転制御するようにしてもよい。
図34は、本発明の実施の形態5にかかる優先度テーブル重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。尚、図32とは異なる例である。まず、異常が検出されたマスターレグの出力電力が1kWであり、切替対象のレグID“1”〜“3”について、レグの優先度が“2”、“1”、“3”であり、定格出力が1kW、500W、500Wであるものとする。ここで、異常が検出されたマスターレグの出力電力には、レグ情報テーブル182の現在の出力又は定格出力を用いることができる。
このとき、制御部190cは、優先度p=1のレグID“2”を最初に選択する。そして、定格出力がそのまま指定出力値及び予定出力値となる。ここで、予定出力値500Wが現在のマスターレグの出力値1kWに満たないため、制御部190cは、優先度p=2のレグID“1”を選択する。レグID“1”の定格出力は1kWのため、予定出力値の合計値は、現在のマスターレグの出力値1kWを超える。そのため、制御部190cは、レグID“1”及び“2”を候補レグとし、マスターモードで運転制御する。このとき、併せて、故障したマスターレグを停止する。これにより、マスターレグが切り替えられる。尚、予定出力値の合計値を現在のマスターレグの出力値1kWと合わせるように、候補レグのうち後に選択されたレグID“1”の指定出力を500Wに調整する。そのため、マスターレグの切替前後で総出力を変化させず、安定させることができる。
このように、本発明の実施の形態5により、マスターレグに関連する異常が発生した場合でも、適切に新たなマスターレグを運転制御させることができる。そのため、電力ネットワークシステムを安定的に稼働させることができる。
<発明の実施の形態6>
本発明の実施の形態6は、実施の形態5の変形例である。尚、本発明の実施の形態6にかかる電力ルータは、上述した実施の形態5との違いとして、候補レグを選択する際に定格出力の値を重視する点である。そのため、電力ルータの構成は、実施の形態5と同等であるため図示及び説明を省略する。
本発明の実施の形態6にかかる電力ルータの制御部190cは、マスターレグ以外の複数の電力変換レグの中から、送受電可能電力値が大きい順に候補レグを選択する。そして、制御部190cは、選択した候補レグのそれぞれに対応付けられた指標値に応じて送受電可能電力値を調整して調整電力値を算出する。その後、制御部190cは、調整電力値の合計値が、現在電力値を賄うことができる場合に、選択した候補レグをマスターモードで運転制御する。
図35は、本発明の実施の形態6にかかる電力ルータの運転処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図35との違いを中心に説明する。まず、制御部190cは、マスターレグの異常を検出する(S201)。次に、制御部190cは、選択対象のレグが存在するか否かを判定する(S202)。
ステップS202で選択対象のレグが存在すると判定した場合、制御部190cは、レグ情報テーブル182の未選択のレグのうち最大の定格出力のレグを選択する(S203)。そして、制御部190cは、レグ情報テーブル182を参照し、選択レグの優先度pに応じた係数で選択レグの定格出力を調整して、調整電力値を算出する(S204)。例えば、優先度p=1の係数を80%、優先度p=2の係数を60%等とする。そして、定格出力に係数を乗じた値を調整電力値とすることができる。
その後、制御部190cは、選択したレグ(候補レグ)について調整電力値を用いて、以下の式(2)により予定出力値(指定出力)を算出する(S205)。尚、予定出力値の初期値は0である。
予定出力値 = 予定出力値 + 選択レグの調整電力値 ・・・(2)
その後、制御部190cは、上記算出した予定出力値が現在のマスターレグの現在電力値(現在の出力)以上であるか否かを判定する(S206)。ステップS206で予定出力値が現在電力値未満であると判定した場合、制御部190cは、再度、ステップS202の判定を行う。ステップS206で予定出力値が現在電力値以上であると判定した場合、制御部190cは、マスターレグの切替を行う(S207)。また、ステップS202で選択対象のレグが存在しないと判定した場合、制御部190cは、電力ルータ100cが備える全レグを停止する(S208)。そして、制御部190cは、停止と異常を管理者等へ通知する(S209)。
図36は、本発明の実施の形態6にかかるレグの出力可能電力重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。尚、図36の上段(前提条件)は、図34と同じである。
このとき、制御部190cは、定格出力が最大の1kWであるレグID“1”を最初に選択する。そして、選択されたレグID“1”の優先度pが“2”のため、制御部190cは、定格出力1kWに係数60%を乗じて指定出力(調整電力値)600Wを算出する。(そして、そのまま予定出力値となる。)
ここで、予定出力値600Wが現在のマスターレグの出力値1kWに満たないため、制御部190cは、未選択のレグのうち定格出力が最大の500WであるレグID“2”が選択する。そして、選択されたレグID“2”の優先度pが“1”のため、制御部190cは、定格出力500Wに係数80%を乗じて指定出力(調整電力値)400Wを算出する。そして、制御部190cは、予定出力値を1kWとして算出する。このため、予定出力値の合計値が現在のマスターレグの出力値1kWを超える。そのため、レグID“1”及び“2”が候補レグとなり、マスターモードで運転制御される。このとき、併せて、故障したマスターレグが停止される。これにより、マスターレグが切り替えられる。
続いて、図36とは異なる前提条件について挙げる。図37は、本発明の実施の形態6にかかるレグの出力可能電力重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。まず、異常が検出されたマスターレグの出力電力が1kWであり、切替対象のレグID“1”〜“3”について、レグの優先度が“3”、“2”、“1”であり、定格出力が1kW、700W、500Wであるものとする。このとき、上述した優先度に応じた係数を用いると、図37の下段に示すように、3つの候補レグが選択される。
ここで、優先度に応じた係数を用いる手法では、候補レグの数が多くなる傾向がある。そこで、以下に示すように、候補レグの数を固定した上で、候補レグのうちより優先度の低いレグの定格出力から余剰出力を差し引いて調整する手法を説明する。これにより、候補レグの数を安定させることができ、場合によっては候補レグの数を減らすこともできる。
図38は、本発明の実施の形態6にかかるレグ候補数固定する場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。尚、図38の上段(前提条件)は、図37の上段に加え、選択レグ候補数を“2”とするものである。
このとき、制御部190cは、3つのレグのうち定格出力の上位2つであるレグID“1”及び“2”を選択する。ここで、選択されたレグの定格出力の合計値(予定出力)は1700Wであり、候補レグにより現在電力値1kWを賄うことができる。そして、選択されたレグのうち優先度がより低いのは優先度p=3であるレグID“1”である。そこで、レグID“1”の定格出力1kWを余剰電力で調整して300Wとして、予定出力の合計を1kWとする。つまり、図37に比べて、候補レグ数を2に抑えることができる。これにより、レグ間での同期の負荷が減り、安定度を増すことができる。
<発明の実施の形態7>
本発明の実施の形態7は、実施の形態5の変形例である。尚、本発明の実施の形態7にかかる電力ルータは、上述した実施の形態5との違いとして、候補レグを選択する際に定格出力の値を重視する点である。そのため、電力ルータの構成は、実施の形態5と同等であるため図示及び説明を省略する。
マスターレグの数が多くなるほど、レグ間での同期を取ることが困難になり、安定度が低下する。マスターレグの数が1つであることが最も安定する。但し、1つのマスターレグで直流母線の電圧を定格に維持できない場合には、複数のマスターレグで運用することとなる。そこで、本発明の実施の形態7では、マスターレグの数が少なくなるように候補レグを選択するものである。
本発明の実施の形態7にかかる電力ルータの制御部190cは、送受電可能電力値の合計値が現在電力値を賄うことができる電力変換レグの組み合わせのうち、電力変換レグの数が最小となる組み合わせに属する電力変換レグを、マスターレグ以外の複数の電力変換レグの中から候補レグとして選択する。そして、制御部190cは、選択した候補レグをマスターモードで運転制御する。
図39は、本発明の実施の形態7にかかるレグ候補数重視の場合におけるレグ候補の決定の概念を示す図である。尚、図39の上段(前提条件)は、図34及び図36と同じである。ここでは、定格出力を指定出力とした場合を示す。このとき、現在のマスターレグの出力値1kWを賄うことができるレグの組み合わせは、レグID“1”のみ、“1”及び“2”、“2”及び“3”、“1”及び“3”、“1”、“2”及び“3”といった複数の組み合わせがとり得る。この中で、最も候補レグ数が少ないレグID“1”のみを選択することで、マスターレグの切り替え後の安定度を高めることができる。
<その他の発明の実施の形態>
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
10 電力ネットワークシステム
10a 電力ネットワークシステム
10b 電力ネットワークシステム
10c 電力ネットワークシステム
11 基幹系統
12 大規模発電所
21 電力セル
22 電力セル
23 電力セル
24 電力セル
30 負荷
31 家
32 ビル
33 太陽光発電パネル
34 風力発電機
35 電力貯蔵設備(蓄電池)
35a 蓄電池
35b 蓄電池
41 電力ルータ
42 電力ルータ
43 電力ルータ
44 電力ルータ
50 管理サーバ
51 通信網
52 管理サーバ
52a 管理サーバ
52b 管理サーバ
521 CPU
522 メモリ
523 通信部
524 ハードディスク
525 運転プログラム
100 (第1)電力ルータ
100a 電力ルータ
100b 電力ルータ
100c 電力ルータ
101 直流母線
102 平滑コンデンサー
103 電圧センサ
104 通信バス
110 レグ
111 電力変換部
111D 帰還ダイオード
111P 逆並列回路
111T サイリスタ
112 電流センサ
113 開閉器
114 電圧センサ
115 接続端子
120 レグ
121 電力変換部
122 電流センサ
123 開閉器
124 電圧センサ
125 接続端子
130 レグ
135 接続端子
140 レグ
145 接続端子
150 レグ
151 電力変換部
152 電流センサ
153 開閉器
154 電圧センサ
155 接続端子
160 レグ
162 電流センサ
163 開閉器
164 電圧センサ
165 接続端子
180 記憶部
180a 記憶部
181 優先度テーブル
181a 優先度テーブル
182 レグ情報テーブル
190 制御部
190a 制御部
190b 制御部
190c 制御部
200 第2電力ルータ
200a 電力ルータ
201 直流母線
210 第1レグ(自立レグ)
220 第2レグ(マスターレグ)
230 第3レグ
240 第4レグ
245 接続端子
250 第5レグ
260 第6レグ
300 第3電力ルータ
301 直流母線
310 指定電力送受電レグ
320 マスターレグ
350 ACスルーレグ
360 マスターレグ
400 第4電力ルータ
401 直流母線
410 自立レグ
420 マスターレグ
500 第5電力ルータ
501 直流母線
510 レグ
600 第6電力ルータ
601 直流母線
610 レグ
71A 送電線
71B 送電線
72 配電線
BL 支線
A レグ
B レグ
C レグ
D レグ
E レグ
p1 優先度
p2 優先度
p3 最終優先度

Claims (38)

  1. 電力セルを外部の電力系統に非同期に接続するための電力ルータであって、
    所定の定格電圧に維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
    前記電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する制御部と、を備え、
    前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
    前記制御部は、前記複数の電力変換レグのうち少なくとも1つの前記電力変換レグを前記マスターモードで運転制御し、
    前記複数の電力変換レグのそれぞれに、前記電力変換レグの前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値が対応付けられる
    ことを特徴とする電力ルータ。
  2. 前記制御部は、
    前記指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを選択し、当該選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力ルータ。
  3. 前記制御部は、
    各電力変換レグの接続先の種類、現在の前記運転モード若しくは送受電可能な電力値、又は、当該電力ルータ、当該電力変換レグ若しくはその接続相手における現在の状態、過去の状態の履歴若しくは将来の状態の予測の少なくともいずれかに基づいて前記指標値を決定し、当該電力変換レグごとに当該指標値を対応付ける
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力ルータ。
  4. 前記制御部は、
    前記直流母線の電圧を前記所定の定格電圧に維持することができなくなった電力変換レグ、又は、当該維持することが将来できなくなると見込まれる電力変換レグについて、前記マスターモードで運転制御させる選択の対象外とする除外値を前記指標値に割り当てる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力ルータ。
  5. 前記制御部は、
    前記直流母線の電圧を前記所定の定格に維持することができなくなった電力変換レグ、又は、当該維持することが将来できなくなると見込まれる電力変換レグについて、前記マスターモードで運転制御させる選択の対象から除外する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力ルータ。
  6. 前記電力変換レグの識別子と前記指標値とを対応付けてテーブルとして記憶する記憶装置をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力ルータ。
  7. 前記制御部は、
    前記テーブルが更新された場合に、前記記憶装置に記憶された当該テーブルを参照して、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを選択し、当該選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力ルータ。
  8. 前記制御部は、
    当該電力ルータ、前記電力変換レグ又はその接続先における現在の状態、過去の状態の履歴若しくは将来の状態の予測の少なくともいずれかの変化を検出した場合に、当該電力変換レグに対応付けた前記指標値を更新する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  9. 前記制御部は、
    所定の間隔により、前記複数の電力変換レグのそれぞれに対応付けた前記指標値を更新する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  10. 前記制御部は、
    前記指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる複数の電力変換レグを選択し、当該選択した複数の電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電力ルータ。
  11. 前記制御部は、
    前記電力変換レグ、その接続先又は当該電力変換レグと接続先とを結ぶ送電線のいずれかの送受電能力又は安定性に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  12. 前記制御部は、
    前記電力変換レグ又はその接続先の障害の有無に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力ルータ。
  13. 前記制御部は、
    前記電力変換レグ又はその接続先が将来停止するであろう確率に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力ルータ。
  14. 前記制御部は、
    前記電力変換レグの接続相手の種類が電力貯蔵装置である場合には、当該電力貯蔵装置の残容量に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  15. 前記制御部は、
    前記電力変換レグの接続先の種類が発電装置又は電力貯蔵装置である場合、当該発電装置又は電力貯蔵装置の管理主体に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  16. 前記制御部は、
    前記電力変換レグの接続先の種類が発電装置又は電力貯蔵装置である場合、当該発電装置又は電力貯蔵装置が入出力できる電力に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  17. 前記制御部は、
    前記電力変換レグ又はその接続先で過去に送受電された電力の大きさの履歴に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  18. 前記制御部は、
    前記電力変換レグ、その接続先又は当該電力変換レグと接続先とを結ぶ送電線のいずれかにおいて過去に発生した障害の履歴に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  19. 前記制御部は、
    前記電力変換レグとその接続先との間で送受電される電力の料金に基づいて前記指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の電力ルータ。
  20. 外部の電力系統に非同期に接続するための電力ルータを有する複数の電力セルを備える電力ネットワークシステムであって、
    前記電力ルータは、
    所定の定格電圧に維持される直流母線と、
    一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、
    前記電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する制御部と、を備え、
    前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
    前記制御部は、前記複数の電力変換レグのうち少なくとも1つの前記電力変換レグを前記マスターモードで運転制御し、
    前記複数の電力変換レグのそれぞれに、前記電力変換レグの前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す第1の指標値が対応付けられる
    ことを特徴とする電力ネットワークシステム。
  21. 前記制御部は、
    前記第1の指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを選択し、当該選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項20に記載の電力ネットワークシステム。
  22. 前記第1の指標値は、
    各電力変換レグの接続先の種類、又は、当該電力ルータ、当該電力変換レグ若しくはその接続相手における現在の状態、過去の状態の履歴若しくは将来の状態の予測の少なくともいずれかに基づき決定され、当該電力変換レグごとに対応付けられる
    ことを特徴とする請求項20又は21に記載の電力ネットワークシステム。
  23. 前記複数の電力変換レグのうち、前記直流母線の電圧を前記所定の定格に維持することができなくなった電力変換レグ、又は、当該維持することが将来できなくなると見込まれる電力変換レグについて、前記マスターモードで運転制御させる選択の対象外とする除外値が前記第1の指標値に割り当てられる
    ことを特徴とする請求項20乃至22のいずれか1項に記載の電力ネットワークシステム。
  24. 前記電力ネットワークシステムは、
    前記電力変換レグと前記第1の指標値とを対応付けてテーブルとして記憶する記憶装置をさらに備える
    ことを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1項に記載の電力ネットワークシステム。
  25. 前記電力ネットワークシステムは、
    前記電力ルータとネットワークを介して接続された管理装置をさらに備え、
    前記電力ルータは、
    当該電力ルータ内の前記複数の電力変換レグのそれぞれについて第2の指標値を決定し、
    前記管理装置は、
    当該電力ルータ内の前記複数の電力変換レグのそれぞれについて第3の指標値を決定し、
    前記電力ルータ又は前記管理装置のいずれかが、
    前記第2の指標値と前記第3の指標値に基づいて、電力変換レグごとに前記第1の指標値を決定する
    ことを特徴とする請求項20乃至24のいずれか1項に記載の電力ネットワークシステム。
  26. 前記電力ルータは、
    前記複数の電力変換レグのうち自身が前記第2の指標値を決定することができなくなった電力変換レグについて、前記管理装置が決定する前記第3の指標値よりも低優先の前記第2の指標値を割り当て、
    前記管理装置は、
    前記複数の電力変換レグのうち自身が前記第3の指標値を決定することができなくなった電力変換レグについて、前記電力ルータが決定する前記第2の指標値よりも低優先の前記第3の指標値を割り当てる
    ことを特徴とする請求項25に記載の電力ネットワークシステム。
  27. 前記テーブルは、
    前記第2の指標値と、前記第3の指標値とを管理する領域を電力変換レグごとに有する
    ことを特徴とする請求項24に従属する請求項25又は26に記載の電力ネットワークシステム。
  28. 前記第2の指標値がとりうる値の範囲と、前記第3の指標値がとりうる値の範囲が異なる
    ことを特徴とする請求項25乃至27のいずれか1項に記載の電力ネットワークシステム。
  29. 所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、前記電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する制御部と、を備える電力ルータを管理する管理装置であって、
    前記電力ルータを有する複数の電力セルとネットワークを介して接続され、
    前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
    前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値であって前記複数の電力変換レグのそれぞれに対応付けられている指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを少なくとも1つ選択し、
    前記電力ルータに対して前記選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御させる指示を行う
    ことを特徴とする管理装置。
  30. 所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、制御部と、を備える電力ルータにおいて、各電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する電力ルータの運転方法であって、
    前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
    前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値であって前記複数の電力変換レグのそれぞれに対応付けられている指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを少なくとも1つ選択し、
    当該選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する、
    電力ルータの運転方法。
  31. 所定の定格電圧に維持される直流母線と、一方の接続端が前記直流母線に接続され、他方の接続端が外部接続端子として外部の接続相手に接続され、前記一方の接続端と前記他方の接続端との間で電力を変換する複数の電力変換レグと、制御部と、を備える電力ルータにおいて、各電力変換レグを所定の運転モードで運転制御する電力ルータの運転プログラムであって、
    前記運転モードは、前記直流母線の電圧が前記所定の定格電圧に維持されるように前記電力変換レグを動作させる運転モードであるマスターモードを含み、
    前記運転モードが前記マスターモードになる可能性を表す指標値であって前記複数の電力変換レグのそれぞれに対応付けられている指標値に基づいて、前記複数の電力変換レグの中から前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグを少なくとも1つ選択する処理と、
    当該選択した電力変換レグを前記マスターモードで運転制御する処理と、
    を前記制御部に実行させる、電力ルータの運転プログラム。
  32. 前記制御部は、
    前記マスターモードで運転制御される電力変換レグであるマスターレグに関連する異常を検出した場合、当該マスターレグが現在融通している電力値である現在電力値と、当該マスターレグ以外の電力変換レグが送受電可能な電力値である送受電可能電力値と、前記指標値とに基づいて、当該マスターレグ以外の前記複数の電力変換レグの中から新たに前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグである候補レグを1以上選択し、当該選択した候補レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至6又は10乃至19のいずれか1項に記載の電力ルータ。
  33. 前記制御部は、
    前記マスターレグ以外の前記複数の電力変換レグの中から、前記指標値に従って1以上の前記候補レグを選択し、
    前記選択した候補レグにおける前記送受電可能電力値の合計値が前記現在電力値を賄うことができる場合に、当該選択した候補レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項32に記載の電力ルータ。
  34. 前記制御部は、
    前記マスターレグ以外の前記複数の電力変換レグの中から、前記送受電可能電力値が大きい順に前記候補レグを選択し、
    前記選択した候補レグのそれぞれに対応付けられた前記指標値に応じて前記送受電可能電力値を調整して調整電力値を算出し、
    前記調整電力値の合計値が、前記現在電力値を賄うことができる場合に、前記選択した候補レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項32に記載の電力ルータ。
  35. 前記制御部は、
    前記送受電可能電力値の合計値が前記現在電力値を賄うことができる前記電力変換レグの組み合わせのうち、前記電力変換レグの数が最小となる組み合わせに属する電力変換レグを、前記マスターレグ以外の前記複数の電力変換レグの中から前記候補レグとして選択し、
    前記選択した候補レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項32に記載の電力ルータ。
  36. 前記制御部は、
    前記マスターモードで運転制御される電力変換レグであるマスターレグに関連する異常を検出した場合、前記指標値に基づいて、前記直流母線の電圧を前記所定の定格電圧に維持するように、当該マスターレグ以外の前記複数の電力変換レグの中から新たに前記マスターモードで運転制御させる電力変換レグである候補レグを1以上選択し、当該選択した候補レグを前記マスターモードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至6又は10乃至19のいずれか1項に記載の電力ルータ。
  37. 前記制御部は、
    前記マスターレグに関連する異常が当該マスターレグの故障である場合、前記選択した候補レグを前記マスターモードで運転制御し、かつ、当該マスターレグの運転を停止し、
    前記マスターレグに関連する異常が当該マスターレグの故障ではない場合、前記選択した候補レグを前記マスターモードで運転制御し、かつ、当該マスターレグの運転を維持又は他の運転モードで運転制御する
    ことを特徴とする請求項32乃至36のいずれか1項に記載の電力ルータ。
  38. 前記制御部は、
    前記マスターレグが、前記直流母線の電圧を前記所定の定格電圧に維持することができなくなった場合、又は、当該維持することが将来できなくなると見込まれる場合に、前記マスターレグに関連する異常として検出する
    ことを特徴とする請求項32乃至37のいずれか1項に記載の電力ルータ。
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