JP2014150761A - 新規抗ヒトngf抗体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域、及び特定のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む、抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメント。前記Fab’フラグメントの重鎖定常領域がヒトIgγ1定常領域であり、前記Fab’フラグメントの軽鎖定常領域がヒトIgκ定常領域であるFab’フラグメント。ポリエチレングリコールを結合させた抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメント。
【選択図】なし
Description
[1]配列番号6に示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域、及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む、抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメント。
[2]前記Fab’フラグメントの重鎖定常領域がヒトIgγ1定常領域である、[1]のFab’フラグメント。
[3]前記Fab’フラグメントの軽鎖定常領域がヒトIgκ定常領域である、[1]のFab’フラグメント。
[4]前記Fab’フラグメントの重鎖定常領域がヒトIgγ1定常領域であり、前記Fab’フラグメントの軽鎖定常領域がヒトIgκ定常領域である、[1]のFab’フラグメント。
[5]配列番号10、配列番号14、又は配列番号16に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む、[1]のFab’フラグメント。
[6]ポリエチレングリコールを結合させた、[1]〜[5]のいずれかのFab’フラグメント。
[7][1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメントの重鎖フラグメントをコードする配列を含む、ポリヌクレオチド。
[8][1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメントの軽鎖をコードする配列を含む、ポリヌクレオチド。
[9][7]及び/又は[8]のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[10][9]の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
[11]以下の(a)及び(b)からなる群より選択される、[10]の宿主細胞。
(a)[1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメントの重鎖フラグメントをコードする配列を含むポリヌクレオチドと該Fab’フラグメントの軽鎖をコードする配列を含むポリヌクレオチドとを含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞;及び
(b)[1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメントの重鎖フラグメントをコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターと該Fab’フラグメントの軽鎖をコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターとで形質転換された宿主細胞。
[12][10]又は[11]の宿主細胞を培養し、抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメントを発現させる工程を包含する、[1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメントを生産する方法。
[13][1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメントを含む、疼痛治療薬。
[14]前記疼痛が変形性関節症に伴う関節痛である、[13]の治療薬。
[15][1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメントを投与する工程を包含する、疼痛を予防又は処置するための方法。
[16]前記疼痛が変形性関節症に伴う関節痛である、[15]の方法。
[17]疼痛の予防又は処置に使用するための、[1]〜[6]のいずれかのFab’フラグメント。
[18]前記疼痛が変形性関節症に伴う関節痛である、[17]のFab’フラグメント。
本発明者らは、抗ヒトNGF抗体又はその抗原結合フラグメントの作製において相当の創意検討を重ねた結果、高い中和活性を保持しつつ、胎児への影響や血栓形成、RPOA等の関節関連の有害事象などの副作用リスクを低減した、安全性に優れた抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメントを作製することに成功した。
配列番号6に示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域、及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む、抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメント。
ヒトNGFに対する抗体を、ベロシミューンマウスに免疫することによって取得した。本発明者らは、得られる抗体の多様性を高めるために、複数の免疫方法、投与経路、アジュバント、免疫期間等を検討した。免疫原としては、ヒトβNGF(R&D System社)を使用し、ヒトβNGFを溶解してアジュバントと混和した後に免疫に使用する方法と、ヒトβNGFを熱変性(0.5%SDS溶液下、80℃、10分処理)した後にアジュバントと混和して免疫する方法を検討した。投与経路としては、足蹠投与と腹腔内投与を検討した。アジュバントとしては、TiterMax Gold(CytRx Corporation)、完全フロイントアジュバント(Sigma社)、不完全フロイントアジュバント(Sigma社)、及びRIBIアジュバント(Corixa Corporation)を検討した。さらに添加する免疫賦活剤としては、CpGオリゴヌクレオチドとAluminum Phosphate Gel(BRENNTAG社)を検討した。免疫期間としては,3週間〜14週間まで検討した。数回免疫した後、マウス尾静脈より採血を行い、力価をモニターすることで、ヒトNGFに結合する抗体を産生するベロシミューンマウスの選択を行った。
抗体価の上昇を確認して選択したマウスに最終免疫(抗原の静脈内投与又は腹腔内投与)を行った。定法に従い、免疫したマウスの脾臓やリンパ節等を摘出しリンパ球を収集し、これをマウスミエローマ細胞SP2/0と細胞融合することでハイブリドーマを作製した。ハイブリドーマを限界希釈し、単一クローンにしたうえで、上清からプロテインA又はプロテインGカラム(GEヘルスケアジャパン社)を用いて抗体を精製した。
ヒトβNGF(R&D System社)とEZ−LINK 5−(biotinamido)pentylamine(PIERCE社)を室温暗所にて30分反応させてビオチン標識を行い、脱塩カラムにて過剰量のビオチンを除去し、ビオチン標識ヒトβNGFを取得した。なお、作製したビオチン標識ヒトβNGFについては、生物活性が元のヒトβNGFと同等であることを以下の実施例6及び実施例7で確認した。
抗体がマウスβNGFに対して交差性を有する場合、当該抗体を用いてマウス病態モデルでの薬効評価を行うことが可能となる。そこで、実施例3の方法において、マウスβNGF(R&D Systems社)を用いてビオチン標識マウスβNGFを作製することによって、抗体のマウスβNGFに対する交差性を評価した。
実施例1に記載のELISA法を用いて、抗体のNGFへの結合特異性を評価した。具体的には、NGFと最も相同性の高いファミリー分子であるNT−3を用いて、実施例1の方法においてヒトNT−3(PeproTech社)を1ウェルあたり20ng添加してプレートに固相化して評価した。
抗体のNGF−trkAシグナルの阻害活性について評価した。NGFはその受容体であるtrkAを介して細胞内カルシウム(Ca2+)濃度の上昇を引き起こす。通常、このCa2+濃度変化は、カルシウム指示薬存在下のもとで、細胞内Ca2+濃度測定システム(FLIPR;モレキュラーデバイス社)を用いると評価できる。
天然にtrkA及びp75受容体を発現しているPC12細胞を無血清条件で培養した場合、NGFは細胞の生存を数日間維持できる。以下の方法を用いて、抗体のNGF依存的細胞生存シグナルに対する阻害活性を評価した。
Fabプレパレーションキット(Pierce社)を使用し、抗体1mg/mlに消化酵素パパイン結合ゲルを加え、37℃、3時間処理した。処理した反応液をプロテインGカラム(GEヘルスケアジャパン社)に添加し、切断されたFc及び未反応のIgGをカラムに吸着させて除去し、溶出画分を回収することでFabフラグメントを得た。得られたFabフラグメントについて、実施例3、実施例6、及び実施例7に記載した試験で評価を行った。
同定された1−15抗体について、本発明者らはハイブリドーマから抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子をクローニングした。具体的には、ハイブリドーマクローンを1×105以上準備し、RNeasy Mini Kit(QIAGEN社)に添付のRLT bufferで懸濁後、QIAshredder(QIAGEN社)を用いて細胞の破砕を行った。その後プロトコールに従ってRNAを抽出し、抽出したRNAを鋳型として、DNA増幅キット(SMARTer RACE cDNA Amplification kit;Clontech社)を用いてcDNAの合成を行った。得られたcDNAを用いてPCR反応を行い、重鎖及び軽鎖の可変領域を伸長及び増幅した。このPCR産物を直接シークエンサー(ABI PRISM 3100;Applied Biosystems社)で配列解析を行った。また、PCR産物をpCR3.1−TOPO(Invitrogen社)等のPCR産物サブクローニング用ベクターへ組み換えた後、遺伝子配列を解析して配列決定を行った。
前述の1−15抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列(配列番号2)には、N−X−(T/S)のN型糖鎖修飾モチーフ配列が含まれている。具体的には、配列番号2で示す重鎖可変領域における、Kabat番号付けに基づく52番目のAsn(N52)が糖鎖修飾部位に該当する。糖鎖修飾部位が存在すると細胞培養の間に抗体への糖鎖の付加が起こるが、糖鎖の付加は培養条件や発現させる宿主に依存することが知られている。すなわち、樹立した同一の抗体産生細胞であっても、培養条件(培地、細胞密度など)によって糖鎖付加の程度が変わる可能性があり、均一な品質の抗体医薬品を取得することが困難となる可能性がある。そこで、本発明者らは、1−15抗体の重鎖可変領域におけるN52に変異を導入した1−15(N52D)を作製した。
前述の1−15及び1−15(N52D)の重鎖可変領域と1−15の軽鎖可変領域を用いて、各々の完全ヒト型抗体Fab’フラグメントを作製した。
実施例11で取得した1−15−Fab’と1−15(N52D)−Fab’について、実施例3及び実施例6に記載した試験で評価した。実施例3の試験において、1−15−Fab’及び1−15(N52D)−Fab’のIC50は、それぞれ0.17μg/ml及び0.18μg/mlであった。実施例6の試験において、1−15−Fab’及び1−15(N52D)−Fab’のIC50は、それぞれ0.021μg/ml及び0.018μg/mlであった。これらの結果から、1−15(N52D)−Fab’は、改変前の1−15−Fab’と同程度の中和活性を保持し、変異の導入によっても中和活性に影響を与えないことが確認された。
次いで、本発明者らは、前述の1−15(N52D)−Fab’に対してPEGの導入を行った。KappaSelectで精製後、Fab’フラグメントをTCEP塩酸塩(Tris(2−carboxyethyl)phosphine HCl)により還元反応をすることで、PEG化可能な構造体にした。
本発明者らは、前述の1−15(N52D)−Fab’−PEGについて、マウスアジュバント誘発関節炎モデルに対する鎮痛効果を評価した。
雌性ラットの妊娠17日目に、1−15(N52D)−Fab’−PEG又はTanezumabを静脈内に投与し(100mg/kg、投与容量10mL/kg)、3日後の母体及び胎仔の血液中の抗体濃度を測定した。
1−15(N52D)−Fab’−PEGがICを形成するか否か、あるいは形成されるICのサイズがどの程度になるかを評価した。具体的には、1−15(N52D)−Fab’−PEGを1mg/mlとヒトβNGF(R&D Systems社)を、モル比で1:1になるように混和し、室温で3時間インキュベートしてICを形成させた。この反応液を、動的光散乱を測定する機器Zetasizer Nano(Malvern社)を用い、ICの粒子径と分布を測定した。解析にはZetasizar v6.01(Malvern社)を用い、粒子径はIntensity(%)で解析した値(d.nm)で示した。
雄性DBA/1マウス足関節にコラーゲン(ウシ関節由来タイプ2コラーゲン、10mg/mL;コラーゲン技術研修会)及び完全フロイントアジュバント(0.5mg/mL;DIFCO社)の1:1のエマルジョンを皮下投与し、コラーゲン誘発関節炎モデルを作製した。惹起4週間後に再度、エマルジョンを投与し、関節炎を発症させた。後肢関節炎の発症程度(スコア・腫脹の大きさ)を観察し、マウスの群分けを行った。1−15(N52D)−Fab’−PEG及びTanezumabの1mg/ml PBS溶液について、SAIVITM Rapid Antibody Labeling Kit、Alexa Fluor(登録商標)680(Life Technologies社)を用いて蛍光標識を行った。それぞれを2mg/kgにて尾静脈から投与を行った(N=4)。腫脹した足底に蓄積してくる蛍光を、IVIS Spectrum(Caliper/Xenogen社)を用いて、投与後1時間から50時間まで解析し、蛍光強度を数値化した。
本発明者らは、1−15(N52D)−Fab’において、PEGの導入効率を改善するために、重鎖フラグメントのカルボキシル末端のCys残基の後に2個のアラニン(A)又はプロリン(P)を付加したFab’フラグメントを作製し、発現及び精製した。これらのFab’フラグメントの作製においては、実施例11と同様の方法を用い、ここで、1−15(N52D)−Fab’の重鎖フラグメントのカルボキシル末端Cys残基のコドンの後に2個のアラニン又はプロリンのコドンを挿入し、その後に停止コドンを挿入した。
1−15(N52D−A)−Fab’に対して、実施例13と同様の方法を用いて40kDa PEGを結合させ、PEG化した1−15(N52D−A)−Fab’(以下、1−15(N52D−A)−Fab’−PEGとも称する)を得た。
1−15(N52D−A)−Fab’−PEG及びTanezumabのNGF抗原に対する結合熱力学を等温滴定型熱量測定(Isothermal titration calorimetry;ITC)によって検討した(Scappaticci FA,J Natl Cancer Inst.2007,99:1232−9.Velazquez−Campoy,A.,et al,Curr Protoc Cell Biol.2004,Chapter 17,Unit 17−18.)。すべての測定はGE healthcare社製のAuto−iTC200を用いて行った。実験では1価のFab’フラグメントと1分子の抗原間の結合を評価すべく、以下の濃度で試験を行い、試験は全てPBS溶媒中で行った。具体的には、滴定用シリンジに入ったヒトβNGF 44μM(R&D systems社)を1.4μLずつ30回にわたって抗体試料(3μMの1−15(N52D−A)−Fab’−PEG又は1.5μMのTanezumab)を満たした熱量計セルに滴定し、その際に生じた熱量を検出した。得られたデータを装置付属のソフトを用いSingle site binding modelによって解析することで、抗原−抗体結合に伴われる結合親和力(Kd)、結合比(n)、結合自由エネルギー(ΔG)、結合エンタルピー(ΔH)、及び結合エントロピー(−TΔS)を見積もった。結果を表2に示す。
実施例18で作製した1−15(N52D−A)−Fab’に対して、実施例13と同様の手順を用いて、5kDa PEG又は10kDa PEGを結合させた。具体的には、20mMトリス塩酸バッファー(pH7.4)にて調製したFab’フラグメント溶液をTCEPで還元させた後、脱塩カラムを用いてFab’フラグメントを回収した。得られたFab’フラグメントにPEG(SUNBRIGHT GL2−50MA又はSUNBRIGHT GL2−100MA;いずれもNOF CORPORATION)を添加し、4℃で一晩静置した。このようにして得られた、5kDa PEG又は10kDa PEGを結合させた1−15(N52D−A)−Fab’を、それぞれ1−15(N52D−A)−Fab’−5kPEG、1−15(N52D−A)−Fab’−10kPEGと称する。
各種PEG化1−15(N52D−A)−Fab’のマウスPK評価を行った。具体的には、0.3mg/kgの各種PEG化1−15(N52D−A)−Fab’を静脈内に投与し、投与後1、4、8、12、24、48、72、96、及び168時間毎に採血した。得られた血液中の被検抗体量をサンドイッチELISA法を用いて測定した。具体的には、被検抗体を、NGFを固定化したMSDプレート(Meso Scale Discovery社製)に添加した。プレートに結合した被検抗体をビオチン標識抗ヒトカッパ抗体で認識し、これをSULFO−TAG標識ストレプトアビジンで検出した。血中濃度の算出は、各標準品で検量線を作製して求めた。算出した血中濃度より血中半減期(T1/2:時間)を計算した。その結果、1−15(N52D−A)−Fab’−5kPEG、1−15(N52D−A)−Fab’−10kPEG、及び1−15(N52D−A)−Fab’−40kPEGのT1/2は、それぞれ13.8±2.2時間、17.7±0.4時間、及び39.2±3.7時間であった。
臨床における術後痛を反映するとされるラット足裏切開後痛モデル(Brennan et al.Current Protocols in Pharmacology 2004;5.34.1−5.34.8)を用いて、1−15(N52D−A)−Fab’−5kPEG及び1−15(N52D−A)−Fab’−10kPEGの術後痛に対する鎮痛効果を評価した。
1−15(N52D−A)−Fab’−40kPEGを、pH5、pH6、pH7.4、及びpH9の各条件で1mg/ml及び10mg/mlに溶解した。これらをそれぞれ50℃の条件におき、2週間後の凝集安定性について評価を行った。凝集性の評価はサイズ排除クロマトグラフィーにより行い、Agilent社製1100を用いて測定した。測定条件は、移動相のバッファーとして0.1Mリン酸ナトリウム(0.2Mアルギニン含有)(pH6.8)を用い、カラムはTSK gel Super Sw3000(TOSOH,2.0mmID×300mm)を用いた。検出波長は280nmで行った。1mg/mlでの試験では、比較抗体としてTanezumabを用い、その結果を表3に示す。10mg/mlでの試験では、比較抗体としてTanezumab及びREGN475を用い、その結果を表4に示す。
雄性SDラットをイソフルランで麻酔し、1mgモノソディウムヨードアセテート(MIA;シグマ社)を右膝の膝蓋靭帯を通して関節内に投与した。MIAは生理食塩水で希釈して調製し、26ゲージ、0.5インチの注射針を用いて50μlの用量で投与した。MIA投与後2日目に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;コントロール群)、Tanezumab(1mg/kg、1回)、1−15(N52D−A)−Fab’−PEG(1mg/kg、1回/8日)、又は1−15(N52D)−ヒトIgG抗体(実施例11に記載の方法において1−15(N52D)の重鎖可変領域遺伝子の3’側にヒトIgγ1の定常領域遺伝子を繋げ、全長の完全ヒト型抗体として作製)(1mg/kg、1回)を尾静脈から投与した(各群n=6)。MIAを投与した右膝及び投与していない左膝の関節幅をノギスを用いて測定し、右膝の幅と左膝の幅の差を計算した。
本実施例を破骨細胞培養キット(Primary Cell社)を用いて実施した。ラット骨髄由来破骨前駆細胞を温浴にて37℃で解凍後、洗浄用培地を添加し遠心した。上清を除去後同様の操作を繰り返した後、RANKL及びM−CSFを含む培養用培地を用いて細胞浮遊液を調製した。オステオプレートに細胞を播種し、PBS、1−15(N52D−A)−Fab’−PEG、又はTanezumabを、各320nMをウェルに添加した。細胞を5%CO2存在下の37℃のCO2インキュベーターで7日間培養した。2日おきに培地を交換し、7日目に破骨細胞によって形成される吸収窩の面積をArrayScan(サーモフィッシャーサイエンティフィック)にて計測した。
Claims (16)
- 配列番号6に示されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域、及び配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む、抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメント。
- 前記Fab’フラグメントの重鎖定常領域がヒトIgγ1定常領域である、請求項1に記載のFab’フラグメント。
- 前記Fab’フラグメントの軽鎖定常領域がヒトIgκ定常領域である、請求項1に記載のFab’フラグメント。
- 前記Fab’フラグメントの重鎖定常領域がヒトIgγ1定常領域であり、前記Fab’フラグメントの軽鎖定常領域がヒトIgκ定常領域である、請求項1に記載のFab’フラグメント。
- 配列番号10、配列番号14、又は配列番号16に示されるアミノ酸配列からなる重鎖フラグメント、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列からなる軽鎖を含む、請求項1に記載のFab’フラグメント。
- ポリエチレングリコールを結合させた、請求項1〜5のいずれか1項に記載のFab’フラグメント。
- 請求項1に記載のFab’フラグメントの重鎖フラグメントをコードする配列を含む、ポリヌクレオチド。
- 請求項1に記載のFab’フラグメントの軽鎖をコードする配列を含む、ポリヌクレオチド。
- 請求項7及び/又は8に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項9に記載の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
- 以下の(a)及び(b)からなる群より選択される、請求項10に記載の宿主細胞。
(a)請求項1に記載のFab’フラグメントの重鎖フラグメントをコードする配列を含むポリヌクレオチドと該Fab’フラグメントの軽鎖をコードする配列を含むポリヌクレオチドとを含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞;及び
(b)請求項1に記載のFab’フラグメントの重鎖フラグメントをコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターと該Fab’フラグメントの軽鎖をコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターとで形質転換された宿主細胞。 - 請求項10又は11に記載の宿主細胞を培養し、抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメントを発現させる工程を包含する、請求項1に記載の抗ヒトNGF抗体Fab’フラグメントを生産する方法。
- 請求項1〜6のいずれかのFab’フラグメントを含む、疼痛治療薬。
- 前記疼痛が変形性関節症に伴う関節痛である、請求項13に記載の治療薬。
- 請求項1〜6のいずれかのFab’フラグメントを投与する工程を包含する、疼痛を予防または処置するための方法。
- 前記疼痛が変形性関節症に伴う関節痛である、請求項15に記載の方法。
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