JP2014156400A - 腫瘍の画像診断用標識誘導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速かつ非侵襲的な、サバイビン発現抑制剤、殊にYM155に対する感受性・非感受性患者の分別を可能とする画像診断用の標識誘導体を提供する。
【解決手段】本発明者らは、YM155に対する感受性・非感受性患者の分別を可能とする方法を鋭意検討し、1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩の標識誘導体が、YM155感受性腫瘍に対して良好な集積性を有し、陽電子断層撮影(PET)や単一光子断層撮影(SPECT)による腫瘍の画像化を可能とすることを見出した。よって、本発明の標識誘導体は、放射標識トレーサーとして、迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別や、YM155感受性腫瘍の大きさやステージングの診断、さらにはYM155やその他の抗腫瘍剤による治療効果の診断に使用しうる。
【選択図】 図6
【解決手段】本発明者らは、YM155に対する感受性・非感受性患者の分別を可能とする方法を鋭意検討し、1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩の標識誘導体が、YM155感受性腫瘍に対して良好な集積性を有し、陽電子断層撮影(PET)や単一光子断層撮影(SPECT)による腫瘍の画像化を可能とすることを見出した。よって、本発明の標識誘導体は、放射標識トレーサーとして、迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別や、YM155感受性腫瘍の大きさやステージングの診断、さらにはYM155やその他の抗腫瘍剤による治療効果の診断に使用しうる。
【選択図】 図6
Description
本発明は、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種で標識された標識誘導体に関する。更に、当該標識誘導体を含む腫瘍の画像診断用組成物、ならびにそれを作成するためのキットに関する。
サバイビンはアポトーシスを制御するIAPファミリータンパク質の一つであり、主要な癌種で過剰発現している。サバイビンは、胎盤、精巣及びCD34+骨髄幹細胞等の急速に分裂する細胞には存在するが、ほとんどの正常な分化細胞での発現は低い。癌におけるサバイビンの過剰発現が、非小細胞肺癌患者の生存率が低いことと関係していることが報告されている(Monzo M, et al., J Clin Oncol 1999;17:2100-4)。サバイビンの発現抑制は癌細胞の有糸分裂を止めてアポトーシスを誘導する(Giodini A, et al., Cancer Res 2002;62:2462-7、Giodini A, et al., Cancer Res 2002;62:2462-7、及び、Yamamoto T, et al., Med Electron Microsc 2001;34:207-12)。サバイビンの癌細胞選択的な発現、癌細胞におけるアポトーシスを抑制する能力、そしてサバイビン発現が細胞周期を制御していることや癌の悪性度や予後と相関する報告から、サバイビンは癌治療における新しいターゲットとして注目されている。
良好な抗腫瘍活性を有し、低毒性で安全域の広い縮合イミダゾリウム誘導体が国際公開第01/60803号及び第2004/092160号パンフレット(特許文献1及び2)に開示されている。中でも、下式で示される、臭化 1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム(以下、YM155と略記する)は、良好なin vivoにおける癌増殖阻害活性を有し、しかも低毒性であることから抗癌剤として期待されることが開示されている。
YM155はサバイビンを選択的に抑制することが見出された最初の低分子化合物であり、ヒトホルモン抵抗性前立腺癌(HRPC)移植モデル(Nakahara et al. Cancer Res. 2007;67:8014-21.)、ヒトNSCLC移植モデル(Proc Amer Assoc Cancer Res 2006; 47:[Abstract #5671])、更に、進行性固形癌や非ホジキンリンパ腫(NHL)の患者において(Nakahara et al. Cancer Sci. 2011;102:614-21.)、良好な抗癌作用を示した。さらに、YM155は時間依存的な抗腫瘍作用を示し、YM155の7日間皮下持続投与によりHRPC移植モデルで腫瘍退縮が誘導された(前出Nakahara et al. Cancer Res. 2007;67:8014-21)。
一方、近年、標識誘導体を用いた陽電子断層撮影法(PET)や単一光子断層撮影(SPECT)による腫瘍の画像診断が行われつつあり、[18F]Fluoro-2-deoxy-D-glucose (FDG)や[18F]Fluoro-3'-deoxy-3'-L-fluorothymidine (FLT)等の標識トレーサーが使用されている。
一方、近年、標識誘導体を用いた陽電子断層撮影法(PET)や単一光子断層撮影(SPECT)による腫瘍の画像診断が行われつつあり、[18F]Fluoro-2-deoxy-D-glucose (FDG)や[18F]Fluoro-3'-deoxy-3'-L-fluorothymidine (FLT)等の標識トレーサーが使用されている。
YM155に代表されるサバイビン発現抑制剤は、腫瘍細胞内部においてその標的であるサバイビンの発現を抑制して腫瘍細胞のアポトーシスを誘導する。サバイビンは殆どの癌細胞種で高発現していることが報告されているが、これまでの担癌モデル動物を用いた試験において一部の癌腫ではYM155に対する感受性が低いことが確認されている。治療を行う前に患者腫瘍のYM155に対する感受性を予測することが可能であれば、患者の治療機会を奪うことなく、感受性のある患者に効果的にYM155の抗腫瘍効果をもたらすことが期待される。従って、より迅速かつ非侵襲的な、サバイビン発現抑制剤、殊にYM155に対する感受性・非感受性患者の分別を可能とする診断方法の開発が切望されている。
本発明者等は、臭化 1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム(YM155)に陽電子放出核種を導入して作製した陽電子放出核種標識誘導体を用いて陽電子断層撮影法(PET)を行なったところ、意外にも、良好にYM155感受性腫瘍に陽電子放出核種標識誘導体が集積し、腫瘍が画像化できることを知見した。更にYM155の標識誘導体の集積性と抗腫瘍効果には相関関係があることを見出し、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種で標識されたYM155の標識誘導体を用いたPETや単一光子断層撮影(SPECT)による腫瘍イメージングにより、迅速かつ非侵襲的に、YM155感受性・非感受性患者の分別が可能であるばかりでなく、感受性腫瘍の大きさやステージングの診断、更にはYM155や他の抗腫瘍剤の治療効果の診断が可能であることをも知見し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、式(I)
(式中、X-は、カウンターアニオンであるか又は存在しない)
で示される1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩において、(a)その構成する炭素、窒素及び酸素原子の少なくとも1つが陽電子放出核種であるか、又は、(b)陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基を少なくとも1つ導入したものである、標識誘導体に関する。
ここに、「導入」とは、式(I)の化合物に存在するいずれかの水素原子或いは末端の官能基(具体的にはメトキシ基及びメチル基)に替えて、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基を置換することを意味する。なお、特に記載がない限り、本明細書中にある化学式中の記号が他の化学式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
また、本発明は、検出可能な量の前記標識誘導体を含む腫瘍の画像診断用組成物、好ましくはYM155に対する腫瘍の感受性診断用組成物、並びに、前記画像診断用組成物を作成するための、原料化合物と少なくとも一つの標識するための試薬とを包含するキットに関する。また、腫瘍の画像診断用である前記標識誘導体にも関する。
更に、本発明は、前記画像診断用組成物によるYM155感受性・非感受性患者の分別、これらの感受性腫瘍の存在・大きさ・ステージング等の診断、抗腫瘍剤によるこれらの感受性腫瘍の治療効果の診断等への使用を包含する。
で示される1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩において、(a)その構成する炭素、窒素及び酸素原子の少なくとも1つが陽電子放出核種であるか、又は、(b)陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基を少なくとも1つ導入したものである、標識誘導体に関する。
ここに、「導入」とは、式(I)の化合物に存在するいずれかの水素原子或いは末端の官能基(具体的にはメトキシ基及びメチル基)に替えて、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基を置換することを意味する。なお、特に記載がない限り、本明細書中にある化学式中の記号が他の化学式においても用いられる場合、同一の記号は同一の意味を示す。
また、本発明は、検出可能な量の前記標識誘導体を含む腫瘍の画像診断用組成物、好ましくはYM155に対する腫瘍の感受性診断用組成物、並びに、前記画像診断用組成物を作成するための、原料化合物と少なくとも一つの標識するための試薬とを包含するキットに関する。また、腫瘍の画像診断用である前記標識誘導体にも関する。
更に、本発明は、前記画像診断用組成物によるYM155感受性・非感受性患者の分別、これらの感受性腫瘍の存在・大きさ・ステージング等の診断、抗腫瘍剤によるこれらの感受性腫瘍の治療効果の診断等への使用を包含する。
本発明の標識誘導体は、YM155感受性腫瘍に対して良好な集積性を有し、陽電子断層撮影(PET)や単一光子断層撮影(SPECT)による腫瘍の画像化を可能とする。よって、本発明の標識誘導体は、放射標識トレーサーとして、迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別や、YM155感受性腫瘍の大きさやステージングの診断、更にはYM155やその他の抗腫瘍剤による治療効果の診断に使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「ハロゲン原子」としては、F,Cl,Br及びI原子が挙げられ、「ハロゲンイオン」としては、これらのイオンが挙げられる。
「カウンターアニオン」としては、イミダゾリウムカチオンのカウンターアニオンとして生理的に許容されるアニオンであれば、特に制限はなく、好ましくは、ハロゲンイオン、有機スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等)、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン等の、1価若しくは2価のアニオンが挙げられ、特に好ましくはハロゲンイオンである。ある態様としては、カウンターアニオンは、Cl-、Br-及びI-である。ある態様としては、カウンターアニオンは、Cl-及びBr-である。ある態様としては、カウンターアニオンは、Cl-である。別の態様としては、カウンターアニオンは、Br-である。
本発明の標識誘導体において、その構成する炭素、窒素及び酸素原子の少なくとも1つが陽電子放出核種である場合、当該陽電子放出核種としては、例えば11C 、13N若しくは15O原子が挙げられる。
本発明において、「ハロゲン原子」としては、F,Cl,Br及びI原子が挙げられ、「ハロゲンイオン」としては、これらのイオンが挙げられる。
「カウンターアニオン」としては、イミダゾリウムカチオンのカウンターアニオンとして生理的に許容されるアニオンであれば、特に制限はなく、好ましくは、ハロゲンイオン、有機スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等)、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン等の、1価若しくは2価のアニオンが挙げられ、特に好ましくはハロゲンイオンである。ある態様としては、カウンターアニオンは、Cl-、Br-及びI-である。ある態様としては、カウンターアニオンは、Cl-及びBr-である。ある態様としては、カウンターアニオンは、Cl-である。別の態様としては、カウンターアニオンは、Br-である。
本発明の標識誘導体において、その構成する炭素、窒素及び酸素原子の少なくとも1つが陽電子放出核種である場合、当該陽電子放出核種としては、例えば11C 、13N若しくは15O原子が挙げられる。
一方、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基が少なくとも1つ導入された本発明の標識誘導体において、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子としては、18F(陽電子放出核種)、123I(単一光子放出核種)、124I(陽電子放出核種)、131I(単一光子放出核種)、75Br(陽電子&単一光子放出核種)、76Br(陽電子放出核種)、77Br(陽電子&単一光子放出核種)、および82Br(単一光子放出核種)原子が挙げられ、該ハロゲン原子が式(I)の化合物の置換可能な部位に直接置換基として導入されていてもよく、又は、該ハロゲン原子を含む官能基、例えば、ハロゲノアルキル基、ハロゲノアルコキシ基として、式(I)の化合物の置換可能な部位に置換基として導入されていてもよい。
ここにハロゲノアルキル基としては、ハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜3個の低級アルキル基であり、ハロゲノアルコキシ基としては、ハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜3個の低級アルコキシ基である。好ましい官能基としては、フロオロメチル、フルオロエチル、フルオロメトキシ並びにフルオロエトキシ基が挙げられる。
ここにハロゲノアルキル基としては、ハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜3個の低級アルキル基であり、ハロゲノアルコキシ基としては、ハロゲン原子が1〜3個置換した炭素数1〜3個の低級アルコキシ基である。好ましい官能基としては、フロオロメチル、フルオロエチル、フルオロメトキシ並びにフルオロエトキシ基が挙げられる。
ある態様としては、その構成する炭素原子の1つが11Cで標識されている、陽電子放出核種標識誘導体であって、11Cはいずれの位置にあってもよく、例えば、下式(I−1a)及び(I−1b)で示される誘導体が挙げられる。
他の態様としては、18Fもしくはこれを含む官能基が導入された陽電子放出核種標識誘導体であって、18Fもしくはこれを含む官能基はいずれの位置に導入してもよく、例えば、18Fを導入した標識誘導体としては下式(I-2)及び(I-3)で示される誘導体が、18Fを含む官能基を導入した標識誘導体としては、下式(I-4)及び (I-5)で示される誘導体が挙げられる。ある態様としては、式(I)の化合物のメトキシ基を18Fもしくはこれを含む官能基で置換した陽電子放出核種標識誘導体である。別の態様としては、式(I)の化合物のメトキシ基を、18Fもしくは[18F]フルオロアルコキシ基(例えば、フルオロメチル基、フルオロエチル基)で置換した陽電子放出核種標識誘導体である。
(上記式中、nは1若しくは2を示す。)
本発明の標識誘導体は、ほとんど未変化体のまま尿中に排泄され、代謝による影響を受けにくい点で有利である。
本発明の標識誘導体は、ほとんど未変化体のまま尿中に排泄され、代謝による影響を受けにくい点で有利である。
本発明の標識誘導体は、放射標識トレーサーとしてPETやSPECT等に使用される。本発明の標識誘導体は、生体内でサバイビン感受性腫瘍へ集積性を有し、PET、SPECT及び同様の画像化方法によるその腫瘍の画像化を可能にするものである。小動物試験においてはin vivoでの画像診断手段として、小動物用PETシステムに加えて、断層像ではなく平面集積画像を取得する装置Planar Positron Imaging System (PPIS)にも使用することができる。更には、摘出臓器の切片における画像解析手段であるオートラジオグラフィーや、γカウンターを用いた摘出臓器における集積性の評価にも利用できる。
本発明の標識誘導体に使用される陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種としては、PET用には、11C、13N、15O、18F、76Br等が好ましい。SPECT用としては、前述の核種に加えて123I等のより半減期の長い核種も好適である。陽電子放出核種の中でも、臨床PET試験として半減期が適当であること、標識しやすいことから、11C及び18Fが特に好ましい。
一般的には、これらの核種はサイクロトロンと呼ばれる装置により産生させる。産生核種に応じた産生方法及び装置が選択できる。そのようにして産生された核種を用いて、式(I)の化合物を標識することができる。11Cなどの半減期が短い核種を用いる場合は、使用する施設内などに設置された(超)小型サイクロトロンから所望の核種を得て、当該分野において公知の方法により本発明の標識誘導体を製造し、画像診断用組成物を作製することができる。
本発明の標識誘導体に使用される陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種としては、PET用には、11C、13N、15O、18F、76Br等が好ましい。SPECT用としては、前述の核種に加えて123I等のより半減期の長い核種も好適である。陽電子放出核種の中でも、臨床PET試験として半減期が適当であること、標識しやすいことから、11C及び18Fが特に好ましい。
一般的には、これらの核種はサイクロトロンと呼ばれる装置により産生させる。産生核種に応じた産生方法及び装置が選択できる。そのようにして産生された核種を用いて、式(I)の化合物を標識することができる。11Cなどの半減期が短い核種を用いる場合は、使用する施設内などに設置された(超)小型サイクロトロンから所望の核種を得て、当該分野において公知の方法により本発明の標識誘導体を製造し、画像診断用組成物を作製することができる。
YM155はイミダゾール環の1位及び3位がそれぞれ置換低級アルキルによって置換され、イミダゾリウムカチオンを形成し、当該カチオンが臭化アニオンとイオン対を形成している化合物である。本発明の標識誘導体も同様にイミダゾリウムカチオンを形成し、カウンターアニオン(X-)とイオン対を形成している。本発明の標識化合物が水性溶剤に溶解している場合は、カウンターアニオン(X-)とイオン対を形成しておらず、X-は存在しない。
また、YM155はカチオンの非局在化による互変異性体を有することが知られており、本発明の標識誘導体も同様に互変異性体を有している。本発明の標識誘導体としては、これらの異性体の分離したもの,あるいは混合物が包含される。
本発明の標識誘導体は前記カウンターアニオンとの塩以外に、条件によっては塩を形成する場合があり、本発明にはこれらの塩も包含される。ここに、塩としては,塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸等の無機酸,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,フマル酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,クエン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,アスパラギン酸,グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられる。
更に、本発明の標識誘導体は、水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質として提供される場合もあり、本発明はこれらを包含する。
また、YM155はカチオンの非局在化による互変異性体を有することが知られており、本発明の標識誘導体も同様に互変異性体を有している。本発明の標識誘導体としては、これらの異性体の分離したもの,あるいは混合物が包含される。
本発明の標識誘導体は前記カウンターアニオンとの塩以外に、条件によっては塩を形成する場合があり、本発明にはこれらの塩も包含される。ここに、塩としては,塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,リン酸等の無機酸,ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,フマル酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,酒石酸,クエン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,アスパラギン酸,グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられる。
更に、本発明の標識誘導体は、水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質として提供される場合もあり、本発明はこれらを包含する。
(製造法)
当該分野において公知の方法により、所望の核種を用いて前記式(I)で示される1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩の標識誘導体を製造することができる。1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩の製造法は、国際公開01/60803号ならびに国際公開2004/092160号に具体的に記載される。
その構成する原子が陽電子放出核種である場合は、所望の箇所に目的の陽電子放出核種、例えば11C 、13N若しくは15O原子が位置するよう原料化合物と合成ルートを選択することができる。
例えば、11Cを導入した化合物(I-1a)は、サイクロトロンにより産生させた[11C]CO2を用いて、以下の合成ルートにより製造することができる。なお、式中の*は陽電子若しくは単一光子放出核種の存在を示す。
当該分野において公知の方法により、所望の核種を用いて前記式(I)で示される1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩の標識誘導体を製造することができる。1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム若しくはその塩の製造法は、国際公開01/60803号ならびに国際公開2004/092160号に具体的に記載される。
その構成する原子が陽電子放出核種である場合は、所望の箇所に目的の陽電子放出核種、例えば11C 、13N若しくは15O原子が位置するよう原料化合物と合成ルートを選択することができる。
例えば、11Cを導入した化合物(I-1a)は、サイクロトロンにより産生させた[11C]CO2を用いて、以下の合成ルートにより製造することができる。なお、式中の*は陽電子若しくは単一光子放出核種の存在を示す。
陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基を少なくとも1つ導入した本発明の標識誘導体は、当業者に公知の方法で、該ハロゲン原子或いはこれを含む官能基を置換基として導入することより製造できる。
例えば、化合物(I−4)は、サイクロトロンにより産生させた[18F]KFより合成した化合物12を用いて、以下の合成ルートにより製造することができる。
また、化合物(I-5)は、サイクロトロンにより産生させた[18F]KFより合成した化合物18を用いて、以下の合成ルートにより製造することができる。各反応は国際公開01/60803号パンフレット記載の方法並びに当業者に公知の方法に従い容易に実施できる。
このようにして製造された本発明標識誘導体の単離・精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
本発明の画像診断用組成物は、前記標識誘導体を少なくとも1つの製薬学的に許容される担体と組み合わせることにより製造することができる。本発明の画像診断用組成物は、静脈内投与に適した剤型であることが好ましく、例えば、静脈内投与のための注射剤である。ここに注射剤としては,無菌の水性又は非水性の液剤,懸濁剤,乳剤を含有するものが挙げられる。水性の溶剤としては,例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては,例えばプロピレングリコール,ポリエチレングリコール,オリーブ油のような植物油,エタノールのようなアルコール類,ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は,さらに等張化剤、防腐剤,湿潤剤,乳化剤,分散剤,安定化剤,溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過,殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し,使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。ある態様としては、本発明の画像診断用組成物は、静脈内投与用の注射剤である。別の態様としては、水性の液剤である。
本発明の画像診断用組成物は、使用する撮影法(PET、SPECT等)、疾患の種類、患者の年齢・状態、検査部位、画像化の目的によって投与量を調整して使用できる。本発明の画像診断用組成物は、検出可能な量の標識誘導体を包含する必要があるが、患者の被爆量については十分に注意を要する必要がある。例えば、11Cにより標識された本発明の画像診断用組成物の放射能量としては、約100〜2000メガベクレル(MBq)程度であり、好ましくは、約185〜740MBqである。これを1回もしくは複数回に分けて投与するか、持続的に点滴投与する。
本発明は、画像診断用組成物を作成するための原料化合物と少なくとも一つの標識するための試薬とを包含するキットを包含する。ある態様としては、本発明の標識誘導体の迅速な合成のためのキットである。キットは、本発明標識誘導体を製造するための中間体化合物と、陽電子放出同位体を含む標識するための試薬を包含し、必要時に画像診断用組成物を作製するために使用できる。また、当該分野で公知のような、反応容器、反応容器に同位体物質を移すための装置、生成物を過剰の反応物から分離するための前もって充填された分離カラム、遮蔽物等のような、器具類をも含み得る。
以下、実施例に基づき、本発明の標識誘導体の製造法並びにその効果をさらに詳細に説明する。なお、実施例中のCiは、放射能の単位キュリー(1 Ci = 3.7×1010 Bq)を示す。
実施例1
サイクロトロンから製造された[11C]CO2(1.5 Ci)をN2ガスをキャリアーガスとして、あらかじめ-20℃に冷却した0.5 M 塩化メチルマグネシウム(ジエチルエーテル中) (0.3 mL)に導入した。フタロイルジクロリド(0.15 mL)、2,6-ジ-t-ブチルピリジン(0.27 mL)を加えて撹拌した後、40℃で窒素バブリングすることによりジエチルエーテルを除いた。続いて反応溶液を140℃まで加温しながら[11C]塩化アセチルとして蒸留し、あらかじめ-30℃に冷却しておいた2-クロロ-3-[(2-メトキシエチル)アミノ]-1,4-ナフトキノン(10 mg)、フルオロスルホン酸(6μL)及びアセトニトリル(0.3 mL)の溶液に導入し、80℃で3分間反応させた。続いて2-アミノメチルピラジン(80μL)、エタノール(0.3 mL)及び水(0.3 mL)の溶液を反応液に加えて80℃で3分間反応させた後、4M塩酸(0.9 mL)を加えて100℃で5分間反応させた。得られた反応溶液をHPLCで精製した(移動相: 0.04 M塩酸:アセトニトリル=80:20, カラム: YMC-Pack Pro C18, S-5μm, 12 nm, 10×250 mm, 流速: 4 mL/min)。得られた[11C] 1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム分画を濃縮し、生理食塩水を加えて[11C] 1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウムを含む液剤を得た(3.5 mCi)。
実施例1
サイクロトロンから得られた[11C]CO2からCH3I自動合成装置を用いて[11C]CH3Iを製造し(1.3 Ci)、あらかじめ-20℃に冷却しておいたN-t-ブトキシカルボニルアミノエタノール(2 mg)、60% 水酸化テトラn-ブチルアンモニウム(10μL)及びアセトニトリル(0.2 mL)の溶液に導入した後5℃で3分間反応させた。得られた反応溶液にトリフルオロ酢酸 (0.1 mL)を加えて、70℃で4分間加熱した後、減圧濃縮した。濃縮残渣にN-(3-クロロ-1,4-ジヒドロ-1,4-ジオキソ-2-ナフタレニル)-N-(2-ピラジルメチル)アセタミド(5 mg)、トリエチルアミン(40μL)及びアセトニトリル(0.3 mL)を加えて80℃で5分間加熱した。続いて4M塩酸(0.8 mL)を加えて100℃で5分間反応させた。得られた反応溶液をHPLCで精製した(移動相: 0.02 M 塩酸:アセトニトリル=80:20, カラム: YMC-Pack Pro C18, S-5μm, 12 nm, 10×250 mm, 流速: 4 mL/min)。得られた[11C] 1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム分画を濃縮し、生理食塩水を加えて[11C] 1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウムを含む液剤を得た(13 mCi)。
サイクロトロンから得られた[18F]-イオン水溶液をあらかじめコンディショニングしておいた陰イオン交換樹脂(Sep-Pak QMA)に吸着させた後、20 mM炭酸カリウム水溶液(1 mL)で溶出した。4,7,13,16,21,24-ヘキサオキサ-1,10-ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン(20 mg)、アセトニトリル(1 mL)を溶出液に加えて120℃で減圧濃縮した。さらに濃縮液にアセトニトリルを加え減圧濃縮した。この操作を2回繰り返した。得られた濃縮残渣にN,N-ジ-t-ブトキシカルボニルアミノエチルトシレート(30 mg)及びアセトニトリル(2.0 mL)を加えて95℃で10分間加熱した。反応溶液をHPLCで精製した(移動相: 水 : アセトニトリル = 35 : 65, カラム: YMC-Pack Pro C18, S-5μm, 12 nm, 10×250 mm, 流速: 4 mL/min)。得られた[18F]N,N-ジ-t-ブトキシカルボニルフルオロエチルアミン分画にトリフルオロ酢酸(0.5 mL)及び水(0.5 mL)を加えて100℃で5分間加熱した。反応溶液を減圧濃縮し、N-(2-クロロ-1,4-ジヒドロ-1,4-ジオキソ-2-ナフタレニル)-N-(2-ピラジルメチル)アセタミド(10 mg)、トリエチルアミン(40μL)及びアセトニトリル(2.0 mL)を加えて75℃で5分間加熱した。続いて4M塩酸(0.8 mL)を加えて100℃で5分間反応させた。得られた反応溶液をHPLCで精製した(移動相: 0.02M 塩酸:アセトニトリル=80:20, カラム: YMC-Pack Pro C18, S-5μm, 12 nm, 10×250 mm, 流速: 4 mL/min)。得られた[18F] 1-(2-フルオロエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム分画を濃縮し、生理食塩水を加えて[18F] 1-(2-フルオロエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウムを含む液剤を得た(1.9 mCi)。
実施例4
YM155高感受性株であるPC-3細胞と低感受性株であるA549細胞による担癌マウス2群を用いて、実施例1で得た11Cを導入した化合物(I-1a)(以下、[11C]YM155と略記する)の液剤を用いて[11C]YM155の腫瘍移行性試験を実施した。
10%血清含む最適培地で培養したPC-3細胞とA549細胞をそれぞれ50%マトリジェル/PBS溶液に懸濁し,3×106 cells/0.1 mL/mouseでヌードマウスの右大腿皮下に移植した。ノギス測定によって、腫瘍体積の平均が約250 mm3であることを目安として、群内群間のばらつきが小さくなるように群分けして試験に用いた。
次に、[11C]YM155溶液をマウス尾静脈内に投与し、投与40分後にマウスを断頭して、腫瘍、血液、筋肉、肝臓、腎臓をそれぞれ摘出し、その重量とガンマカウンターによる放射能を測定して薬剤移行性を算出した。1群あたり5匹での測定を行った。
[11C]YM155の腫瘍移行性に関する画像データとして、気化麻酔下の担癌マウス (1匹/群) を非侵襲的にPlanar Positron Imaging System (PPIS)(浜松ホトニクス社製)を用いて、[11C]YM155溶液(約5 MBq) の尾静脈内投与後から最大60分間までの10分間毎の連続撮像を行った。
さらに、[11C]YM155の投与40分後に担癌マウスから腫瘍を摘出しスライスしたものをオートラジオグラフィーにて[11C]YM155の集積に基づく画像を取得した。1群あたり3匹での測定を行った。
YM155高感受性株であるPC-3細胞と低感受性株であるA549細胞による担癌マウス2群を用いて、実施例1で得た11Cを導入した化合物(I-1a)(以下、[11C]YM155と略記する)の液剤を用いて[11C]YM155の腫瘍移行性試験を実施した。
10%血清含む最適培地で培養したPC-3細胞とA549細胞をそれぞれ50%マトリジェル/PBS溶液に懸濁し,3×106 cells/0.1 mL/mouseでヌードマウスの右大腿皮下に移植した。ノギス測定によって、腫瘍体積の平均が約250 mm3であることを目安として、群内群間のばらつきが小さくなるように群分けして試験に用いた。
次に、[11C]YM155溶液をマウス尾静脈内に投与し、投与40分後にマウスを断頭して、腫瘍、血液、筋肉、肝臓、腎臓をそれぞれ摘出し、その重量とガンマカウンターによる放射能を測定して薬剤移行性を算出した。1群あたり5匹での測定を行った。
[11C]YM155の腫瘍移行性に関する画像データとして、気化麻酔下の担癌マウス (1匹/群) を非侵襲的にPlanar Positron Imaging System (PPIS)(浜松ホトニクス社製)を用いて、[11C]YM155溶液(約5 MBq) の尾静脈内投与後から最大60分間までの10分間毎の連続撮像を行った。
さらに、[11C]YM155の投与40分後に担癌マウスから腫瘍を摘出しスライスしたものをオートラジオグラフィーにて[11C]YM155の集積に基づく画像を取得した。1群あたり3匹での測定を行った。
ここに、表1、図1及び2において、%ID/gは投与した全放射能(ID:injected dose)の何%がg当り組織・臓器に分布するかを示す相対的濃度値(組織放射能濃度(Bq/g)を投与量(Bq)で除して算出した値)を、SUVは投与した全放射能が全身に均一に分布したときを1とする相対的濃度値(%ID/gをマウス体重(g)で除して算出した値)を、T/Bは[11C]YM155濃度の腫瘍/血液比を、及び、T/Mは[11C]YM155濃度の腫瘍/筋肉比をそれぞれ示す。
表1、図1及び2より、YM155高感受性株、すなわちYM155による抗腫瘍効果が高いPC-3では、YM155低感受性株、すなわち抗腫瘍効果が低いA549と比較して、[11C]YM155の腫瘍組織中濃度が約5倍高い値であることが示された。また、[11C]YM155濃度の腫瘍/血液(T/B)比、並びに腫瘍/筋肉(T/M)比より、高感受性株であるPC-3ではT/BおよびT/Mのいずれも低感受性株であるA549と比較して格段に高い値を示し、YM155の抗腫瘍効果(感受性)と[11C]YM155の腫瘍への集積性に高い相関が見られることが確認された。
図3の(A)PC-3細胞及び(B)A549細胞による担癌マウスのPPIS画像において、コントロールとして左足の画像を用いて、左右足の集積比を測定したところ、PC-3で1.71、A549で1.17であった。YM155高感受性の腫瘍であることが知られるPC-3腫瘍では、[11C]YM155の高い集積比を示し、実際の画像においてもYM155感受性腫瘍の存在が画像化により診断できることが確認された。
図4の摘出腫瘍によるオートラジオグラフィーの結果は、PC-3では高い集積が認められた一方でA549では低い集積であることを示し、図3のPPISを用いたの非侵襲的な担癌マウスの画像結果を強く支持した。
表1、図1及び2より、YM155高感受性株、すなわちYM155による抗腫瘍効果が高いPC-3では、YM155低感受性株、すなわち抗腫瘍効果が低いA549と比較して、[11C]YM155の腫瘍組織中濃度が約5倍高い値であることが示された。また、[11C]YM155濃度の腫瘍/血液(T/B)比、並びに腫瘍/筋肉(T/M)比より、高感受性株であるPC-3ではT/BおよびT/Mのいずれも低感受性株であるA549と比較して格段に高い値を示し、YM155の抗腫瘍効果(感受性)と[11C]YM155の腫瘍への集積性に高い相関が見られることが確認された。
図3の(A)PC-3細胞及び(B)A549細胞による担癌マウスのPPIS画像において、コントロールとして左足の画像を用いて、左右足の集積比を測定したところ、PC-3で1.71、A549で1.17であった。YM155高感受性の腫瘍であることが知られるPC-3腫瘍では、[11C]YM155の高い集積比を示し、実際の画像においてもYM155感受性腫瘍の存在が画像化により診断できることが確認された。
図4の摘出腫瘍によるオートラジオグラフィーの結果は、PC-3では高い集積が認められた一方でA549では低い集積であることを示し、図3のPPISを用いたの非侵襲的な担癌マウスの画像結果を強く支持した。
実施例5
担癌マウスにおけるYM155の抗腫瘍効果と[11C]YM155の腫瘍移行性に関する相関を詳細に調べるため、PC-3細胞、A375細胞、Calu-6細胞、SK-MEL-5細胞、A549細胞そしてHCT-15細胞による6種の皮下移植担癌マウスを用いて、YM155の抗腫瘍評価試験と[11C]YM155の腫瘍移行性試験を実施した。担癌マウスは、10%血清含む最適培地で培養したそれぞれの腫瘍細胞を50%マトリジェル/PBS溶液に懸濁し,3 × 106 cells/0.1 mL/mouseでヌードマウスの右前肢付け根に皮下移植し作成した。
抗腫瘍評価試験では、2 mg/kgで7日間のスケジュールにてYM155を皮下持続投与し、ノギスによる腫瘍体積の変化にて抗腫瘍効果を評価した(n=5)。
腫瘍移行性試験では、担癌マウスの尾静脈内に約5 MBqの[11C]YM155を投与し、投与30分後から10分間のイソフルラン気化麻酔下における担癌マウスのPET画像を動物用PETカメラ(Inveon シーメンス社製)を用いて撮影した。PET画像は期待値最大化法(ordered subset expectation maximization,OSEM)にて再構成を行った後、担癌マウス腫瘍部分に関心領域(ROI)を設定し、[11C]YM155の腫瘍集積(Standardized Uptake Value (SUV))を、ROIにおける放射能カウント(MBq/g)÷〔投与量(MBq)/体重(g)〕として算出した(n=5)。
担癌マウスにおけるYM155の抗腫瘍効果と[11C]YM155の腫瘍移行性に関する相関を詳細に調べるため、PC-3細胞、A375細胞、Calu-6細胞、SK-MEL-5細胞、A549細胞そしてHCT-15細胞による6種の皮下移植担癌マウスを用いて、YM155の抗腫瘍評価試験と[11C]YM155の腫瘍移行性試験を実施した。担癌マウスは、10%血清含む最適培地で培養したそれぞれの腫瘍細胞を50%マトリジェル/PBS溶液に懸濁し,3 × 106 cells/0.1 mL/mouseでヌードマウスの右前肢付け根に皮下移植し作成した。
抗腫瘍評価試験では、2 mg/kgで7日間のスケジュールにてYM155を皮下持続投与し、ノギスによる腫瘍体積の変化にて抗腫瘍効果を評価した(n=5)。
腫瘍移行性試験では、担癌マウスの尾静脈内に約5 MBqの[11C]YM155を投与し、投与30分後から10分間のイソフルラン気化麻酔下における担癌マウスのPET画像を動物用PETカメラ(Inveon シーメンス社製)を用いて撮影した。PET画像は期待値最大化法(ordered subset expectation maximization,OSEM)にて再構成を行った後、担癌マウス腫瘍部分に関心領域(ROI)を設定し、[11C]YM155の腫瘍集積(Standardized Uptake Value (SUV))を、ROIにおける放射能カウント(MBq/g)÷〔投与量(MBq)/体重(g)〕として算出した(n=5)。
(結果)
YM155の抗腫瘍効果を図5に、[11C]YM155を投与したPET画像をSUV値と共に図6に示す。YM155の抗腫瘍効果と[11C]YM155の腫瘍移行性の相関を図7及び図8に示す。図7は、6種の担癌マウスにおける、図5で示すYM155の抗腫瘍効果(縦軸:阻害%)と、図6で示すPET画像からの[11C]YM155の腫瘍集積(横軸:SUV値)との相関を示す。また、図8(A)には、図7の相関から、[11C]YM155の腫瘍集積(SUV値)の低い群(SUV<0.3;A549とHCT-15)と高い群(SUV>0.3;PC-3、A375、Calu-6及びSK-MEL-5)の2群に分け、それぞれの群における抗腫瘍効果(阻害%)の平均値を、図8(B)には、図7の相関から、YM155抵抗性(阻害%<30%;A549とHCT-15)とYM155感受性(阻害%>30%;PC-3、A375、Calu-6及びSK-MEL-5)の2群に分け、それぞれのPET画像からの[11C]YM155の腫瘍集積(PET SUV)の平均値を示した。
YM155の抗腫瘍効果を図5に、[11C]YM155を投与したPET画像をSUV値と共に図6に示す。YM155の抗腫瘍効果と[11C]YM155の腫瘍移行性の相関を図7及び図8に示す。図7は、6種の担癌マウスにおける、図5で示すYM155の抗腫瘍効果(縦軸:阻害%)と、図6で示すPET画像からの[11C]YM155の腫瘍集積(横軸:SUV値)との相関を示す。また、図8(A)には、図7の相関から、[11C]YM155の腫瘍集積(SUV値)の低い群(SUV<0.3;A549とHCT-15)と高い群(SUV>0.3;PC-3、A375、Calu-6及びSK-MEL-5)の2群に分け、それぞれの群における抗腫瘍効果(阻害%)の平均値を、図8(B)には、図7の相関から、YM155抵抗性(阻害%<30%;A549とHCT-15)とYM155感受性(阻害%>30%;PC-3、A375、Calu-6及びSK-MEL-5)の2群に分け、それぞれのPET画像からの[11C]YM155の腫瘍集積(PET SUV)の平均値を示した。
図5より、それぞれの担癌マウスにおけるYM155の抗腫瘍効果として、PC-3、A375、Calu-6、SK-MEL-5は高感受性株群であり、A549とHCT-15は抵抗性株群であることが明らかであった。さらに、図6の[11C]YM155投与による担癌マウスのPET画像では、PC-3、A375、Calu-6、SK-MEL-5の腫瘍に高い[11C]YM155の集積が認められ、一方A549とHCT-15の腫瘍への集積は低かった。このように、[11C]YM155を用いたPET画像より、YM155高感受性腫瘍に対しては[11C]YM155の集積が高く、YM155抵抗性腫瘍に対しては[11C]YM155の集積は低いことが確認された。腫瘍のYM155に対する感受性と、腫瘍への[11C]YM155の集積性をさらに詳細に解析すると、図7に示すように、YM155の抗腫瘍効果と[11C]YM155の腫瘍移行性の間には良好な相関が認められることが示された。図8の(A)より、SUV値が0.3より大きい腫瘍においては、SUV値0.3未満の腫瘍に比べ顕著に高い薬効が現れた、一方、(B)より、退縮率30%以上の高感受性腫瘍への[11C]YM155の集積量は、退縮率30%未満のYM155抵抗性腫瘍への集積量に比べて顕著に高いものであることが認められた。これらの結果は、その構成する炭素、窒素及び酸素原子の少なくとも1つが陽電子放出核種である本発明の標識誘導体を用いて、迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別が可能であることを示す。更に、図6のPET画像より、YM155感受性腫瘍においては、本発明の標識誘導体が、腫瘍の大きさやステージングの診断、さらにはYM155やその他の抗腫瘍剤による治療効果の診断へも利用可能であることが示される。
実施例6
まずYM155及び前記実施例3と同様の方法で製造した 1-(2-フルオロエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム(以下F-YM155と略記する)を用いて、in vitro培養細胞への取り込み試験を実施した。すなわち、YM155高感受性細胞株であるPC-3、抵抗性細胞株であるA549をそれぞれ6-well plateにて培養して、1 mMのYM155あるいはF-YM155を含む試験溶液にて規定時間インキュベーション後、細胞を0.1%ギ酸溶液800μLにて回収した。細胞を超音波装置にて破砕して、細胞内取り込み量測定サンプルとした。細胞内YM155量、F-YM155量をLC-MS/MSにより定量した。細胞内への取り込み量はcleared volume (μL/well) で示した。cleared volumeは、uptake amount (mol/well) を試験溶液の初期濃度(mol/L)で除した値である。
次に、前記実施例3で得た18Fを導入した化合物(I-5)(以下、[18F]YM155と略記する)を含む液剤を用いて、担癌マウスにおける腫瘍移行性試験を実施した。
YM155高感受性株であるPC-3細胞と低感受性株であるA549細胞による担癌マウス2群を用いて、[18F]YM155の腫瘍移行性試験を実施した。10%血清含む最適培地で培養したPC-3細胞とA549細胞をそれぞれ50%マトリジェル/PBS溶液に懸濁し、3 × 106 cells/0.1 mL/mouseでヌードマウスの右大腿皮下に移植した。ノギス測定によって、腫瘍体積の平均が200-400 mm3であることを目安として、群内群間のばらつきが小さくなるように群分けして試験に用いた。[18F]YM155溶液(5〜20 MBq)を皮下移植マウス(n=5)へ尾静脈内投与して60 分後にマウスを断頭して、筋肉、腫瘍、血液、肺、肝臓、腎臓、盲腸をそれぞれ摘出した。それらの組織重量を電子天秤で秤量して、放射能量をガンマカウンターにより測定して、組織分布データを取得した。
まずYM155及び前記実施例3と同様の方法で製造した 1-(2-フルオロエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウム(以下F-YM155と略記する)を用いて、in vitro培養細胞への取り込み試験を実施した。すなわち、YM155高感受性細胞株であるPC-3、抵抗性細胞株であるA549をそれぞれ6-well plateにて培養して、1 mMのYM155あるいはF-YM155を含む試験溶液にて規定時間インキュベーション後、細胞を0.1%ギ酸溶液800μLにて回収した。細胞を超音波装置にて破砕して、細胞内取り込み量測定サンプルとした。細胞内YM155量、F-YM155量をLC-MS/MSにより定量した。細胞内への取り込み量はcleared volume (μL/well) で示した。cleared volumeは、uptake amount (mol/well) を試験溶液の初期濃度(mol/L)で除した値である。
次に、前記実施例3で得た18Fを導入した化合物(I-5)(以下、[18F]YM155と略記する)を含む液剤を用いて、担癌マウスにおける腫瘍移行性試験を実施した。
YM155高感受性株であるPC-3細胞と低感受性株であるA549細胞による担癌マウス2群を用いて、[18F]YM155の腫瘍移行性試験を実施した。10%血清含む最適培地で培養したPC-3細胞とA549細胞をそれぞれ50%マトリジェル/PBS溶液に懸濁し、3 × 106 cells/0.1 mL/mouseでヌードマウスの右大腿皮下に移植した。ノギス測定によって、腫瘍体積の平均が200-400 mm3であることを目安として、群内群間のばらつきが小さくなるように群分けして試験に用いた。[18F]YM155溶液(5〜20 MBq)を皮下移植マウス(n=5)へ尾静脈内投与して60 分後にマウスを断頭して、筋肉、腫瘍、血液、肺、肝臓、腎臓、盲腸をそれぞれ摘出した。それらの組織重量を電子天秤で秤量して、放射能量をガンマカウンターにより測定して、組織分布データを取得した。
表中、%ID/g及びSUVは前記の通り、T/Bは[18F] YM155濃度の腫瘍/血液比を、T/Mは[18F] YM155濃度の腫瘍/筋肉比をそれぞれ示す。
YM155は高感受性細胞PC-3において時間依存的に取り込まれ、細胞内取り込み量は抵抗性細胞A549に比べ高感受性細胞PC-3で高いことが示された(図9(A))。F-YM155は時間依存的にPC-3細胞に取り込まれ、その取り込み量は抵抗性細胞A549に比べ高感受性細胞PC-3で高いことが示された(図9(B))。
組織移行性試験から、YM155高感受性株、すなわちYM155による抗腫瘍効果が高いPC-3では、YM155低感受性株、すなわち抗腫瘍効果が低いA549と比較して、[18F]YM155の腫瘍組織中濃度が高い値であった。また、高感受性株であるPC-3ではT/BおよびT/Mのいずれも低感受性株であるA549と比較して高い値を示した。このことは、[18F]YM155の腫瘍への集積性が高い細胞ほどYM155の抗腫瘍効果が高いことを示す。従って、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基を少なくとも1つ導入した本発明の標識誘導体は、前記[11C]YM155と同様に、迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別に利用できることが確認された。
前記実施例4〜6の結果より、本発明の標識誘導体及びこれを用いた画像診断用組成物は、より迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別や、感受性腫瘍の大きさやステージングの診断、さらにはYM155や他の抗腫瘍剤投与における治療効果の診断まで可能とする標識剤として有用であることが確認された。
組織移行性試験から、YM155高感受性株、すなわちYM155による抗腫瘍効果が高いPC-3では、YM155低感受性株、すなわち抗腫瘍効果が低いA549と比較して、[18F]YM155の腫瘍組織中濃度が高い値であった。また、高感受性株であるPC-3ではT/BおよびT/Mのいずれも低感受性株であるA549と比較して高い値を示した。このことは、[18F]YM155の腫瘍への集積性が高い細胞ほどYM155の抗腫瘍効果が高いことを示す。従って、陽電子放出核種若しくは単一光子放出核種であるハロゲン原子或いは該ハロゲン原子を含む官能基を少なくとも1つ導入した本発明の標識誘導体は、前記[11C]YM155と同様に、迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別に利用できることが確認された。
前記実施例4〜6の結果より、本発明の標識誘導体及びこれを用いた画像診断用組成物は、より迅速かつ非侵襲的な、YM155感受性・非感受性患者の分別や、感受性腫瘍の大きさやステージングの診断、さらにはYM155や他の抗腫瘍剤投与における治療効果の診断まで可能とする標識剤として有用であることが確認された。
本発明の標識誘導体は、放射標識トレーサーとして、迅速かつ非侵襲的なYM155感受性・非感受性患者の分別や、YM155感受性腫瘍の大きさやステージングの診断、さらにはYM155やその他の抗腫瘍剤による治療効果の診断に使用できる。
Claims (7)
- 構成する炭素原子の少なくとも1つが11Cである、請求項1記載の標識誘導体。
- 18F若しくはこれを含む官能基を少なくとも1つ導入したものである、請求項1記載の標識誘導体。
- 検出可能な量の、請求項1〜3のいずれか1項に記載の標識誘導体を含む、腫瘍の画像診断用組成物。
- 臭化 1-(2-メトキシエチル)-2-メチル-4,9-ジオキソ-3-(ピラジン-2-イルメチル)-4,9-ジヒドロ-1H-ナフト[2,3-d]イミダゾール-3-イウムに対する腫瘍の感受性診断用である請求項4記載の組成物。
- 請求項4の画像診断用組成物を作成するための、原料化合物と少なくとも一つの標識するための試薬とを包含するキット。
- 腫瘍の画像診断用である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の標識誘導体。
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