JP2014152427A - オフセット印刷用塗工紙及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水濡れ後のボコつきが生じ難く、かつオフセット印刷適性に優れるオフセット印刷用塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙の両面に白色顔料とバインダーを主体とした塗工層を設けたオフセット印刷用塗工紙であり、該原紙のステキヒトサイズ度が25〜100秒、内部結合強度が320〜720J/m2、密度が0.50〜0.69g/cm3であり、片面当たり10g/m2以上の塗工層を設けた後、カレンダー処理を行わないことを特徴とするオフセット印刷用塗工紙。
【選択図】なし
【解決手段】原紙の両面に白色顔料とバインダーを主体とした塗工層を設けたオフセット印刷用塗工紙であり、該原紙のステキヒトサイズ度が25〜100秒、内部結合強度が320〜720J/m2、密度が0.50〜0.69g/cm3であり、片面当たり10g/m2以上の塗工層を設けた後、カレンダー処理を行わないことを特徴とするオフセット印刷用塗工紙。
【選択図】なし
Description
本発明は、印刷用塗工紙に関するものである。更に詳しくは、オフセット印刷適性に優れ、かつ水濡れ後の部分的な膨らみ(以下、ボコつきと称する)が生じ難い、簡易的な耐水性を有したオフセット印刷用塗工紙に関するものである。
オフセット印刷用塗工紙は一般的に木材パルプを主成分とする原紙と、顔料とバインダーを主成分とする塗工層からなる。従来より屋内外での使用に際し、雨水や飲料水等による意図せぬ水濡れの後、塗工紙のボコつきが生じ、乾燥後もそのボコつきが構造的に定着して印刷物としての美観を損ねるという問題があった。
これは、水が塗工層を通過して原紙まで浸透し、木材パルプどうしの水素結合が弱まって原紙が構造的に膨らみ、外観として塗工紙がボコついてしまうことによる。
従来より水濡れによる原紙への水の浸透を抑える技術が提唱されている。例えば、塗工層のバインダー配合量を高めて塗工層の水の浸透性を低下させるもの(例えば、特許文献1、2参照)、または原紙の両面に水の浸透を防ぐ薬剤を塗布するもの(例えば、特許文献3、4参照)が挙げられる。
しかしながら、塗工層のバインダー配合量を高めたり、原紙の両面に水の浸透を防ぐ薬剤を塗布したりする場合、一般的なオフセット印刷において湿し水の塗工紙への浸透性が劣ることとなり、結果的にインキ着肉むらが生じオフセット印刷適性が低下するといった問題が起こっていた。よって、簡易的な耐水性を有しつつ、オフセット印刷における湿し水の浸透を適度に保つ印刷用塗工紙が求められていた。
本発明の目的は、水濡れ後のボコつきが生じ難く、かつオフセット印刷適性に優れるオフセット印刷用塗工紙を提供するものである。
本発明者は、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、以下のようなオフセット印刷用塗工紙を発明するに至った。
すなわち、原紙の両面に白色顔料とバインダーを主体とした塗工層を設けたオフセット印刷用塗工紙であり、該原紙のステキヒトサイズ度が25〜100秒、内部結合強度が320〜720J/m2、密度が0.50〜0.69g/cm3であり、片面当たり10g/m2以上の塗工層を有することを特徴とする印刷用塗工紙である。
また、該塗工層が片面当たり2層以上であることが望ましい。
また、該塗工層における最表塗工層が白色顔料中カオリンを50〜100質量%配合することが望ましい。
また、原紙の両面に白色顔料とバインダーを主体とした塗工層を設けたオフセット印刷用塗工紙であり、該原紙のステキヒトサイズ度が25〜100秒、内部結合強度が320〜720J/m2、密度が0.50〜0.69g/cm3であり、片面当たり10g/m2以上の塗工層を設けた後、カレンダー処理を行わないことを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法である。
本発明のオフセット印刷用塗工紙は水濡れ後のボコつきが生じ難く、かつオフセット印刷適性に優れる。
以下、本発明のオフセット印刷用塗工紙について詳細に説明する。
<原紙>
本発明に用いられるオフセット印刷用塗工紙の原紙としては、木材パルプ、綿、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフ等の植物繊維を任意の比率でシート状にしたものが使用できる。また、これらの繊維には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、有機顔料等の各種填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、紙力剤等の各種抄紙用助剤を好適に含有することができる。
本発明に用いられるオフセット印刷用塗工紙の原紙としては、木材パルプ、綿、麻、竹、サトウキビ、トウモロコシ、ケナフ等の植物繊維を任意の比率でシート状にしたものが使用できる。また、これらの繊維には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、有機顔料等の各種填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、紙力剤等の各種抄紙用助剤を好適に含有することができる。
本発明に用いられる木材パルプとしては、パルプの製法には限定されないが、望ましくは、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)等が好ましい。また、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)等従来から知られている化学パルプの何れもが使用でき、またGP(グランドパルプ)やTMP(サーモメカニカルパルプ)等各種の機械パルプ、更には古紙パルプや非木材パルプ、合成パルプ、各種パルプ繊維にマーセル化等化学的処理を加えたパルプについても紙としての特性や品質を損なわない範囲で併用して使用することが可能である。
パルプスラリー中に添加する填料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、デラミネーティッドカオリン、焼成カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、カチオン修飾したコロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機顔料といった公知の製紙用填料を使用することができる。
またパルプスラリー中には、一般に知られる各種の抄紙用助剤を用いることができる。例えば、紙力剤として澱粉、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ガラクトマンナン等、湿潤紙力剤としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー、アルケニルまたはアルキル琥珀酸無水物、脂肪酸金属塩、脂肪酸、エポキシ系高級脂肪酸アミド、ロジン誘導体等、定着剤として塩化アルミニウム、硫酸バンド等の水溶性アルミニウム塩等、pH調整剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸、塩酸等、他に歩留まり向上剤、染料、顔料、蛍光増白剤を適宜組み合わせて含有することができる。
また、パルプスラリー中には嵩高剤(紙厚向上剤)を添加することができる。嵩高剤としては、一般に知られている公知の嵩高剤が使用でき、例えば、ノニオン系界面活性剤や脂肪酸ポリアミドアミン等が挙げられる。抄紙時にパルプ繊維に定着し、パルプ繊維間の結合の阻害要因として働くために、繊維間結合の距離を増すことにより紙にした場合低密度化すると考えられている。そのため、添加量が適切でない場合、紙の強度が低下してしまう面があり使用には注意が必要である。
本発明の紙の製造方法において使用する抄紙機は、一般的な抄紙機であれば特に制限はなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ハイブリッド抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、各種のコンビネーション抄紙機等製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できるが、目的とする原紙の密度を得るためには、抄紙機ウェットパート及びプレスパートにおいて紙匹に加える外力をできる限り穏やかにする設備や運転条件が望ましい。例えば、湿った状態の紙匹を低圧で処理できるシュープレスを用いることは望ましい方法である。
該原紙のステキヒトサイズ度は、パルプスラリーに添加する内添助剤であるサイズ剤、澱粉の種類、配合量、添加タイミング、そしてサイズプレス液に使用するサイズ剤、澱粉の種類、配合量、塗布量によって主に調整される。内部結合強度は、パルプの種類、叩解度、配合比率、パルプスラリーに添加する内添助剤である紙力剤、澱粉の種類、配合量、添加タイミング、更にはサイズプレス液に使用する紙力剤、澱粉の種類、配合量、塗布量によって主に調整される。密度は、パルプの種類、叩解度、配合比率、パルプスラリーに添加する嵩高剤の種類と配合量と添加タイミング、更にはウェットパート及びプレスパートのプレス圧条件、カレンダーの線圧、温度条件によって主に調整される。
ステキヒトサイズ度や内部結合強度を調整するためのサイズプレス液の成分としては、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、りん酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、アクリル、スチレン・アクリル、スチレン・マレイン酸、スチレン・オレフィン、アクリル・酢ビ等のアクリル系表面サイズ剤、オレフィン・マレイン酸、ジイソブチレン・マレイン酸等のオレフィン系表面サイズ剤等が挙げられ、その他に塗工層に用いられる全ての材料が適宜使用できる。
原紙の坪量は特に限定されるものではないが、30〜450g/m2が望ましい。本発明においては、ステキヒトサイズ度が25〜100秒、内部結合強度が320〜720J/m2、密度が0.50〜0.69g/cm3であることが好ましい。ステキヒトサイズ度が高いことで水の原紙への浸透を適度に抑制できる。また、原紙が低密度であることで水と置換される空気の量が増えることになり、結果的に原紙内部への水の浸透を抑制することができる。また、内部結合強度が強いことでパルプどうしの結合が強まり、水濡れ後の原紙の構造的な破壊を抑制することができる。ステキヒトサイズ度が25秒未満であると、水の原紙への浸透を抑制することができない。一方、密度が0.69g/cm3を超える場合も水の原紙への浸透を抑制することができない。また、内部結合強度が320J/m2未満であると、水濡れ後の原紙の構造的な破壊を抑制できない。ステキヒトサイズ度の上限、内部結合強度の上限、及び密度の下限は特に限定されるものではないが、ステキヒトサイズ度が100秒以下、密度が0.50g/cm3以上、内部結合強度が720J/m2以下であることが望ましい。原紙のステキヒトサイズ度はJIS P8122に則り測定する。原紙の内部結合強度はTAPPI T569(UM403)に準拠した内部結合強度試験機を用い測定する。
<塗工層>
本発明において、原紙の少なくとも片面に一層以上設ける塗工層は白色顔料とバインダーを主体としており、塗工量は片面あたり合計で10g/m2以上であることが望ましい。10g/m2未満では水濡れ後のボコつきを抑制しつつ、高い印刷品位を保つことが困難となる。上限は特に限定されるものではないが40g/m2以下が好ましい。また、塗工層は片面あたり2層以上とすることで、合計が同じ塗工量であっても更に塗工層による被覆性と平滑性が増すので、印刷品位を更に向上させる目的として更に好ましい。
本発明において、原紙の少なくとも片面に一層以上設ける塗工層は白色顔料とバインダーを主体としており、塗工量は片面あたり合計で10g/m2以上であることが望ましい。10g/m2未満では水濡れ後のボコつきを抑制しつつ、高い印刷品位を保つことが困難となる。上限は特に限定されるものではないが40g/m2以下が好ましい。また、塗工層は片面あたり2層以上とすることで、合計が同じ塗工量であっても更に塗工層による被覆性と平滑性が増すので、印刷品位を更に向上させる目的として更に好ましい。
白色顔料としては、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、合成シリカ、タルク、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、有機顔料、またはこれらをカチオン変性したもの、あるいはこれら二種以上の複合体が挙げられる。これらは単独または組み合わせて使用することができる。
本発明に係る塗工層に用いる白色顔料として、カオリンは優れた被覆性を有するので、印刷品位を更に向上させるためには、少なくとも最表塗工層に含有する白色顔料としてカオリンを50〜100質量%配合することが更に望ましい。もちろん、本発明に係る塗工層が片面あたり1層であれば当該塗工層が白色顔料としてカオリンが50〜100質量%であることが望ましいし、片面あたり2層以上の場合であっても最表塗工層以外の塗工層が白色顔料としてカオリンが50〜100質量%であっても良い。
バインダーとしては、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル等の各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン等のホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、エピクロルヒドリン等の水溶性合成物が挙げられる。更には、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、りん酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の天然多糖類及びそのオリゴマー、更にはその変性体が挙げられる。また、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲン等の天然タンパク質及びその変性体、ポリ乳酸、ペプチド等の合成高分子やオリゴマーが挙げられる。これらは単独または組み合わせて使用することができる。また、バインダーはカチオン変性を施して使用することができる。白色顔料に対してバインダーは5〜30質量%であることが好ましい。
本発明に係る塗工層には、必要に応じて、増粘剤、分散剤、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、耐水化剤、着色剤、滑剤等の通常使用されている各種助剤を含有することができる。
本発明において、塗工する方法は特に限定されるものではなく、メタリングサイズプレス、ゲートロール、シムサイザー等の各種フィルムトランスファー方式やロッド、ブレードコーター、カーテン(ダイレクトファウンテン)、エアナイフ、スプレーコーター、キャスト等の各方法を適宜使用する。
<仕上げ>
一般的にオフセット印刷用塗工紙は必要とする平滑度、密度、透気度、インキ受理性、光沢度を得るためにカレンダー処理を施す。装置としては弾性ロールと硬質ロールを組み合わせたものであり、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等と呼ばれるものがある。また、ベルトとロールの組み合わせからなる装置も使用でき、シューカレンダー、メタルベルトカレンダー等と呼ばれているものもある。しかしながら、本発明においては、原紙の密度をより低く保ったままにするため、このような塗工後の仕上げを実施しないことが好ましい。
一般的にオフセット印刷用塗工紙は必要とする平滑度、密度、透気度、インキ受理性、光沢度を得るためにカレンダー処理を施す。装置としては弾性ロールと硬質ロールを組み合わせたものであり、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等と呼ばれるものがある。また、ベルトとロールの組み合わせからなる装置も使用でき、シューカレンダー、メタルベルトカレンダー等と呼ばれているものもある。しかしながら、本発明においては、原紙の密度をより低く保ったままにするため、このような塗工後の仕上げを実施しないことが好ましい。
最終的に得られたオフセット印刷用塗工紙は用途に合わせて、大小のシート状またはロール状に加工されて製品となる。保存の際は、吸湿を避けるために防湿の包装を施すのが好ましい。製品の坪量は特に限定されるものではない。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り、質量部及び質量%を示す。
(実施例1)〜(実施例15)及び(比較例1)〜(比較例4)
下記の内容に従って、オフセット印刷用塗工紙を作製した。
下記の内容に従って、オフセット印刷用塗工紙を作製した。
<パルプスラリーの調製>
LBKP(濾水度430ml) 80部
NBKP(濾水度480ml) 20部
軽質炭酸カルシウム填料(原紙中灰分で表示) 9部
市販カチオン化澱粉(内添紙力剤) 配合部数は表1に記載
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.1部
市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤 配合部数は表1に記載
市販硫酸バンド 9部
<表面サイズプレス液の調製>
酸化澱粉 100部
<原紙の作製>
上記パルプ、内添薬品を上記の配合でパルプスラリーを調製し、長網抄紙機で90.0g/m2の坪量で原紙を抄造した。目的とする原紙のステキヒトサイズ度を得るために、市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤の添加量を調整した。また目的とする原紙の内部結合強度を得るために、LBKP及びNBKPの濾水度と市販カチオン化澱粉の添加量を調整した。また目的とする原紙の密度を得るために、抄紙機のプレス圧及びマシンカレンダー線圧を調整した。プレス圧及びマシンカレンダー線圧は表1中に記載した。プレスは3つ装置のプレス圧の平均値を、マシンカレンダーは2つのニップの線圧の平均値を記載した。この中でマシンカレンダー線圧0kg/cmとはカレンダーニップの開放を示す。原紙は表面サイズプレス液を固形分で両面あたり合計2.0g/m2塗布した。
LBKP(濾水度430ml) 80部
NBKP(濾水度480ml) 20部
軽質炭酸カルシウム填料(原紙中灰分で表示) 9部
市販カチオン化澱粉(内添紙力剤) 配合部数は表1に記載
市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.1部
市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤 配合部数は表1に記載
市販硫酸バンド 9部
<表面サイズプレス液の調製>
酸化澱粉 100部
<原紙の作製>
上記パルプ、内添薬品を上記の配合でパルプスラリーを調製し、長網抄紙機で90.0g/m2の坪量で原紙を抄造した。目的とする原紙のステキヒトサイズ度を得るために、市販アルキルケテンダイマー系内添サイズ剤の添加量を調整した。また目的とする原紙の内部結合強度を得るために、LBKP及びNBKPの濾水度と市販カチオン化澱粉の添加量を調整した。また目的とする原紙の密度を得るために、抄紙機のプレス圧及びマシンカレンダー線圧を調整した。プレス圧及びマシンカレンダー線圧は表1中に記載した。プレスは3つ装置のプレス圧の平均値を、マシンカレンダーは2つのニップの線圧の平均値を記載した。この中でマシンカレンダー線圧0kg/cmとはカレンダーニップの開放を示す。原紙は表面サイズプレス液を固形分で両面あたり合計2.0g/m2塗布した。
<塗工液の調製>
顔料 配合部数は表1に記載
市販スチレン・ブタジエン系ラテックスバインダー 12部
市販りん酸エステル化澱粉 2部
市販潤滑剤(脂肪酸系) 0.3部
市販印刷適性向上剤 0.3部
市販合成保水剤(アルカリ増粘タイプ) 0.1部
表1中に示した顔料は、市販カオリン(体積平均径2.3μm)、市販重質炭酸カルシウム(体積平均径1.2μm)である。上記、固形分質量部で配合し、水に分散・撹拌し、水酸化ナトリウムにてpH9.6とし、水によって塗工液の固形分濃度を調整した。
顔料 配合部数は表1に記載
市販スチレン・ブタジエン系ラテックスバインダー 12部
市販りん酸エステル化澱粉 2部
市販潤滑剤(脂肪酸系) 0.3部
市販印刷適性向上剤 0.3部
市販合成保水剤(アルカリ増粘タイプ) 0.1部
表1中に示した顔料は、市販カオリン(体積平均径2.3μm)、市販重質炭酸カルシウム(体積平均径1.2μm)である。上記、固形分質量部で配合し、水に分散・撹拌し、水酸化ナトリウムにてpH9.6とし、水によって塗工液の固形分濃度を調整した。
これらの塗工液をブレード塗工法にて両面を塗工、乾燥した。塗工量は固形分として片面当たり10g/m2とした。但し、実施例については、実施例12〜14は片面あたり5g/m2の塗工を2回実施しており、2回の合計で片面あたり10g/m2とした。比較例4については、片面当たり8g/m2とした以外は実施例1と同じとした。また、実施例15については、塗工後にオフマシンでのカレンダー処理を行った以外は実施例1と同じとした。カレンダーは弾性ロールと金属ロールからなる装置である。
上記実施例及び比較例により得られたオフセット印刷用塗工紙について、下記の方法により測定、評価し、その結果を表1に掲げた。
<原紙のステキヒトサイズ度>
JIS P8122に則り、原紙のステキヒトサイズ度を測定した。
JIS P8122に則り、原紙のステキヒトサイズ度を測定した。
<原紙の内部結合強度>
TAPPI T569(UM403)に準拠した内部結合強度試験機を用い、原紙の内部結合強度を測定した。
TAPPI T569(UM403)に準拠した内部結合強度試験機を用い、原紙の内部結合強度を測定した。
<耐水性>
A4サイズにカットした塗工紙サンプルに、スポイトにて水20mlを落とし、10秒後に吸湿性の高い布で水をふき取った。これを乾燥させた後、塗工紙サンプルのボコつきを目視にて評価した。品質判定基準は以下の通りであり、数字が大きいもの程優れる。
10 :ボコつきが全くなく、美観に大変に優れる。
9〜7:ボコつきが小さく、美観に優れる。
6〜5:ボコつきが実用上問題ないレベル。
4〜2:ボコつきが大きく、美観を損なう。
1 :ボコつきが非常に大きく、美観を大変に損なう。
A4サイズにカットした塗工紙サンプルに、スポイトにて水20mlを落とし、10秒後に吸湿性の高い布で水をふき取った。これを乾燥させた後、塗工紙サンプルのボコつきを目視にて評価した。品質判定基準は以下の通りであり、数字が大きいもの程優れる。
10 :ボコつきが全くなく、美観に大変に優れる。
9〜7:ボコつきが小さく、美観に優れる。
6〜5:ボコつきが実用上問題ないレベル。
4〜2:ボコつきが大きく、美観を損なう。
1 :ボコつきが非常に大きく、美観を大変に損なう。
<印刷品位>
塗工紙サンプルにオフセット印刷を施し、目視で印刷品位を判定した。品質判定基準は以下の通りであり、数字が大きいもの程優れる。
10 :印刷品位が大変に優れる。
9〜7:印刷品位が優れる。
6〜5:印刷品位が実用上問題ないレベル。
4〜2:印刷品位が劣る。
1 :印刷品位が大変劣る。
塗工紙サンプルにオフセット印刷を施し、目視で印刷品位を判定した。品質判定基準は以下の通りであり、数字が大きいもの程優れる。
10 :印刷品位が大変に優れる。
9〜7:印刷品位が優れる。
6〜5:印刷品位が実用上問題ないレベル。
4〜2:印刷品位が劣る。
1 :印刷品位が大変劣る。
<評価結果>
実施例1から8は請求項1の要件を満たすことにより、耐水性と印刷品位の両方を高いレベルで発現できた。実施例9から11は更に請求項3の要件を満たすことにより、印刷品位が更に良好な結果となった。実施例12は請求項2の要件を満たすことにより、良好な耐水性を保ちつつ、印刷品位が改良された。実施例13,14は請求項2及び3の要件を満たすことにより、非常に良好な耐水性と印刷品位を両立することができた。実施例15は塗工後にオフマシンでのカレンダー処理を行うことで実施例1より耐水性が劣るものの、印刷品位は向上した。比較例1から4は請求項1の要件を満たさないため、耐水性と印刷品位の両方を高いレベルで発現することができなかった。
実施例1から8は請求項1の要件を満たすことにより、耐水性と印刷品位の両方を高いレベルで発現できた。実施例9から11は更に請求項3の要件を満たすことにより、印刷品位が更に良好な結果となった。実施例12は請求項2の要件を満たすことにより、良好な耐水性を保ちつつ、印刷品位が改良された。実施例13,14は請求項2及び3の要件を満たすことにより、非常に良好な耐水性と印刷品位を両立することができた。実施例15は塗工後にオフマシンでのカレンダー処理を行うことで実施例1より耐水性が劣るものの、印刷品位は向上した。比較例1から4は請求項1の要件を満たさないため、耐水性と印刷品位の両方を高いレベルで発現することができなかった。
本発明におけるオフセット印刷用塗工紙は、簡易耐水性が求められるオフセット印刷塗工紙としての使用に留まらず、適性が伴えばグラビア、インクジェット、電子写真等の他の印刷方式に使用することもできる。また、この上に更に耐水層、耐油層、圧着層、光沢調整層を設けて機能紙として好適に使用することもできる。
Claims (4)
- 原紙の両面に白色顔料とバインダーを主体とした塗工層を設けたオフセット印刷用塗工紙において、該原紙のステキヒトサイズ度が25〜100秒、内部結合強度が320〜720J/m2、密度が0.50〜0.69g/cm3であり、片面当たり10g/m2以上の塗工層を有することを特徴とするオフセット印刷用塗工紙。
- 該塗工層が片面当たり2層以上であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用塗工紙。
- 該塗工層における最表塗工層が白色顔料中カオリンを50〜100質量%含有することを特徴とする請求項1または2記載のオフセット印刷用塗工紙。
- 原紙の両面に白色顔料とバインダーを主体とした塗工層を設けたオフセット印刷用塗工紙の製造方法において、ステキヒトサイズ度が25〜100秒、内部結合強度が320〜720J/m2、密度が0.50〜0.69g/cm3の原紙上に、片面当たり10g/m2以上の塗工層を設けた後、カレンダー処理を行わないことを特徴とするオフセット印刷用塗工紙の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013025451A JP2014152427A (ja) | 2013-02-13 | 2013-02-13 | オフセット印刷用塗工紙及びその製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013025451A Pending JP2014152427A (ja) | 2013-02-13 | 2013-02-13 | オフセット印刷用塗工紙及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014152427A (ja) |
-
2013
- 2013-02-13 JP JP2013025451A patent/JP2014152427A/ja active Pending
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