JP2014150914A - エアクッション入りゴム製靴底 - Google Patents

エアクッション入りゴム製靴底 Download PDF

Info

Publication number
JP2014150914A
JP2014150914A JP2013021935A JP2013021935A JP2014150914A JP 2014150914 A JP2014150914 A JP 2014150914A JP 2013021935 A JP2013021935 A JP 2013021935A JP 2013021935 A JP2013021935 A JP 2013021935A JP 2014150914 A JP2014150914 A JP 2014150914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
shoe sole
soft plastic
shock absorber
lid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013021935A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5408757B1 (ja
Inventor
Yukiaki Nishimura
幸晃 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MODE DAISAN KK
Original Assignee
MODE DAISAN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MODE DAISAN KK filed Critical MODE DAISAN KK
Priority to JP2013021935A priority Critical patent/JP5408757B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5408757B1 publication Critical patent/JP5408757B1/ja
Publication of JP2014150914A publication Critical patent/JP2014150914A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】靴の履用者が、靴を介して地面から受ける衝撃を緩和し、足裏、足首並びに膝に掛かる負担を少なくすることで、長時間の履用でも疲労感が少なく、かつ耐久性の高い、中空構造の軟質プラスチック製の部材に気体が封入された緩衝装置を内部に配設したゴム製の靴底の構造およびその製造方法を提供する。
【解決手段】緩衝装置を収めるための凹部を有するゴム製本底及びゴム製フタを加硫成形により製造し、得られたゴム製本底の凹部の中に、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置を配設し、その上部に、上記ゴム製フタを、該緩衝装置の凹部とゴム製フタの凸部が嵌合するように配設するようにして、靴底を製造する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、靴の履用者が靴を介して地面から受ける衝撃を緩和し、足裏、足首並びに膝に掛かる負担を少なくすることで、長時間の履用でも疲労感が少なく、かつ耐久性の高い、中空構造の軟質プラスチック製の部材に気体が封入された緩衝装置を内部に配設したゴム製の靴底の構造およびその製造方法である。
従来、婦人靴の分野においては、パンプスやスリングバック、ブーツなどの、靴のかかとの靴底の表底にヒールを有する靴が、広く用いられている。上記ヒールを有する靴は、安定した歩行を可能とするために、靴底、特にヒールの形状を保持する必要があるため、従来、ヒールを有する靴底の製作には、硬く変形の少ない素材が用いられてきた。
しかしながら、上記素材が有する硬く変形が少ないという性質のために、ヒールを有する靴の履用者の足には、アスファルト路面などの固い地面やタイルなどの硬い床材からの衝撃が、靴底、特にヒールを介して直接伝わることとなる。そのため、硬く変形が少ない性質を有する素材を用いた靴は、履き心地が優れず、長時間履くと、履用者の足には疲労感が強く生じる。そして、上記衝撃が足に長期間継続的に加わることで、足裏、足首並びに膝に大きな力学的負担がかかるため、足裏痛、膝痛や変形性膝関節症などの治療困難な症状が生じ易くなるなど、対策を講じる必要性があった。
上記問題に対する改善策として、本願出願人は、靴底内部に軟質プラスチック製のエアクッションを埋め込んだポリウレタン樹脂製の靴底とすることを提案している(例えば、特許文献1参照。)。このようなエアクッションを内蔵したポリウレタンからなる靴底では、ポリウレタンにより靴の軽量化が図られ、かつ、エアクッションにより衝撃吸収性が付与されたものとなっている。しかしながら、ポリウレタンの靴底では、一般的に地面に接する部分の堅牢性、対磨耗性、靴底の屈曲による耐久性が不足しやすいほか、紫外線等で成分が変質しやすかったりブリードアウトすることで靴底が割れたりすることがあった。
他方、靴底の素材としてゴムを用い、地面に接する部分の堅牢性、対磨耗性、靴底の屈曲による耐久性、耐薬品性等を付与する手段が用いられた靴底もある。
しかしながら、ゴムを用いた靴底を製造する場合には、150〜180℃などの高温かつ2.5〜1000kg/cmなどの高圧下で一定時間加熱成形を施す工程が必要となる。すると、上記各特許文献で知られたポリウレタンゴムに換えて、ゴムを素材として適用し、エアクッションを用いた靴底を製造しようとしても、同様の製造方法で製造することができない。なぜなら、ゴムの成形では、ポリウレタンよりも高温、高圧下で一定時間加熱成形を施す工程が必要となることからであり、同工程においてエアクッションに封入された気体そのものが膨張してしまうばかりか、気体を封入している素材の軟質プラスチック樹脂が変形又は溶融するなどしてエアクッションの封入容器が破壊されてしまうからである。このように所定のエアクッション構造を保持したゴム製靴底を製造することができない。とりわけ、エアクッションの封入容器に用いられる軟質プラスチック樹脂の融点は90〜130℃程度であるため、ポリウレタン製の靴底と同様の手順では製造中に形状が維持できず機能が喪失されてしまうのである。
特開2010−148790号公報
本発明が解決しようとする課題は、靴の履用者の足に伝わる固い地面や硬い床材からの衝撃が靴底を介して直接伝わることを妨げ、足裏、足首並びに膝への力学的負担を軽減するとともに、履き心地が優れ、長時間履いても足に疲労感を生じさせないようにするために、中空構造の軟質プラスチック製の部材に気体が封入された緩衝装置がヒール内部に配設されている衝撃緩和性に優れた靴底であって、堅牢性と耐久性に優れるゴム製の素材特性と衝撃緩和性とを両立させたことを特徴とする靴底の構造及びその製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の手段では、本底1がゴム製であり、本底のヒール上面に緩衝装置を収めるための凹部1aが設けられ、当該凹部には、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2が配設され、さらにヒール上面に、ゴム製フタ3を、凹部1a及び当該緩衝装置2の上部に嵌合するようにして配設したものからなることを特徴とする、靴底である。
請求項2の手段では、前記緩衝装置2における軟質プラスチック製の中空構造の部材が、表面に凹部2aを有するものであり、前記ゴム製フタ3が、フタ下面に、前記緩衝装置の中空構造の部材表面の凹部2aに嵌合するように配設された凸部3aを有することを特徴とする、請求項1に記載の靴底である。
請求項3の手段では、前記緩衝装置2が、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる踵部エアクッション2であり、前記ゴム製フタ3下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合しうるように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するように配設されているものであることを特徴とする、請求項2に記載の靴底の靴底である。
請求項4の手段では、前記ゴム製フタ3が、前記本底のヒール上面凹部上に接着されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の靴底である。
請求項5の手段では、前記本底の下層部のゴム1が、セラミック粉などの硬度の高い粉体を混ぜたものから加硫成形されてなることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の靴底である。
請求項6の手段では、前記本底1が、硬度が50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムからなる上層部及び硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムからなる下層部からなり、前記加硫成形されたゴム製フタ3の硬度が上層部の硬度を上回らないことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の靴底である。
請求項7の手段では、靴底の本底下層部用の型枠内の内部に下層部用ゴム素材を注入し、高圧下で予備加熱して半加硫状態のゴムからなる本底下層部を得て、また、ヒール上面に緩衝装置を収めるための凹部1aを設けた本底上層部用の型枠内の内部に上層部用ゴム素材を注入し、高圧下で予備加熱して半加硫状態のゴムからなる本底上層部を得た後、それら半加硫ゴムからなる本底下層部及び本底上層部とを組み合わせ高圧下で本加熱成形を施し、本底下層部と本底上層部とを一体化させた本底1を得る工程、並びに、ゴム製フタ用の型枠内の内部に上層部用ゴム素材を注入し、高圧下で加熱成形を施しゴム製フタ3を得る工程と、前記で得られた本底のヒール上面凹部1aに、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に、気体が封入された緩衝装置2を配し、その上面に、前記ゴム製フタ3を配することからなる、靴底の製造方法である。
請求項8の手段では、前記緩衝装置2における軟質プラスチック製の中空構造の部材が表面に凹部2aを有し、前記加硫成形されたゴム製フタ3が、フタ下面に、前記緩衝装置の中空構造の部材の凹部2aに嵌合するように配設された凸部3aを有することを特徴とする、請求項7記載の靴底の製造方法である。
請求項9の手段では、前記緩衝装置2が、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる踵部エアクッション2であり、前記加硫成形されたゴム製フタ3下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部2aに嵌合しうるように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するように配設されているものであることを特徴とする、請求項8記載の靴底の製造方法である。
請求項10の手段では、前記加硫成形されたゴム製フタが、前記本底のヒール上面凹部上に接着されていることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の靴底の製造方法である。
請求項11の手段では、前記本底の下層部の加硫成形されたゴムが、セラミック粉などの硬度の高い粉体を混ぜたものからなることを特徴とする、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の靴底の製造方法である。
請求項12の手段では、前記本底1が、硬度が50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムからなる上層部及び硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムからなる下層部からなり、前記加硫成形されたゴム製フタ3の硬度が上層部の硬度を上回らないことを特徴とする、請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の靴底の製造方法である。
従来、ゴム製の靴底の本底のヒール内部に軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体が封入された緩衝装置を配設した、ゴム製靴底は、高温、高圧下で一定時間加熱成形を施す工程が必要となるポリウレタン製の靴底と同様の製法では、軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体が封入された緩衝装置が破壊されてしまい、製造できないものであった。しかし、本願の請求項7から請求項12のいずれか1項に記載された手段の製造方法を採用し、上記緩衝装置を配設する前に、高い温度でゴムを加圧する加硫成形工程を予め行うことで、当該緩衝装置が靴底製造工程で破壊されなくなり、本願の請求項1から請求項6のいずれか1項に記載された手段の、ゴム製の靴底の本底1のヒール上面の凹部1aに軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体が封入された緩衝装置2を配設し、その上部にゴム製フタ3を配設した構造のゴム製の靴底を製造することが可能となった。
そして、本発明の請求項1に記載された手段の靴底にて、ゴムを本底に用いること、並びに、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置を、本底ヒール上面に設けた凹部内に配設し、その上部をゴム製フタで覆うものとすることによって、履用者の足に伝わる固い地面や硬い床材からの衝撃が靴底を介して直接伝わることを妨げ、足裏、足首並びに膝への力学的負担を軽減するとともに、履き心地が優れ、長時間履いても足に疲労感が生じにくくする効果と、靴底に、堅牢性、対磨耗性、屈曲や耐久性を持たせる効果とを両立させることが可能となる。
また、請求項2及び請求項3の手段によると、上記緩衝装置と上部のフタは、緩衝装置に備えられる凹部と上部のフタに備えられる凸部とを嵌合させるため、上部のフタが前後左右にずれることがない。そのため、製造時にフタを物理的に緩衝装置及び本底に固定せずとも、履用時において所定の靴底の構造を維持することが可能となる。加えて、上記のようにフタが固定されていないため、フタをはずし、気体の封入量が異なるなど緩衝能力の程度が異なる、別の緩衝装置に交換することができる。請求項4の手段のようにフタを接着して本底に固定し、構造をより安定化させることもできる。
さらに、請求項5の手段により、本底下層部に、さらに高い防滑性を付与することが可能となる。そして、請求項6の手段により、本底下層部に硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムを用いることで、堅牢性、対磨耗性を高め、本底上層部にそれよりも硬度が低い50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムを用いることで内包するエアクッションの衝撃緩和性に追従可能な柔軟さを提供することができるので衝撃緩和性を十分に発揮させることができるし、ゴム製フタに、上層部の硬度を上回らない加硫成形されたゴムを用いることで、衝撃緩和性を阻害せず違和感のない履用感が得られる。そこで、これらによってゴムによる適度な堅牢性とエアクッションによる衝撃緩和性とを両立せる従来になかった靴底を提供することが可能となる。
本発明の靴底の右側の靴底の製造工程を説明したものである。ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部1aの中へ、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2が配設され、さらにその上部にゴム製フタ3が配設されることを示す。 本発明の靴底の右側の靴底の製造工程を説明したものである。ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部の中に配設された軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2の上部に、ゴム製フタ3が、凸部3aが緩衝装置の凹部2aに嵌合するようにして配設されることを示す。 本発明の靴底の右側の靴底を説明する斜視図である。 本発明の靴底に用いる、ゴム製フタ3を説明する図である。(a)は凸部3aの構造を説明するため、凸部3aが上面に見えるようにした斜視図であり、(b)は、緩衝装置2上へ配設するよう、凸部3aが下面に位置するようにした場合の斜視図。 本発明の靴底に用いる、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2を示す。 本発明の靴底に用いる、ゴム製フタ3、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2、並びに、該ゴム製フタ3と該緩衝装置2を嵌合させた状態を説明するための断面図。(a)は該ゴム製フタ3を、図4(b)に示したB−B間で切断した場合の断面図。(b)は該緩衝装置2を、図5に示したA−A間で切断した場合の断面図。(c)は、該ゴム製フタ3と該緩衝装置2を嵌合させ、図4(b)に示したB−B間及び図5に示したA−A間で切断した場合の断面図。 本発明の靴底の右側の靴底に用いる、ゴム製の本底を説明する図である。(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。 本発明の靴底の右側の靴底を説明する図である。(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
本発明を実施するための形態について、適宜図面1〜8を参照しつつ以下に説明する。
(ゴムの素材について)
本発明の靴底における本底及びゴム製フタは、ゴム素材を用いて製作される。上記ゴム素材は、好ましくは、天然ゴムもしくは合成ゴムにブラックカーボン、加硫剤、加硫促進剤、ホワイトカーボン等を加味して混練することで得ることができる。上記合成ゴムとしては、好ましくは、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム又はNBRなどを単体あるいは適宜混合させて用いることができる。
さらに、水たまりや滑りやすい路面、氷結路面、水で濡れたタイルなどの、滑りやすい路面や床の上を歩行する際に、好適な高い摩擦抵抗を発揮させることで靴底の滑りを防止するため、ゴムを混練する際に、ゴム素材に予めセラミック粉末あるいはクルミを粉末破砕して粉状にしたクルミ粉末などの、硬度の高い粉体を混ぜたものを用いることとしてもよい。上記硬度の高い粉体としては、好ましくは、粒度の細かいセラミック粉末あるいはクルミを粉末破砕して粉状にしたクルミ粉末を用いる。なお、粉末のサイズは、50メッシュ以下の細かさであることが望ましい。また、セラミックは、一般的に硬度が硬い粉状のものであればよく、ケイ酸塩以外にも、安定な酸化物や窒化物、炭化物、その他の無機物ないし無機化合物であれば好適に適用可能であり、内部にポーラス状の空隙を有するものであってもよい。
上記ゴム素材は、加硫成形後の硬度が、好ましくは、本底下層部においては70〜85度、本底上層部においては50度を上回り65度以下、ゴム製フタにおいては本底上層部の硬度を上回らない値となるように調製される。加硫、混練する際に、投入するホワイトカーボンの量等を調整するとよい。また、ブタジエンゴムを加味するなどすることで、より硬度の低いゴムとすることができる。なお、硬度の確認は、一般的なデュロメータ硬度計を用いてJIS K6253に基づいて測定評価することができる。適宜デュロメータ硬度を確認することにより、所定のゴムの硬さへと調整することができる。
(本底及びフタの形状について)
本発明の靴底のゴム製の本底の形状は、ヒールを有した形状であって、当該ヒール内部に、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置及びゴム製フタを配設したものとするため、本底のヒールの部位の上面に、該緩衝装置及びゴム製フタを配設するための凹部を設けた形状とする。本底は、複数の成形前の本底上層部及び本底下層部の部位を組み合わせ、加硫成形して一体化させた形状のものとしてもよい。また、着地時の接地面を増やし着地安定性を高めるため、本底の後方に傾斜を設けた形状のものとすることができる。さらに、歩行性を高めるため、本底の接地面に溝を設けた形状のものとすることができる。
本発明の靴底のゴム製の本底は、軽量化を図るため、本底を薄肉化させたものとすることができる。薄肉化の一形態として、本底を上面端から円柱状又は格子状に嵌入させた形状のものにしてもよい。このような形状の薄肉化により、本底の歪みや撓みを最小限に抑えつつ、軽量化を図ることができる。
本発明の靴底のゴム製フタの形状は、下面に、該緩衝装置の表面に設定される凹部に嵌合しうるように凸部を設けた形状とする。上記凸部を設けることで、ゴム製フタのずれを抑止する。さらに、ゴム製本底は、軽量化を図るため、本底を薄肉化させたものとすることができる。薄肉化の一形態として、本底を上面端から円柱状又は格子状に嵌入させた形状のものにしてもよい。このような形状の薄肉化により、本底の歪みや撓みを最小限に抑えつつ、軽量化を図ることができる。
(緩衝装置の素材及び形状について)
本発明の靴底のゴム製の本底ヒール上面に設けられた凹部の中に配設される緩衝装置は、軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体を封入したものからなり、金型を用いたブロー成型などの手段を用いることによって製作される。また、該緩衝装置の表面には、上面に配設されるゴム製フタのずれを抑止するために、凹部を形成させた形状とする。
本発明のゴム製の靴底の本底ヒール上面に設けられた凹部の中に配設される緩衝装置2は、好ましくは、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる形状を有するものとする。
上記形状を有する緩衝装置2を用いる場合、上面に配設する加硫成形されたゴム製フタ3は、フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合しうるように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するように配設されているものが用いられる。
(製造工程について)
本発明の靴底の本底及びゴム製フタは、上記ゴム素材を混練して均一にした後、金型に流し混んで加圧プレス成形した各部材を組み合わせ、加硫成形することで得る。たとえばゴム素材を160℃前後の流動状態にしておき、これを金型に流し込みその後120〜1800kg/cm2で加圧プレスしながら5〜10分弱の間これを保持し、その後、金型から外すことで、所定形状の靴底の本底及びゴム製フタを得ることができる。上記加硫工程については、当該工程を2段に分け、最適加硫まで行わないで途中で加硫操作を止めた状態、すなわち、半加硫の状態で部材を金型から取り出し、各部材を組み合わせた後に、後加硫を行うものとしてもよい。こうすることでたとえば硬さの異なる上層部と下層部とをそれぞれ半加硫状態で用意して、これらを後加硫で十分に密着させた一体的な状態とすることができるので、十分な強度の靴底部材を得ることができる。
金型は、予め成型後に靴底の本底上層部、本底下層部、本底及びゴム製フタの形状となるように内部の凹凸部を形成したものとし、さらに、内部に予め離型剤を塗布するなどしておくことで、投入されたゴムが金型から適切に剥離できるようにする。また、金型に投入する際、加圧時の圧力を高める調整をすることでゴム素材が金型内の細部にまで十分に行き渡るようにすることができる。金型から外した靴底は適宜洗浄することで余計な残存する薬剤成分を洗い流しておく。
上記工程により製作された本底のヒール上面に設けられた凹部の中に、上記軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置を配設し、さらにその上面に、上記ゴム製フタを、凹部及び当該緩衝装置の上部に嵌合するようにして配設することで、本発明の靴底を完成させる。上記ゴム製フタは、接着剤などを用い接着したものとしてもよい。
本発明の靴底のゴム製の本底1と、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2と、ゴム製フタ3を、上記素材を用い、上記製造工程を経て製造した。
ゴム製の本底1は、本底の歪みや撓みを最小限に抑えつつ、軽量化を図ることができるよう、本底を格子状に嵌入させて薄肉化させた形状のものとし、さらに、本底のヒール上面には、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2及びゴム製フタ3を本底上層部5のヒール上面に配設するための凹部1aを設けるようにして製造した(図7参照)。
軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2は、軟質プラスチックを用い、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる形状のものとなるように製造した(図5参照)。
ゴム製フタ3は、フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合するように凸部3aを有する形状のものとなるように製造した(図4参照)。
次に、上記ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部1aの中に、上記軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2を配設し、さらにその上面に、上記ゴム製フタ3を、凹部及び当該緩衝装置の上部に嵌合するようにして配設して組み上げることで、本発明の靴底を完成させた(図1、図2及び図8参照)。
上記形状を有する緩衝装置2とゴム製フタ3は、図6に断面が示されるよう示すように、フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合するように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するようにして配設した。このように、緩衝装置2の凹部2aとゴム製フタ3の凸部3aとを嵌合するように配設することにより、ゴム製フタ3が緩衝装置2上に係止され、ゴム製フタ3をゴム製の本底1並びに緩衝装置2と接着させて一体化させなくとも、ゴム製フタのずれを抑止することができるようになった。
実施例1と同様の製造方法を用いて、ゴム製の本底1と、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2と、ゴム製フタ3とを製造した。そして、上記ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部1aの中に、上記軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2を配設し、さらにその上面に、上記ゴム製フタ3を、凹部及び当該緩衝装置の上部に嵌合するようにして接着剤を用いて接着させ、本発明の靴底を完成させた。
(屈曲試験)
本発明の実施により得られた、上層下層の2層からなるゴム製の靴底について、靴底を3万回繰り返し屈曲させる疲労特性の確認試験を実施した。屈曲試験はASTM D1052法に基づく(ロス式)3万回の屈曲試験を実施した。この試験において、靴底を屈曲させることは、歩行時の姿勢変化に伴う靴の屈曲動作を想定したものである。屈曲試験回数は、およそ3万回で、ほぼ1シーズンにわたって靴を履用した場合の歩数に相当するものである。本発明の靴底には、ひび割れ、2層の境界面での剥離等の外形的なひび割れ等の異常は認められなかった。またエアクッション及びフタが外れたり、ずれたりすることもなかった。
(衝撃吸収性と歩行のしやすさの確認)
その他、履用者に平地および階段、砂利道を順次歩行させて、違和感の有無等を確認した。本発明のエアクッション入りの2層の靴底を用いた婦人靴では、平地、階段、砂利道等での歩行に支障はなく、違和感は認められなかった。また、上層部とエアクッションの衝撃緩和性は優れており、これらの構造を欠いた通常のゴム製靴底の靴に比べても、長時間履用した場合の疲労度が低減し、履き心地の快適度が向上した。
さらに、歩行試験中に、ハイヒールで典型的にみられるような、踵から頭部へと硬い衝撃が直接伝わる現象はみとめられなかった。これらの歩行試験後、靴底を観察しても屈曲により上層部と下層部が剥離したり、フタ部分が外れたりズレたりすることもなかった。
また、1〜2cm大の小石を1つ踏みつけた場合の姿勢の乱れについて確認した。本発明の靴底を用いた靴では、砂利道での歩行においても、姿勢のブレは生じにくく、歩行に格段の支障はなかった。
1 ゴム製の本底
1a 軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置とゴム製フタとを配設するための凹部
1b 軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2が配設される領域(点線で囲った領域)
2 軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置
2a 緩衝装置の凹部
2b 軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ
2c 左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ
2d 横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ
3 ゴム製フタ
3a ゴム製フタの凸部
4 本発明の靴底
5 本底の上層部
6 本底の下層部
この発明は、靴の履用者が靴を介して地面から受ける衝撃を緩和し、足裏、足首並びに膝に掛かる負担を少なくすることで、長時間の履用でも疲労感が少なく、かつ耐久性の高い、中空構造の軟質プラスチック製の部材に気体が封入された緩衝装置を内部に配設したゴム製の靴底の構造およびその製造方法である。
従来、婦人靴の分野においては、パンプスやスリングバック、ブーツなどの、靴のかかとの靴底の表底にヒールを有する靴が、広く用いられている。上記ヒールを有する靴は、安定した歩行を可能とするために、靴底、特にヒールの形状を保持する必要があるため、従来、ヒールを有する靴底の製作には、硬く変形の少ない素材が用いられてきた。
しかしながら、上記素材が有する硬く変形が少ないという性質のために、ヒールを有する靴の履用者の足には、アスファルト路面などの固い地面やタイルなどの硬い床材からの衝撃が、靴底、特にヒールを介して直接伝わることとなる。そのため、硬く変形が少ない性質を有する素材を用いた靴は、履き心地が優れず、長時間履くと、履用者の足には疲労感が強く生じる。そして、上記衝撃が足に長期間継続的に加わることで、足裏、足首並びに膝に大きな力学的負担がかかるため、足裏痛、膝痛や変形性膝関節症などの治療困難な症状が生じ易くなるなど、対策を講じる必要性があった。
上記問題に対する改善策として、本願出願人は、靴底内部に軟質プラスチック製のエアクッションを埋め込んだポリウレタン樹脂製の靴底とすることを提案している(例えば、特許文献1参照。)。このようなエアクッションを内蔵したポリウレタンからなる靴底では、ポリウレタンにより靴の軽量化が図られ、かつ、エアクッションにより衝撃吸収性が付与されたものとなっている。しかしながら、ポリウレタンの靴底では、一般的に地面に接する部分の堅牢性、対磨耗性、靴底の屈曲による耐久性が不足しやすいほか、紫外線等で成分が変質しやすかったりブリードアウトすることで靴底が割れたりすることがあった。
他方、靴底の素材としてゴムを用い、地面に接する部分の堅牢性、対磨耗性、靴底の屈曲による耐久性、耐薬品性等を付与する手段が用いられた靴底もある。
しかしながら、ゴムを用いた靴底を製造する場合には、150〜180℃などの高温かつ2.5〜1000kg/cmなどの高圧下で一定時間加熱成形を施す工程が必要となる。すると、上記各特許文献で知られたポリウレタンゴムに換えて、ゴムを素材として適用し、エアクッションを用いた靴底を製造しようとしても、同様の製造方法で製造することができない。なぜなら、ゴムの成形では、ポリウレタンよりも高温、高圧下で一定時間加熱成形を施す工程が必要となることからであり、同工程においてエアクッションに封入された気体そのものが膨張してしまうばかりか、気体を封入している素材の軟質プラスチック樹脂が変形又は溶融するなどしてエアクッションの封入容器が破壊されてしまうからである。このように所定のエアクッション構造を保持したゴム製靴底を製造することができない。とりわけ、エアクッションの封入容器に用いられる軟質プラスチック樹脂の融点は90〜130℃程度であるため、ポリウレタン製の靴底と同様の手順では製造中に形状が維持できず機能が喪失されてしまうのである。
特開2010−148790号公報
本発明が解決しようとする課題は、靴の履用者の足に伝わる固い地面や硬い床材からの衝撃が靴底を介して直接伝わることを妨げ、足裏、足首並びに膝への力学的負担を軽減するとともに、履き心地が優れ、長時間履いても足に疲労感を生じさせないようにするために、中空構造の軟質プラスチック製の部材に気体が封入された緩衝装置がヒール内部に配設されている衝撃緩和性に優れた靴底であって、堅牢性と耐久性に優れるゴム製の素材特性と衝撃緩和性とを両立させたことを特徴とする靴底の構造及びその製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の手段では、本底1がゴム製であり、本底のヒール上面に緩衝装置を収めるための凹部1aが設けられ、当該凹部には、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2が配設され、さらにヒール上面に、ゴム製フタ3を、凹部1a及び当該緩衝装置2の上部に嵌合するようにして配設したものからなる靴底であって、前記緩衝装置2における軟質プラスチック製の中空構造の部材が、表面に凹部2aを有するものであり、前記ゴム製フタ3が、フタ下面に、前記緩衝装置の中空構造の部材表面の凹部2aに嵌合するように配設された凸部3aを有することを特徴とする、該靴底である。
請求項の手段では、前記緩衝装置2が、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる踵部エアクッション2であり、前記ゴム製フタ3下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合しうるように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するように配設されているものであることを特徴とする、請求項に記載の靴底の靴底である。
請求項の手段では、前記ゴム製フタ3が、前記本底のヒール上面凹部上に接着されていることを特徴とする、請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の靴底である。
請求項の手段では、前記本底の下層部のゴム1が、セラミック粉などの硬度の高い粉体を混ぜたものから加硫成形されてなることを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の靴底である。
請求項の手段では、前記本底1が、硬度が50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムからなる上層部及び硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムからなる下層部からなり、前記加硫成形されたゴム製フタ3の硬度が上層部の硬度を上回らないことを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の靴底である。
請求項の手段では、靴底の本底下層部用の型枠内の内部に下層部用ゴム素材を注入し、高圧下で予備加熱して半加硫状態のゴムからなる本底下層部を得て、また、ヒール上面に緩衝装置を収めるための凹部1aを設けた本底上層部用の型枠内の内部に上層部用ゴム素材を注入し、高圧下で予備加熱して半加硫状態のゴムからなる本底上層部を得た後、それら半加硫ゴムからなる本底下層部及び本底上層部とを組み合わせ高圧下で本加熱成形を施し、本底下層部と本底上層部とを一体化させた本底1を得る工程、並びに、ゴム製フタ用の型枠内の内部に上層部用ゴム素材を注入し、高圧下で加熱成形を施しゴム製フタ3を得る工程と、前記で得られた本底のヒール上面凹部1aに、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に、気体が封入された緩衝装置2を配し、その上面に、前記ゴム製フタ3を配することからなる、靴底の製造方法であって、前記緩衝装置2における軟質プラスチック製の中空構造の部材が表面に凹部2aを有し、前記加硫成形されたゴム製フタ3が、フタ下面に、前記緩衝装置の中空構造の部材の凹部2aに嵌合するように配設された凸部3aを有することを特徴とする、該靴底の製造方法である。
請求項の手段では、前記緩衝装置2が、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる踵部エアクッション2であり、前記加硫成形されたゴム製フタ3下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部2aに嵌合しうるように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するように配設されているものであることを特徴とする、請求項記載の靴底の製造方法である。
請求項の手段では、前記加硫成形されたゴム製フタが、前記本底のヒール上面凹部上に接着されていることを特徴とする、請求項6及び請求項7のいずれか1項に記載の靴底の製造方法である。
請求項の手段では、前記本底の下層部の加硫成形されたゴムが、セラミック粉などの硬度の高い粉体を混ぜたものからなることを特徴とする、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の靴底の製造方法である。
請求項10の手段では、前記本底1が、硬度が50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムからなる上層部及び硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムからなる下層部からなり、前記加硫成形されたゴム製フタ3の硬度が上層部の硬度を上回らないことを特徴とする、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の靴底の製造方法である。
請求項11の手段では、靴底が、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の靴底であることを特徴とする靴である。
従来、ゴム製の靴底の本底のヒール内部に軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体が封入された緩衝装置を配設した、ゴム製靴底は、高温、高圧下で一定時間加熱成形を施す工程が必要となるポリウレタン製の靴底と同様の製法では、軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体が封入された緩衝装置が破壊されてしまい、製造できないものであった。しかし、本願の請求項6から請求項10のいずれか1項に記載された手段の製造方法を採用し、上記緩衝装置を配設する前に、高い温度でゴムを加圧する加硫成形工程を予め行うことで、当該緩衝装置が靴底製造工程で破壊されなくなり、本願の請求項1から請求項のいずれか1項に記載された手段の、ゴム製の靴底の本底1のヒール上面の凹部1aに軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体が封入された緩衝装置2を配設し、その上部にゴム製フタ3を配設した構造のゴム製の靴底を製造することが可能となった。
そして、本発明の請求項1に記載された手段の靴底にて、ゴムを本底に用いること、並びに、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置を、本底ヒール上面に設けた凹部内に配設し、その上部をゴム製フタで覆うものとすることによって、履用者の足に伝わる固い地面や硬い床材からの衝撃が靴底を介して直接伝わることを妨げ、足裏、足首並びに膝への力学的負担を軽減するとともに、履き心地が優れ、長時間履いても足に疲労感が生じにくくする効果と、靴底に、堅牢性、対磨耗性、屈曲や耐久性を持たせる効果とを両立させることが可能となる。
また、請求項及び請求項の手段によると、上記緩衝装置と上部のフタは、緩衝装置に備えられる凹部と上部のフタに備えられる凸部とを嵌合させるため、上部のフタが前後左右にずれることがない。そのため、製造時にフタを物理的に緩衝装置及び本底に固定せずとも、履用時において所定の靴底の構造を維持することが可能となる。加えて、上記のようにフタが固定されていないため、フタをはずし、気体の封入量が異なるなど緩衝能力の程度が異なる、別の緩衝装置に交換することができる。請求項の手段のようにフタを接着して本底に固定し、構造をより安定化させることもできる。
さらに、請求項の手段により、本底下層部に、さらに高い防滑性を付与することが可能となる。そして、請求項の手段により、本底下層部に硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムを用いることで、堅牢性、対磨耗性を高め、本底上層部にそれよりも硬度が低い50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムを用いることで内包するエアクッションの衝撃緩和性に追従可能な柔軟さを提供することができるので衝撃緩和性を十分に発揮させることができるし、ゴム製フタに、上層部の硬度を上回らない加硫成形されたゴムを用いることで、衝撃緩和性を阻害せず違和感のない履用感が得られる。そこで、これらによってゴムによる適度な堅牢性とエアクッションによる衝撃緩和性とを両立せる従来になかった靴底を提供することが可能となる。
本発明の靴底の右側の靴底の製造工程を説明したものである。ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部1aの中へ、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2が配設され、さらにその上部にゴム製フタ3が配設されることを示す。 本発明の靴底の右側の靴底の製造工程を説明したものである。ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部の中に配設された軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2の上部に、ゴム製フタ3が、凸部3aが緩衝装置の凹部2aに嵌合するようにして配設されることを示す。 本発明の靴底の右側の靴底を説明する斜視図である。 本発明の靴底に用いる、ゴム製フタ3を説明する図である。(a)は凸部3aの構造を説明するため、凸部3aが上面に見えるようにした斜視図であり、(b)は、緩衝装置2上へ配設するよう、凸部3aが下面に位置するようにした場合の斜視図。 本発明の靴底に用いる、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2を示す。 本発明の靴底に用いる、ゴム製フタ3、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2、並びに、該ゴム製フタ3と該緩衝装置2を嵌合させた状態を説明するための断面図。(a)は該ゴム製フタ3を、図4(b)に示したB−B間で切断した場合の断面図。(b)は該緩衝装置2を、図5に示したA−A間で切断した場合の断面図。(c)は、該ゴム製フタ3と該緩衝装置2を嵌合させ、図4(b)に示したB−B間及び図5に示したA−A間で切断した場合の断面図。 本発明の靴底の右側の靴底に用いる、ゴム製の本底を説明する図である。(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。 本発明の靴底の右側の靴底を説明する図である。(a)は上面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。
本発明を実施するための形態について、適宜図面1〜8を参照しつつ以下に説明する。
(ゴムの素材について)
本発明の靴底における本底及びゴム製フタは、ゴム素材を用いて製作される。上記ゴム素材は、好ましくは、天然ゴムもしくは合成ゴムにブラックカーボン、加硫剤、加硫促進剤、ホワイトカーボン等を加味して混練することで得ることができる。上記合成ゴムとしては、好ましくは、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム又はNBRなどを単体あるいは適宜混合させて用いることができる。
さらに、水たまりや滑りやすい路面、氷結路面、水で濡れたタイルなどの、滑りやすい路面や床の上を歩行する際に、好適な高い摩擦抵抗を発揮させることで靴底の滑りを防止するため、ゴムを混練する際に、ゴム素材に予めセラミック粉末あるいはクルミを粉末破砕して粉状にしたクルミ粉末などの、硬度の高い粉体を混ぜたものを用いることとしてもよい。上記硬度の高い粉体としては、好ましくは、粒度の細かいセラミック粉末あるいはクルミを粉末破砕して粉状にしたクルミ粉末を用いる。なお、粉末のサイズは、50メッシュ以下の細かさであることが望ましい。また、セラミックは、一般的に硬度が硬い粉状のものであればよく、ケイ酸塩以外にも、安定な酸化物や窒化物、炭化物、その他の無機物ないし無機化合物であれば好適に適用可能であり、内部にポーラス状の空隙を有するものであってもよい。
上記ゴム素材は、加硫成形後の硬度が、好ましくは、本底下層部においては70〜85度、本底上層部においては50度を上回り65度以下、ゴム製フタにおいては本底上層部の硬度を上回らない値となるように調製される。加硫、混練する際に、投入するホワイトカーボンの量等を調整するとよい。また、ブタジエンゴムを加味するなどすることで、より硬度の低いゴムとすることができる。なお、硬度の確認は、一般的なデュロメータ硬度計を用いてJIS K6253に基づいて測定評価することができる。適宜デュロメータ硬度を確認することにより、所定のゴムの硬さへと調整することができる。
(本底及びフタの形状について)
本発明の靴底のゴム製の本底の形状は、ヒールを有した形状であって、当該ヒール内部に、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置及びゴム製フタを配設したものとするため、本底のヒールの部位の上面に、該緩衝装置及びゴム製フタを配設するための凹部を設けた形状とする。本底は、複数の成形前の本底上層部及び本底下層部の部位を組み合わせ、加硫成形して一体化させた形状のものとしてもよい。また、着地時の接地面を増やし着地安定性を高めるため、本底の後方に傾斜を設けた形状のものとすることができる。さらに、歩行性を高めるため、本底の接地面に溝を設けた形状のものとすることができる。
本発明の靴底のゴム製の本底は、軽量化を図るため、本底を薄肉化させたものとすることができる。薄肉化の一形態として、本底を上面端から円柱状又は格子状に嵌入させた形状のものにしてもよい。このような形状の薄肉化により、本底の歪みや撓みを最小限に抑えつつ、軽量化を図ることができる。
本発明の靴底のゴム製フタの形状は、下面に、該緩衝装置の表面に設定される凹部に嵌合しうるように凸部を設けた形状とする。上記凸部を設けることで、ゴム製フタのずれを抑止する。さらに、ゴム製本底は、軽量化を図るため、本底を薄肉化させたものとすることができる。薄肉化の一形態として、本底を上面端から円柱状又は格子状に嵌入させた形状のものにしてもよい。このような形状の薄肉化により、本底の歪みや撓みを最小限に抑えつつ、軽量化を図ることができる。
(緩衝装置の素材及び形状について)
本発明の靴底のゴム製の本底ヒール上面に設けられた凹部の中に配設される緩衝装置は、軟質プラスチック製の中空構造の部材に気体を封入したものからなり、金型を用いたブロー成型などの手段を用いることによって製作される。また、該緩衝装置の表面には、上面に配設されるゴム製フタのずれを抑止するために、凹部を形成させた形状とする。
本発明のゴム製の靴底の本底ヒール上面に設けられた凹部の中に配設される緩衝装置2は、好ましくは、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる形状を有するものとする。
上記形状を有する緩衝装置2を用いる場合、上面に配設する加硫成形されたゴム製フタ3は、フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合しうるように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するように配設されているものが用いられる。
(製造工程について)
本発明の靴底の本底及びゴム製フタは、上記ゴム素材を混練して均一にした後、金型に流し混んで加圧プレス成形した各部材を組み合わせ、加硫成形することで得る。たとえばゴム素材を160℃前後の流動状態にしておき、これを金型に流し込みその後120〜1800kg/cm2で加圧プレスしながら5〜10分弱の間これを保持し、その後、金型から外すことで、所定形状の靴底の本底及びゴム製フタを得ることができる。上記加硫工程については、当該工程を2段に分け、最適加硫まで行わないで途中で加硫操作を止めた状態、すなわち、半加硫の状態で部材を金型から取り出し、各部材を組み合わせた後に、後加硫を行うものとしてもよい。こうすることでたとえば硬さの異なる上層部と下層部とをそれぞれ半加硫状態で用意して、これらを後加硫で十分に密着させた一体的な状態とすることができるので、十分な強度の靴底部材を得ることができる。
金型は、予め成型後に靴底の本底上層部、本底下層部、本底及びゴム製フタの形状となるように内部の凹凸部を形成したものとし、さらに、内部に予め離型剤を塗布するなどしておくことで、投入されたゴムが金型から適切に剥離できるようにする。また、金型に投入する際、加圧時の圧力を高める調整をすることでゴム素材が金型内の細部にまで十分に行き渡るようにすることができる。金型から外した靴底は適宜洗浄することで余計な残存する薬剤成分を洗い流しておく。
上記工程により製作された本底のヒール上面に設けられた凹部の中に、上記軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置を配設し、さらにその上面に、上記ゴム製フタを、凹部及び当該緩衝装置の上部に嵌合するようにして配設することで、本発明の靴底を完成させる。上記ゴム製フタは、接着剤などを用い接着したものとしてもよい。
本発明の靴底のゴム製の本底1と、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2と、ゴム製フタ3を、上記素材を用い、上記製造工程を経て製造した。
ゴム製の本底1は、本底の歪みや撓みを最小限に抑えつつ、軽量化を図ることができるよう、本底を格子状に嵌入させて薄肉化させた形状のものとし、さらに、本底のヒール上面には、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2及びゴム製フタ3を本底上層部5のヒール上面に配設するための凹部1aを設けるようにして製造した(図7参照)。
軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2は、軟質プラスチックを用い、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ2bと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ2cと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ2dからなる形状のものとなるように製造した(図5参照)。
ゴム製フタ3は、フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合するように凸部3aを有する形状のものとなるように製造した(図4参照)。
次に、上記ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部1aの中に、上記軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2を配設し、さらにその上面に、上記ゴム製フタ3を、凹部及び当該緩衝装置の上部に嵌合するようにして配設して組み上げることで、本発明の靴底を完成させた(図1、図2及び図8参照)。
上記形状を有する緩衝装置2とゴム製フタ3は、図6に断面が示されるよう示すように、フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合するように配設された凸部3aが、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部2aに嵌合するようにして配設した。このように、緩衝装置2の凹部2aとゴム製フタ3の凸部3aとを嵌合するように配設することにより、ゴム製フタ3が緩衝装置2上に係止され、ゴム製フタ3をゴム製の本底1並びに緩衝装置2と接着させて一体化させなくとも、ゴム製フタのずれを抑止することができるようになった。
実施例1と同様の製造方法を用いて、ゴム製の本底1と、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2と、ゴム製フタ3とを製造した。そして、上記ゴム製の本底1のヒール上面に設けられた凹部1aの中に、上記軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2を配設し、さらにその上面に、上記ゴム製フタ3を、凹部及び当該緩衝装置の上部に嵌合するようにして接着剤を用いて接着させ、本発明の靴底を完成させた。
(屈曲試験)
本発明の実施により得られた、上層下層の2層からなるゴム製の靴底について、靴底を3万回繰り返し屈曲させる疲労特性の確認試験を実施した。屈曲試験はASTM D1052法に基づく(ロス式)3万回の屈曲試験を実施した。この試験において、靴底を屈曲させることは、歩行時の姿勢変化に伴う靴の屈曲動作を想定したものである。屈曲試験回数は、およそ3万回で、ほぼ1シーズンにわたって靴を履用した場合の歩数に相当するものである。本発明の靴底には、ひび割れ、2層の境界面での剥離等の外形的なひび割れ等の異常は認められなかった。またエアクッション及びフタが外れたり、ずれたりすることもなかった。
(衝撃吸収性と歩行のしやすさの確認)
その他、履用者に平地および階段、砂利道を順次歩行させて、違和感の有無等を確認した。本発明のエアクッション入りの2層の靴底を用いた婦人靴では、平地、階段、砂利道等での歩行に支障はなく、違和感は認められなかった。また、上層部とエアクッションの衝撃緩和性は優れており、これらの構造を欠いた通常のゴム製靴底の靴に比べても、長時間履用した場合の疲労度が低減し、履き心地の快適度が向上した。
さらに、歩行試験中に、ハイヒールで典型的にみられるような、踵から頭部へと硬い衝撃が直接伝わる現象はみとめられなかった。これらの歩行試験後、靴底を観察しても屈曲により上層部と下層部が剥離したり、フタ部分が外れたりズレたりすることもなかった。
また、1〜2cm大の小石を1つ踏みつけた場合の姿勢の乱れについて確認した。本発明の靴底を用いた靴では、砂利道での歩行においても、姿勢のブレは生じにくく、歩行に格段の支障はなかった。
1 ゴム製の本底
1a 軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置とゴム製フタとを配設するための凹部
1b 軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置2が配設される領域(点線で囲った領域)
2 軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置
2a 緩衝装置の凹部
2b 軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプ
2c 左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプ
2d 横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプ
3 ゴム製フタ
3a ゴム製フタの凸部
4 本発明の靴底
5 本底の上層部
6 本底の下層部

Claims (12)

  1. 本底がゴム製であり、本底のヒール上面に緩衝装置を収めるための凹部が設けられ、当該凹部には、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に気体が封入された緩衝装置が配設され、さらにヒール上面に、ゴム製フタを、凹部及び当該緩衝装置の上部に嵌合するようにして配設したものからなることを特徴とする、靴底。
  2. 前記緩衝装置における軟質プラスチック製の中空構造の部材が、表面に凹部を有するものであり、前記ゴム製フタが、フタ下面に、前記緩衝装置の中空構造の部材表面の凹部に嵌合するように配設された凸部を有することを特徴とする、請求項1に記載の靴底。
  3. 前記緩衝装置が、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプからなる踵部エアクッションであり、前記ゴム製フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合しうるように配設された凸部が、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部に嵌合するように配設されているものであることを特徴とする、請求項2に記載の靴底。
  4. 前記ゴム製フタが、前記本底のヒール上面凹部上に接着されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の靴底。
  5. 前記本底の下層部のゴムが、セラミック粉などの硬度の高い粉体を混ぜたものから加硫成形されてなることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の靴底。
  6. 前記本底が、硬度が50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムからなる上層部及び硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムからなる下層部からなり、前記加硫成形されたゴム製フタの硬度が上層部の硬度を上回らないことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の靴底。
  7. 靴底の本底下層部用の型枠内の内部に下層部用ゴム素材を注入し、高圧下で予備加熱して半加硫状態のゴムからなる本底下層部を得て、また、ヒール上面に緩衝装置を収めるための凹部を設けた本底上層部用の型枠内の内部に上層部用ゴム素材を注入し、高圧下で予備加熱して半加硫状態のゴムからなる本底上層部を得た後、それら半加硫ゴムからなる本底下層部及び本底上層部とを組み合わせ高圧下で本加熱成形を施し、本底下層部と本底上層部とを一体化させた本底を得る工程、並びに、ゴム製フタ用の型枠内の内部に上層部用ゴム素材を注入し、高圧下で加熱成形を施しゴム製フタを得る工程と、前記で得られた本底のヒール上面凹部に、軟質プラスチック製の中空構造の部材の中空部に、気体が封入された緩衝装置を配し、その上面に、前記ゴム製フタを配することからなる、靴底の製造方法。
  8. 前記緩衝装置における軟質プラスチック製の中空構造の部材が表面に凹部を有し、前記加硫成形されたゴム製フタが、フタ下面に、前記緩衝装置の中空構造の部材の凹部に嵌合するように配設された凸部を有することを特徴とする、請求項7記載の靴底の製造方法。
  9. 前記緩衝装置が、軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプと、横パイプの中央部を後方に連通する軟質プラスチック製の環状の縦パイプからなる踵部エアクッションであり、前記加硫成形されたゴム製フタ下面に軟質プラスチック製の中空構造の部材の凹部に嵌合しうるように配設された凸部が、前記軟質プラスチック製の環状パイプからなる左右側部パイプと、左右側部パイプの左右側部の間の中央部を前後に離間して外周パイプに梯子状に連通する複数本の軟質プラスチック製の環状パイプからなる横パイプの各パイプ間に出来た凹部に嵌合するように配設されているものであることを特徴とする、請求項8記載の靴底の製造方法。
  10. 前記加硫成形されたゴム製フタが、前記本底のヒール上面凹部上に接着されていることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の靴底の製造方法。
  11. 前記本底の下層部の加硫成形されたゴムが、セラミック粉などの硬度の高い粉体を混ぜたものからなることを特徴とする、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の靴底の製造方法。
  12. 前記本底が、硬度が50度を上回り65度以下の加硫成形されたゴムからなる上層部及び硬度が70〜85度の加硫成形されたゴムからなる下層部からなり、前記加硫成形されたゴム製フタの硬度が上層部の硬度を上回らないことを特徴とする、請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の靴底の製造方法。
JP2013021935A 2013-02-07 2013-02-07 エアクッション入りゴム製靴底 Expired - Fee Related JP5408757B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013021935A JP5408757B1 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 エアクッション入りゴム製靴底

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013021935A JP5408757B1 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 エアクッション入りゴム製靴底

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5408757B1 JP5408757B1 (ja) 2014-02-05
JP2014150914A true JP2014150914A (ja) 2014-08-25

Family

ID=50202645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013021935A Expired - Fee Related JP5408757B1 (ja) 2013-02-07 2013-02-07 エアクッション入りゴム製靴底

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5408757B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109181124A (zh) * 2018-10-11 2019-01-11 安徽世界村新材料有限公司 一种高弹性耐磨中空硫化成型鞋底及其制备方法
JP2019506987A (ja) * 2016-07-25 2019-03-14 浙江吉利控股集団有限公司Zhejiang Geely Holding Group Co.,Ltd. 抗捻挫衝撃吸収バランスエアクッション靴

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5952993B1 (ja) * 2015-04-16 2016-07-13 株式会社モード大三 靴底用エアクッション

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5374952A (en) * 1976-12-11 1978-07-03 Onitsuka Co Method of producing shoe bottom of plural layers
JPH0226502U (ja) * 1988-08-08 1990-02-21
JP2005074085A (ja) * 2003-09-02 2005-03-24 Kiyoshi Iida 履物及び履物の製造方法
US7841108B2 (en) * 2007-05-29 2010-11-30 Nike, Inc. Article of footwear with visible indicia

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019506987A (ja) * 2016-07-25 2019-03-14 浙江吉利控股集団有限公司Zhejiang Geely Holding Group Co.,Ltd. 抗捻挫衝撃吸収バランスエアクッション靴
CN109181124A (zh) * 2018-10-11 2019-01-11 安徽世界村新材料有限公司 一种高弹性耐磨中空硫化成型鞋底及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5408757B1 (ja) 2014-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6592128B2 (ja) 運動靴用のソール
KR101482833B1 (ko) 다중 반응 특성 신발
EP2961594B1 (en) Method of forming midsole of two materials
JP5408757B1 (ja) エアクッション入りゴム製靴底
WO2012081912A3 (ko) 보조구두굽 및 제조방법
KR20090108344A (ko) 미끄럼방지와 쿠션기능을 갖춘 신발창
KR100941789B1 (ko) 중공쿠션돌기가 구비되는 신발창과 이를 위한 제조금형 및 제조방법
JPS61154503A (ja) ミツドソ−ル
KR100857321B1 (ko) 접착식 신발깔창 및 그 제조방법
KR200405595Y1 (ko) 자석 및 젤이 보이도록 부착된 이중경도의 발포체안창
JP5952993B1 (ja) 靴底用エアクッション
KR101675344B1 (ko) 하이브리드형 기능성 인솔
KR200407031Y1 (ko) 신발창용 큐션부재
KR100788761B1 (ko) 신발창용 큐션부재
KR101254019B1 (ko) 전사무늬가 보이는 크리스탈 투명창을 갖는 이중구조 신발용 아웃솔의 제조방법
KR200231334Y1 (ko) 탄성을 갖는 (신발, 구두) 밑창
JP2013208199A (ja) 靴底および靴底の製造方法
CN114304808A (zh) 一种超轻高回弹鞋底及其制备方法
JP3173689U (ja) 履き物用中敷き
JP2005261834A (ja) 重量射出成形靴の製造法
TWM553943U (zh) 鞋中底之結構改良(三)
TWM554719U (zh) 鞋中底之結構改良(一)
KR20130044601A (ko) 엘라스토머 충격완화부재를 구비한 신발깔창
KR20120001529U (ko) 접착식 신발 깔창
GB2492399A (en) Sole with recycled filling

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5408757

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees