JP2014154455A - メタルハライドランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】波長365nm付近の紫外線の照度を一定以上にすると共に、点灯時間の経過に伴う照度維持率が高いメタルハライドランプを提供することを目的とする。
【解決手段】このランプは、発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にある紫外線を発光するメタルハライドランプであって、前記ランプは、紫外線の特に波長350〜380nmに強いスペクトルを発光させるために、発光管内に、希ガスと共に、少なくとも、水銀と鉄分とが封入されており、前記鉄分は、臭化鉄FeBr2及びヨウ化鉄FeI2から構成されるハロゲン化鉄FeX2として含まれ、総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にある。
【選択図】図2
【解決手段】このランプは、発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にある紫外線を発光するメタルハライドランプであって、前記ランプは、紫外線の特に波長350〜380nmに強いスペクトルを発光させるために、発光管内に、希ガスと共に、少なくとも、水銀と鉄分とが封入されており、前記鉄分は、臭化鉄FeBr2及びヨウ化鉄FeI2から構成されるハロゲン化鉄FeX2として含まれ、総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にある。
【選択図】図2
Description
本発明は、メタルハライドランプに関する。更に具体的には、本発明は、例えば、インキや塗料の乾燥工程、樹脂の硬化工程等に使用される光化学反応のための紫外線照射用メタルハライドランプに関する。
近年、紫外線照射用メタルハライドランプは、印刷工程、塗装工程、樹脂のシール工程等の様々な分野に利用されている。これらの工程で利用されるメタルハライドランプは、短時間で効率良く印刷、塗装、シール等の処理を行うため、一層高い照度のランプが開発されている。従来、高圧水銀ランプが主流であったが、最近では、高圧水銀ランプよりも紫外線領域での発光効率が高いメタルハライドランプが利用されている。メタルハライドランプは、発光管内に、金属がハロゲン化合物として封入され、金属特有のスペクトルを発光する。
本発明者等は、このような紫外線照射用メタルハライドランプに関する次の特許文献を承知している。
特許文献1では、主発光金属元素として鉄、ハロゲンとして沃素が封入されている金属蒸気放電灯において、始動性能を低下させることなく450〜500nmの発光強度を増加させることを目的とする(要約、段落0008)。始動用希ガスとしてアルゴンガスを封入し、その分圧を5〜10torrとする(要約、段落0020)。発光管内に緩衝ガス用の水銀、発光金属としての鉄、ハロゲンとしての沃素と臭素、始動用の希ガスが少なくとも封入され、発光管内容積あたりに換算した封入原子数について、沃素を(I)、臭素を(Br)と表すとき、(Br)+(I)が2×10-7〜14×10-7(mol/cc)となっており、(Br):(I)で表される原子比が10:90〜30:70の範囲にある金属蒸気放電灯の記載がある(請求項1)。
特許文献2では、「…放電空間10内でアーク放電させた状態を維持するために十分な量の希ガス、水銀とともに、適量の紫外光を発光させる鉄およびハロゲンからなる封入物を封入する。封入物である鉄の封入量M(mg/cc)を、単位長さ当たりのランプ入力が50〜160W/cmがあるとき、放電空間10の容積に対して、0.01<M<0.15の関係になる値にした。このように構成したことにより、…メタルハライドランプの電極付近での黒化を抑制することが可能となる。」(要約)と記載されている。
特許文献3では、「主に紫外線を発光するメタルハライドランプに於いて、前記ランプは、紫外線の特に波長350〜380〔nm〕に強いスペクトルを発光させるために、希ガスと共に、少なくとも、水銀と鉄分とが封入されており、前記鉄分は、ハロゲン化鉄(FeX2)としてのヨウ化鉄(FeI2)及び臭化鉄(FeBr2)と、金属の鉄(Fe)とを含み、前記鉄分の量を、A:金属の鉄(Fe)の封入量、B:ヨウ化鉄(FeI2)の封入量、C:臭化鉄(FeBr2)の封入量として夫々表現すると、金属の鉄(Fe)の量Aは、0.5(B+C)≦A≦10.0(B+C)〔mol/cm3〕の範囲内にあり、ハロゲン化鉄(FeX2)の量(B+C)は、1.0×10-7≦(B+C)≦4.5×10-7〔mol/cm3〕の範囲内にあり、ハロゲン化鉄(FeX2)における臭化鉄(FeBr2)の比率{C/(B+C)}は、{C/(B+C)}=5〜70〔%〕の範囲内にある、メタルハライドランプ。」(請求項1)と記載されている。
これらの特許文献と、以下に説明する本発明との関係は、次の通りである。
特許文献1は、始動性能に着目して、450〜500〔nm〕の発光強度を増加させることを目的とする。始動用希ガスのアルゴンを、5〜10〔torr〕の範囲と低圧にして始動性悪化分を相殺している。以下に説明する本発明とは異なる波長、希ガス圧力にある。更に、鉄分の封入に注目すると、実施例1において、(Fe)が6×10-7〔mol/cc〕、(Sn)が2×10-7〔mol/cc〕、(I)+(Br)が8×10-7〔mol/cc〕とされ、この数値より、(Fe)及び(Sn)が、ハロゲン化鉄、ハロゲン化錫として存在する。また、第2実施例では錫を鉛に置換し、第3実施例ではこれら錫又は鉛を鉄に置換している。以下に説明する本発明におけるハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の混合比率に関しては言及していない。
特許文献1は、始動性能に着目して、450〜500〔nm〕の発光強度を増加させることを目的とする。始動用希ガスのアルゴンを、5〜10〔torr〕の範囲と低圧にして始動性悪化分を相殺している。以下に説明する本発明とは異なる波長、希ガス圧力にある。更に、鉄分の封入に注目すると、実施例1において、(Fe)が6×10-7〔mol/cc〕、(Sn)が2×10-7〔mol/cc〕、(I)+(Br)が8×10-7〔mol/cc〕とされ、この数値より、(Fe)及び(Sn)が、ハロゲン化鉄、ハロゲン化錫として存在する。また、第2実施例では錫を鉛に置換し、第3実施例ではこれら錫又は鉛を鉄に置換している。以下に説明する本発明におけるハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の混合比率に関しては言及していない。
特許文献2は、封入物である鉄の封入量M(mg/cc)を、単位長さ当たりのランプ入力が50〜160W/cmであるとき、0.01<M<0.15の関係になる値にしている。しかし、以下に説明する本発明におけるハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の混合比率に関しては言及していない。
特許文献3は、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄に加えて、金属鉄を封入している点で、以下に説明する本発明とは異なる。
本発明は、インキや塗料の乾燥工程、樹脂の硬化工程等に使用される光化学反応のための紫外線照射用のメタルハライドランプを対象とする。一般に、波長100〜400nmのスペクトルを紫外線と称するが、本発明は、特に波長350〜380nmのスペクトルの紫外線(以下、中心の波長をとって「波長365nm付近の紫外線」ともいう。)を強く発光させるメタルハライドランプを対象としている。
本出願人は、金属蒸気放電灯の研究・開発に於いて、発光物質として鉄(Fe)に着目し、特許文献3において、波長365nm付近の紫外線の発光を高めるため、ハロゲン化鉄としてのヨウ化鉄及び臭化鉄に加えて、所定量の金属鉄を封入したメタルハライドランプを提案している。
これに対して、本発明は、ハロゲン化鉄として、ヨウ化鉄及び臭化鉄を使用するメタルハライドランプに於いて、ハロゲン化鉄の総量及びこれを構成するヨウ化鉄と臭化鉄の混合比率を調整して、波長365nm付近の紫外線の発光(照度)を一定以上に維持すると共に、点灯時間の経過に伴う照度維持率に着目し、開発を行った。
上記課題に鑑みて、本発明は、発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にあるメタルハライドランプにおいて、波長365nm付近の紫外線の照度を一定以上にすると共に、点灯時間の経過に伴う照度維持率が高いメタルハライドランプを提供することを目的とする。
本発明に係るメタルハライドランプは、発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にある紫外線を発光するメタルハライドランプであって、前記ランプは、紫外線の特に波長350〜380nmに強いスペクトルを発光させるために、発光管内に、希ガスと共に、少なくとも、水銀と鉄分とが封入されており、前記鉄分は、臭化鉄FeBr2及びヨウ化鉄FeI2から構成されるハロゲン化鉄FeX2として含まれ、総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にある。
更に、上記メタルハライドランプでは、前記総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦4.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内であってよい。
更に、上記メタルハライドランプでは、前記希ガスとして1.8〜2.2kPaの範囲内にあるアルゴンArが封入されていてもよい。
更に、本発明に係るメタルハライドランプの製造方法は、発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にある、紫外線を発光するメタルハライドランプの製造方法であって、石英管を加工して発光管封体を形成する工程と、発光管内部を真空に排気した後、不活性ガスを封入する仮排気行程と、発光管に電極を固定するシール・溶封工程と、発光管内部を真空にした後、金属発光物質を封入する排気・発光金属封入工程と、発光管の両端にベースを固定する仕上げ工程とを含み、前記排気・発光金属封入工程では、紫外線の特に波長350〜380nmに強いスペクトルを発光させるために、発光管内に、希ガスと共に、少なくとも、水銀と鉄分とが封入され、前記鉄分は、臭化鉄FeBr2及びヨウ化鉄FeI2から構成されるハロゲン化鉄FeX2として含まれ、総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にある。
更に、上記メタルハライドランプの製造方法では、前記総ハロゲン化鉄FeX2の量は、0.5×10−7≦FeX2≦4.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあってよい。
更に、上記メタルハライドランプの製造方法では、前記希ガスとして、1.8〜2.2kPaの範囲内にあるアルゴンArが封入されていてもよい。
本発明によれば、発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にあるメタルハライドランプにおいて、波長365nm付近の紫外線の照度を一定以上にすると共に、点灯時間の経過に伴う照度維持率が高いメタルハライドランプを提供することが出来る。
以下、本発明の実施形態に付いて、添附の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同じ要素に対しては同じ符号を付与して、重複した説明を省略する。なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であって、本発明の範囲を何等限定するものではないことを承知されたい。
[メタルハライドランプ]
図1は、このメタルハライドランプ10の軸線に沿った断面図であり、石英製の発光管1の内部に一対の電極2,2を備え、各電極は、タングステンW又は2%程度の酸化トリウムを含有するトリエーテッドタングステンあるいは希土類酸化物をドープした酸化物ドープドタングステンから成る電極心棒の周りにタングステン線をコイル状に数回巻いた電極先端部2a,2aを夫々形成している。各電極2,2は、モリブデン箔3,3を介して夫々外部リード線につながっている。発光管1の形状は、直管型であり、電極間距離(発光長)は100mm以上1000mm未満、代表的には250mmであり、希ガスとして、1.8〜2.2kPa、代表的には2.0kPa(約15torrに相当する。)のArが封入されている。発光管内に封入される発光物質に関しては、以下に説明する。
図1は、このメタルハライドランプ10の軸線に沿った断面図であり、石英製の発光管1の内部に一対の電極2,2を備え、各電極は、タングステンW又は2%程度の酸化トリウムを含有するトリエーテッドタングステンあるいは希土類酸化物をドープした酸化物ドープドタングステンから成る電極心棒の周りにタングステン線をコイル状に数回巻いた電極先端部2a,2aを夫々形成している。各電極2,2は、モリブデン箔3,3を介して夫々外部リード線につながっている。発光管1の形状は、直管型であり、電極間距離(発光長)は100mm以上1000mm未満、代表的には250mmであり、希ガスとして、1.8〜2.2kPa、代表的には2.0kPa(約15torrに相当する。)のArが封入されている。発光管内に封入される発光物質に関しては、以下に説明する。
このランプの寿命は、実績値平均で1500時間程度であるが、顧客からは更なる長寿命化の要請がある。また、主に点灯環境やその変化で発生する黒化現象は、発光物質を構成する鉄が発光管内面に付着して引き起こされる。黒化現象が発光管内面全体にまで及ぶと、ランプの紫外線照度の低下をもたらすので、黒化現象の発生を遅延せしめたランプの提供が要望されている。
[発光物質の組成]
図1に示したランプに封入される発光物質の組成について説明する。発光物質として、ハロゲン化鉄FeX2を使用する。FeX2は、ヨウ化鉄FeI2と臭化鉄FeBr2の混合物で構成する。
図1に示したランプに封入される発光物質の組成について説明する。発光物質として、ハロゲン化鉄FeX2を使用する。FeX2は、ヨウ化鉄FeI2と臭化鉄FeBr2の混合物で構成する。
(初期照度,照度維持率,電極の損耗,発光管の黒化現象)
表1は、総ハロゲン化鉄FeX2の量(mol/cm3)を変化させ、同時にこれを構成する臭化鉄FeBr2とヨウ化鉄FeI2の混合比率を変化させたサンプルにおいて、ランプの初期照度及び照度維持率を測定し、更に電極の損耗及び発光管の黒化現象の有無をチェックした結果である。現在製造しているランプを「比較例」とする。表1で、○が「良好」または「発生無し」、×が「発生有り」を示す。
表1は、総ハロゲン化鉄FeX2の量(mol/cm3)を変化させ、同時にこれを構成する臭化鉄FeBr2とヨウ化鉄FeI2の混合比率を変化させたサンプルにおいて、ランプの初期照度及び照度維持率を測定し、更に電極の損耗及び発光管の黒化現象の有無をチェックした結果である。現在製造しているランプを「比較例」とする。表1で、○が「良好」または「発生無し」、×が「発生有り」を示す。
初期照度及び照度維持率に関しては、比較例に比べて、いずれのサンプルも良好(○)であった。
発光管 の電極の損耗に関しては、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2が50%を超えたサンプルにおいて激しい電極損耗の発生(×)が見られた。電極の損耗は、最初に電極先端付近で発生し、その後コイル状に巻いたタングステン線も損耗していく。電極の損耗は、発光物質の臭化鉄FeBr2の封入量に依存し、その量が過剰になると加速されると考えられている。よって、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2は50%以下に抑えることが好ましい。
さらに、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2が30%未満の比較例においては、黒化現象が見られた。しかし、FeBr2/FeX2が30%以上のサンプルでは黒化現象は発生していない。この場合の黒化現象は、発光管内でハロゲン化物(臭化鉄)による循環輸送(いわゆるハロゲンサイクル)が十分に機能しなくなること、即ち、タングステン(電極材質)と共に鉄分の輸送が十分でなくなること、により発生すると考えられる。よって、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2は30%以上が好ましい。
一方、 表1には示していないが、総ハロゲン化鉄FeX2が10.0×10−7 (mol/cm3)を超えたサンプルにおいて発光管の黒化現象が見られ、紫外線照度も基準に達しないものであった。よって、総ハロゲン化鉄FeX2は10.0×10−7 (mol/cm3)以下であるのが好ましい。一方、総ハロゲン化鉄FeX2が0.5×10−7 (mol/cm3)未満になると、発光成分としての鉄分の量が低下し紫外線照度が不足するので好ましくない。
以上をまとめると、表1の結果より、図2に破線枠に示すように、グラフ横軸に示す総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、縦軸に示す臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2は、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にあれば、比較例のランプに比べて、初期照度及び照度維持率が良好であり、且つ電極の損耗、照度に影響する程度の発光管の黒化現象も生じないことが判明した。
ここで、総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦4.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2は、30≦FeBr2/FeX2≦50(mol比 %)の範囲内にあれば、更に好ましい。
(照度維持率の差)
図3は、本実施例の代表例及び比較例に関して、点灯時間毎の波長365nm付近の照度維持率をグラフに示したものである。本実施例及び比較例として、各3本のランプを使って調査したデータである。本実施例のランプ及び比較例のランプの初期照度は異なる(図4参照)。しかし、図3では、照度維持率の差を明らかにするため、本実施例のランプは、初期照度を100%として、点灯時間毎の照度を相対値に換算して(相対照度として)示している。同様に、比較例のランプも、初期照度を100%として、点灯時間毎の照度を相対値に換算して(相対照度として)示している。横軸は、点灯時間を示している。
図3は、本実施例の代表例及び比較例に関して、点灯時間毎の波長365nm付近の照度維持率をグラフに示したものである。本実施例及び比較例として、各3本のランプを使って調査したデータである。本実施例のランプ及び比較例のランプの初期照度は異なる(図4参照)。しかし、図3では、照度維持率の差を明らかにするため、本実施例のランプは、初期照度を100%として、点灯時間毎の照度を相対値に換算して(相対照度として)示している。同様に、比較例のランプも、初期照度を100%として、点灯時間毎の照度を相対値に換算して(相対照度として)示している。横軸は、点灯時間を示している。
本実施例の各点灯時間における各データ(●)の上限と下限を夫々実線で結んである。同様に、比較例の各点灯時間における各データ(■)の上限と下限を夫々破線で結んである。
図3に示される通り、比較例のランプに比較して、本実施例のランプは、経過時間0〜2000時間にわたり照度維持率が高く維持されている。この結果、ランプ寿命の長寿命化の目途が得られた。なお、比較例のランプ寿命は実績で2000時間程度であるため、2000時間以降のデータは無い。
(照度の差)
図4は、本実施例及び比較例に関して、点灯時間毎の波長365nm付近の照度をグラフに示したものである。本実施例の代表例として、総ハロゲン化鉄FeX2=2.39×10−7(mol/cm3)、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2=38(mol比 %)の発光管を使ったランプを示し、比較例として、FeX2=3.2×10−7(mol/cm3),FeBr2/FeX2=20(mol比 %)の発光管を使ったランプを示している。横軸は、点灯時間を示している。縦軸は、波長365nm付近の照度を、比較例のランプの初期照度を100%として相対照度によって示している。
図4は、本実施例及び比較例に関して、点灯時間毎の波長365nm付近の照度をグラフに示したものである。本実施例の代表例として、総ハロゲン化鉄FeX2=2.39×10−7(mol/cm3)、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2=38(mol比 %)の発光管を使ったランプを示し、比較例として、FeX2=3.2×10−7(mol/cm3),FeBr2/FeX2=20(mol比 %)の発光管を使ったランプを示している。横軸は、点灯時間を示している。縦軸は、波長365nm付近の照度を、比較例のランプの初期照度を100%として相対照度によって示している。
本実施例のランプは、初期照度において、比較例と比べて、120%の照度と高い値を示した。比較例のランプは、点灯時間1500時間を経過すると急激に照度を落とし、2000時間では相対照度80%まで低下している。これに対して、本実施例のランプは、点灯時間2500時間経過時でも、相対照度110%を維持し、2800時間付近でも100%と、比較例のランプの初期照度を維持していた。この代表例に限定されず、図2の破線枠で囲まれたサンプルでは、同様の相対照度及び照度維持率を示すことを確認した。
従来のランプの寿命は、例えば初期照度に対する90%照度維持率は、比較例に示すように実績値で1500時間程度である。しかし、本実施例では、比較例の初期照度と比較して、初期相対照度は120%となり、2500時間経過時も相対照度110%を確保している。即ち、初期〜2500時間にわたる点灯時間において、本実施例は、比較例より高い紫外線照度が得られることが判明した。このため、所望の紫外線照度を得るために必要な電力が、相対的に少なくて済み、省エネ効果につながる。
[メタルハライドランプの製造方法]
このメタルハライドランプの製造方法は、図5に示す通りである。
ステップS1の封体加工工程で、石英管(図1の符号1)を所望の形状に加工する。発光部となる中央部の石英管の両端に電極固定部となる石英管を接続する。中央部の石英管には予め、封入物の投入通路と石英管内部の排気通路を兼ねる細管(排気管)が石英管に直交して融着接続されている(図示せず。)。こうして発光管封体が形成される。
このメタルハライドランプの製造方法は、図5に示す通りである。
ステップS1の封体加工工程で、石英管(図1の符号1)を所望の形状に加工する。発光部となる中央部の石英管の両端に電極固定部となる石英管を接続する。中央部の石英管には予め、封入物の投入通路と石英管内部の排気通路を兼ねる細管(排気管)が石英管に直交して融着接続されている(図示せず。)。こうして発光管封体が形成される。
ステップS2の仮排気工程で、電極を封体内に封入し真空に排気した後に微圧のアルゴンなどの不活性ガスを封入する。
ステップS3のシール、溶封工程で、発光管1に電極2,2を固定する。
ステップS4の排気・発光金属封入工程で、発光管1の中を排気した後、次に説明する所定の組成のハロゲン化鉄、その他の水銀及び希ガス(アルゴン等)等を封入し、排気管をチップオフして封じる。
この段階で封入される総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内で決定する。更に、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内で決定する。
ここで、総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦4.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にあれば、更に好ましい。
ステップS5の仕上げ工程で、発光管1の両端にベースを固定する。
[本実施形態の利点・効果]
[変形例・まとめ]
以上、本発明に係るメタルハライドランプの実施形態について説明したが、これらは例示であって、本発明を限定するものではない。本実施形態に対して当業者が容易に成し得る追加・削除・変更・改良等は本発明の範囲内である。
[変形例・まとめ]
以上、本発明に係るメタルハライドランプの実施形態について説明したが、これらは例示であって、本発明を限定するものではない。本実施形態に対して当業者が容易に成し得る追加・削除・変更・改良等は本発明の範囲内である。
本発明の技術的範囲は、添附の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
1:発光管、 2:電極、 2a:電極先端部、 3:モリブデン箔、 10:メタルハライドランプ、
Claims (6)
- 発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にある紫外線を発光するメタルハライドランプに於いて、
前記ランプは、紫外線の特に波長350〜380nmに強いスペクトルを発光させるために、発光管内に、希ガスと共に、少なくとも、水銀と鉄分とが封入されており、
前記鉄分は、臭化鉄FeBr2及びヨウ化鉄FeI2から構成されるハロゲン化鉄FeX2として含まれ、
総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、
ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にある、メタルハライドランプ。 - 請求項1に記載のメタルハライドランプに於いて、
前記総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦4.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にある、メタルハライドランプ。 - 請求項1又は2に記載のメタルハライドランプに於いて、更に、
前記希ガスとして、1.8〜2.2kPaの範囲内にあるアルゴンArが封入されている、メタルハライドランプ。 - 発光長が100mm以上1000mm未満の範囲内にある、紫外線を発光するメタルハライドランプの製造方法において、
石英管を加工して発光管封体を形成する工程と、
発光管内部を真空に排気した後、不活性ガスを封入する仮排気行程と、
発光管に電極を固定するシール・溶封工程と、
発光管内部を真空にした後、金属発光物質を封入する排気・発光金属封入工程と、
発光管の両端にベースを固定する仕上げ工程とを含み、
前記排気・発光金属封入工程では、紫外線の特に波長350〜380nmに強いスペクトルを発光させるために、発光管内に、希ガスと共に、少なくとも、水銀と鉄分とが封入され、前記鉄分は、臭化鉄FeBr2及びヨウ化鉄FeI2から構成されるハロゲン化鉄FeX2として含まれ、総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦10.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にあり、ハロゲン化鉄を構成する臭化鉄とヨウ化鉄の比率は、臭化鉄/総ハロゲン化鉄FeBr2/FeX2で表したとき、30≦FeBr2/FeX2≦50 (mol比 %)の範囲内にある、メタルハライドランプの製造方法。 - 請求項4に記載のメタルハライドランプの製造方法において、
前記総ハロゲン化鉄FeX2は、0.5×10−7≦FeX2≦4.0×10−7 (mol/cm3)の範囲内にある、メタルハライドランプの製造方法。 - 請求項5に記載のメタルハライドランプの製造方法において、
前記希ガスとして、1.8〜2.2kPaの範囲内にあるアルゴンArが封入されている、メタルハライドランプの製造方法。
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CN113443684A (zh) * | 2021-09-02 | 2021-09-28 | 深圳市盘古环保科技有限公司 | 一种可调的全波段紫外光发生系统 |
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