JP2014148445A - 一酸化炭素製造用のガス化炉、並びに一酸化炭素の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コークスと二酸化炭素とを反応させて一酸化炭素を生じさせる吸熱反応、つまり二酸化炭素をコークス酸化用の酸化剤として使用し、従来と比較して多量の二酸化炭素を一酸化炭素製造プロセスの原料として利用可能なガス化炉を提供すること。
【解決手段】本発明に係るガス化炉は、一酸化炭素を製造するためのものであり、横方向に延びる炉内空間を有する炉本体と、炉本体の基端側に設けられており、炉本体内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する原料供給部と、原料供給部から炉本体内に導入された粉コークスをガス化して一酸化炭素を発生させるバーナーと、炉本体の先端側に設けられており、炉本体内から一酸化炭素含有ガスとともに灰分を排出する排出口とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るガス化炉は、一酸化炭素を製造するためのものであり、横方向に延びる炉内空間を有する炉本体と、炉本体の基端側に設けられており、炉本体内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する原料供給部と、原料供給部から炉本体内に導入された粉コークスをガス化して一酸化炭素を発生させるバーナーと、炉本体の先端側に設けられており、炉本体内から一酸化炭素含有ガスとともに灰分を排出する排出口とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は一酸化炭素製造用のガス化炉、並びに一酸化炭素の製造装置及び製造方法に関し、より詳細には一酸化炭素を経済的に製造するとともに、その製造過程において二酸化炭素の排出量を抑制する技術に関する。
一酸化炭素は、種々の化学品の原料として使用されており、例えば、メタノールとの反応による酢酸合成、塩素との反応により生成するホスゲンを中間原料として各種イソシアネート類の合成、ポリカーボネート樹脂の合成、プロピレンとの反応によるブタノールの合成などに使用されている。
従来、一酸化炭素の製法として、天然ガス、LPG又は炭化水素油等を水蒸気改質あるいは部分酸化をして水素と一酸化炭素の混合ガスを製造した後、深冷分離法又は圧力スイング吸着法で一酸化炭素を分離するという方法が知られている。しかし、深冷分離法は、一酸化炭素を液化するために混合ガスを−192℃程度の温度に冷却しなければならず、その深冷を得るための圧縮機に多大な電力が必要であること、一酸化炭素よりも沸点が低い物質は更に精製が必要であり、プロセスが長くなることなどの欠点がある。圧力スイング吸着法は、脱着のための真空ポンプに多大な電力が必要なこと、また、脱着側が一酸化炭素となるので、洗浄、パージ等の工程が必要となり、機器構成が複雑になるという欠点がある。これらの方法はいずれも、多大な電力を消費するという点で間接的ではあるものの、二酸化炭素を大量に排出するプロセスである。
一酸化炭素の上記製法以外に、炭素を酸素と二酸化炭素の混合ガスでガス化して一酸化炭素を製造する方法が知られている。特許文献1には、水冷式発生炉で一酸化炭素を製造する方法が記載されている。当該文献に記載の発明においては、発生炉に炭素を充填し、この炭素を酸素及び二酸化炭素の混合ガスでガス化して一酸化炭素を製造する。特許文献2には、縦型炉を使用し、コークスから一酸化炭素を製造する方法が開示されている。当該文献に記載の発明においては、縦型炉の上部からコークス及び融点降下剤(例えば石灰石等)を装入し、縦型炉下部の羽口から酸素及び二酸化炭素を供給して一酸化炭素の生成反応を行わせる。
コークスと二酸化炭素を反応させると下記式(a)の反応が生じ、他方、コークスと酸素を反応させると下記式(b)の反応が生じる。式(a)の右向きの反応は炭素(コークス)から一酸化炭素を得るものであり吸熱反応であるのに対し、式(b)の反応はコークスの燃焼反応であり発熱反応である。コークスは水素を実質的に含まないので、これを部分酸化すれば水素を分離する工程を実施することなく高純度の一酸化炭素を製造することができる。
ところで、特許文献1,2の技術はいずれも炉内に塊コークスで火格子を形成し、塊コークスを燃焼させてCOを製造している(式(b)の反応)。この燃焼反応に伴う過度の温度上昇を抑制するため、局所的に二酸化炭素を導入して式(a)の吸熱反応を生じさせることは従来から知られている。しかし、この場合、二酸化炭素は吸熱のために補助的に使用されるに過ぎず、例えば高炉ガスから二酸化炭素を多量に分離回収しても十分な量の二酸化炭素を一酸化炭素の製造に利用できず、余剰分を大気に放散せざるを得ない状況となっていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、コークスと二酸化炭素とを反応させて一酸化炭素を生じさせる吸熱反応、つまり二酸化炭素をコークス酸化用の酸化剤として使用し、従来と比較して多量の二酸化炭素を一酸化炭素製造プロセスの原料として利用可能なガス化炉、並びに一酸化炭素の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来の塊コークスをガス化するというコンセプトを改め、二酸化炭素を一酸化炭素に転換するというコンセプトに立脚し、効率的且つ安価な一酸化炭素の製造プロセスについて検討を行った。具体的には、原料として使用するコークスの種類を見直し、これまでに使用されてきた塊コークスに代えて、取り扱いがやっかいで安く売却されていた平均粒径0.3mm未満の粉コークスの使用を検討した。また、プロセスのマテリアルバランス、熱バランスなどについて分析を行った結果、従来の縦型炉に代えて、横型炉を採用することが有用であることを見出し、以下の本発明の完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るガス化炉は、一酸化炭素を製造するためのものであり、横方向に延びる炉内空間を有する炉本体と、炉本体の基端側に設けられており、炉本体内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する原料供給部と、原料供給部から炉本体内に導入された粉コークスをガス化して一酸化炭素を発生させるバーナーと、炉本体の先端側に設けられており、炉本体内から一酸化炭素含有ガスとともに灰分を排出する排出口とを備える。
本発明によれば、コークスから一酸化炭素を効率的に製造できる。原料として塊コークスよりも比表面積が大きい粉コークスを採用したため、短い時間のうちに反応が平衡に達し、炉本体内の滞留時間を比較的短く設定できる。ここでいう粉コークスとは平均粒径が3mm以下のコークスを意味し、粉コークスの平均粒径はJIS K0069に規定された方法(ふるい分け試験方法)によって測定された粒子径分布から算出される値を意味する。なお、塊コークスは製銑用に使用するために製造され、他方、粉コークスは塊コークスを製造する際に望ましくない副生品として又はコークスドライクエンチング装置より排出されてくるものであるので、一般に粉コークスの方が塊コークスより安価である。
本発明において、炉内空間が横方向に延びる横型の炉本体を採用したことで、灰分を必ずしも溶融させなくてもダスト状の灰分をガスとともに排出口を通じて炉本体の外に排出できる。これにより、ガス化炉内の温度条件を低温化(例えば1250℃以下)でき、また融点降下剤を使用しなくてもよいという利点がある。また、スラグ(灰分の溶融物)を排出するための機構が縦型のガス化炉には必須であるが、本発明のガス化炉にあっては当該機構を炉本体に必ずしも設置しなくてもよく、炉の構造を簡略化できるとともに、当該機構の操作に伴う圧力変更を解消でき高圧条件での連続運転が容易となるという利点もある。
本発明は、二酸化炭素をコークス酸化用の酸化剤として利用するものであり(式(a)の反応)、酸素の一部を二酸化炭素が代替する。このため、プロセスに必要な酸素の量を削減でき、酸素を製造するためのエネルギー及びコストを節減できる。また、天然ガス等を改質するプロセスを経て一酸化炭素を製造する技術と比較しても、深冷分離や圧力スイング吸着などのプロセスが不要なため、エネルギー及びコストを節減できる。
上記原料供給部は、粉コークスを二酸化炭素で気流輸送して炉本体内に供給する粉コークス供給管を有してもよい。当該供給管により、炉本体内に粉コークスを連続的に供給でき、プロセスを高圧且つ大容量処理により適したものにすることができる。これに対し、塊コークスを使用した場合には、炉本体内への装入が間歇式とならざるを得ない。
上記原料供給部は二重管構造を有し、内側の管が上記粉コークス供給管であり、外側の管の内面と粉コークス供給管の外面とによって画成される流路を通じて二酸化炭素と酸素の混合ガスが炉本体内に供給される構成であってもよい。これにより、原料供給部の構成をコンパクトにできる。また、二重管の先端にバーナーを設けてもよく、これにより、原料が炉本体内に供給された直後から反応を進行せしめることが可能となる。
上記ガス化炉は、炉本体内であって排出口の手前に設けられた障壁を更に備えてもよい。障壁は少なくとも炉本体内の内側底面との間に灰分が通過する隙間が形成されるように設けられていることが好ましい。上記障壁がいわゆる邪魔板の役割を果たし、ガス化が十分になされていない粉コークスがそのまま排出口から排出されるのを抑制できる。また、炉本体内の内側底面に堆積した灰分は、障壁と炉本体内の内側底面との間の隙間を通過し、その後、排出口から排出できる。
本発明は上記ガス化炉を使用した一酸化炭素の製造方法を提供する。すなわち、本発明に係る一酸化炭素の製造方法は、上記ガス化炉の原料供給部から炉本体内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する工程と、炉本体内において粉コークスをガス化させて一酸化炭素を発生させる工程と、炉本体内から一酸化炭素含有ガスとともに灰分を排出させる工程とを備える。
上記一酸化炭素の製造方法によれば、コークスから一酸化炭素を効率的に製造できる。塊コークスと比較して比表面積が大きい粉コークスを使用するため、短い時間のうちに反応が平衡に達し、炉本体内の滞留時間を比較的短く設定できる。
本発明において、炉本体内の温度を1250℃以下としてもよい。上記式(a)の反応は可逆反応であり且つ右向きの反応は吸熱反応である。この反応は、大気圧付近の低圧では950℃以上でほとんど平衡は右側に行き、圧力4.0MPaG付近の高圧では1250℃以上でほとんど平衡は右側に行く。式(a)の吸熱反応及び式(b)の発熱反応の組み合わせ、すなわち、二酸化炭素、粉コークス及び酸素の供給割合をある一定の割合に保つと、950〜1250℃の範囲の任意の温度で97体積%以上の純度の一酸化炭素を製造できる。コークスの灰分の融点は一般に1350℃以上であることから、炉内温度を950〜1250℃の範囲に維持すれば、灰分を溶融させることなく、通常のダストの状態のまま炉本体から排出させることができる。なお、一酸化炭素含有ガス中の灰分は炉本体の下流側に設けられた集塵機で取り除けばよい。
本発明において、炉本体内への原料の供給量は、粉コークス1kgあたり、二酸化炭素が0.43〜0.65Nm3であり且つ酸素が0.60〜0.75Nm3とすることができる。
本発明は上記ガス化炉を備えた一酸化炭素の製造装置を提供する。本発明に係る一酸化炭素の製造装置は、上記ガス化炉と、ガス化炉の下流側に設けられた廃熱回収設備及び集塵機とを備える。当該装置は、一酸化炭素の純度を高めるための酸性ガス吸収塔を更に備えてもよい。
本発明によれば、二酸化炭素をコークス酸化用の酸化剤として使用し、従来と比較して多量の二酸化炭素を一酸化炭素製造プロセスの原料として利用可能なガス化炉、並びに一酸化炭素の製造装置及び製造方法が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<ガス化炉>
図1は本実施形態に係るガス化炉を示す断面図である。同図に示すガス化炉10は粉コークス及び二酸化炭素を主原料として一酸化炭素を製造するためのものである。ガス化炉10は、炉本体1と、原料供給部3と、バーナー6と、排出口8とを備える。炉本体1は、横方向に延びる炉内空間1aを有し、外側が断熱材1bで覆われている。炉本体1の基端側(図1の左側)に原料供給部3が設けられ、先端側(図1の右側)に排出口8が設けられている。ガス化炉10は、上記のとおり、粉コークスを原料とし、横方向に延びる炉内空間1aを有することから、横型噴流床ガス化炉とも称すべき炉である。炉本体1の内容積は滞留時間に応じて設定すればよく、例えば炉内滞留時間9秒程度となる容積にすればよい。
図1は本実施形態に係るガス化炉を示す断面図である。同図に示すガス化炉10は粉コークス及び二酸化炭素を主原料として一酸化炭素を製造するためのものである。ガス化炉10は、炉本体1と、原料供給部3と、バーナー6と、排出口8とを備える。炉本体1は、横方向に延びる炉内空間1aを有し、外側が断熱材1bで覆われている。炉本体1の基端側(図1の左側)に原料供給部3が設けられ、先端側(図1の右側)に排出口8が設けられている。ガス化炉10は、上記のとおり、粉コークスを原料とし、横方向に延びる炉内空間1aを有することから、横型噴流床ガス化炉とも称すべき炉である。炉本体1の内容積は滞留時間に応じて設定すればよく、例えば炉内滞留時間9秒程度となる容積にすればよい。
原料供給部3は、炉本体1内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給するためのものである。図2に示すとおり、原料供給部3は多重管構造を有し、最も内側の管(粉コークス供給管)3aを通じて粉コークスが二酸化炭素で気流輸送して炉本体1内に供給される。粉コークスを気流輸送することで、炉本体1内に粉コークスを連続的に供給でき、プロセスを高圧且つ大容量処理により適したものにすることができる。
管3aの外側には管3bが設けられている。管3aの外面とその外側の管3bの内面とによって画成される流路を通じて二酸化炭素と酸素の混合ガスが炉本体1内に供給される。本実施形態においては、管3bの外側に更に管3c,3dが設けられており、管3bの外面とその外側の管3cの内面とによって画成される流路、並びに、管3cの外面とその外側の管3dの内面とによって画成される流路に冷却水を循環させて原料供給部3を冷却できるようになっている。なお、炉本体1の基端側には、原料供給部3の他に、温度センサを装着するためのノズル等が設けられている(図1参照)。
本実施形態においては、多重管の先端がバーナー6となっており、炉本体1内に導入された粉コークスを当該箇所でガス化して一酸化炭素を発生させることができる。つまり、原料が炉本体1内に供給された直後から上記式(a)及び(b)の反応が進行する。炉本体1内のガス(一酸化炭素含有ガス)は、一定時間にわたって炉本体1内に滞留した後、灰分を伴って排出口8から排出される。
ガス化炉10は、図1に示すとおり、炉本体1内であって排出口8の手前に設けられた障壁7を備える。図3は炉本体1内に設けられた障壁7を示す断面図である。障壁7は炉本体1内の内側底面1cとの間に灰分が通過する隙間7aが形成されるように設けられている。障壁7は、いわゆる邪魔板の役割を果たし、ガス化が十分になされていない粉コークスがそのまま排出口8から排出されるのを抑制する。炉本体1内の内側底面1cに堆積した灰分は、天地の地側の隙間7aを通過し、その後、排出口8から排出される。本実施形態においては、障壁7の上流側と下流側との圧力差が過剰に大きくならないように、図3に示すとおり、側方及び上方にもそれぞれ隙間7bが設けられている。障壁7は耐火性を有する材料(キャスタブル耐火物等)からなる。
ガス化炉10は、図1に示すような脚1d又は台座(図示せず)を有する。内側底面1cの地上から高さを高くすることでガス化炉10から集塵機30に至る配管を水平又は下向きに設定でき、配管内におけるダストの体積を抑制できる。
本実施形態によれば、炉内空間1aが横方向に延びる横型の炉本体1を採用したことで、灰分を必ずしも溶融させなくてもダスト状の灰分をガスとともに排出口8を通じて炉本体1の外に排出できる。これにより、ガス化炉10内の温度条件を低温化(例えば1250℃以下)でき、また融点降下剤を使用しなくてもよいという利点がある。また、ガス化炉10にあってはスラグを排出する機構を炉本体1に必ずしも設置しなくてもよく、炉の構造を簡略化できるとともに、当該機構の操作に伴う圧力変更を解消でき高圧条件での連続運転が容易となる。
<一酸化炭素製造装置>
図4は、ガス化炉10を備えた一酸化炭素の製造装置を模式的に示す構成図である。同図に示すとおり、一酸化炭素製造装置50は主にガス化炉10と、ガス化炉10の下流側に設けられた廃熱回収設備20及び集塵機30と、集塵機30の下流側に設けられた酸性ガス吸収塔40と、酸性ガスの吸収液を再生させる再生装置45とを備える。酸性ガス吸収塔40は、製品一酸化炭素ガス中に同伴する二酸化炭素及び硫化水素を吸収・除去する機能を持つ。本実施形態においては、高炉ガスから酸性ガスである二酸化炭素を分離し、この二酸化炭素を原料として使用する。したがって、一酸化炭素製造装置50は高炉ガスから二酸化炭素を回収するための第2の酸性ガス吸収塔42を備える。なお、第2の酸性ガス吸収塔42で使用した吸収液も再生装置45で再生できるようになっている。
図4は、ガス化炉10を備えた一酸化炭素の製造装置を模式的に示す構成図である。同図に示すとおり、一酸化炭素製造装置50は主にガス化炉10と、ガス化炉10の下流側に設けられた廃熱回収設備20及び集塵機30と、集塵機30の下流側に設けられた酸性ガス吸収塔40と、酸性ガスの吸収液を再生させる再生装置45とを備える。酸性ガス吸収塔40は、製品一酸化炭素ガス中に同伴する二酸化炭素及び硫化水素を吸収・除去する機能を持つ。本実施形態においては、高炉ガスから酸性ガスである二酸化炭素を分離し、この二酸化炭素を原料として使用する。したがって、一酸化炭素製造装置50は高炉ガスから二酸化炭素を回収するための第2の酸性ガス吸収塔42を備える。なお、第2の酸性ガス吸収塔42で使用した吸収液も再生装置45で再生できるようになっている。
再生装置45において吸収液から分離された二酸化炭素は、配管L1を通じて原料供給部3(管3a)に供給される。配管L1は途中で分岐しており、分岐したL2を通じて原料供給部3(管3b)に二酸化炭素が供給される。図4に示すとおり、酸素は配管L3を通じて配管L2内に供給される。粉コークスは配管L4を通じて配管L1内に供給され、二酸化炭素によってガス化炉10内へと気流輸送される。廃熱回収設備20及び集塵機30で回収された粉コークスの少なくとも一部を配管L5を通じて配管L1に返送してリサイクルしてもよい。余剰な粉コークスは配管L6から系外に排出される。
一酸化炭素製造装置50は、以下の付帯設備を必要に応じて具備してもよい。付帯設備の例としては、水クエンチャー、サイクロン(高温状態でダストを粗除去して廃熱回収設備20のダスト負荷を低減するためのもの)、スチームスーパーヒーター、原料二酸化炭素ガス予熱器、原料酸素ガス予熱器、蒸気発生器及びエコノマイザーなどが挙げられる。
<一酸化炭素の製造方法>
上述の一酸化炭素製造装置50を使用して一酸化炭素を製造する方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、主に、ガス化炉10の原料供給部3から炉本体1内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する工程と、炉本体1内において粉コークスをガス化させて一酸化炭素を発生させる工程と、炉本体1内から一酸化炭素含有ガスとともにダスト状の灰分を排出させる工程とを備える。更に、当該方法においては、高炉ガスに含まれる酸性ガスである二酸化炭素を分離する工程(酸性ガス吸収塔42)、ガス化炉10から排出される一酸化炭素含有ガスから廃熱を回収(廃熱回収設備20)するとともにダストを除去(集塵機30)する工程、一酸化炭素含有ガスから二酸化炭素及び硫化水素を分離する工程(酸性ガス吸収塔40)及び酸性ガスを吸収した吸収液を再生させる工程(再生装置45)などを必要に応じて実施する。
上述の一酸化炭素製造装置50を使用して一酸化炭素を製造する方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、主に、ガス化炉10の原料供給部3から炉本体1内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する工程と、炉本体1内において粉コークスをガス化させて一酸化炭素を発生させる工程と、炉本体1内から一酸化炭素含有ガスとともにダスト状の灰分を排出させる工程とを備える。更に、当該方法においては、高炉ガスに含まれる酸性ガスである二酸化炭素を分離する工程(酸性ガス吸収塔42)、ガス化炉10から排出される一酸化炭素含有ガスから廃熱を回収(廃熱回収設備20)するとともにダストを除去(集塵機30)する工程、一酸化炭素含有ガスから二酸化炭素及び硫化水素を分離する工程(酸性ガス吸収塔40)及び酸性ガスを吸収した吸収液を再生させる工程(再生装置45)などを必要に応じて実施する。
本実施形態において使用する粉コークスの平均粒径は上記のとおり3mm以下である。粉コークスの平均粒径は好ましくは0.5mm以下であり、より好ましくは0.3mm以下である。平均粒径が3mm以下であればガス化反応が十分に進行する。粉コークスを使用するため、短い時間のうちに反応が平衡に達し、ガス化炉10内の滞留時間を比較的短く設定できる。ガス化炉10内におけるガスの滞留時間は好ましくは4〜9秒であり、より好ましくは6〜9秒である。
ガス化炉10内への原料の供給量は、粉コークス1kgあたり、二酸化炭素が0.43〜0.65Nm3(より好ましくは0.5〜0.6Nm3)であり且つ酸素が0.60〜0.75Nm3(より好ましくは0.65〜0.70Nm3)とすることができる。本実施形態に係る方法は、二酸化炭素をコークス酸化用の酸化剤として利用するものであり(式(a)の反応)、酸素の一部を二酸化炭素が代替する。このため、プロセスに必要な酸素の量を削減でき、酸素を製造するためのエネルギー及びコストを節減できる。
ガス化炉10の炉本体1内の温度は、操作圧力に応じて選べばよい。例えば、操作圧力が大気圧であれば950℃、4.0MPaGであれば1250℃程度が好ましい。上記温度圧力条件に設定することで、二酸化炭素を分離除去する処理を施さなくても97体積%以上の純度の一酸化炭素を製造することができる。また、コークスの灰分の融点は一般に1350℃以上であることから、温度を1250℃以下に維持することで、灰分を溶融させることなく、通常のダストの状態のままガス化炉10から排出させ、後段の集塵機30で取り除くことができる。なお、ここでいう炉本体1内の温度は、ガス化炉10が安定的に運転している状況において炉内空間1aの平均的な温度を意味する。この平均的な温度は図1のノズル1eに装着した温度センサ(例えば熱電対)を用いて障壁7の上流側近傍を測定した値とすることができる。
上記実施形態によれば、二酸化炭素をコークス酸化用の酸化剤として使用し、従来と比較して多量の二酸化炭素を一酸化炭素製造プロセスの原料として利用できる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、特に好ましい態様として、粉コークスを二酸化炭素で気流輸送してガス化炉10に供給する場合を例示したが、気流輸送以外の方法でガス化炉10内に粉コークスを導入してもよい。また、原料供給部3は必ずしも多重管構造を有していなくてもよく、例えば別々に設けられた配管を通じて原料ガス(二酸化炭素及び酸素)をガス化炉10に導入してもよい。更に、上記実施形態においては、高炉ガスから分離した二酸化炭素を原料として使用する場合を例示したが、天然ガスやその他のガスから分離した二酸化炭素、あるいは、プラントから排出される二酸化炭素を原料として使用してもよい。また、製品COガスに求められる純度が高くない場合、例えばCO純度が97体積%程度でよい場合、酸性ガス吸収塔40及びこれを用いる処理工程は不要としてもよい。
1…炉本体、1a…炉内空間、1c…炉本体の内側底面、3…原料供給部、3a…内側の管、3b…管3aの外側の管、6…バーナー、7…障壁、7a,7b…隙間、8…排出口、10…ガス化炉、20…廃熱回収設備、30…集塵機、40,42…二酸化炭素吸収塔、50…一酸化炭素製造装置。
Claims (9)
- 一酸化炭素を製造するためのガス化炉であって、
横方向に延びる炉内空間を有する炉本体と、
前記炉本体の基端側に設けられており、前記炉本体内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する原料供給部と、
前記原料供給部から前記炉本体内に導入された粉コークスをガス化して一酸化炭素を発生させるバーナーと、
前記炉本体の先端側に設けられており、前記炉本体内から一酸化炭素含有ガスとともに灰分を排出する排出口と、
を備える、ガス化炉。 - 前記原料供給部は、粉コークスを二酸化炭素で気流輸送して前記炉本体内に供給する粉コークス供給管を有する、請求項1のガス化炉。
- 前記原料供給部は二重管構造を有し、内側の管が前記粉コークス供給管であり、外側の管の内面と前記粉コークス供給管の外面とによって画成される流路を通じて二酸化炭素と酸素の混合ガスが前記炉本体内に供給される、請求項2に記載のガス化炉。
- 前記炉本体内であって前記排出口の手前に設けられた障壁を更に備え、前記障壁は少なくとも前記炉本体内の内側底面との間に灰分が通過する隙間が形成されるように設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス化炉。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス化炉を使用した一酸化炭素の製造方法であり、
前記原料供給部から前記炉本体内に粉コークス、二酸化炭素及び酸素を供給する工程と、
前記炉本体内において粉コークスをガス化させて一酸化炭素を発生させる工程と、
前記炉本体内から一酸化炭素含有ガスとともに灰分を排出させる工程と、
を備える、一酸化炭素の製造方法。 - 前記炉本体内の温度が1250℃以下である、請求項5に記載の一酸化炭素の製造方法。
- 前記炉本体内への原料の供給量は、粉コークス1kgあたり、二酸化炭素が0.43〜0.65Nm3であり且つ酸素が0.60〜0.75Nm3である、請求項5又は6に記載の一酸化炭素の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス化炉と、
前記ガス化炉の下流側に設けられた廃熱回収設備及び集塵機と、
を備える、一酸化炭素の製造装置。 - 一酸化炭素の純度を高めるための酸性ガス吸収塔を更に備える、請求項8に記載の一酸化炭素の製造装置。
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JP2013018433A JP2014148445A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 一酸化炭素製造用のガス化炉、並びに一酸化炭素の製造装置及び製造方法 |
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CN109135828A (zh) * | 2018-09-04 | 2019-01-04 | 陈荃钰 | 一种co2还原制co气化的方法 |
JP2022056613A (ja) * | 2020-09-30 | 2022-04-11 | 大陽日酸株式会社 | 酸素同位体標識一酸化炭素の製造方法、及び酸素同位体標識二酸化炭素の製造方法 |
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CN109135828A (zh) * | 2018-09-04 | 2019-01-04 | 陈荃钰 | 一种co2还原制co气化的方法 |
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