JP2014158182A - 温度補償回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】LDの温度特性を容易に取得でき、LDの経年劣化を補償できる温度補償回路を提供することを目的とする。
【解決手段】 本温度補償回路のメモリは、基本駆動データを記憶する。本温度補償回路の基本特性生成部は、基本駆動データから現在の温度に対する推定LD駆動条件を生成する。このように、本温度補償回路は、基本駆動データから計算により推定LD駆動条件を生成するため、製造時の工数を大幅に低減することができる。そして、本温度補償回路は、経年劣化補正部でLD駆動時の温度を積算しておき、その積算値に比例する補正値を推定LD駆動条件に加算することで、LDの経年劣化を補償することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、レーザダイオードの温度特性に応じて駆動条件を補償する温度補償回路に関する。
温度変動に対してレーザダイオード(LD;Laser Diode)の出力を安定させるために、測定した温度を駆動条件にフィードバックする回路を組み込んだLDモジュールが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1では、事前に最適LDバイアス電流を複数の温度環境で取得して温度情報として記憶しておき、LD運用時に外部温度変動に対する当該温度情報をLDバイアス供給回路にフィードバックしている。
特開平11−298417号公報
特許文献1では、温度情報を次のように取得している。送信器(LD)は電源が投入されることにより、温度センサが外部温度を検出し、LDバイアス電流検出器がLDバイアス電流量を検出し、LDバイアス電流記憶・制御回路がそれぞれの検出値を記憶する。ここでLDバイアス電流量を最適値に調整し、送信器外部温度に対する最適LDバイアス電流量のデータをLDバイアス電流記憶・制御回路に記憶させる。更に、これら一連の動作を送信器外部温度を変動させて繰り返し行うことによって、送信器外部温度変動に対する最適LDバイアス電流量の対応データが記憶される。このように、特許文献1では温度情報を取得することは多大な工数が必要であり、経済的でないという課題があった。
また、LDは経年劣化により出力が低下する。LDが経年劣化すると、上述のように取得した温度情報を使用してもLDは所望の強度の光を出力できない。このように、特許文献1では、経年劣化による出力変動を補償することが困難という課題もある。
そこで、本発明は、前記課題を解決するために、LDの温度特性を容易に取得でき、LDの経年劣化を補償できる温度補償回路を提供することを目的とする。
本願の発明者らはLDの温度特性について鋭意研究した結果、LD供給者から提示される数点の特定温度に対する基本駆動データに基づいて現在のLDの温度に対する駆動条件を推定できること、及びLD駆動時の温度の積算値に比例する補正値を推定した駆動条件に加算することでLDの経年劣化を補償することができることを見出した。
そこで、上記目的を達成するために、本発明に係る温度補償回路は、数点の特定温度に対する既知の基本駆動データから現在のLDの温度に対する駆動条件を推定するとともに、LD毎に1つの温度で実測した駆動条件を用いて推定した駆動条件をオフセットすることとした。
具体的には、本発明に係る温度補償回路は、
複数の特定温度においてLDが所定光強度で発光するLD駆動条件が記載された基本駆動データを記憶するメモリと、
前記メモリが記憶する前記基本駆動データを用いて前記特定温度間のLD駆動条件を補間し、前記LD近傍で測定された現在温度に対応する推定LD駆動条件を生成する基本特性生成部と、
現在温度の積算値に比例する補正値を生成し、前記LDを駆動する際に前記基本特性生成部が生成した現在温度に対応する前記推定LD駆動条件に前記補正値を加算する経年劣化補正部と、
を備える。
本温度補償回路のメモリは、基本駆動データを記憶する。本温度補償回路の基本特性生成部は、基本駆動データから現在の温度に対する推定LD駆動条件を生成する。このように、本温度補償回路は、基本駆動データから計算により推定LD駆動条件を生成するため、特許文献1のように複数の温度条件下で繰り返しデータ取得することが不要であり、製造時の工数を大幅に低減することができる。
そして、本温度補償回路は、経年劣化補正部でLD駆動時の温度を積算しておき、その積算値に比例する補正値を推定LD駆動条件に加算することで、LDの経年劣化を補償することができる。
従って、本発明は、LDの温度特性を容易に取得でき、LDの経年劣化を補償できる温度補償回路を提供することができる。さらに、本発明は、温度変動毎に推定LD駆動条件を生成するため、特許文献1のように複数の温度情報を予め取得する必要が無く、メモリ容量の低減、すなわちLDモジュールの小型化を図ることができる。
本発明に係る温度補償回路の前記経年劣化補正部は、前記温度センサが測定する現在温度に比例する付加値を前記補正値に加算することが好ましい。経年劣化したLDは、高温ほどLD駆動条件の補正量が多くなる。従って、本発明に係る温度補償回路は、経年劣化したLDを高温においても所望の光出力で駆動することができる。
本発明に係る温度補償回路の基本特性生成部は、次のように推定LD駆動条件を生成することができる。具体的には、前記基本特性生成部は、
前記メモリが記憶する前記基本駆動データから、前記現在温度を挟む2つの連続した前記特定温度を選択して前記特定温度間を前記現在温度で内分したときの内分比を算出し、
2つの前記特定温度に対応する2つの前記推定LD駆動条件を前記内分比で内分した応答値を出力し、前記応答値を前記現在温度に対応する前記推定LD駆動条件とすることを特徴とする。
本発明に係る温度補償回路の前記メモリは、前記基本駆動データ以外に、「差分」も記憶する。この「差分」は、前記LD近傍で測定された現在温度に対応する、前記基本特性生成部が生成した前記推定LD駆動条件で前記LDを駆動した後、前記LDを所定光強度で発光するようにLD駆動条件を修正して実測LD駆動条件として取得し、前記現在温度に対応する前記推定LD駆動条件を前記実測LD駆動条件から減算したものである。
そして、本温度補償回路は,前記LDを駆動する際に前記基本特性生成部が生成した現在温度に対応する前記推定LD駆動条件に前記メモリが記憶する前記差分を加算する個体差補正部をさらに備える。
本温度補償回路のメモリは、基本駆動データとLD固体間差である前記差分(オフセット値)を記憶する。本温度補償回路の個体差補正部は、基本特性生成部が生成した推定LD駆動条件にメモリから取り出したオフセット値を加算してLD駆動回路へ出力する。このように、本温度補償回路は、オフセット値で推定LD駆動条件を平行移動させることができる。
ここで、オフセット値は次のようにして取得する。まず、試験的に現在の温度に対する推定LD駆動条件でLDを発光させ、所定の光強度となるようにLD駆動条件を調整する。調整後のLD駆動条件を現在の温度の実測LD駆動条件として取得する。なお、現在の温度は前記温度センサで取得することができる。そして、推定LD駆動条件から実測LD駆動条件を減算した値をオフセット値とする。オフセット値の取得は温度補償回路内で行ってもよいし、外部のコンピュータ等を使用して取得してもよい。最終的に、取得したオフセット値を前記メモリに記憶させる。このオフセット値はLDの固有値であるから、本温度補償回路は、LDの個体間差を解消することができる。
本発明によれば、LDの温度特性を容易に取得でき、LDの経年劣化を補償できる温度補償回路を提供することができる。
本発明に係る温度補償回路を備えるLDモジュールを説明する図である。 本発明に係る温度補償回路の動作概要を説明する図である。(1)温度セグメント境界のLD駆動条件(Imod及びIbias)をメモリに書き込む。(2)温度セグメント境界のLD駆動条件を結ぶ特性曲線を生成する。(3)平行移動してLDばらつきを吸収する。 本発明に係る温度補償回路の基本特性生成部の動作を説明する図である。本発明は、温度センサ、OTPメモリ、温度セグメント判定回路、セグメント内温度位置判定回路、DAC、加算器で構成されるLDドライバの温度補償回路。また、基本特性生成部は、メモリに保存したデジタルデータを基に折線近似でIbiasとImodを発生する回路である。(a)Imod、Ibiasの各セグメント境界での点をデジタルコードでメモリから出力する。(b)温度に応じて線形変化するアナログ情報が出力されている。(c)6点のうち、現温度のセグメントの2点のデジタルコードが選ばれてDACへ出力される。(d)温度センサ出力から現在の温度セグメントを判定し、その判定された温度セグメントの両端の温度に相当するアナログ情報が渡される。(e)温度センサが示す現温度のアナログ情報と、現セグメントの境界を示す2つのアナログ情報を引き算し、現温度がセグメント内のどの位置かを示す極性の異なる2つのアナログ情報を作り、DACへ渡す。(f)デジタルコードをDA変換して出力する。但し、出力されるアナログ値はセグメント内位置判定回路から示される温度位置情報に合わせて増減される。(g)2つのDAC出力を加算して当該セグメントの折線を作る。 本発明に係る温度補償回路の温度セグメント判定回路の回路構成を説明する回路図である。各温度セグメントの境界を示す電圧を抵抗分割により発生し、その電圧を閾値として温度センサの出力電圧をAD変換して今の温度セグメントを示すデジタル信号を発生させる。そして、そのデジタル信号を選択信号としてセレクタ1−1,1−2,2の出力信号を今のセグメントで必要なデータに切替える。具体的にセレクタ1−1,1−2では、OTPから出力されている全てのデジタル信号の中から、今のセグメントの境界温度において発生すべきImodとIbiasに相当するデジタル信号を選択してDACへ転送する。またセレクタ2では、抵抗分割で作ったセグメント境界を示す電圧の中から、今のセグメントの境界温度に相当する電圧を選択してDACへ転送する。 本発明に係る温度補償回路のセグメント内温度位置判定回路とDACの回路構成を説明する回路図である。セグメント内温度位置判定回路は、温度セグメント判定回路から出力されてきたセグメント温度境界を表すアナログ電圧と、現在の温度を表す温度センサの出力電圧の差分電圧を基に電流を発生させDACへ出力する。この出力電流の値は、現在の温度が当該セグメント内のどの位置にあるかを表しており、DACはその出力電流を基準電流(LSB)としてDA変換を行う。DACは、単純な重み付け電流DACである。但しDACの基準電流(LSB)にセグメント内温度位置判定回路の出力電流、即ちセグメント内の現在の温度位置によって変化する電流を使用する為、DACの出力電流もセグメント内での温度変化に応じて変化する仕組みである。 本発明に係る温度補償回路を含むLDモジュールを説明する図である。本LDモジュールは、基本特性生成部、温度センサ、OTPメモリ、及びシリアルデータI/F回路から構成される温度補償回路を有する。発生させるIbias、Imodの温度特性をデジタルコードとしてシリアルデータI/F回路を介してOTPメモリに書き込んでおくことで、基本特性生成部が温度センサの出力から温度を検知して折線近似で所望のIbias、Imodを発生させ、電気光変換素子(LD)の温度による特性を補償する。デジタルコードの変更により様々な品種のLDに対応できることや、LDばらつきの素性が予め明確であればデジタルコード変更によりLDばらつきの補償もできる機能を有する。 本発明に係る温度補償回路を含むLDモジュールを説明する図である。本LDモジュールは、図6のLDモジュールにLD個体差補正部を加えたものである。LDドライバで駆動したLDの発光パワーを常温にて測定し、LDの個体差ばらつきにより所望の発光パワーからずれているものに対してImod、Ibiasを平行移動で増減させてLDの個体差ばらつきを補正する。 本発明に係る温度補償回路を含むLDモジュールを説明する図である。本LDモジュールは、図6のLDモジュールに経年補正部を加えたものである。経年劣化補正部は経過時間に応じてImod、Ibiasをそれぞれ増加させることで経年劣化によるLDの発光パワー低下を補正する。また、温度センサの出力を経年補正部に入力させることで、高温で長時間使用された場合には補正電流が増加し始めるタイミングが早まる機能と、高温ほど補正電流量が多くなる機能を持つ。 本発明に係る温度補償回路の経年劣化補正部の回路構成を説明する回路図である。発振器(VCO)により生成したクロック信号をカウンタ回路に入力してカウントアップして経年を計測する。そしてカウンタ回路の出力デジタル信号をDA変換して電流発生させ、元々発生させていたImod、Ibiasに加算させることで経年劣化で減ったLDの発光パワーを補正する。DACに入力するカウンタ出力デジタル信号は上位Bitのみを入力することでDACのBit数削減と徐々に電流増加する仕組みを両立させる。またVCOの発振周波数を温度センサの出力電圧で制御することにより、温度に応じてクロックスピードを変化させ、高温で長時間使用された場合には早めに電流が増加し始める機能を有する。更に温度センサの出力電圧をDACにも入力し、補償電流量が高温になるほど多くなる機能も有する。 本発明に係る温度補償回路を含むLDモジュールを説明する図である。本LDモジュールは基本特性生成部、LD個体差補正部、経年劣化補正を組み合わせることができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の温度補償回路101を含むLDモジュール301を説明する図である。LDモジュール301は、LD100、温度補償回路101、及びLDドライバ102を備える。LDドライバ102には、データ入力端子103から送信データが入力される。また、LDドライバ102には、温度補償回路101から変調電流Imodが入力される。LDドライバ102の出力には、温度補償回路101からのバイアス電流Ibiasが加算され、LD100に出力される。
温度補償回路101は、メモリ11、基本特性生成部12、個体差補正部13、及びシリアルデータI/F回路14を備える。メモリ11は、複数の特定温度においてLD100が所定光強度で発光するLD駆動条件(Imod及びIbias)が記載された基本駆動データとLD駆動条件を平行移動するオフセットを記憶する。基本駆動データはデータ入力端子104から入力し、メモリ11に記憶させることができる。温度補償回路101は、メモリ11に基本駆動データとオフセット量を1度記憶させればよく、これらを修正することも無い。このため、メモリ11は、例えば、OTP(One Time Programmable)メモリとすることができる。
基本特性生成部12は、メモリ11が記憶する基本駆動データを用いて特定温度間のLD駆動条件を補間し、LD100近傍で測定された現在温度に対応する推定LD駆動条件を生成する。現在温度は、図示しない温度センサで取得することができる。LD100の周囲に温度センサを配置して温度データを基本特性生成部12に入力する形態でもよいし、温度補償回路101内部に温度センサを配置して温度データを基本特性生成部12に入力する形態でもよい。
個体差補正部13は、LD100を駆動する際に基本特性生成部12が生成した現在温度に対応する推定LD駆動条件にメモリ11が記憶するオフセットを加算する。
メモリ11に記憶させるオフセットは次のように取得する。まず、LD100近傍で測定された現在温度に対応する、基本特性生成部12が生成した推定LD駆動条件でLD100を駆動する。続いて、LD100を所定光強度で発光するようにLD駆動条件を修正し、このときのLD駆動条件を実測LD駆動条件として取得する。そして、現在温度に対応する推定LD駆動条件を実測LD駆動条件から減算した差分をオフセットとする。基本特性生成部12がこの作業を行い、オフセットをメモリ11に記憶させるとしてもよいし、温度補償回路101と外部のコンピュータとを接続し、外部のコンピュータがこの作業を行い、外部のコンピュータからオフセットをメモリ11に記憶させてもよい。
図2は、温度補償回路101の動作概要を説明する図である。通常、LDには、メーカーが供給する温度とLD駆動条件の基礎データ(数点)が付随する。この基礎データを基本駆動データとしてメモリ11に入力する。あるいは、基礎データを元に温度対LD駆動条件の近似曲線を形成し、この近似曲線から基本駆動データを取得してメモリ11に入力してもよい。基本特性生成部12は、温度が隣り合う基本駆動データ間を温度セグメントとし、温度セグメント内のデータを基本駆動データに基づいて補間する。基本駆動データは温度セグメントの境界に位置することになる。そして、基本特性生成部12は、補間したデータから現在温度に対応する値を推定LD駆動条件(ImodとIbias)として出力する。
さらに、個体差補正部13は、基本特性生成部12が出力した推定LD駆動条件にメモリ11から取り出したオフセットを加算し、現在温度に対応するLD駆動条件を生成する。全温度範囲で見ると、オフセットにより推定LD駆動条件が上下に平行移動することになる。
このように、温度補償回路101は、メモリ11に記憶させる基本駆動データを変更することで様々な品種のLDに対応でき、LD毎にオフセット取得して設定することでLDの個体差も吸収することができる。なお、予め個体差の情報を取得することができれば、これを温度とLD駆動条件の基礎データに加えて基本駆動データとすることで、オフセットの測定及び個体差補正部が不要となる。
なお、図2は、オフセットによるLD駆動条件の平行移動を視覚的に説明したものであり、温度補償回路101は平行移動したLD駆動条件を記憶するものではない。温度補償回路101は、数点の基本駆動データとオフセットのみをメモリ11に記憶し、常時あるいは温度変動時に現在温度に基づいてLD駆動条件を算出するものである。
[基本特性生成部]
図3は、基本特性生成部12の動作を説明する図である。基本特性生成部12は、メモリ11が記憶する基本駆動データから、現在温度を挟む2つの連続した特定温度を選択して特定温度間を現在温度で内分したときの内分比を算出し、2つの特定温度に対応する2つの推定LD駆動条件を内分比で内分した応答値を出力し、応答値を現在温度に対応する推定LD駆動条件とする。
基本特性生成部12は、温度セグメント判定回路31、セグメント内温度位置判定回路32、及びデジタルアナログコンバータ(DAC)33を備え、図3(A)に示す回路構成である。メモリ11は、ImodとIbiasの各セグメント境界での点(基本駆動データ)をデジタルコードで出力する(図3(a))。温度センサ10は、現在温度に応じて線形変化するアナログ情報を出力する(図3(b))。温度セグメント判定回路31は、現在温度が含まれる温度セグメントを判定し、メモリ11からの基本駆動データのうち、当該温度セグメントの両端(現在温度を挟む2点)を選択し、そのデジタルコード(LD駆動条件(ImodとIbias)に相当)をDAC(33−1、33−2、33−3、33−4)へ出力する(図3(c))。また、温度セグメント判定回路31は、上記選択した基本駆動データの温度に相当するアナログ情報をセグメント内温度位置判定回路32に出力する(図3(d))。
セグメント内温度位置判定回路32は、温度センサ10からの現在温度のアナログ情報と、温度セグメント判定回路31からの温度セグメントの境界を示す2つのアナログ情報を引き算し、現在温度が温度セグメント内のどの位置かを示す極性の異なる2つのアナログ情報を作り、DAC33へ渡す(図3(e))。詳細には、現在温度から現在の温度セグメントの低温側境界の温度を引き算したアナログ情報が図3(e)の「増加方向」の情報であり、現在の温度セグメントの高温側境界の温度から現在温度を引き算したアナログ情報が図3(e)の「減少方向」の情報である。
DAC33は、温度セグメント判定回路31からのデジタルコード(温度セグメントの高温側境界値と低温側境界値)をDA変換して出力する。但し、出力されるアナログ値はセグメント内温度位置判定回路32から示される温度位置情報に合わせて増減される。具体的には、DAC33−1は、セグメント内温度位置判定回路32により現在温度が温度セグメントを内分する内分比(X:Y)を知り、温度セグメントの低温側境界のデジタルコードをDA変換するとともに数1の計算を行う(図3(c))。このとき、温度セグメントの低温側境界のデジタルコードをDA変換した値をMとする。
Figure 2014158182
DAC33−2は、セグメント内温度位置判定回路32により現在温度が温度セグメントを内分する内分比(X:Y)を知り、温度セグメントの高温側境界のデジタルコードをDA変換するとともに数2の計算を行う(図3(f))。このとき、温度セグメントの高温側境界のデジタルコードをDA変換した値をOとする。
Figure 2014158182
そして、基本特性生成部12は、数3の計算を行い、現在温度に対応する推定LD駆動条件(Imod_org)を出力する(図3(g))。
Figure 2014158182
基本特性生成部12は、DAC33−3とDAC33−4を用いて数1〜数3のように計算し、現在温度に対応する推定LD駆動条件(Ibias_org)を出力する(図3(g))。
[温度セグメント判定回路]
基本特性生成部12は、温度センサ10からの現在温度を表す電圧と特定温度を表す電圧とを比較し、現在温度を表す電圧を連続値から特定温度を表す電圧を境界とする離散した温度セグメントの値に変換して出力する温度セグメント判定回路31を有している。図4は、温度セグメント判定回路31の回路構成を説明する回路図である。温度セグメント判定回路31では、各温度セグメントの境界を示す電圧を抵抗分割41で発生させ、その電圧を閾値として温度センサ10の出力電圧(現在温度)をアナログデジタルコンバータ(ADC)42でAD変換する。ADC42の出力は、現在温度が含まれる温度セグメントを示すデジタル信号である。
そして、そのデジタル信号を選択信号としてセレクタ(1−1,1−2,2)に送る。具体的にセレクタ(1−1,1−2)は、メモリ11から出力されている全てのデジタルコードの中から、現在温度が含まれる温度セグメントの境界温度において発生すべきImodとIbiasに相当するデジタルコードを選択してDAC33へ転送する。またセレクタ2は、抵抗分割41で作ったセグメント境界を示す電圧の中から、現在温度が含まれる温度セグメントの境界温度に相当する電圧を選択してセグメント内温度位置判定回路32へ転送する。
[セグメント内温度位置判定回路]
基本特性生成部12は、温度セグメント判定回路31が出力する温度セグメントの値と現在温度を表す電圧とを比較して現在温度の温度セグメント内での位置を判定するセグメント内温度位置判定回路32を有している。
図5は、セグメント内温度位置判定回路32の回路構成を説明する回路図である。セグメント内温度位置判定回路32では、温度セグメント判定回路31から出力されてきたセグメント温度境界を表す電圧と、現在温度を表す温度センサ10の出力電圧との差分電圧を基に電流を発生させDAC33へ出力する。差分電圧を基に発生させた電流の値は、現在温度が当該温度セグメント内のどの位置にあるかを表している。
[DAC]
DAC33は、重み付け電流によるDA変換器である。DAC33は、セグメント内温度位置判定回路32からの電流値を基準電流(LSB)として、温度セグメント判定回路31が出力するデジタルコードのDA変換を行う。その際に、DAC33の基準電流(LSB)にセグメント内温度位置判定回路32の出力電流、即ち温度セグメント内の現在の温度位置によって変化する電流を使用するため、DAC33の出力電流も温度セグメント内での温度変化に応じて変化する。
[LDモジュール]
図6は、本実施形態の温度補償回路101aを含むLDモジュール302を説明する図である。LDモジュール302は、LD100、温度補償回路101a、及びLDドライバ102を備える。温度補償回路101aは、メモリ11、基本特性生成部12、及びシリアルデータI/F回路14を備える。
温度補償回路101aは、発生させるLD駆動条件(Ibias及びImod)の温度特性をデジタルコードとしてシリアルデータI/F回路14を介してメモリ11に書き込んでおく。基本特性生成部12は、温度センサ10等から現在温度を検知して前述した手法により現在温度に対応するIbias及びImodを発生させる。デジタルコードをメモリ11に書き込むだけでLD100の温度による特性を補償することができる。デジタルコードの変更により様々な品種のLDに対応できることや、LDばらつきの素性が予め明確であればデジタルコード変更によりLDばらつきの補償もできる。
図7は、本実施形態の温度補償回路101を含むLDモジュール303を説明する図である。LDモジュール303は、LD100、温度補償回路101、及びLDドライバ102を備える。温度補償回路101は、メモリ11、基本特性生成部12、個体差補正部13、及びシリアルデータI/F回路14を備える。温度補償回路101は、温度補償回路101aにLDの温度特性の個体差を解消する個体差補正部13が付加されたものである。
LDドライバ102で駆動したLD100の発光パワーを常温にて測定し、LDの個体差ばらつきにより所望の発光パワーからずれている場合にLD駆動条件を修正して所望の発光パワーとする。このときのLD駆動条件の修正量をオフセットとしてメモリ11に記憶させておく。そして、個体差補正部13は、当該LD駆動時に基本特性生成部12が出力する推定LD駆動条件(Imod及びIbias)を当該オフセットで平行移動させて増減し、LDの個体差ばらつきを補正する。
(実施形態2)
図8は、本実施形態の温度補償回路101bを含むLDモジュール304を説明する図である。LDモジュール304は、図6で説明したLDモジュール302に経年劣化補正部15が付加された構成である。経年劣化補正部15は、温度センサ10が測定する現在温度の積算値に比例する補正値を生成し、LD100を駆動する際に基本特性生成部12が生成した現在温度に対応する推定LD駆動条件に前記補正値を加算する。
LD100は、発光時間の積算に比例して光出力が低下する(経年劣化)。このため、同じ光出力を得ようとした場合、経年劣化が大きいLDは、経年劣化が小さいLDに比べてより多くのImod及びIbiasが必要となる。経年劣化補正部15は、経過時間に応じてImod及びIbiasをそれぞれ増加させることで経年劣化によるLDの発光パワー低下を補正する。
さらに、温度センサ10の出力を経年劣化補正部15へ入力し、LD発光中の現在温度の積算値を取得し、その積算値に応じた補正値を基本特性生成部12が生成した推定LD駆動条件に加算してLD100を駆動する。経年劣化補正部15は、LD100を高温で長時間使用している等、温度積算値が大きい場合、補正値の増加を早くする。
また、経年劣化補正部15は、温度センサ10が測定する現在温度に比例する付加値を補正値に加算してもよい。経年劣化したLDは、現在温度が高温ほどImod及びIbiasが多く必要となる。このため、経年劣化補正部15は、付加値を加算することで現在温度が高温ほど大きい補正値を出力する機能を持つ。
図9は、経年劣化補正部15の回路構成を説明する回路図である。経年劣化補正部15は、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillators)51、カウンタ回路52、及びDAC53を有する。経年劣化補正部15は、VCO51が生成したクロック信号をカウンタ回路52に入力してカウントアップしてLD100の経年を計測する。そして、経年劣化補正部15は、カウンタ回路52の出力デジタル信号をDAC53でDA変換して補正値(電流)を発生させ、基本特性生成部12で生成した推定LD駆動条件(Imod及びIbias)に加算する。この補正値により経年劣化で減少したLD100の光出力を補正し、所望の光出力を得ることができる。なお、カウンタ回路52は、デジタル信号の上位BitのみをDAC53に入力することでDAC53のBit数削減と徐々に電流増加する機能を備えることができる。
また、VCO51の発振周波数を温度センサ10の出力電圧で制御することで現在温度に応じてクロックスピードを変化させることができる。この制御を行うことで、経年劣化補正部15は、LD100を高温で長時間使用した場合に早めに補正値(電流)が増加し始める機能を有する。
さらに、温度センサ10の出力電圧をDAC53にも入力することで、経年劣化補正部15は、現在温度が高温になるほど補償値が多くなる(補正値に付加値が加算される)機能も有する。このため、温度補償回路101bは、経年劣化したLDを高温で使用しても所望の光出力で駆動することができる。
(実施形態3)
図10は、本実施形態の温度補償回路101cを含むLDモジュール305を説明する図である。LDモジュール305は、図6で説明したLDモジュール302に図7で説明した個体差補正部13及び図8で説明した経年劣化補正部15が付加された構成である。従って、温度補償回路101cは、LD100の個体差ばらつきを補正でき、且つLD100の経年劣化を補正することができる。
10:温度センサ
11:メモリ
12:基本特性生成部
13:個体差補正部
14:シリアルデータI/F回路
15:経年劣化補正部
31:温度セグメント判定回路
32:セグメント内温度位置判定回路
33、33−1、33−2、33−3、33−4:DAC
41:抵抗分割
42:ADC
51:VCO
52:カウンタ
53、53−1、53−2:DAC
100:LD
101、101a、101b、101c:温度補償回路
102:LDドライバ
103、104:データ入力端子
301、302、303、304、305:LDモジュール

Claims (4)

  1. 複数の特定温度においてレーザダイオード(LD;Laser Diode)が所定光強度で発光するLD駆動条件が記載された基本駆動データを記憶するメモリと、
    前記メモリが記憶する前記基本駆動データを用いて前記特定温度間のLD駆動条件を補間し、前記LD近傍で測定された現在温度に対応する推定LD駆動条件を生成する基本特性生成部と、
    現在温度の積算値に比例する補正値を生成し、前記LDを駆動する際に前記基本特性生成部が生成した現在温度に対応する前記推定LD駆動条件に前記補正値を加算する経年劣化補正部と、
    を備える温度補償回路。
  2. 前記経年劣化補正部は、現在温度に比例する付加値を前記補正値に加算することを特徴とする請求項1に記載の温度補償回路。
  3. 前記基本特性生成部は、
    前記メモリが記憶する前記基本駆動データから、前記現在温度を挟む2つの連続した前記特定温度を選択して前記特定温度間を前記現在温度で内分したときの内分比を算出し、
    2つの前記特定温度に対応する2つの前記推定LD駆動条件を前記内分比で内分した応答値を出力し、前記応答値を前記現在温度に対応する前記推定LD駆動条件とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度補償回路。
  4. 前記メモリは、前記LD近傍で測定された現在温度に対応する、前記基本特性生成部が生成した前記推定LD駆動条件で前記LDを駆動した後、前記LDを所定光強度で発光するようにLD駆動条件を修正して実測LD駆動条件として取得し、前記現在温度に対応する前記推定LD駆動条件を前記実測LD駆動条件から減算した差分を記憶しており、
    前記LDを駆動する際に前記基本特性生成部が生成した現在温度に対応する前記推定LD駆動条件に前記メモリが記憶する前記差分を加算する個体差補正部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の温度補償回路。
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