JP2014148667A - 反応性アルキド界面活性剤及びそれらから製造される安定なエマルジョン - Google Patents

反応性アルキド界面活性剤及びそれらから製造される安定なエマルジョン Download PDF

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Abstract

【課題】アルキド樹脂を乳化する上で硬化コーティングからの移動、ブルーミング又は浸出を受けることがないアルキド界面活性剤を提供する。
【解決手段】、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、必要に応じて少なくとも1つのポリオールとの共重合により形成され、50%以下の分岐ポテンシャルを有する。安定なアルキドエマルジョンは、アルキド界面活性剤によるアルキド樹脂の乳化により形成されるアルキドエマルジョン。
【選択図】図1

Description

ポリエステル樹脂は、表面コーティングで広範囲に使用される周知の材料である。ポリエステルは、多塩基酸とポリオールとのエステル化の産物である。ポリエステルのコーティング用途としては、工業用木工塗装、缶及びコイルコーティング、工業用エナメル、家庭電化製品コーティング、及び焼付エナメルが挙げられる。
コーティング工業で使用される合成ポリエステル樹脂の最大のグループは、アルキド樹脂である。アルキド樹脂は、多塩基酸の残基(通常は二塩基酸)と、ポリオール(主として、少量のトリオール又はより高い官能性のポリオールを伴うジオール)と、一塩基性の脂肪酸残基と、を含む。アルキドは、エチレン性不飽和(しばしば多価不飽和)一塩基性の脂肪酸残基のアリル部位の酸化的架橋結合により硬化可能である。アルキドはまた、残りのカルボキシル又はヒドロキシル官能基の適切な架橋剤との反応により硬化され得る。
アルキドは、水溶性塗料並びに溶剤系塗料において幅広い用途が見られる。アルキドの水中油エマルジョンは、水溶性塗料に使用される。水中油エマルジョンは、直接法、又は逆エマルジョン法で形成され得る。逆エマルジョン法では、油中水エマルジョンがまず初めに形成され、次いで、水での更なる希釈によって、水中油エマルジョンに逆転される。乳化はアルキド分子のコア−シェル構造への組織化に関与し、これは乳化剤又は界面活性剤の使用により容易になる。界面活性剤は、疎水性セグメント、又は疎水性物質、及び親水性セグメント、又は親水性物質を含む両親媒性分子である。一般的に、界面活性剤は、硬化中にアルキドに化学的に結合しない。したがって、これらはコーティング膜を通して移動することができ、浸出することもある。界面活性剤の浸出は、水分及び腐蝕性化合物のコーティング膜への侵入を容易にする微視的ボイドを残す可能性がある。これが膜の劣化及び剥離をもたらす場合がある。ブルーミングとして知られるプロセスにおいて、コーティング膜の表面への界面活性剤の移動は、膜表面上の界面活性剤の薄層の存在によって、膜表面を艶消し及び/又は変色させる可能性がある。アルキドの乳化に関する現存の界面活性剤の移動、浸出、及びブルーミングの問題を考慮して、アルキドを乳化することが可能であり、安定なアルキドエマルジョンを形成し、かつコーティング膜の表面を移動せず、コーティング膜の表面から浸出せず、又はコーティング膜の表面をブルームしない界面活性剤が望ましい。
安定なアルキドエマルジョンを形成し、かつコーティング膜の表面を移動せず、コーティング膜の表面から浸出せず、又はコーティング膜の表面をブルームしないアルキド樹脂の乳化のための界面活性剤の必要性は、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、必要に応じて、少なくとも1つのポリオールと、の共重合反応により形成されるアルキド界面活性剤によって満たされ、ここでアルキド界面活性剤は、50%以下の分岐ポテンシャルを有し、この分岐ポテンシャルは、以下の等式により計算される。
Figure 2014148667
式中、「BP」は、パーセントの単位での分岐ポテンシャルであり、「a」は、分子当たり2つを超える反応基を有する多官能性モノマーの総当量であり、「b」は、全てのモノマーの総当量である。
別の実施形態は、アルキド樹脂とアルキド界面活性剤とを含む安定なアルキドエマルジョンである。
別の実施形態は、アルキド界面活性剤と、アルキド樹脂と、水と、必要に応じて塩基とを、20℃〜100℃未満の温度で混合することを含む、安定なアルキドエマルジョンを形成する方法である。
別の実施形態は、アルキド樹脂とアルキド界面活性剤とを含む、安定なアルキドエマルジョンを含むコーティング組成物である。
これらの及び他の実施形態は、以下に詳細に説明される。
本出願のより完全な理解のために、ここで、添付の図面に関連付けてなされる以下の説明が参照され、この図面は、アルキド界面活性剤(1)の特定の実施形態の化学構造の図であり、アルキド界面活性剤1から形成されたミセル構造(2)の図である。
本発明者は、アルキド樹脂の乳化のための、親水性物質及び疎水性物質を含むアルキド界面活性剤を開発した。アルキド界面活性剤の疎水性物質は、エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルを含有し、それ自体は、後続の硬化中に乳化されるアルキド樹脂と反応性を示す。アルキド界面活性剤は、アルキド樹脂を乳化する上で有効である。形成されるエマルジョンは安定であり、熟成時に「クリーム分離」を受けない、すなわち、水性連続相からのアルキド樹脂の分離及び水相の上部で油層の形成がない。更に、アルキド界面活性剤は酸化的硬化中にアルキド樹脂に化学的に結合するために、アルキド界面活性剤はコーティング膜の一体部分となる。このアルキド界面活性剤は、移動、浸出、又はブルーミングを受けない。アルキド界面活性剤で乳化されたアルキドは、硬化して、高光沢の膜を形成する。このアルキド界面活性剤は、移動、ブルーミング、又は浸出を受けないために、膜の完全性及び光沢は、コーティング組成物中のアルキド界面活性剤の存在によって悪影響を受けない。
操作例の場合、又は特に示された場合を除いて、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、ならびに反応条件等を指す全ての数字又は表現は、全ての場合に置いて用語「約」により修飾されるものと理解されるべきである。様々な数値範囲が本特許出願で開示される。これら範囲は連続的であるために、これらは最小値と最大値との間の全ての数値を包含する。別途明確に示されない限り、本出願で特定される様々な数値範囲は近似値である。同一の構成要素又は性質に向けられる全ての範囲の終点は、終点を含みかつ独立して組み合わせ可能である。
用語「a」及び「an」は、量の限定を示すものではなく、むしろ言及された項目の少なくとも1つの存在を示すものである。「又は、or」は「及び/又は、and/or」を意味する。本明細書で使用するとき、「これらの組み合わせ」は、列挙された要素の1つ以上を含み、必要に応じて、列挙されない類似の要素も共に含む。本明細書を通し任意に言及される「一実施形態」、「別の実施形態」、「ある実施形態」、及び「いくつかの実施形態」等は、実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特徴、構造、性質、及び/又は特性)が、本明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態には存在しても存在しなくてもよいことを意味する。これに加えて、記載された要素(複数可)は、任意の好適な方法で様々な実施形態において組み合わせることができると理解されるべきである。
化合物は、正式名称を使用して記載される。例えば、任意の指示された基により置換されない任意の位置は、指示されるような結合で、又は水素原子で満たされたその原子価を有することが理解される。2つの文字又は記号の間にないハイフン(「−」)は、置換基について結合箇所を示すために使用される。例えば、−CHOは、カルボニル基の炭素を通して結合される。用語「アルキル」は、特定数の炭素原子を有する分岐鎖又は直鎖の脂肪族炭化水素基の双方を包含する。アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル及びsec−ペンチル、n−ヘキシル及びsec−ヘキシル、n−ヘプチル及びsec−ヘプチル、並びにn−オクチル及びsec−オクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
アルキド界面活性剤は、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、必要に応じて、少なくとも1つのポリオールを共重合することにより形成され、ここでアルキド界面活性剤は、50%以下の分岐ポテンシャルを有し、この分岐ポテンシャルは、以下の等式により計算される。
Figure 2014148667
式中、「BP」は、パーセントの単位での分岐ポテンシャルであり、「a」は、分子当たり2つを超える反応基を有する多官能性モノマーの総当量であり、「b」は、全てのモノマーの総当量である。
アルキド界面活性剤は、アルキド界面活性剤分子当たり少なくとも1つの親水性基と、アルキド界面活性剤分子当たり少なくとも1つの疎水性物質とを含む。親水性基は、「親水性物質」とも呼ばれ、疎水性基は、「疎水性物質」とも呼ばれる。少なくとも1つのモノマーの親水性基は親水性物質であり、エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは疎水性物質である。図面は、アルキド界面活性剤の特定の実施形態の化学構造の図、及びアルキド界面活性剤から形成されたミセルの図である。図面を参照すると、親水性物質は、3と示した影のついた楕円形で特定され、疎水性物質は4と示した影のついた楕円形で特定される。
アルキド界面活性剤は、本質的に直線状であるか又は僅かに分岐状である。アルキド界面活性剤の直線性度、及び反対に分岐度は、その分岐ポテンシャルにより定量化され得る。分岐ポテンシャルは、以下の等式により計算される。
Figure 2014148667
式中、「BP」は、パーセントの単位での分岐ポテンシャルであり、「a」は、分子当たり2つを超える反応基を有する多官能性モノマーの総当量であり、「b」は、全てのモノマーの総当量である。アルキド界面活性剤は、50%以下の分岐ポテンシャルを有する。50%以下の分枝ポテンシャルを有するアルキド界面活性剤は、本質的に直線状、又は僅かに分岐状であると考えられ得る。これと比較して、樹枝状ポリマーは分析され、80%台及び90%台で分岐度を有することが示されている。アルキド界面活性剤の全てのモノマーが、一官能性及び二官能性である場合、分岐ポテンシャルは、必然的に0%になるであろう。これに反して、アルキド界面活性剤の全てのモノマーが3つ以上の官能基を有する場合、分岐ポテンシャルは必然的に100%になるであろう。多官能性モノマーの量が増加するにつれて、分岐ポテンシャルは増加する。
アルキド界面活性剤は、アルキド界面活性剤分子当たり、0〜5個の、0〜4個の、0〜3個の、0〜2個の、0〜1個の、又は0個の分岐点を含むことができる。低分岐度のアルキド界面活性剤と結合した同一のアルキド界面活性剤分子中の疎水性物質及び親水性物質の存在は、アルキド界面活性剤分子が、図で概略的に示した水中油ミセル2に自己集合することを可能にする。理論に縛られることなく、アルキド界面活性剤の低分岐度は、アルキド界面活性剤分子のより高い密度の充填を可能にし、したがって安定化効率を改善する。低分岐度のために、疎水性基は、ミセルの内部により緊密に充填することができ、親水性基はミセルの外部により緊密に充填することができる。
アルキド界面活性剤分子の一貫した直線性及び僅かな分岐性は、低い多分散性に関連する。多分散性は、数平均分子量で割った重量平均分子量(M/M)である。したがって、いくつかの実施形態では、アルキド界面活性剤は、4以下の、具体的には3以下の、より具体的には2以下の多分散性を有する。
少なくとも1つのモノマーは、親水性基を含む。親水性基は、ポリオキシアルキレン基、酸性基、無水物基及びこれらの組み合わせから選択される。理論に縛られることなく、親水性基は、図に示すようなミセルの形成を容易にすることにより、水中でアルキド界面活性剤を分散することに役立つ。親水性基がポリオキシアルキレン基である場合、アルキド界面活性剤の水中での分散は、ポリオキシアルキレン基への水の水素結合により影響を受ける。ポリオキシアルキレン基を含むモノマーから形成されたアルキド界面活性剤は、本明細書では非イオン性アルキド界面活性剤として定義される。親水性基が酸性基である場合、水中のアルキド界面活性剤の分散は、塩基との反応による酸性基のイオン化により影響を受ける。親水性基が無水物である場合、水中でのアルキド界面活性剤の分散は、隣接するジカルボン酸の半エステルを形成するためのポリオールとの反応による重合中の無水物基の開環によって影響を受ける。この反応中に形成される遊離カルボン酸は、塩基との反応によりイオン化される。親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、0〜6個の、具体的には0〜4個の、より具体的には0〜3個の、更により具体的には0〜2個の重合中反応性のあるヒドロキシル基を有することができる。いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーはジオールである。いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは多塩基酸又はヒドロキシル基を含まないカルボン酸無水物である。後者の実施形態では、カルボン酸基又はカルボン酸無水物基は、重合中反応性がある。カルボン酸無水物基又は酸性基を含むモノマーから形成されるアルキド界面活性剤は、本明細書では非イオン性アルキド界面活性剤として定義される。
少なくとも1つのモノマーは、親水性基としてポリオキシアルキレン基を含むことができる。いくつかの実施形態では、この親水性基は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン及びこれらの組み合わせから選択される。ポリオキシアルキレン基は、オキシアルキレン反復単位を含む。本明細書で使用するとき、用語「オキシアルキレン」とは、構造−OR−を有する反復単位を指し、式中Rはアルキレン基である。例えば、ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン基(−OCHCH−)、オキシプロピレン基(−OCHCH(CH)−)、オキシブチレン基(−OCHCH(CHCH)−)又は前述のオキシアルキレン基の少なくとも1つを含む組み合わせを含むことができる。少なくとも2つの異なるオキシアルキレン反復単位がポリオキシアルキレン基中に存在する場合、反復単位はランダムに整列されてランダムなポリオキシアルキレンコポリマーを形成することができるか、又はブロックで整列されてブロックポリオキシアルキレンコポリマーを形成することができる。ブロックポリオキシアルキレンコポリマーは、少なくとも2つの隣接するポリマーブロックを有し、ここでは第1のポリマーブロックは、同一のオキシアルキレン反復単位の少なくとも2つを含み、隣接するブロックは、少なくとも2つの他のオキシアルキレン反復単位を含む。
いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、一級アルコールアルコキシレートを含む。一級アルコールアルコキシレートは、構造
Figure 2014148667
を有することができ、式中、Xは三価のC−C12アルキル基であり、RはC−Cアルキル基であり、AOは、−OCHCH−、−OCHCH(CH)−、−OCHCH(CHCH)−及びこれらの組み合わせから選択されるオキシアルキレン基であり、mは1〜200、具体的には10〜100、より具体的には20〜80、更に夜具体的には20〜40である。オキシアルキレン単位の数「m」は平均値であり、非整数であり得る。
特定の実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、構造
Figure 2014148667
を有する一級アルコールアルコキシレートであり、
式中、nは15〜30である。この一級アルコールエトキシレートは、例えば、YMER(商標)N120として、Perstorp AB、Perstorp、スウェーデンから入手可能であり、1モルにつき約1,000g(g/モル)の数平均分子量を有する。
一級アルコールアルコキシレートは、対応する一級アルコールのエポキシド、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、又は1,2−エポキシブタンとのアルコキシル化により生成され得る。一級アルコールは、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、又はこれらの組み合わせであり得る。アルコキシル化は、アルカリ性触媒を使用して実行され得る。アルカリ性触媒は、水酸化物、炭酸塩、又はリチウム、カリウム、ナトリウム、及び/若しくはカルシウムなどの少なくとも1つのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のメチレート又はエチレートなどのアルコレートであり得る。アルカリ性触媒はまた、一級アルコールとリチウム、カリウム、ナトリウム、及び/又はカルシウム金属との反応によって、現場形成され得る。いくつかの実施形態では、一級アルコールアルコキシレートは、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、又はこれらの組み合わせのエトキシル化、プロポキシル化、ブトキシ化又はこれらの組み合わせにより形成される。
親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、親水性基として、カルボン酸無水物基又は酸性基を含むことができる。酸性基は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、及びこれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、多塩基酸、カルボン酸無水物、重合中反応性のある少なくとも1つのヒドロキシル基を含むカルボン酸、又はこれらの組み合わせを含む。多塩基酸は、少なくとも2つの酸性基を含む酸である。多塩基酸は、2つの酸性基を有する二塩基、3つの酸性基を有する三塩基、不飽和又は飽和、芳香族、脂肪族、又は脂環式、及び酸無水物の形態であり得る。多塩基酸は、多塩基酸の混合物を含むことができる。多塩基酸は、アルキド界面活性剤のガラス転移温度(T)に及ぼすその予想される影響に基づいて選択され得る。例えば、芳香族多塩基酸は、アルキド界面活性剤のTを上昇させることができる。芳香族多塩基酸ほど厳格ではないが、脂環式多塩基酸もまたアルキド界面活性剤のTを上昇させることができる。多塩基酸の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ジグリコール酸、クエン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、トリメリット酸、無水トリメリト酸、ビフェニルジカルボン酸、及びナフタレンジカルボン酸が挙げられる。多塩基酸は、ハロゲン化され得る。ハロゲン化多塩基酸の例としては、クロロマレイン酸、ブロモマレイン酸、クロロフマル酸、ブロモフマル酸、3,4,5,6,7,7−ヘキサクロロエンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、及び4−トリフルオロメチル安息香酸無水物が挙げられる。
いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、重合中反応性のある、少なくとも1つのヒドロキシル基、具体的には2つのヒドロキシル基を含むカルボン酸である。例としては、ジメチロールプロピオン酸及びジメチロールブタン酸が挙げられる。他の例としては、アルカノールアミン、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのカルボン酸無水物との反応産物が挙げられる。いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、又はこれらの組み合わせを含む。
アルキド界面活性剤は、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルの共重合により形成される。エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、アルキド界面活性剤において2つの目的を果たす。これは、アルキド界面活性剤の疎水性基を提供し、硬化中のアルキド樹脂に反応のためにエチレン性不飽和も提供する。エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、1つ以上のエチレン性不飽和を、具体的には2つ以上のエチレン性不飽和を含むことができる。エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、10個以上の、具体的には16〜24個の炭素原子を含むことができる。エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、乾性油として知られる天然油として利用可能である。乾性油の例としては、アマニ油(フラックスシード油)、キリ油、ケシの実油、エノ油、クルミ油、ココナッツ油、ヤシ油、綿実油、コムギ胚芽油、ダイズ油、オリーブ油、コーン油、ヒマワリ油、サフラワー油、大麻油、キャノーラ油、ピーナッツ油、イワシ油、及びこれらの組み合わせが挙げられる。エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、ラード、カモ脂肪、及びバターなどの食物性脂肪から誘導され得る。乾性油は、エチレン性不飽和酸又はエチレン性不飽和エステルの混合物を含むことができる。乾性油は、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、エルシン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、α−リノレン酸、ピノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサヘキサエン酸、又はこれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、オレイン酸又はリノレン酸を含む。
アルキド界面活性剤は、必要に応じて、少なくとも1つのポリオールでの共重合によって形成され得る。ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシル基を含む。ポリオールは、例えば、ジオール、トリオール、テトラオール、又はこれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、ポリオールは、ジオール及びトリオールを含む。第2のポリオールは、脂肪族、脂環式、又は芳香族であり得る。ポリオールは、アルキド界面活性剤のガラス転移温度(T)に及ぼすその予想される効果に基づいて選択され得る。ジオールであるポリオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,7−へプタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、及びビフェノールAが挙げられる。トリオールであるポリオールの例としては、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びトリメチロールブタンが挙げられる。より高い官能性ポリオールの例としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びソルビトールが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリオールは、トリメチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、又はこれらの組み合わせを含む。
アルキド界面活性剤は、必要に応じて、一塩基酸の共重合により形成され得る。有用な一塩基酸の例としては、安息香酸、tert−ブチル安息香酸及びペラルゴン酸が挙げられる。
いくつかの実施形態では、アルキド界面活性剤は、アニオン性アルキド界面活性剤であり、これは、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルの共重合により形成され、ここでは少なくとも1つのモノマーは、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、又はこれらの組み合わせを含む。このタイプのアニオン性アルキド界面活性剤の例としては、ジメチロールプロピオン酸ジオレエート及びジメチロールプロピオン酸ジリノレエートが挙げられる。
いくつかの実施形態では、アルキド界面活性剤は、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、少なくとも1つのポリオールの共重合により形成され、ここで親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、一級アルコールアルコキシレート、多塩基酸、カルボン酸無水物、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの分岐をアルキド界面活性剤に導入するために、少なくとも1つのポリオールは、少なくとも3つのヒドロキシル基を含むことができる。
エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルなどの一官能性成分は、キャッピング剤として機能することができ、アルキド界面活性剤の分子量を制限することができる。ほぼ等モル量のトリオールを添加すると、このアルキドの分子量に及ぼす影響に対抗することができる。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポリオールは、ジオール及びトリオールを含み、トリオール及びエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、0.8:1〜1:0.8のモル比で、具体的には0.9:1〜1:0.9のモル比で、より具体的には0.95:1〜1:0.95のモル比で存在する。
いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、構造
Figure 2014148667
を有する一級アルコールアルコキシレートを含み、
式中、nは15〜30であり、少なくとも1つのポリオールは、トリメチロールプロパン、及びシクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールから選択されるポリオール、並びにこれらの組み合わせを含み、エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、オレイン酸、リノール酸、これらのエステル、又はこれらの組み合わせを含み、かつアルキド界面活性剤は、4以下の多分散性を有する。
いくつかの実施形態では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーは、無水フタル酸、イソフタル酸、又はこれらの組み合わせを含み、少なくとも1つのポリオールはトリメチロールプロパン、並びにシクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、及びこれらの組み合わせから選択されるポリオールを含み、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルは、オレイン酸、リノール酸、これらのエステル、又はこれらの組み合わせを含み、かつアルキド界面活性剤は、4以下の多分散性を有する。
アルキド界面活性剤は、本明細書で共重合とも呼ばれる、一段階若しくは二段階のエステル化反応、又は一段階若しくは二段階の重縮合反応によって得ることができる。一段階反応では、親水性基を含む少なくとも1つのモノマーと、少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、必要に応じてポリオールとを、同時に共重合させ、その際、ポリオールの当量に対する反応性多塩基酸又はカルボン酸無水物の当量の比は、1未満、具体的には0.8〜1未満、より具体的には0.9〜0.99であり得る。二段階反応では、少なくとも1つのポリオールを、エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、次いで多塩基酸又はカルボン酸無水物と順番に反応させる。重縮合は、220〜255℃の温度で、12〜24時間にわたって行われ得るが、より高い又はより低い反応温度並びにより長時間又はより短時間の反応時間も使用され得る。二段階反応では、第1の工程は220〜250℃の温度で行うことができ、第2の工程は、225〜255℃の温度で行うことができる。重縮合は、重縮合で発生した水の共沸除去のために、水と共沸混合物を形成する溶媒、例えば、キシレンの還流温度で行うことができる。重縮合は一般的に、溶媒の沸点を超える温度で行うために、5重量%(wt%)以下の、具体的には0wt%超〜5wt%以下の溶媒が使用され得る。重縮合は、不活性雰囲気下(例えば、二酸化炭素又は窒素下)で行うことができる。
エステル化触媒は、アルキド界面活性剤の調製で使用され得る。エステル化触媒の例としては、水酸化テトラブチルアンモニウム、モノブチルスズオキシド、ジブチルスズオキシド、水酸化メチルトリブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムアセテート、水酸化テトラブチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムフェノレート、リサージ、チタンアルコキシド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
重合度は、粘度の上昇により、又は重縮合反応混合物の酸価の減少により監視され得る。酸価が高くなるにつれて、未反応カルボン酸含量が高くなり、かつ重合度が低くなる。
アルキド界面活性剤は、溶媒の存在下で、両親媒性のコア−シェルポリマー構造を形成することができる。溶媒は疎水性、親水性であり得るか、又は親水性溶媒と疎水性溶媒との組み合わせを含むことができる。親水性溶媒は、水、アルコールなどの酸素化有機溶媒、又は前述の親水性溶媒の少なくとも1つを含む混合物を含むことができる。疎水性溶媒は、液体脂肪族炭化水素、液体芳香族炭化水素、又は前述の疎水性溶媒の少なくとも1つを含む混合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、溶媒は水を含む。コア−シェルポリマー構造は、ミセル(球形又は非球形)、小胞、リポソーム、二重層、チューブ(例えば、ウォーム状ミセル)、及びこれらの組み合わせなどの異なる構造を取ることができる。溶媒がより疎水性の溶媒である場合、アルキド界面活性剤は、親水性物質がコア中で組織化されるコア−シェルポリマー構造を形成することができる。溶媒がより親水性の溶媒である場合、アルキド界面活性剤は、コア内に組織化された疎水性物質を含むコア−シェルポリマー構造を形成することができる。コア−シェルポリマー構造は、主にミセルであり得る。
アルキド界面活性剤は、安定なアルキドエマルジョンの調製に有用である。したがって、いくつかの実施形態では、安定なアルキドエマルジョンは、アルキド樹脂とアルキド界面活性剤とを含む。アルキド樹脂の例としては、ポリオール、無水フタル酸、及びアマニ油、大豆油、及びキリ油などのエチレン性不飽和乾性油の共重合によって形成されたものが挙げられる。アルキド樹脂は、必要に応じてビニルモノマーをアルキド上にグラフト化することにより修飾され、ビニル化アルキドを形成することができる。ビニル化アルキドの例としては、アクリル/アルキド又はスチレン/アクリルアルキドが挙げられる。アルキド樹脂は、例えば、「URALAC(商標)」の商品名で、DSM(Royal DSM N.V.、Heerlen、オランダ)から市販されている。市販のアルキド樹脂の例としては、URALAC(商標)AD132、及びDeltech Resin Co.、Newark、NJから入手可能なDELTECH 300−70Mが挙げられる。アルキド界面活性剤の上記の変形の全ては、安定なアルキドエマルジョンで使用されるアルキド界面活性剤にうまく適用する。
アルキドエマルジョンの安定性の1つの尺度は、分散したアルキド樹脂相の体積平均粒径である。一般的に、分散したアルキド樹脂相の体積平均粒径が低くなればなるほど、アルキドエマルジョンはより安定である。したがって、いくつかの実施形態では、安定なアルキドエマルジョンは、1.5マイクロメートル以下、具体的には1マイクロメートル以下、より具体的には0.5マイクロメートル以下、更により具体的には0.2マイクロメートル以下の体積平均粒径を備えるアルキド粒子の単分散分布を含む。いくつかの実施形態では、安定なアルキドエマルジョンは、0.5マイクロメートル以下の体積平均粒径を備えるアルキド粒子の単分散分布を含む。
安定なアルキドエマルジョンの有利な特徴は、有機溶媒が安定なアルキドエマルジョンを調製するために必要とされないことである。したがって、有機溶媒は、必要に応じて安定なアルキドエマルジョンから排除され得る。したがって、いくつかの実施形態では、安定なアルキドエマルジョンは、安定なアルキドエマルジョンの総重量に基づいて、2重量パーセント以下の、具体的には1重量パーセント以下の、より具体的には0.5重量パーセント以下の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は排除される。
特定の実施形態は、アルキド樹脂と、構造
Figure 2014148667
を有する一級アルコールアルコキシレートの共重合により形成されたアルキド界面活性剤と、を含む安定なアルキドエマルジョンであり、
式中、nは15〜30であり、これは1,4−シクロヘキサンジメタノールとトリメチロールプロパンの組み合わせ;テレフタル酸;オレイン酸又はリノレン酸であり、ここでトリメチロールプロパンとオレイン酸又はリノレン酸は、0.8:1〜1:0.8のモル比で存在し、かつアルキド界面活性剤は2以下の多分散性を有する。
安定なアルキドエマルジョンは、アルキド界面活性剤と、アルキド樹脂と、水と、必要に応じて塩基とを20℃〜100℃未満の温度で混合することにより形成され得る。第1のポリオールの親水性基が酸性基である場合、塩基を使用することが望ましい。この塩基は、酸性基の共役塩基の塩(これは酸性基それ自体よりもより親水性である)を形成することにより酸性基を中和するために役立つ。アルキド界面活性剤と、アルキド樹脂と、水と、任意の塩基とを混合する2つの方法があり、これらは直接法と逆エマルジョン法である。直接法では、アルキド界面活性剤が水及び任意の塩基に加えられ、加熱される。加熱された樹脂は、次いで加熱されたアルキド界面活性剤、水、及び任意の塩基の混合物に、高剪断混合条件下で直接的に添加される。水が乳化プロセスを通して連続性を形成すると、位相反転は起こらない。逆エマルジョン法では、アルキド界面活性剤がアルキド樹脂に添加され、加熱される。加熱された水及び任意の塩基がアルキド界面活性剤−アルキド樹脂混合物に加えられる。添加の最初の段階では、油中水エマルジョンが形成される。アルキド樹脂に対する水の比が増加するに連れて、エマルジョンは油中水エマルジョンから水中油エマルジョンへと逆転し、これが粘度の大きな減少を伴う。水は両方法で使用され、乳化は、一般的に大気圧で行われるために、混合は100℃以下で行われ、アルキド樹脂が混合温度で流体であることが望ましい。
安定なアルキドエマルジョンを形成する方法の有利な特徴は、有機溶媒がエマルジョンを調製するために必要とされないことである。したがって、有機溶媒は、必要に応じてこの方法から排除され得る。したがって、いくつかの実施形態では、安定なアルキドエマルジョンの総重量に基づいて、2重量パーセント以下の、具体的には1重量パーセント以下の、より具体的には0.5重量パーセント以下の有機溶媒が使用される。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、この方法から排除される。
安定なアルキドエマルジョンは、コーティング組成物中で結合剤として使用され得る。したがって、いくつかの実施形態では、コーティング組成物は、安定なアルキドエマルジョンを含む。安定なアルキドエマルジョンの上記の変形の全ては、コーティング組成物の安定なアルキドエマルジョンにうまく適用する。
コーティング組成物は、必要に応じて、アルキドの酸化的架橋結合のための触媒を含むことができる。アルキドは、大気中の酸素の存在下で酸化的架橋結合、自動酸化反応を行う。アルキド樹脂上の反応基は、−CH=CHCHCH=CH−の構造を有するアリル基又はジアリル基である。アリル基及びジアリル基のアリル水素原子又はジアリル水素原子は、それぞれ酸素と反応し、アルキドポリマー鎖の間で架橋結合を形成する。自動酸化は、「ドライヤー」と呼ばれる多価金属の有機塩により触媒され得る。ドライヤーの例としては、ナフテン酸コバルト、及びマンガンタレート(manganese tallate)が挙げられる。ドライヤーの別の例としては、Cytec Industries、West Patterson、ニュージャージー州から入手可能なADDITOL VXW4940が挙げられる。
コーティング組成物は、必要に応じて、アルキド樹脂以外の水性ポリマー分散液を含むことができる。水性ポリマー分散液は、必要に応じて、ビニルモノマーのエマルジョン重合によって製造されるポリマーであり得る。水性ポリマー分散液の例としては、アクリルポリマー、スチレン/アクリルポリマー、酢酸ビニルポリマー、酢酸ビニル/アクリルポリマー、エチレン/酢酸ビニルポリマー、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニルポリマー、ポリウレタン分散液(PUD)、及びポリアミドが挙げられる。前述の水性ポリマー分散液の少なくとも1つを含む組み合わせが使用され得る。エマルジョンポリマーは、RGOPLEX(商標)及びPRIMAL(商標)の商品名で、Rohm and Hass Company、Philadelphia、PAから市販されている。
コーティング組成物は、必要に応じて着色剤を含むことができる。着色剤は、顔料又は染料であり得、無機又は有機であり得る。無機着色剤の例としては、ゲータイト、レピドクロサイト、ヘマタイト、マグヘマイト、及びマグネタイトなどの酸化鉄顔料、酸化クロム顔料、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、及びカドミウムシナバーなどのカドニウム顔料、ビスマスバナデート及びビスマスバナデートモリブデートなどのビスマス顔料、コバルトチタネートグリーンなどの混合金属酸化物顔料、クロムイエロー、モリブデートレッド、モリブデートオレンジなどのクロメート顔料及びモリブデート顔料、ウルトラマリン顔料、酸化コバルト顔料、ニッケルアンチモンチタネート、クロム酸鉛、紺青顔料、及びカーボンブラックが挙げられる。
有機着色剤の例としては、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、アゾ顔料レーキ、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアゾ縮合顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン及びイソインドリン顔料、多環式顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アンタントロン顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、及びジケトピロロピロール顔料が挙げられる。前述の有機着色剤の少なくとも1つを含む組み合わせが使用され得る。
着色剤粒子は、10ナノメートル(nm)〜50マイクロメートルの、具体的には20nm〜5マイクロメートルの、より具体的には40nm〜2マイクロメートルの平均粒径を有することができる。深い色合いの塗料又はパステルのためには、着色剤の量は、全結合剤固形量に基づいて0.01〜20wt%であり得る。
コーティング組成物は、特殊効果顔料を含むことができる。特殊効果顔料の例としては、金属効果顔料(アルミニウム、銅、酸化銅、青銅、ステンレス鋼、ニッケル、亜鉛、及び黄銅など)、透明効果顔料、真珠光沢顔料、発光顔料(蛍光及びリン光を呈する)、熱変色性顔料、フォトクロミック顔料、及び前述の特殊効果顔料の少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。虹色の効果を生じる真珠光沢顔料は、高屈折率材料でコーティングされた低屈折率材料のプレートレットを含む。発光顔料は、白熱になることなく、好適な励起の際に光(可視光、IR又はUV)を放射する材料である。蛍光は発光顔料が励起下で発光する場合に生じた視覚的効果である。リン光は、励起が生じた後の光の放射により発光顔料が放射する場合に生じた視覚的効果である。熱変色性顔料は、熱曝露時に色を変化させる。フォトクロミック顔料は、紫外線曝露時に色を変化させる。
コーティング組成物は、充填剤と呼ばれる場合がある、エクステンダーを含むことができる。エクステンダーは、コーティング組成物に主要な色特性又は隠蔽性(不透明度)を付与することがない無機固体であるが、エクステンダーはこれら特性に寄与することができる。エクステンダーの例としては、酸化アルミニウム及び酸化ケイ素などの金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、雲母、粘土、焼成粘土、長石、霞石閃長岩、ケイ灰石、ケイ藻土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミナ、タルク、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
エクステンダー粒子は、エクステンダー粒子の長軸に沿って測定した場合、10nm〜50マイクロメートルの、具体的には10nm〜20マイクロメートルの、より具体的には10〜1000nmの、更により具体的には10〜500nmの平均粒径を有することができる。全結合剤固体量に基づくエクステンダーの総量は、10wt%以下、具体的には0.01〜10wt%、より具体的には0.01〜5wt%、更により具体的には0.01〜2wt%であり得る。
コーティング組成物は、必要に応じてポリマーの不透明粒子の分散液を含むことができ、これは乾燥しているときに1つ以上のボイドを含む。かかる空隙粒子は、当該技術分野では「不透明ポリマー」と呼ばれることが多い。不透明ポリマーは、エクステンダーとして機能することができる。不透明ポリマーは、その中でコアが酸含有モノマーに由来するコア−シェルポリマー粒子を形成するための水性多段階エマルジョン重合により形成することができる。ポリマー粒子のボイドは、水性塩基を添加することにより生成され得、この水性塩基がシェルを貫通しコアを膨潤させる。この膨潤は、シェルの内周の孔へのコアの外周の部分吸収を伴い、シェル及び全粒子全体の部分的拡張又は隆起も伴う。塩基が乾燥により除去される場合、コアの収縮がボイドを発生させ、このサイズは、シェルの前のサイズへの修復に対するシェルの抵抗に依存する。不透明ポリマーは、Rohm and Hass Co.、Philadelphia、PAからROPAQUE(商標)として市販されている。
コーティング組成物は、必要に応じて、ボイド又は小胞を含有しないポリマー及び無機粒子を含むことができる。ポリマー粒子の例としては、ポリスチレン粒子、ポリ塩化ビニル粒子、Fluoro−Seal Inc.、Houston、TXからVISTAMER UH 1500及びVISTAMER HD 1800として市販されているポリエチレン粒子、Pierce and Stevens Corp.、Buffalo、NYからDUALITE 27として市販されている、CaCOでコーティングされたポリ塩化ビニリデンコポリマー粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられる。無機粒子の例としては、Silbrico Corp.、Hodgikins、ILからSIL−CELL35/34として市販されているナトリウムカリウムケイ酸アルミニウム粒子、Trelleborg Fillite Inc.、Norcross GAからFILLITTE 150として市販されているセラミック球状粒子、Cataphote Inc.からMICROBEADS 4Aとして市販されているソーダ石灰粒子、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
コーティング組成物は、必要に応じてマイクロスフェアを含むことができる。マイクロスフェアの例としては、Expancel Inc.、Duluth、GAからEXPANCEL 551 DE20として市販されている、アクリロニトリル/塩化ビニル膨張粒子、Potter Industries Inc.、Valley Forge、PAからSPHERICELLとして市販され、かつNew Metals & Chemicals Ltd.からECCOSPHEREとして市販されている中空ガラス球体、3M、St.Paul MNからZ−LIGHT Sphere W−1200として市販されているセラミック中空球体、3M、St.Paul MNからSCOTCHLITE K46として市販されているガラスバブル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
コーティング組成物は、必要に応じて、接着促進剤、着色剤、顔料、エクステンダー、ドライヤー、硬化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、湿潤剤、溶媒、共溶媒、融合助剤、不凍剤、緩衝剤、中和剤、増粘剤、レオロジー改質剤、保湿剤、殺生物剤、可塑剤、消泡剤、蛍光増白剤、光安定剤、UV吸収剤、熱安定化剤、抗酸化剤、殺生物剤、キレート剤、ワックス、撥水剤、感光性化合物、フラッシュ錆防止剤、腐食防止剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるコーティング添加剤を含むことができる。
コーティング組成物の固体含量は、10〜85体積%であり得る。コーティング組成物の粘度は、Brookfield粘度計を使用して測定した場合、50センチポイズ〜50,000センチポイズであり得る。様々な塗布方法に適切な粘度は、顕著に変動し得る。
コーティング組成物は、固体添加剤が十分に分散するまで、高剪断条件下で、分散剤を含む水性媒体中で、固体添加剤、例えば顔料及びエクステンダーをまず初めに混合することによって調製され得る。高剪断条件は、例えば、COWLES ミキサーにより提供され得る。固体添加剤の得られた分散液は、「グラインド(摩砕)」、又は「顔料グラインド(摩砕)」と呼ばれる。総じて「レット・ダウン」と呼ばれる、所望のコーティング固体を達成するための安定なアルキドエマルジョン、任意の他の水性ポリマー分散液、任意の添加剤、及び十分な水は、低剪断混合条件下で、グラインドに添加され得る。もう1つの方法として、グラインドをレット・ダウンに添加することができる。
コーティング組成物は、ブラッシング、ローリング、及び噴霧からなる群から選択される方法によって、表面に塗布することができる。吹付け法の例としては、霧化エアースプレー、エアアシスト噴霧、無気噴霧、高容量低圧噴霧、及びエアアシスト無気噴霧が挙げられる。他の塗布法は、コーキングガン、ロールコータ、及びカーテンコータによるものである。コーティング組成物は、プラスチック、木材、金属、下塗り表面(primed surface)、事前塗装面、風化塗装面、ガラス、紙、ボール紙、皮、複合体、及びセメント基材からなる群から選択される基材に塗布することができる。乾燥は、例えば、0〜35℃などの周囲条件下で行うことができるが、より高い温度、空気流、低湿度、音波エネルギー、若しくは、化学線エネルギー、例えば電子ビーム、UV、可視光、赤外線、又はマイクロ波放射によって加速することができる。
以上の説明により、当業者であれば、本明細書の記載を用いて、本発明を利用することができると考える。以下の実施例は、特許請求の範囲を実行する当業者に更なるガイダンスを提供するために含まれるものである。したがって、実施例は、いかなる方法によっても本発明を限定することを意図していない。
実施例
実施例及び比較実施例を含める詳細な説明で使用される標準的略語を、表1にまとめる。
Figure 2014148667

Figure 2014148667
試験法
分岐ポテンシャルの計算
分岐ポテンシャルは、以下の等式により計算される。
Figure 2014148667
式中、「BP」は、パーセントの単位での分岐ポテンシャルであり、「a」は、分子当たり2つを超える反応基を有する多官能性モノマーの総当量であり、「b」は、全てのモノマーの総当量である。樹状ユニット、末端ユニット、及び線形ユニットの測定された数に基づいて、分岐度を説明するためにNMRを利用する分析法は、C.J.Hawker、R.Lee、J.M.J.Frechet著、J.Am.Chem.Soc.113、4583、1991に記載されている。
粒径分析
粒径を、サンプル供給システムとしてUniversal Liquid Moduleを備えたCOULTER LS(商標)13−320 粒径分析器(Beckman Coulter、Inc.、Brea、CA)を使用して決定した。このシステムは、ISO13−320標準に従う。利用したソフトウェアバージョンは、Version 6.01であった。全ての測定に関する分析条件は、1.332の流体屈折率、1.5のサンプル実屈折率、及び0.0のサンプル仮想屈折率であった。偏光強度回折散乱(polarization intensity differential scattering(PIDS))オプションを作動させて、これを使用して粒径情報を生成した。体積平均粒径を測定し、マイクロメートルで記録した。Coulter LATRON(商標)300LSラテックス標準物質を使用して、粒径分析器を補正した。
分子量分析
分子量及び多分散性を、Agilent 1100シリーズ屈折率検出器を装備したAgilent 1100シリーズLCシステムでのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した。サンプルを、約1mg/mLの濃度でHPLCグレードのTHF中に溶解し、2本のPLGel 300×7.5mm Mixed Cカラム(5mm、Polymer Laboratories,Inc.)を通した注入の前に、0.20μmのシリンジフィルターを通して濾過した。1mL/分の流速及び35℃の温度を維持した。これらのカラムを、狭い分子量分布のポリスチレン標準物質(EasiCal PS−2、Polymer Laboratories,Inc.)で補正した。
アルキド樹脂合成
予備実施例1〜3
アルキド樹脂の3つのロットを、以下の方法で調製した。反応器への最初の充填は、174gのTMP、425gのPE、2351gの大豆油、及びDBTO触媒(1000ppm)であった。これらを窒素ブランケット下で、232℃の内部温度まで4時間にわたって加熱し、アルコール分解工程を完了し、モノグリセリドを形成するまで保持した。メタノール中のモノグリセリド安定性が陽性を示した後に、内部温度を150〜160℃に低下させた。次いで、反応器を開き、950gのIPA及び220mLのキシレンを充填した。この反応器を220℃まで3時間にわたって加熱した。この時点で、充填カラムを取り外し、酸価をチェックした。酸価は、50/50のキシレンン/イソプロパノール溶媒混合物中の0.1NのKOH滴定からのフェノールフタレイン終点を基準とした。樹脂産物は透明になり、もはや曇りがなく、20mg KOH/gの酸価を有した。内部温度を、酸価が10近辺に至るまで、220〜225℃で保持した。次いでオイルバスの温度を下げ、反応器を急速に冷やし、更なる反応を停止させた。3つのロットについての最終的酸価は、それぞれ6.6、11.8、及び9.3mg KOH/gであった。数平均分子量及び多分散性(Mn/PDI)を(THF対PEG標準で)GPCにより測定し、2000/4.3〜2650/2.8の範囲であった。溶媒はアルキドに添加しなかった。
予備実施例4
反応器への最初の充填は、749.7gのヒマワリ油、660.1gのTMP、1.5gのMBTO、及び1.5gのDBTOであった。これらを窒素ブランケット下で、232℃の内部温度まで4時間にわたって加熱し、アルコール分解工程を完了し、モノグリセリドを形成するまで保持した。メタノール中のモノグリセリドの溶解度が陽性を示した後に、内部温度を150〜160℃に低下させた。次いで、反応器を開き、144.0gの安息香酸及び750.0gの無水フタル酸を充填した。この反応器を220℃まで3時間にわたって加熱した。この時点で、充填カラムを取り外し、酸価をチェックした。酸価は、50/50のキシレンン/イソプロパノール溶媒混合物中の0.1NのKOH滴定からのフェノールフタレイン終点を基準とした。樹脂産物は透明になり、もはや曇りがなく、11.6mg KOH/gの酸価を有した。内部温度を、酸価が10近辺に至るまで、220〜225℃で保持した。次いでオイルバスの温度を下げ、反応器を急速に冷やし、更なる反応を停止させた。最終的酸価は、10.4mg KOH/gであった。(THF対PEG標準で)GPCにより測定した場合、分子量及び多分散性(Mn/PDI)は、1800/3.41であった。溶媒はアルキドに添加しなかった。
予備実施例5
A315インペラ及び全縮器に通じる加熱カラムを装備した、ステンレス鋼の、10ガロン用量の、循環式オイルジャケット付きの強力な冷却機能を有する反応器中で、アルキド樹脂を調製した。内部からの全ての周囲空気を流し出した後に、3.5L/分の窒素スパージを使用して、プロセス全体を通して反応器内の僅かに陽圧の窒素雰囲気を維持した。反応の完了時に、反応器を窒素陽圧下で排出させた。ヒマワリ油(7500g)を55ガロンのドラムからバケツに移し、空の反応器にまず初めに充填した。混合を開始し、TMP(6730g)及び触媒(MBTO及びDBTOそれぞれ15g)を混合しながら加えた。加熱を、220℃の反応器ジャケット設定値で開始した。TMP及びヒマワリ油を、設定温度で一晩(8時間)トランスエステル化させ、平衡レベルのモノグリセリドを得た。この平衡点で、陽圧窒素雰囲気下で撹拌すると同時に、反応器ジャケット温度設定値を170℃まで低下させた。安息香酸(1440g)及び無水フタル酸(7500g)を別々に計量し、窒素をパージしたショットタンク(shot tank)を使用して、頂部にあるポート開口部を通して撹拌反応器に充填した。次いで設定値温度を220℃まで上昇させた。反応の進行を、KOHでのフェノールフタレイン終点への滴定による酸価の測定によって監視した。目標の酸価は10mg KOH/gであった。測定した酸価が目標値に近づいた時に、反応器を冷却し、120℃以下の温度で、酸価の最終値までの酸価の最終的変動を可能にした。温度が220℃から130℃まで変動するに連れて、反応の進行は緩慢になり、最終的に停止した。酸価における変動は1mg KOH/g未満であった。反応器内容物が140℃以下まで一旦冷却したら、下部ポートを開き、空気境界面での酸化的硬化を回避するために、陽窒素圧下で、反応器を窒素下で並べられたスチール製の55ガロンのドラムに排出させた。
アルキド界面活性剤合成
実施例1:低分岐ポテンシャルを有するアニオン性アルキド界面活性剤(DMPA ジオレエート)
DMPAをオレイン酸と反応させ、アルキド樹脂の分散に有用であるアニオン性アルキド界面活性剤を生成した。窒素雰囲気下で、30.5gのDMPA(0.227モル)、128.2gのオレイン酸(0.454モル)、及びDBTO(0.1%)を、頭上撹拌機及び短経路蒸留ヘッドを通して放出するシステム上の乾燥窒素スイープを装備した3首250mL丸底フラスコに充填した。このフラスコを、窒素下で190℃まで加熱させたオイルバス中に配置した。30分以内では、混合物は透明であり、縮合物が見えた。目標のAVは85mg KOH/gであり、これはオレイン酸の完全な消費及びDMPAカルボン酸官能基が未反応のままで残ることを意味する。DMPA二級カルボン酸基は、190℃以下の温度で、オレイン酸一級カルボン酸基よりも反応性が低いことが予想された。この温度で4時間後に、AVは104.5mg KOH/gであった。反応器を低下した温度(180℃)で一晩加熱した。翌朝、AVは、目標の値に近い81.5mg KOH/gになり、フラスコの内容物を流出させた。GPCクロマトグラムでは、主ピークの高分子量側上のショルダーは、一部のオリゴマー化が生じたことを示した。オリゴマー化は、カルボン酸基を介するDMPAの自己反応により起こる。分子量及び多分散性(M/PDI)は、(THF対PEG標準で)GPCにより測定した場合、1100/1.06であった。DMPAオレエートについての理論上のMは694である。このアルキド界面活性剤は、疎水性基及び親水性基の双方を有する。エステル化オレイン酸基は、疎水性物質として役立ち、未反応のDMPAカルボン酸基は、アミン又は無機塩基で中和され、親水性基として役立つことができる。
DMPAオレエートは、(0.277/0.681)当量の、又は33%の理論上の分岐ポテンシャルを有する。この値は、いずれのDMPAカルボン酸基も反応しないと仮定する理論的限界値である。DMPAカルボン酸基の反応性(二級、妨害性)対オレインカルボン酸基の反応性(一級、非妨害性)において差があるために、反応の終結時に測定される酸価の大部分が、DMPAの未反応カルボン酸基に由来し、未反応脂肪酸に由来しないことが予想される。このことは、DMPAが三官能性モノマーよりはむしろ二官能性モノマーとして作用するために、計算されるよりも低い分岐ポテンシャルをもたらす。したがって、実際の分岐ポテンシャルは、33%の理論上の値よりも低いことが予想される。
実施例2:低分岐ポテンシャルを有するアニオン性アルキド界面活性剤(DMPAジリノレエート)
オレイン酸について同一モル量のリノール酸(0.454モル)で置き換える、SA−1の調製のための手順は、以下の通りであった。(同量のDMPA(0.227モル)及びスズ触媒(DBTO 0.10%)を使用した。)反応物を、頭上撹拌機及び短経路蒸留ヘッドを通して放出するシステム上の乾燥窒素スイープを装備した250mL丸底フラスコに充填した。フラスコを190℃のオイルバス中に24時間配置し、90mg KOH/gの最終酸価を生じた。Mは890であり、Mは1200であり、並びにPDIは1.35であった。計算した分岐ポテンシャルは(0.227/0.681)当量、又は33%であった。DMPAオレエートに関して上述したように、実際の分岐ポテンシャルは、33%の理論上の値よりも低いことが予想される。
実施例3:低分岐ポテンシャルを有する非イオン性アルキド界面活性剤
5.0Lの4首の二部構成反応器(2−piece reactor)に、500.0gのUNOXOL(商標)ジオール(3.47モル)、300.0gのTMP(2.24モル)、800.00gのYMER(商標)N−120非イオン性ジオール(0.80モル)、800.0gの無水フタル酸(5.40モル)、及び400.0gのリノール酸(PAMOLYN(商標)200、1.43モル)を充填した。このフラスコは、105℃で設定された分縮器、全縮器、機械的撹拌機、及び窒素入口が装備されていた。材料を乾燥窒素でパージし、撹拌しながら200℃まで加熱した。反応を8時間継続し、縮合の水を回収した。次いで、酸価が6mg KOH/gになるまで、温度を更に3時間の間に150℃まで低下させた。この時点で、材料を流出させ、冷却した。最終酸価は5.9mg KOH/gであり、Mは1900であり、Mは3900であり、かつPDIは2.07であった。この界面活性剤アルキドは、6.71/27.47、又は24%の分岐ポテンシャルを有する、直鎖状の非イオン性、低分子量アルキド界面活性剤である。この界面活性剤アルキドの理想化学構造が図に提供されている。
実施例4:低分岐ポテンシャルを有するアニオン性アルキド界面活性剤
20.0gのUNOXOL(商標)ジオール(0.14モル)、19.0gのTMP(0.14モル)、80.0gのNPG(1.54モル)、152.0gの無水フタル酸(1.03モル)、及び90.0gのリノール酸(PAMOLYN(商標)200、1.43モル)の混合物を、窒素下、200℃で8時間にわたって撹拌した。温度を150℃まで低下させ、酸価が28mg KOH/gの近辺になるまで撹拌を続けた。最終酸価は25〜30mg KOH/gであり、Mは約1900であり、かつPDIは約2〜3であった。このアルキド界面活性剤は、適切な塩基で中和して、単独で又は実施例3のアルキド界面活性剤と組み合わせて使用することができる。これは、0.425/4.612、又は9%の分岐ポテンシャルを有する。
比較実施例1:高分岐ポテンシャルを有する非イオン性アルキド樹脂
ヒマワリ油(1750g)、350gのYMER(商標)N−120(0.350モル)、725gのPE(0.140モル)、3.75gのMBTO、及び3.75gのDBTOを、95℃の設定値を有するヒートパックコンデンサ(heated packed condenser)、機械的撹拌機、熱電対、及び窒素入口を装備した5Lの3首丸底フラスコ中に配置した。反応混合物を210℃で8時間加熱し、次いで室温まで冷却した。無水フタル酸(600g、4.05モル)、400gのイソフタル酸(2.41モル)、及び50mLのキシレンを加えた。このコンデンサを、Friedrichsコンデンサ上に載せたDean−Starkトラップで置き換え、反応混合物を220℃で加熱した。約11.0の酸価に到達するまで、反応を進行させた。このアルキド界面活性剤は、21.3/34.917、又は61%の分岐ポテンシャルを有する。ヒマワリ油は、計算には含まれなかった。ヒマワリ油が計算に含まれる場合、分岐ポテンシャルは、58%までわずかに減少する。この計算では、ヒマワリ油は、1.98モルのグリセリン及び5.96モルの脂肪酸を反応に提供すると仮定された。
エマルジョンの調製
実施例5:実施例1のアニオン性アルキド界面活性剤による予備実施例3のアルキド樹脂の乳化
9.3mg KOH/gの酸価を有し、無溶媒の予備実施例1のアルキド樹脂を、50℃まで加熱し、ローターステーターミキサーに15g/分の速度で供給した。DMEA溶液(水中25wt%)を1.4g/分の速度で汲み上げ、5.0g/分の速度で汲み上げた追加の水及び1.2g/分の速度で汲み上げた実施例1のアルキド界面活性剤と混合し、ミキサーに注入し、エマルジョンを生成した。ミキサー速度を約1300rpmに設定した。エマルジョンの固体含量の体積平均粒径(直径)は0.33マイクロメートルであった。この高内相エマルジョンは、73wt%の固体含量を有した。エマルジョンの100部当たり水を22部で添加することにより、エマルジョンを希釈し、これによって、約60wt%の固体含量を有し、かつスピンドル#2を備えるBrookfield粘度計を使用して、20rpm及び21℃で測定した場合に、1000cP未満の粘度を有するアルキド分散液を形成した。
実施例6:実施例2のアニオン性アルキド界面活性剤による予備実施例3のアルキド樹脂の乳化
実施例2のアルキド界面活性剤(150g)を、2350gのDELTECH 300−70M(9.0mg KOH/gの酸価及び3650のMを有する、大豆油由来の長油アルキド)と混合した。この混合物を50℃まで加熱し、15g/分の速度でローターステーターミキサー中に供給した。水酸化アンモニウム(28wt%)を0.22g/分の速度で供給し、3.5g/分の速度で汲み上げた追加の水と混合し、ミキサーに注入してエマルジョンを生成した。ミキサー速度を、約1300rpmに設定した。エマルジョンの固体含量の体積平均粒径(直径)は1.2マイクロメートルであった。この高内相エマルジョンは、80wt%の固体含量を有した。このエマルジョンを第2のローターステーターミキサーに供給し、約500rpmで運転するミキサーに10.5g/分で追加の水を注入することによって希釈し、これによって、約50wt%の固体含量を有し、かつスピンドル#2を備えるBrookfield粘度計を使用して、20rpm及び21℃で測定した場合に、650cPの粘度を有する本発明のアルキド分散液を形成した。
実施例7:実施例3の非イオン性アルキド界面活性剤による予備実施例4のアルキド樹脂の乳化
予備実施例4のアルキド樹脂を70℃まで約3〜4時間加熱し、樹脂を溶融し、実施例3のアルキド界面活性剤と、80:20のアルキド樹脂:界面活性剤の質量比で予め混合した。混合物をローターステーターミキサーに、15g/分の速度で供給した。水酸化アンモニウム(28wt%)を0.139g/分の速度で供給し、7.0g/分の速度で汲み上げた追加の水と混合し、ミキサーに注入してエマルジョンを生成した。ミキサー速度を、約1300rpmに設定した。このエマルジョンは、68wt%の固体含量を有した。エマルジョンの100部当たり水を32部で添加することにより、このエマルジョンを更に希釈し、これによって、約51wt%の固体含量を有するアルキド分散液を形成した。
24%の分岐ポテンシャルを有する、実施例3の非イオン性アルキド界面活性剤から製造されたエマルジョンの固体含量の体積平均粒径(直径)は0.162マイクロメートルであった。この0.5マイクロメートル未満の小さい粒径は、安定なエマルジョンを示す。これと比較して、61%の分岐ポテンシャルを有する比較実施例1の非イオン性アルキド界面活性剤から製造された比較実施例2のエマルジョンは、1マイクロメートルを超える粒径を有し、これは不安定なエマルジョンを示す。
実施例8:実施例3の非イオン性アルキド界面活性剤による予備実施例4のアルキド樹脂の繰り返し乳化
予備実施例4のアルキド樹脂を70℃まで約3〜4時間加熱し、樹脂を溶融し、実施例3のアルキド界面活性剤と、80:20のアルキド樹脂:界面活性剤の質量比で予め混合した。混合物をローターステーターミキサーに、15g/分の速度で供給した。水酸化アンモニウム(28wt%)を0.139g/分の速度で供給し、6.5g/分の速度でミキサーに投入した追加の水と混合し、エマルジョンを生成した。ミキサー速度を、約1300rpmに設定した。このエマルジョンは、70wt%の固体含量を有した。エマルジョンの100部当たり水を36部で添加することにより、このエマルジョンを更に希釈し、これによって、約51wt%の固体含量を有するアルキド分散液を形成した。
24%の分岐ポテンシャルを有する、実施例3の非イオン性アルキド界面活性剤から製造されたエマルジョンの固体含量の体積平均粒径(直径)は0.189マイクロメートルであった。この0.5マイクロメートル未満の小さい粒径は、安定なエマルジョンを示す。これと比較して、61%の分岐ポテンシャルを有する比較実施例1の非イオン性アルキド界面活性剤から製造された比較実施例2のエマルジョンは、1マイクロメートルを超える粒径を有し、これは不安定なエマルジョンを示す。
比較実施例2:比較実施例1の非イオン性アルキド界面活性剤による予備実施例5のアルキド樹脂の乳化
予備実施例5のアルキド樹脂を70℃まで約3〜4時間加熱し、樹脂を溶融し、比較実施例1のエトキシル化アルキド樹脂と、80:20のアルキド樹脂:界面活性剤の質量比で予め混合し、ローターステーターミキサーに、15g/分の速度で供給した。水酸化アンモニウム(28wt%)を0.142g/分の速度で供給し、9.0g/分の速度でミキサーに投入した追加の水と混合し、エマルジョンを生成した。ミキサー速度を、約1300rpmに設定した。このエマルジョンは、62wt%の固体含量を有した。エマルジョンの100部当たり水を21部で添加することにより、エマルジョンを更に希釈し、これによって、約51wt%の固体含量を有するアルキド分散液を形成した。
61%の分岐ポテンシャルを有する、比較実施例1の非イオン性アルキド界面活性剤から製造されたエマルジョンの固体含量の体積平均粒径(直径)は1.021マイクロメートルであった。この1マイクロメートルを超える比較的大きな粒径は、不安定なエマルジョンを示す。これと比較して、24%の分岐ポテンシャルを有する実施例3の非イオン性アルキド界面活性剤から製造された実施例7及び実施例8のエマルジョンは、それぞれ0.162及び0.189マイクロメートルの粒径を有し、これは安定なエマルジョンを示す。これら結果は、50%以下の分岐ポテンシャルを有するアルキド界面活性剤が、50%を超える分岐ポテンシャルを有するアルキドよりも良好なアルキド樹脂乳化剤であることを示す。
比較実施例3:比較実施例1の非イオン性アルキド樹脂の乳化
比較実施例1のエトキシル化アルキド樹脂を70℃まで約3〜4時間加熱し、樹脂を溶融し、ローターステーターミキサーに、15g/分の速度で供給した。水酸化アンモニウム(28wt%)を0.161g/分の速度で供給し、14.0g/分の速度でミキサーに投入した追加の水と混合し、エマルジョンを生成した。ミキサー速度を、約1300rpmであった。この分散液は、約51wt%の固体含量を有した。分散液の固体含量の平均粒径(直径)は0.717マイクロメートルであった。この0.5マイクロメートルを超える比較的大きな粒径は、不安定なエマルジョンを示す。この結果は、比較実施例2の結果と共に、50%を超える分岐ポテンシャルを有するエトキシル化アルキド樹脂が、アルキド樹脂を乳化するための非イオン性アルキド界面活性剤としての使用に不適切であるばかりでなく、単独で使用される場合、これらは安定なエマルジョンを形成することができないことも示している。

Claims (24)

  1. アルキド界面活性剤であって、
    親水性基を含む少なくとも1つのモノマーと、
    少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、
    必要に応じて、少なくとも1つのポリオールと、の共重合により形成されるアルキド界面活性剤であり、
    前記アルキド界面活性剤が、50%以下の分岐ポテンシャルを有し、前記分岐ポテンシャルが、以下の等式

    Figure 2014148667
    により計算され、
    式中、「BP」が、パーセントの単位での前記分岐ポテンシャルであり、「a」が分子当たり2つを超える反応性基を有する多官能性モノマーの総当量であり、「b」が全てのモノマーの前記総当量である、アルキド界面活性剤。
  2. 分子当たり0〜5個の分岐点を含む、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  3. 前記アルキド界面活性剤が、4以下の多分散性を有する、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  4. 前記親水性基が、ポリオキシアルキレン基、酸性基、無水物基、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  5. 前記親水性基が、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  6. 前記モノマーが、一級アルコールアルコキシレートを含む親水性基を含む、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  7. 前記一級アルコールアルコキシレートが、構造

    Figure 2014148667
    を有し、
    式中、Xが三価のC−C12アルキル基であり、RはC−Cアルキル基であり、AOが、−OCHCH−、−OCHCH(CH)−、−OCHCH(CHCH)−及びこれらの組み合わせから選択されるオキシアルキレン基であり、mは1〜200である、請求項6に記載のアルキド界面活性剤。
  8. 前記一級アルコールアルコキシレートが、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、及びこれらの組み合わせから選択される一級アルコールのエトキシル化、プロポキシル化、ブトキシ化、又はこれらの組み合わせにより形成される、請求項6に記載のアルキド界面活性剤。
  9. 前記一級アルコールアルコキシレートが、構造

    Figure 2014148667
    を有し、
    式中、nが15〜30である、請求項6に記載のアルキド界面活性剤。
  10. 前記親水性基が、カルボン酸無水物基又はカルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、及びこれらの組み合わせから選択される酸性基である、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  11. 親水性基を含む前記少なくとも1つのモノマーが、多塩基酸、カルボン酸無水物、重合中反応性のある少なくとも1つのヒドロキシル基を含むカルボン酸、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  12. 親水性基を含む前記少なくとも1つのモノマーが、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  13. 親水性基を含む前記少なくとも1つのモノマーと、
    前記少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、の共重合により形成され、
    前記少なくとも1つのモノマーが、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  14. 親水性基を含む前記少なくとも1つのモノマーと、
    前記エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルと、
    前記少なくとも1つのポリオールと、の共重合により形成され、
    親水性基を含む前記少なくとも1つのモノマーが、一級アルコールアルコキシレート、多塩基酸、カルボン酸無水物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  15. 前記少なくとも1つのポリオールが、少なくとも3つのヒドロキシル基を含む、請求項14に記載のアルキド界面活性剤。
  16. 前記少なくとも1つのポリオールがトリオールを含み、前記トリオール及び前記エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルが、1:2〜1:2のモル比で存在する、請求項15に記載のアルキド界面活性剤。
  17. 親水性基を含む前記少なくとも1つのモノマーが、構造
    Figure 2014148667
    を有する一級アルコールアルコキシレートを含み、
    式中、nが15〜30であり、
    前記少なくとも1つのポリオールが、トリメチロールプロパン並びにシクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、及びこれらの組み合わせから選択されるポリオールを含み、
    前記エチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルが、オレイン酸、リノール酸、これらのエステル、又はこれらの組み合わせを含み、
    前記アルキド界面活性剤が、4以下の多分散性を有する、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  18. 親水性基を含む前記少なくとも1つのモノマーが、無水フタル酸、イソフタル酸、又はこれらの組み合わせを含み、
    前記少なくとも1つのポリオールが、トリメチロールプロパン並びにシクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、及びこれらの組み合わせから選択されるポリオールを含み、
    前記少なくとも1つのエチレン性不飽和脂肪酸又はエチレン性不飽和エステルが、オレイン酸、リノール酸、これらのエステル、又はこれらの組み合わせを含み、かつ
    前記アルキド界面活性剤が、4以下の多分散性を有する、請求項1に記載のアルキド界面活性剤。
  19. 安定なアルキドエマルジョンであって、
    アルキド樹脂と、
    請求項1に記載の前記アルキド界面活性剤と、を含む安定なアルキドエマルジョン。
  20. 前記安定なアルキドエマルジョンの全重量に基づいて、2重量%以下の有機溶媒を含む、請求項19に記載の安定なエマルジョン。
  21. 500ナノメートル以下の体積平均粒径を有するアルキド粒子の単分散分布を含む、請求項16に記載の安定なアルキド。
  22. 請求項1に記載の前記アルキド界面活性剤、アルキド樹脂、水、及び必要に応じて塩基を、20℃〜100℃未満の温度で混合することを含む、安定なアルキドエマルジョンを形成する方法。
  23. 前記安定なアルキドエマルジョンの前記全重量に基づいて、2重量%未満の有機溶媒が使用される、請求項22に記載の安定なアルキドエマルジョンを形成する方法。
  24. 請求項19に記載の前記安定なアルキドエマルジョンを含む、コーティング組成物。
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