JP2014148161A - 繊維の張力測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィラメントワインディング装置は、繊維巻出部と、繊維を揃えて巻付対象物に案内する案内部と、繊維に張力を与えて巻付対象物に巻き付ける巻付対象物回転装置と、を備える。案内部は、巻付対象物の前段の第1のローラと、第1のローラの前段の第2のローラと、第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重を測定する荷重測定部と、第1のローラから巻付対象物へ送られる繊維の搬送方向と鉛直方向との為す第2の角度を測定する角度測定部を備える。第2のローラから第1のローラへ送られる繊維の搬送方向と鉛直方向との為す角は予め定められた第1の角度となるように設定されている。繊維の張力測定方法は、第1の角度と、第2の角度と、第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重と、の間の関係式を用いて、繊維に掛かる張力をリアルタイムで算出する。
【選択図】図3
Description
図1は、フィラメントワインディング装置の一例示す説明図である。フィラメントワインディング装置10は、繊維巻出部20と、樹脂含浸部30と、アイクチ案内部40と、ライナー回転装置50と、制御部60と、を備える。繊維巻出部20は、繊維を巻き出す装置であり、複数のボビン201〜204と、複数の搬送ローラ211〜214と、結束ローラ220と、を備える。ボビン201〜204は、糸を巻き付ける筒状の部材を意味し、本実施形態では、カーボン繊維700を巻きつけている。本実施形態では、カーボン繊維700として、ポリアクリロニトリルの原糸を約3,000℃で焼成したものが用いられる。これが約24,000本程度撚られて集められ、バインダ樹脂によって軽く接着されることにより、厚さ約200μm、幅4mmから5mm程度の扁平なシート状のカーボン繊維700が形成されている。本実施形態では、搬送ローラ211〜214は、各ボビン201〜204に対応して設けられており、ボビン201〜204から巻き出されたカーボン繊維700を結束ローラ220に搬送する。結束ローラ220は、ボビン201〜204から巻き出された複数のカーボン繊維700を揃えて、次工程であるカーボン繊維700に対してエポキシ樹脂の含浸を行う樹脂含浸部30に巻き出す。
F=Tcos(θ1)+Tcos(θ2) …(1)
T=F/[cos(θ1)+cos(θ2)] …(2)
制御部60は、張力Tが所定の範囲内に収まるように、ライナー回転装置50の回転速度を制御する。
図5は、第2の実施形態に係るフィラメントワインディング装置のアイクチ案内部40の構成を拡大して示す斜視図である。第2の実施形態のフィラメントワインディング装置について、アイクチ案内部40の角度測定部475以外の構成は、第1の実施形態の構成と同じである。角度測定部475は、発光装置476と、受光装置477とを備える。発光装置476は、鉛直方向に並べられた複数の光源を有している。受光装置477は、鉛直方向に並べられた複数の受光部478を有している。受光装置477から受光装置477への光の一部は、樹脂含浸カーボン繊維710により遮られる。したがって、制御部60は、どの受光部478への光が遮られたかを検知し、第3のアイクチローラ450とライナー70との間の樹脂含浸カーボン繊維710と、鉛直方向との為す角の大きさθ2を算出することができる。なお、第2の実施形態における荷重測定部460による測定は、第1の実施形態における測定と同様である。
図6は、第3の実施形態における張力測定の原理を示す説明図である。第3の実施形態は、第3のアイクチローラ450に掛かる鉛直方向の荷重Mを測定する荷重測定部480と、第3のアイクチローラ450の中心から樹脂含浸カーボン繊維710までの水平方向距離Lxを測定するレーザ変位計481と、を備える。レーザ変位計481は、第3のアイクチローラ450の鉛直下方に配置されるが、樹脂含浸カーボン繊維710の角度θが90°を越える場合を考慮して、レーザ変位計481とライナー70との間の距離が、第3のアイクチローラ450とライナー70との間の距離よりも遠くなるように、レーザ変位計481を配置してもよい。レーザ変位計481が第3のアイクチローラ450を挟んでライナー70と反対側にあるため、レーザ変位計481と、ライナー70とが干渉しない。
θ=atan(Ly/Lx) …(3)
T=M/sinθ …(4)
なお、式(3)において、長さLyは、第3のアイクチローラ450の頂部からレーザ変位計481までの鉛直方向距離であり、アイクチ案内部40の設計値から定まる既知の値である。
tanθ=(Ly+rcosθ)/(Lx−rsinθ) …(5)
上記式(5)において、距離Lxは測定値であり、距離Ly、rは既知であるので、θを算出できる。この結果を式(4)に適用することにより、樹脂含浸カーボン繊維710に掛かる張力Tをリアルタイムで算出することが出来る。
図9は、第4の実施形態における張力測定の原理を示す説明図である。第4の実施形態は、第3のアイクチローラ450に掛かる鉛直方向の荷重Fyを測定する荷重測定部480と、第3のアイクチローラ450に掛かる水平方向の荷重Fxを測定する荷重測定部482とを備える。荷重測定部482は、第3のアイクチローラ450を挟んでライナー70と反対側に位置していることが好ましい。
T1=T2×eμ(θ1+θ2) …(6)
Fx=−T1×cosθ1+T2×cosθ2 …(7)
Fy=T1×sinθ1+T2×sinθ2 …(8)
式(6)は、東海大学教授 橋本 巨著「ウェブハンドリングの基礎理論と応用」(2008年4月発行 加工技術研究会)に記載に基づく。上式(6)〜(8)において、T1は、ライナー70側の樹脂含浸カーボン繊維710の張力であり、T2は、ライナー70と反対側の樹脂含浸カーボン繊維710の張力である。θ1は、第3のアイクチローラ450の鉛直頂部からライナー70側において、樹脂含浸カーボン繊維710が第3のアイクチローラ450と接触する部分の扇の中心角であり、θ2は、第3のアイクチローラ450の鉛直頂部からライナー70と反対側において、樹脂含浸カーボン繊維710が第3のアイクチローラ450と接触する部分の扇の中心角である。なお、θ2は、アイクチ案内部40の設計値から定まる既知の値である。μは、樹脂含浸カーボン繊維710と第3のアイクチローラ450との摩擦係数である。
20…繊維巻出部
30…樹脂含浸部
40…アイクチ案内部
50…ライナー回転装置
60…制御部
70…ライナー
201…ボビン
211…搬送ローラ
220…結束ローラ
301…搬送ローラ
302…搬送ローラ
310…樹脂含浸槽
320…膜厚測定装置
400…揃え口
410…搬送ローラ
420…荷重測定部
430…第1のアイクチローラ
440…第2のアイクチローラ
450…第3のアイクチローラ
460…荷重測定部
461…荷重伝達シリンダー
462…荷重伝達ピストン
463…荷重センサ
464…ベアリングボール
470…角度測定部
471…角度測定エンコーダ
472…案内板
475…角度測定部
476…発光装置
477…受光装置
478…受光部
480…荷重測定部
481…レーザ変位計
482…荷重測定部
700…カーボン繊維
710…樹脂含浸カーボン繊維
Claims (3)
- 繊維を巻き出す繊維巻出部と、巻き出された繊維を揃えて巻付対象物に案内する案内部と、前記巻付対象物を回転させて前記繊維に張力を与えて前記巻付対象物に巻き付ける巻付対象物回転装置と、を備えたフィラメントワインディング装置における繊維の張力測定方法であって、
前記案内部は、
前記巻付対象物の前段に設けられた第1のローラと、
第2のローラであって、前記第2のローラから前記第1のローラへ送られる前記繊維の搬送方向と鉛直方向との為す角が予め定められた第1の角度となるように前記第1のローラの前段に設けられた前記第2のローラと、
前記第1のローラに設けられ、前記第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重を測定する荷重測定部と、
前記第1のローラから前記前記巻付対象物へ送られる前記繊維の搬送方向と鉛直方向との為す第2の角度を測定する角度測定部と、
を有しており、
前記第1の角度と、前記第2の角度と、前記第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重と、の間の関係式を用いて、前記繊維に掛かる張力をリアルタイムで算出する、繊維の張力測定方法。 - 繊維を巻き出す繊維巻出部と、巻き出された繊維を揃えて巻付対象物に案内する案内部と、前記巻付対象物を回転させて前記繊維に張力を与えて前記巻付対象物に巻き付ける巻付対象物回転装置と、を備えたフィラメントワインディング装置における繊維の張力測定方法であって、
前記案内部は、
前記巻付対象物の前段に設けられた第1のローラと、
前記繊維との水平距離を測定する距離測定装置であって、前記第1のローラの鉛直下方の位置に配置された距離測定装置と、
前記第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重を測定する荷重測定部と、
を有しており、
前記繊維との水平距離と、前記第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重と、を用いて、前記繊維に掛かる張力を算出する、繊維の張力測定方法。 - 繊維を巻き出す繊維巻出部と、巻き出された繊維を揃えて巻付対象物に案内する案内部と、前記巻付対象物を回転させて前記繊維に張力を与えて前記巻付対象物に巻き付ける巻付対象物回転装置と、を備えたフィラメントワインディング装置における繊維の張力測定方法であって、
前記案内部は、
前記巻付対象物の前段に設けられた第1のローラと、
前記第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重を測定する第1の荷重測定部と、
前記第1のローラに掛かる水平方向の荷重を測定する第2の荷重測定部と、
を有しており、
前記第2の荷重測定部は前記第1のローラを挟んで前記巻付対象物と反対側に位置し、
前記第1のローラに掛かる鉛直方向の荷重と、前記第1のローラに掛かる水平方向の荷重と、を用いて、前記繊維に掛かる張力を算出する、繊維の張力測定方法。
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