JP2014152410A - 繊維質成形体および繊維質成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の防音性を有するとともに、発火後に早期に消炎し得る高い難燃性を有する繊維質成形体を提供する。
【解決手段】二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、前記難燃剤が溶融滴下調整剤であって、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含むものであるか、または、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、ニードルパンチ加工されてなるものであることを特徴とする繊維質成形体。
【選択図】なし
【解決手段】二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、前記難燃剤が溶融滴下調整剤であって、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含むものであるか、または、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、ニードルパンチ加工されてなるものであることを特徴とする繊維質成形体。
【選択図】なし
Description
本発明は、繊維質成形体および繊維質成形体の製造方法に関する。
従来より、建材としては、内装材や構造材として、壁材、天井材、床材、表皮材等が広く使用されており、これ等の建築材には、防音性が求められるとともに、火災発生後の延焼による火災の拡大防止等の観点から、通常、一定レベル以上の難燃性能が要求されている。
このため、従来より、内部に難燃剤を混入した難燃性建材により、火災発生後の延焼の抑制を図ることが検討されてきた(例えば、特許文献1(特開2006−37259号公報)参照)。
しかしながら、従来の難燃性建材は、着火後に表面をチャー(炭化断熱層)で覆うことによって内部への延焼を抑制する等、専ら火災発生後の延焼速度や発熱量を抑制し、火災の拡大を遅延させることを目的とするものであることから、夜間等の時間帯に火災が発生し、その発見が遅れた場合には、自然鎮火するまで延焼することになる。
また、火災発生時に生じる一酸化炭素ガス等の中毒性ガスを含む煙は、一般に0.3m/秒〜0.8m/秒程度の速度で廊下等を横方向に流動するほか、3.0m/秒〜5.0m/秒程度の速度で階段等を上方向に移動するとされており、人間が階段を上下する歩行速度が0.5m/秒程度とされていることから、被災者の移動に先んじて屋内に中毒性ガスを含む煙が拡散することになる。
上記難燃性建材は、延焼速度を低減するものであっても、火災発生時に生じる煙の移動速度を低減するものではないことから、被災者にとって、早期に屋外へ避難することが求められることに変わりはない。
上記難燃性建材は、延焼速度を低減するものであっても、火災発生時に生じる煙の移動速度を低減するものではないことから、被災者にとって、早期に屋外へ避難することが求められることに変わりはない。
このような状況下、本発明は、所望の防音性を有するとともに、発火後に早期に消炎し得る高い難燃性を有する繊維質成形体を提供するとともに、該繊維質成形体を簡便に製造する方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討を行った結果、二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、前記繊維の少なくとも一部が難燃剤内添繊維であり、前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、前記難燃剤が、溶融滴下調整剤である繊維質成形体および該繊維質成形体の製造方法により、上記目的を達成し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、
無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含み、
前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、
前記難燃剤が、溶融滴下調整剤である
ことを特徴とする繊維質成形体(以下、本発明の繊維質成形体1と称する)、
(2)二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、
主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、
前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、
前記難燃剤が、溶融滴下調整剤であって、
ニードルパンチ加工されてなるものである
ことを特徴とする繊維質成形体(以下、本発明の繊維質成形体2と称する)、
(3)主繊維が有機繊維であって、主繊維60〜85質量%と、難燃剤内添繊維15〜40質量%とを含む上記(2)に記載の繊維質成形体、
(4)主繊維が無機繊維であって、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む上記(2)に記載の繊維質成形体、
(5)前記難燃剤が、ハロゲン化有機リン酸エステルである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維質成形体、
(6)固形分換算で、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、熱硬化性樹脂4〜20質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、
前記繊維集合体を前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝す熱硬化工程と
を含むことを特徴とする上記(1)に記載の繊維質成形体の製造方法(以下、本発明の繊維質成形体の製造方法1と称する)、および
(7)固形分換算で、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、
前記繊維集合体をニードルパンチ加工するニードルパンチ工程とを含むことを特徴とする上記(2)に記載の繊維質成形体の製造方法(以下、本発明の繊維質成形体の製造方法2と称する)
を提供するものである。
(1)二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、
無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含み、
前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、
前記難燃剤が、溶融滴下調整剤である
ことを特徴とする繊維質成形体(以下、本発明の繊維質成形体1と称する)、
(2)二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、
主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、
前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、
前記難燃剤が、溶融滴下調整剤であって、
ニードルパンチ加工されてなるものである
ことを特徴とする繊維質成形体(以下、本発明の繊維質成形体2と称する)、
(3)主繊維が有機繊維であって、主繊維60〜85質量%と、難燃剤内添繊維15〜40質量%とを含む上記(2)に記載の繊維質成形体、
(4)主繊維が無機繊維であって、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む上記(2)に記載の繊維質成形体、
(5)前記難燃剤が、ハロゲン化有機リン酸エステルである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維質成形体、
(6)固形分換算で、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、熱硬化性樹脂4〜20質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、
前記繊維集合体を前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝す熱硬化工程と
を含むことを特徴とする上記(1)に記載の繊維質成形体の製造方法(以下、本発明の繊維質成形体の製造方法1と称する)、および
(7)固形分換算で、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、
前記繊維集合体をニードルパンチ加工するニードルパンチ工程とを含むことを特徴とする上記(2)に記載の繊維質成形体の製造方法(以下、本発明の繊維質成形体の製造方法2と称する)
を提供するものである。
本発明によれば、所望の防音性を有するとともに、発火後に早期に消炎し得る高い難燃性(消炎性)を有する繊維質成形体を提供することができるとともに、該繊維質成形体を簡便に製造する方法を提供することができる。
先ず、本発明の繊維質成形体について説明する。
本発明の繊維質成形体は、本発明の繊維質成形体1と、本発明の繊維質成形体2とからなる。
本発明の繊維質成形体1は、二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含み、前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、前記難燃剤が、溶融滴下調整剤であることを特徴とするものである。
また、本発明の繊維質成形体2は、二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、前記難燃剤が、溶融滴下調整剤であって、ニードルパンチ加工されてなるものであることを特徴とするものである。
以下、本発明の繊維質成形体について説明するが、特に断らない限り、以下の説明内容は、本発明の繊維質成形体1と本発明の繊維質成形体2の両者に共通する。
本発明の繊維質成形体は、本発明の繊維質成形体1と、本発明の繊維質成形体2とからなる。
本発明の繊維質成形体1は、二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含み、前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、前記難燃剤が、溶融滴下調整剤であることを特徴とするものである。
また、本発明の繊維質成形体2は、二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、前記難燃剤が、溶融滴下調整剤であって、ニードルパンチ加工されてなるものであることを特徴とするものである。
以下、本発明の繊維質成形体について説明するが、特に断らない限り、以下の説明内容は、本発明の繊維質成形体1と本発明の繊維質成形体2の両者に共通する。
本発明の繊維質成形体を構成する二種以上の繊維のうち、少なくとも一部は難燃剤内添繊維である。
本出願書類において、難燃剤内添繊維とは、繊維の内部に難燃剤を含有するものを意味し、難燃剤内添繊維には、繊維の内部にのみ難燃剤を含有するものや、繊維の内部および外表面に難燃剤を含有するものが含まれるが、繊維の外表面にのみ難燃剤を含有するものは除かれる。
難燃剤内添繊維としては、難燃剤内添繊維に含まれる難燃剤の50〜100質量%を繊維の内部に含むものが好ましく、繊維の内部にのみ難燃剤を含有するものがより好ましい。
本出願書類において、難燃剤内添繊維とは、繊維の内部に難燃剤を含有するものを意味し、難燃剤内添繊維には、繊維の内部にのみ難燃剤を含有するものや、繊維の内部および外表面に難燃剤を含有するものが含まれるが、繊維の外表面にのみ難燃剤を含有するものは除かれる。
難燃剤内添繊維としては、難燃剤内添繊維に含まれる難燃剤の50〜100質量%を繊維の内部に含むものが好ましく、繊維の内部にのみ難燃剤を含有するものがより好ましい。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維を構成する難燃剤は、溶融滴下調整剤であり、溶融滴下調整剤として、具体的には、有機リン酸、有機リン酸エステル、ハロゲン化有機リン酸エステルから選ばれる一種以上を挙げることができる。
なお、本出願書類において、溶融滴下調整剤とは、250℃以上の高温環境下において繊維質成形体が着火しても、溶融滴下することにより消炎させ得るものを意味するものとする。
難燃剤としては、燃焼時に燃焼源の表面をチャー(炭化断熱層)で覆うことにより内部への延焼を抑制し、発火後の延焼速度や発熱量を抑制するもの等が一般的であるが、上述したように、本発明において、難燃剤である溶融滴下調整剤は、発火時に溶融滴下して消炎するものであって、一般的な難燃剤とは相違するものであることから、消炎剤と称することもできる。
なお、本出願書類において、溶融滴下調整剤とは、250℃以上の高温環境下において繊維質成形体が着火しても、溶融滴下することにより消炎させ得るものを意味するものとする。
難燃剤としては、燃焼時に燃焼源の表面をチャー(炭化断熱層)で覆うことにより内部への延焼を抑制し、発火後の延焼速度や発熱量を抑制するもの等が一般的であるが、上述したように、本発明において、難燃剤である溶融滴下調整剤は、発火時に溶融滴下して消炎するものであって、一般的な難燃剤とは相違するものであることから、消炎剤と称することもできる。
有機リン酸エステルまたはハロゲン化有機リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス-(イソプロピルフェニル)ホスフェート、ジ−2−エチル ヘキシルハイドロゼン ホスファイト、ジラウリルハイドロゼン ホスファイト、ジアルキルハイドロゼンホスファイト、ジオレイルハイドロゼン ホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリアルキルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、レゾルシノールビス-ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビス-ジフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2クロロエチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート、ポリオキシアルキレンビス(ジクロロアルキル)ホスフェート等を挙げることができる。
本発明の自動車用防音カバーにおいて、ポリリン酸カルバメート等の、燃焼時に燃焼源の表面をチャー(炭化断熱層)で覆うことにより内部への延焼を抑制する難燃剤は溶融滴下調整剤に含まれない。
本発明の自動車用防音カバーにおいて、ポリリン酸カルバメート等の、燃焼時に燃焼源の表面をチャー(炭化断熱層)で覆うことにより内部への延焼を抑制する難燃剤は溶融滴下調整剤に含まれない。
本出願書類において、難燃剤内添繊維に含まれる難燃剤の質量割合((難燃剤内添繊維中の難燃剤の質量(g)/難燃剤内添繊維の質量(g))×100)は、特に制限されないが、通常、1〜10質量%であり、2〜8質量%であることが適当であり、3〜6質量%であることがより適当である。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維としては、(1)ポリエステル中に難燃剤が分散されてなる難燃性ポリエステルまたはポリエステル中に難燃剤に相当する構成単位または置換基(難燃剤に由来する構成単位または置換基)が導入されてなる難燃性ポリエステルの繊維状物(以下、難燃性ポリエステル繊維と称する)や、(2)上記難燃性ポリエステルと、上記難燃性ポリエステル繊維の融点よりも低い融点を有するポリエステル(以下、熱接着性ポリエステルと称する)とが複合されてなる難燃性複合繊維を挙げることができる。
上記(1)難燃性ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCHDT)またはポリエチレンナフタレート(PEN)等を主たる繰返し単位とするポリエステルに対し、難燃剤に相当する成分を混合してなる難燃性ポリエステルや、または難燃剤に相当する成分を共重合または置換等することにより化学結合してなる難燃性ポリエステルを、繊維状に成形することによって、難燃剤が分散されてなるものや、難燃剤に相当する構成単位または置換基が導入されてなるものを挙げることができる。
上記難燃性ポリエステル繊維において、難燃剤が有機リン酸エステルまたはハロゲン化有機リン酸エステルである場合、難燃性ポリステル中のリンの含有量は500〜10000ppm程度であることが好ましく、1000〜5000ppm程度であることがより好ましい。
難燃性ポリエステル繊維が、ポリエステル中に難燃剤が分散されてなるものである場合、所望量のポリエステルと難燃剤とを、混合、溶融して、口金から押し出して繊維状に成形した後、冷却固化する方法(溶融紡糸法)等により好適に作製することができる。
上記難燃性ポリエステル繊維としては、公知のものを挙げることもでき、例えば、特開昭51−82392号公報、特開昭55−7888号公報、特公昭55−41610号公報等に記載されたものを挙げることができる。
上記難燃性ポリエステル繊維としては、特に難燃剤として以下の一般式で示される有機リン酸化合物を分散してなるポリエステルの繊維状物や、以下の一般式で示される有機リン酸化合物を共重合または置換等することにより化学結合してなるポリエステルの繊維状物が好ましい。
上式で示される有機リン酸化合物において、R1 、R2 は同一または相異なる基であって、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下の炭化水素基を示し、R3 、R4 は同一または相異なる基であって、水素原子、炭素数7以下の炭化水素基または−(R5O)rHで示される基を示す。R5 は、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を示し、rは1〜10の整数、l、mは0または1〜4の整数、nは0または1、2を示す。
上記(2)難燃性ポリエステルと熱接着性ポリエステルとが複合されてなる難燃性複合繊維において、難燃性ポリエステルとしては、上述した難燃性ポリエステル繊維を構成するものと同様のものを挙げることができる。
また、上記(2)難燃性複合繊維において、熱接着性ポリエステルは、難燃性ポリエステルのバインダーとして機能するものであって、難燃性ポリエステルの融点よりも低い融点を有し、難燃性ポリエステルの融点よりも少なくとも20℃低い融点を有するものが好ましい。
また、上記(2)難燃性複合繊維において、熱接着性ポリエステルは、難燃性ポリエステルのバインダーとして機能するものであって、難燃性ポリエステルの融点よりも低い融点を有し、難燃性ポリエステルの融点よりも少なくとも20℃低い融点を有するものが好ましい。
上記融点の差が20℃未満であると、難燃性複合繊維の作製時に高温処理が必要になるために難燃性ポリエステルの配向性が低下し易くなり、熱接着性ポリエステルによる補強効果が低減して難燃剤内添繊維の耐久性が低下し易くなるとともに、母材である難燃性ポリエステルの物性低下を生じ易くなる。
上記熱接着性ポリエステルは、融点が110℃〜220℃であるものが好ましく、130℃〜200℃であるものがより好ましい。熱接着性ポリエステルの融点が上記範囲内にあることによって補強効果を発揮し易くなり、難燃性に優れた難燃剤内添繊維を容易に提供することができる。
なお、本出願書類において、難燃性ポリエステルの融点および熱接着性ポリエステルの融点とは、繊維化物を熱板上に十字状に配置し、室温から5℃/分で昇温したときに、配向により生じる縞模様が焼失する温度を意味するものとする。
上記熱接着性ポリエステルとしては、特に制限されないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジピン酸、セバチン酸、シクロヘキシレンジカルボン酸等から選ばれる一種以上の酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール等から選ばれる一種以上のグリコール成分とをエステル結合させてなるものが挙げられる。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維が、上記難燃性ポリエステルおよび熱接着性ポリエステルが複合されてなる難燃性複合繊維である場合、難燃性ポリエステルと熱接着性ポリエステルの複合割合は特に制限されないが、難燃性ポリステルの含有割合が20〜80質量%であるものが好ましく、30〜70質量%であるものがより好ましく、40〜60質量%であるものがさらに好ましい。
難燃性複合繊維を構成する難燃性ポリエステルの含有割合が上記範囲内にあることにより、難燃性複合繊維に対して所望の難燃性を容易に付与することができる。
難燃性複合繊維を構成する難燃性ポリエステルの含有割合が上記範囲内にあることにより、難燃性複合繊維に対して所望の難燃性を容易に付与することができる。
上記難燃性ポリエステルおよび熱接着性ポリエステルの複合形態としては、難燃性ポリエステルをコア成分とし熱接着性ポリエステルをシース成分とするシースコア型、難燃性ポリエステルおよび熱接着性ポリエステルが隣接配置された層状多層構造型やサイドバイサイド型等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体においては、難燃剤が外表面に露出していないものが好ましく、このために、難燃性複合繊維も繊維中に含まれる難燃剤が繊維の外表面に露出していないものであることが好ましい。
従って、上記難燃性複合繊維は、外表面積の50%以上が熱接着性ポリエステルで占められる構造を有するものが好ましく、このような構造を有するものとしては、偏心シースコア型、多層層状構造型、サイドバイサイド型等を挙げることができる。また、上記難燃性複合繊維は、外表面積の100%が熱接着性ポリエステルで占められる構造が好ましく、このような構造としては、シースコア型を挙げることができる。
難燃性複合繊維を構成する難燃剤が繊維の外表面に露出する割合が低いことにより、繊維質成形体に所望の難燃性を付与することができる。
また、難燃性とともに補強性を向上させる観点からは、上記難燃性複合繊維の構造として、中空シースコア型が好適であり、異形中空形シースコア型がより好適である。
従って、上記難燃性複合繊維は、外表面積の50%以上が熱接着性ポリエステルで占められる構造を有するものが好ましく、このような構造を有するものとしては、偏心シースコア型、多層層状構造型、サイドバイサイド型等を挙げることができる。また、上記難燃性複合繊維は、外表面積の100%が熱接着性ポリエステルで占められる構造が好ましく、このような構造としては、シースコア型を挙げることができる。
難燃性複合繊維を構成する難燃剤が繊維の外表面に露出する割合が低いことにより、繊維質成形体に所望の難燃性を付与することができる。
また、難燃性とともに補強性を向上させる観点からは、上記難燃性複合繊維の構造として、中空シースコア型が好適であり、異形中空形シースコア型がより好適である。
本発明の繊維質成形体は、難燃剤内添繊維を含む二種以上の繊維からなり、難燃剤内添繊維以外に後述する無機繊維等を含む。
難燃剤内添繊維以外の繊維としては、繊維質成形体の構成繊維として通常使用されているものであれば特に制限されないが、後述する本発明の繊維質成形体1および繊維質成形体2で例示するものを挙げることができる。
また、本発明の繊維質成形体を構成する二種以上の繊維の形態は、短繊維(ステープル)であることが適当である。
難燃剤内添繊維以外の繊維としては、繊維質成形体の構成繊維として通常使用されているものであれば特に制限されないが、後述する本発明の繊維質成形体1および繊維質成形体2で例示するものを挙げることができる。
また、本発明の繊維質成形体を構成する二種以上の繊維の形態は、短繊維(ステープル)であることが適当である。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合((難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量(g)/繊維質成形体の総質量(g))×100)は、0.01〜1.8質量%であり、0.1〜1.8質量%であることが好ましく、0.5〜1.6質量%であることがより好ましい。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が上記範囲内にあることにより、所望の難燃性(消炎性)を付与することができる。
本発明の繊維質成形体は、難燃剤内添繊維を所望量含むことにより、所望の難燃性(消炎性)を発揮することができる。
繊維質成形体が、難燃剤内添繊維ではなく、難燃剤そのものや、難燃剤が外表面にのみ存在する繊維を含むものである場合、難燃剤が繊維質成形体の外表面に偏在化し易くなり、UL(米国保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories))−94 V−0試験(燃焼性試験)に供したときに、総燃焼時間は短くなり易いものの、繊維質成形体の表面が黒鉛化し易くなって、延焼距離が長くなってしまう。
また、繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が少なすぎると、UL−94 V−0試験における総燃焼時間が長くなり、繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が多すぎると、UL−94 V−0試験における延焼距離が長くなる。
繊維質成形体が、難燃剤内添繊維ではなく、難燃剤そのものや、難燃剤が外表面にのみ存在する繊維を含むものである場合、難燃剤が繊維質成形体の外表面に偏在化し易くなり、UL(米国保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories))−94 V−0試験(燃焼性試験)に供したときに、総燃焼時間は短くなり易いものの、繊維質成形体の表面が黒鉛化し易くなって、延焼距離が長くなってしまう。
また、繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が少なすぎると、UL−94 V−0試験における総燃焼時間が長くなり、繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が多すぎると、UL−94 V−0試験における延焼距離が長くなる。
本発明の繊維質成形体は、UL−94 V−0試験における総燃焼時間が50秒以下であるものが好ましく、45秒以下であるものがより好ましく、40秒以下であるものがさらに好ましい。
なお、上記総燃焼時間とは、短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持し、試験片の最下部に接炎した後、離炎する操作を10回繰り返したときにおける有炎燃焼時間の合計を意味する。
なお、上記総燃焼時間とは、短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持し、試験片の最下部に接炎した後、離炎する操作を10回繰り返したときにおける有炎燃焼時間の合計を意味する。
本発明の繊維質成形体は、UL−94 V−0試験における延焼距離が117mm以下であるものであるものが好ましく、115mm以下であるものがより好ましく、110mm以下であるものがさらに好ましい。
なお、上記延焼距離とは、短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持した状態で試験片の最下部に接炎した後、離炎したときにおける、消炎するまでに延焼した試験片の長さを意味する。
なお、上記延焼距離とは、短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持した状態で試験片の最下部に接炎した後、離炎したときにおける、消炎するまでに延焼した試験片の長さを意味する。
本発明の繊維質成形体は、UL−94 V−0試験における赤熱時間が30秒以下であるものが好ましく、20秒以下であるものがより好ましく、10秒以下であるものがさらに好ましい。
なお、上記赤熱時間とは、 短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持した状態で試験片の最下部に接炎した後、離炎したときにおいて、試験片が赤色に変色していた時間を意味する。
なお、上記赤熱時間とは、 短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持した状態で試験片の最下部に接炎した後、離炎したときにおいて、試験片が赤色に変色していた時間を意味する。
本発明の繊維質成形体は、UL−94 V−0試験において、溶融滴下物が燃焼性を有さないものであることが好ましい。
なお、溶融滴下物が燃焼性を有さないとは、短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持した状態で試験片の最下部に接炎して着火し、離炎した後、消炎する際に滴下する溶融滴下物が、滴下物の下部に配置した脱脂綿を発火させないことを意味する。
なお、溶融滴下物が燃焼性を有さないとは、短冊状の試験片(縦127mmm、横12.7mm)の上部10mmをクランプで挟持した状態で試験片の最下部に接炎して着火し、離炎した後、消炎する際に滴下する溶融滴下物が、滴下物の下部に配置した脱脂綿を発火させないことを意味する。
本発明の繊維質成形体は、通気抵抗が、1.4×104〜2.5×104(Pa・秒/m2)であることが好ましく、1.5×104〜2.4×104(Pa・秒/m2)であることがより好ましく、1.6 ×104〜2.3×104(Pa・秒/m2)であることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体は、通気抵抗が上記範囲内にあるものであることにより、吸音材としての性能(吸音率)と着火時の滴下速度を容易に適正範囲に維持することができる。
本発明の繊維質成形体は、通気抵抗が上記範囲内にあるものであることにより、吸音材としての性能(吸音率)と着火時の滴下速度を容易に適正範囲に維持することができる。
なお、本出願書類において、通気抵抗は、JIS L1096:2000により測定した値を意味するものとする。
本発明の繊維質成形体は、ヤング率が、1.5×104〜8.0×104(Pa)であることが好ましく、1.6×104〜7.0×104(Pa)であることがより好ましく、1.6×104〜6.0×104(Pa)であることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体は、ヤング率が上記範囲内にあることにより、容易に所望強度を発揮することができ、また、所望のハンドリング性を確保することができる。
本発明の繊維質成形体は、ヤング率が上記範囲内にあることにより、容易に所望強度を発揮することができ、また、所望のハンドリング性を確保することができる。
なお、本出願書類において、ヤング率は、JIS K7127に準拠した方法により測定した値を意味するものとする。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の嵩密度は、0.05〜4.0g/cm3であってもよく、0.1〜4.0g/cm3であることがより好ましく、0.15〜0.4g/cm3であることがさらに好ましく、0.2〜0.4g/cm3であることが一層好ましい。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の嵩密度が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の割合で空隙を形成することができ、このために空気粘性抵抗に基づく吸音特性を効果的に発揮することができる。
なお、本出願書類において、繊維質成形体の嵩密度(g/cm3)は、室温下において、繊維質成形体の質量M(g)と体積V(cm3)を測定し、当該質量Mを体積Vで割る(M/Vを求める)ことにより算出した値を意味する。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の嵩密度が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の割合で空隙を形成することができ、このために空気粘性抵抗に基づく吸音特性を効果的に発揮することができる。
なお、本出願書類において、繊維質成形体の嵩密度(g/cm3)は、室温下において、繊維質成形体の質量M(g)と体積V(cm3)を測定し、当該質量Mを体積Vで割る(M/Vを求める)ことにより算出した値を意味する。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の厚みは、2.5〜20mmであることが好ましく、2.5〜10mmであることが好ましく、3〜10mmであることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の厚みが上記範囲内にあることにより、吸音特性を効果的に発揮することができる。
本発明の自動車用防音カバーにおいて、繊維質成形体の厚みは、例えばノギス等により測定することができる。
本発明の繊維質成形体において、繊維質成形体の厚みが上記範囲内にあることにより、吸音特性を効果的に発揮することができる。
本発明の自動車用防音カバーにおいて、繊維質成形体の厚みは、例えばノギス等により測定することができる。
本発明の繊維質成形体の具体例として、本発明の繊維質成形体1を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体1は、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含むものである。
本発明の繊維質成形体1は、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含むものである。
本発明の繊維質成形体1において、無機繊維としては、ロックウール、ガラス繊維、バサルト繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体1において、難燃剤内添繊維としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体1においても、難燃剤内添繊維に含まれる難燃剤の質量割合((難燃剤内添繊維中の難燃剤の質量(g)/難燃剤内添繊維の質量(g))×100)は、特に制限されないが、通常、1〜10質量%であり、2〜8質量%であることが適当であり、3〜6質量%であることがより適当である。
本発明の繊維質成形体1において、有機バインダーとしては、ポリエステル繊維、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂繊維等を挙げることができ、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の繊維質成形体1において、有機バインダーがポリエステル繊維である場合、ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンイソフタレート(PEI)繊維、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCHDT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体1において、有機バインダーが熱硬化性樹脂である場合、熱硬化性樹脂としては、熱硬化性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体1において、有機バインダーが熱可塑性樹脂である場合、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体1において、有機バインダーとしては、上記無機繊維の融点よりも低い融点を有するか、または上記無機繊維の融点および難燃剤内添繊維の融点の何れの融点よりも低い融点を有する繊維状物を挙げることができ、上記無機繊維の融点よりも融点が少なくとも20℃低いか、上記無機繊維の融点および難燃剤内添繊維の融点のうち何れか低い融点よりも融点が少なくとも20℃低い繊維状物が好ましく、上記無機繊維の融点よりも融点が少なくとも50℃低いか、上記無機繊維の融点および難燃剤内添繊維の融点のうち何れか低い融点よりも融点が少なくとも50℃低い繊維状物がより好ましい。
有機バインダーの融点が、上記無機繊維の融点よりも低いか、上記無機繊維の融点および難燃剤内添繊維の融点のいずれよりも低いことにより、容易に溶融して無機繊維と難燃剤内添繊維とを好適に融着することができる。
有機バインダーとしては、融点が80〜200℃程度のものから適宜選択して使用することができる。
有機バインダーの融点が、上記無機繊維の融点よりも低いか、上記無機繊維の融点および難燃剤内添繊維の融点のいずれよりも低いことにより、容易に溶融して無機繊維と難燃剤内添繊維とを好適に融着することができる。
有機バインダーとしては、融点が80〜200℃程度のものから適宜選択して使用することができる。
なお、本出願書類において、無機繊維の融点、難燃剤内添繊維の融点および有機バインダーの融点とは、繊維化物を熱板上に十字状に配置し、室温から5℃/分で昇温したときに、配向により生じる縞模様が焼失する温度を意味するものとする。
本発明の繊維質成形体1において、無機繊維の含有割合は60〜95質量%であり、60〜90質量%であることが好ましく、65〜90質量%であることがより好ましい。
本発明の繊維質成形体において、無機繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の防音性や難燃性(消炎性)等を付与することができ、特に本発明の繊維質成形体を建材として使用したときに、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、煤等の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の繊維質成形体において、無機繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の防音性や難燃性(消炎性)等を付与することができ、特に本発明の繊維質成形体を建材として使用したときに、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、煤等の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の繊維質成形体1において、難燃剤内添繊維の含有割合は1〜35質量%であり、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の難燃性(消炎性)等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の難燃性(消炎性)等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体1において、有機バインダーの含有割合は4〜20質量%であり、4〜15質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の難燃性等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の難燃性等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体1は、例えば、後述する本発明の繊維質成形体の製造方法1により好適に作製することができる。
本発明の繊維質成形体の具体例としては、本発明の繊維質成形体2を挙げることもできる。
本発明の繊維質成形体2は、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、ニードルパンチ加工されてなるものである。
本発明の繊維質成形体2は、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、ニードルパンチ加工されてなるものである。
本発明の繊維質成形体2において、主繊維としては、有機繊維または無機繊維から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、有機繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、有機繊維がポリエステル繊維である場合、ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンイソフタレート(PEI)繊維、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCHDT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、有機繊維がポリアミド繊維である場合、ポリアミド繊維としては、6−ナイロン繊維、6,6−ナイロン繊維、11−ナイロン繊維、12−ナイロン繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、有機繊維がポリエチレン繊維である場合、ポリエチレン繊維としては、低密度ポリエチレン繊維、高密度ポリエチレン繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、有機繊維がポリプロピレン繊維である場合、ポリプロピレン繊維としては、ポリプロピレン繊維や、ポリプロピレン繊維表面にポリエチレン樹脂をコートし接着性を改善した2層構造の繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、有機繊維がポリエチレン繊維である場合、ポリエチレン繊維としては、低密度ポリエチレン繊維、高密度ポリエチレン繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、有機繊維がポリプロピレン繊維である場合、ポリプロピレン繊維としては、ポリプロピレン繊維や、ポリプロピレン繊維表面にポリエチレン樹脂をコートし接着性を改善した2層構造の繊維等を挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、無機繊維としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、難燃剤内添繊維としても、上述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2においても、難燃剤内添繊維に含まれる難燃剤の質量割合((難燃剤内添繊維中の難燃剤の質量(g)/難燃剤内添繊維の質量(g))×100)は、特に制限されないが、通常、1〜10質量%であり、2〜8質量%であることが適当であり、3〜6質量%であることがより適当である。
本発明の繊維質成形体2は、上記主繊維と難燃剤内添繊維とをニードルパンチ加工してなるものであることから、本発明の繊維質成形体1とは異なり、有機バインダーを必須成分として含まないものであるが、必要に応じて若干量の有機バインダーを含んでもよい。この場合、有機バインダーの具体例としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2において、主繊維の含有割合は60〜99質量%である。
本発明の繊維質成形体において、主繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の防音性等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体において、主繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の防音性等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体2において、難燃剤内添繊維の含有割合は1〜40質量%である。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の難燃性(消炎性)等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体において、難燃剤内添繊維の含有割合が上記範囲内にあることにより、繊維質成形体に所望の難燃性(消炎性)等を付与することができる。
本発明の繊維質成形体2において、主繊維が有機繊維である場合、本発明の繊維質成形体は、主繊維を、60〜85質量%含むものであることが好ましく、60〜80質量%含むものであることがより好ましく、65〜80質量%含むものであることがさらに好ましい。
また、本発明の繊維質成形体2において、主繊維が有機繊維である場合、本発明の繊維質成形体は、難燃剤内添繊維を、15〜40質量%含むものであることが好ましく、20〜40質量%含むものであることがより好ましく、20〜35質量%含むものであることがさらに好ましい。
また、本発明の繊維質成形体2において、主繊維が有機繊維である場合、本発明の繊維質成形体は、難燃剤内添繊維を、15〜40質量%含むものであることが好ましく、20〜40質量%含むものであることがより好ましく、20〜35質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体2において、主繊維が無機繊維である場合、本発明の繊維質成形体は、主繊維を、60〜99質量%含むものであることが好ましく、65〜95質量%含むものであることがより好ましく、75〜90質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体2において、主繊維が無機繊維である場合、本発明の繊維質成形体は、難燃剤内添繊維を、1〜40質量%含むものであることが好ましく、5〜35質量%含むものであることがより好ましく、10〜25質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体2において、主繊維が無機繊維である場合、本発明の繊維質成形体は、難燃剤内添繊維を、1〜40質量%含むものであることが好ましく、5〜35質量%含むものであることがより好ましく、10〜25質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体2は、ニードルパンチ加工してなるものであり、ニードルパンチ加工時における加工性や、補強性を向上させるために、表面に各種不織布を当接した状態で加工してなるものであることが好ましい。
上記不織布としては、各種有機繊維または無機繊維からなるものを挙げることができる。上記不織布を構成する有機繊維または無機繊維としては、ポリエチレン繊維等、上記主繊維と同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2が、表面に不織布を当接した状態でニードルパンチ加工してなるものである場合、本発明の繊維質成形体2において、上記不織布に由来する繊維の含有割合は、上記主繊維の含有割合に含めるものとする。
上記不織布としては、各種有機繊維または無機繊維からなるものを挙げることができる。上記不織布を構成する有機繊維または無機繊維としては、ポリエチレン繊維等、上記主繊維と同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体2が、表面に不織布を当接した状態でニードルパンチ加工してなるものである場合、本発明の繊維質成形体2において、上記不織布に由来する繊維の含有割合は、上記主繊維の含有割合に含めるものとする。
本発明の繊維質成形体2は、後述する本発明の繊維質成形体の製造方法2により好適に作製することができる。
本発明の繊維質成形体2は、そのまま各種用途に使用してもよいし、さらに有機バインダーを含浸し、脱水成形してなる二次加工物として使用してもよい。
上記有機バインダーとしては、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂から選ばれる一種以上を挙げることができ、熱硬化性樹脂としては、熱硬化性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記本発明の繊維質成形体2に対し、有機バインダーを含浸させた二次加工物において、繊維質成形体2の含有割合は、95〜99.9質量%が好ましく、96〜99質量%がより好ましい。また、上記有機バインダーを含浸させた二次加工物において、有機バインダーの含有割合は、0.1〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。
上記有機バインダーとしては、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂から選ばれる一種以上を挙げることができ、熱硬化性樹脂としては、熱硬化性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記本発明の繊維質成形体2に対し、有機バインダーを含浸させた二次加工物において、繊維質成形体2の含有割合は、95〜99.9質量%が好ましく、96〜99質量%がより好ましい。また、上記有機バインダーを含浸させた二次加工物において、有機バインダーの含有割合は、0.1〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。
本発明の繊維質成形体の具体的形態としては、壁材、天井材、床材、断熱材、遮音材、表皮材等の建材や、防音カバー等の吸音材、電気絶縁材、振動絶縁材等を挙げることができ、特に建材として好適である。
また、本発明の繊維質成形体2に対してさらに有機バインダーを含浸して脱水成形してなる上記二次加工物についても、同様の用途に利用することができる。
また、本発明の繊維質成形体2に対してさらに有機バインダーを含浸して脱水成形してなる上記二次加工物についても、同様の用途に利用することができる。
例えば、本発明の繊維質成形体やその二次加工物が天井材や床材等の建材である場合、該建材が漏電等により発火した場合であっても、発火箇所近傍が短時間で溶融し、溶融時に消炎しつつ滴下する(溶け落ちる)ことから、以後の延焼を容易に抑制することができるととともに、着火、延焼により発生する煙の量を最小化することができる。
また、例えば、本発明の繊維質成形体が天井材や壁材であって、床等から発火した場合、天井材や壁材が熱せられて床上に溶融滴下することにより、火元(発火箇所)の火勢を低減し、火元自体をも消炎することもできる。
このため、本発明によれば、所望の防音性を有するとともに、発火後に早期に消炎し得る高い難燃性(消炎性)を有する繊維質成形体を提供することができる。
また、例えば、本発明の繊維質成形体が天井材や壁材であって、床等から発火した場合、天井材や壁材が熱せられて床上に溶融滴下することにより、火元(発火箇所)の火勢を低減し、火元自体をも消炎することもできる。
このため、本発明によれば、所望の防音性を有するとともに、発火後に早期に消炎し得る高い難燃性(消炎性)を有する繊維質成形体を提供することができる。
次に、本発明の繊維質成形体の製造方法1について説明する。
本発明の繊維質成形体の製造方法1は、固形分換算で、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、熱硬化性樹脂4〜20質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、前記繊維集合体を前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝す熱硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の繊維質成形体の製造方法1は、固形分換算で、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、熱硬化性樹脂4〜20質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、前記繊維集合体を前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝す熱硬化工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の繊維質成形体の製造方法1において、無機繊維および難燃剤内添繊維としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法1において、熱硬化性樹脂としては、上述した有機バインダーの例として挙げた熱硬化性樹脂と同様のものを挙げることができる。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法1において、熱硬化性樹脂としては、上述した有機バインダーの例として挙げた熱硬化性樹脂と同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法1においては、先ず、集綿工程において、無機繊維と、難燃剤内添繊維と、熱硬化性樹脂とを含む繊維集合体を得る。
本発明の繊維質成形体の製造方法1は、集綿工程において、固形分換算で、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、熱硬化性樹脂4〜20質量%とを含む繊維集合体を得るものであり、無機繊維60〜90質量%と、難燃剤内添繊維3〜30質量%と、熱硬化性樹脂4〜15質量%とを含む繊維集合体を得るものであることが好ましく、無機繊維65〜90質量%と、難燃剤内添繊維5〜25質量%と、熱硬化性樹脂5〜10質量%とを含む繊維集合体を得るものであることがより好ましい。
集綿工程においては、先ず、所望量の無機繊維と難燃剤内添繊維に対して所望量の熱硬化樹脂を付着させる。熱硬化性樹脂の付着は、熱硬化性樹脂を水等の液体媒体を用いて溶液状または分散液状とした上で、スプレー装置等により、無機繊維および難燃剤内添繊維に噴霧して付着させる方法を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂を付着された無機繊維および難燃剤内添繊維は、ファン等によって吸引力を付与しつつ通気性の集綿コンベア上に堆積して、マット状のウェブ(繊維集合体)とすることができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法1は、集綿工程で得られた繊維集合体を、上記熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝す熱硬化工程とを含む。
例えば、上記マット状に堆積されたウェブ(繊維集合体)を、所望により成形型等を用いて目的形状に近似する形状に成形した上で、加熱硬化装置に通し、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝して加熱硬化させることにより、目的とする繊維質成形体を得ることができる。
例えば、上記マット状に堆積されたウェブ(繊維集合体)を、所望により成形型等を用いて目的形状に近似する形状に成形した上で、加熱硬化装置に通し、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝して加熱硬化させることにより、目的とする繊維質成形体を得ることができる。
上記熱硬化工程における加熱温度は、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度である必要があるが、上記無機繊維等の溶融を抑制するために、上記無機繊維の融点または難燃剤内添繊維の融点未満の温度であることが好ましい。
本発明の繊維質成形体の製造方法1において、得られる繊維質成形体の詳細は、本発明の繊維質成形体1で述べたとおりである。
次に、本発明の繊維質成形体の製造方法2について説明する。
本発明の繊維質成形体の製造方法2は、固形分換算で、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、前記繊維集合体をニードルパンチ加工するニードルパンチ工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の繊維質成形体の製造方法2は、固形分換算で、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、前記繊維集合体をニードルパンチ加工するニードルパンチ工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の繊維質成形体の製造方法2において、主繊維としては、有機繊維または無機繊維を挙げることができ、有機繊維または無機繊維としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、難燃剤内添繊維としても、上述したものと同様のものを挙げることができる。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、難燃剤内添繊維としても、上述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法2においては、先ず、集綿工程において、主繊維と難燃剤内添繊維とを含む繊維集合体を得る。
本発明の繊維質成形体の製造方法2は、集綿工程において、固形分換算で、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%と含む繊維集合体を得るものである。
本発明の繊維質成形体の製造方法2において、主繊維が有機繊維である場合、集綿工程において、固形分換算で、主繊維を、60〜85質量%含む繊維集合体を得ることが好ましく、60〜80質量%含む繊維集合体を得ることがより好ましく、65〜80質量%含む繊維集合体を得ることがさらに好ましい。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、主繊維が有機繊維である場合、集綿工程において、固形分換算で、難燃剤内添繊維を、15〜40質量%含む繊維集合体を得ることが好ましく、20〜40質量%含む繊維集合体を得ることがより好ましく、20〜35質量%含む繊維集合体を得ることがさらに好ましい。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、主繊維が有機繊維である場合、集綿工程において、固形分換算で、難燃剤内添繊維を、15〜40質量%含む繊維集合体を得ることが好ましく、20〜40質量%含む繊維集合体を得ることがより好ましく、20〜35質量%含む繊維集合体を得ることがさらに好ましい。
本発明の繊維質成形体の製造方法2において、主繊維が無機繊維である場合、
集綿工程において、固形分換算で、主繊維を、60〜99質量%含む繊維集合体を得ることが好ましく、65〜95質量%含む繊維集合体を得ることがより好ましく、75〜90質量%含む繊維集合体を得ることがさらに好ましい。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、主繊維が無機繊維である場合、集綿工程において、固形分換算で、難燃剤内添繊維を、1〜40質量%含む繊維集合体を得ることが好ましく、5〜35質量%含む繊維集合体を得ることがより好ましく、10〜25質量%含む繊維集合体を得ることがさらに好ましい。
集綿工程において、固形分換算で、主繊維を、60〜99質量%含む繊維集合体を得ることが好ましく、65〜95質量%含む繊維集合体を得ることがより好ましく、75〜90質量%含む繊維集合体を得ることがさらに好ましい。
また、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、主繊維が無機繊維である場合、集綿工程において、固形分換算で、難燃剤内添繊維を、1〜40質量%含む繊維集合体を得ることが好ましく、5〜35質量%含む繊維集合体を得ることがより好ましく、10〜25質量%含む繊維集合体を得ることがさらに好ましい。
集綿工程においては、先ず、所望量の主繊維と難燃剤内添繊維に対して所望量の水等の液体媒体を、スプレー装置等により噴霧して付着させる。
上記液体媒体を付着された無機繊維および難燃剤内添繊維は、ファン等によって吸引力を付与しつつ通気性の集綿コンベア上に堆積して、マット状のウェブ(繊維集合体)とすることができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法2は、集綿工程で得られた繊維集合体をニードルパンチ加工するニードルパンチ工程を含む。
例えば、上記マット状に堆積されたウェブ(繊維集合体)を、所望により成形型等を用いて目的形状に近似する形状に成形した上で、ニードルパンチ機に通し、ニードルパンチ加工することにより、目的とする繊維質成形体を得ることができる。
例えば、上記マット状に堆積されたウェブ(繊維集合体)を、所望により成形型等を用いて目的形状に近似する形状に成形した上で、ニードルパンチ機に通し、ニードルパンチ加工することにより、目的とする繊維質成形体を得ることができる。
具体的には、上記繊維集合体を、厚み調整ローラを介して厚みを調整しながら、ニードルパンチ機に導入し、バーブ(突起)を有する多数のニードル(針)を高速で上下に往復動させ、上記繊維集合体を構成する繊維同士を絡み合わせる(交絡させる)ことにより、目的とする繊維質成形体を得ることができる。
ニードルパンチ加工時における加工条件は、得ようとする繊維質成形体の物性に応じて適宜設定することができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法2においては、ニードルパンチ加工時における加工性を向上させ、得られる繊維質成形体に補強性を付与するために、上記繊維集合体の表面に各種不織布を当接した状態で加工することが好ましい。
上記不織布としては、各種有機繊維または無機繊維からなるものを挙げることができる。不織布を構成する有機繊維または無機繊維としては、ポリエチレン繊維等、上記主繊維と同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法2において、表面に不織布を当接した状態でニードルパンチ加工する場合、上記繊維集合体中の主繊維の含有割合には、上記不織布を構成する繊維量を含めるものとする。このため、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、表面に不織布を当接した状態でニードルパンチ加工する場合、予め上記不織布を構成する繊維量を繊維集合体を構成する主繊維の割合に含め、各原料の使用量を調整した上でニードルパンチ加工することにより、所望組成を有する繊維質成形体を作製することができる。
上記不織布としては、各種有機繊維または無機繊維からなるものを挙げることができる。不織布を構成する有機繊維または無機繊維としては、ポリエチレン繊維等、上記主繊維と同様のものを挙げることができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法2において、表面に不織布を当接した状態でニードルパンチ加工する場合、上記繊維集合体中の主繊維の含有割合には、上記不織布を構成する繊維量を含めるものとする。このため、本発明の繊維質成形体の製造方法2において、表面に不織布を当接した状態でニードルパンチ加工する場合、予め上記不織布を構成する繊維量を繊維集合体を構成する主繊維の割合に含め、各原料の使用量を調整した上でニードルパンチ加工することにより、所望組成を有する繊維質成形体を作製することができる。
本発明の繊維質成形体の製造方法2において、得られる繊維質成形体の詳細は、本発明の繊維質成形体2で述べたとおりである。
また、上述した繊維質成形体2の二次加工物を得ようとする場合には、本発明の繊維質成形体の製造方法2で得られた繊維質成形体に対し、さらに所望量の有機バインダーを含浸した後、脱水成形することにより、目的とする二次加工物を容易に作製することができる。
本発明によれば、所望の防音性を有するとともに、発火後に早期に消炎し得る
高い難燃性(消炎性)を発揮し得る繊維質成形体を簡便に製造する方法を提供することができる。
高い難燃性(消炎性)を発揮し得る繊維質成形体を簡便に製造する方法を提供することができる。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(参考例1〜参考例6、比較例1〜比較例2)
1.混合工程
有機繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(融点230℃)または6−ナイロン繊維(融点225℃)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されなる難燃性ポリエステル繊維を用い、さらに低融点繊維として、ポリエステル繊維(融点150℃)または熱硬化性フェノール樹脂(硬化温度 180℃)を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表1に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表1に示す配合割合の下でミキサー(乾式)を用いて混合して、各繊維集合体を得た。
なお、表1において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
1.混合工程
有機繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(融点230℃)または6−ナイロン繊維(融点225℃)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されなる難燃性ポリエステル繊維を用い、さらに低融点繊維として、ポリエステル繊維(融点150℃)または熱硬化性フェノール樹脂(硬化温度 180℃)を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表1に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表1に示す配合割合の下でミキサー(乾式)を用いて混合して、各繊維集合体を得た。
なお、表1において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
2.融着工程
得られた各繊維集合体を、低融点繊維の融点以上の温度である170℃で加熱して溶融させることにより、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた各繊維集合体を、低融点繊維の融点以上の温度である170℃で加熱して溶融させることにより、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた各繊維質成形体の嵩密度、通気抵抗、ヤング率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(難燃性評価)
得られた各繊維質成形体から、縦127mm、横12.7mm、厚さ3.2mmに切り出した短冊状の試験片を用いてUL−94 V−0試験を行い、総燃焼時間(秒)、延焼距離(mm)、赤熱時間(秒)、溶融滴下物燃焼性(脱脂綿の発火の有無)を測定した。結果を表1に示す。
また、不燃性の合否判定基準を、上記UL−94 V−0試験における総燃焼時間が50秒以下、延焼距離が117mm以下、赤熱時間が30秒以下、溶融滴下物燃焼性で脱脂綿を発火させないこととした場合において、上記判定基準を全て満たすものを、総合判定「合格」とし、上記判定基準の何れかを満たさないものを総合判定「不合格」とした。結果を表1に示す(表1中、「>50」は「50秒超」を意味し、「>117」は「117mm超」を意味する)。
得られた各繊維質成形体から、縦127mm、横12.7mm、厚さ3.2mmに切り出した短冊状の試験片を用いてUL−94 V−0試験を行い、総燃焼時間(秒)、延焼距離(mm)、赤熱時間(秒)、溶融滴下物燃焼性(脱脂綿の発火の有無)を測定した。結果を表1に示す。
また、不燃性の合否判定基準を、上記UL−94 V−0試験における総燃焼時間が50秒以下、延焼距離が117mm以下、赤熱時間が30秒以下、溶融滴下物燃焼性で脱脂綿を発火させないこととした場合において、上記判定基準を全て満たすものを、総合判定「合格」とし、上記判定基準の何れかを満たさないものを総合判定「不合格」とした。結果を表1に示す(表1中、「>50」は「50秒超」を意味し、「>117」は「117mm超」を意味する)。
(実施例1〜実施例5、比較例3)繊維質成形体1の製造例および比較製造例
1.集綿工程
無機繊維として、ロックウール(ニチアス(株)製)またはガラス繊維(日東電工(株)製)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されなる難燃性ポリエステル繊維を用い、さらに有機バインダーとして、熱硬化性フェノール樹脂(硬化温度 180℃)を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表2に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表2に示す配合割合の下でカードを用いて集綿して、各繊維集合体を得た。
なお、表2において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
1.集綿工程
無機繊維として、ロックウール(ニチアス(株)製)またはガラス繊維(日東電工(株)製)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されなる難燃性ポリエステル繊維を用い、さらに有機バインダーとして、熱硬化性フェノール樹脂(硬化温度 180℃)を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表2に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表2に示す配合割合の下でカードを用いて集綿して、各繊維集合体を得た。
なお、表2において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
2.熱硬化工程
得られた各繊維集合体を、熱硬化性フェノール樹脂の硬化温度以上の温度である200℃で加熱して熱硬化させることにより、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた各繊維集合体を、熱硬化性フェノール樹脂の硬化温度以上の温度である200℃で加熱して熱硬化させることにより、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた各繊維質成形体の嵩密度、通気抵抗、ヤング率をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。
(難燃性評価)
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表2に示す(表2中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表2に示す(表2中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
(実施例6〜実施例8、比較例4〜比較例5)繊維質成形体2の製造例および比較製造例
1.集綿工程
有機繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(融点230℃)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されなる難燃性ポリエステル繊維を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表3に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表3に示す配合割合の下でカードを用いて集綿して、各繊維集合体を得た。
なお、表3において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
1.集綿工程
有機繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(融点230℃)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されなる難燃性ポリエステル繊維を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表3に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表3に示す配合割合の下でカードを用いて集綿して、各繊維集合体を得た。
なお、表3において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
2.ニードルパンチ工程
得られた各繊維集合体を、厚み調整ローラを介して厚みを調整しながら、ニードルパンチ装置に導入し、バーブ(突起)を有する多数のニードル(針)を高速で上下に往復動させ、上記繊維集合体を構成する繊維同士を絡み合わせる(交絡させる)ことにより、目的とするフェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた各繊維集合体を、厚み調整ローラを介して厚みを調整しながら、ニードルパンチ装置に導入し、バーブ(突起)を有する多数のニードル(針)を高速で上下に往復動させ、上記繊維集合体を構成する繊維同士を絡み合わせる(交絡させる)ことにより、目的とするフェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた繊維質成形体の嵩密度、通気抵抗、ヤング率をそれぞれ測定した。結果を表3に示す。
(難燃性評価)
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表3に示す(表3中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表3に示す(表3中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
(実施例9〜実施例13、比較例6)繊維質成形体2の製造例および比較製造例
1.集綿工程
無機繊維として、ロックウール(ニチアス(株)製)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表4に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表3に示す配合割合の下でカードを用いて集綿して、各繊維集合体を得た。
なお、表4において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
1.集綿工程
無機繊維として、ロックウール(ニチアス(株)製)を用いるとともに、難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用いて、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が表4に示す割合になるように、各繊維をそれぞれ表3に示す配合割合の下でカードを用いて集綿して、各繊維集合体を得た。
なお、表4において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
2.ニードルパンチ工程
得られた各繊維集合体を、厚み調整ローラを介して厚みを調整しながら、ニードルパンチ装置に導入し、バーブ(突起)を有する多数のニードル(針)を高速で上下に往復動させ、上記繊維集合体を構成する繊維同士を絡み合わせる(交絡させる)ことにより、目的とするフェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた各繊維集合体を、厚み調整ローラを介して厚みを調整しながら、ニードルパンチ装置に導入し、バーブ(突起)を有する多数のニードル(針)を高速で上下に往復動させ、上記繊維集合体を構成する繊維同士を絡み合わせる(交絡させる)ことにより、目的とするフェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
得られた繊維質成形体の嵩密度、通気抵抗、ヤング率をそれぞれ測定した。結果を表4に示す。
(難燃性評価)
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表4に示す(表4中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表4に示す(表4中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
(参考例7〜参考例8)
参考例3において、混合工程で使用する難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維に代えて、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが2質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用いる(参考例7)か、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが8質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用い(参考例8)、参考例3と同様にしてそれぞれ表5に示す組成を有する各繊維集合体を得た後、融着工程を施して、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
なお、表5において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
参考例3において、混合工程で使用する難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維に代えて、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが2質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用いる(参考例7)か、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが8質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用い(参考例8)、参考例3と同様にしてそれぞれ表5に示す組成を有する各繊維集合体を得た後、融着工程を施して、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
なお、表5において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
得られた各繊維質成形体の嵩密度、通気抵抗、ヤング率をそれぞれ測定した。結果を表5に示す。
(難燃性評価)
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表5に示す。
得られた各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表5に示す。
(比較例7〜比較例8)
参考例3において、混合工程で使用する難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維に代えて、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートをポリエステル繊維外表面に4質量%被覆してなるものを用いる(比較例7)か、難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートそのものを用い(比較例8)、実施例3と同様にして各成分を混合して、それぞれ表6に示す組成を有する各繊維集合体を得た後、融着工程を施して、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
なお、表6において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)や、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
参考例3において、混合工程で使用する難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維に代えて、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートをポリエステル繊維外表面に4質量%被覆してなるものを用いる(比較例7)か、難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートそのものを用い(比較例8)、実施例3と同様にして各成分を混合して、それぞれ表6に示す組成を有する各繊維集合体を得た後、融着工程を施して、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
なお、表6において、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)や、得られる各繊維質成形体の総質量に対する難燃剤の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
得られた繊維質成形体の嵩密度、通気抵抗、ヤング率をそれぞれ測定した。結果を表6に示す。
(難燃性評価)
各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表6に示す(表6中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
各繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表6に示す(表6中、「>117」は「117mm超」を意味する)。
(参考例9)
参考例3において、混合工程で使用する難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維に代えて、ポリエステル中に難燃剤であるクロロプロピル-ホスフェートが5質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用い、参考例3と同様にして表7に示す組成を有する繊維集合体を得た後、融着工程を施して、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
なお、表7において、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
参考例3において、混合工程で使用する難燃剤内添繊維として、ポリエステル中に難燃剤であるトリス(β-クロロプロピル)ホスフェートが4質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維に代えて、ポリエステル中に難燃剤であるクロロプロピル-ホスフェートが5質量%分散されてなる難燃性ポリエステル繊維を用い、参考例3と同様にして表7に示す組成を有する繊維集合体を得た後、融着工程を施して、フェルト状の多孔質形状を有する繊維質成形体を得た。
なお、表7において、得られる繊維質成形体の総質量に対する難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合(質量%)は、単に「難燃剤の含有割合」と表記している。
得られた繊維質成形体の嵩密度、通気抵抗、ヤング率をそれぞれ測定した。結果を表7に示す。
(難燃性評価)
得られた繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表7に示す。
得られた繊維質成形体を用いて、上述した方法と同様の方法により難燃性評価を行った。結果を表7に示す。
(防音性評価)
参考例3、実施例8および比較例2で得られた各繊維質成形体において、ISO 10534−2による垂直入射吸音法(伝達関数法)により、各周波数(Hz)に対する垂直入射吸音率を測定することにより、防音性を評価した。結果を表8に示す。
参考例3、実施例8および比較例2で得られた各繊維質成形体において、ISO 10534−2による垂直入射吸音法(伝達関数法)により、各周波数(Hz)に対する垂直入射吸音率を測定することにより、防音性を評価した。結果を表8に示す。
表1〜表8より、実施例1〜実施例13で得られた繊維質成形体は、所望の防音性を有しつつ、発火後に早期に消炎し得る高い難燃性を発揮し得るものであり、このために、建材等として好適に使用し得るものであることが分かる。
また、これ等の例においては、繊維質成形体を簡便に製造し得ることが分かる。
また、これ等の例においては、繊維質成形体を簡便に製造し得ることが分かる。
本発明によれば、所望の防音性を有しつつ、発火後に早期に消炎し得る高い難燃性を有する繊維質成形体を提供するとともに、該繊維質成形体を簡便に製造する方法を提供することができる。
Claims (7)
- 二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、
無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、有機バインダー4〜20質量%とを含み、
前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、
前記難燃剤が、溶融滴下調整剤である
ことを特徴とする繊維質成形体。 - 二種以上の繊維を含む繊維質成形体であって、
主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含み、
前記繊維質成形体の総質量に対する前記難燃剤内添繊維を構成する難燃剤の全質量の割合が、0.01〜1.8質量%であり、
前記難燃剤が、溶融滴下調整剤であって、
ニードルパンチ加工されてなるものである
ことを特徴とする繊維質成形体。 - 主繊維が有機繊維であって、主繊維60〜85質量%と、難燃剤内添繊維15〜40質量%とを含む請求項2に記載の繊維質成形体。
- 主繊維が無機繊維であって、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む請求項2に記載の繊維質成形体。
- 前記難燃剤が、ハロゲン化有機リン酸エステルである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の繊維質成形体。
- 固形分換算で、無機繊維60〜95質量%と、難燃剤内添繊維1〜35質量%と、熱硬化性樹脂4〜20質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、
前記繊維集合体を前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に曝す熱硬化工程と
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の繊維質成形体の製造方法。 - 固形分換算で、主繊維60〜99質量%と、難燃剤内添繊維1〜40質量%とを含む繊維集合体を得る集綿工程と、
前記繊維集合体をニードルパンチ加工するニードルパンチ工程とを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の繊維質成形体の製造方法。
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