JP2014157782A - 点灯装置及びそれを用いた照明器具 - Google Patents

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武志 鴨井
Hiroshi Kido
大志 城戸
Akinori Hiramatsu
明則 平松
Junichi Hasegawa
純一 長谷川
Shigeru Ido
滋 井戸
Nobutoshi Matsuzaki
宣敏 松崎
Daisuke Yamahara
大輔 山原
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Abstract

【課題】固体発光素子が許容温度を超える前に固体発光素子の温度上昇を抑制し、且つ頻繁な光出力の変動を抑制することができる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】LED70を有する光源7に電力を供給する電源回路4と、LED70の周囲温度を検知する温度検知回路5と、電源回路4の出力を制御するように構成される制御回路6とを備え、制御回路6は、検知温度が上昇して第1閾値に達すると電源回路4の出力を低下させ、検知温度が下降して第2閾値に達すると電源回路4の出力を増大させるとともに、検知温度の上昇率が基準値を超えると、第1閾値を減少させ且つ第2閾値を第1閾値の減少量よりも大きく減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード等の固体発光素子の点灯装置及びそれを用いた照明器具に関する。
従来から、発光ダイオード(以下、「LED」と呼ぶ)の点灯時の過度な温度上昇を安定した状態に抑制することによりLEDの光出力及び寿命の安定化を図るものが提供されており、例えば特許文献1,2に開示されている。
特許文献1に記載のLED照明装置は、LED光源、温度検知素子及びLED光源を冷却する水冷ジャケットを有する灯体部と、水冷ジャケットでLED光源からの熱を受熱した冷媒液をラジエータで冷却する液冷式放熱機構部とで構成されている。そして、このLED照明装置では、灯体部において、温度検知素子の検知温度に基づく制御電流でLED光源を駆動することにより、LED光源の駆動時の過度な温度上昇を抑制している。
特許文献2に記載の車両用灯具は、LEDと、点灯回路と、温度センサとを備えている。点灯回路は、車両電源からの電流をLEDに適宜供給してLEDを点灯させるものである。温度センサは、LED及び点灯回路のうち少なくとも何れか一方の温度を検知するものである。点灯回路は、検知温度が第1温度値から上昇するとLEDに供給される電流を抑制し、検知温度が第1温度値よりも高い第2温度値から下降するとLEDに供給される電流を増加する。これにより、この車両用灯具では、LEDの光量を制御している。
特開2010−272472号公報 特開2012−061936号公報
しかしながら、上記各従来例では、例えば光源に異常がある場合には、検知温度がLED(固体発光素子)の実際の温度から想定を超えてずれる可能性がある。この場合、固体発光素子の温度を適切に調整することができず、固体発光素子の許容温度を上回り、固体発光素子の発光効率の低下や寿命の低下等の不具合が生じる虞がある。
また、固体発光素子に異常が生じて熱容量が小さくなる場合には、固体発光素子の温度変化が上昇・下降を問わず早くなる。この場合に、特許文献2に記載の従来例のように、検知温度が一定範囲内に収まるようにLEDに供給する電流を制御すると、電流の変化も早くなるために光源の光出力が頻繁に変動する虞がある。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、固体発光素子が許容温度を超える前に固体発光素子の温度上昇を抑制し、且つ頻繁な光出力の変動を抑制することができる点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
本発明の点灯装置は、固体発光素子を有する光源に電力を供給する電源回路と、前記固体発光素子の周囲温度を検知する温度検知回路と、前記電源回路の出力を制御するように構成される制御回路とを備え、前記制御回路は、前記温度検知回路で検知した検知温度が上昇して第1閾値に達すると前記電源回路の出力を低下させ、前記検知温度が下降して第1閾値よりも小さい第2閾値に達すると前記電源回路の出力を増大させるように構成され、前記制御回路は、前記検知温度から前記検知温度の上昇率を求め、当該上昇率が予め設定してある基準値を超えると、前記第1閾値を減少させ、且つ前記第2閾値を前記第1閾値の減少量よりも大きく減少させるように構成されることを特徴とする。
この点灯装置において、前記温度検知回路は、前記固体発光素子が実装される基板上に配置することが好ましい。
この点灯装置において、前記制御回路は、前記検知温度の上昇率の増減に伴って前記第1閾値と前記第2閾値との差分を増減するように構成されることが好ましい。
この点灯装置において、前記制御回路は、前記検知温度の上昇率の増減に伴って前記第1閾値の減少量を増減するように構成されることが好ましい。
この点灯装置において、前記制御回路は、前記検知温度の上昇率の増減に伴って前記電源回路の出力を増減するように構成されることが好ましい。
この点灯装置において、前記制御回路は、前記電源回路の出力の増減に伴って前記基準値を変化させるように構成されることが好ましい。
この点灯装置において、前記温度検知回路は、温度変化に伴い特性値が変化する感温素子を用いて前記固体発光素子の温度を検知するように構成されることが好ましい。
本発明の照明器具は、上記何れかの点灯装置と、前記光源を保持する器具本体とを備えることを特徴とする。
本発明は、固体発光素子の温度が上昇する初期段階で検知温度に異常があると判定するため、固体発光素子が許容温度を超える前に固体発光素子の温度上昇を抑制することができる。また、本発明は、固体発光素子の温度制御時において、光源の光出力の変動する周期が長くなるように制御するので、頻繁な光出力の変動を抑制することができる。
本発明に係る点灯装置の実施形態を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)はLEDの実際の温度と検知温度との相関を示す図で、(c)は温度制御時における光源の光出力の変化を示す図である。 同上の点灯装置におけるLEDを実装した基板の概略斜視図である。 同上の点灯装置における温度制御を示す図で、(a)は検知温度に異常がないと判定した場合のタイムチャート図で、(b)は検知温度に異常があると判定した場合のタイムチャート図である。 (a),(b)は従来の点灯装置における温度制御を示す図である。 同上の点灯装置の温度制御時における所要時間と各閾値との相関を示す図で、(a)は所要時間の増減に伴って第2閾値を増減させる場合の図で、(b)は所要時間の増減に伴って第1閾値及び第2閾値を増減させる場合の図である。 同上の点灯装置の温度制御時における光出力と所要時間との相関を示す図である。 同上の点灯装置において温度センサICを用いた場合を示す図で、(a)は回路概略図で、(b)は温度センサICの出力電圧と検知温度との相関を示す図である。 同上の点灯装置の調光時における温度制御を示す図で、(a)は検知温度に異常がないと判定した場合のタイムチャート図で、(b)は検知温度に異常があると判定した場合のタイムチャート図で、(c)は調光比と基準時間との相関を示す図である。 同上の点灯装置の調光時における他の温度制御を示す図で、(a)は検知温度に異常がないと判定した場合のタイムチャート図で、(b)は検知温度に異常があると判定した場合のタイムチャート図で、(c)は調光比と各閾値との相関を示す図である。 (a)〜(c)は、本発明に係る照明器具の実施形態を示す概略図である。
以下、本発明に係る点灯装置の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1(a)に示すように、ノイズフィルタ1と、整流器2と、PFC回路3と、電源回路4と、温度検知回路5と、制御回路6とを備える。ノイズフィルタ1は、例えばコモンモードチョークコイル及びコンデンサのLCフィルタから成り、商用電源AC1の電源電圧に重畳するノイズを除去するように構成される。整流器2は、例えばダイオードブリッジから成り、商用電源AC1の電源電圧を整流するように構成される。
PFC回路3は、昇圧チョッパ回路であって、インダクタL1、コンデンサC1,C2、ダイオードD1、MOSFETから成るスイッチング素子Q1を備える。PFC回路3は、図示しないドライバでスイッチング素子Q1のオン/オフを高周波で切り替えることにより、整流器2の出力電圧を昇圧して出力するように構成される。PFC回路3により、商用電源AC1から出力される交流電流の力率を改善する。
電源回路4は、降圧チョッパ回路であって、インダクタL2、コンデンサC3、ダイオードD2、MOSFETから成るスイッチング素子Q2を備え、後述する光源7に点灯に必要な直流電力を供給するように構成される。スイッチング素子Q2は、後述する制御回路6からの制御信号によりオン/オフを切り替えるように構成される。スイッチング素子Q2には、抵抗R3を直列に接続している。この抵抗R3には、後述する光源7を流れる負荷電流がスイッチング素子Q2を介して流れる。したがって、抵抗R3の両端電圧は負荷電流に比例したものとなり、第1検知信号として後述する制御回路6に出力される。インダクタL2は2次巻線L20を有する。この2次巻線L20に誘起される電圧は、第2検知信号として後述する制御回路6に出力される。
電源回路4は、第1分圧回路40と、第2分圧回路41とを備える。第1分圧回路40は、抵抗R1,R2の直列回路から成り、PFC回路3の出力電圧を分圧するように構成される。第2分圧回路41は、抵抗R4,R5の直列回路から成る。第2分圧回路41は、スイッチング素子Q2がオンの時に、インダクタL2に印加される電圧を分圧するように構成される。各分圧回路40,41の分圧比は互いに等しい。第1分圧回路40で分圧した電圧は、第3検知信号として後述する制御回路6に出力される。また、第2分圧回路41で分圧した電圧は、第4検知信号として後述する制御回路6に出力される。
温度検知回路5は、サーミスタTH1と抵抗R6との直列回路を直流電源50に接続して成る。なお、直流電源50は外部電源であるが、例えばPFC回路3で代用してもよい。サーミスタTH1は、温度の上昇に伴って抵抗値が減少するNTCサーミスタである。勿論、サーミスタTH1はNTCサーミスタに限定されるものではなく、例えば温度の上昇に伴って抵抗値が増大するPTCサーミスタを用いてもよい。
温度検知回路5は、サーミスタTH1及び抵抗R6により直流電源50の電源電圧を分圧し、分圧した電圧を温度信号として後述する制御回路6に出力するように構成される。すなわち、温度検知回路5は、温度変化に伴い特性値が変化する感温素子を用いて後述する光源7のLED70の周囲温度を検知するように構成される。以下、温度検知回路5で検知したLED70の周囲温度のことを「検知温度」と称する。温度検知回路5が出力する温度信号の信号電圧は、検知温度の増減に伴って増減する。
ここでサーミスタTH1は、図2に示すように、後述するLED70を実装した基板P1上であって且つLED70の近傍に配置するのが望ましい。このように、温度検知回路5をLED70が実装される基板P1上に配置することで、LED70の実際の温度と検知温度との相関のばらつきを低減することができる。
制御回路6は、例えばマイコンから成り、電源回路4の出力を制御するように構成される。制御回路6は、第1検知信号の信号電圧から負荷電流を検知し、第2検知信号の信号電圧から負荷電流のゼロクロスを検知するように構成される。また、制御回路6は、負荷電流の目標値(以下、「電流目標値」と呼ぶ)を予め記憶しており、温度信号の信号電圧に基づいて電流目標値を変化するように構成される。
制御回路6は、制御信号を与えることによりスイッチング素子Q2のオン/オフを切り替えるように構成される。スイッチング素子Q2は、第1検知信号の信号電圧が電流目標値に達するとオフに切り替わり、第2検知信号の信号電圧がゼロクロスに達するとオンに切り替わる。すなわち、制御回路6は、図3(a)に示すように、負荷電流を臨界モードで制御するように構成される。
また、制御回路6は、第1分圧回路40からの第3検知信号の信号電圧と、第2分圧回路41からの第4検知信号の信号電圧との差分から、LED70の順方向電圧を検知するように構成される。制御回路6は、上記差分が小さくなれば光源7が無負荷であると判定し、上記差分が零になれば光源7が短絡していると判定する。そして、制御回路6は、光源7が無負荷である又は短絡していると判定した場合、スイッチング素子Q2をオフに切り替えて電源回路4の動作を停止させるように構成される。
なお、制御回路6は、マイコンのみの構成に限定されるものではなく、例えば富士電機製のFA5601やST Microelectronics製のL6562A等の電源制御用のICとマイコンとを組み合わせて構成してもよい。また、制御回路6は、電源制御用のICとアナログ回路とを組み合わせて構成してもよい。
光源7は、固体発光素子であるLED70を直並列に接続して成る。各LED70は、電源回路4の出力を受けて負荷電流が流れることにより点灯する。なお、光源7は、LED70の直列回路だけではなく、LED70の並列回路や直並列回路で構成してもよい。
以下、本実施形態における温度制御を説明するにあたり、先ず従来の点灯装置における温度制御について説明する。従来の点灯装置では、光源の近傍にサーミスタ等の温度検知用の素子を配置し、検知温度が予め設定してある閾値を上回ると温度制御を行っていた。例えば、図4(a)に示すように、検知温度が第1閾値を上回ると、光源の光出力が100%から80%まで低下するように光源を調光することで、光源の温度を下げていた。このように、検知温度と第1閾値とを比較することにより、光源を構成するLEDの温度が、LEDの許容温度を超えないように温度制御を行っていた。
この状態では、光出力が低下しているために所望の光出力(ここでは、100%の光出力)を得ることができない。そこで、従来では、光出力を低下させた後に検知温度が第2閾値を下回ると、光源の光出力が再び100%となるように光源を調光することで、温度制御時においても可能な限り所望の光出力が得られるように制御を行なっていた。
ここで、LEDの実際の温度と検知温度との相関は、LEDでの電力損失、LEDと温度検知用の素子との位置関係や設置状況などにより影響を受ける。また、LEDをヒートシンクに接続する場合には、ヒートシンクの大きさやその接続の状態によっても上記の相関は影響を受ける。また、光源を冷却するためにファンを使用する場合には、ファンの性能によっても上記の相関は影響を受ける。
そして、例えば施工不良によりLEDとヒートシンクとの接続が不完全であれば、ヒートシンクの放熱性能が悪化して上記の相関が崩れる場合がある。また、経年劣化によってもLEDとヒートシンクとの接続が不完全となり、ヒートシンクの放熱性能が悪化して上記の相関が崩れる場合がある。更に、ファンを用いて冷却する場合には、ファンの劣化により放熱性能が悪化し、上記の相関が崩れる場合がある。また、光源に電力を供給する電源回路の異常によって過負荷となる場合、LEDが異常に発熱して上記の相関が崩れる場合もある。
上記のような異常により相関が崩れる場合、LEDの熱容量が小さくなることからLEDの温度上昇が急となり、LEDの実際の温度と検知温度との温度差が大きくなる。特に、ヒートシンク上に温度検知用の素子を設けている場合には、ヒートシンクとLEDとの接続が不完全であるために温度検知用の素子に熱が伝達され難く、温度差はより顕著になる。
例えば、図4(b)に示す場合では、LEDの実際の温度が許容温度に達する時点では、検知温度は第1閾値を超えていないために温度制御を実行しない。このため、検知温度が第1閾値に達して温度制御を実行するときには、LEDの実際の温度が既に許容温度を超えてしまっている。このように、従来の点灯装置では、ヒートシンクとLEDとの接続が不完全である場合や過負荷の場合に、LEDの実際の温度が許容温度を超えてしまい、LEDの発光効率の低下や寿命の低下等の不具合が生じる虞がある。
また、上記のような異常により相関が崩れ、LEDの熱容量が小さくなる場合には、LEDの温度変化が上昇・下降を問わず早くなる。このため、図4(b)に示すように、検知温度が第1閾値に達してから第2閾値に達するまでの時間が、正常な場合と比較して短くなり、光源の光出力を頻繁に変化させることになる。このように光出力が頻繁に変動すると、利用者に不快感を与える虞がある。
そこで、本実施形態では、以下のようにLED70の温度制御を行なうことで、上記の問題点を解消している。先ず、本実施形態の電源を投入すると、各回路が動作することでLED70が点灯し、LED70の温度が上昇し始める。このとき、図3(a)に示すように、温度信号の信号電圧もLED70の温度上昇に伴って上昇する。制御回路6では、温度信号の信号電圧が第3閾値に達してから第4閾値(>第3閾値)に達するまでの所要時間T1をカウントする。ここで、第3閾値及び第4閾値は、何れも第2閾値よりも小さい値に設定する。制御回路6は、所要時間T1が予め設定してある基準時間T0を下回らない、すなわち検知温度の上昇率が基準値よりも小さければ、検知温度に異常がないと判定する。この場合、制御回路6は、第1閾値を変化させない。
その後、検知温度が第1閾値に達すると、制御回路6は負荷電流の目標値を小さく設定する。これにより、スイッチング素子Q2のオンデューティが小さくなるため、LED70を流れる負荷電流が小さくなり、光源7の光出力が100%から80%に低下する。そして、光源7の光出力の低下に伴ってLED70の温度が低下する。その後、検知温度が第2閾値に達すると、制御回路6は負荷電流の目標値を大きくして元の目標値に設定する。これにより、スイッチング素子Q2のオンデューティが大きくなるため、LED70を流れる負荷電流が大きくなり、光源7の光出力が80%から100%に増大して復帰する。
すなわち、制御回路6は、検知温度が上昇して第1閾値に達すると電源回路4の出力を低下させ、検知温度が下降して第1閾値よりも小さい第2閾値に達すると電源回路4の出力を増大させる動作を繰り返す。これにより、温度制御時においても可能な限り所望の光出力が得ることができる。
一方、図3(b)に示すように、所要時間T1が基準時間T0を下回る、すなわち検知温度の上昇率が基準値よりも大きい場合、制御回路6は検知温度に異常があると判定する。そして、制御回路6は、図1(b)に示すように、第1閾値を減少させる。その後、検知温度が第1閾値(変更後)に達すると、制御回路6は負荷電流の目標値を小さく設定することにより、光源7の光出力を低下させ、LED70の温度を低下させる。これにより、本実施形態では、LED70が許容温度を超える前にLED70の温度上昇を抑制することができる(図1(b)参照)。
また、制御回路6は、検知温度に異常があると判定した場合には、第2閾値も減少させる。このとき、制御回路6は、図1(b)に示すように、第2閾値の減少量W2が第1閾値の減少量W1よりも大きくなるように第2閾値を減少させる。すなわち、制御回路6は、温度制御時の第1閾値と第2閾値との差分が、正常時の第1閾値と第2閾値との差分よりも大きくなるように各閾値を設定する。このため、検知温度が第1閾値(変更後)に達してから第2閾値(変更後)に達するまでの時間を長くすることができる。したがって、本実施形態では、図1(c)に示すように、従来と比較して光源7の光出力が頻繁に変動することがない。
上述のように、本実施形態では、LED70の温度が上昇する初期段階で検知温度に異常があると判定するため、LED70が許容温度を超える前にLED70の温度上昇を抑制することができる。したがって、本実施形態では、LED70の発光効率の低下や寿命の低下等の不具合が生じ難い。また、本実施形態では、LED70の温度制御時において、光源7の光出力の変動する周期が長くなるように制御するので、光源7の光出力が頻繁に変動しない。したがって、本実施形態では、利用者に不快感を与える可能性を低くすることができる。
なお、本実施形態では、温度制御時に光源7の光出力を100%から80%に低下させているが、温度制御時に光源7の光出力をどの程度低下させるかは使用の態様に基づいて決定してよい。
ここで、所要時間T1が短い、すなわち検知温度の上昇率が高いほど、LED70の熱容量が小さくなり、LED70の温度変化が急になる。そこで、図5(a)に示すように、所要時間T1の増減に伴って第2閾値を増減する、すなわち、検知温度の上昇率の増減に伴って第1閾値と第2閾値との差分を増減するように制御回路6を構成してもよい。この構成では、LED70の熱容量の大小に依らず、光源7の光出力の変化の頻度を一定にすることができる。
更に、検知温度の上昇率が高いほどLED70の温度変化が急になることに鑑みて、図5(b)に示すように、検知温度の上昇率の増減に伴って第1閾値の減少量を増減するように制御回路6を構成してもよい。この構成では、LED70の熱容量の大小に依らず、LED70が許容温度を超える前にLED70の温度上昇を抑制することができる。
また、図6に示すように、制御回路6を、所要時間T1が短くなるにつれて光源7の光出力を徐々に低下させる(すなわち、検知温度の上昇率の増減に伴って電源回路4の出力を変化させる)ように構成してもよい。この構成では、LED70の温度が許容温度を超えない範囲で、光源7の光出力を出来る限り大きくすることができるので、必要以上に光源7の光出力を低下させることがない。
また、図7(a)に示すように、温度検知回路5において、サーミスタTH1及び抵抗R6の代わりに、感温素子として温度センサIC51を用いてもよい。本実施形態では、National Semiconductor社製のLM50を温度センサIC51として用いている。この温度センサIC51は、図8(b)に示すように、出力する温度信号の信号電圧が検知温度に比例する特性を有する。したがって、温度センサIC51が出力する温度信号は、サーミスタTH1及び抵抗R6を用いる場合と同様に、検知温度の増減に伴って増減する。そして、制御回路6は、温度センサIC51から出力される信号電圧に基づいて信号電圧に基づいて電流目標値を変化する制御を行う。この構成でも、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
本実施形態では、調光器(図示せず)から入力される調光信号に基づいて光源7を調光することができる。例えば、制御回路6は、調光信号に基づいて電流目標値(すなわち、電源回路4の出力電圧)を変化させることで、光源7を調光することができる。
ここで、図8(a)に示すように、光源7を調光する場合(同図の実線参照)は、光源7を全点灯する場合(同図の破線参照)と比較して、検知温度の上昇が緩やかとなる。これは、光源7の光出力が小さいことから、LED70の発熱量も小さくなるからである。このため、光源7を調光する場合における所要時間T10(温度信号の信号電圧が第3閾値に達してから第4閾値に達するまでの時間)は、全点灯時における所要時間T1よりも長くなる。
すると、LED70に異常があって温度の上昇率が大きくなる場合でも、所要時間T10が所要時間T1よりも長くなることから、所要時間T10が基準時間T0を下回らない虞がある。この場合、制御回路6によるLED70の温度制御が実行されないため、LED70の温度が許容温度を超えてしまい、LED70の発光効率の低下や寿命の低下等の不具合が生じる虞がある。
そこで、光源7を調光する場合には、制御回路6が、基準時間T0を電源回路4の出力電圧に基づいて増減させることが望ましい。例えば、図8(c)に示すように、調光比の増減(すなわち、電源回路4の出力の増減)に伴って、基準時間T0(すなわち基準値)を増減させるように制御回路6を構成する。
この構成では、図8(b)に示すように、所要時間T10が調光比に基づいて設定された基準時間T0を下回ると、制御回路6は検知温度に異常があると判定する。したがって、この構成では、光源7を調光する場合においても、LED70の温度制御を実行することができる。
なお、図9(c)に示すように、第3閾値を一定とし、調光比の増減(電源回路4の出力の増減)に伴って第4閾値を増減させるように制御回路6を構成してもよい。この構成では、検知温度の上昇率の変動に伴って第4閾値が変動することから、結果として所要時間T1は調光比の変化によって変動することがない。このため、図9(a),(b)に示すように、所要時間T1が基準時間T0を下回ると、制御回路6は検知温度に異常があると判定する。したがって、この構成でも、光源7を調光する場合におけるLED70の温度制御を実行することができる。勿論、第4閾値を一定とし、調光比の増減に伴って第3閾値を増減させるように制御回路6を構成してもよい。この構成でも、上記と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、光源7に用いる固体発光素子としてLED70を用いているが、例えば半導体レーザや有機EL素子などの他の固体発光素子を用いて光源7を構成してもよい。
上記実施形態の点灯装置は、例えば図10(a)〜(c)に示すような照明器具に採用することができる。図10(a)〜(c)に示す照明器具は、上記実施形態の点灯装置A1と、光源7を保持する器具本体A2とを備えている。なお、図10(a)に示す照明器具はダウンライトであり、図10(b),(c)に示す照明器具はスポットライトである。また、図10(a),(c)に示す照明器具では、点灯装置A1と光源7とを配線A3を介して接続している。
本実施形態では、上記実施形態の点灯装置A1を用いることで、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、これらの照明器具は単独で用いるのみならず、複数を組み合わせて照明システムを構築してもよい。
4 電源回路
5 温度検知回路
6 制御回路
7 光源
70 LED(固体発光素子)

Claims (8)

  1. 固体発光素子を有する光源に電力を供給する電源回路と、前記固体発光素子の周囲温度を検知する温度検知回路と、前記電源回路の出力を制御するように構成される制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記温度検知回路で検知した検知温度が上昇して第1閾値に達すると前記電源回路の出力を低下させ、前記検知温度が下降して第1閾値よりも小さい第2閾値に達すると前記電源回路の出力を増大させるように構成され、
    前記制御回路は、前記検知温度から前記検知温度の上昇率を求め、当該上昇率が予め設定してある基準値を超えると、前記第1閾値を減少させ、且つ前記第2閾値を前記第1閾値の減少量よりも大きく減少させるように構成されることを特徴とする点灯装置。
  2. 前記温度検知回路は、前記固体発光素子が実装される基板上に配置することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
  3. 前記制御回路は、前記検知温度の上昇率の増減に伴って前記第1閾値と前記第2閾値との差分を増減するように構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の点灯装置。
  4. 前記制御回路は、前記検知温度の上昇率の増減に伴って前記第1閾値の減少量を増減するように構成されることを特徴とする請求項3記載の点灯装置。
  5. 前記制御回路は、前記検知温度の上昇率の増減に伴って前記電源回路の出力を増減するように構成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の点灯装置。
  6. 前記制御回路は、前記電源回路の出力の増減に伴って前記基準値を変化させるように構成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の点灯装置。
  7. 前記温度検知回路は、温度変化に伴い特性値が変化する感温素子を用いて前記固体発光素子の温度を検知するように構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の点灯装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の点灯装置と、前記光源を保持する器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。
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