JP2014155972A - ナノ粒子の製造方法、成形体の製造方法、メッキ膜を有する成形体の製造方法、樹脂ペレットの製造方法、ナノ粒子、成形体及び樹脂ペレット - Google Patents

ナノ粒子の製造方法、成形体の製造方法、メッキ膜を有する成形体の製造方法、樹脂ペレットの製造方法、ナノ粒子、成形体及び樹脂ペレット Download PDF

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Abstract

【課題】高温の溶融樹脂と接触させても触媒活性が失活しない耐熱性を有するナノ粒子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
ナノ粒子の製造方法であって、水溶性ポリマー及びアルコールを含む第1溶液を調製することと、金属粒子の前駆体及び前記水溶性ポリマーの貧溶媒を含む第2溶液を調製することと、前記第1溶液と第2溶液とを混合して、圧力が5〜30MPaの混合溶液を調製することと、前記混合溶液の温度を100℃〜350℃に制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノ粒子の製造方法、成形体の製造方法、メッキ膜を有する成形体の製造方法及び樹脂ペレットの製造方法に関し、更に、ナノ粒子、成形体及び樹脂ペレットに関する。
単分散のナノ粒子は、量子サイズ効果により半値幅の狭い蛍光を発色する等、特異的な性質を有することから、近年、その合成方法や応用が研究されている。単分散のナノ粒子の合成方法は、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の気相法と、ゾルゲル法や水熱合成法の液相法に大別される。気相法は製造コストが高く、単分散している微粒子が得難いという欠点を有する。液相法としては、例えば、特許文献1〜3に開示される方法が報告されている。
特許文献1には、金属粒子源Aとポリマー粒子Bとそれらの接触を阻害する物質Cと溶媒とを混合し、これら混合物を熱処理及び化学反応させることで粒子源Aからナノ粒子の核を生成し、次いでポリマー粒子Bに囲まれた領域において、600℃以上1000℃以下の温度範囲で熱処理するナノ粒子の製造方法が開示されている。特許文献2及び3にも、水溶性ポリマーで被覆された金属ナノ粒子の合成法及びそれに用いる水溶性ポリマーが開示されている。
非特許文献1には、水溶性ポリマーで被覆された金属粒子から構成されるナノ粒子を高速で合成する手法として、高圧反応場を用いた連続反応法が開示されている。非特許文献1によれば、白金、ロジウム、パラジウム、金のナノ粒子の製造方法が開示されており、パラジウムの場合、原料として、パラジウムアセチルアセトナトパラジウム(II)等の金属錯体や塩化パラジウム等塩化物からなる金属前駆体と、ポリビニルピロリドン、ポリ(2−ビニルピリジン)等の水溶性ポリマーとをトルエンと1−プロパノール及びアセトンから選ばれる2種類の混合溶媒に溶解させて20MPaの高圧とし、200℃〜300℃の温度雰囲気に数十秒通過させることにより、水溶性ポリマーの被覆された金属ナノ粒子が連続合成される。非特許文献1では、単分散している白金ナノ粒子が合成されているが、合成されたパラジウム粒子には、2次凝集が認められ、単分散はしていない。
一方、樹脂成形体に安価に金属膜を形成する方法として、無電解メッキ法が知られている。更に、メッキ前処理であるエッチング工程を経ずに、樹脂成形体に金属膜を形成する方法として、超臨界二酸化炭素等の加圧二酸化炭素を用いた樹脂成形体の表面改質法の利用が提案されている。本発明者らは、加圧二酸化炭素を用いた表面改質処理を射出成形と同時に行い、樹脂成形体の表面に無電解メッキの触媒となるパラジウム等の金属微粒子を分散させる方法を提案している(特許文献4)。この方法では、表面にパラジウムが偏在化した樹脂成形体に無電解メッキを施すことにより、エッチング工程を経ずに成形体表面にメッキ膜を形成できる。
特許第4767562号公報 特開2006−239552号公報 特開2011−102332号公報 特許第4160623号公報
「超臨界流体を用いた貴金属超微粒子の合成」、木村佳文・原田雅史、Rev. High Pressure Sci. Technol, 20(1), 11−18(2010)
しかしながら、本発明者らの検討によれば、加圧二酸化炭素を利用した成形法により成形体内部に分散した金属微粒子は、成形体を構成する樹脂の種類によっては、成形時に樹脂から発生される揮発ガスにより、触媒活性を失活する虞があることが明らかとなった。例えば、該成形方法により、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)にパラジウムを分散させた場合、得られた成形体はメッキ反応を示さない場合がある。そこで、ABS樹脂の溶融時に発生するガスを回収し、常温の該ガス雰囲気にパラジウム触媒を分散した成形体を放置する実験を行ったところ、触媒活性が失活することがわかった。
本発明は上記課題を解決するものであり、高温の溶融樹脂と接触させても触媒活性が失活しない耐熱性を有するナノ粒子及びその製造方法、更に、該ナノ粒子を含むメッキ可能な成形体の製造法を提供する。
本発明の第1の態様に従えば、ナノ粒子の製造方法であって、水溶性ポリマー及びアルコールを含む第1溶液を調製することと、金属粒子の前駆体及び前記水溶性ポリマーの貧溶媒を含む第2溶液を調製することと、前記第1溶液と第2溶液とを混合して、圧力が5〜30MPaの混合溶液を調製することと、前記混合溶液の温度を100℃〜350℃に制御することを含むナノ粒子の製造方法が提供される。
前記混合溶液の温度は、100℃〜350℃に温度制御された管内を流通させることにより制御してもよい。前記水溶性ポリマーは、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(3−ビニルピリジン)、ポリ(N−ビニルカルバゾール) 、ポリ(ビニルチアゾリウム塩)及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも一種であってもよく、前記アルコールは、エタノール、イソプロパノール、メタノール、1−プロパノール及びブタノールからなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。また、前記金属粒子の前駆体は、パラジウム錯体であってもよく、前記水溶性ポリマーの貧溶媒は、ヘキサン又は加圧二酸化炭素であってもよい。また前記第1及び第2溶液をそれぞれ、圧力5〜30MPaに制御した後に混合して混合溶液を調製してもよい。前記混合溶液が流通する管は、外径が約1.59〜12.7mm、肉厚が約0.5〜2.5mmであってもよい。
本発明の第2の態様に従えば、成形体の製造方法であって、第1の態様のナノ粒子の製造方法によりナノ粒子を製造することと、前記ナノ粒子を樹脂に分散することと、前記ナノ粒子が分散した樹脂を成形することを含む成形体の製造方法が提供される。
前記ナノ粒子を樹脂に分散することは、前記混合溶液から前記ナノ粒子を分離することと、前記混合溶液から分離したナノ粒子を樹脂に分散することを含んでもよい。更に、前記混合溶液から前記ナノ粒子を分離することが、前記混合溶液から前記水溶性ポリマーの貧溶媒及び前記アルコールを除去することであってもよい。
また、前記ナノ粒子を樹脂に分散することは、前記樹脂を溶融することと、前記ナノ粒子を含む前記混合溶液と、溶融した前記樹脂とを混合することを含み、前記水溶性ポリマーの貧溶媒が、加圧二酸化炭素であってもよい。更に、前記混合溶液と混合した前記溶融した樹脂から、前記水溶性ポリマーの貧溶媒及び前記アルコールを分離することと、前記水溶性ポリマーの貧溶媒と前記アルコールを分離した前記溶融した樹脂を成形することを含んでもよい。
本発明の第3の態様に従えば、樹脂ペレットの製造方法であって、第2の態様の成形体の製造方法によって、前記ナノ粒子を含む成形体を製造することと、前記成形体を裁断することを含む樹脂ペレットの製造方法が提供される。
前記樹脂は、親水性セグメントを含むブロック共重合体であってもよく、更に、前記ブロック共重合体の親水性セグメントは、ポリエーテルであってもよい。
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様の方法により、前記ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造することと、第1の樹脂ペレットと共に、前記ナノ粒子を含有しない第2の樹脂ペレットを可塑化溶融して成形体を製造することを含む成形体の製造方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第4の態様の成形体の製造方法により成形体を製造することと、前記成形体の表面にメッキ膜を形成することを含むメッキ膜を有する成形体の製造方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、ナノ粒子であって、金属粒子と、前記金属粒子を被覆する水溶性ポリマーを含み、前記ナノ粒子は平均粒子径が100nm以下であり、240℃で10分間加熱した後の平均粒子径の変化率が50%以下であることを特徴とするナノ粒子が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、第6の態様のナノ粒子が樹脂に分散されている成形体が提供される。
本発明の第8の態様に従えば、第6の態様のナノ粒子が親水性セグメントを有するブロック共重合体に分散されている樹脂ペレットが提供される。
本発明のナノ粒子は、高温の溶融樹脂と接触させても触媒活性が失活しない耐熱性を有し、高温下においても凝集せず、樹脂中で高い分散性を有する。したがって、本発明のナノ粒子を含む成形体では、成形時の高温状態を経ても、ナノ粒子は成形体中に均一に分散するためメッキ触媒活性が高い。そのため、本発明の成形体は、メッキ反応性が高い。
第1の実施形態のナノ粒子を含む成形体の製造方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態のナノ粒子を含む成形体の製造方法を示すフローチャートである。 実施例1において用いたナノ粒子製造装置を示す概略図である。 実施例6において用いたナノ粒子を含む成形体の製造装置を示す概略図である。 図4に示す製造装置が備える下流側シール機構の概略図である。 実施例1における280℃での耐熱性試験後のナノ粒子のTEM写真であって、(a)は、倍率20万倍のTEM写真であり、(b)は、倍率200万倍のTEM写真である。 実施例3で製造したナノ粒子の倍率20万倍の断面TEM写真である。 実施例4で製造したナノ粒子の倍率20万倍の断面TEM写真である。 比較例1で製造したナノ粒子の倍率5万倍のTEM写真である。
[第1の実施形態]
本実施形態では、ナノ粒子の製造方法、該方法によって製造されるナノ粒子、更に、製造されたナノ粒子を含む成形体について説明する。
[ナノ粒子の製造方法]
本実施形態のナノ粒子の製造方法について、図1に従って説明する。本実施形態で製造されるナノ粒子は、金属粒子と、金属粒子を被覆する水溶性ポリマーを含み、平均粒子径が100nm以下であり、好ましくは10nm以下である。
まず、水溶性ポリマー及びアルコールを含む第1溶液を調製する(ステップS1)。水溶性ポリマーは、後述する金属粒子の前駆体と反応し易く、製造されるナノ粒子に高耐熱性を付与するものであれば任意であるが、例えば、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(3-ビニルピリジン)、ポリ(N−ビニルカルバゾール) 、ポリ(ビニルチアゾリウム塩)及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。水溶性ポリマーは、分解温度が200℃以上であることが好ましい。特に、合成されたナノ粒子が280℃以上の耐熱を維持するためには、水溶性ポリマーは、ポリ(2−ビニルピリジン)、又はポリ(4−ビニルピリジン)であることが好ましい。また、低コスト化の観点からは、水溶性ポリマーはポリビニルピロリドンが好ましい。また、1種類のみの水溶性ポリマーを用いてもよいし、2種類以上の水溶性ポリマーを混合して用いても良い。
アルコールは、上述の水溶性ポリマーを溶解するものであれば任意であるが、例えば、エタノール、イソプロパノール、メタノール、1−プロパノール及びブタノールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。本実施形態のアルコールは、後述する金属粒子の前駆体と接触し、金属粒子の前駆体である金属錯体を還元する働きをするため、還元性の高いアルコールであることが好ましく、その観点からは、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、メタノール及びブタノールが好ましい。また、本実施形態のアルコールは、後述するナノ粒子合成時の高温高圧下において、超臨界状態又は亜臨界状態となるものが好ましい。ナノ粒子合成反応を促進するからである。
以下、適宜、第1溶液に含まれるアルコールを「第1の溶媒」と記す。第1の溶媒は、1種類のみのアルコールを用いてもよいし、2種類以上のアルコールを混合して用いてもよい。
第1溶液の溶媒は、アルコール(第1の溶媒)のみから形成されてもよいが、他の溶媒として水、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド等を含んでもよい。第1溶液の溶媒は、アルコールを50〜100wt%含むことが好ましく、80〜100wt%含むことが更に好ましい。
次に、水溶性ポリマーの貧溶媒及び金属粒子の前駆体を含む第2溶液を調製する(ステップS2)。水溶性ポリマーの貧溶媒とは、本実施形態に用いる水溶性ポリマーの溶解度が低い溶媒を意味し、主に、水、アルコール等の極性溶媒を除く、非極性溶媒が挙げられる。水溶性ポリマーの貧溶媒は、例えば、ヘキサン又は、超臨界二酸化炭素や液体二酸化炭素を含む加圧二酸化炭素であることが好ましい。以下、適宜、第2溶液に含まれる水溶性ポリマーの貧溶媒を「第2の溶媒」と記す。
特に、ナノ粒子合成反応を促進する観点からは、第2の溶媒として、加圧二酸化炭素を用いることが好ましい。加圧二酸化炭素は、ナノ粒子合成時の高温高圧下では、超臨界状態又は亜臨界状態となるため、ナノ粒子合成反応を促進する。これは、臨界点を超えることで拡散係数が大きくなり、加圧二酸化炭素に溶解した金属錯体とポリマーの接触確率が高まるためだと考えられる。また、分解等、ポリマーへのダメージを比較的少なくするという観点からは、第2の溶媒はヘキサンが好ましい。
更に、金属粒子の前駆体を溶解させる第2の溶媒は、ポリマーを溶解させる第1の溶媒と相溶することが好ましい。後述するナノ粒子の合成反応において、第2の溶媒に溶解した金属粒子の前駆体は第1の溶媒に拡散していき、第1の溶媒中に溶解する水溶性ポリマーに接触する。そして、金属粒子の前駆体は、水溶性ポリマー内で分解、還元され、金属微粒子の周囲に水溶性ポリマーが被覆されると考えられる。第1の溶媒と第2の溶媒が相溶することで、ナノ粒子の合成反応が促進される。
金属粒子の前駆体は、第2の溶媒に溶解し、更に、上述したアルコールにより還元されナノサイズの金属粒子を形成するものであれば任意である。例えば、銅、鉄、アルミニウム、白金、ルテニウム、銀、ニッケル、クロム、パラジウム、金、ケイ素、チタン等の金属の有機金属錯体、金属アルコキシド、金属酸化物等が挙げられ、特に有機金属錯体が好ましい。また、水溶性ポリマーの貧溶媒(第2の溶媒)として、加圧二酸化炭素を用いる場合には、金属粒子の前駆体は加圧二酸化炭素に対する溶解度の高い金属錯体が好ましく、密度0.8g/cm以上の加圧二酸化炭素に対し、0.1g/L以上の溶解度を有する金属錯体を用いることが好ましい。このような金属粒子の前駆体としては、例えば、ヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)、フェロセン、白金ジメチル(シクロオクタジエン)等が挙げられる。また、本実施形態の金属粒子の前駆体は、上述の第1溶液に含まれるアルコール(第1の溶媒)に可溶であるものが好ましい。また、1種類のみの金属粒子の前駆体を用いてもよいし、2種類以上の金属粒子の前駆体を混合して用いてもよい。2種類以上の金属を含む金属粒子の前駆体を用いることで、2種類以上の金属からなる合金の金属粒子を含むナノ粒子を製造してもよい。
金属粒子の前駆体としてパラジウムの前駆体を用いると、製造したナノ粒子を無電解メッキの触媒として用いることができるので好ましい。特にヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)は、大気中における熱分解開始温度が60〜70℃程度と低く、150℃程度で全分解し、アルコールと接触すると、アルコール還元により常温でも分解し金属化する。このように、耐熱性や分解温度の低い金属錯体は、速やかに分解が促進され、単分散のナノ粒子を形成する材料として適している。
次に、第1溶液と第2溶液とを混合して、圧力が5〜30MPaの混合溶液を調製する(図1のステップS3)。混合溶液の調製は、第1及び第2溶液をそれぞれ5〜30MPaに加圧した後、それらを混合して混合溶液を調製してもよく、第1溶液と第2溶液とを混合して混合溶液としてから、混合溶液を5〜30MPaに加圧してもよい。混合溶液の圧力は、5MPaより低いと、溶媒密度が低くなり、引火点や沸点が十分に高くならないため高圧溶媒を用いるメリットが低下する虞が有り、30MPaより高いと、装置の負荷の大きい。これらの観点から、混合溶液の圧力は、6〜20MPaとすることが更に好ましい。
混合溶液は、第1溶液と第2溶液とを体積比1:9〜9:1の範囲で混合して調製することが好ましく、体積比1:4〜4:1の範囲で混合して調製することが更に好ましい。
次に、5〜30MPaに加圧した前記混合溶液を100℃〜350℃に温度制御する(ステップS4)。混合溶液を100℃〜350℃に温度制御する方法は、特に限定されないが、本実施形態では、5〜30MPaに加圧した高圧の混合溶液を100℃〜350℃に温度制御された管内に流通させる。高圧の混合溶液を狭い配管内に流通させることで、金属粒子と水溶性ポリマーの接触面積が増大し反応速度が向上する。管の内径は圧力保持、生産性の観点から外径1/16インチ〜1/2インチ(約1.59mm〜12.7mm)、肉厚0.02インチ(0.5mm)〜0.1インチ(2.5mm)の管を用いることが好ましい。混合溶液の温度は、100℃より低いと、金属粒子の前駆体の分解、又は還元反応が進み難く、また、350℃より高いと、水溶性ポリマーが熱分解するリスクが生じ、又混合溶媒が流通する管への負荷も大きくなる。これらの観点から、混合溶液の温度は、100〜300℃とすることが更に好ましい。
以上説明した方法により、金属粒子と、金属粒子を被覆する水溶性ポリマーを含むナノ粒子が混合溶液中に合成される(製造される)。本実施形態で合成されるナノ粒子の大部分は、個々の1次粒子が凝集せずに分散している。このようなナノ粒子が合成されるメカニズムは、次のように推察される。
まず、本実施形態では、合成反応開始前、アルコールと、金属粒子の前駆体とは、それぞれ別々の第1溶液、第2溶液に含まれる。金属粒子の前駆体は、常温常圧下であっても、アルコールと接触すると還元され金属粒子を生成し、金属粒子同士が凝集する可能性がある。本実施形態では、アルコールと、金属粒子の前駆体とを別々の溶液に含有させることで、金属粒子の生成及び凝集を回避できる。次に、ナノ粒子合成中の高温高圧下の混合溶液中において、水溶性ポリマーは、貧溶媒である第2の溶媒には溶解し難いため、混合溶液全体には拡散せず、第1の溶媒(アルコール)中に存在する。したがって、金属粒子の前駆体がアルコールと接触して還元され、金属粒子を生成するとき、水溶性ポリマーは常に金属粒子が生成する周辺に存在する。このとき、生成した金属粒子に、水溶性ポリマーは配位すると推測される。このような水溶性ポリマーの存在下で金属粒子が生成するため、凝集が抑制され、平均粒子径100nm以下の単分散状態を維持できると推測される。
本実施形態においては、ナノ粒子合成時において、水溶性ポリマーが溶解する第1の溶媒又は、金属粒子の前駆体の溶解する第2の溶媒のいずれかが、超臨界流体であることが好ましい。ナノ粒子の合成反応効率が向上するからである。第1及び第2の溶媒の両方が、超臨界状態になることが更に好ましい。各溶媒およびそれぞれに溶解した溶質の移動が活発になり、アルコール還元された金属微粒子がポリマーに被覆されやすくなると考えられる。
[ナノ粒子]
本実施形態で製造されるナノ粒子の粒径は、平均粒子径が100nm以下であり、好ましくは10nm以下である。ナノ粒子の平均粒子径が100nm以下であれば、樹脂への分散した場合の分散性が良好になり、本実施形態のナノ粒子を含む成形体の高機能化が期待できる。更に、ナノ粒子の平均粒子径が10nm以下であれば、樹脂への分散性がより向上し、また、成形体への表面偏析性が高まり、ナノ粒子が無電解メッキ触媒として機能する場合、メッキ反応を促進する。本発明者らの検討によれば、特に射出成形によって該ナノ粒子を含む成形体を成形する場合、平均粒子径が10nm以下のシングルナノオーダーのナノ粒子は、成形体表面に濃縮性し易いことが判明している。尚、本明細書におけるナノ粒子の平均粒子径とは、ナノ粒子のTEM写真において、50〜100個の粒子の粒子径を測定して平均した値である。
本実施形態のナノ粒子は、240℃で10分間加熱後の平均粒子径の変化率が50%以下であり、好ましくは、20%以下である。ここで、「加熱後平均粒子径の変化率」とは、以下の式で定義される。
Figure 2014155972
本実施形態のナノ粒子は、高温雰囲気においても水溶性ポリマーが熱分解せず金属微粒子を被覆し続ける。そのため、ナノ粒子は凝集せず、高い耐熱性を有する。本実施形態のナノ粒子は、200℃〜350℃の雰囲気で加熱した前後において平均粒子径の変化率が50%以下であることがより好ましく、200℃〜350℃の雰囲気で加熱した前後において平均粒子径の変化が無いことが更により好ましい。
[ナノ粒子を含む成形体の製造方法]
本実施形態で得られたナノ粒子を含む混合溶液からナノ粒子を分離する。本実施形態では、混合溶液から第1の溶媒及び第2の溶媒を除去した(図1のステップS5)。溶媒を除去する方法は、乾燥、加熱、減圧、遠心分離、濾過等の任意の方法を用いることができる。例えば、第1の溶媒として加圧二酸化炭素を用いた場合には、遠心分離の原理で溶液と気体を分離するサイクロンにより加圧二酸化炭素を分離し、次に、エバポレータ等を用いて第2の溶媒を除去する。
本実施形態では、混合溶液から第1及び第2の溶媒を除去し、ナノ粒子を紛体として分離するが、本発明はこれに限定されない。第2の溶媒(水溶性ポリマーの貧溶媒)のみを除去してもよいし、ナノ粒子を粉体として取り出さずに、混合溶液の溶媒をアルコールや水に置換してもよい。ヘキサン等の第2の溶媒は樹脂に混合されると、樹脂を溶解する等の悪影響を与える虞があるが、第1の溶媒(アルコール)や水は、樹脂に悪影響を与えることはないため、そのままナノ粒子と共に樹脂に分散することもできる。
次に、取り出したナノ粒子を樹脂に分散させる(図1のステップS6)。本実施形態では、樹脂として親水性セグメントを含むブロック共重合体(以下、適宜「ブロック共重合体」と記載する)を用い、ナノ粒子をブロック共重合体に分散して第1の樹脂ペレットを製造する。そして、第1の樹脂ペレットと共に、前記ナノ粒子を含有しない第2の樹脂ペレットを可塑化溶融して、ナノ粒子を含む成形体を製造する(ステップS7)。ここで、「樹脂ペレット」とは、樹脂を加工し易いように小さな塊(ペレット)としたものを意味し、サイズ及び形状はペレットの用途により様々であるが、例えば、3〜5mm程度の粒子状、円柱状の樹脂の小片である。
本実施形態のように、第1及び第2の樹脂ペレットを用いて成形体を製造する方法において、第1の樹脂ペレットは、マスターバッチであり、第2の樹脂ペレットは、マスターバッチが配合されるベース樹脂に相当する。マスターバッチとは、染料、顔料、その他の添加剤等の機能性材料を高濃度に含有した樹脂ペレットであり、機能性材料を含有しないベース樹脂に混合され、ベース樹脂と共に成形される。マスターバッチを用いると、機能性材料を直接ベース樹脂に添加して成形することと比較して、材料の取り扱い性が容易で秤量精度も向上する。また、マスターバッチを用いると、汎用の成形機を用いて、機能性材料を含有する成形体を製造できるという利点も有する。
本実施形態で用いる親水性セグメントを含むブロック共重合体は、親水性セグメントを有し、更に、親水性セグメントとは異なる他のセグメント(以下、適宜「他のセグメント」と記載する)を有する。親水性セグメントには、アニオン性セグメント、カチオン性セグメント、ノニオン性セグメントを用いることができる。アニオン性セグメントとしては、ポリスチレンスルホン酸系、カチオン性セグメントとしては、四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体系、ノニオン性セグメントとしては、ポリエーテルエステルアミド系、ポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリン系、ポリエーテルエステル系が挙げられる。成形体の耐熱性を確保しやすいことから、親水性セグメントは、ポリエーテル構造を有するノニオン性セグメントであることが好ましい。ポリエーテル構造としては、例えばアルキレンの炭素数が2〜4のオキシアルキレン基であるエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等のオキシアルキレン基、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、及びこれらの変性物、並びにポリエーテル含有親水性ポリマーが含まれ、特にポリエチレンオキシドが好ましい。
ブロック共重合体の他のセグメントは、親水性セグメントよりも疎水性であれば任意であるが、例えば、ナイロン、ポリオレフィン等を用いることができる。また、他のセグメントに、第2の樹脂ペレットを構成する熱可塑性樹脂と相溶する材料を用いると、成形体の成形時及び成形後の成形体内部で、熱可塑性樹脂とブロック共重合体との相分離を抑制できる。一方、他のセグメントに第2の樹脂ペレットを構成する熱可塑性樹脂と非相溶の材料を用いると、ブロック共重合体は成形体表面にブリードアウトしようと移動する働きが強くなり、成形体の表面近傍に偏析しやすくなる。これにより、メッキ液の成形体への浸透性を高めることができる。第2の樹脂ペレットを構成する熱可塑性樹脂と相溶する材料としては、該熱可塑性樹脂と同じ構造又は、類似の構造を有する樹脂が好ましい。例えば、第2の樹脂ペレットにナイロン等のポリアミド樹脂を用いる場合には、他のセグメントはポリアミド成分を含むナイロン等が好ましい。たま、第2の樹脂ペレットにポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を用いる場合には、他のセグメントはポリオレフィン成分を含むことが好ましい。反対に、第2の樹脂ペレットを構成する熱可塑性樹脂と非相溶の材料としては、該熱可塑性樹脂と異なる構造や、異なる性質を有する樹脂が好ましい。例えば第2の樹脂ペレットが疎水性のポリプロピレン等のポリオレフィンであれは、他のセグメントには比較的親水性の高いナイロン等を用いることができる。
また、両セグメントの性能を有する共重合体を用いてもよい。
ブロック共重合体は市販品を用いてもよく、例えば、三洋化成工業製ペレスタット(登録商標)、ペレクトロン(登録商標)等を用いることができる。例えば、三洋化成工業製、ペレスタット300、NC6321、1251は、親水性セグメントのポリエーテルと、他のセグメントのナイロンをエステル結合でコポリマー化したブロック共重合体である。
ナノ粒子のブロック共重合体への分散方法は任意であるが、本実施形態では、押出成形機を用いて、押出成形機内でナノ粒子と溶融したブロック共重合体とを混合させる。そして、ナノ粒子を混合したブロック共重合体を押出成形した後、粉砕して第1の樹脂ペレットを得る。このように、本実施形態では、第1の樹脂ペレットも、ナノ粒子を含む成形体に該当する。
第1の樹脂ペレット中のナノ粒子は、0.001〜2wt%とすることが好ましく、0.01〜0.5wt%とすることが更に好ましい。また、第1の樹脂ペレットは、ナノ粒子と、ブロック共重合体のみから形成されていてもよいが、必要により、汎用の添加剤、他の熱可塑性樹脂等を添加してもよい。他の熱可塑性樹脂等を第1のペレットに添加する場合には、第1の樹脂ペレット中、ブロック共重合体は、1〜20wt%であることが好ましく、3〜10wt%であることが更に好ましい。
第2の樹脂ペレットは、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリテーテルエーテルケトン、ABS系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の熱可塑性樹脂から形成される。
第1及び第2の樹脂ペレットは、射出成形機、押出成形機等の汎用の成形機を用いて所望の形状に成形でき、ナノ粒子を含む成形体を得ることができる。また、第1及び第2の樹脂ペレットと共にガラス繊維、タルク、カーボン繊維等、各種無機フィラー等を混練させて、成形体を成形してもよい。
更に、本実施形態では、得られた成形体の表面に、汎用の無電解メッキ法によりメッキ膜を形成する。このとき、成形体に含まれるナノ粒子は無電解メッキ触媒として作用する。
本実施形態のナノ粒子は高い耐熱性を有し、高温雰囲気においても水溶性ポリマーは熱分解せずに金属粒子を被覆し続けるため、ナノ粒子同士が凝集しない。したがって、成形体の成形時において、高温の溶融樹脂と接触してもナノ粒子は凝集せずに高分散性を維持できる。そのため、樹脂への分散性がより向上し、また、微粒子であるため成形体への表面偏析性が高まる。その結果、メッキ反応を促進することができる。
更に、本実施形態では、ナノ粒子が溶融樹脂と接触混練した際、水溶性ポリマーが熱分解することなく金属粒子を被覆しているので、溶融樹脂等から発生する揮発ガスから金属粒子が保護される。そのため、第2の樹脂ペレットとして、ABS樹脂等の揮発ガスを発生する樹脂を用いても、成形体成形時に金属粒子は触媒活性を失活する虞がない。尚、金属粒子を覆う水溶性ポリマーは、無電解メッキ液との接触、又は、無電解メッキの前処理液との接触により除去され、無電解メッキ反応時には金属粒子を覆っていないと推測される。
また、本発明者らは、成形体に含有されるブロック共重合体がメッキ膜の成長を促し、更にメッキ膜の外観特性を向上させることを見出した。この理由は定かではないが、以下のように推察される。
成形体の製造過程又は製造後において、ブロック共重合体の親水性セグメントは成形体表面にブリードアウトしようと移動する傾向がある。よって、ブロック共重合体は、成形体の表面近傍に偏在し、ブロック共重合体の親水性セグメントにより、成形体は表面近傍が親水化される。
本実施形態では、成形体に無電解メッキ液を接触させると、メッキ液は成形体の表面から内部に浸透して金属微粒子と接触し、樹脂成形体の内部から樹脂成形体を押し広げながらメッキ膜が成長する。このとき、本実施形態の成形体はブロック共重合体により表面近傍が親水化されているため、メッキ液の浸透とメッキ膜の成長が促されると考えられる。本実施形態の成形体は、メッキ膜の付きまわり性が良好で、短時間でメッキ膜が形成される。メッキ膜形成時間が短くなることで、ピンホール等のメッキ膜の欠陥も生じにくくなる。
一方、ブロック共重合体は、成形体の表面近傍に偏析するため、ブロック共重合体により親水化されるのは成形体の表面近傍である。ブロック共重合体は成形体の親水性を部分的に向上させるが、成形体全体の吸水性(マクロ的吸水性)へ与える影響は小さい。よって、メッキ液中での成形体の脆性破壊を抑制でき、成形体の機械的特性を低下させない。この結果、メッキ膜形成後も成形体は十分な耐熱衝撃性能を有する。
更に、本実施形態において、ブロック共重合体が成形体の表面近傍へ移動するのに伴って、ナノ粒子も表面近傍へ移動し表面近傍に偏在化し易くなると推察される。この現象の理由は定かではないが、ナノ粒子が表面近傍に偏在化することで、メッキ膜を樹脂表面に形成し易くなり、メッキ膜の密着力低下が抑制され、メッキ反応ムラやピンホール等の外観不良が低減される。
尚、本明細書において、「成形体の表面近傍」とは、成形体の内部であって、且つ、表面に近い領域を意味し、成形体をメッキ液に接触させたときに表面からメッキ液が浸透してメッキ反応が起きる領域を意味する。「成形体の表面近傍」が、成形体の表面から、どの程度の深さまでの領域を意味するかは、成形体に用いられる樹脂の種類によっても異なるが、例えば、成形体の表面から、0.1〜10μmまでの深さの領域である。
本実施形態では、上述のように、ナノ粒子をブロック共重合体に混合して、第1の樹脂ペレット(マスターバッチ)を製造したが、ナノ粒子を混合させる有機材料は、ブロック共重合体に限定されない。例えば、第2の樹脂ペレットを構成するベース樹脂と相溶性が悪く、比較的低分子の有機材料は、製造された成形体表面に移動することが知られている。具体的には、フッ素系樹脂やシリコン系樹脂のオリゴマーや可塑剤が挙げられる。ブロック共重合体の代わりに、このような有機材料にナノ粒子を混合して、第1の樹脂ペレット(マスターバッチ)を製造することもできる。
また、本実施形態では、押出成形機を用いて第1の樹脂ペレット(マスターバッチ)を製造し、第1の樹脂ペレット(マスターバッチ)及び第2の樹脂ペレット(ベース樹脂)を用いてナノ粒子を含む成形体を成形したが、本発明はこれに限定されない。例えば、マスターバッチを製造せず、金属微粒子を直接、樹脂に分散して成形体を製造してもよい。この場合、樹脂としては、上述した第2の樹脂ペレットを形成する樹脂が使用でき、更に、エポキシ等の熱硬化性樹脂やアクリル等の光硬化樹脂の硬化前の原料も使用できる。更に、ナノ粒子の樹脂への分散方法も押出成形機を用いたものに限定されず、射出成形機等の他の成形機を用いても良い。また、他の分散方法としては、ナノ粒子を溶媒に分散させ、その溶液中へ樹脂を浸漬させる方法を用いることができる。この方法によれば、ナノ粒子は溶媒と共に樹脂へ浸透、分散してゆく。また、本実施形態のナノ粒子は、熱硬化性樹脂のRIM成形(反応性射出成形:Reaction Injection Molding)にも用いることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態において合成したナノ粒子を混合溶液から分離せず、混合溶液と共に溶融した樹脂へ導入して、ナノ粒子を含む成形体を製造する。混合溶液をそのまま溶融樹脂に混合する本実施形態の方法は、成形体の量産効率や品質安定性を向上させる。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、まず、ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造し、次に、第1の樹脂ペレットと共に、前記ナノ粒子を含有しない第2の樹脂ペレットを可塑化溶融して、ナノ粒子を含む成形体を製造する。
本実施形態の方法について、図2に従って説明する。まず、第1の実施形態と同様に、混合溶液中にナノ粒子を製造する(図2のステップS1〜S4)。但し、本実施形態では、第2溶液が含有する水溶性ポリマーの貧溶媒(第2の溶媒)は、加圧二酸化炭素である。加圧二酸化炭素は、他の非極性有機溶媒と異なり、溶融樹脂と直接接触させても溶融樹脂を溶解する等の悪影響がなく、また、溶融樹脂からの除去も容易だからである。
次に、樹脂として、ブロック共重合体を溶融し、ナノ粒子を含む混合溶液と、溶融したブロック共重合体とを混合する。これにより、混合溶液中のナノ粒子が溶融樹脂中に分散される(ステップS16)。樹脂の溶融及び溶融樹脂とナノ粒子との混合は、汎用の押出成形機や射出成形機中で行うことができる。本実施形態では、合成直後のナノ粒子を含む混合溶液を5〜30MPaの圧力を維持したまま連続的に押出成形機へ導入し、溶融樹脂(溶融したブロック共重合体)と混合する。
次に、混合溶液を混合した樹脂から、第1及び第2の溶媒を排出する(ステップS17)。本実施形態では、成形機内で、高圧の混合溶液と混合した溶融樹脂の圧力を減圧することにより、溶融樹脂に溶解している第1及び第2の溶媒の溶融樹脂への溶解度を低下させ、溶融樹脂からこれらの溶媒を排出する。本実施形態に用いる成形機は、成形機からアルコール(第1の溶媒)や加圧二酸化炭素(第2の溶媒)を除去するための排出口を有することが好ましい。次に、1及び第2の溶媒が排出された溶融樹脂を紐状に押出成形し(図2のステップS18)、粉砕して第1の樹脂ペレットを得る。
第1の実施形態と同様に、得られた第1の樹脂ペレットと、ナノ粒子を含有しない第2の樹脂ペレット(ベース材料)とを用いて汎用の成形機により成形し、ナノ粒子を含む成形体を成形する。更に、第1の実施形態と同様の方法により、成形体の表面にメッキ膜を形成する。本実施形態で得られた、成形体及びメッキ膜を有する成形体は、第1の実施形態と同様の特性を有する。
以下、本発明について実施例及び比較例を用いて更に説明する。但し、本発明は、以下に説明する実施例及び比較例に限定されるものではない。
[実施例1]
図3の示す装置を用いてナノ粒子を製造し、更に、ナノ粒子を含む成形体を製造した。本実施例では、水溶性ポリマーとしてポリ(2-ビニルピリジン)(シグマアルドリッチ製、分子量40000)を用い、アルコール(第1の溶媒)としてエタノールを用いて第1溶液を調製し、金属粒子の前駆体としてパラジウム錯体であるヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)を用い、水溶性ポリマーの貧溶媒(第2の溶媒)としてn−ヘキサンを用いて第2溶液を調製した。合成したナノ粒子を混合する樹脂として、親水性セグメントを有するブロック共重合体(三洋化成工業製、ペレスタット300)を用い、ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造した。更に、本実施例では、第1の樹脂ペレットと、ナノ粒子を含有しない第2の樹脂ペレットとからナノ粒子を含む成形体を製造し、製造した成形体上にメッキ膜を形成した。第2の樹脂ペレットとしては、ABS樹脂の樹脂ペレットを用いた。
<ナノ粒子製造装置>
本実施例に用いたナノ粒子製造装置1000について説明する。図3に示すように、ナノ粒子製造装置1000は、第1溶液供給機構100、第2溶液供給機構200、ナノ粒子合成部300及びナノ粒子回収部400から構成される。
第1及び第2溶液供給機構100,200は、逆止弁17,27を介してナノ粒子合成部300に接続しており、それぞれ、第1溶液、第2溶液をナノ粒子合成部300に供給する。第1溶液供給機構100は、第1溶液が調製される第1溶液供給容器10と、第1溶液供給容器10から第1溶液を吸引後、所定の圧力に昇圧し、更に流量一定で液送可能な2つのシリンジポンプ11,12と、配管に配置される2つの吸引用エアー自動バルブ13,14と、2つの液送用エアー自動バルブ15,16から構成される。第2溶液供給機構200も、第1溶液供給機構100と同様の構成であり、第2溶液が調製される第2溶液供給容器20と、第2溶液供給容器20から第2溶液を吸引後、所定の圧力に昇圧する2つのシリンジポンプ21,22と、配管に配置される2つの吸引用エアー自動バルブ23,24と、2つの液送用エアー自動バルブ25,26から構成される。第1及び第2溶液供給機構100,200は、流量制御及び圧力制御が可能なシリンジポンプ11,12,21,22を有するので、流量及び圧力を所定量に制御した第1及び第2溶液をナノ粒子制御部300へ送ることができる。シリンジポンプ21,22は、吸引用エアー自動バルブ13,14,23,24を開放して溶液をシリンジポンプ内に吸引した後、前記バルブを閉鎖して加圧して所定圧力に保つ。液送する際は、液送用エアー自動バルブ15,16,25,26を開放し、シリンジポンプのシリンジを一定速度で押し込むことで流量一定で液送することができる。流量制御で加圧流体を流動させる際の圧力は、経路末端の背圧弁39にて調整する。第1及び第2溶液供給機構100,200それぞれにおいて、一方のポンプ(例えば、シリンジポンプ11,21)が液送している際に、他方のポンプ(シリンジポンプ12,22)が溶液を吸引加圧して待機する。液送している一方のポンプ(シリンジポンプ11,21)内の加圧した溶液が空になったタイミングで、ポンプを切り替え、今度は、他方のポンプ(シリンジポンプ12,22)により液送を開始する。これにより連続で圧力と流量を一定にして、第1及び第2溶液供給機構100,200からナノ粒子合成部300へ第1及び第2溶液を液送する(供給する)ことが可能となり、ナノ粒子製造装置1000はナノ粒子を連続製造することができる。尚、第2溶液供給容器20は、加圧二酸化炭素も収容可能なように高圧密閉容器を用いた。
ナノ粒子合成部300は、上述のように第1及び第2溶液供給機構100,200と接続すると共に、圧力計38、背圧弁39を介してナノ粒子回収部400へも接続する。ナノ粒子合成部300は、第1及び第2溶液供給機構100,200から供給される第1溶液と第2溶液とを混合して混合溶液を調製した後、混合溶液内でナノ粒子を合成し、合成したナノ粒子を含む混合溶液をナノ粒子回収部400へ送る。ナノ粒子合成部300は、内壁に配管31を螺旋状に這わせた筒状の電気炉30と、筒状の電気炉30の入口30a側、つまり第1及び第2溶液供給機構100,200側に配置された冷却用二重配管32と、筒状の電気炉30の出口30b側、つまりナノ粒子回収部400側に配置された冷却用二重配管33とから構成される。第1及び第2溶液供給機構100,200から供給された第1及び第2溶液は、合流点34において合流、混合され混合溶液となった後、冷却用二重配管32、電気炉30内の螺旋状の配管31、冷却用二重配管33を流通し、ナノ粒子回収部400へ送られる。尚、ナノ粒子製造装置1000では、電気炉30内の配管31、冷却用二重配管32,33を含む混合溶液が流通する全ての配管(管)には、肉厚0.5mm(0.02インチ)、外径1.58mm(1/16インチ)のSUS316の配管を用いた。電気炉30内の配管31の長さは約2mとし、配管31の内容積、つまりナノ粒子の合成反応場の容積は、約0.51cmとした。
ナノ粒子回収部400は、遠心分離により気体と液体とを分離するサイクロン40と、気体を分離された溶液が回収される回収容器42から構成される。第2の溶媒(水溶性ポリマーの貧溶媒)として加圧二酸化炭素を用いた場合に、第2の溶媒はサイクロン40により混合溶液から除去される。本実施例では、第2の溶媒に加圧二酸化炭素は用いていないので、サイクロン40は用いず、合成されたナノ粒子を含む混合溶液は、そのまま回収容器42に回収された。
<ナノ粒子の製造>
第1溶液供給容器10内で、第1の溶媒であるエタノールに水溶性ポリマーであるポリ(2-ビニルピリジン)を溶解し、第1溶液を調製した。第1溶液中のポリ(2-ビニルピリジン)濃度は、3g/Lとした。第2溶液供給容器20内で、第2の溶媒であるn−ヘキサンに金属粒子の前駆体としてパラジウム錯体を溶解し、第2溶液を調製した。第2溶液中のパラジウム錯体濃度は、800mg/Lとした。このとき、第2溶液の色は、パラジウム錯体に起因する黄色であった。
次に、第1溶液供給機構100において、吸引用エアー自動バルブ13を開放し、シリンジポンプ11内に第1溶液を吸引し、圧力20MPaに加圧した。同様に、第2溶液供給機構200において、吸引用エアー自動バルブ23を開放し、シリンジポンプ21内に第2溶液を吸引し、圧力20MPaに加圧した。このとき、シリンジポンプ11,12内の温度は常温(25℃)とした。
次に、液送用エアー自動バルブ15,25を開放して、第1及び第2溶液を共にナノ粒子合成部300へ液送した。第1及び第2溶液は、逆止弁17、27を経由し、合流点34において合流し、混合され、圧力20MPaの混合溶液となった。第1溶液、第2溶液が、体積比1:1で混合するようにシリンジポンプ11、21を制御し、更に、冷却用二重配管32、電気炉30内の配管31、冷却用二重配管33を経て、背圧弁39まで、圧力20MPaの混合溶液で満たした。このとき、電気炉30の温度は、200℃に制御し、冷却用二重配管32、33には20℃の冷却水を通水し、背圧弁39は事前に圧力計38の表示が20MPaとなるように制御した。
次に、シリンジポンプ11,21を流量制御に切り替え、流速1ml/min.で混合溶液を配管内に流通させた。シリンジポンプ11,21の流量制御開始1分後に、サイクロン40下部から、混合溶液は黒色の液体として回収容器42内に滴下された。回収された混合溶液の色から、原料のパラジウム錯体が、分解還元されパラジウムとなったと推察される。
本実施例で回収された混合溶液(黒色の溶液)からエバポレータにより、エタノール(第1の溶媒)とn−ヘキサン(第2の溶媒)を除去し、黒色の粉体が得られた。
<ナノ粒子の評価>
得られたナノ粒子を、エタノール中に投入し、エタノールへの分散性を評価した。ナノ粒子は、沈降することなく、エタノールに対して良好な分散性を示した。この結果から、得られたナノ粒子は水溶性ポリマーに被覆されていると推測される。
次に、ナノ粒子のTEM観察を行った。ナノ粒子の粒子径は約3〜5nm程度で、一次粒子が凝集することなく単分散しており、平均粒子径は約4nmであった。ナノ粒子の平均粒子径は、ナノ粒子をTEM観察し、50〜100個の粒子の粒子径を測定して平均した値である。
次に、ナノ粒子の耐熱性を調べるため、ナノ粒子を240℃、260℃、280℃及び300℃の各温度で10分間加熱する耐熱性試験を行った。耐熱性試験後、ナノ粒子を再びTEM観察して平均粒子径を求めた。
その結果、ナノ粒子は、240℃、260℃、280℃及び300℃の各温度での耐熱性試験後も、加熱前と同様の粒径で凝集せずに単分散を維持していた。つまり、本実施例のナノ粒子は、240℃、260℃、280℃及び300℃の各温度での10分間加熱後の平均粒子径の変化率は、全て約0%であった。図6(a)、(b)に、280℃での耐熱性試験後のナノ粒子のTEM写真を示す。また、各温度での耐熱性試験後のナノ粒子は、耐熱性試験前と同様にエタノールに対して良好な分散性を示した。この結果から、耐熱性試験後も、ナノ粒子は水溶性ポリマーに被覆されていると推測される。
以上の結果から、本実施例で製造したナノ粒子は、高温下においても水溶性ポリマーに保護されているので、凝集を生じず、高い耐熱性を有することがわかった。したがって、本実施例で製造されたナノ粒子を溶融樹脂と混合して成形体を製造する場合、溶融樹脂と接触する成形時の高温環境下においてもナノサイズの粒子径と、良好な分散性(単分散状態)を維持すると考えられる。
<ナノ粒子を含む成形体の製造方法>
合成したナノ粒子をブロック共重合に混合して、ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造した。本実施例では、汎用の押出成形機(井元製作所製、単軸押出機)を用いて、押出成形機内で、ナノ粒子とブロック重合体とを200℃で混合、溶融させ、押出成形した。その後、汎用の裁断機によって任意のサイズに裁断し、パラジウム金属微粒子とブロック共重合体を含む第1の樹脂ペレットを得た。ナノ粒子とブロック重合体との混合比率は、第1の樹脂ペレット中のナノ粒子の濃度が500ppmとなるように設定した。
得られた第1の樹脂ペレットのTEM観察を行った。ナノ粒子は、ブロック共重合体のマトリックス中に凝集することなく、ほぼ均一に単分散状態を保ち分散していた。高温下での成形工程を経ても良好な分散状態を示すことから、ブロック共重合体中のナノ粒子は、金属粒子を水溶性ポリマーが被覆した状態であると推測される。
次に、得られたナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットと、ナノ粒子を含まないABS樹脂の樹脂ペレット(第2の樹脂ペレット)とを重量比10:90でドライブレンドし、汎用の射出成形機(日本製鋼所製、J180AD−300H)を用いて、汎用の成形方法により成形体を成形した。このとき、金型温度は60℃、樹脂温度は220℃とした。
<メッキ膜の形成>
得られた成形体を1,3−ブタンジオールを70vol%含む、温度70℃の水溶液に10分間曝した後、温度80℃の無電解めっき液(カニゼン製、SE−666)に10分間浸漬し、膜厚約1μmの無電解NiPメッキ膜を形成した。無電解メッキ膜の密着強度をクロスハッチテープ試験により評価したところ、メッキ膜の剥離は生じなかった。
本実施例では、ベース樹脂としてABS樹脂を用いているのにもかかわらず、得られた成形体に含まれるナノ粒子(パラジウム粒子)は触媒活性を失わず、成形体表面に密着強度の高いメッキ膜を形成することができた。これは、水溶性ポリマーが熱分解することなく金属粒子を被覆し、ABS樹脂から成形時に発生される揮発性ガスから金属粒子を保護したためと推測される。
[実施例2]
水溶性ポリマーの貧溶媒(第2の溶媒)として加圧二酸化炭素を用いて第2溶液を調製した以外は、実施例1と同様の方法を用いてナノ粒子を製造した。
第1溶液中のポリ(2-ビニルピリジン)濃度は、1.5g/Lとし、第2溶液中のパラジウム錯体濃度は、1g/Lとした。第2溶液は、第2溶液供給容器20内に液体二酸化炭素と気体二酸化炭素からなる加圧二酸化炭素を収容し、密度の高い液体二酸化炭素層に金属粒子の前駆体としてパラジウム錯体を溶解して調製した。本実施例では、第2溶液供給容器20の下部から、パラジウム錯体の溶解する液体二酸化炭素(第2溶液)を濃度一定で取り出すことができた。
実施例1と同様に、シリンジポンプ11,12,21,22を用い、第1溶液と第2溶液とを体積比1:1で混合して混合溶液を調製し、調製した混合溶液をナノ粒子合成部300へ連続的に液送した。各シリンジポンプ11,12,21,22の圧力、及び圧力計38の表示圧は、実施例1と同様に20MPaとした。電気炉30の温度も実施例1と同様に、200℃に制御した。但し、混合溶液は、流速は10ml/min.と実施例1の10倍速度で配管内を流通させて、ナノ粒子を合成した。尚、本実施例では、実施例1とは異なり、サイクロン30を介して二酸化炭素(第2の溶媒)を除去した後、回収容器42にナノ粒子を含む混合溶液を回収した。
実施例1と同様の方法により第1の溶媒を除去した後、得られたナノ粒子について、実施例1と同様にエタノールへの分散性評価、TEM観察及び耐熱性試験を行った。その結果、本実施例で得られたナノ粒子は、実施例1で得られたナノ粒子と同等の特性を有していた。
本実施例では、混合溶液の装置内の流速を実施例1の10倍としたが、上述のように実施例1と同等の特性を有するナノ粒子を製造することができた。つまり、本実施例では、ナノ粒子の合成の反応速度は、実施例1の約10倍であった。この原因は、第2の溶媒として加圧二酸化炭素を用いたためと推察される。ナノ粒子の合成時の雰囲気は200℃、20MPaであったので、加圧二酸化炭素は超臨界状態であった(二酸化炭素の臨界点:31.1℃、7.4MPa)。また、ナノ粒子の合成時、第1の溶媒のエタノールも亜臨界状態であった。本実施例は、溶媒として、超臨界二酸化炭素と、亜臨界エタノールを用いてナノ粒子の合成を行ったため、合成反応が促進されたと推測される。
[実施例3]
水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(ISP製、PVP K-120、分子量64万)を用いた以外は、実施例1と同様な方法でパラジウムのナノ粒子を製造した。
得られたナノ粒子について、実施例1と同様にエタノールへの分散性評価、TEM観察及び240℃における耐熱性試験を行った。本実施例のナノ粒子は、実施例1で得られたナノ粒子と同様に、耐熱試験前後において、エタノールに対し良好な分散性示し、240℃、10分間加熱した後の粒子径の変化率は10%以下であった。
一方、図7に示すように、TEM観察の結果、本実施例で得られたナノ粒子の平均粒子径は40nmであり、一部に2次凝集がみられ、最大長さ70nm程度のナノ粒子の集合体が観察された。
<比較実験>
本実施例で得られたナノ粒子の粒子径が、実施例1と比較して拡大した理由を調べるため、以下の比較実験を行った。実施例1で用いた水溶性ポリマーを溶解した第1溶液と、金属粒子の前駆体を溶解した第2溶液とを大気圧下で混合して混合溶液を調製し、数日間放置した。同様に、本実施例で用いた第1溶液と、第2溶液とを混合して混合溶液を調製し、数日間放置した。
実施例1の混合溶液は、調製直後は、金属錯体由来の黄色であり、数日間放置後も黄色から変化しなかった。この結果は、金属錯体のアルコール還元が抑制されていることを示す。実施例1の混合溶液では、水溶性ポリマーがパラジウム錯体に配位置換等することにより、パラジウム錯体が還元しないよう保護されると考えられる。したがって、実施例1では、水溶性ポリマーと金属錯体が良好に相溶しており、ナノ粒子の合成反応時(金属錯体の熱還元時)に、水溶性ポリマーが金属粒子に被覆しやすい環境になっていると推測される。
これに対し、本実施例の混合溶液は、調製直後は、実施例1の混合溶液と同様に黄色であったが、1日放置後には黒く変色した。この結果は、金属錯体のアルコール還元反応が進行したことを示す。本実施例では、水溶性ポリマーが金属錯体に配位する等の現象は起きず、金属錯体の分解、還元時に水溶性ポリマーが周囲に存在しない場合があると考えられる。そのため、一部のパラジウム粒子において凝集が起きたと推測される。
[実施例4]
水溶性ポリマーの貧溶媒(第2の溶媒)として、ヘキサンの代わりに加圧二酸化炭素を用いた以外は、実施例3と同様の方法を用いてパラジウムのナノ粒子を製造した。
実施例2と同様に、第2溶液は、第2溶液供給容器20内に液体二酸化炭素と気体二酸化炭素からなる加圧二酸化炭素を収容し、密度の高い液体二酸化炭素層に金属粒子の前駆体としてパラジウム錯体を溶解して調製した。本実施例では、第2溶液供給容器20の下部から、パラジウム錯体の溶解する液体二酸化炭素(第2溶液)を濃度一定で取り出すことができた。尚、本実施例では、実施例1とは異なり、サイクロン30を介して二酸化炭素(第2の溶媒)を除去した後、回収容器42にナノ粒子を含む混合溶液を回収した。
得られたナノ粒子について、実施例1と同様にエタノールへの分散性評価、TEM観察及び240℃における耐熱性試験を行った。本実施例のナノ粒子は、実施例1で得られたナノ粒子と同様に、耐熱試験前後において、エタノールに対し良好な分散性示し、240℃、10分間加熱した後の粒子径の変化率は5%以下であった。
図8に示すように、TEM観察の結果、本実施例で得られたナノ粒子の平均粒子径は10nmであり、分散性も良好であり、凝集体は殆どみられなかった。
得られたナノ粒子の評価結果について、本実施例と実施例3とを比較すると、本実施例の方が240℃、10分間加熱した後の粒子径の変化率が小さく、また、ナノ粒子の分散性も高かった。この原因は、以下のように推測される。ナノ粒子の合成時の雰囲気は200℃、20MPaであり、第2の溶媒の加圧二酸化炭素は超臨界状態であった(二酸化炭素の臨界点:31.1℃、7.4MPa)。また、ナノ粒子の合成時、第1の溶媒のエタノールも亜臨界状態であった。本実施例は、溶媒として、超臨界二酸化炭素と、亜臨界エタノールを用いてナノ粒子の合成を行ったため、金属錯体と水溶性ポリマーの接触確率が著しく高くなり、金属錯体の分解時に水溶性ポリマーが周囲に存在することで、水溶性ポリマーが金属粒子に被覆しやすくなったと推測される。
[実施例5]
水溶性ポリマーとして、ポリビニルピロリドン(ISP製、PVP K-30、分子量40,000)、金属粒子の前駆体として、銀錯体であるヘプタフルオロ酪酸銀(I)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法を用いてナノ粒子を製造した。更に、製造したナノ粒子を用い、ナノ粒子を混合する樹脂として透明樹脂であるアクリル樹脂(住友化学製、スミペックス)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造した。
第1溶液中のポリビニルピロリドン濃度は、1.5g/Lとし、第2溶液中の銀錯体濃度は、0.6g/Lとした。実施例1と同様に、シリンジポンプ11,12,21,22を用い、第1溶液及び第2溶液とを体積比1:1で混合して混合溶液を調製し、調製した混合溶液をナノ粒子合成部300へ連続的に液送した。実施例1と同様に、各シリンジポンプ11,12,21,22の圧力及び圧力計38の表示圧は20MPa、電気炉30の温度は200℃、混合溶液の流速は1ml/min.とした。
銀錯体を含む第2溶液は白色透明であったが、回収容器42から回収されたナノ粒子を含む混合溶液は、銀ナノ粒子のプラズモン共鳴に起因する黄色に変化していた。回収された混合溶液の色から、原料の銀錯体が、分解還元され銀のナノ粒子となったと推察される。
実施例1と同様の方法により第1及び第2の溶媒を除去した後、得られたナノ粒子について、実施例1と同様に、エタノールへの分散性評価及びTEM観察を行った。ナノ粒子は、沈降することなく、エタノールに対して良好な分散性を示した。この結果から、得られたナノ粒子は水溶性ポリマーに被覆されていると推測される。また、ナノ粒子は、一次粒子が凝集することなく単分散しており、平均粒子径約50nmであった。
更に、実施例1と同様の方法で、240℃、260℃、280℃及び300℃の各温度で耐熱性試験を行った。この結果、ナノ粒子は、240℃での耐熱性試験後も、加熱前と同様の粒径で単分散を維持していた。つまり、本実施例のナノ粒子は、240℃での10分間加熱後の平均粒子径の変化率は、約0%であった。また、240℃での耐熱性試験後のナノ粒子は、耐熱性試験前と同様にエタノールに対して良好な分散性を示した。この結果から、240℃での耐熱性試験後も、ナノ粒子は水溶性ポリマーに被覆されていると推測される。
しかし、260℃、280℃及び300℃の各温度で耐熱性試験後のナノ粒子は、エタノールに投入すると、分散することなく沈降した。この結果から、260℃以上の耐熱性試験では、ナノ粒子から水溶性ポリマーが分離したと推測される。280℃での耐熱性試験後のナノ粒子をTEMで観察すると、一部に粒子の凝集が認められ、平均粒子径は、約100nmであった。したがって、本実施例の260℃での10分間加熱後の平均粒子径の変化率は、約100%であった。本実施例と実施例1及び2とを比較すると、実施例1及び2の方が、ナノ粒子の耐熱性が高い。このような得られるナノ粒子の耐熱性の相違は、主に水溶性ポリマーの種類の相違に起因すると推測される。
次に、実施例1と同様の方法により、得られた銀ナノ粒子をアクリル樹脂に分散させた第1の樹脂ペレットを製造した。ナノ粒子とアクリル樹脂との混合比率は、第1の樹脂ペレット中のナノ粒子の濃度が1000ppmとなるように設定した。
得られた第1のペレットは、黄色且つ半透明に均一に着色していた。このことから、本実施例のナノ粒子がアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に対して分散性に優れ、均一に分散できることがわかった。本実施例で得られた銀ナノ粒子を含む第1のペレット(マスターバッチ)は、帯電防止剤や導電材料、放熱材料への応用が期待される。
[実施例6]
本実施例では、図4に示す成形体製造装置2000を用い、ナノ粒子を合成した後、第1及び第2の溶媒を除去せずに、ナノ粒子を含む混合溶液をそのまま成形機内に導入して、ナノ粒子を含む成形体を製造した。
本実施例では、実施例2と同様に、水溶性ポリマーとしてポリ(2-ビニルピリジン)、アルコール(第1の溶媒)としてエタノール、金属粒子の前駆体としてパラジウム錯体、水溶性ポリマーの貧溶媒(第2の溶媒)として加圧二酸化炭素を用いた。また、ナノ粒子を混合する樹脂としては、実施例1と同様のブロック共重合体を用い、ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造した。更に、実施例1と同様に、第1の樹脂ペレットと、ナノ粒子を含有しない第2の樹脂ペレットとからナノ粒子を含む成形体を製造し、製造した成形体上にメッキ膜を形成した。
<成形体製造装置>
まず、本実施例に用いた成形体製造装置2000について説明する。図4に示すように、成形体製造装置2000は、第1溶液供給機構100、第2溶液供給機構200、ナノ粒子合成部300及び押出成形装置500から構成される。第1及び第2溶液供給機構100、200及びナノ粒子合成部300は、配管を外径1/8インチと大きくした以外は、実施例1で用いたナノ粒子製造装置1000と同様である。
押出成形装置500は単軸押出機であり、可塑化シリンダ50と、可塑化シリンダ50内部に回転及び進退自在に配設されたスクリュ60から主に構成される。本実施例では可塑化シリンダ50内において、可塑化溶融された溶融樹脂は、図4における右手から左手に向かって流動する。したがって、可塑化シリンダ50の内部においては、図4における右手を「上流」又は「後方」、左手を「下流」又は「前方」と定義する。図4の一部拡大図である図5においても同様に定義する。
可塑化シリンダ50の上部側面には、上流側から順に、ブロック共重合体を可塑化シリンダ210に供給するための樹脂供給口51、ナノ粒子を含む混合流体を可塑化シリンダ50内に導入するための導入口52が形成される。これらの樹脂供給口51、及び導入口52にはそれぞれ、樹脂供給用ホッパ53、及び導入バルブ54が配設されている。可塑化シリンダ50の外壁面には、バンドヒータ55が配設されており、これにより可塑化シリンダ50が加熱され、ブロック共重合体が可塑化溶融される。また、可塑化シリンダ50の下部側面には、可塑化シリンダ50内から第1の溶媒等(アルコール等)を排気するための排出口56が形成されており、排出口56近傍の可塑化シリンダ50の外壁面には、バンドヒータ55の代わりに冷却水路57が形成されている。
押出成形装置500では、樹脂供給口51から可塑化シリンダ50内に熱可塑性樹脂が供給され、熱可塑性樹脂がバンドヒータ55によって可塑化されて溶融樹脂となり、スクリュ60が正回転することにより下流に送られる。そして、導入口52近傍まで送られた高圧のナノ粒子を含む混合溶液は、導入された加圧流体と高圧下、接触混練される。次いで、混合溶液と接触混練された溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、ガス化した溶媒が溶融樹脂から分離する。分離した溶媒のうち、二酸化炭素は気体として排出口56から排出され、他の溶媒は冷却され液化し、液体として溶媒が排出される。そして、さらに前方に送られた溶融樹脂は、可塑化シリンダ先端部58から押出成形される。これにより、可塑化シリンダ50内では、上流側から順に、熱可塑性樹脂を可塑化して溶融樹脂とする可塑化ゾーン71、溶融樹脂と導入口52から導入されるナノ粒子を含む混合溶液とを高圧下、接触混練する高圧混練ゾーン72、混合溶液と接触混練した溶融樹脂の樹脂内圧を低下させることにより、溶融樹脂から溶媒を分離する減圧ゾーン73及び溶融樹脂から分離された溶媒を冷却し、排出口56から排出する冷却ゾーン74が形成される。更に、冷却ゾーン74の下流には、冷却ゾーン74において冷却されて粘度が上昇した溶融樹脂を押出前に再び可塑化溶融する再溶融ゾーン75が形成される。尚、溶融樹脂と加圧流体との接触混練を効率的に行うため、可塑化シリンダ50に導入口52及び排出口56をそれぞれ複数設け、可塑化シリンダ50内に高圧混練ゾーン72及び冷却ゾーン74をそれぞれ複数形成してもよい。
図4に示すように、可塑化ゾーン71、高圧混練ゾーン72及び減圧ゾーン73の間にはそれぞれ、これらのゾーン71,72,73の連通状態を一時的に遮断する上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2が配設されている。これにより、例えば、加圧流体を高圧混練ゾーン72に導入する際には、機械的に高圧混練ゾーン72の上流側及び下流側がシールされ、確実に高圧混練ゾーン72と隣接するゾーン71,73とを遮断できる。この結果、高圧混練ゾーン72の圧力は高圧に維持されるので、混合溶液に含まれるナノ粒子を溶融樹脂に効果的に混合できる。上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2は、ゾーン71,72,73の連通を遮断するものであれば、種々のものを利用できるが、本実施形態では、以下に説明するスクリュ60に設けられたバネを用いたシール機構を用いた。
スクリュ60には、上述した可塑化ゾーン71及び高圧混練ゾーン72の連通状態を一時的に遮断する上流側シール機構S1、高圧混練ゾーン72及び減圧ゾーン73の連通状態を一時的に遮断する下流側シール機構S2がそれぞれ設けられている。上流側シール機構S1と下流側シール機構S2との構造は、同様であるので、以下、下流側シール機構S2のみの構造について説明する。図5に示すように、下流側シール機構S2は、スクリュ60の外周に設けられたシールリング63と、シールリング63近傍のスクリュ60の側面からスクリュ60の回転中心軸69を横切り、且つ回転中心軸69上で交差するように形成された2本の流路61,62と、スクリュ60の内部であって流路61,62の交差点に設けられたポペット弁64と、ポペット弁64に接続する皿バネ65から主に構成される。流路61,62は、スクリュ60の側面におけるシールリング63の位置よりも上流側(図5における右側)に設けられた流路入口61a,62aから、シールリング63の位置よりも下流側(図5における左側)に設けられた流路出口61b,62bに向って、スクリュ60の回転中心軸69に対して斜めに形成されている。シールリング63が存在するため、溶融樹脂は、流路61,62内を流路入口61a,62aから流路出口61b,62bへ通過して、高圧混練ゾーン72から減圧ゾーン73へ移動する。溶融樹脂の移動方向を図5中に矢印で示す。
ポペット弁64は、皿バネ65により上流側(図5中の右側)へ付勢されており、流路61,62の両流路をその交差点で遮断するが、圧力8MPa以上の外圧によりポペット弁64は、図中左側へ後退する。したがって、高圧の混合流体の導入により、高圧混練ゾーン72における圧力が高まっても8MPa未満であれば、ポペット弁64が高圧混練ゾーン72と減圧ゾーン73との連通を遮断し、高圧混練ゾーン72を高圧に保持することができる。そして、高圧混練ゾーン72の圧力が8MPa以上に高まると、ポペット弁64は、図中左側へ後退し、高圧混練ゾーン72と減圧ゾーン73とが連通する。これにより、高圧混練ゾーン72内の混合溶液と混合された溶融樹脂は、流路61,62を通過して下流の減圧ゾーン73へ移動する。そして、溶融樹脂や混合溶液の下流への送り量が多くなり過ぎ、高圧混練ゾーン72内の圧力が低下すると、ポペット弁64が閉じ(図5中、右側へ移動)、高圧混練ゾーン72と減圧ゾーン73との連通を遮断する。そのため、高圧混練ゾーン72の圧力は、ある範囲で変動しつつも、一定以上の高圧を維持することができる。
図4に示すように、スクリュ60には、下流側シール機構S2より更に下流に、周囲よりもスクリュ直径が大きい増圧部68が2箇所設けられている。増圧部68は、スクリュ直径が大きいため、可塑化シリンダ50内における溶融樹脂の占有体積を小さくでき、結果として、溶融樹脂の圧力を増加させる。増圧部68は、溶融樹脂が減圧される減圧ゾーン73において、溶融樹脂が急減圧して下流に急激に流動することを抑制する。
<ナノ粒子を含む成形体の製造>
まず、第1及び第2溶液供給機構100、200及びナノ粒子合成部300を用い、各シリンジポンプ11,12,21,22の圧力、及び圧力計38の表示圧を10MPaとした以外は、実施例2と同様の方法により混合溶液中にナノ粒子を合成した。
一方で、押出成形装置500において、樹脂供給口51から可塑化シリンダ50内にブロック共重合体を連続的に供給してブロック共重合体を可塑化溶融した。可塑化シリンダ50内において、冷却ゾーン74では、樹脂温度は140〜150℃になるように冷却水路57の流水温度を制御し、他のジーンでは、樹脂温度は200〜220℃になるように、バンドヒー55の温度を制御した。
まず、可塑化ゾーン71にてブロック共重合体を可塑化溶融して溶融樹脂とし、スクリュ60を回転させることにより、溶融樹脂を下流の高圧混練ゾーン72へ送った。次に合成したナノ粒子を含む混合溶液を導入バルブ54から可塑化シリンダ50内へ連続導入し、高圧混練ゾーン72において、ナノ粒子と溶融樹脂とを混合した。上述のように、上流側シール機構S1及び下流側シール機構S2により、高圧混練ゾーン72は、隣接する可塑化ゾーン71及び減圧ゾーン73から分離されているので、高圧混練ゾーン72の圧力は6〜9MPaの範囲に安定に保持された。尚、ナノ粒子を含む混合溶液と、ブロック重合体との混合比率は、得られる第1の樹脂ペレット中のナノ粒子の濃度が1000ppmとなるように設定した。
混合溶液と混合された溶融樹脂(ブロック共重合体)を、スクリュ60を回転させることにより、更に、下流の減圧ゾーン73へと送った。減圧ゾーン73において、混合溶液と混合された溶融樹脂の樹脂圧力を低下させることにより、ガス化した溶媒を溶融樹脂から分離した。更に、スクリュ60を回転させることにより、溶融樹脂を下流の冷却ゾーン74に送った。冷却ゾーンでは、溶融樹脂を冷却し半固化状態とすることで、溶融樹脂の発泡及び排出口56からのベントアップを抑制することができた。冷却ゾーン74において、溶融樹脂から分離した溶媒のうち、二酸化炭素は気体として排出口56から排出され、エタノールは冷却され液化し、液体として排出口56から排出された。排出されたアルコールは図示しないフィルターを介して回収した。更に、スクリュ60を回転させることにより、溶媒が分離された溶融樹脂を下流の再溶融ゾーン75へ送った。再溶融ゾーン75において、冷却された溶融樹脂を加熱し再溶融した後、可塑化シリンダ先端部58から紐状に押出成形した。得られた成形体を、図示しない汎用の裁断機(ホットカット装置)を用いて、任意のサイズのペレット状に切り出し、第1の樹脂ペレットを得た。本実施例で得られたパラジウムナノ粒子の分散した第1の樹脂ペレットは、均一に黒色化しており、ナノ粒子は樹脂(ブロック共重合体)中に均一に分散していた。
次に、実施例1と同様の方法により、得られたナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットと、ナノ粒子を含まないABS樹脂の樹脂ペレット(第2の樹脂ペレット)とを重量比10:90でドライブレンドし、汎用の射出成形を用いて、汎用の成形方法により成形体を成形した。更に、実施例1と同様の方法により、得られた成形体の表面にメッキ膜を形成した。無電解メッキ膜の密着強度を実施例1と同様にクロスハッチテープ試験により評価したところ、メッキ膜の剥離は生じなかった。
本実施例でも、実施例1と同様に、ベース樹脂としてABS樹脂を用いているのにもかかわらず、得られた成形体に含まれるナノ粒子(パラジウム粒子)は触媒活性を失わず、成形体表面に密着強度の高いメッキ膜を形成することができた。これは、水溶性ポリマーが熱分解することなく金属粒子を被覆し、ABS樹脂から発生する揮発性ガスから金属粒子を保護したためと推測される。
[比較例1]
本比較例では、水溶性ポリマーを用いなかったこと以外は、実施例1と同様の方法を用いてパラジウム粒子を製造した。回収容器42には、実施例1と同様の黒色の液体が得られ、実施例1と同様の方法で、黒色の液体から溶媒を除去し、黒色の粉体(パラジウム粒子)を得た。尚、本比較例で得られた。黒色の液体を一週間放置したところ、粒子の沈降等は無く、一週間安定な状態を保った。
得られたパラジウム粒子に対し、実施例1と同様の方法により、エタノールへの分散性評価及びTEM観察を行った。その結果、ナノ粒子は、沈降することなく、エタノールに対して良好な分散性を示した。しかし、TEM観察の結果、図9に示すように、パラジウム粒子の凝集体がみられ、単分散しているナノ粒子の一次粒子は、ほとんど観察されなかった。次に、実施例1と同様の方法で、240℃で耐熱性試験を行った。耐熱性試験後のパラジウム粒子は、エタノール中に投入すると、分散することなく沈降した。
本比較例では水溶性ポリマーを用いなかったため、パラジウム粒子の合成中に粒子同士の凝集が進んだと推測される。また、本比較例のパラジウム粒子の周囲には何らかの有機物が付着しており、そのため、アルコールへの分散性を示したと推測される。そして、耐熱試験後は、加熱により該有機物は分解してパラジウム粒子から外れ、パラジウム粒子はアルコールへの分散性を示さなかったと推測される。
以上の結果から、本比較例で得られたパラジウム粒子を用い、実施例1と同様の方法により、ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造し、更に、第1の樹脂ペレットと、ABS樹脂からなる第2の樹脂ペレットとからナノ粒子を含む成形体を製造した場合、得られた成形体中のパラジウム粒子は触媒活性を失い、成形体表面にはメッキ膜を形成できないと推測される。
[比較例2]
本比較例では、実施例1で用いたものと同様の水溶性ポリマー及び金属粒子の前駆体を用い、それらをトルエンと1-プロパノールの混合溶媒に直接混合して混合溶液を調製して、パラジウム粒子を製造した。つまり、本比較例では、実施例1で行った、第1溶液及び第2溶液をそれぞれ調製した後に、それらを混合して混合溶液を調製するという方法は用いなかった。また、本比較例では、金属粒子の前駆体の貧溶媒(第2の溶媒)を用いず、代わりに金属粒子の前駆体の良溶媒であるトルエンを用いた。
本比較例では、実施例1と同様に、図3に示すナノ粒子製造装置1000を用いた。但し、本比較例では、第2溶液供給機構200は用いず、第1溶液供給機構100のみを用いた。第1溶液供給機構100の第1溶液供給容器10において、トルエンと1-プロパノールとを体積比1:1で混合した混合溶媒に、水溶性ポリマー(ポリ(2-ビニルピリジン))及び金属粒子の前駆体(パラジウム錯体)を溶解し、混合溶液を調製した。混合溶液中における水溶性ポリマーの濃度及びパラジウム錯体の濃度は、それぞれ1.5g/L、390mg/Lとした。
次に、第1溶液供給機構100のシリンジポンプ11を用い、混合溶液を吸引、圧力20MPaに加圧後、ナノ粒子合成部300へ液送し、実施例1と同様の合成条件にてパラジウム粒子を合成した。回収容器42には、実施例1と同様な黒色の液体が得られた。更に、実施例1と同様の方法で、黒色の液体から溶媒を除去し、黒色の粉体(パラジウム粒子)が得られた。
得られたパラジウム粒子について、TEM観察を行った。その結果、パラジウム粒子の一部に、100nm〜200nmの凝集体がみられ、単分散しているナノ粒子の一次粒子は、ほとんど観察されなかった。本比較例では、1‐プロパノール及びトルエンの両溶媒が水溶性ポリマーの良溶媒であるため、水溶性ポリマーは混合溶液全体に拡散して存在している。パラジウム粒子の合成時、パラジウム錯体はアルコール(1‐プロパノール)と接触して還元されるが、水溶性ポリマーがアルコール以外のトルエンにも可溶なため、パラジウム錯体は必ずしも水溶性ポリマーの存在下で分解、還元されない。そして、水溶性ポリマーの存在しない状態で分解、還元されたパラジウムが凝集体を形成したものと推測される。
次に、実施例1と同様の方法により、得られたパラジウム粒子をブロック共重合体に分散させ、第1の樹脂ペレットを製造した。ナノ粒子とブロック共重合体との混合比率は、第1の樹脂ペレット中のナノ粒子の濃度が1000ppmとなるように設定した。得られた第1の樹脂ペレットは、不均一に変色していた。この結果から、本比較例で製造したパラジウム粒子は、ブロック共重合体への分散が良好でないことがわかった。
次に、実施例1と同様の方法を用いて、得られたナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットと、ナノ粒子を含まないABS樹脂の樹脂ペレット(第2の樹脂ペレット)とを重量比10:90でドライブレンドし、汎用の射出成形を用いて、汎用の成形方法により成形体を成形した。更に、実施例1と同様の方法により、得られた成形体の表面にメッキ膜を形成した。メッキ膜は、成形体の全面には形成されず、膜抜けが生じた。本比較例では、パラジウム粒子が凝集しため、実施例1と比較して、成形体におけるパラジウム粒子の表面偏析性が低化し、成形体表面のメッキ活性が低下したと推測される
以上説明した実施例1〜6では、水溶性ポリマーとしてポリ(2-ビニルピリジン)、ポリビニルピロリドン、アルコール(第1の溶媒)としてエタノール、水溶性ポリマーの貧溶媒(第2の溶媒)としてn−ヘキサン、加圧二酸化炭素、金属粒子の前駆体としてパラジウム錯体、銀錯体を用いて、ナノ粒子を製造したが、本発明はこれに限定されない。例えば、水溶性ポリマーとしては、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(3-ビニルピリジン)、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、ポリ(ビニルチアゾリウム塩)及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも一種を用いることができ、アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、メタノール、1−プロパノール及びブタノールからなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。これらの材料を用いても、実施例1〜6で得られたナノ粒子、ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレット、ナノ粒子を含む成形体と同等の特性を有するものを製造できると推測される。
本発明のナノ粒子は、高温の溶融樹脂と接触させても触媒活性が失活しない耐熱性を有し、高温下においても凝集せず、樹脂中への高い分散性を有する。したがって、本発明のナノ粒子を含む成形体では、成形体のメッキ反応性が高まり、生産性が向上する。
10 第1溶液供給容器
20 第2溶液供給容器
11,12,21,22 シリンジポンプ
13,14,23,24 吸引用エアー自動バルブ
15,16,25,26 液送用エアー自動バルブ
17,27 逆止弁
30 電気炉
31 配管
32,33 冷却用二重配管
34 合流点
38 圧力計
39 背圧弁
40 サイクロン
42 回収容器
50 可塑化シリンダ
60 スクリュ
71 可塑化ゾーン
72 高圧混練ゾーン
73 減圧ゾーン
74 冷却ゾーン
75 再溶融ゾーン
S1 上流側シール機構
S2 下流側シール機構
100 第1溶液供給機構
200 第2溶液供給機構
300 ナノ粒子合成部
400 ナノ粒子回収部
500 押出成形装置
1000 ナノ粒子製造装置

Claims (26)

  1. ナノ粒子の製造方法であって、
    水溶性ポリマー及びアルコールを含む第1溶液を調製することと
    金属粒子の前駆体及び前記水溶性ポリマーの貧溶媒を含む第2溶液を調製することと、
    前記第1溶液と第2溶液とを混合して、圧力が5〜30MPaの混合溶液を調製することと、
    前記混合溶液の温度を100℃〜350℃に制御することを含むナノ粒子の製造方法。
  2. 前記混合溶液の温度を100℃〜350℃に制御することが、前記混合溶液を100℃〜350℃に温度制御された管内を流通させることを含む請求項1に記載のナノ粒子の製造方法。
  3. 前記水溶性ポリマーが、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(3−ビニルピリジン)、ポリ(N−ビニルカルバゾール) 、ポリ(ビニルチアゾリウム塩)及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載のナノ粒子の製造方法。
  4. 前記アルコールが、エタノール、イソプロパノール、メタノール、1−プロパノール及びブタノールからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  5. 前記金属粒子の前駆体がパラジウム錯体である請求項1〜4のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  6. 前記水溶性ポリマーの貧溶媒が、ヘキサン又は加圧二酸化炭素である請求項1〜5のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  7. 前記水溶性ポリマーの貧溶媒が、加圧二酸化炭素である請求項6に記載のナノ粒子の製造方法。
  8. 前記第1及び第2溶液をそれぞれ、圧力5〜30MPaに制御した後に混合して混合溶液を調製する請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  9. 前記管は、外径が約1.59mm〜12.7mm、肉厚が約0.5〜2.5mmであることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたナノ粒子。
  11. 成形体の製造方法であって、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のナノ粒子の製造方法によりナノ粒子を製造することと、
    前記ナノ粒子を樹脂に分散することと、
    前記ナノ粒子が分散した樹脂を成形することを含む成形体の製造方法。
  12. 前記ナノ粒子を樹脂に分散することが、
    前記混合溶液から前記ナノ粒子を分離することと、
    前記混合溶液から分離したナノ粒子を前記樹脂に分散することを含む請求項11に記載の成形体の製造方法。
  13. 前記混合溶液から前記ナノ粒子を分離することが、前記混合溶液から前記水溶性ポリマーの貧溶媒及び前記アルコールを除去することを含む請求項12に記載の成形体の製造方法。
  14. 前記ナノ粒子を樹脂に分散することが、
    前記樹脂を溶融することと、
    前記ナノ粒子を含む前記混合溶液と、溶融した前記樹脂とを混合することを含み、
    前記水溶性ポリマーの貧溶媒が、加圧二酸化炭素であることを特徴とする請求項11に記載の成形体の製造方法。
  15. 前記混合溶液と混合した前記溶融した樹脂から、前記加圧二酸化炭素及び前記アルコールを分離することと、
    前記加圧二酸化炭素と前記アルコールを分離した前記溶融した樹脂を成形することを含む請求項14に記載の成形体の製造方法。
  16. 樹脂ペレットの製造方法であって、
    請求項11〜15のいずれか一項の成形体の製造方法によって、前記ナノ粒子を含む成形体を製造することと、
    前記成形体を裁断することを含む樹脂ペレットの製造方法。
  17. 前記樹脂が、親水性セグメントを含むブロック共重合体である請求項16に記載の樹脂ペレットの製造方法。
  18. 前記ブロック共重合体の親水性セグメントが、ポリエーテルである請求項17に記載の樹脂ペレットの製造方法。
  19. 請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法により、前記ナノ粒子を含む第1の樹脂ペレットを製造することと、
    第1の樹脂ペレットと共に、前記ナノ粒子を含有しない第2の樹脂ペレットを可塑化溶融して成形体を製造することを含む成形体の製造方法。
  20. 請求項19に記載の成形体の製造方法により成形体を製造することと、前記成形体の表面にメッキ膜を形成することを含むメッキ膜を有する成形体の製造方法。
  21. ナノ粒子であって、
    金属粒子と、
    前記金属粒子を被覆する水溶性ポリマーを含み、
    前記ナノ粒子は平均粒子径が100nm以下であり、240℃で10分間加熱した後の平均粒子径の変化率が50%以下であることを特徴とするナノ粒子。
  22. 前記ナノ粒子は、平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする請求項21に記載のナノ粒子。
  23. 前記金属粒子が、パラジウムを含むことを特徴とする請求項21又は22に記載のナノ粒子。
  24. 前記水溶性ポリマーが、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルピロリドン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(3−ビニルピリジン)、ポリ(N−ビニルカルバゾール) 、ポリ(ビニルチアゾリウム塩)及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも一種である請求項21〜23のいずれか一項に記載のナノ粒子。
  25. 請求項21〜24のいずれか一項に記載のナノ粒子が、樹脂に分散されている成形体。
  26. 請求項21〜24のいずれか一項に記載のナノ粒子が、親水性セグメントを有するブロック共重合体に分散されている樹脂ペレット。
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