JP2014156000A - パラレルリンクロボット及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御部の構成を簡略化でき、安価に製造することができるという条件を満たしたパラレルリンクロボットを提供する。
【解決手段】複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータの各々と片側端部が連結された複数のリンク部材と、複数のリンク部材の他の片側端部が連結された少なくとも一つの出力部材と、複数のアクチュエータの速度を制御する速度制御部と、を備え、速度制御部は、複数のアクチュエータの時間に対する速度を線形に変化させる。
【選択図】 図7
【解決手段】複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータの各々と片側端部が連結された複数のリンク部材と、複数のリンク部材の他の片側端部が連結された少なくとも一つの出力部材と、複数のアクチュエータの速度を制御する速度制御部と、を備え、速度制御部は、複数のアクチュエータの時間に対する速度を線形に変化させる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、制御部の構成を簡略化でき、安価に製造することができるパラレルリンクロボットに関するものである。
一般的な産業用ロボットの出力部材の動作は、教示されたある座標点から座標点に関して、最短距離で点間を動作するために速度を時間に対して線形またはS字曲線に変化させ、軌跡も直線に近づけるため、目標点間を細かく区切り、位置修正を行う制御を行うことが通常である。この効果は、出力部材に荷重を取り付けた場合のイナーシャ計算が容易であること、最短距離で動作することでタクトの削減が計れること、容易に教示者が動きを想像できることが挙げられる。
独立した複数のアクチュエータとそれに接続されているリンクとそのリンクをつなぐ少なくとも一つの出力部材で構成されるパラレルリンクロボットにおいて、出力部材に上記のような直線動作を行わせる場合、アクチュエータの配置制限、複雑な計算とアルゴリズム、それに対する記憶領域、処理能力が必要となる。しかし、アクチュエータをシリアルに接続しているロボットと比較して、アクチュエータをパラレルに接続するパラレルリンクロボットは、アクチュエータに関して低価格、低出力で動作することができるという特徴もある。
このようにパラレルリンクロボットの制御を行う場合、より簡易的な計算で出力部材を制御することが重要であり、安価で簡易的なシステムを作る工夫が必要である。例えば特許文献1には、機構的な工夫をすることにより、出力部材の運動を容易に把握できる構造を実現したパラレルリンクロボットが開示されている。
上述のように、パラレルリンクロボットの場合は、その機械的構造によって出力部材を時間に対して線形に変位させるために多くの処理能力が制御部に必要となってくる。また、出力部材を最短距離で教示点間を動作させる場合、出力部材の距離変化を時間に対して線形に近づける必要がある。結果パラレルリンク構造の特性上アクチュエータを時間に対して非線形に動作させることとなり、その速度変化に対応するためアクチュエータ容量が大きくなる。
また、ロボットを用いて自動化された生産システムにとって、生産品種の追加、治具変更時は生産ライン全体の変更が求められる。このとき、治具、機械、搬送装置といった各種ハードウェアの再設計や、ロボットの教示点の変更、など多大な工数がかかることが予想される。自動化された、またより多くの同品種のロボットを装備している生産ラインにとって、ハードウェア/ソフトウェアの構築工数の削減が重要な課題となっており、故にそのロボット自体の教示工数の削減も望まれている。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御部の構成を簡略化でき、安価に製造することができるパラレルリンクロボットを提供することである。
本発明に係わるパラレルリンクロボットは、複数のアクチュエータと、前記複数のアクチュエータの各々と片側端部が連結された複数のリンク部材と、前記複数のリンク部材の他の片側端部が連結された少なくとも一つの出力部材と、前記複数のアクチュエータの速度を制御する速度制御手段とを備え、前記速度制御手段は前記複数のアクチュエータの時間に対する速度を線形に変化させることを特徴とする。
本発明によれば、制御部の構成を簡略化でき、安価に製造することができるという条件を満たしたパラレルリンクロボットを提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のパラレルリンクロボットを示す図であり、パラレルリンクロボットは、ロボット本体109と制御部110を備えて構成されている。
ロボット本体109の構造には、ロボットの出力部材102(例えば、チャック、先端部)に取り付けられる部品104および、ロボット周辺に設置される治具103も含まれる。ロボット本体109は、リンク部材101の片側端部が連結される複数のアクチュエータ100を備え、それぞれが少なくとも1つ以上の出力部材102に対しリンク部材101によって接続されている構成のパラレルリンクロボットである。
制御部110は、操作部108、演算部106、記憶部107と駆動量制御部105の4つの要素で構成される。操作部108は、外部より操作者が操作を行う機能を有する。演算部106は、記憶部107の教示データより目標座標値(目標位置)、及び動作に関するパラメータを取り出し、駆動量制御部105で扱える形式に変換し、駆動量制御部105に送る機能を有する。
記憶部107は、主に外部より教示された教示データとロボットが動作するためのパラメータを保持する機能を有する。駆動量制御部105は、演算部106より渡されたデータを元に各アクチュエータに動作設定、移動量と動作指令を出力する機能を有する。
演算部106から動作パルス数を受け取った駆動量制御部105は、内部のパラメータ(傾き、目標速度)を参照して、モータに出力するパルス量を自動調整し、モータに出力、速度の線形変化を実現させる。
上記の構成についてその作用を説明する。パラレルリンク構造をもつロボットの制御は、出力部材102の時間に対する速度変化を線形に近づけ、さらに軌跡も最短距離(直線)に近づける制御が一般的である。これは、パラレルリンク構造のロボットのみならず、シリアルリンク、スカラロボットまで広く採用されている動作である。
しかし、パラレルリンク構造のロボットにおいて、上述の動作を実現するためには、その特性上アクチュエータ100を時間に対して非線形に変化させる必要がある。そのためアクチュエータ100の容量を大きく見積もる必要性が生じ、さらにその処理は複雑となり演算部106に高い能力を求められる。
本実施形態は、アクチュエータ100の少なくとも一部を時間に対して線形な速度変化(速度の増減)で動作させ、さらに位置決めを行う教示点間をPTP動作すること(アクチュエータの目標点を細かく修正し互いの軸を補完しながら動作する「分割動作」を行わないこと)を前提とすることで、アクチュエータ100を時間に対して変化させた時に生ずる速度変化を最小限に抑え、制御自体を簡略化し、さらにアクチュエータ100自体の容量も抑えることを可能としている。
図2は、制御部110内の駆動量制御部105の詳細構成を示す図である。
前述のとおり、駆動量制御部105は各アクチュエータに対して動作設定、移動量と動作指令を出力することでアクチュエータを制御する。パラレルリンクロボットは複数のアクチュエータを備えているため、駆動量制御部105は複数のアクチュエータに対してデータ出力できる同数以上の動作指令ユニットを備える。
また、動作指令は、各アクチュエータを独立に動作する指令か、もしくは、それぞれの動作設定、移動量を与えられた複数のアクチュエータを同時に起動して同期動作を行い、同時に終了させる処理(以降補間処理と呼称)による動作を行う指令に分けられる。どちらの指令を動作指令ユニットから出力するかを演算部106より受信するデータに応じて判断し、どちらかに切り替える判断部をさらに備える。
上記のように複数のアクチュエータを有するパラレルリンク構造をもつロボットの制御は、一般的にリンク同士で接続されている複数のアクチュエータを同時に動作させ、前記補間処理を行うことが基本である。この補間処理を駆動量制御部105で実現する方法は大きく分けて二種類存在する。第1は、ある一つの出力軸から出力される動作速度を基準として、他の軸はそれに合わせて速度を変更する方法で、第2は、基準動作を別のユニットから出力し、それぞれの軸はその基準速度に対して同期して速度指令を出力する方法である。
第2の方法の基準速度はそれぞれの出力軸の合成で表される。
合成距離 D
Aの動作指令量 A_obj
Bの動作指令量 B_obj
Cの動作指令量 C_obj
基準速度 V
とすると、
D=√(A_obj2+B_obj2+C_obj2)
Aの動作速度=V*|A_obj|/D
Bの動作速度=V*|B_obj|/D
Cの動作速度=V*|C_obj|/D
まず、上述のように、A,B,Cそれぞれの動作指令量の合成である合成距離Dを算出し、合成距離Dに対して実際に動作させたい基準速度Vとすると、A,B,Cそれぞれの動作速度は、合成距離Dのそれぞれの軸に対しての割合から基準速度Vを乗算することで算出される。基準速度VをA,B,Cそれぞれの速度の基準として、合成距離Dに対して、A,B,Cはそれぞれ速度は異なるが同じ時間に動作を終了する動作を行うことができる。
この動作を利用し、さらに目的地までの合成距離Dを細かく分割し、A,B,Cの速度をその都度指定することで、A,B,Cそれぞれのアクチュエータに接続されている出力部材102の軌跡を最短距離に、かつ速度変化を線形に制御することを実現することができる。 この動作は、一般的にロボットの先端部材の動作として認知されており、広く採用されている。しかし、この制御を実現するためには、補間制御を行うための基準回路ユニットが必要となることや、複雑な処理を必要とすることよりコスト高になること、処理の多さが課題として挙げられる。従って、本実施形態では第1の方法を採用することで、ロボット本体109の制御部は出力部材102を制御する部分を削減することができる。
第2の方法の基準速度はそれぞれの出力軸の合成で表される。
合成距離 D
Aの動作指令量 A_obj
Bの動作指令量 B_obj
Cの動作指令量 C_obj
基準速度 V
とすると、
D=√(A_obj2+B_obj2+C_obj2)
Aの動作速度=V*|A_obj|/D
Bの動作速度=V*|B_obj|/D
Cの動作速度=V*|C_obj|/D
まず、上述のように、A,B,Cそれぞれの動作指令量の合成である合成距離Dを算出し、合成距離Dに対して実際に動作させたい基準速度Vとすると、A,B,Cそれぞれの動作速度は、合成距離Dのそれぞれの軸に対しての割合から基準速度Vを乗算することで算出される。基準速度VをA,B,Cそれぞれの速度の基準として、合成距離Dに対して、A,B,Cはそれぞれ速度は異なるが同じ時間に動作を終了する動作を行うことができる。
この動作を利用し、さらに目的地までの合成距離Dを細かく分割し、A,B,Cの速度をその都度指定することで、A,B,Cそれぞれのアクチュエータに接続されている出力部材102の軌跡を最短距離に、かつ速度変化を線形に制御することを実現することができる。 この動作は、一般的にロボットの先端部材の動作として認知されており、広く採用されている。しかし、この制御を実現するためには、補間制御を行うための基準回路ユニットが必要となることや、複雑な処理を必要とすることよりコスト高になること、処理の多さが課題として挙げられる。従って、本実施形態では第1の方法を採用することで、ロボット本体109の制御部は出力部材102を制御する部分を削減することができる。
図3における教示補助装置300の要素は、判断部301、表示部302、記憶部303で構成される。
判断部301は教示者から教示点の位置データ修正指令を受信した際、記憶部303内教示点ルールを参照しそのルールに従い判断し、その検証結果を表示部302に対して知らせる機能と、教示者の指示があった場合、記憶部303内のデータを書き換える機能とを備えて構成される。
一方、表示部302は、判断部301から渡された結果を元に、表示部内で保持している結果を更新する機能と、その結果を知らせる機能とを備えて構成される。
記憶部303は、一般的な磁気記憶メモリ(ハードディスクなど)が事例として挙げられ、保持するデータの要素としては、判断部301で使用される教示点ルール、教示点等が挙げられる。
図1、2の構成はロボット本体109の制御を少なくして簡易的な制御でアクチュエータを動作させた場合、パラレルリンクロボットの特性上、出力部材102に時間に対して非線形な速度変化が発生する可能性がある。その場合、軌跡(動作経路)も(距離)同様に時間に対して非線形変化となる。その場合、教示者が教示点を教示する際に、直感的にロボットの出力部材102の動作、軌跡がどうなるか判断出来ないという課題が発生する。
図3に示す教示補助装置300は、修正される教示点に対し記憶部303内に教示点ルールを有しているので、装置単体で教示されたデータを判断することができることにより、上記のパラレルリンクロボットとはオフラインで教示点の変更、修正、削除を行うことが可能である。
よって、教示データが教示点ルールに妥当ではなかった場合、すなわち、修正後の教示点がロボットの作業範囲外である、もしくはその教示点に至る経路にて治具に接触する恐れがあると判断された場合、教示点に対しての結果を教示補助装置300内にて判断し、表示部302をとおして教示者に知らせることができる。
この効果により、教示点を追加したときに発生する問題を事前に防ぐことができ、熟練した教示技術を有していない教示者も容易に教示点を変更することが可能となる。その結果、教示点が不適当な場所に修正されても作業に支障をきたすことが確実に防止され、ロボットに対する動作の安全性、安定性の向上につながる。
図4は、図3の教示補助装置300の発展的構成を示す機能ブロック図である。まず、図3との構成の違いは、判断部を判断部1(400)、判断部2(401)に分けた構成となっている点である。これにより、修正するデータが教示点と教示点以外の二つの種類のデータに対して対応できる構造となる。教示補助装置300は、データを受信した際に、まず、そのデータが教示点データか、教示点ルールのデータかどうかを判断する判断部1(400)を更に備えて構成される。この判断部1により、どちらのデータかを判断して、記憶部から教示点ルールもしくは、教示点ルールの形式ルールの少なくともどちらか一方を読み出し、判定を行う判断部2(401)を更に備えて構成される。以降は判断部2(401)が図3の判断部301と同じ動作を司り、教示者に対して結果を知らせる動作までを行う。
図4に示す教示補助装置300によれば、教示点か、もしくは教示点ルール自体の修正かどうかを判断する判断部1(401)を備えることで、治具やロボットの出力部材102に取り付ける部品の変更があった場合でも、教示者は修正データを教示補助装置300に送付することでそのデータの検証、修正が可能となる。
図5は、図4で記述した教示補助装置300に対してさらにその外部に接続される情報処理装置(第2の情報処理装置)500の構成を示すブロック図である。
図5にある情報処理装置500の構成は例として一般的なパーソナルコンピュータが挙げられる。情報処理装置500に付随する構成要素は、以下の演算部502、インターフェース部501が挙げられる。演算部502は、3次元空間の座標データを表現できる機能を備える。
インターフェース部501は、操作者が操作することのできる機能と、操作者に対して入力した結果を出力することができる機能と、電気的通信回線(通信部)により教示補助装置300と接続する機能を備える。
教示補助装置300内の記憶部303の教示点ルールに関して、このルールは、ロボットの周辺に配置される治具や、ロボットの出力部材102に設置される部材104など、実際の構造物の位置座標、その構造物の質量などから作成される。図4の構成での課題として、これらのデータを手動で教示者が教示補助装置300に設定するのは多くの時間を要してしまうことが挙げられる。
図5に示す情報処理装置500を教示補助装置300の外部に備えることで、教示者が手動で教示補助装置300に教示を実行する情報として複雑なものとして挙げられる上述の項目を情報処理装置500内で編集でき、構造物の位置情報の演算、教示も教示者ではなく、情報処理装置500に任せることできる。これにより、より正しい教示を行うことができ、かつ、教示時間短縮につなげることができる。
次に、図6〜図21を参照して、本発明の一実施形態のロボット制御システムの構成をロボットが実際に実行する作業例を挙げて説明する。
なお、アクチュエータに関してステッピングモータを使用した構成を例として挙げているが、これは1つの例であり、本発明を限定するものではない。
さらに、以下の例で使用されるパラレルリンクロボット、パラレルリンク構造及びロボットはすべて独立した複数のアクチュエータとそれに接続されているリンク部材とそのリンク部材をつなぐ少なくとも一つの出力部材102で構成するパラレルリンクロボットと同義である。ここでは、例として4自由度で出力部材102は1つのモデルとして扱うが、これは本発明を限定するものではない。
図6は、本発明の第1の実施形態によるロボット制御システムを用いた生産システムの概略図である。ロボット本体109は、3つのアクチュエータA,B,Cからそれぞれのリンク部材で繋がっている出力部材102と、部品を把持するための機構(本実施形態では把持部材)104、そして、それを制御するロボット制御部110とを備え、出力部材102はXY平面上で回転動作を行う4自由度のロボットである。
前記アクチュエータ100は、それぞれ位置を確認できるセンサ111(本実施形態では光センサとする)を有し、図で示すようにアクチュエータA、B、Cともに正回転(CW)を正方向とする。以下紹介される角度は、それぞれの前記センサを基準とした角度となる。
本実施形態のロボットは、パーツフィーダ609,610でそれぞれフィードされる部品611,612を把持部材104で把持し、作業パレット606上に移動し、それぞれを作業パレット606上で組み合わせ排出用パレット607に排出する処理を繰り返すプレイバック動作を行うこととする。
それぞれ把持部材104が把持すべき部品611、612を供給するパーツフィーダ609、610は、部品611,612の部品排出位置として定義されている部位のみロボット可動範囲に入るように設置されている。また、作業用パレット606、排出用パレット607も同じくロボット可動範囲内に設置されている。パーツフィーダ609,610とロボット制御部110はそれぞれデジタル入出力信号6b、6fで接続されており、部品611,612それぞれがフィード完了を知らせる信号を出力する。同じく把持部材104も把持確認用の接触センサ112をデジタル入出力信号6eでロボット制御部110と接続されている。
ロボット動作範囲外に設置されている設備は、操作者がロボットに直接操作指示を与えることができる操作パネル608、及び、ロボット自体の制御部110、教示補助装置300、情報処理装置(3DCADシステム、第1の情報処理装置)500がある。
ロボット本体109とロボット制御部110は、デジタル入出力信号及び、各アクチュエータのパワーケーブル、エンコーダケーブル、パルス発振用ケーブル6aで接続されている。ロボット制御部110と教示補助装置300は、1対1のデータのやり取りが出来る通信ケーブル6c(図示の例ではシリアル通信ケーブル)で接続されている。教示補助装置300と情報処理装置500は長距離で高速にデータのやり取りが出来る通信ケーブル6d(図示の例ではLANネットワーク)で接続されている。なお、ロボット制御部110と教示補助装置300、教示補助装置300と情報処理装置500との通信は、無線や赤外線などの非接触通信でもよい。
操作パネル608は、ロボットに直接動作指示を与えることができ、種類は非常停止、スタートスイッチ、停止スイッチ、原点復帰スイッチがあり、それぞれロボット制御部110とデジタル入出力6gにて通信を行う。
それそれのスイッチの機能は以下の通りである。
非常停止スイッチ613は、ロボット本体109に接続される制御部110の電源をリモートでON/OFFできる機能を有している。スタートスイッチは、ロボットの動作を開始し、状態を『動作中』にする機能を有している。停止スイッチは、作業中のロボットの動作を停止させ、状態を『停止中』にする機能を有する。原点復帰スイッチは、ロボットの状態が『停止中』の時のみ有効となり、ロボットの各アクチュエータに対して原点復帰動作を行う機能を有する。このときのロボットの状態は『原点復帰中』である。
図7は、図6のロボット制御システムの構成を示すブロック図である。ロボット制御部110を中心として、その周辺の装置の構造を示す。
ロボット制御部110は、バス700で相互接続されたCPU701、メモリ702、デジタル入出力信号回路703、教示補助装置通信回路704、MCU(モーションコントロールユニット)705、モータドライバ706を備える。
図7において、ロボット制御部110内で入出力信号回路703は、それぞれ操作パネル608、部品A,B(611、612)のそれぞれのパーツフィーダ609,610、ロボット出力部材102に装備される把持部材104に接続されている。
操作パネル608の非常停止スイッチ以外のスイッチ614は、二つの信号線が接続されている。第1は、ロボット制御部110に対して出力する信号となり、ロボット制御部110にスイッチの状態を知らせる。それぞれのスイッチはモーメンタリスイッチで状態を表すランプを装備している。第2は、そのランプの状態を制御する信号をロボット制御部110から受信する。
パーツフィーダ609,610に関しては、部品A(611)と部品B(612)それぞれの部品をフィードする部位に分かれており、それぞれロボット制御部110に対して、部品取り出し準備完了の状態になった時、信号を出力し知らせる。把持部材104に関しては、把持部材104が部品A(611)もしくは、部品B(612)を把持した際に、接触センサ112を用いて正常に把持できたかどうかを判定するために使用する。把持部材104は把持が完了した時点でロボット制御部110に対して信号を出力する。
図8に示すように、メモリ702には、CPUの命令により実行されるロボットを動作させるための制御プログラム800と、ロボットを動作させるために使用するすべてのアクチュエータに対して共通なパラメータ801、ロボットを動作させるために使用される各アクチュエータ単位のパラメータ802と、教示データ803が格納された教示データ群が格納される。この教示データ群の教示点データ803には、ロボットが把持部材104を用いて、パーツフィーダ609,610からそれぞれの部品611,612が排出位置に着いたことをデジタル入出力信号で受信した際、部品を取り出す動作を行い、作業用パレット606で組み立て、排出用パレット607に移動して排出するまでの出力部材102の座標データと、その座標での動作、I/O情報が格納されている。この教示点データ803は、教示補助装置300によって作成され教示される。
図9で示すように、MCU(モーションコントロールユニット)705は、デジタル入出力回路902、バス通信回路903、演算部904、メモリ905とパルス発振機906を備えて構成されている。以下に各部位の具体的な動作を記載する。
デジタル入出力回路902は、CPU701とデジタル信号線900から受信した結果を演算部904に渡し、演算部904から指令された結果をCPU701にデジタル信号線900を介して出力する機能を有する。バス通信回路903は、アドレスとデータバスにそれぞれ分かれており、CPU701とのコマンド通信を行い指定されたアドレスに対して直接メモリ905に書き込み読み出しを行う機能を有する。演算部904は、デジタル入出力回路902から入力を受けた場合の動作及び、動作結果をデジタル入出力回路902に出力するとともに、パルス発振機906に対してパルス発振命令を出力する機能を有する。
メモリ905は、バス通信回路903から書き込まれるCPU701からのデータを保持する機能を有する。パルス発振機906は、演算部904から発振命令を受けて指定されたパルス数分指定された速度でパルスを発振する機能を有する。
動作の具体例を図10に示す。図10はMCU705がある軸を動作させるまでの処理を表したフローチャートである。MCU705の処理は、CPU701からデジタル入出力回路902に対して、動作信号が出力されるまで、ポーリング作業を続ける。その間に、CPU701よりバスインターフェース903を通じて軸1に対しての出力パルス数変更があった場合は、対応するアドレスのメモリ1005を書き換える。
CPU701より、軸1の動作信号を受信すると、軸1のパルス数が書き込まれているメモリを読み出し(S1003)、軸1のパルス発振機にパルス発振命令を出力する(S1004)。パルス発振機が発振を開始すると、モータドライバ(706)を通じて、ロボット本体109のアクチュエータが動作する。
教示補助装置通信回路704はシリアル通信ケーブル6cを介して教示補助装置300と接続される。さらに、ロボット制御部110と教示補助装置300は教示補助装置内の教示データをロボット制御部110に対して送信、もしくは受信する際に接続する必要があり、それ以外は接続状態がなくてもお互いの動作に支障はない。
教示補助装置300には、記憶領域713が接続される。あるいは教示補助装置300は、記憶領域713を内包している。図11に示すように、記憶領域713には、教示点群が収められている教示点データベース1100と教示点ルール1101の二種類のデータが存在する。
教示点データベース1100は、目標座標(X,Y,Z)(ロボットの基準原点を(0,0,0)とした出力部材102の座標)および、動作後の待ち時間を表すWAIT(ミリ秒)、動作後のI/O情報、目標点間の速度設定がそれぞれの教示点に対して設定できるよう領域が確保されている。
教示点ルール1101には、ロボット本体109の機械的構造による動作範囲と出力部材102に取り付ける把持部材104、および周辺の治具の座標データ1103が保存されている。これらの情報は、情報処理装置500からLANネットワークを通して教示される。
教示補助装置300には、表示部714が外部に接続、もしくは内包されている。表示部714は、教示者が記憶領域713に保持されている教示データを編集する際に、教示補助装置300をロボット制御部110に接続せず、教示補助装置単体にて編集結果を確認するために設けられている。
図12に示すように、表示部714は、教示者が教示点のデータベース1204のある特定の2点を選択し、計算1203を指示することで、その教示点間の各アクチュエータの時間に対する速度変化1200と軌跡の変化1202を視覚的に表示することができる。それぞれの結果において問題がある場合は、メッセージウィンドウ1201にメッセージを表示し、教示者に知らせる。教示点のデータベースは手動にて挿入、修正、削除が行えるほか、ロボット制御部110に接続すれば、送受信指示1205により、教示点を本体から受信、もしくは、現在の設定を送信することができる。
教示補助装置300には、LANネットワークにて情報処理装置500が外部に接続されている。3DCADシステムは、教示補助装置300内の記憶領域713に保持されている教示ルール1101の基準となる治具、把持部材104等の構造物を編集し、教示補助装置300にそれらの座標値を教示することを目的としている。
情報処理装置(以下、3DCADシステムと称す)500を使用して教示補助装置300の教示ルールを作成する際に、以下のルール、データフォーマットにて表現する。なお、ここでの(X,Y,Z)=(0,0,0)はロボットの機械原点を表し、3DCADシステム500の原点座標ではない。
まず、治具、ロボット出力部材102とその部材に設置する把持部材104に関して、そのまま表現した場合、特に複雑な図形が多く存在するデータの場合には、その座標データ量は膨大となり、教示補助装置300にも大きな処理負荷がかかり、記憶領域も圧迫される問題が発生する。そのため、本システムにおいて、3DCADシステム500で登録できる図形は、以下の種類に限定する。
・直方体、立方体、その他同じ多角形平面を上底下底に持つ多角柱
・球、もしくは欠損球
・直円柱、直円錐、直多角錐
直方体(図13(a))を出力する場合、ある目標点がこの立体に内包されているかどうかを判定するため、追加情報として各面の法線ベクトルを出力する。また定義も各面に対して行う。
Begin obj_a1 … オブジェクト(直方体、立方体)宣言開始
Begin plane_1 … 面1の設定
X 2343222 Y 3333422 Z 233422 … 面1頂点の座標値(0.1μm)
X …
X 1233222 Y 343322 Z 14533 … 面1の法線ベクトル
End plane_1
Begin plane_2
…
End plane_n
G 890 … 質量(g)
End obj_a1 … オブジェクト宣言終了
円柱を通常描画された状態をそのまま出力すると(図13(c))のようにスプラインの連続データとなるため、座標データは膨大となる。そこで、そのようなデータの場合は、中心座標、半径にデータを3DCADシステム500内にて変換し、出力する(図13(b))。
Begin obj_b1 … オブジェクト(立体物)宣言開始
Column_pillar … 円柱
X 1240000 Y 1340000 Z 0 … 中心座標(Z=0に近い値を指定)
R 400000 … 半径(0.1μm)
H 1200000 … 高さ(0.1μm)
G 890 … 質量( g )
End obj_b1 … オブジェクト(立体物)宣言終了
図14は、ロボット出力部材と設置される把持部材と治具に関して、3DCADシステム500にてどのように表現されるかを把持部材を例に挙げて示す図である。例えば把持部は、ロボット出力部材1400、本体1401、把持部1402、部品1403から成る。また、状態は14A〜14Cまでのバリエーションがある。
・直方体、立方体、その他同じ多角形平面を上底下底に持つ多角柱
・球、もしくは欠損球
・直円柱、直円錐、直多角錐
直方体(図13(a))を出力する場合、ある目標点がこの立体に内包されているかどうかを判定するため、追加情報として各面の法線ベクトルを出力する。また定義も各面に対して行う。
Begin obj_a1 … オブジェクト(直方体、立方体)宣言開始
Begin plane_1 … 面1の設定
X 2343222 Y 3333422 Z 233422 … 面1頂点の座標値(0.1μm)
X …
X 1233222 Y 343322 Z 14533 … 面1の法線ベクトル
End plane_1
Begin plane_2
…
End plane_n
G 890 … 質量(g)
End obj_a1 … オブジェクト宣言終了
円柱を通常描画された状態をそのまま出力すると(図13(c))のようにスプラインの連続データとなるため、座標データは膨大となる。そこで、そのようなデータの場合は、中心座標、半径にデータを3DCADシステム500内にて変換し、出力する(図13(b))。
Begin obj_b1 … オブジェクト(立体物)宣言開始
Column_pillar … 円柱
X 1240000 Y 1340000 Z 0 … 中心座標(Z=0に近い値を指定)
R 400000 … 半径(0.1μm)
H 1200000 … 高さ(0.1μm)
G 890 … 質量( g )
End obj_b1 … オブジェクト(立体物)宣言終了
図14は、ロボット出力部材と設置される把持部材と治具に関して、3DCADシステム500にてどのように表現されるかを把持部材を例に挙げて示す図である。例えば把持部は、ロボット出力部材1400、本体1401、把持部1402、部品1403から成る。また、状態は14A〜14Cまでのバリエーションがある。
14Aの状態を3DCADシステム500にて表現した図が1404となる。ロボット出力部材1400はXY平面上で回転すると考えてすべて円柱を組み合わせた構造体とし、部品1403がない状態の場合は、把持部1402の状態がどの状態でも、把持部本体1401と同じ径の円柱として表現する。
次に、本実施形態で使用するロボットの出力部材102および把持部材104を3DCADシステム500上でどのように表現するか、図15を用いて具体的に示す。
実際のパラレルリンクロボットとその出力部材102と把持部材104をYZ平面上で表現した構図1500から構造を簡略化した1501を作成する。ロボットの原点位置を15Gと設定した場合の出力部材102の中心座標を15Aとした場合、出力部材102と把持部材104はその中心から生成されている構造物として考えられる。出力部材102と把持部材104のみを抽出した実施形態の構造1502を図14の事例に従い3DCADシステム500上で構造化したデータを1503とする。
15BはXY平面上で回転動作を行うため、15B〜Fはすべて円柱の構造体で表現する。また、出力部材102はアクチュエータが動作することにより変化するため、構造体1503のぞれぞれの円柱底面の中心点は変数として定義する必要がある。よって構造体1503の円柱底面の中心点はそれぞれ中心点から15Aの座標値に対してZ方向にオフセット値を与えることで定義する。
Begin obj_top
Begin obj_top1
Column_pillar
X xc Y yc Z zc … 円柱底辺中心座標はロボット出力部材102の座標(可変より変数指定xc,yc,zc)
R 400000
H 200000
G 560
End obj_top1
Begin obj_top2
Column_pillar
X xc Y yx Z zc -100000 ・・・ 出力部材102中心点よりオフセット分加える
R 300000
H 250000
G 400
End obj_top2
Begin obj_top3
…
End obj_top
次に、3DCADシステム500で設定した構造物に対してある点が内包されているかどうか判定する手段について、図16に示す。また、以下の事例に関しては、XY平面に対して底面が並行になる構造体に対して判定手段を挙げる。なお、前記構造体はロボットの作業対象となる治具、及びロボットに設置される把持部を表している。
Begin obj_top
Begin obj_top1
Column_pillar
X xc Y yc Z zc … 円柱底辺中心座標はロボット出力部材102の座標(可変より変数指定xc,yc,zc)
R 400000
H 200000
G 560
End obj_top1
Begin obj_top2
Column_pillar
X xc Y yx Z zc -100000 ・・・ 出力部材102中心点よりオフセット分加える
R 300000
H 250000
G 400
End obj_top2
Begin obj_top3
…
End obj_top
次に、3DCADシステム500で設定した構造物に対してある点が内包されているかどうか判定する手段について、図16に示す。また、以下の事例に関しては、XY平面に対して底面が並行になる構造体に対して判定手段を挙げる。なお、前記構造体はロボットの作業対象となる治具、及びロボットに設置される把持部を表している。
(直方体、立方体の場合)
まず、各A〜Eおのおのの面に対して外側に向く法線ベクトルを設定する。ある点aがこの立体に対して内部か外部かの判定は、その面の重心から点aを結んだベクトルと法線ベクトルとの角度を確認し、すべて鈍角(>90度)なら内側、一つでも鋭角がある場合は外側として判定する。
まず、各A〜Eおのおのの面に対して外側に向く法線ベクトルを設定する。ある点aがこの立体に対して内部か外部かの判定は、その面の重心から点aを結んだベクトルと法線ベクトルとの角度を確認し、すべて鈍角(>90度)なら内側、一つでも鋭角がある場合は外側として判定する。
(球体、欠損球体の場合)
点bと球体Fの中心の距離を比較して、その距離が球体Fの半径以下の場合、点bは球体F内に内包されていると判定する。また欠損球体について欠損部は常に底面とする。
点bと球体Fの中心の距離を比較して、その距離が球体Fの半径以下の場合、点bは球体F内に内包されていると判定する。また欠損球体について欠損部は常に底面とする。
(円柱、円錐の場合)
円柱Gの底面中心と、点cから円柱Gの底面を含む平面に対して垂直に降ろした垂線の交点とを結んだ線分が円柱Gの半径より小さい場合、点cは円柱Gに内包されているとして判定する。円錐Hの頂点座標と、点dをつないだ線分と頂点から底面中心に下ろした垂線の角度がこの円錐の頂点角度/2以下なら点dは円錐Hに内包されているとして判定する。
円柱Gの底面中心と、点cから円柱Gの底面を含む平面に対して垂直に降ろした垂線の交点とを結んだ線分が円柱Gの半径より小さい場合、点cは円柱Gに内包されているとして判定する。円錐Hの頂点座標と、点dをつないだ線分と頂点から底面中心に下ろした垂線の角度がこの円錐の頂点角度/2以下なら点dは円錐Hに内包されているとして判定する。
ロボットの出力部材102はXY平面において回転動作を行うため、3DCADシステム500上では円柱の構造体で表現される。治具構造が直方体、立方体もしくは球、欠損球の場合は、円柱底面の中心点と治具構造の重心を含む平面と、円柱底辺が交わる点をそれぞれの図16a,bとし、図16にならい判定する。
治具構造が円錐、円柱の場合は、それぞれ図17、18にてその方法を示す。
図17A,B,Cより、円錐構造17aと円柱構造17bにおいて、円錐構造17aの頂点座標と、円柱構造17bの底面中心を含む平面を求め、この平面と円柱構造17bの底辺とが交わる点をdとする。円錐構造17aの頂点から点dを結んだ線分と、頂点から底面中心に下ろした垂線の角度がこの円錐構造17aの頂点角度/2以下、もしくは、円錐構造17aの頂点から底面中心に下ろした垂線と点dと同一平面状で最短距離となる線分の長さが円錐構造17aの半径より大きい場合、互いの構造物は接触していないと判定する。
図18A,B、Cより、円柱構造18aと円柱構造18bにおいて、円柱構造18aの底面中心座標と円柱構造18bの底面中心を含む平面と円柱構造18bの底辺と交わる点をcとする。点cと円柱構造18aの重心から底面中心に下ろした垂線に対して、最短距離となる線分が円柱構造18aの半径より大きい場合、互いの構造物は接触していないと判定する。
図6〜18までで示した本実施形態での構造、それぞれの装置の役割、処理手段より、図6で示したシステムで実際にどのような教示データを使用してロボットが動作を行うか、そしてその教示データを検証する教示補助装置300内の処理に関して、図19〜21をもって示す。
図19には、本実施形態でのロボット本体が実際に作業する作業範囲とその内部にある治具、部品のそれぞれの座標値を示す。1900は図19内に記載されているXYZ方向を基にするXY平面上から見たロボット出力部材102の動作範囲(制限される範囲)を示したものである。その範囲内に、排出パレット607、作業パレット606、パーツフィーダ609,610が内包されるよう設置されている。
本実施形態では、部品Bと部品Cを作業パレット606上Dにて組み合わせて排出パレット607のEへ排出する動作とする。
この動作に関して、図20に処理フローを示す。
原点復帰を実施終了しているロボット本体に対して、まずパーツフィーダ610の部品排出信号を待ち(S2000)。排出信号をロボット制御部にて受信すると、パーツフィーダ610の部品B上へ移動(S2001)し、到着すると、部品Bを把持する動作(S2002〜2005)を行う。この時、精度の高い軌跡制御、速度制御が必要なため、目的地間の距離に対して細かく経由点を分割するデータを作成する。
部品B把持後、作業パレット606に部品Bを移動させ、作業パレット606上地点D上で部品Bを排出する作業を行う(S2006〜2010)。次に作業パレット606上に設置された部品Bに対して、部品Cを組み合わせるため、パーツフィーダ609の部品Cを取得するために移動する。その際、パーツフィーダ609から部品排出信号が発生していることを条件とする(S2012)。
S2011〜2016の処理にて部品Cを取得した後、部品Cを作業パレット607の部品B上に搬送し、BとCの部品を組み合わせる(S2017〜2020)。組み合わされたBとCの部品をその場でもう一度把持部材を下降させ(S2021)、把持(S2022)し、排出パレット607のEの位置へ移動する(S2025)。BとCの部品をEの位置で開放し(S2026〜2029)、次に置くべきEの位置情報をロボット制御部110内で更新する。
これを一連の作業とした際の図11(1100)にて紹介している教示点データベースの内容は以下のようになる。
それぞれ左よりX座標(0.1mm)/Y座標(0.1mm)/Z座標(0.1mm)/位置決め時間(ms)/速度割合(%)/IO番号/IO状態を表す。
X座標 Y座標 Z座標 位置決 速度 IO番号 IO状態 符号
0 1974367 2000000 0 0
800000 1200000 1800000 0 0 I20 0 (S2000)
800000 1200000 1800000 3 100 (S2001)
800000 1200000 1799000 0 20 (S2002)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 1200000 1700000 3 20
800000 1200000 1700000 0 0 O21 1 (S2003)
800000 1200000 1700000 3 0 I21 0 (S2004)
800000 1200000 1701000 0 20 (S2005)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 1200000 1800000 3 20
500000 1974367 1800000 3 100 (S2006)
500000 1974367 1799000 0 20 (S2007)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1700000 3 20
500000 1974367 1700000 0 0 O21 0 (S2008)
500000 1974367 1700000 3 0 I21 1 (S2009)
500000 1974367 1701000 0 20 (S2010)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1800000 3 20
800000 2200000 1900000 3 100 (S2011)
800000 2200000 1900000 0 0 I22 0 (S2012)
800000 2200000 1899000 0 20 (S2013)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 2200000 1800000 0 20
800000 2200000 1800000 0 0 O21 1 (S2014)
800000 2200000 1800000 3 0 I21 0 (S2015)
800000 2200000 1801000 0 20 (S2016)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 2200000 1900000 3 20
500000 1974367 1900000 3 100 (S2017)
500000 1974367 1899000 0 20 (S2018)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1800000 3 20
500000 1974367 1800000 0 0 O21 0 (S2019)
500000 1974367 1800000 0 0 I21 1 (S2020)
500000 1974367 1799000 0 20 (S2021)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1700000 3 20
500000 1974367 1700000 0 0 O21 1 (S2022)
500000 1974367 1700000 0 0 I21 0 (S2023)
500000 1974367 1701000 0 20 (S2024)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1900000 3 20
-500000 1450000 1900000 3 100 (S2025)
-500000 1450000 1899000 0 20 (S2026)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
-500000 1450000 1400000 3 20
-500000 1450000 1400000 0 0 O21 0 (S2027)
-500000 1450000 1400000 0 0 I21 1 (S2028)
-500000 1450000 1400000 0 20 (S2029)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
-500000 1450000 1600000 3 20
0 1974367 2000000 3 100
前述のとおり、パラレルリンクロボットの出力部材102を備えている複数の軸を時間に対して速度を線形変化させることを前提とした制御を行うと、その特徴上ロボットの出力部材102の速度は時間に対して連続した非線形変化を起こす。
X座標 Y座標 Z座標 位置決 速度 IO番号 IO状態 符号
0 1974367 2000000 0 0
800000 1200000 1800000 0 0 I20 0 (S2000)
800000 1200000 1800000 3 100 (S2001)
800000 1200000 1799000 0 20 (S2002)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 1200000 1700000 3 20
800000 1200000 1700000 0 0 O21 1 (S2003)
800000 1200000 1700000 3 0 I21 0 (S2004)
800000 1200000 1701000 0 20 (S2005)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 1200000 1800000 3 20
500000 1974367 1800000 3 100 (S2006)
500000 1974367 1799000 0 20 (S2007)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1700000 3 20
500000 1974367 1700000 0 0 O21 0 (S2008)
500000 1974367 1700000 3 0 I21 1 (S2009)
500000 1974367 1701000 0 20 (S2010)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1800000 3 20
800000 2200000 1900000 3 100 (S2011)
800000 2200000 1900000 0 0 I22 0 (S2012)
800000 2200000 1899000 0 20 (S2013)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 2200000 1800000 0 20
800000 2200000 1800000 0 0 O21 1 (S2014)
800000 2200000 1800000 3 0 I21 0 (S2015)
800000 2200000 1801000 0 20 (S2016)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
800000 2200000 1900000 3 20
500000 1974367 1900000 3 100 (S2017)
500000 1974367 1899000 0 20 (S2018)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1800000 3 20
500000 1974367 1800000 0 0 O21 0 (S2019)
500000 1974367 1800000 0 0 I21 1 (S2020)
500000 1974367 1799000 0 20 (S2021)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1700000 3 20
500000 1974367 1700000 0 0 O21 1 (S2022)
500000 1974367 1700000 0 0 I21 0 (S2023)
500000 1974367 1701000 0 20 (S2024)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
500000 1974367 1900000 3 20
-500000 1450000 1900000 3 100 (S2025)
-500000 1450000 1899000 0 20 (S2026)
… -1000(0.1mm)単位でZ変更
-500000 1450000 1400000 3 20
-500000 1450000 1400000 0 0 O21 0 (S2027)
-500000 1450000 1400000 0 0 I21 1 (S2028)
-500000 1450000 1400000 0 20 (S2029)
… +1000(0.1mm)単位でZ変更
-500000 1450000 1600000 3 20
0 1974367 2000000 3 100
前述のとおり、パラレルリンクロボットの出力部材102を備えている複数の軸を時間に対して速度を線形変化させることを前提とした制御を行うと、その特徴上ロボットの出力部材102の速度は時間に対して連続した非線形変化を起こす。
この変化に対して、図23に具体例を示す。3軸に1つの出力部材102を備えているパラレルリンクロボットをモデルとして、2300が各軸の角度の変化を表している。(図16に記述の基準センサ111からの角度、θa θb θc)変化は一定速とし、線形変化である。(グラフ2302a〜2302c参照)その角度に対し、2301は順運動学計算により、出力部材102の先端座標に変換した表である。その変換した座標とそれぞれXを横軸とした場合のY、Zの座標を表したグラフが2303a、2303bとなる。グラフから見られるように軌跡は非線形変化となることが分かる。
このような出力部材102の動作特徴より、前記出力部材のイナーシャ、軌跡の変化は一定ではなく不確定なものとなる。そのため、始終点ごとに軌道が正しいか、速度変化が急激ではないか確認し、問題を伴う場合は修正を行う必要がある。
図21に教示補助装置300内で、図20にて定義された教示点データベースに対して確認、修正を行う処理フローを示す。
まず図20のフローで作成した教示データベースを教示補助装置300に接続されている記憶領域713から読み出す(S2100)。
まず、記憶領域713から読み出した教示データベースより、現在の先端位置始点(X_s,Y_s,Z_s)と先端位置終点(X_e,Y_e,Z_e)をさらに読み出す(S2101)。
出力部材102の軌跡を求めるため、前記出力部材が通過する座標を求める(S2102)。
図22のS2200〜S2206において上述S2102での詳細工程を示す。ここでは実施例ロボットモデルから、A,B,C3軸109に対して出力部材102が一つ接続されている構成で説明する。
まず、先端出力部の始終点座標(S2200)から、逆運動学計算を用いて(S2201)、始点座標値(X_s,Y_s,Z_s)から求められる始点角度(θa,θb,θc)と、目標となる先端位置終点(X_e,Y_e,Z_e)に到達する時の角度(θa+1,θb+1,θc+1)を算出する(S2202)。S2202で算出された各軸の角度に対して、それぞれの速度変化モデル(各軸の各速度変化は直線加減速とする)2207を作成し(S2203)、あらかじめ設定されている分割数Nにて分割、それぞれの速度から角度(θa[0]、θb[0]、θc[0])…(θa[N]、θb[N]、θc[N])を算出する(S2204)。それぞれの角度に対して順運動学計算を用いて先端出力部座標値に再変換を行う(S2205)。この工程を経て、N分割された先端座標(X[n]、Y[n]、Z[n])(n=0〜N)を算出する(S2206)。
図21の説明に戻る。
S2206で算出された、(X_s、Y_s、Z_s)、(X_e、Y_e、Z_e)を各N分割したときの座標(Xn、Yn、Zn) ( n = 0 〜 N )の座標データを使用し、記憶領域713にある治具座標、ロボット動作範囲と比較して、それぞれの座標値が動作範囲内か動作範囲外かどうか、治具との接触がないかを判断する処理を行う。
軌跡に関しては、速度変化が急激なほど出力部材102の慣性による「振れ」が治具との接触を発生させる可能性があるため、X,Y,Z方向それぞれのマージンを固定値に持ちそれを加算したデータを比較対象とし、S2102より算出した座標値(X[n]、Y[n]、Z[n])から出力部材に取り付ける部品、および、X,Y,Zそれぞれの移動振れマージンを加えて座標変換(X[n]‘、Y[n]’、Z[n]‘) を算出する(S2103)。この座標値と比較する値は、記憶領域713に記憶されている座標データ1103であり、記憶領域713から座標データ1103を読み出し、比較作業を実施する(S2104)。比較後、結果を表示部714に出力する。
結果に問題があり、操作者が修正を行う場合、修正値を記憶領域713から読み出している教示データベースの座標データ1103に上書きし、再度S2100から処理を行い再判定を行う。問題ない場合は、自動で次の工程(S2105以降)へ移行する。
S2015以降の処理を説明する。
S2014以前で算出された動作軌跡座標値群に対して、それぞれ微分処理を行うことで各N分割した座標での速度(S2105)を求め、その速度変化の最大値(最大加速度)を求めることで(S2106)、出力部材102のイナーシャ判断の材料とする。
S2106のデータにおいて、現在出力部材102に備えてある部材の質量、その教示点データベース1100内のパラメータ速度割合(%)を加味して算出された0〜N分割内での最大速度変化量(最大加速度)と、出力部材102に接続されている把持部の把持力から決められた加速度上限閾値を比較し(S2107)、結果を表示部714に出力する。
この処理まで異常なしに進んだ場合は、教示データベースより新たな始終点を検索し、存在する場合はS2100より再度繰返し処理を行う。
この間操作者は表示部714の結果を見て判断し、途中で処理を止めたい場合はいつでも停止可能である。処理を停止し、教示点を修正し、再度この装置に対してこの処理を実行する。
最終的に作成したデータは、シリアル通信ケーブル6cを通してロボット制御部110に教示され、ロボット本体109は、操作パネル608の指示により、教示された座標点を指定されたパラメータによって、動作を行う。
以上のように、上記の実施形態によれば、アクチュエータを時間に対して線形に動作させることで、出力部材102を時間に対して線形に動作させる動作に比べ、アクチュエータ自体の速度の変化量が一定となり、よりアクチュエータの容量を抑えることができる。また、細かい作業を伴う箇所以外は位置決めする場所のみ移動目標点とすることで、パラレルリンクロボットの特性上、前記出力部材の移動距離は伸びる傾向にあるが、動作制御自体を単純にできる。その結果、ロボット自体を生産する際の部品コスト、設計コストを削減することができる。
また、ロボット本体の外部に登録すべき教示点を検証できる教示補助装置と、前記ロボットの出力部材102とその周辺治具の構造を座標化して、教示補助装置に送信できる情報処理装置を備えることで、ロボット本体とは別の場所で事前に教示すべき教示点の是非が検証でき、検証するデータの更新も行うことができる。その結果、ロボット本体を停止させる時間は教示補助装置からデータをロボット本体に送付する時のみとなり、ロボット自体の生産性が向上させることができる。また、情報処理装置にて新しい治具などの構造を登録し、教示補助装置の内部データを更新することで、治具設計者が作成したデータをそのまま座標データに利用できる、教示速度の向上、座標データの精度を向上させることができる。
Claims (6)
- 複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータの各々と片側端部が連結された複数のリンク部材と、
前記複数のリンク部材の他の片側端部が連結された少なくとも一つの出力部材と、
前記複数のアクチュエータの速度を制御する速度制御手段と、を備え、
前記速度制御手段は、前記複数のアクチュエータの時間に対する速度を線形に変化させることを特徴とするパラレルリンクロボット。 - 前記パラレルリンクロボットは、
前記パラレルリンクロボットに関する教示が可能な装置であり、教示された位置情報と前記パラレルリンクロボットの構造とその周辺の情報とに基づき算出された結果から、前記パラレルリンクロボットの作業に適するかどうかを検証する手段を備える教示補助装置と接続されていることを特徴とする請求項1に記載のパラレルリンクロボット。 - 前記教示補助装置は、
前記パラレルリンクロボットと共に用いる治具を描画し、データを出力することが可能な第1の情報処理装置と接続されていることを特徴とする請求項2に記載のパラレルリンクロボット。 - 前記教示補助装置は、
前記パラレルリンクロボットと共に用いる治具を使用する際の前記パラレルリンクロボットの動作を制限するデータを出力することが可能な第2の情報処理装置と接続されていることを特徴とする請求項2に記載のパラレルリンクロボット。 - 複数のアクチュエータと、
前記複数のアクチュエータの各々と片側端部が連結された複数のリンク部材と、
前記複数のリンク部材の他の片側端部が連結された少なくとも一つの出力部材と、
を備えたパラレルリンクロボットの制御方法であって、
速度制御手段が、前記複数のアクチュエータの速度を制御する速度制御工程を有し、
前記速度制御工程では、前記複数のアクチュエータの時間に対する速度を線形に変化させることを特徴とするパラレルリンクロボットの制御方法。 - コンピュータを請求項1に記載のパラレルリンクロボットの各手段として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013029414A JP2014156000A (ja) | 2013-02-18 | 2013-02-18 | パラレルリンクロボット及びその制御方法 |
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JP (1) | JP2014156000A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018034252A1 (ja) * | 2016-08-14 | 2018-02-22 | ライフロボティクス株式会社 | 食器洗浄システム |
-
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- 2013-02-18 JP JP2013029414A patent/JP2014156000A/ja active Pending
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