JP2014149960A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】大電流充放電を伴う条件で充放電を行った場合に、I−V抵抗値を低減させ、出力特性が向上した非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の一局面の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極合剤層が形成された正極板と、負極板と、セパレータと、非水電解液とを備え、正極活物質は、組成式LiNi(1−y)(MはCo、Mn、Alの群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.9<x<1.2、0.3<y<1.0)で表されるニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物であり、前記正極合剤層及び前記非水電解液の少なくとも一方はカップリング剤が含有されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、スマートフォン等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての二次電池にはさらなる高容量化が要求されている。充放電に伴い、リチウムイオンが正、負極間を移動することにより充放電を行う非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
さらに最近では、非水電解質二次電池は、電動工具、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)等の動力用電源としても注目されており、さらなる用途拡大が見込まれている。こうした動力用電源では、長時間の使用可能となるような高容量化や、比較的短時間に大電流充放電を繰り返す場合の出力特性の向上が求められる。特に、電動工具、EV、HEV、PHEV等の用途では、大電流充放電での出力特性を維持しつつ高容量化を達成することが必須となっている。
非水電解質二次電池の高容量化を達成する手法として、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物より充放電容量の大きいニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を使用する手法が知られている。しかし、ニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を使用した場合には、リチウムコバルト複合酸化物を使用した場合と比較して、出力特性が低下するという課題があり、さらなる出力特性の向上が求められている。
非水電解質二次電池の重負荷放電サイクル特性を改善する技術として、例えば下記特許文献1には、正極合剤層にアルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロレート等アルミニウム系カップリング剤を含有させることで、正極合剤層と正極芯体の密着性が向上するため、重負荷放電でのサイクル特性が向上することが示されている。
また、下記特許文献2には、非水電解質二次電池の非水電解液にアルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体を含有させると、黒鉛負極上でのプロピレンカーボネート(PC)の分解が抑制され、初回充放電効率が向上することが示されている。
特開平9−199112号 特開2000−294277号
上記特許文献1に開示されている非水電解質二次電池によれば、一応、重負荷放電でのサイクル特性が向上する。しかしながら、上記特許文献1には、正極活物質としてニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を用いた場合の具体的な作用効果については何も示されていない。
また、上記特許文献2に開示されている非水電解質二次電池によれば、非水電解液中にPCが含有されている場合には、PCの分解が抑制されるために初回充放電効率が向上することが示唆されている。しかしながら、上記特許文献2には、正極活物質に対するアルミニウムトリス(2,4−ペンタンジオネート)誘導体の作用効果については何も示されていない。
本発明の一局面の非水電解質二次電池によれば、正極活物質としてニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物を用いることと正極合剤中ないし非水電解液中にカップリング剤を含有させることとの組合せにより、正極活物質表面の抵抗が低下し、出力特性が改善された非水電解質二次電池が得られるようになる。
本発明の一局面の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極合剤層が形成された正極と、負極と、セパレータと、非水電解液とを備え、前記正極活物質は、組成式LiNi(1−y)(MはCo、Mn、Alの群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.9<x<1.2、0.3<y<1.0)で表されるニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物であり、前記正極合剤層及び前記非水電解液の少なくとも一方はカップリング剤が含有されていることを特徴とする。
本発明の一局面の非水電解質二次電池によれば、正極活物質としてのニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物の表面にカップリング剤が結合することにより、正極活物質表面の抵抗が小さくなるため、大電流充放電条件における出力特性が良好な非水電解質二次電池が得られる。
なお、カップリング剤としては、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
Figure 2014149960
(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
三電極式試験セルの説明図である。
以下、本願発明の一局面の非水電解質二次電池を、各種実験例を用いて詳細に説明する。ただし、以下に示す実験例は、本発明の技術思想を具体化するための非水電解質二次電池の一例を説明するために例示したものであり、本発明をこれらの実験例のいずれかに限定することを意図するものではない。本発明は、これらの実験例に示したものに対して、特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく、種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
[実験例1]
実験例1の正極板は、次のようにして作製した。正極活物質としてのLiNi0.82Co0.15Al0.03(比表面積:1.1m/g)100質量部に、炭素導電剤としてのアセチレンブラック1.25質量部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン1.7質量部を混合し、さらに、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量加えることにより正極合剤スラリーを調製した。得られた正極合剤スラリーに、カップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート(BIS(ETHYL ACETOACETATO)(2,4-PENTANEDIONATO)ALUMINIUM)、CAS No.19443-16-4)を、正極活物質100モル%に対して、0.025モル%となるように添加し、十分に撹拌した。次に、正極合剤スラリーをアルミニウムからなる集電体の両面に塗布、乾燥した。最後に、所定の電極サイズに切り取り、ローラーを用いて圧延し、さらに、正極リードを取り付けることにより、実験例1の正極板を作製した。
なお、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートは、下記一般式(II)において、n=3で表される化合物である。
Figure 2014149960
[実験例2]
実験例2の正極板は、実験例1の正極合剤スラリー中にアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを添加しない以外は実験例1の場合と同様にして作製した。
[実験例3]
実験例3の正極板は、実験例1で用いた正極活物質に換えてLiNi0.50Co0.20Mn0.30(比表面積:0.26m/g)を用いた以外は実験例1の場合と同様にして作製した。
[実験例4]
実験例4の正極板は、実験例1で用いた正極活物質に換えてLiNi0.50Co0.20Mn0.30(比表面積:0.26m/g)を用い、さらに、正極合剤スラリー中にアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを添加しない以外は実験例1の場合と同様にして作製した。
[実験例5]
実験例5の正極板は、実験例1で用いた正極活物質に換えてLiNi0.35Co0.35Mn0.30(比表面積:0.38m/g)を用いた以外は実験例1の場合と同様にして作製した。
[実験例6]
実験例6の正極板は、実験例1で用いた正極活物質に換えてLiNi0.35Co0.35Mn0.30(比表面積:0.38m/g)を用い、さらに、正極合剤スラリー中にアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを添加しない以外は実験例1の場合と同様にして作製した。
[実験例7]
実験例7の正極板は、実験例1で用いた正極活物質に換えてLiCoO(比表面積:0.21m/g)を用いた以外は実験例1の場合と同様にして作製した。
[実験例8]
実験例8の正極板は、実験例1で用いた正極活物質に換えてLiCoO(比表面積:0.21m/g)を用い、さらに、正極合剤スラリー中にアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを添加しない以外は実験例1の場合と同様にして作製した。
[非水電解液の調製]
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、25℃で3:3:4の体積比で混合させた混合溶媒に、LiPFを1モル/リットルの濃度になるように溶解させ、さらにビニレンカーボネート(VC)を1質量%溶解させ、実験例1〜8に共通して使用する非水電解液を得た。
[三電極式試験セルの作製]
上記のようにして作製した実験例1〜8の各正極板のそれぞれについて、図1に示した構成の三電極式試験セルを用いてI−V抵抗値を測定した。この三電極式試験セル10は、正極11、対極(負極)12及びセパレータ13が配置される測定槽14と、参照極15が配置される参照極槽16とから構成されている。そして、参照極槽16から毛細管17が正極11の表面近傍まで延長されており、また、測定槽14及び参照極槽16は何れも非水電解液18で満たされている。なお、対極12及び参照極15としてはそれぞれ金属リチウムを用いた。
[I−V抵抗値の測定]
上記のようにして作製した実験例1〜8の各正極板に対応する各三電極式試験セルに対して、以下の条件でI−V抵抗値を測定した。まず、25℃の温度条件下で、実験例1〜8の各正極板に対し、0.2mA/cmの電流密度で4.3V(vs.Li/Li)まで定電流充電を行い、さらに、4.3V(vs.Li/Li)の定電圧で電流密度が0.04mA/cmになるまで定電圧充電を行った。次いで、電池電圧が2.5V(vs.Li/Li)になるまで0.2mA/cmの電流密度で定電流放電させ、この時に流れた電気量を初回放電容量として求めた。次に、初回放電容量に基いて充電状態(state of charge:SOC)が50%になるように0.2mA/cmの電流密度で定電流充電を行った。
次いで、実験例1〜8の各正極板に対応する各三電極式試験セルについて、SOCが50%の状態から、順次0.2mA/cm、2.5mA/cm、5.0mA/cm、及び10mA/cmの電流密度で10秒間定電流放電し、その際のそれぞれの電圧値を測定した。測定されたそれぞれの電流密度における電圧値を電流値に対してプロットすることにより、電流−電位直線を求めた。得られた電流−電位直線の傾きより、放電時の抵抗値(放電時I−V抵抗値)を算出した。
また、初回放電容量を測定した実験例1〜8の各正極板に対応する各三電極式試験セルについて、初回放電容量に基いてSOCが50%になるように0.2mA/cmの電流密度で定電流充電を行った。次いで、実験例1〜8の各正極板に対応する各三電極式試験セルについて、SOCが50%の状態から、順次0.2mA/cm、2.5mA/cm、5.0mA/cm、及び10mA/cmの電流密度で10秒間定電流充電し、その際のそれぞれの電圧値を測定した。測定されたそれぞれの電流密度における電圧値を電流値に対してプロットすることにより、電流−電位直線を求めた。得られた電流−電位直線の傾きより、充電時の抵抗値(充電時I−V抵抗値)を算出した。
結果を纏めて表1に示した。なお、表1においては、実験例1の測定結果は実験例2の測定結果を100とし、実験例3の測定結果は実験例4の測定結果を100とし、実験例5の測定結果は実験例6の測定結果を100とし、実験例7の測定結果は実験例8の測定結果を100とし、それぞれ指数で表した。
Figure 2014149960
上記表1に示した結果から明らかなように、正極合剤中にカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを添加した実験例1、3及び5の正極を用いた三電極式試験セルの測定結果は、それぞれ正極合剤中にカップリング剤が添加されていない実験例2、4及び6の正極を用いた場合よりも、充電時及び放電時ともにI−V抵抗値が低減していることが確認された。また、正極活物質としてLiCoOを用いた実験例7及び8の三電極式試験セルの測定結果は、正極合剤中にカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを添加しても(実験例7)、添加しなくても(実験例8)、I−V抵抗値は変化しないことが確認された。
以上のことから、単に正極合剤中にカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを添加しただけでは、I−V抵抗値が低減することはないことがわかる。すなわち、正極合剤中にニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質とカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを含有させることで、特異的にI−V抵抗値が低減する。
このような現象が生じる理由は、現在の所まだ明らかではなく、その正確な解明には今後の実験を待つ必要があるが、以下の理由によって生じたものと推定される。すなわち、ニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物の正極活物質表面には、NiO、Ni(OOH)、Ni(OH)、Ni(COOH)、LiNiO、LiNi(OOH)、LiNi(OH)、LiNi(COOH)(0<z<2、0<a<1.2)などのNiの価数が低下した化合物である抵抗層が形成されており、このような抵抗層が存在することで、大電流充放電時のLiの挿入脱離反応が阻害されている。そのようなNiの価数が低下した正極活物質表面にカップリング剤が配位すると、カップリング剤の電子供与性により、正極活物質表面のNiの価数低下を抑制することで、正極表面の反応抵抗を低減させ、出力特性の改善が可能になったものと認められる。
なお、本発明においては、上記実験例1〜6に示したニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物以外の他の組成のニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物も使用し得る。正極活物質としてのニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物は、組成式がLiNi(1−y)(MはCo、Mn、Alの群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.9<x<1.2、0.3<y<1.0)で表されるものを用いることが好ましい。Mは正極活物質の結晶構造の安定性からCo、Mn、Alであることが好ましいが、その他の元素を含有していてもよい。
xの値は0.9<x<1.2が好ましいが、より好ましい値は、0.98<x<1.05である。xの値が0.95以下であると、結晶構造の安定性が低下するため、出力特性の低下やサイクル特性が十分でなくなる。一方、xの値が1.2以上であると非水電解液との反応が多くなり、ガス発生が多くなる。yの値は0.3<y<1.0が好ましい。yの値が0.3以下であると、ニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物の正極活物質表面とカップリング剤との配位効果が低減する。
ニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物の比表面積は、0.15〜1.5m/gであることが好ましい。比表面積が0.15m/g未満であると非水電解液との接触面積が低下するため、出力特性が低下する。一方、比表面積が1.5m/gを超えると非水電解液との接触面積が増加しすぎるため、ガス発生が多くなる。
また、カップリング剤は、有機と無機官能基からなる化合物が好ましく、より好ましくは金属元素に酸素元素を配位した構造を有する化合物が好ましい。さらに、ニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質表面に配位しやすいため、下記一般式(I)で表されるカップリング剤などがより好ましい。
Figure 2014149960
(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
上記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種は、正極活物質のモル量に対して、0.001モル%以上1モル%以下含有することが好ましい。これらカップリング剤の含有量が正極活物質のモル量に対して0.001モル%未満であると、少なすぎてカップリング剤とニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物の効果が現れなくなる。これらカップリング剤の含有量が正極活物質のモル量に対して1モル%を超えると、その他の本発明の前記条件を満たしていても、初期容量が小さくなってしまう。
また、上記一般式(I)の構造を有するカップリング剤におけるMとしては、Al、Ti、Zrから選択される1種とすることができるが、特にMをAlとすることが好ましい。MをAlとすると、安価に合成でき、しかも、MをTi又はZrとした場合よりも良好な結果が得られる。
また、上記一般式(I)の構造を有するカップリング剤としては、R1又はR2の少なくとも一つがアルコキシ基(エトキシ基、iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ基等)である場合、特性改善効果が大きい。また、上記一般式(I)のM原子にアルコキシ基(エトキシ基、iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ基等)が結合している場合、正極活物質の表面に対する反応性が向上するため好ましい。なお、M原子に結合するアルコキシ基の数は、化合物の耐加水分解性を高めるために、二つまでが好ましい。
なお、上記実験例1、3及び5では、カップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを正極合剤層中に添加した例を示した。しかしながら、カップリング剤は、正極活物質表面で反応するものであるから、非水電解液中に添加しても一応同様の作用効果を奏する。しかしながら、このカップリング剤を正極合剤層に含有すると、よりニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物の正極活物質表面にカップリング剤が配位しやすくなるので、より良好な結果が得られる。
また、カップリング剤は、正極合剤スラリーに混合する場合だけでなく、正極板の表面に直接塗布してもよい。その際、このカップリング剤を適当な有機溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、シリコーンオイル等を用いて希釈して使用してもよい。
実験例1〜8では、それぞれ対応する正極板を用いた三電極式試験セルによりI−V抵抗値を測定した例を示した。本発明の一局面の非水電解質二次電池を得るには、上述した正極板に対して、負極板、セパレータ及び非水電解質とを組み合わせることにより、容易に作製し得る。
非水電解質の溶媒としては、特に限定されるものではなく、非水電解質二次電池に従来から用いられてきた溶媒を使用することができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート;ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステルを含む化合物;、プロパンスルトン等のスルホン基を含む化合物;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテルを含む化合物;ブチロニトリル、バレロニトリル、n−ヘプタンニトリル、スクシノニトリル、グルタルニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,3,5−ペンタントリカルボニトリル等のニトリルを含む化合物;ジメチルホルムアミド等のアミドを含む化合物等を用いることができる。特に、これらのHの一部がFにより置換されている溶媒が好ましく用いられる。また、これらを単独又は複数組み合わせて使用することができ、特に環状カーボネートと鎖状カーボネートとを組み合わせた溶媒や、さらにこれらに少量のニトリルを含む化合物やエーテルを含む化合物が組み合わされた溶媒が好ましい。
また、非水電解質の非水系溶媒としてイオン性液体を用いることもでき、この場合、カチオン種、アニオン種については特に限定されるものではないが、低粘度、電気化学的安定性、疎水性の観点から、カチオンとしては、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、4級アンモニウムカチオンを、アニオンとしては、フッ素含有イミド系アニオンを用いた組合せが特に好ましい。
さらに、非水電解質に用いる溶質としても、従来から非水電解質二次電池において一般に使用されている公知のリチウム塩を用いることができる。そして、このようなリチウム塩としては、P、B、F、O、S、N、Clの中の一種類以上の元素を含むリチウム塩を用いることができ、具体的には、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、LiPF等のリチウム塩及びこれらの混合物を用いることができる。特に、非水電解質二次電池における高率充放電特性や耐久性を高めるためには、LiPFを用いることが好ましい。
また、溶質としては、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を用いることもできる。このオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩としては、LiBOB(リチウム−ビスオキサレートボレート)の他、中心原子にC 2−が配位したアニオンを有するリチウム塩、例えば、Li[M(C](式中、Mは遷移金属、周期律表の13族,14族,15族から選択される元素、Rはハロゲン、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選択される基、xは正の整数、yは0又は正の整数である。)で表わされるものを用いることができる。具体的には、Li[B(C)F]、Li[P(C)F]、Li[P(C]等がある。ただし、高温環境下においても負極の表面に安定な被膜を形成するためには、LiBOBを用いることが最も好ましい。
なお、上記溶質は、単独で用いるのみならず、2種以上を混合して用いても良い。また、溶質の濃度は特に限定されないが、非水電解液1リットル当り0.8〜1.7モルであることが望ましい。更に、大電電流での放電を必要とする用途では、上記溶質の濃度が非水電解液1リットル当たり1.0〜1.6モルであることが望ましい。
本発明の一局面の非水電解質二次電池において、その負極に用いる負極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵・放出できるものであれば特に限定されず、例えば、炭素材料や、リチウム金属、リチウムと合金化する金属或いは合金材料や、金属酸化物等を用いることができる。なお、材料コストの観点からは、負極活物質に炭素材料を用いることが好ましく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズピッチ系炭素繊維(MCF)、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス、ハードカーボン等を用いることができる。特に、高率充放電特性を向上させる観点からは、負極活物質として、黒鉛材料を低結晶性炭素で被覆した炭素材料を用いることが好ましい。
セパレータとしては、従来から非水電解質二次電池において一般に使用されている公知のものを用いることができる。具体的には、ポリエチレンからなるセパレータのみならず、ポリエチレンの表面にポリプロピレンからなる層が形成されたものや、ポリエチレンのセパレータの表面にアラミド系の樹脂が塗布されたものを用いても良い。
正極とセパレータとの界面ないし負極とセパレータとの界面には、従来から用いられてきた無機物のフィラーを含む層を形成することができる。このフィラーとしても、従来から用いられてきたチタン、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム等を単独もしくは複数用いた酸化物やリン酸化合物、またその表面が水酸化物等で処理されているものを用いることができる。また、このフィラー層の形成は、正極、負極、あるいはセパレータに、フィラー含有スラリーを直接塗布して形成する方法や、フィラーで形成したシートを、正極、負極、あるいはセパレータに貼り付ける方法等を用いることができる。
本発明の一局面の非水電解質二次電池は、例えば、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源で、特に高エネルギー密度が必要とされる用途に適用することができる。また、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)や電動工具のような高出力用途への展開も期待できる。
10…三電極式試験セル 11…負極 12…対極(正極)
13…セパレータ 14…測定槽 15…参照極
16…参照極槽 17…毛細管 18…非水電解液

Claims (6)

  1. 正極活物質を含む正極合剤層が形成された正極と、負極と、セパレータと、非水電解液とを備え、
    前記正極活物質は、組成式LiNi(1−y)(MはCo、Mn、Alの群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.9<x<1.2、0.3<y<1.0)で表されるニッケルを含むリチウム遷移金属複合酸化物であり、
    前記正極合剤層及び前記非水電解液の少なくとも一方はカップリング剤が含有されている、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記カップリング剤は下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
    Figure 2014149960
    (ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
  3. 前記カップリング剤は、前記正極活物質のモル量に対して、0.001モル%以上1モル%以下含有されている、請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記MはAlである、請求項2又は3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記R1及びR2は少なくとも一方がアルコキシ基である、請求項2〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記正極活物質は、比表面積が0.15〜1.5m/gである、請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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