JP2014155253A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型でありながらより大きな許容トルクおよび広範囲の増減速比を実現する。
【解決手段】着磁が径方向の磁石列12を備える高速磁石ロータ10と、着磁が周方向の磁石列22を備える低速磁石ロータ20と、高速磁石ロータ10の磁石列12からの磁束を通過させる誘導子ロータ30と、を備え、高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20および誘導子ロータ30は同心状に配置され、低速磁石ロータ20の磁石列22は、隣接する磁石の同極性面を周方向で向い合わせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気を用いた動力伝達装置に関する。
従来、一般的に用いられている動力伝達装置は、駆動軸と従動軸の歯車が互いにかみ合う機械式の歯車機構を用いている。歯車機構を用いた動力伝達装置は、歯車同士が直接接触しながら動力を伝達するため、騒音や振動が発生し長寿命化が難しい。また、歯車機構を用いた動力伝達装置は、経年変化による騒音や振動の増加を抑えるために、また、歯車の摩耗を最小限にするために、定期的なメンテナンスを必要とする。歯車機構を用いた動力伝達装置は、メンテナンス性を考慮しなければならないため、その設置場所が制限され、設計の自由度が奪われる。
近年、歯車機構を用いた動力伝達装置が宿命的に持つ、上記のような数々の欠点を解消できる、たとえば磁気を用いた非接触の動力伝達装置に関する技術が注目を浴びつつある。
下記の特許文献1は、非接触の動力伝達装置として磁気的なギアを備えた磁気増減速装置を開示している。特許文献1の磁気増減速装置は、内側に磁石列を備えた高速ロータを有し、その外側に磁極列を備えた誘導子を有し、さらにその外側に磁石列を備えた低速ロータを有する。この磁気増減速装置は、高速ロータおよび低速ロータにおいて、それらの回転軸方向に沿って分極された磁石により、高速ロータ、低速ロータおよび誘導子を通る閉磁界を形成している。閉磁界は、高速ロータの磁石、低速ロータの磁石、誘導子の磁性体の凸部、の3つが対向している部分を通る磁束によって、径方向および周方向に沿って形成される。この磁気増減速装置は、高速ロータ、低速ロータ、誘導子のいずれかの駆動軸の回転により閉磁界のバランスが崩れ、そのときに生じる磁界の復元力を利用して駆動軸以外の従動軸を回転させる。
磁界の復元力は、磁界強度(磁束密度、単位面積当たりの磁力線の数)によって異なる。磁界の復元力は磁界強度が大きいほど大きい。磁界の復元力が大きければ、駆動軸と従動軸との間で伝達できる軸動力の許容トルクは大きくなる。したがって、大きな許容トルクを生成するためには、閉磁界を形成する磁力線の単位面積当たりの数を多くする必要がある。
米国特許出願公開第2011/0057456号明細書
上記特許文献1に記載されている磁気増減速装置は、表面磁石型の磁気増減速装置であるため、高速ロータの磁石と、低速ロータの磁石とが対向している部分を通る磁力線の数により、閉磁界の磁界強度が決まる。高速ロータの磁石において、低速ロータの磁石と対向していない部分を通る磁力線も存在するが、その磁力線は、上記閉磁界の磁界強度にはほとんど寄与していない。
したがって、特許文献1に記載されている磁気増減速装置において、許容トルクをより大きくするためには、高速ロータの磁石と低速ロータの磁石との対向面積を大きくしなければならないため、磁気増減速装置は必然的に大型化する。現状では、磁気増減速装置の小型化が求められているため、特許文献1に記載された発明を採用することはできない。
なお、小型のままで高速ロータの磁石と低速ロータの磁石との対向面積を大きくしようとすると、必然的に低速ロータの磁石のピッチは大きくなる。ピッチが大きくなると、同じ円周上で配置できる低速ロータの磁石の数が少なくなるため、磁気増減速装置の増減速比は大きくできない。したがって、より大きな増減速比を実現したい場合にも、特許文献1に記載された発明を採用することはできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型でありながらより大きな許容トルクおよび広範囲の増減速比が実現できる動力伝達装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る動力伝達装置は、高速磁石ロータ、低速磁石ロータおよび誘導子ロータを有する。
高速磁石ロータは着磁が径方向の磁石列を備える。低速磁石ロータは着磁が周方向の磁石列を備える。誘導子ロータは、高速磁石ロータの磁石列の磁束を通過させる。高速磁石ロータ、低速磁石ロータおよび誘導子ロータは同心状に配置される。低速磁石ロータの磁石列は、隣接する磁石の同極性面を周方向で向い合わせて形成してある。
低速磁石ロータの磁石列は低速磁石ロータを通過しようとする磁束を整列させる。このため、低速磁石ロータを通過しようとする磁束のほとんどが整列された状態で通過でき、漏れ磁束が減少する。
本発明に係る動力伝達装置によれば、低速磁石ロータの磁石列は、隣接する磁石の同極性面を周方向で向い合わせてあるため、低速磁石ロータを通過しようとする磁束のほとんどが整列された状態で通過でき、漏れ磁束が減少する。
このため、小型でありながらより大きな許容トルクおよび広範囲の増減速比が実現できる動力伝達装置の提供が可能となる。
実施形態1に係る動力伝達装置の構成図である。 図1の動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。 動力伝達装置の動力伝達の説明図である。 図1の動力伝達装置の動力伝達の仕組みの説明図である。 図1の動力伝達装置の動力伝達の仕組みの説明図である。 図1の動力伝達装置の動力伝達の仕組みの説明図である。 実施形態2に係る動力伝達装置の構成図である。 図7の動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。 実施形態3に係る動力伝達装置の構成図である。 実施形態4に係る動力伝達装置の構成図である。 実施形態5に係る動力伝達装置の構成図である。 図11の動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。 実施形態6に係る動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。 実施形態7に係る動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。 実施形態8に係る動力伝達装置の構成図である。 図15の動力伝達装置の2重誘導子ロータの構成図である。 図15の動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。 実施形態9に係る動力伝達装置の構成図である。 図18の動力伝達装置の2重低速磁石ロータの構成図である。 実施形態10に係る動力伝達装置の構成図である。 図20の動力伝達装置の2重低速磁石ロータの構成図である。 実施形態11に係る動力伝達装置の構成図である。 図22の動力伝達装置の2重誘導子ロータの構成図である。 高速磁石ロータの変形例1に係る構成図である。 高速磁石ロータの変形例2に係る構成図である。 高速磁石ロータの変形例3に係る構成図である。 高速磁石ロータの変形例4に係る構成図である。 本発明に係る動力伝達装置の応用例1を示す図である。 本発明に係る動力伝達装置の応用例2を示す図である。 本発明に係る動力伝達装置の応用例3を示す図である。 本発明に係る動力伝達装置の応用例4を示す図である。 本発明に係る動力伝達装置の応用例5を示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明に係る動力伝達装置の構成および動作を、〔実施形態1〕から〔実施形態11〕に分けて説明する。なお、各図に示した部材の説明において同一の部材には同一の符号を付し、同一の部材の重複する説明は省略する。また、各図に示した部材間の寸法比率は、説明の都合上誇張してある場合があり、実際の寸法比率とは異なる場合がある。
〔実施形態1〕
図1は実施形態1に係る動力伝達装置の構成図である。図2は図1の動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。図3は動力伝達装置の動力伝達の説明図である。図4から図6は図1の動力伝達装置の動力伝達の仕組みの説明図である。以下に、本実施形態に係る動力伝達装置の構成および動作について説明する。
<動力伝達装置の構成>
図1は本実施形態に係る動力伝達装置の構成図であり、動力伝達装置をその回転軸方向に対して直交する方向に切断したときの断面を示す。なお、図1に記載してある矢印の向きは永久磁石の着磁方向であり、矢印の矢方向がN極を、矢印の基方向がS極を示す。
動力伝達装置50は、高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20、誘導子ロータ30を有する。高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20および誘導子ロータ30は同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな高速磁石ロータ10を最も内側に配置し、最も径の大きな誘導子ロータ30を最も外側に配置する。低速磁石ロータ20は、高速磁石ロータ10とギャップ15が形成されるように、また、誘導子ロータ30とギャップ25が形成されるように、高速磁石ロータ10と誘導子30との間に配置する。高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20および誘導子ロータ30は、それぞれが独立して回転自在に支持してある。本実施形態では、誘導子ロータ30は回転できないように固定してあり、高速磁石ロータ10と低速磁石ロータ20とは回転自在に支持してある。
高速磁石ロータ10は、着磁が径方向の2つの半円状の永久磁石14a、14bから構成される磁石列12を備える。永久磁石14aは、内周側がS極に外周側がN極に着磁してあり、永久磁石14bは、内周側がN極に外周側がS極に着磁してある。このため、高速磁石ロータ10は、図面の上側がN極で下側がS極となる1組のN極とS極とを有することになる。
なお、図1では、2つ割りの半円状の永久磁石14aおよび14bを例示したが、半分の領域の外側がN極で残りの半分の領域の外側がS極となるように着磁した1つの環状の永久磁石を用いても良い。
また、図1では、高速磁石ロータ10の極数が2である場合を例示したが、高速磁石ロータ10は、実施形態2以降に示すように、極数2の場合以外に、極数が2a(aは2以上の自然数)であっても良い。高速磁石ロータ10に2aの極数を設けると、高速磁石ロータ10には、2a箇所の領域で後述する閉磁界が形成される。
高速磁石ロータ10は、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成する。
低速磁石ロータ20には、周方向に一定間隔で52個の凹部が形成してある。それぞれの凹部には、周方向に着磁された52個の永久磁石24a、24b、…が埋め込まれる。凹部に永久磁石24a、24b、…を埋め込むと、低速磁石ロータ20は、周方向に永久磁石24a、24b、…と磁性体部26a、26b、…が交互に配置される。
低速磁石ロータ20は、着磁が周方向の磁石列22を備える。磁石列22は低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束を整列させる。磁石列22によって、低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束のほとんどが整列された状態で通過するため、漏れ磁束が減少する。低速磁石ロータ20の磁石列22は、隣接する永久磁石24a、24aの同極性面(N極側)を、磁性体部26aを介して周方向で向い合せてあり、また、隣接する永久磁石24b、24bの同極性面(S極側)を、磁性体部26bを介して周方向で向い合せてある。低速磁石ロータ20の永久磁石の着磁方向は、矢印の矢方向がN極を、矢印の基方向がS極を示す。したがって、磁性体部26aにはN極を向い合せた2つの永久磁石24aが配置され、磁性体部26bにはS極を向い合せた2つの永久磁石24bが配置される。
低速磁石ロータ20には、N極の永久磁石24aが向い合せに挟まれている磁性体部26aと、S極の永久磁石24bが向い合せに挟まれている磁性体部26bとが、低速磁石ロータ20の周方向に向けて交互に配置される。低速磁石ロータ20には52個の永久磁石24a、24b、…が埋め込んであるので、56個の磁極が形成される。
図1では、低速磁石ロータ20が56個の磁極を有する場合を例示したが、低速磁石ロータ20は、実施形態2以降に示すように、極数56の場合以外に、2b(bはaより大きい自然数:a<b)の磁極を有しても良い。低速磁石ロータ20に2bの磁極を設けると、低速磁石ロータ20は、b箇所の領域で、高速磁石ロータ10から低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束を整列させる。
低速磁石ロータ20は、高速磁石ロータ10と同様に、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成する。
誘導子ロータ30は、高速磁石ロータ10の磁石列12からの磁束を、低速磁石ロータ20の磁性体部26aを介して通過させる。また、誘導子ロータ30は、誘導子ロータ30の磁束を、磁性体部26a、26bを介し高速磁石ロータ10の磁石列12に向けて通過させる。誘導子ロータ30の内周部には、周方向に沿って一定間隔で内周側に向けて突出する27個の磁気歯32が形成してある。磁気歯32は、低速磁石ロータ20の磁性体部26aを通過してきた磁束のほとんどを取り入れる。
誘導子ロータ30に設ける磁気歯32の個数は、高速磁石ロータ10または低速磁石ロータ20の一方を回転させたときに、他方を回転させることができるように、高速磁石ロータ10の磁極数2aおよび低速磁石ロータ20の磁極数2bを考慮して設定する。具体的には、下記の式1に示す関係を満たすようなc個の磁気歯18を形成する。磁気歯18と磁気歯18との間は凹部となるが、このままでは低速磁石ロータ20が回転するときに凹部内に渦流が生じ、空気抵抗が生じる。空気抵抗を低減させるためには、凹部に接着剤や樹脂充填剤などの非磁性体を充填することが望ましい。
c=b+d*a(d=±1) … (式1)
ここで、aは高速磁石ロータ10の磁極の組数
bは低速磁石ロータ20の磁極の組数
図1では、上述したように高速磁石ロータ20の磁極の組数aは1で、低速磁石ロータ20の磁極の組数bは26である。したがって、d=−1とした場合、誘導子ロータ30に設けるべき磁気歯18の数は式1により25となり、d=+1とした場合、誘導子ロータ30に設けるべき磁気歯18の数は27となる。図1の動力伝達装置50では誘導子ロータ30に27個の磁気歯18を形成してある。
誘導子ロータ30は、高速磁石ロータ10および低速磁石ロータ20と同様に、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成される。
<動力伝達装置の動作>
(閉磁界の形成)
まず、動力伝達装置50で形成される閉磁界について説明する。図2は図1の動力伝達装置50に形成される閉磁界の説明図である。なお、図2に示す矢線は磁力線を示し矢線の矢方向は磁力線の方向を示す。
図2に示すように、高速磁石ロータ10内には、永久磁石14bから永久磁石14aに向かう磁束φ10が、高速磁石ロータ10の円筒を左右に二分するように分布する。高速磁石ロータ10の永久磁石14aから誘導子ロータ30に向かう磁束は、2つの経路から低速磁石ロータ20の磁性体部26aを通過する。
1つの経路は、永久磁石14aから一旦永久磁石24aに入り永久磁石24aに誘導されて磁性体部26aから誘導子ロータ30の磁気歯32に至る第1の経路であり、もう1つの経路は、永久磁石14aから直接磁性体部26aに入り磁性体部26aから誘導子ロータ30の磁気歯32に至る第2の経路である。磁束φ22は第1の経路を経て誘導子ロータ30の磁気歯32に至る。磁束φ24aは第2の経路を経て誘導子ロータ30の磁気歯32に至る。
低速磁石ロータ20の磁性体部26aには、周方向の両側から2つの永久磁石24aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ20の磁性体部26bには、周方向の両側から2つの永久磁石24bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。このため、永久磁石14aから磁性体部26aに磁束φ22を導くことができ、また、永久磁石14aから磁性体部26bに入って誘導子ロータ30の磁気歯32に至る、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石24bの磁力によって強制的に磁性体部26aに導くことができる。
このように、磁石列22は、低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束φ22、φ24aを磁性体部26aに向けて整列させる。磁石列22は、低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部26aに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
低速ロータ20の磁性体部26aを通過して誘導子ロータ30の磁気歯32に導かれた磁束φ22、φ24aは、誘導子ロータ30の円筒内で収束して磁束φ30となり、誘導子ロータ30内で左右に二分されるように分布する。磁束φ30は、高速磁石ロータ10の永久磁石14bに対峙する誘導子ロータ30の磁気歯32に向かう。誘導子ロータ30の磁気歯32から高速磁石ロータ10の永久磁石14bに向かう磁束は、2つの経路から低速磁石ロータ20の磁性体部26a、26bを通過する。
1つの経路は、磁気歯32から一旦永久磁石24aに入り永久磁石24aに誘導されて磁性体部26aから永久磁石14bに至る第3の経路であり、もう1つの経路は、磁気歯32から直接磁性体部26bに入り永久磁石14bに至る第4の経路である。磁束φ22は第3の経路を経て高速磁石ロータ10の永久磁石14bに至る。磁束φ24aは第4の経路を経て高速磁石ロータ10の永久磁石14bに至る。なお、磁石列12の永久磁石14aと14bとの境目に位置する磁気歯32には、第1および第2の経路を介して、永久磁石14aからループ磁束φLが流出し、隣の磁気歯32からは、第3および第4の経路を介して、ループ磁束φLが永久磁石14bに流入する。
このように、磁石列22は、低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束φ22、φ24aを磁性体部26a、26bに向けて整列させる。磁石列22は、低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部26a、26bに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
以上のように、実施形態1に係る動力伝達装置50では、低速磁石ロータ20の磁石列22によって閉磁束が磁性体部26a、26bに効率的に誘導されるため、高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20および誘導子ロータ30の漏れ磁束が減少できる。また、これらのロータの磁気結合力が高められ、誘導子ロータ30のヨークとなる外周部側の厚みを薄くすることができる。また、閉磁束の有効利用が図られ、誘導子ロータ30の外形が小さくできるので、小型でありながら大きな許容トルクが実現できる。
(増減速の原理)
次に、図2に示すように、高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20および誘導子ロータ30に閉磁束が形成された状態で、それぞれのロータを回転させた場合、他のロータがどのような回転数で回転するのかを説明する。
図3は、動力伝達装置50の動力伝達の説明図である。
ここで、
高速磁石ロータ10の極数を2a(aは自然数)、
低速磁石ロータ20の極数を2b(bはaより大きい自然数、a<b)、
誘導子ロータ30の磁気歯数をc(c=b+d・a)、
係数d=1または−1とおき、
さらに、
高速磁石ロータ10の速度をα、
低速磁石ロータ20の速度をβ、
誘導子ロータ30の速度をγとする。
3つのそれぞれのロータの速度の関係は下式で表すことができる。
a(α−β)=c・d(γ−β)
この式を展開して整理すると下式の通りとなる。
a・α=(a−c・d)β+c・d・γ … (式2)
3つのロータはすべてが回転自在に支持されているが、どれか1つのロータを固定することができる。この場合の各ロータの速度は下式で表すことができる。
高速磁石ロータ10を固定した場合には、α=0であるので、低速磁石ロータ20と誘導子ロータ30の速度は、(c・d−a)β=c・d・γ
また、低速磁石ロータ20を固定した場合には、β=0であるので、高速磁石ロータ10と誘導子ロータ30の速度は、a・α=c・d・γ
さらに、誘導子ロータ30を固定した場合には、γ=0であるので、a・α=(a−c・d)β
これらの式を見ると、それぞれのロータ間の回転速度に違いがあり、ロータ間で増減速できることを示している。なお、符号が逆になる場合には、互いに反対方向に回転することを意味する。
実施形態1に係る動力伝達装置の場合、
高速磁石ロータ10の極数が2a=2、
低速磁石ロータ20の極数が2b=52、
誘導子ロータ30の磁気歯数がc=27、
係数d=1であるので、
a=1、b=26、c=27、d=1を式2に代入すると、
α=−26・β+27・γとなる。
3つのロータのうち、どれか1つのロータを固定した場合、残りの2つのロータの速度は下記のように表すことができる。
高速磁石ロータ10を固定した場合、26・β=27・γとなり、低速磁石ロータ20を27回転させると誘導子ロータ30が26回転することになり、逆に、誘導子ロータ30を26回転させると低速磁気ロータ20が27回転する。
低速磁石ロータ20を固定した場合、α=27・γとなり、高速磁石ロータ10を27回転させると誘導子ロータ30が1回転することになり、逆に、誘導子ロータ30を1回転させると高速磁石ロータ10が27回転する。
誘導子ロータ30を固定した場合、α=−26・βとなり、高速磁石ロータ10を26回転させると低速磁石ロータ20が−1回転(高速磁石ロータ10とは反対方向に1回転)することになり、逆に、低速磁石ロータ20を1回転させると高速磁石ロータ10が−26回転(低速磁石ロータ20とは反対方向に26回転)する。
次に、高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20および誘導子ロータ30間の増減速の原理をさらに詳細に説明する。
図4〜図6においては、ロータ間の相対位置関係を分かりやすく示すため、図1および図2に示した動力伝達装置の1部分のみを拡大して表示している。
図4(a)は、閉磁界のバランスが取れている場合のロータ間の相対位置関係を示し、図4(b)は、閉磁界のバランスが崩れた場合のロータ間の相対位置関係を示す。図中のφ20、φ21は、磁性体部26aを通って一つの磁気歯32に入る閉磁界の磁束密度(磁力線の数)を示す。また、Δpbは低速磁石ロータ20の極性が同一である磁極間のピッチを示し、Δpcは誘導子ロータ30の磁気歯32間のピッチを示す。さらに、Δd0、Δd1は磁性体部26aの右側のエッジと磁気歯32の右側のエッジとの相対位置を示す。
ΔpbとΔpcの重畳する部分の角度をxとする場合、下記の式(3)、(4)の位置関係が成立する。
Δpb=Δd0+x … (式3)
Δpc=Δd1+x … (式4)
ロータ間の相対位置関係が図4(a)から同図(b)のように変化する場合を考える。図4(a)に示すように、閉磁界のバランスが取れている場合、磁束φ20が通る一つの磁気歯32において、磁性体部26aと磁気歯32はΔd0の相対位置関係を有する。
図4(a)において誘導子ロータ30を固定し、高速磁石ロータ10を矢印方向に磁気歯32のピッチΔpc分回転させると、ロータ間の相対位置関係は図4(b)に示すように変化する。図4(b)においては、磁束φ21から磁束φ20となるように磁界の復元力Tbが働き、閉磁界のバランスを取ろうとする。復元力Tbにより、上述の相対位置Δd1からΔd0となるように低速磁石ロータ20が反時計回り方向へ回転される。
上記式(3)、(4)の関係から、低速磁石ロータ20の回転角度Δdは式(5)となる。
Δd=Δd1−Δd0=Δpc−Δpb … (式5)
ここで、磁気歯32の歯数がc、低速磁石ロータ20の磁極組がbであるとすると、Δpc=360°/c、Δpb=360°/bであるから、回転角度Δdは式(6)に示すようになる。
Δd=360°*(b−c)/(b*c) … (式6)
すなわち、高速磁石ロータ10がΔpc(360°/c)分回転すると、低速磁石ロータ20は360°*(b−c)/(b*c)分回転する。したがって、高速磁石ロータ10の回転速度をα、低速磁石ロータ20の回転速度をβとする場合、高速磁石ロータ10と低速磁石ロータ20とは、下記式(7)の速度関係を有する。
(b−c)*α=b*β … (式7)
したがって、減速比α/β=b/(b−c)となり、高速磁石ロータ10の回転速度αが低速磁石ロータ20にb/(b−c)倍に減速されて伝達されることになる。図1の動力伝達装置50は、低速磁石ロータ20の磁極の組数数bが26、誘導子ロータ30の磁極歯32の数cが27であるので、減速比は−26となり、高速磁石ロータ10が26回転すると低速磁石ロータ20が高速磁石ロータ10とは反対方向に1回転する。
図5(a)は、閉磁界のバランスが取れている場合のロータ間の相対位置関係を示し、図5(b)は、閉磁界のバランスが崩れた場合のロータ間の相対位置関係を示す。図5のφ20、φ21、Δpb、Δpc、Δd0、Δd1の符号の意味は図4と同一である。
図5(a)に示すように、閉磁界のバランスが取れている場合、磁束φ20が通る磁気歯32において、磁性体部26aと磁気歯32はΔd0の相対位置関係を有する。
図5(a)において低速磁石ロータ20を固定し、高速磁石ロータ10を矢印方向に低速磁石ロータ20の同一磁極のピッチΔpb分回転させると、ロータ間の相対位置関係は図5(b)に示すようになる。
図4の場合と同様に、磁束φ21からφ20となるように磁界の復元力Tbが働き、新しいバランスを維持しようとする。図5の場合、磁界の復元力Tbは誘導子ロータ30に対して作用する。このため、上述の相対位置Δd1からΔd0となるように誘導子ロータ30が高速磁石ロータ10と同方向に回転する。回転角度Δdは上記の式(5)、式(6)と同一の関係が成立する。
すなわち、高速磁石ロータ10がΔpb(360°/b)分回転すると、誘導子ロータ30は360°*(b−c)/(b*c)分回転する。したがって、高速磁石ロータ10の回転速度をα、誘導子ロータ30の回転速度をγとする場合、下記式(8)の速度関係を有する。
(b−c)*α=−c*γ … (式8)
したがって、減速比α/γ=−c/(b−c)となり、高速磁石ロータ10の回転速度αが誘導子ロータ30に−c/(b−c)倍に減速されて伝達されることになる。図1の動力伝達装置50は、低速磁石ロータ20の磁極の組数数bが26、誘導子ロータ30の磁極歯の数cが27であるので、減速比は27となり、高速磁石ロータ10が27回転すると誘導子ロータ30が高速磁石ロータ10の回転方向と同方向に1回転する。
最後に、図6の場合を考える。閉磁界のバランスが取れている場合、磁束φ20が通る一つの磁気歯32において、磁性体部26aと磁気歯32は一定の相対位置関係を有する。図6の場合は、図4、5とは異なり、閉磁界を形成する高速磁石ロータ10自体が回転しないため、閉磁界も図4、5のように、所定間隔(低速磁石ロータ20の同一磁極のピッチまたは磁気歯32のピッチ)の範囲内で新しいバランスが取れる相対位置が存在せず、低速磁石ロータ20と誘導子ロータ30は常に現在の相対位置関係を維持しようとする。
したがって、低速磁石ロータ20または誘導子ロータ30のどちらか一方を回転した場合、図6(b)に示すように現在位置の磁気歯32に入る磁束φ21が減少される。この場合、より磁束が流れやすいようにリラクタンストルクが発生し、これで他方のロータが回転され相対位置関係を維持する。この場合、低速磁石ロータ20がΔpb(=360°/b)分回転すると、誘導子ロータ30はΔpc(=360°/c)分回転する。
すなわち、減速比は式(9)のようになる。
β/γ=Δpb/Δpc=c/b … (式9)
図1の動力伝達装置50は、低速磁石ロータ20の磁極の組数数bが26、誘導子ロータ30の磁極歯の数cが27であるので、減速比は27/26または26/27となる。すなわち、低速磁石ロータ20を26回転させると誘導子ロータ30が低速磁石ロータ20を追従するように同方向に27回転し、誘導子ロータ30を27回転させると低速磁石ロータ20が誘導子ロータ30と同方向に26回転する。
以上が、実施形態1に係る動力伝達装置50の構成および動作である。図4から図6に示したように、いずれかのロータを回転させた場合には、ロータ間で形成されていた閉磁界のバランスが崩れ、そのバランスを保つように、それぞれのロータが回転する。ロータ間の閉磁界のバランスを取る作用によって、式2に示したような3つのそれぞれのロータの速度の関係が得られる。
以上のように、本実施形態に係る動力伝達装置50では、低速磁石ロータ20は着磁が周方向の磁石列22を備え、磁石列22は低速磁石ロータ20を通過しようとする磁束を整列させるので、漏れ磁束を極小化することができ、大きな許容トルクおよび広範囲の増減速比が実現できる。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2に係る動力伝達装置について説明する。図7は、実施形態2に係る動力伝達装置の構成図である。図8は、図7の動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。
図7に示すように、実施形態2に係る動力伝達装置150は、実施形態1に係る動力伝達装置50と比較して、低速磁石ロータと誘導子ロータの位置が入れ替わっていることで相違する。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置150は、高速磁石ロータ110、低速磁石ロータ120、誘導子ロータ130を有する。高速磁石ロータ110、低速磁石ロータ120および誘導子ロータ130は同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな高速磁石ロータ110を最も内側に配置し、最も径の大きな低速磁石ロータ120を最も外側に配置する。誘導子ロータ130は、高速磁石ロータ110とギャップ115が形成されるように、また、低速磁石ロータ120とギャップ125が形成されるように、高速磁石ロータ110と低速磁石ロータ120との間に配置する。3つのロータは、それぞれが独立して回転自在に支持してある。
高速磁石ロータ110は、着磁が径方向の2つの半円状の永久磁石114a、114bから構成される磁石列112を備える。高速磁石ロータ110のその他の構成は実施形態1と同一である。
低速磁石ロータ120は、その内周部に周方向に一定間隔で52個の凹部が形成してある。それぞれの凹部には、周方向に着磁された52個の永久磁石124a、124b、…が埋め込まれる。低速磁石ロータ120の外周部は磁束を通過させるヨークとして働かせるので、凹部の深さは、低速磁石ロータ120の厚みの半分程度までの深さとしてある。
低速磁石ロータ120は、着磁が周方向の磁石列122を備える。磁石列122は低速磁石ロータ120を通過しようとする磁束を整列させる。磁石列122によって、低速磁石ロータ120を通過しようとする磁束のほとんどが整列された状態で通過でき、漏れ磁束が減少する。低速磁石ロータ120の磁石列122は、隣接する永久磁石124a、124aの同極性面(N極側)を、磁性体部126aを介して周方向で向い合せてあり、また、隣接する永久磁石124b、124bの同極性面(S極側)を、磁性体部126bを介して周方向で向い合せてある。低速磁石ロータ120のその他の構成は実施形態1と同一である。
誘導子ロータ130は、高速磁石ロータ110の磁石列112からの磁束を、低速磁石ロータ120に向けて通過させる。誘導子ロータ130の外周部には、周方向に沿って一定間隔で外周側に向けて突出する27個の磁気歯132が形成してある。誘導子ロータ130のその他の構成は実施形態1と同一である。
実施形態2に係る動力伝達装置150において、高速磁石ロータ110の磁極の組数、低速磁石ロータ120の磁極の組数、誘導子ロータ130の磁気歯の数は、実施形態1に係る動力伝達装置50と同一である。
<動力伝達装置の動作>
動力伝達装置150で形成される閉磁界について説明する。図8は図7の動力伝達装置150に形成される閉磁界の説明図である。なお、図8に示す矢線は磁力線を示し矢線の矢方向は磁力線の方向を示す。
図8に示すように、高速磁石ロータ110内には、永久磁石114bから永久磁石14aに向かう磁束φ110が、高速磁石ロータ110の円筒を左右に二分するように分布する。高速磁石ロータ110の永久磁石114aから低速磁石ロータ120に向かう磁束は、誘導子ロータ130の磁気歯132を通過する。磁気歯132を通過した磁束は、2つの経路から低速磁石ロータ120に流入する。
1つの経路は、永久磁石114aから磁気歯32を介して直接磁性体部126bに至る第1の経路であり、もう一つの経路は、永久磁石114aから磁気歯32に至り磁気歯32から一旦永久磁石124a、124bに入り、磁性体部26aに至る第2の経路である。磁束φ122は第1の経路を経て低速磁石ロータ120に至る。磁束φ124aは第2の経路を経て低速磁石ロータ120に至る。
低速磁石ロータ120の磁性体部126aには、周方向の両側から2つの永久磁石124aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ120の磁性体部126bには、周方向の両側から2つの永久磁石124bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。このため、誘導子ロータ130の磁気歯132から漏れ磁束となってしまいそうな磁束を永久磁石124aおよび124bの磁力によって磁性体部126aおよび126bに導くことができる。
このように、磁石列122は、低速磁石ロータ120に至った磁束φ122、φ124aを磁性体部126a、126bに向けて整列させる。磁石列122は、低速磁石ロータ120を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部126a、126bに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
低速磁石ロータ120に導かれた磁束φ122、φ124aは、低速磁石ロータ120の円筒内で収束して磁束φ120となり、低速磁石ロータ120内で左右に二分されるように分布する。磁束φ120は、高速磁石ロータ110の永久磁石114bに対峙する誘導子ロータ130の磁気歯132に向かう。低速磁石ロータ120から高速磁石ロータ110の永久磁石114bに向かう磁束は、誘導子ロータ130の磁気歯132に至る。低速磁石ロータ120から磁気歯132に向かう磁束φ120は、2つの経路から誘導子ロータ130に流入する。
1つの経路は、磁性体部126bから一旦永久磁石124a、124bに入り、磁気歯132に至る第3の経路であり、磁性体部126aから直接磁気歯132に至る第4の経路である。磁束φ124aは第3の経路を経て高速磁石ロータ110の永久磁石114bに至る。磁束φ122は第4の経路を経て高速磁石ロータ10の永久磁石14bに至る。なお、磁石列122の永久磁石114aと114bとの境目付近に位置する磁気歯132および低速磁石ロータ120には、磁気歯132、磁性体部126a、126b、永久磁石124a、124b間をループ状に伝うループ磁束φLが生じる。
このように、磁石列122は、低速磁石ロータ120を通過しようとする磁束φ122、φ124aを磁性体部126a、126bに向けて整列させる。磁石列122は、低速磁石ロータ120を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部126a、126bに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束を極小化することができ、大きな許容トルクおよび広範囲の増減速比が実現できる。
以上のように、実施形態2に係る動力伝達装置150では、低速磁石ロータ120の磁石列122によって閉磁束が磁性体部126a、126bに効率的に誘導されるため、高速磁石ロータ110、低速磁石ロータ120および誘導子ロータ130の漏れ磁束が減少できる。また、これらのロータの磁気結合力が高められ、低速磁石ロータ120のヨークとなる外周部側の厚みを薄くすることができる。また、閉磁束の有効利用が図られ、低速磁石ロータ120の外形が小さくできるので、小型でありながら大きな許容トルクが実現できる。
実施形態2に係る動力伝達装置150の増減速の原理は、実施形態1に係る動力伝達装置50の増減速の原理と同一である。
〔実施形態3〕
次に、実施形態3に係る動力伝達装置について説明する。図9は、実施形態3に係る動力伝達装置の構成図である。
図9に示すように、実施形態3に係る動力伝達装置250は、実施形態1に係る動力伝達装置50と比較して、高速磁石ロータと誘導子ロータの位置が入れ替わっていることで相違する。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置250は、高速磁石ロータ210、低速磁石ロータ220、誘導子ロータ230を有する。高速磁石ロータ210、低速磁石ロータ220および誘導子ロータ230は同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな誘導子ロータ230を最も内側に配置し、最も径の大きな高速磁石ロータ210を最も外側に配置する。低速磁石ロータ220は、誘導子ロータ230とギャップ215が形成されるように、また、高速磁石ロータ210とギャップ225が形成されるように、高速磁石ロータ210と誘導子230との間に配置する。3つのロータは、それぞれが独立して回転自在に支持してある。
高速磁石ロータ210は、着磁が径方向の2つの半円状の永久磁石214a、214bから構成される磁石列212を備える。高速磁石ロータ210はその内周部に磁石列212を配置する。永久磁石214aは、内周側がS極に外周側がN極に着磁してあり、永久磁石214bは、内周側がN極に外周側がS極に着磁してある。このため、高速磁石ロータ210は、図面の上側がN極で下側がS極となる1組のN極とS極とを有することになる。高速磁石ロータ210のその他の構成は実施形態1と同一である。
低速磁石ロータ220の磁性体部226aには、周方向の両側から2つの永久磁石224aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ220の磁性体部226bには、周方向の両側から2つの永久磁石224bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。このため、誘導子ロータ230の磁気歯232から磁性体部226aに磁束を導くことができ、また、磁気歯232から磁性体部226bに入って高速磁石ロータ210の永久磁石214aに至る、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石224bの磁力によって磁性体部226aに導くことができる。
このように、磁石列222は、低速磁石ロータ220を通過しようとする磁束を磁性体部226aに向けて整列させる。磁石列222は、低速磁石ロータ220を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部226aに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
誘導子ロータ230は、高速磁石ロータ210の磁石列212からの磁束を、低速磁石ロータ220に向けて通過させる。誘導子ロータ230の外周部には、周方向に沿って一定間隔で外周側に向けて突出する27個の磁気歯232が形成してある。誘導子ロータ230のその他の構成は実施形態1と同一である。
実施形態3に係る動力伝達装置250において、高速磁石ロータ210の磁極の組数、低速磁石ロータ220の磁極の組数、誘導子ロータ230の磁気歯の数は、実施形態1に係る動力伝達装置50と同一である。
実施形態3に係る動力伝達装置250では、低速磁石ロータ220の磁石列222によって閉磁束が磁性体部226aに効率的に誘導されるため、高速磁石ロータ210、低速磁石ロータ220および誘導子ロータ230の漏れ磁束が減少できる。また、これらのロータの磁気結合力が高められ、高速磁石ロータ210のヨークとなる外周部側の厚みを薄くすることができる。また、閉磁束の有効利用が図られ、高速磁石ロータ210の外形が小さくできるので、小型でありながら大きな許容トルクが実現できる。
<動力伝達装置の動作>
実施形態3に係る動力伝達装置250の増減速の原理は、実施形態1に係る動力伝達装置50の増減速の原理と同一である。
〔実施形態4〕
次に、実施形態4に係る動力伝達装置について説明する。図10は、実施形態4に係る動力伝達装置の構成図である。
図10に示すように、実施形態4に係る動力伝達装置350は、実施形態3に係る動力伝達装置250と比較して、低速磁石ロータと誘導子ロータの位置が入れ替わっていることで相違する。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置350は、高速磁石ロータ310、低速磁石ロータ320、誘導子ロータ330を有する。高速磁石ロータ310、低速磁石ロータ320および誘導子ロータ330は同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな低速磁石ロータ320を最も内側に配置し、最も径の大きな高速磁石ロータ310を最も外側に配置する。誘導子ロータ330は、低速磁石ロータ320とギャップ315が形成されるように、また、高速磁石ロータ310とギャップ325が形成されるように、低速磁石ロータ320と高速磁石ロータ310との間に配置する。3つのロータは、それぞれが独立して回転自在に支持してある。
高速磁石ロータ310は実施形態3に係る動力電圧装置250と同一である。
低速磁石ロータ320は、周方向に一定間隔で52個の凹部が形成してある。それぞれの凹部には、周方向に着磁された52個の永久磁石324a、324b、…が埋め込まれる。低速磁石ロータ320の内周部は磁束を通過させる必要があるので、凹部の深さは、低速磁石ロータ320の厚みの半分程度までの深さとしてある。
磁性体部326aには、周方向の両側から2つの永久磁石324aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ320の磁性体部326bには、周方向の両側から2つの永久磁石324bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。このため、誘導子ロータ330の磁気歯332に磁性体部326aの磁束を導くことができ、また、磁気歯332から磁性体部326bに入る、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石324a、324bの磁力によって磁性体部326a、326bに導くことができる。
このように、磁石列322は、低速磁石ロータ320を通過しようとする磁束を磁性体部326aに向けて整列させる。磁石列322は、低速磁石ロータ320を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部326aに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
誘導子ロータ330は、低速磁石ロータ320からの磁束を、高速磁石ロータ310に向けて通過させる。誘導子ロータ330の内周部には、周方向に沿って一定間隔で内周側に向けて突出する27個の磁気歯332が形成してある。誘導子ロータ330のその他の構成は実施形態1と同一である。
実施形態4に係る動力伝達装置350において、高速磁石ロータ310の磁極の組数、低速磁石ロータ320の磁極の組数、誘導子ロータ330の磁気歯の数は、実施形態1に係る動力伝達装置50と同一である。
実施形態4に係る動力伝達装置350では、低速磁石ロータ320の磁石列322によって閉磁束が磁性体部326aに効率的に誘導されるため、高速磁石ロータ310、低速磁石ロータ320および誘導子ロータ330間の漏れ磁束が減少できる。また、これらのロータ間の磁気結合力が高められ、高速磁石ロータ310のヨークとなる外周部側の厚みを薄くすることができる。また、閉磁束の有効利用が図られ、高速磁石ロータ310の外形が小さくできるので、小型でありながら大きな許容トルクが実現できる。
<動力伝達装置の動作>
実施形態4に係る動力伝達装置350の増減速の原理は、実施形態1に係る動力伝達装置50の増減速の原理と同一である。
〔実施形態5〕
次に、実施形態5に係る動力伝達装置について説明する。図11は、実施形態5に係る動力伝達装置の構成図である。
本実施形態に係る動力伝達装置450の構成および動作は、実施形態1に係る動力伝達装置50の構成および動作とほぼ同じである。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置450は、高速磁石ロータ410、低速磁石ロータ420、誘導子ロータ430を有する。高速磁石ロータ410、低速磁石ロータ420および誘導子ロータ430は同心状に配置する。低速磁石ロータ420は、高速磁石ロータ410とギャップ415が形成されるように、また、誘導子ロータ430とギャップ425が形成されるように、高速磁石ロータ410と誘導子430との間に配置する。
高速磁石ロータ410、低速磁石ロータ420の構成は実施形態1に係る動力伝達装置50の高速磁石ロータ10、低速磁石ロータ20の構成と同一である。また、誘導子ロータ430の構成は、磁気歯432の歯数が25であることが実施形態1に係る動力伝達装置50の誘導子ロータ30の構成(磁気歯の数が27)と異なる。その他の構成は実施形態1に係る動力伝達装置50の構成と同一である。
実施形態5に係る動力伝達装置450の場合、
高速磁石ロータ410の極数が2a=2、
低速磁石ロータ420の極数が2b=52、
誘導子ロータ430の磁気歯数がc=25、
係数d=−1であるので、
a=1、b=26、c=25、d=−1を前述の式2に代入すると、
α=−26・β−25・γとなる。
3つのロータのうち、どれか1つのロータを固定した場合、残りの2つのロータの速度は下記のように表すことができる。
高速磁石ロータ410を固定した場合、26・β=25・γとなり、低速磁石ロータ420を25回転させると誘導子ロータ430が26回転することになり、逆に、誘導子ロータ430を26回転させると低速磁気ロータ420が25回転する。
低速磁石ロータ420を固定した場合、α=−25・γとなり、高速磁石ロータ410を25回転させると誘導子ロータ430が高速磁石ロータ410とは逆方向に1回転することになり、逆に、誘導子ロータ430を1回転させると高速磁石ロータ410が誘導子ロータ430とは逆方向に25回転する。
誘導子ロータ430を固定した場合、α=26・βとなり、高速磁石ロータ410を26回転させると低速磁石ロータ420が1回転することになり、逆に、低速磁石ロータ420を1回転させると高速磁石ロータ410が26回転する。
<動力伝達装置の動作>
次に、動力伝達装置450で形成される閉磁界について説明する。図12は図11の動力伝達装置450に形成される閉磁界の説明図である。
図12に示すように、高速磁石ロータ410内には、永久磁石414bから永久磁石414aに向かう磁束φ410が、高速磁石ロータ410の円筒を左右に二分するように分布する。高速磁石ロータ410の永久磁石414aから誘導子ロータ430に向かう磁束は、2つの経路から低速磁石ロータ420の磁性体部426aを通過する。
1つの経路は、永久磁石414aから一旦永久磁石424aに入り永久磁石424aに誘導されて磁性体部426aから誘導子ロータ430の磁気歯432に至る第1の経路であり、もう1つの経路は、永久磁石414aから直接磁性体部426aに入り磁性体部426aから誘導子ロータ430の磁気歯432に至る第2の経路である。磁束φ424aは第1の経路を経て誘導子ロータ430の磁気歯432に至る。磁束φ422は第2の経路を経て誘導子ロータ430の磁気歯432に至る。
低速磁石ロータ420の磁性体部426aには、周方向の両側から2つの永久磁石424aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ420の磁性体部426bには、周方向の両側から2つの永久磁石424bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。このため、永久磁石414aから磁性体部426aに磁束φ422を導くことができ、また、永久磁石414aから磁性体部426bに入って誘導子ロータ430の磁気歯432に至る、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石424bの磁力によって強制的に磁性体部426aに導くことができる。
このように、磁石列422は、低速磁石ロータ420を通過しようとする磁束φ422、φ424aを磁性体部426aに向けて整列させる。磁石列422は、低速磁石ロータ420を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部426aに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
低速ロータ420の磁性体部426aを通過して誘導子ロータ430の磁気歯432に導かれた磁束φ422、φ424aは、誘導子ロータ430の円筒内で収束して磁束φ430となり、誘導子ロータ430内で左右に二分されるように分布する。磁束φ430は、高速磁石ロータ410の永久磁石414bに対峙する誘導子ロータ430の磁気歯432に向かう。誘導子ロータ430の磁気歯432から高速磁石ロータ410の永久磁石414bに向かう磁束は、2つの経路から低速磁石ロータ420の磁性体部426a、426bを通過する。
1つの経路は、磁気歯432から一旦永久磁石424aに入り永久磁石424aに誘導されて磁性体部426aから永久磁石414bに至る第3の経路であり、もう1つの経路は、磁気歯432から直接磁性体部426bに入り永久磁石414bに至る第4の経路である。磁束φ424aは第3の経路を経て高速磁石ロータ410の永久磁石414bに至る。磁束φ422は第4の経路を経て高速磁石ロータ410の永久磁石414bに至る。なお、磁石列412の永久磁石414aと414bとの境目に位置する磁気歯432および低速磁石ロータ420には、磁気歯432、磁性体部426a、426b、永久磁石424a、424b間をループ状に伝うループ磁束φLが生じる。
このように、磁石列422は、低速磁石ロータ420を通過しようとする磁束φ422、φ424aを磁性体部426a、426bに向けて整列させる。磁石列422は、低速磁石ロータ420を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部426a、426bに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束を極小化することができ、大きな許容トルクおよび広範囲の増減速比が実現できる。
実施形態5に係る動力伝達装置450では、高速磁石ロータ410、低速磁石ロータ420および誘導子ロータ430間の漏れ磁束が減少でき、これらのロータ間の磁気結合力が高められ、誘導子ロータ430のヨークとなる外周部側の厚みを薄くすることができる。また、閉磁束の有効利用が図られ、誘導子ロータ430の外形が小さくできるので、小型でありながら大きな許容トルクが実現できる。
〔実施形態6〕
次に、実施形態6に係る動力伝達装置について説明する。図13は、実施形態6に係る動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置550は、高速磁石ロータ510、低速磁石ロータ520、誘導子ロータ530を有する。高速磁石ロータ510、低速磁石ロータ520および誘導子ロータ530は同心状に配置する。低速磁石ロータ520は、高速磁石ロータ510とギャップ515が形成されるように、また、誘導子ロータ530とギャップ525が形成されるように、高速磁石ロータ510と誘導子530との間に配置する。
本実施形態では、高速磁石ロータ510の極数は4極であり、低速磁石ロータ520の極数は52極であり、誘導子ロータ530の磁気歯数は28である。その他の構成は実施形態1に係る動力伝達装置50の構成と同一である。
実施形態6に係る動力伝達装置550の場合、
高速磁石ロータ510の極数が2a=4、
低速磁石ロータ520の極数が2b=52、
誘導子ロータ530の磁気歯数がc=28、
係数d=1であるので、
a=2、b=26、c=28、d=1を前述の式2に代入すると、
α=−13・β+14・γとなる。
3つのロータのうち、どれか1つのロータを固定した場合、残りの2つのロータの速度は下記のように表すことができる。
高速磁石ロータ510を固定した場合、13・β=14・γとなり、低速磁石ロータ520を14回転させると誘導子ロータ530が13回転することになり、逆に、誘導子ロータ530を13回転させると低速磁気ロータ520が14回転する。
低速磁石ロータ520を固定した場合、α=14・γとなり、高速磁石ロータ510を14回転させると誘導子ロータ530が1回転することになり、逆に、誘導子ロータ530を1回転させると高速磁石ロータ510が14回転する。
誘導子ロータ530を固定した場合、α=−13・βとなり、高速磁石ロータ510を13回転させると低速磁石ロータ520が高速磁石ロータ510とは反対方向に1回転することになり、逆に、低速磁石ロータ520を1回転させると高速磁石ロータ510が低速磁石ロータ520とは反対方向に13回転する。
<動力伝達装置の動作>
次に、動力伝達装置550で形成される閉磁界について説明する。
図13に示すように、高速磁石ロータ510内には、永久磁石514b、514dから永久磁石514aに向かう磁束と永久磁石514b、514dから永久磁石514cに向かう磁束を有する磁束φ510が形成される。したがって、高速磁石ロータ510内には、4つの領域を等分するように磁束が分布する。高速磁石ロータ510の永久磁石514aおよび514cから誘導子ロータ530に向かう磁束は、2つの経路から低速磁石ロータ520の磁性体部526aを通過する。
1つの経路は、永久磁石514a、514cから一旦永久磁石524aに入り永久磁石524aに誘導されて磁性体部526aから誘導子ロータ530の磁気歯532に至る第1の経路であり、もう1つの経路は、永久磁石514a、514cから直接磁性体部526aに入り磁性体部526aから誘導子ロータ530の磁気歯532に至る第2の経路である。磁束φ524aは第1の経路を経て誘導子ロータ530の磁気歯532に至る。磁束φ522は第2の経路を経て誘導子ロータ530の磁気歯532に至る。
低速磁石ロータ520の磁性体部526aには、周方向の両側から2つの永久磁石524aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ520の磁性体部526bには、周方向の両側から2つの永久磁石524bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。このため、永久磁石514a、514cから磁性体部526aに磁束φ522を導くことができ、また、永久磁石514aから磁性体部526bに入って誘導子ロータ530の磁気歯532に至る、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石524bの磁力によって強制的に磁性体部526aに導くことができる。
このように、磁石列522は、低速磁石ロータ520を通過しようとする磁束φ522、φ524aを磁性体部526aに向けて整列させる。磁石列522は、低速磁石ロータ520を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部526aに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
低速ロータ520の磁性体部526aを通過して誘導子ロータ530の磁気歯532に導かれた磁束φ522、φ524aは、誘導子ロータ530の円筒内で収束して磁束φ530となり、誘導子ロータ530内で4つの領域に分布する。磁束φ530は、高速磁石ロータ510の永久磁石514b、514dに対峙する誘導子ロータ530の磁気歯532に向かう。誘導子ロータ530の磁気歯532から高速磁石ロータ510の永久磁石514b、514dに向かう磁束は、2つの経路から低速磁石ロータ520の磁性体部526a、526bを通過する。
1つの経路は、磁気歯532から一旦永久磁石524aに入り永久磁石524aに誘導されて磁性体部526aから永久磁石514b、514dに至る第3の経路であり、もう1つの経路は、磁気歯532から直接磁性体部526bに入り永久磁石514b、514dに至る第4の経路である。磁束φ524aは第3の経路を経て高速磁石ロータ510の永久磁石514b、514dに至る。磁束φ522は第4の経路を経て高速磁石ロータ510の永久磁石514b、514dに至る。なお、磁石列512の永久磁石514aと514bとの境目、永久磁石514aと514dとの境目、永久磁石514cと514bとの境目、永久磁石514cと514dとの境目に位置する磁気歯532および低速磁石ロータ520には、磁気歯532、磁性体部526a、526b、永久磁石424a、424b、424c、424d間をループ状に伝うループ磁束φLが生じる。
このように、磁石列522は、低速磁石ロータ520を通過しようとする磁束φ522、φ524aを磁性体部526a、526bに向けて整列させる。磁石列522は、低速磁石ロータ520を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部526a、526bに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束を極小化することができ、大きな許容トルクおよび広範囲の増減速比が実現できる。
実施形態6に係る動力伝達装置550では、高速磁石ロータ510、低速磁石ロータ520および誘導子ロータ530間の漏れ磁束が減少でき、これらのロータ間の磁気結合力が高められる。誘導子ロータ530のヨークとなる外周部側の厚みを、適切な厚みとすることで、小型でありながら大きな許容トルクが実現できる。
〔実施形態7〕
次に、実施形態7に係る動力伝達装置について説明する。図14は、実施形態7に係る動力伝達装置に形成される閉磁界の説明図である。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置650の構成は、実施形態6に係る動力伝達装置550の構成とほぼ同一である。すなわち、本実施形態では、高速磁石ロータ610の極数は4極であり、低速磁石ロータ620の極数は52極であり、誘導子ロータ630の磁気歯数は25である。その他の構成は実施形態6に係る動力伝達装置550の構成と同一である。
実施形態7に係る動力伝達装置650の場合、
高速磁石ロータ510の極数が2a=4、
低速磁石ロータ520の極数が2b=52、
誘導子ロータ530の磁気歯数がc=24、
係数d=−1であるので、
a=2、b=26、c=24、d=−1を前述の式2に代入すると、
α=13・β−12・γとなる。
3つのロータのうち、どれか1つのロータを固定した場合、残りの2つのロータの速度は下記のように表すことができる。
高速磁石ロータ610を固定した場合、13・β=12・γとなり、低速磁石ロータ620を12回転させると誘導子ロータ630が13回転することになり、逆に、誘導子ロータ630を13回転させると低速磁気ロータ620が12回転する。
低速磁石ロータ620を固定した場合、α=−12・γとなり、高速磁石ロータ610を12回転させると誘導子ロータ630が高速磁石ロータ610とは逆方向に1回転することになり、逆に、誘導子ロータ630を1回転させると高速磁石ロータ610が誘導子ロータ630とは逆方向に12回転する。
誘導子ロータ630を固定した場合、α=13・βとなり、高速磁石ロータ610を13回転させると低速磁石ロータ620が1回転することになり、逆に、低速磁石ロータ620を1回転させると高速磁石ロータ610が13回転する。
<動力伝達装置の動作>
次に、動力伝達装置650で形成される閉磁界について説明する。
図14に示すように、高速磁石ロータ610内で形成される磁束φ610は、実施形態6で説明した、図13の磁束φ510と同一である。また、低速磁石ロータ620と誘導子ロータ630との間に形成される磁束φ622、φ624aは、実施形態6で説明した、図13の磁束φ522、φ524aとほぼ同一である。さらに、誘導子ロータ630で形成される磁束φ630も実施形態6で説明した、図13の磁束φ530とほぼ同一である。
なお、磁石列612を構成する4つの永久磁石の各境目に位置する磁気歯632および低速磁石ロータ620には、図示するようなループ磁束φLが生じるが、このループ磁束φLも、実施形態6で説明した、図13のループ磁束φLとほぼ同一である。
実施形態7に係る動力伝達装置650では、高速磁石ロータ610、低速磁石ロータ620および誘導子ロータ630間の漏れ磁束が減少でき、これらのロータ間の磁気結合力が高められる。誘導子ロータ630のヨークとなる外周部側の厚みを、適切な厚みとすることで、小型でありながら大きな許容トルクが実現できる。
〔実施形態8〕
次に、実施形態8に係る動力伝達装置について説明する。実施形態8に係る動力伝達装置は、実施形態1〜7に係る動力伝達装置とは異なり、4つのロータで構成する。4つのロータで動力伝達装置を構成すると、トルクを作用させる面を2つのロータの表裏面とすることができるので、より大きな許容トルクを発生させることができ、より小型化が可能になる。
図15は実施形態8に係る動力伝達装置の構成図である。図16は図15の動力伝達装置の2重誘導子ロータの構成図である。以下に、本実施形態に係る動力伝達装置の構成および動作について説明する。
<動力伝達装置の構成>
図15は本実施形態に係る動力伝達装置の構成図であり、動力伝達装置をその回転軸方向に対して直交する方向に切断したときの断面を示す。なお、図15に記載してある矢印の向きは永久磁石の着磁方向であり、矢印の矢方向がN極を、矢印の基方向がS極を示す。
動力伝達装置750は、高速磁石ロータ710、低速磁石ロータ720、2重誘導子ロータ730a、730bを有する。高速磁石ロータ710、低速磁石ロータ720および2重誘導子ロータ730a、730bは同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな高速磁石ロータ710を最も内側に配置し、最も径の大きな2重誘導子ロータ730aを最も外側に配置する。高速磁石ロータ710と2重誘導子ロータ730aとの間に、高速磁石ロータ710より径の大きな2重誘導子ロータ730bと2重誘導子ロータ730bより径の大きな低速磁石ロータ720を配置する。2重誘導子ロータ730bは高速磁石ロータ710とギャップ715aが形成されるように、低速磁石ロータ720は2重誘導子ロータ730bとギャップ715bが、また、2重誘導子ロータ730aとギャップ725が、それぞれ形成されるように配置する。高速磁石ロータ710、低速磁石ロータ720および2重誘導子ロータ730a、730bは、それぞれが独立して回転自在に支持してある。なお、2重誘導子ロータ730a、730bは、機械的に接続されている2重構造としても良い。
高速磁石ロータ710は、着磁が径方向の2つの半円状の永久磁石714a、714bから構成される磁石列712を備える。永久磁石714aは、内周側がS極に外周側がN極に着磁してあり、永久磁石714bは、内周側がN極に外周側がS極に着磁してある。このため、高速磁石ロータ710は、図面の上側がN極で下側がS極となる1組のN極とS極とを有することになる。
また、図15では、高速磁石ロータ710の極数が2である場合を例示したが、高速磁石ロータ710は、実施形態6、7に示したように、極数2の場合以外に、極数が2a(aは2以上の自然数)であっても良い。高速磁石ロータ710に2aの極数を設けると、高速磁石ロータ710には、2a箇所の領域で後述する閉磁界が形成される。
高速磁石ロータ710は、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成する。
低速磁石ロータ720には、周方向に一定間隔で52個の凹部が形成してある。それぞれの凹部には、周方向に着磁された52個の永久磁石724a、724b、…が埋め込まれる。凹部に永久磁石724a、724b、…を埋め込むと、低速磁石ロータ720は、周方向に永久磁石724a、724b、…と磁性体部726a、726b、…が交互に配置される。
低速磁石ロータ720は、着磁が周方向の磁石列722を備える。磁石列722は低速磁石ロータ720を通過しようとする磁束を整列させる。磁石列722によって、低速磁石ロータ720を通過しようとする磁束のほとんどが整列された状態で通過するため、漏れ磁束が減少する。低速磁石ロータ720の磁石列722は、隣接する永久磁石724a、724aの同極性面(N極側)を、磁性体部726aを介して周方向で向い合せてあり、また、隣接する永久磁石724b、724bの同極性面(S極側)を、磁性体部726bを介して周方向で向い合せてある。低速磁石ロータ720の永久磁石の着磁方向は、矢印の矢方向がN極を、矢印の基方向がS極を示す。したがって、磁性体部726aにはN極を向い合せた2つの永久磁石724aが配置され、磁性体部726bにはS極を向い合せた2つの永久磁石724bが配置される。
低速磁石ロータ720には、N極の永久磁石724aが向い合せに挟まれている磁性体部726aと、S極の永久磁石724bが向い合せに挟まれている磁性体部726bとが、低速磁石ロータ720の周方向に向けて交互に配置される。低速磁石ロータ720には52個の永久磁石724a、724b、…が埋め込んであるので、52個の磁極が形成される。
低速磁石ロータ720は、高速磁石ロータ710と同様に、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成する。
2重誘導子ロータ730bは、高速磁石ロータ710の磁石列712からの磁束を、低速磁石ロータ720の磁性体部726aに受け渡す。また、2重誘導子ロータ730bは、低速磁石ロータ720からの磁束を高速磁石ロータ710の磁石列712に受け渡す。2重誘導子ロータ730bの外周部には、周方向に沿って一定間隔で外周側に向けて突出する27個の磁気歯732bが形成してある。磁気歯732bは、高速磁石ロータ710および低速磁石ロータ720からの磁束のほとんどを取り入れる。
また、2重誘導子ロータ730aは、低速磁石ロータ720からの磁束を、低速磁石ロータ720の磁性体部726aを介して取り込む。また、2重誘導子ロータ730aは、誘導子ロータ730aの磁束を、磁性体部726a、726bを介し低速磁石ロータ720の磁石列722に受け渡す。2重誘導子ロータ730aの内周部には、周方向に沿って一定間隔で内周側に向けて突出する27個の磁気歯732aが形成してある。磁気歯732aは、低速磁石ロータ720の磁性体部726aを通過してきた磁束のほとんどを取り入れる。
図16に示すように、2重誘導子ロータ730aの磁気歯732aと2重誘導子ロータ730bの磁気歯732bは相互に半ピッチずつずらしてある。このため、図15に示すように、2重誘導子ロータ730aの磁気歯732a間に2重誘導子ロータ730bの磁気歯732bが位置することになる。
2重誘導子ロータ730a、730bに設ける磁気歯32の個数は、高速磁石ロータ710または低速磁石ロータ720の一方を回転させたときに、他方を回転させることができるように、高速磁石ロータ710の磁極数2aおよび低速磁石ロータ720の磁極数2bを考慮して設定する。
2重誘導子ロータ730a、730bは、高速磁石ロータ710および低速磁石ロータ720と同様に、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成される。
<動力伝達装置の動作>
(閉磁界の形成)
まず、動力伝達装置750で形成される閉磁界について説明する。図17は図15の動力伝達装置750に形成される閉磁界の説明図である。なお、図17に示す矢線は磁力線を示し矢線の矢方向は磁力線の方向を示す。
高速磁石ロータ710内には、永久磁石714bから永久磁石714aに向かう磁束が、高速磁石ロータ710の円筒を左右に二分するように分布する。
永久磁石714aからの磁束は2重誘導子730bの磁気歯732bに誘導される。磁気歯732bからの磁束は、磁性体部726bから永久磁石724aに誘導されて磁性体部726aから2重誘導子ロータ730aの磁気歯732aに至る。
低速磁石ロータ720の磁性体部726aには、周方向の両側から2つの永久磁石724aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ720の磁性体部726bには、周方向の両側から2つの永久磁石724bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。このため、永久磁石714aから磁性体部726aに磁束を導くことができ、また、永久磁石714aから磁性体部726bに入って、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石724aの磁力によって強制的に磁性体部726aに導くことができる。
このように、磁石列722は、低速磁石ロータ720を通過しようとする磁束を磁性体部726aに向けて整列させる。磁石列722は、低速磁石ロータ720を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部726aに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
低速ロータ720の磁性体部726aを通過して2重誘導子ロータ730aの磁気歯732aに導かれた磁束は、2重誘導子ロータ730aの円筒内で収束し、2重誘導子ロータ730a内で左右に二分されるように分布する。分布した磁束は、高速磁石ロータ710の永久磁石714bに対峙する側の2重誘導子ロータ730aの磁気歯732aに向かう。
このように、磁石列722は、低速磁石ロータ720を通過しようとする磁束を磁性体部726a、726bに向けて整列させる。磁石列722は、低速磁石ロータ720を通過しようとする磁束のほとんどを磁性体部726a、726bに向けて整列して通過させるので、漏れ磁束をなくすことができ、磁束を有効にトルクに変換させることができる。
(増減速の原理)
次に、図17に示すように、高速磁石ロータ710、低速磁石ロータ720および2重誘導子ロータ730a、730bに閉磁束が形成された状態で、それぞれのロータを回転させた場合、他のロータがどのような回転数で回転するのかを説明する。
実施形態8に係る動力伝達装置の場合、
高速磁石ロータ710の極数が2a=2、
低速磁石ロータ720の極数が2b=52、
2重誘導子ロータ730a、730bの磁気歯数がc=27、
係数d=1であるので、
a=1、b=26、c=27、d=1を式2に代入すると、
α=−26・β+27・γとなる。
3つのロータのうち、どれか1つのロータを固定した場合、残りの2つのロータの速度は下記のように表すことができる。
高速磁石ロータ710を固定した場合、26・β=27・γとなり、低速磁石ロータ720を27回転させると2重誘導子ロータ730a、730bが26回転することになり、逆に、2重誘導子ロータ730a、730bを26回転させると低速磁気ロータ720が27回転する。
低速磁石ロータ720を固定した場合、α=27・γとなり、高速磁石ロータ710を27回転させると2重誘導子ロータ730a、730bが1回転することになり、逆に、2重誘導子ロータ730a、730bを1回転させると高速磁石ロータ710が27回転する。
2重誘導子ロータ730a、730bを固定した場合、α=−26・βとなり、高速磁石ロータ710を26回転させると低速磁石ロータ720が−1回転(高速磁石ロータ710とは反対方向に1回転)することになり、逆に、低速磁石ロータ720を1回転させると高速磁石ロータ710が−26回転(低速磁石ロータ720とは反対方向に26回転)する。
実施形態8に係る動力伝達装置750では、2重誘導子ロータ730a、730bを用いている。このため、トルクの作用する面を、低速磁石ロータ720の表裏の2面とすることができ、より大きな許容トルクを発生させることができ、動力伝達装置750をより小型化することができる。
〔実施形態9〕
次に、実施形態9に係る動力伝達装置について説明する。図18は、実施形態9に係る動力伝達装置の構成図である。図19は図18の動力伝達装置の2重低速磁石ロータの構成図である。以下に、本実施形態に係る動力伝達装置の構成および動作について説明する。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置850は、高速磁石ロータ810、2重低速磁石ロータ820a、820b、誘導子ロータ830を有する。高速磁石ロータ810、2重低速磁石ロータ820a、820bおよび誘導子ロータ830は同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな高速磁石ロータ810を最も内側に配置し、最も径の大きな2重低速磁石ロータ820aを最も外側に配置する。
高速磁石ロータ810と2重低速磁石ロータ820aとの間に、高速磁石ロータ810より径の大きな2重低速磁石ロータ820bと2重低速磁石ロータ820bより径の大きな誘導子ロータ830を配置する。2重低速磁石ロータ820bは高速磁石ロータ810とギャップ815aが形成されるように、誘導子ロータ830は2重低速磁石ロータ820bとギャップ815bが、また、2重低速磁石ロータ820aとギャップ825が、それぞれ形成されるように配置する。高速磁石ロータ810、2重低速磁石ロータ820a、820bおよび誘導子ロータ830は、それぞれが独立して回転自在に支持してある。なお、2重低速磁石ロータ820a、820bは、機械的に接続されている2重構造としても良い。
高速磁石ロータ810の構成および2重低速磁石ロータ820bの構成は、実施形態8に係る動力伝達装置750の高速磁石ロータ710、低速磁石ロータ720の構成と同一である。
2重低速磁石ロータ820aの構成は、実施形態2に係る動力伝達装置150の低速磁石ロータ120の構成と同一である。
低速磁石ロータ820aの磁性体部826aには、周方向の両側から2つの永久磁石824aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ820aの磁性体部826bには、周方向の両側から2つの永久磁石824bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。
低速磁石ロータ820bの磁性体部826cには、周方向の両側から2つの永久磁石824cのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ820bの磁性体部826dには、周方向の両側から2つの永久磁石824dのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。
このため、低速磁石ロータ820a、820bを通過しようとする磁束を、磁性体部826a、826c、826b、826dに導くことができる。また、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石824a、824bの磁力によって強制的に磁性体部826a、826cに導くことができる。
図19に示すように、2重低速磁石ロータ820aの磁性体部826a、824bと2重低速磁石ロータ820bの磁性体部826c、824dは相互に1ピッチずつずらしてある。
誘導子ロータ830は、2重低速磁石ロータ820a、820b間で磁束を通過させるための磁気歯832を有する。誘導子ロータ830の作用は、実施形態1−7に記載した誘導子ロータの作用と同一である。
高速磁石ロータ810、2重低速磁石ロータ820a、820b、誘導子ロータ8309は、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成される。
<動力伝達装置の動作>
本実施形態に係る動力伝達装置850は、実施形態8に係る動力伝達装置750と同様に、高速磁石ロータ810の極数が2a=2、2重低速磁石ロータ820a、820bの極数が2b=52、誘導子ロータ830の磁気歯数がc=27、係数d=1である。
したがって、本実施形態に係る動力伝達装置850は、実施形態8に係る動力伝達装置750と同様に動作する。
実施形態9に係る動力伝達装置850では、2重低速磁石ロータ820a、820bを用いている。このため、トルクの作用する面を、2重低速磁石ロータ820a、820bの表裏の2面とすることができ、より大きな許容トルクを発生させることができ、動力伝達装置850をより小型化することができる。
〔実施形態10〕
実施形態10に係る動力伝達装置の構成は、実施形態9に係る動力伝達装置の構成において、最内周に位置するロータから最外周に位置するロータを、内周側から外周側に向けて入れ替えている。
実施形態10に係る動力伝達装置について説明する。図20は、実施形態10に係る動力伝達装置の構成図である。図21は図20の動力伝達装置の2重低速磁石ロータの構成図である。以下に、本実施形態に係る動力伝達装置の構成および動作について説明する。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置950は、高速磁石ロータ910、2重低速磁石ロータ920a、920b、誘導子ロータ930を有する。高速磁石ロータ910、2重低速磁石ロータ920a、920bおよび誘導子ロータ930は同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな低速磁石ロータ920bを最も内側に配置し、最も径の大きな高速磁石ロータ910を最も外側に配置する。
2重低速磁石ロータ920bと高速磁石ロータ910との間に、2重低速磁石ロータ920bより径の大きな誘導子ロータ930と誘導子ロータ930より径の大きな2重低速磁石ロータ920aを配置する。2重低速磁石ロータ920bは誘導子ロータ930とギャップ915aが形成されるように、2重低速磁石ロータ920aは誘導子ロータ930とギャップ915bが、また、高速磁石ロータ910とギャップ925が、それぞれ形成されるように配置する。高速磁石ロータ910、2重低速磁石ロータ920a、920bおよび誘導子ロータ930は、それぞれが独立して回転自在に支持してある。なお、2重低速磁石ロータ920a、920bは、機械的に接続されている2重構造としても良い。
高速磁石ロータ910の構成および2重低速磁石ロータ920bの構成は、実施形態4に係る動力伝達装置350の高速磁石ロータ310、低速磁石ロータ320の構成と同一である。
2重低速磁石ロータ920aの構成は、実施形態8に係る動力伝達装置750の低速磁石ロータ720の構成と同一である。
低速磁石ロータ920aの磁性体部926aには、周方向の両側から2つの永久磁石924aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ920aの磁性体部926bには、周方向の両側から2つの永久磁石924bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。
低速磁石ロータ920bの磁性体部926cには、周方向の両側から2つの永久磁石924cのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ920bの磁性体部926dには、周方向の両側から2つの永久磁石924dのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。
このため、低速磁石ロータ920a、920bを通過しようとする磁束を、磁性体部926a、926c、926b、926dに導くことができる。また、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石924a、924bの磁力によって強制的に磁性体部926a、926cに導くことができる。
図21に示すように、2重低速磁石ロータ920aの磁性体部926a、924bと2重低速磁石ロータ920bの磁性体部926c、924dは相互に1ピッチずつずらしてある。
誘導子ロータ930は、2重低速磁石ロータ920a、920b間で磁束を通過させるための磁気歯932を有する。誘導子ロータ930の作用は、実施形態1−7に記載した誘導子ロータの作用と同一である。
高速磁石ロータ910、2重低速磁石ロータ920a、920b、誘導子ロータ930は、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成される。
<動力伝達装置の動作>
本実施形態に係る動力伝達装置950は、実施形態8に係る動力伝達装置750と同様に、高速磁石ロータ810の極数が2a=2、2重低速磁石ロータ820a、820bの極数が2b=52、誘導子ロータ830の磁気歯数がc=27、係数d=1である。
したがって、本実施形態に係る動力伝達装置850は、実施形態8に係る動力伝達装置750と同様に動作する。
実施形態10に係る動力伝達装置950では、2重低速磁石ロータ920a、920bを用いている。このため、トルクの作用する面を、2重低速磁石ロータ920a、920bの表裏の2面とすることができ、より大きな許容トルクを発生させることができ、動力伝達装置950をより小型化することができる。
〔実施形態11〕
実施形態11に係る動力伝達装置の構成は、実施形態8に係る動力伝達装置の構成において、最内周に位置するロータから最外周に位置するロータを、内周側から外周側に向けて入れ替えている。
実施形態11に係る動力伝達装置について説明する。図22は、実施形態11に係る動力伝達装置の構成図である。図23は図22の動力伝達装置の2重誘導子ロータの構成図である。以下に、本実施形態に係る動力伝達装置の構成および動作について説明する。
<動力伝達装置の構成>
動力伝達装置1050は、高速磁石ロータ1010、低速磁石ロータ1020、2重誘導子ロータ1030a、1030bを有する。高速磁石ロータ1010、低速磁石ロータ1020および2重誘導子ロータ1030a、1030bは同心状に配置する。本実施形態では、最も径の小さな2重誘導子ロータ1030bを最も内側に配置し、最も径の大きな高速磁石ロータ1010を最も外側に配置する。
2重誘導子ロータ1030bと高速磁石ロータ1010との間に、2重誘導子ロータ1030bより径の大きな低速磁石ロータ1020と低速磁石ロータ1020より径の大きな2重誘導子ロータ1030aを配置する。低速磁石ロータ1020は2重誘導子ロータ1030bとギャップ1015aが形成されるように、2重誘導子ロータ1030aは低速磁石ロータ1020とギャップ1015bが、また、高速磁石ロータ1010とギャップ1025が、それぞれ形成されるように配置する。高速磁石ロータ1010、低速磁石ロータ1020および2重誘導子ロータ1030a、1030bは、それぞれが独立して回転自在に支持してある。なお、2重誘導子ロータ1030a、1030bは、機械的に接続されている2重構造としても良い。
高速磁石ロータ1010の構成は、実施形態4に係る動力伝達装置350の高速磁石ロータ210の構成と同一である。2重誘導子ロータ1030a、1030bの構成は、実施形態8に係る動力伝達装置750の2重誘導子730a、730bとほぼ同じである。
低速磁石ロータ1020の磁性体部1026aには、周方向の両側から2つの永久磁石1024aのN極側を向い合せに対峙させて配置してある。また、低速磁石ロータ1020の磁性体部1026bには、周方向の両側から2つの永久磁石1024bのS極側を向い合せに対峙させて配置してある。
このため、低速磁石ロータ1020を通過しようとする磁束を、磁性体部1026a、1026bに導くことができる。また、漏れ磁束となってしまいそうな磁束を、永久磁石1024aの磁力によって強制的に磁性体部926aに導くことができる。
図23に示すように、2重誘導子ロータ1030aの磁気歯1032aと2重誘導子ロータ1032bの磁気歯1032bは相互に半ピッチずつずらしてある。このため、図23に示すように、2重誘導子ロータ1030aの磁気歯1032a間に2重誘導子ロータ1030bの磁気歯1032bが位置することになる。
高速磁石ロータ1010、低速磁石ロータ1020、2重誘導子ロータ1030a、1030bは、たとえば、電磁鋼板、ケイ素鉄、炭素鋼、電磁ステンレス、圧粉磁心、アモルファス磁心などの磁性体で形成される。
<動力伝達装置の動作>
本実施形態に係る動力伝達装置1050は、実施形態8に係る動力伝達装置750と同様に、高速磁石ロータ1010の極数が2a=2、低速磁石ロータ1020の極数が2b=52、2重誘導子ロータ1030a、1030bの磁気歯数がc=27、係数d=1である。
したがって、本実施形態に係る動力伝達装置1050は、実施形態8に係る動力伝達装置750と同様に動作する。
実施形態11に係る動力伝達装置1050では、2重誘導子ロータ1030a、1030bを用いている。このため、トルクの作用する面を、低速磁石ロータ1020の表裏の2面とすることができ、より大きな許容トルクを発生させることができ、動力伝達装置1050をより小型化することができる。
以上の実施形態1−11においては、様々な形態の動力伝達装置について説明したが、高速磁石ロータは、極数の異なるものを例示したのみで、その構成が異なるものは説明していない。次に、高速磁石ロータの4つの変形例について説明する。
<高速磁石ロータの変形例>
(変形例1)
図24は、高速磁石ロータの変形例1に係る構成図である。図に示す高速磁石ロータ1110は、実施形態1−11で例示した高速磁石ロータとは異なる内部磁石型構造を有する。
高速磁石ロータ1110は、2つの円弧状の永久磁石1114a、1114bを、円柱形上のロータ1112に形成した、永久磁石1114a、1114bと同様の形状の溝に収納したものである。
永久磁石1114aは、内周側がS極に外周側がN極に着磁してあり、永久磁石1114bは、内周側がN極に外周側がS極に着磁してある。このため、高速磁石ロータ1110は、図面の上側がN極で下側がS極となる1組のN極とS極とを有することになる。
このような高速磁石ロータ1110を、上記の実施形態で例示した高速磁石ロータに換えて用いても良い。
(変形例2)
図25は、高速磁石ロータの変形例2に係る構成図である。図に示す高速磁石ロータ1210は、変形例1と同様に内部磁石型構造を有する。
高速磁石ロータ1210は、2つの円弧状の永久磁石1214a、1214bを、円柱状の高速磁石ロータ1212に形成した、永久磁石1214a、1214bと同様の形状の溝に収納している。また、高速磁石ロータ1210は、2つの四角柱状の永久磁石1214c、1214dを、高速磁石ロータ1212に形成した、永久磁石1214c、1214dと同様の形状の溝に収納している。
永久磁石1214aは、内周側がS極に外周側がN極に着磁してあり、永久磁石1214bは、内周側がN極に外周側がS極に着磁してある。また、永久磁石1214c、1214dは、永久磁石1214a、1214bのN極側と同じ方向側がN極にその反対側がS極に着磁してある。このため、高速磁石ロータ1210は、図面の上側がN極で下側がS極となる1組のN極とS極とを有することになる。
変形例2の高速磁石ロータ1210は、変形例1の高速磁石ロータ1110と比較すると、2つの四角柱状の永久磁石1214c、1214dが存在する分、磁力が強くなる。このような高速磁石ロータ1210を、上記の実施形態で例示した高速磁石ロータに換えて用いても良い。
(変形例3)
図26は、高速磁石ロータの変形例3に係る構成図である。図に示す高速磁石ロータ1310は、変形例1、2と同様に内部磁石型構造を有する。
高速磁石ロータ1310は、3本の板状の永久磁石1314a、1314bを四角柱状のロータ1312に形成した、永久磁石1314a、1314bと同様の形状の溝に収納している。ロータ1312の永久磁石1314a、1314b収納面は円弧状に形成してあるので、3本の板状の永久磁石1314a、1314bのそれぞれは収納面の形状に沿うように、配置角度を少しずつずらしてある。
永久磁石1314a、1314bのそれぞれは、永久磁石1314a、1314bの一方の面をN極に、他方の面をS極に着磁し、同じ着磁側を同じ方向に向けて溝に収納してある。このため、高速磁石ロータ1310は、図面の上側がN極で下側がS極となる1組のN極とS極とを有することになる。
このような高速磁石ロータ1310を、上記の実施形態で例示した高速磁石ロータに換えて用いても良い。
(変形例4)
図27は、高速磁石ロータの変形例4に係る構成図である。図に示す高速磁石ロータ1410は、変形例1−3と同様に内部磁石型構造を有する。
高速磁石ロータ1410は、3枚1組の板状の永久磁石を3組まとめた永久磁石1414a、1414bを、変形例3と同様な、四角柱状のロータ1412に形成した、永久磁石1414a、1414bと同様の形状の溝に収納している。
永久磁石1414a、1414bのそれぞれは、永久磁石1414a、1414bの一方の面をN極に、他方の面をS極に着磁し、同じ着磁側を同じ方向に向けて溝に収納してある。このため、高速磁石ロータ1410は、図面の上側がN極で下側がS極となる1組のN極とS極とを有することになる。
変形例4の高速磁石ロータ1410は、変形例3の高速磁石ロータ1310と比較すると、板状の永久磁石の数が多い分、磁力が強くなる。このような高速磁石ロータ1410を、上記の実施形態で例示した高速磁石ロータに換えて用いても良い。
以上の変形例は、動力伝達装置において、その最内部に位置させるタイプの高速磁気ロータ(上記の実施形態では、実施形態1、2、5−9)について述べた。しかし、その最外部に位置させるタイプの高速磁気ロータ(上記の実施形態では、実施形態3、4、10、11)についても、上記の変形例と同様の思想の下、様々なタイプの高速磁気ロータを構成することができる。
<本発明に係る動力伝達装置の応用例>
次に、上述してきたような構成を有する動力伝達装置の応用例を簡単に説明する。
(応用例1)
図28は、本発明に係る動力伝達装置の応用例1を示す図である。
図に示すように、動力伝達装置1500(たとえば実施形態1の構成)は、図示されていないモータなどの動力発生機が接続される動力入力部1550と図示されていない負荷に動力を出力する動力出力部1560とを有する。なお、動力入力部1550と動力出力部1560とは入れ替えて使用することができ、動力発生機が接続される側が動力入力部となり負荷が接続される側が動力出力部となる。
動力伝達装置1500の誘導子ロータ1530は、ブラケット1570に取り付けられ、ブラケット1570は動力伝達装置1500を保持する基台1580に取り付けられる。したがって、動力伝達装置1500の誘導子ロータ1530が固定子となる。
動力伝達装置1500の高速磁石ロータ1510は、動力入力部1550に接続される。また、動力伝達装置1500の低速磁石ロータ1520は、動力出力部1560に接続される。したがって、動力入力部1550は高速磁石ロータ1510が回転するとともに回転し、動力出力部1560は低速磁石ロータ1520が回転するとともに回転する。高速磁石ロータ1510と低速磁石ロータ1520とは個別に支持されているので、動力入力部1550の回転と動力出力部1560の回転とはそれぞれ独立である。
動力入力部1550にモータを取り付け、動力出力部1560に負荷を接続すると、モータの回転が所定の減速比で減速されて負荷に伝達される。実施形態1に係る動力伝達装置50の場合、減速比が−1/26であるので、モータのシャフトが26回転すると、動力出力部1560の軸が動力入力部1550の軸の回転方向とは反対方向に1回転する。本発明に係る動力伝達装置1500は、このようにブラケット1570と基台1580とに取り付けて使用する。
(応用例2)
図29は、本発明に係る動力伝達装置の応用例2を示す図である。応用例2は、本発明に係る動力伝達装置を風力発電機に応用したものである。
図に示すように、動力伝達装置1600(たとえば実施形態1の構成)は、2重反転プロペラP1、P2が接続される動力入力部1650と発電機Geに2重反転プロペラP1、P2からの動力を出力する動力出力部1660とを有する。
動力伝達装置1600の誘導子ロータ1630は、ブラケット1670に回転自在に取り付けられる。ブラケット1670は動力伝達装置1600を保持する基台1680に取り付けられる。誘導子ロータ1630には動力入力部1650(プロペラP2のシャフト)を介してプロペラP2が取り付けられる。したがって、プロペラP2が回転すると、誘導子ロータ1630が回転する。
動力伝達装置1600の高速磁石ロータ1610は、動力入力部1650(プロペラP1のシャフト)を介してプロペラP1に接続される。プロペラP1のシャフトはプロパラP2のシャフトの内径を通って高速磁石ロータ1610に接続される。したがって、プロペラP1が回転すると、高速磁石ロータ1610が回転する。
2重反転プロペラP1、P2は、図に示す矢印方向から風が当たると、互いに反対方向に回転する。図示するように、プロペラ側から見て、プロペラP1は左方向に回転し、プロペラP2は右方向に回転する。したがって、図に示す矢印方向からの風が吹いていると、誘導子ロータ1630は右回転し、高速磁石ロータ1610は左回転する。
動力伝達装置1600の低速磁石ロータ1620は、動力出力部1660を介して発電機Geに接続される。誘導子ロータ1630、高速磁石ロータ1610および低速磁石ロータ1620は、それぞれが回転自在に支持されているので、プロペラP1、P2の回転速度に応じた速度で発電機Geが回転する。
以上のように構成された風力発電機において、動力伝達装置1600として実施形態1に係る動力伝達装置50を用いたとすると、上述した(式2)a・α=(a−c・d)β+c・d・γを満足させるように、発電機Geが回転する。具体的には、動力伝達装置1600は、プロペP1、P2の回転速度を増速させて、発電機Geを回転させる。すなわち、動力伝達装置1600は磁気増速機構として機能する。
このように、本発明に係る動力伝達装置を風力発電機に応用した場合には、機械的な歯車機構を用いることなく、プロペP1、P2の回転速度を増速させて、発電機Geを回転させることができ、効率、耐久性、メンテナンス性を格段に向上させることができる。
(応用例3)
図30は、本発明に係る動力伝達装置の応用例3を示す図である。応用例3は、本発明に係る動力伝達装置を送風機に応用したものである。
図に示すように、動力伝達装置1700(たとえば実施形態1の構成)は、2重反転プロペラP1、P2が接続される動力出力部1760とモータMから2重反転プロペラP1、P2に動力を提供する動力入力部1750とを有する。
動力伝達装置1700の誘導子ロータ1730は、ブラケット1770に回転自在に取り付けられる。ブラケット1770は動力伝達装置1700を保持する基台1780に取り付けられる。誘導子ロータ1730には動力出力部1760(プロペラP2のシャフト)を介してプロペラP2が取り付けられる。したがって、誘導子ロータ1730が回転すると、プロペラP2が回転する。
動力伝達装置1700の高速磁石ロータ1710は、動力出力部1760(プロペラP1のシャフト)を介してプロペラP1に接続される。プロペラP1のシャフトはプロパラP2のシャフトの内径を通って高速磁石ロータ1710に接続される。したがって、誘導子ロータ1730が回転すると、プロペラP1が回転する。
2重反転プロペラP1、P2は、図に示す矢印方向(互いに反対方向)に回転すると、図示する矢印方向に風が出力される。したがって、プロペラ側から見て、誘導子ロータ1730が左回転し、高速磁石ロータ1710が右回転すると、プロペラP1は右方向に回転しプロペラP2は右方向に回転する。
動力伝達装置1700の低速磁石ロータ1720は、動力入力部1750を介してモータMに接続される。誘導子ロータ1730、高速磁石ロータ1710および低速磁石ロータ1720は、それぞれが回転自在に支持されているので、モータMの回転速度に応じた速度でプロペラP1、P2が回転する。
以上のように構成された風力発電機において、動力伝達装置1700として実施形態1に係る動力伝達装置50を用いたとすると、上述した(式2)a・α=(a−c・d)β+c・d・γを満足させるように、プロペラP1、P2が回転する。具体的には、動力伝達装置1700は、モータMの回転速度を減速させて、プロペP1、P2を回転させる。すなわち、動力伝達装置1700は磁気減速機構として機能する。
このように、本発明に係る動力伝達装置を送風機に応用した場合には、機械的な歯車機構を用いることなく、モータの回転速度を減速させて、高トルクでプロペラP1、P2を回転させることができ、効率、耐久性、メンテナンス性を格段に向上させることができる。
(応用例4)
図31は、本発明に係る動力伝達装置の応用例4を示す図である。
図に示すように、動力伝達装置1800(たとえば実施形態8の構成)は、図示されていないモータなどの動力発生機が接続される動力入力部1850と図示されていない負荷に動力を出力する動力出力部1860とを有する。なお、動力入力部1850と動力出力部1860とは入れ替えて使用することができ、動力発生機が接続される側が動力入力部となり負荷が接続される側が動力出力部となる。
動力伝達装置1800の2重誘導子ロータ1830aは、ブラケット1870に取り付けられ、ブラケット1870は動力伝達装置1800を保持する基台1880に取り付けられる。2重誘導子ロータ1830aと2重誘導子ロータ1830bとは機械的に接続してある。したがって、動力伝達装置1800の誘導子ロータ1830a、1830bが固定子となる。
動力伝達装置1800の高速磁石ロータ1810は、動力入力部1850に接続される。また、動力伝達装置1800の低速磁石ロータ1820は、動力出力部1860に接続される。したがって、動力入力部1850は高速磁石ロータ1810が回転するとともに回転し、動力出力部1860は低速磁石ロータ1820が回転するとともに回転する。高速磁石ロータ1810と低速磁石ロータ1820とは個別に支持されているので、動力入力部1850の回転と動力出力部1860の回転とはそれぞれ独立である。
動力入力部1850にモータを取り付け、動力出力部1860に負荷を接続すると、モータの回転が所定の減速比で減速されて負荷に伝達される。実施形態8に係る動力伝達装置750の場合、減速比が−1/26であるので、モータのシャフトが26回転すると、動力出力部1860の軸が動力入力部1850の軸の回転方向とは反対方向に1回転する。本発明に係る動力伝達装置1800は、このようにブラケット1870と基台1880とに取り付けて使用する。
(応用例5)
図32は、本発明に係る動力伝達装置の応用例5を示す図である。応用例5は、本発明に係る動力伝達装置をインホイールモータに応用したものである。
インホイールモータはダイレクトドライブ型が多いが、図に示すものは、実施形態8に係る動力伝達装置750を応用してインホイールモータを構成したものである。タイヤTにトルクを付加するシャフトSには、その長手方向に沿ってコイルCが形成してある。コイルCには、アクセルの開度に応じた最適な大きさの電流が供給される。コイルCに対向する位置には、永久磁石Mgが取り付けられた高速磁石ロータ1910がシャフトSに対して回転自在に配置される。
タイヤTは、2重誘導子ロータ1930aを固定するホイールHに取り付けられている。低速磁石ロータ1920は、シャフトSに取り付けられたブラケットBに取り付けられている。したがって、シャフトS、ブラケットB、低速磁石ロータ1920は回転せず、低速磁石ロータ1920は固定子となる。つまり、このインホイールモータは、実施形態8に係る動力伝達装置750の内部にアウターロータ型モータを配置した構造を有する。
以上の構成のインホイールモータにおいて、タイヤTは次のようにして回転する。
アクセルの開度に応じた電流がコイルCに流れると、永久磁石Mgとの間で電磁力が発生し、高速磁石ロータ1910を回転させる。高速磁石ロータ1910が回転すると、低速磁石ロータ1920はシャフトSに取り付けられており回転しないので、2重誘導子ロータ1930a、1930bが回転する。
このように、本発明に係る動力伝達装置をインホイールモータに応用した場合には、2重誘導子ロータ1930a、1930bの作用で許容トルクを高トルク化できるので、車両の駆動に適した、効率、耐久性、メンテナンス性を格段に向上させたインホイールモータを提供できる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
10 高速磁石ロータ、
12 磁石列、
14a、14b 永久磁石、
15 ギャップ、
20 低速磁石ロータ、
22 磁石列、
24a、24b 永久磁石、
25 ギャップ、
26a、26b 磁性体部、
30 誘導子ロータ、
32 磁気歯、
50 動力伝達装置、
710 高速磁石ロータ、
712 磁石列、
714a、714b 永久磁石、
715a、715b、725 ギャップ、
720 低速磁石ロータ、
722 磁石列、
724a、724b 永久磁石、
726a、726b 磁性体部、
730a、730b 2重誘導子ロータ、
732a、732b 磁気歯、
750 動力伝達装置。

Claims (25)

  1. 着磁が径方向の磁石列を備える高速磁石ロータと、
    着磁が周方向の磁石列を備える低速磁石ロータと、
    前記高速磁石ロータの磁石列の磁束を通過させる誘導子ロータと、を備え、
    前記高速磁石ロータ、前記低速磁石ロータおよび前記誘導子ロータを同心状に配置し、
    前記低速磁石ロータの磁石列は、隣接する磁石の同極性面を周方向で向い合わせて形成したことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記誘導子ロータは最外周部に配置し、前記高速磁石ロータは最内周部に配置し、前記低速磁石ロータは前記誘導子ロータと前記高速磁石ロータとの間に配置することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記低速磁石ロータは最外周部に配置し、前記高速磁石ロータは最内周部に配置し、前記誘導子ロータは前記低速磁石ロータと前記高速磁石ロータとの間に配置することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  4. 前記高速磁石ロータは最外周部に配置し、前記誘導子ロータは最内周部に配置し、前記低速磁石ロータは前記高速磁石ロータと前記誘導子ロータとの間に配置することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  5. 前記高速磁石ロータは最外周部に配置し、前記低速磁石ロータは最内周部に配置し、前記誘導子ロータは前記高速磁石ロータと前記低速磁石ロータとの間に配置することを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  6. 前記高速磁石ロータ、前記低速磁石ロータ、誘導子ロータは、それぞれ相互に異なる外径を有する円筒形状であり、前記高速磁石ロータ、前記低速磁石ロータおよび前記誘導子ロータは、一定のギャップを介して、同心状に配置することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の動力伝達装置。
  7. 前記高速磁石ロータ、前記低速磁石ロータ、誘導子ロータは、全てが独立して回転自在に支持してあるか、いずれか1つを固定し、他の2つを回転自在に支持してあることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の動力伝達装置。
  8. 前記高速磁石ロータが備える磁石列は、複数の円弧形状の永久磁石を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の動力伝達装置。
  9. 前記高速磁石ロータが備える磁石列は、複数の板状の永久磁石を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の動力伝達装置。
  10. 前記複数の板状の永久磁石の着磁方向は同一方向であることを特徴とする請求項9に記載の動力伝達装置。
  11. 前記高速磁石ロータが備える磁石列は、内部磁石型構造を有することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の動力伝達装置。
  12. 前記低速磁石ロータが備える磁石列は、着磁方向を前記低速磁石ロータの周方向とする複数の板状の永久磁石が、前記低速磁石ロータが有する磁性体部を介して配置されることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の動力伝達装置。
  13. 前記誘導子ロータの内周側または外周側のいずれかには、内周側または外周側に突出する複数の磁気歯を有することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の動力伝達装置。
  14. 前記高速磁石ロータの極数を2a(aは自然数)
    前記低速磁石ロータの極数を2b(bはaより大きい自然数)
    前記誘導子ロータの極数をc(c=b+d*a、ただしd=±1)
    前記高速磁石ロータの回転速度をα
    前記低速磁石ロータの回転速度をβ
    前記誘導子ロータの回転速度をγ
    としたときに、3つのロータの回転速度の関係が下記の式を満たす
    a・α=(a―c・d)・β+c・d・γ
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の動力伝達装置。
  15. 着磁が径方向の磁石列を備える高速磁石ロータと、
    着磁が周方向の磁石列を備える低速磁石ロータと、
    前記高速磁石ロータの磁石列の磁束を通過させる2重誘導子ロータと、を備え、
    前記高速磁石ロータ、前記低速磁石ロータおよび前記2重誘導子ロータを同心状に配置し、
    前記低速磁石ロータの磁石列は、隣接する磁石の同極性面を周方向で向い合わせて形成したことを特徴とする動力伝達装置。
  16. 前記2重誘導子ロータの1つは最外周部に配置し、前記高速磁石ロータは最内周部に配置し、前記2重誘導子ロータの他の1つは前記高速磁石ロータの内側に配置し、前記低速磁石ロータは2つの前記2重誘導子ロータの間に配置することを特徴とする請求項15に記載の動力伝達装置。
  17. 前記2重誘導子ロータの1つは最内周部に配置し、前記高速磁石ロータは最外周部に配置し、前記2重誘導子ロータの他の1つは前記高速磁石ロータの内側に配置し、前記低速磁石ロータは2つの前記2重誘導子ロータの間に配置することを特徴とする請求項15に記載の動力伝達装置。
  18. 前記2重誘導子ロータの2つは機械的に接続されていることを特徴とする請求項15から17のいずれかに記載の動力伝達装置。
  19. 着磁が径方向の磁石列を備える高速磁石ロータと、
    着磁が周方向の磁石列を備える2重低速磁石ロータと、
    前記高速磁石ロータの磁石列の磁束を通過させる誘導子ロータと、を備え、
    前記高速磁石ロータ、前記2重低速磁石ロータおよび前記誘導子ロータを同心状に配置し、
    前記低速磁石ロータの磁石列は、隣接する磁石の同極性面を周方向で向い合わせて形成したことを特徴とする動力伝達装置。
  20. 前記高速磁石ロータは最外周部に配置し、前記2重低速磁石ロータの1つは最内周部に配置し、前記2重低速磁石ロータの他の1つは前記高速磁石ロータの内側に配置し、前記誘導子ロータは2つの前記2重低速磁石ロータの間に配置することを特徴とする請求項19に記載の動力伝達装置。
  21. 前記2重低速磁石ロータの1つは最外周部に配置し、前記高速磁石ロータは最内周部に配置し、前記2重低速磁石ロータの他の1つは前記高速磁石ロータの外側に配置し、前記誘導子ロータは2つの前記2重低速磁石ロータの間に配置することを特徴とする請求項19に記載の動力伝達装置。
  22. 前記2重低速磁石ロータの2つは機械的に接続されていることを特徴とする請求項19から21のいずれかに記載の動力伝達装置。
  23. 請求項1から22のいずれかに記載の動力伝達装置を用いたことを特徴とする風力発電装置。
  24. 請求項1から22のいずれかに記載の動力伝達装置を用いたことを特徴とする送風装置。
  25. 請求項1から22のいずれかに記載の動力伝達装置を用いたことを特徴とするインホイールモータ。
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