JP2014152436A - 動物蛋白質系繊維材料の改質加工法 - Google Patents

動物蛋白質系繊維材料の改質加工法 Download PDF

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Abstract

【課題】最近は軽く、薄く、暖かく、動きやすい高級感のある繊維製品が求められる傾向にあり、動物蛋白質系繊維材料に対しても一層の着用快適性と保温性向上が求められる様になっているが、この方面の研究成果は少ない。
【解決手段】本発明者等は、肌に優しく暖かい動物蛋白質系繊維材料の改質加工法の実用化研究を進めた結果、水溶性ジルコニュウム化合物をマイルドな加工条件によって付与するか、或いは架橋剤を併用する事によって、優れた経済性の元で効果的に動物蛋白質系繊維材料に湿潤発熱性を付与出来る事を見出した。

Description

発明の詳細な説明
本発明は動物蛋白質系繊維材料に対して水溶性ジルコニュウム化合物を付与する事によって湿潤発熱性を付与する動物蛋白質系繊維材料の製造法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、動物蛋白質系繊維材料、即ち、羊毛、絹、皮革、獣毛に水溶性ジルコニュウム化合物を浸漬法又はパッド法によって付与するか、或いは、動物蛋白質系繊維材料に水溶性ジルコニュウム化合物を浸漬法又はパッド法によって付与すると同時に、又は前工程或いは後工程に於いて架橋剤で処理する事によって、動物蛋白質系繊維材料に対して湿潤発熱性を付与する事を目的とする動物蛋白質系機能性繊維材料の製造法である。
近年、生活の質の向上と環境・安全・健康問題への関心の高まりに伴って、形状記憶繊維、難燃・防炎繊維、紫外線遮蔽繊維、防虫・防ダニ繊維、抗菌繊維、消臭繊維、高質感・高風合繊維、皮膚障害予防繊維、湿潤発熱性繊維等の機能性繊維が次々と開発されており、繊維業界の注目を集めている。
一方、中国に席捲されつつある日本の繊維産業が生き残り、中国と共生する為には、繊維に付加価値をつけた機能性繊維の開発が不可欠と考えられ、そのような観点からも機能性繊維の開発と実用化は日本の繊維業界の生き残りにとって極めて重要な課題となっている。
繊維材料に湿潤発熱性(吸湿発熱性)を付与する加工法によって、衣料品に暖かい保温感性を付与する方法として、セルロース系繊維や合成繊維の場合は、特開平8−35176、特開平8−311767、特開平10−251969、特開平11−279943、特開2000−256962、特開2002−348780、特開2002−88653、特開2004−36025、特開2006−265781等、多数の公知文献が存在する。これらの公知文献は、カルボキシル基やアミノ基を導入したり、蛋白質加水分解生成物を繊維に付与する加工法によって湿潤発熱性を与える内容のものが多い。
一方、動物蛋白質系繊維材料に対して湿潤発熱性を付与する公知文献が殆ど見当たらないのは、動物蛋白質系繊維材料は元々湿潤発熱性を有する暖かい繊維材料であり、更に湿潤発熱性をレベルアップさせる必要性が乏しかったからと考えられる。
しかしながら最近は、軽く、薄く、暖かく、動きやすい高級感のある繊維製品が求められる傾向にあり、動物蛋白質系繊維材料に対しても一層の着用快適性と保温性向上が求められる様になっている。
動物蛋白質系繊維材料に湿潤発熱性を付与する公知文献は、殆ど見当たらないが、特開2004−124337号公報に存在する。この特許の加工法は、蛋白質系素材を、不飽和2塩基性有機酸、例えば、実施例に記載されている様に、イタコン酸を用いて、圧力容器中で、120℃で2時間付加反応させる事によって、複数のカルボキシル基を導入すると言う内容である。
この改質加工法は、特殊な薬剤を使用し、経済性に問題があるだけでなく、該文献の[0020]に示唆されている様に、加工条件が高温で長時間と言う過酷な条件であって、繊維のダメージが進み易く、洗濯耐久性に問題があるなど、改質された繊維の風合いや耐久性等、品質上の問題や、経済性等に問題点が多い。
一方、ジルコニュウム系化合物を繊維に付与する加工法は、1μm以下に微粉砕したゲルマニュウム鉱石と共に合成繊維に紡糸前に練りこみ、機能性を付与する機能性合成繊維の製法が特開2005−299021号公報に開示されている。更に、特開2007−56429号公報には、放射性鉱物を混入・紡糸した合成繊維にチタン、シリコン、ジルコニュウム等を吹き付けて表面処理する事によって、汚れ防止、静電気発生予防、皮膚炎症予防等の目的を持った陰イオン発生繊維の製法が開示されている。特開2006−305304号公報、特開2004−57504号公報にも類似の機能性繊維の製法が開示されている。
特許第3193653号公報にはバインダー樹脂と共にジルコンセラミックスの様な鉱物を布帛にパッディングした後、乾燥・キュアリングする事によって、これらの鉱物を布帛に樹脂と共に接着する加工法が開示されている。
これらの機能性繊維の加工目的は、空気中にマイナスイオンを発生させる事による特殊な健康増進効果を狙った機能性繊維の製法であり、付与するジルコニュウム化合物の種類とその加工法、加工目的、並びに対象繊維も本発明とは異なる発明である。
発明が解決しようとする課題
前記した様に、繊維に湿潤発熱性を付与して暖かい保温効果を与える加工法の特許が種々公開されているが、これらの特許に記載された方法で加工された繊維製品は品質上、或いは経済性など、多かれ少なかれ問題が残っている。
本発明者等はこれらの課題を解決して、動物蛋白質系繊維素材に湿潤発熱性を容易確実に付与出来る機能性繊維素材の開発を目標に研究を行った。
課題を解決するための手段
本発明者等は経済性、加工製品の保温性、風合、着用快適性、耐洗濯性、加工効果等、衣料品、寝具、或いは中綿としての品質に優れた肌に優しい機能性繊維の製造法に関する開発研究を推進した結果、羊毛、絹、獣毛、皮革等の動物蛋白質系繊維材料を適量の水溶性ジルコニュウム化合物を用いてマイルドな条件で処理するか、或いは、水溶性ジルコニュウム化合物で処理する際に同時に、或いはジルコニュウム処理の前工程又は後工程において架橋剤を用いて処理する事によって、湿潤発熱性、柔軟性、風合いなど着用快適性、並びに形態安定性の良好な蛋白質系繊維材料を製造できる事を見出した。特に本発明は軽快な動きを必要とするアウター或いはインナーウエアや、寝具の繊維材料、又は、嵩張らないブレザー、ジャケット、ブルゾン、ジャンバー、コート、キルティング等の表地、裏地、中綿としても最適である。
特許第5031917号公報には、合成繊維にジルコニュウム化合物を高温で付与する加工法によって、吸熱性と清涼感を付与する特許が成立しているが、本発明はその逆の発熱性を付与する内容であり、同じジルコニュウム化合物を付与するにしても、動物蛋白質系繊維材料を痛めないマイルドな加工条件によって、吸熱効果とは全く逆の発熱効果を見出したのは、対象繊維が異なるとは言え、予想外の驚くべき発見と言わねばならない。
先行技術文献(特許文献)
特開平8−35176号公報、特開平8−311767号公報、特開平10−251969号公報、特開平11−279943号公報、特開2000−256962号公報、特開2002−348780号公報、特開2002−88653号公報、特開2004−36025号公報、特開2006−265781号公報。
特開2004−124337号公報。
特開2005−299021号公報、特開2007−56429号公報、特開2006−305304号公報、特開2004−57504号公報、特許第3193653号公報。
特許第5031917号公報。
本発明は羊毛、絹、獣毛、皮革などの単独、或いは天然繊維又は合成繊維を含めた他の繊維材料との混紡、交織、編物、不織布、複合繊維に対して水溶性のジルコニュウム化合物で直接処理する事を特徴とする動物蛋白質系繊維材料に対して湿潤発熱性を付与する機能性加工法である(請求項1)。
また、本発明は動物蛋白質系繊維の単独からなる繊維材料、又は動物蛋白質系繊維材料と他の繊維との混紡、交織、編物、不織布、中綿、或いは複合繊維材料に水溶性ジルコニュウム化合物を浸漬法又はパッド法によって付与すると同時に、又は前工程或いは後工程に於いて架橋剤で処理する事により、動物蛋白質系繊維材料に対して、持続性のある湿潤発熱性を付与する事を特徴とする機能性動物蛋白質系繊維材料の製造法である(請求項2)。
また、本発明は水溶性ジルコニュウム化合物として、酸塩化ジルコニュウム、水酸化塩化ジルコニュウム、硫酸ジルコニュウム、硝酸ジルコニュウム、燐酸ジルコニュウム、炭酸ジルコニュウム、酢酸ジルコニュウム、脂肪酸ジルコニュウム、並びにそれら化合物のナトリュウム塩、カリウム塩、マグネシュウム塩、リチュウム塩、マグネシュウム塩、カルシュウム塩、アンモニュウム塩を使用することを特徴とする湿潤発熱性に優れた動物蛋白質系繊維材料の製造法である(請求項3)
更に、本発明は架橋剤として、少なくとも2個以上の反応性官能基を有するエポキシ系化合物、トリアジン系化合物、ピリミジン系化合物を適用する事を特徴とする持続性を有する湿潤発熱性に優れた動物蛋白質系繊維材料の製造法である(請求項4)。
又、本発明は動物蛋白質系繊維材料として羊毛、絹、皮革、獣毛の単独、又は他の天然繊維又は合成繊維材料を含めた2種類以上の繊維材料の混紡、交織、編物、糸、不織布、中綿、複合繊維を用いる事を特徴とする湿潤発熱性を備えた動物蛋白質系機能性繊維材料の製造法である(請求項5)。
更に、本発明は動物蛋白質系繊維材料に水溶性ジルコニュウム化合物を付与する事によって、或いはジルコニュウム化合物を付与すると同時に、或いは前工程又は後工程に於いて架橋剤で処理する事によって湿潤発熱性を付与された動物蛋白質系機能性繊維材料である(請求項6)。
本発明に於いて、架橋剤を併用した場合、湿潤発熱性がより大きくなり、更に持続性が優れる効果をもたらす。動物蛋白質系繊維材料の形態安定性、特に抗ピリング性、スレ防止性、柔軟性を保つ為にも、公知の架橋剤を本発明の加工と同時に、或いは事前に、又は事後に用いると効果的である。
本発明に於いて有効な公知架橋剤としては、エポキシ系、トリアジン系、ピリミジン系があり、これらの架橋剤を用いた加工法は公知の加工法が適用できる。
本発明の実施形態をより詳しく具体的に説明する。例えば、チーズ染色機を用いて、羊毛や絹の生地、又は糸をセットし、浴比1:10〜1:30の水の中に、0.5〜5%owfの消泡剤或いは脱気剤、及び均染剤等の非イオン活性剤又はアニオン活性剤を1〜10%owf加え、更に、酢酸ジルコニュウム溶液等の水溶性ジルコニュウム化合物を1〜10%owfと、酢酸1〜5%owfを加えて、循環しながら1℃/分で70〜100℃まで昇温し、同温にて20〜60分間加熱処理する。次いで排液し、常法で水洗、ソーピング、水洗して乾燥すればよい。チーズ染色機の他に、ウインス型染色機、ジッガー染色機、液流染色機、オーバーマイヤー染色機等が使用できる。
これらの浸漬法の他に、パッド・スチーミング法、又はパッド・ドライ・スチーミング法も適用できる。パッド・スチーミング法の場合は、水溶性ジルコニュウム化合物を濃度で1〜10%の水溶液を使用し、絞り率60〜80%でパッドして絞った後、乾燥して、或いは乾燥せずに95〜100℃で10〜20分間スチーミングした後、常法で水洗、ソーピング、水洗して乾燥すればよい。
架橋剤を併用する場合は、架橋剤を1〜20%owf、及び架橋剤の種類によって触媒が必要な場合は架橋触媒を1〜10%owf加えて同様に処理するか、又は、公知の方法で事前又は事後に架橋反応処理すればよい。
本発明で使用可能な水溶性ジルコニュウム化合物としては、第一希元素化学工業株式会社製の酸塩化ジルコニュウム、ジルコゾールZC、ジルコゾールZC−20、ジルコゾールZC−2、硫酸ジルコニュウム、ジルコゾールZN、ジルコゾールAC−7、ジルコゾールAC−20、酢酸ジルコゾール、ジルコゾールZA−20、ジルコゾールZA−30、ステアリン酸ジルコニュウム、オクチル酸ジルコニュウム、燐酸ジルコニュウム銀などを具体例として挙げる事ができる。
また、本発明で架橋薬剤が使用される場合、少なくとも2個以上の反応性官能基を有する各種エポキシ系化合物、トリアジン系化合物、ピリミジン系化合物等の架橋剤が適用できる。
エポキシ系の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類が使用できる。商品名ではナガセケムテックス社製のデナコール、共栄社化学製のエポライト等が該当する。
トリアジン系架橋剤の具体例としては、塩化シアヌル、2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジン、2,6−ジクロル−4−(2−スルフォアニリノ−S−トリアジン等、ピリミジン系架橋剤としては、2,4,6−トリクロロピリミジン、2,6−ジクロロピリミジン等を挙げる事が出来る。
これらの架橋剤を用いる加工条件は、特許第3415576号や、特開4−281069号公報に記載がある様な公知の加工条件で加工できる。これらの架橋剤を併用して加工された繊維材料は、より優れた湿潤発熱性と共に、抗ピリング性や、スレ防止性、柔軟性などが付与される。
本発明の加工対象繊維材料とは、羊毛、絹、獣毛、皮革等の動物蛋白質系繊維材料を主成分とするものであり、天然繊維、合成繊維との混紡、交織、編物、不織布、中綿、複合繊維にも適用可能である。
本発明方法によって加工・改質された動物蛋白質系繊維材料は、耐洗濯性に優れた湿潤発熱性が付与されており、その上、風合良好性、着用快適性にも優れた機能性繊維となり、春秋冬期ウエアとして効果的な保温性と風合いが付与され、強度、しなやかさにも優れ、繰り返し洗濯耐久性にも優れた機能性繊維が得られる。この機能性繊維材料は織物やニットとして保温性の高い各種衣料品に使用できるだけでなく、ジャケット、コート、ブルゾン、キルティング、寝具等の中綿としても有用である。中綿として使用する場合、パイル織物として挿入使用すると嵩高性が少なく、保温性が高い、極めて優れた製品が得られる。
以下実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、部及び%は重量部及び重量%を意味する。
実施例1
2/48ウール100%糸1kgをチーズ染色機にセットして、常法で染色し、水洗した後、浴比1:20となる様に水20kgを仕込み、次いで液を循環しながら、ALBEGAL FFA(CIBA社製、脱気剤)1%owf、ニッカサンソルト7000(日華化学社製、均染剤)3%owf、及び酢酸ジルコニュウム溶液6%owfと酢酸3%owfを加える。1℃/min.で80℃まで昇温して30分間保温循環する。次いで排液し、常法で水洗、ソーピング、水洗して乾燥した。
染色処理のみ行った2/48ウール100%未加工糸と、上記の加工糸をそれぞれ横編み機12Gにて編み試験検体を作製した。
湿潤発熱試験:試験品を温度センサーに巻き付けたものを、シリカゲルの入った容器に入れ密封し、24時間以上調湿する。密封容器を30℃90%RHの環境下に1時間放置した後、恒温恒湿機を停止する。庫内の風が止まった事を確認後、容器を開封し、試験品を高湿環境下に暴露した時の生地内部の温度変化を観察する。
この試験を20分間行った結果、ジルコニュウム加工糸の編み検体は、染色のみ行った編み検体(ブランク)に比べて最高2℃の温度差(高い温度)が生じ、ジルコニュウム加工糸の編み検体の湿潤発熱性が優れている事が実証された。この加工編み検体は洗濯を20回繰り返した結果も同様な湿潤発熱性を維持した。
実施例2
公知方法によりエチレングリコールジグリシジルエーテルによって予め架橋処理を行った絹紡糸2/60を1kg、チーズ染色機にセットして、浴比1:20となる様に水20kgを仕込み、次いで液を循環しながら、ALBEGAL FFA(CIBA社製、脱気剤)1%owf、ニッカサンソルト7000(日華化学社製、均染剤)3%owf、及び酢酸ジルコニュウム溶液6%owfと酢酸3%owfを加える。1℃/min.で80℃まで昇温して30分間保温循環する。次いで排液し、常法で水洗、ソーピング、水洗して乾燥した。
未処理の絹紡糸(ブランク)と、上記の通り加工した糸を、横編み機12Gにて編み試験検体を作製した。実施例1と同様に湿潤発熱性試験を行った結果、未加工品に比べて本発明加工品は湿潤発熱により最大1.9℃の温度差が生じた。この加工編み物は洗濯を20回繰り返した結果も同様な湿潤発熱性を示した。
実施例3
絹紡糸2/60を1kg、チーズ染色機にセットして、浴比1:20となる様に水20kgを仕込み、次いで液を循環しながら、ALBEGAL FFA(CIBA社製、脱気剤)1%owt、ニッカサンソルト7000(日華化学社製、均染剤)3%owf、及び酢酸ジルコニュウム溶液6%owf、酢酸3%owf、及びデナコールEX−313(ナガセケムテック社製、エポキシ系架橋剤)5%owfを加える。1℃/min.で80℃まで昇温して60分間保温循環する。次いで排液し、常法で水洗、ソーピング、水洗して乾燥した。
未処理の絹紡糸と、上記の通り加工した糸を、実施例1と同様に湿潤発熱性試験を行った結果、未加工品に比べて本発明加工品は最大1.8℃の温度上昇が見られた。この機能性加工糸は、洗濯時のスレ防止性と柔軟性も優れていた。
実施例4
対象繊維材料として2/48、アクリル/ウール、40/60を用いて、前記実施例1と同様に処理した。未処理の同じ糸(ブランク)と、上記の通り加工した糸を、それぞれ横編み機12Gにて編み試験検体を作製して実施例1と同様に湿潤発熱性試験を行った結果、未加工品に比べて本発明加工品は最大2.0℃の温度上昇が見られ、加工品の湿潤発熱性が優れている事を確認した。
実施例5
対象繊維としてシルク100%サテン生地を用いて、濃度5%の酢酸ジルコニュウム水溶液を、絞り率80%でパッドして絞った後、98℃で20分間スチーミングした。その後、常法で水洗、ソーピング、水洗して乾燥した。未処理の同じシルクサテン生地(ブランク)と、上記の通り加工した生地を、実施例1と同様に湿潤発熱性試験を行った結果、未加工品に比べて本発明加工品は最大2.0℃の温度上昇が見られ、加工品の湿潤発熱性が優れている事を確認した。
実施例6
対象繊維としてシルク100%サテン生地を用いて、濃度5%の酢酸ジルコニュウム水溶液を、絞り率80%でパッドして絞った後、98℃で20分間スチーミングした。その後、常法で水洗、ソーピング、水洗して乾燥した。このシルク生地を2,4,6−トリクロロピリミジンを用いて常法により架橋反応処理を行った。未処理の同じシルクサテン生地と、上記の通り加工した生地の湿潤発熱性を比較したところ、本発明加工品は実施例5の場合よりも最高到達温度並びに発熱の持続性がより優れている事を確認した。
発明の効果
本発明によれば動物蛋白質系繊維材料にマイルドな加工条件で水溶性ジルコニュウム化合物を付与するか、或いは水溶性ジルコニュウム化合物で処理すると同時に、又は事前に、或いは事後に架橋剤で処理する事によって、動物蛋白質系繊維材料に効果的に湿潤発熱性を付与する事が出来る。その結果、暖かい保温性を有する衣料品、或いは寝具、中綿として極めて有効で快適な動物蛋白質系繊維材料を提供できる。

Claims (6)

  1. 動物蛋白質系繊維の単独からなる繊維材料、又は動物蛋白質系繊維材料と他の繊維との混紡、交織、編物、不織布、中綿、或いは複合繊維材料に水溶性ジルコニュウム化合物を浸漬法又はパッド法によって付与する事により、動物蛋白質系繊維材料に対して湿潤発熱性を付与する事を特徴とする機能性動物蛋白質系繊維材料の製造法。
  2. 動物蛋白質系繊維の単独からなる繊維材料、又は動物蛋白質系繊維材料と他の繊維との混紡、交織、編物、不織布、中綿、或いは複合繊維材料に水溶性ジルコニュウム化合物を浸漬法又はパッド法によって付与すると同時に、又は前工程或いは後工程に於いて架橋剤で処理する事により、動物蛋白質系繊維材料に対して、持続性のある湿潤発熱性を付与する事を特徴とする請求項1に記載する機能性動物蛋白質系繊維材料の製造法。
  3. 水溶性ジルコニュウム化合物として、酸塩化ジルコニュウム、水酸化塩化ジルコニュウム、硫酸ジルコニュウム、硝酸ジルコニュウム、燐酸ジルコニュウム、炭酸ジルコニュウム、酢酸ジルコニュウム、脂肪酸ジルコニュウム、並びにそれら化合物のナトリュウム塩、カリウム塩、マグネシュウム塩、リチュウム塩、マグネシュウム塩、カルシュウム塩、アンモニュウム塩を使用することを特徴とする請求項1乃至2に記載の湿潤発熱性に優れた動物蛋白質系繊維材料の製造法。
  4. 架橋剤として、少なくとも2個以上の反応性官能基を有するエポキシ系化合物、トリアジン系化合物、ピリミジン系化合物を適用する事を特徴とする請求項2〜3に記載の持続性を有する湿潤発熱性に優れた動物蛋白質系繊維材料の製造法。
  5. 動物蛋白質系繊維材料が羊毛、絹、皮革、獣毛の単独、又は他の天然繊維材料又は合成繊維材料を含めた2種類以上の繊維材料の混紡、交織、編物、糸、中綿、不織布、或いは複合繊維材料である事を特徴とする請求項1〜4に記載の湿潤発熱性を備えた動物蛋白質系機能性繊維材料の製造法。
  6. 動物蛋白質系繊維材料に水溶性ジルコニュウム化合物を付与する事によって、或いは、動物蛋白質系繊維材料に水溶性ジルコニュウム化合物を付与すると同時に、又は前工程か後工程に於いて架橋剤で処理する事によって動物蛋白質系繊維材料に対して湿潤発熱性を付与された請求項1〜5に記載の動物蛋白質系機能性繊維材料。
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WO2019066037A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 Spiber株式会社 ドープ液及びそれを用いた製品、並びに、構造タンパク質繊維及びその製造方法

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