JP2014148146A - 画像形成装置 - Google Patents

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健 日原
Manabu Seo
学 瀬尾
Yuma Usui
祐馬 臼井
Yoshino Hasegawa
愛乃 長谷川
Hideomi Sakuma
英臣 佐久間
Hiroyuki Yamashita
宏之 山下
Hisayoshi Oshima
久慶 大島
Takahiko Matsumoto
貴彦 松本
Ryota Suzuki
亮太 鈴木
Mizuki Odagiri
瑞樹 小田切
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Abstract

【課題】液体の混合、中間色の記録液を必須とせずとも階調を表現可能な、中間転写体を用いて画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置の提供。
【解決手段】pHによって色が変わる色材を含む導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッド61Y、61M、61C、61BKと、このヘッド61Y、61M、61C、61BKにより吐出された導電性記録液を付与される、少なくとも表面の一部が導電性の中間転写体37と、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された導電性記録液がヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間をブリッジした状態でこの状態の導電性記録液を電気分解して変色させるために中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に電圧を印加する電圧印加手段33とを有する画像形成装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヘッドによりインク等の記録液を中間転写体に付与して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置に関する。
従来より、微細なノズル口より液体を噴射する液体噴射装置、いわゆるインクジェットヘッド(以下、「ヘッド」という)を用いた技術が、インクジェットプリンタ等の画像形成装置の分野で知られている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献5〕参照)。
このような画像形成装置において、たとえば、インクジェット方式では、ピエゾ方式に代表される可動アクチュエータ方式、サーマル方式に代表される加熱膜沸騰方式等を用い、画像情報に応じてインク等の記録液を液滴化してノズルから吐出するようになっている。吐出された記録液は、紙等の記録媒体に直接付着すること(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)、あるいは一時的に中間転写体上に保持されたうえで記録媒体に転写されることで、記録媒体に画像を形成する。
中間転写体を用いたインクジェット方式の画像形成装置(たとえば、〔特許文献3〕〜〔特許文献5〕参照)においては、ヘッドから記録媒体に記録液を直接吐出して画像形成を行う構成と異なり、ヘッドが中間転写体に記録液を吐出する。そのため、記録媒体に付着している紙粉、異物によるノズル詰まりが大幅に抑制されるという利点がある。
なお、中間転写体はインクなどの液体が内部に浸透しないような材質が用いられ、また転写性を良くするために表面が撥水処理されていることが多い。よって、中間転写体を用いた画像形成装置では、次のブリーディング、ビーディングといわれる現象が生じる場合がある。ブリーディングとは、中間転写体表面に隣接して着弾した記録液滴同士が混和してしまう現象であり、ビーディングとは、先行して着弾した記録液に後続して着弾する記録液が引き寄せられて記録液滴が集合してしまう現象である。これらの現象は何れも画像品位を低下させてしまうため、可能な限り避けることが望ましい。
また、近年では、ヘッドを用いた応用開発が盛んであり、画像形成装置への応用のほかに微細な配線パターンを作製する加工装置や液晶ディスプレイのカラーフィルターをパターニングする加工装置などへの応用も広まっている。
これら各種装置において、諧調を表現する方法として、ある単位面積の中での着色面積で諧調を再現する面積諧調が用いられてきた。諧調を表現する別の方法としては、インク濃度の違いにより諧調を表現する濃度諧調がある。
両者を比較すると、面積諧調の方が同じ情報量の画素データを表現するのに必要な面積が大きく、解像度が低下してしまう。また、面積諧調では低濃度領域においてインク着色面積に対して記録媒体表面の面積が大きくなってしまうため、粒状感が目立ってしまう。
このような面積諧調の問題を解決する方法として、中間色の記録液を用いて色再現性を高める方法がある。たとえば、一般にインクジェットプリンタではシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の記録液が用いられるが、これらの4色に加えて、ライトシアン、ライトマゼンタ等の中間色を用いれば色再現性を高めることが可能である。しかし、この方法によれば画質の改善がなされるものの、使用する記録液の種類が増加してしまうという問題があり、また画質をより高めるには記録液の種類を増やすしかなく、現実的ではない。
そこで、ヘッドから吐出させた後で複数の液体を混合させる事によって、次に例示するように、階調を制御する方式が提案されている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献5〕参照)。
(1)2種の濃度の記録液滴をそれぞれノズルから吐出させ、記録紙上で混合し、必要な諧調の濃度を得る方法(たとえば、〔特許文献1〕参照)
(2)複数の吐出口を同心円状に配置し、各吐出口から吐出された記録液が被吐出面上に着弾する前に互いに衝突することで混合する方法(たとえば、〔特許文献2〕参照)
(3)撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体の親インク領域に対して記録液及び透明な液体を付与し、記録媒体に転写する方法(たとえば、〔特許文献3〕、〔特許文献4〕参照)
(4)記録液がヘッドと中間転写体間をブリッジしている時に電流を流し、水を加水分解することで記録液を増粘させ、その上から濃度調整液を付与する方法(たとえば、〔特許文献5〕参照)
しかしながら、(1)の方法では、記録紙上における記録液の混合と同時に、記録紙がインクを吸収するという現象が起こっているため、紙面上において所望の濃度を得ることが難しいという問題がある。この点、(2)の方法では、記録液が被吐出面への着弾前に混合するというメリットがある。ところが、各ノズルから吐出される記録液の飛翔経路、タイミング、速度の全てが正確でないと液滴同士の衝突が起こらず、さらに、所望の色を出すには各記録液滴の体積を細かくかつ正確に制御しなければならい。よって、現状の技術ではそのような制御は非常に難しく現実的ではないという問題がある。
これら(1)、(2)の方法に対し、(3)、(4)の方法では、中間転写体を用いるため、液体を中間転写体上で混合させれば(1)の方法における問題が生じることはなく、よって(2)の方法を採用する必要もないが、それぞれ問題があることが分かった。すなわち、(3)の方法では、記録液と透明な液体とを納める親インク領域の耐久性という観点で実用化が難しいという問題がある。また、(4)の方法では、同一ドットに正確に濃度調整液を付与することが難しく、また増粘した記録液の上に濃度調整液を付与してもこれらの液が混和し難いという問題がある。
さらに、(1)〜(4)の方法に共通して、これらの方法はそもそも記録液に加えて更に液体を付与することを必須とするため、記録媒体に付与する水分量が多くなり、記録媒体のカールやコックリングが発生し易いという問題がある。
以上の事情に鑑みれば、液体の混合を必須とすることなく、また中間色の記録液を用いることなく階調を表現可能な方法を、記録媒体に付着している紙粉、異物によるノズル詰まりが大幅に抑制される中間転写体を用いた画像形成装置において実現することが望まれる。なお、可能であれば、かかる方法が、ブリーディングやビーディング、さらにはカールやコックリングに対処可能であることが望ましい。
本発明は、液体の混合、中間色の記録液を必須とせずとも階調を表現可能な、中間転写体を用いて画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、pHによって色が変わる色材を含む導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、少なくとも表面の一部が導電性の中間転写体と、前記ヘッドから吐出された導電性記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間をブリッジした状態でこの状態の導電性記録液を電気分解して変色させるために前記中間転写体と前記ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加手段とを有する画像形成装置にある。
本発明は、pHによって色が変わる色材を含む導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、少なくとも表面の一部が導電性の中間転写体と、前記ヘッドから吐出された導電性記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間をブリッジした状態でこの状態の導電性記録液を電気分解して変色させるために前記中間転写体と前記ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加手段とを有する画像形成装置にあるので、液体の混合、中間色の記録液を必須とせずとも階調を表現可能な、中間転写体を用いて画像形成を行う画像形成装置を提供することができる。
本発明を適用した画像形成装置の一実施例にかかる概略正面図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから中間転写体に導電性記録液が付与される様子を模式的に示す概略図である。 図1に示した画像形成装置においてカソードとアノードとの間に形成される導電性記録液による液柱の状態を示す概念図である。
図1に本発明を適用した画像形成装置の一例の概略を示す。画像形成装置100は、インクジェットプリンタとしてのプリンタであってフルカラーの画像形成を行うことが可能となっている。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である記録用紙としての被記録材である転写紙Sの片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な、当該色のインクとしての導電性記録液である記録液を吐出するヘッド61Y、61M、61C、61BKを有している。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、かかる液体である記録液を吐出する記録液吐出体としての記録ヘッドである記録ヘッド手段、インクヘッド、インクジェットヘッドとして機能する。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、画像形成装置100の本体99の略中央部に配設された中間転写ドラムである中間転写ローラとしての中間転写体37の外周面に対向する位置に配設されている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、中間転写体37の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。同図において各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための画像形成手段としての記録液吐出装置であるインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、図1の紙面に垂直な方向に複数が並設された態様で、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられたラインヘッドであり、固定式でフルライン型のインクジェットヘッドとなっている。
画像形成装置100のように中間転写体を備えたインクジェット方式の画像形成装置は、特に高速の画像形成を行うタイプの画像形成装置である。ヘッド61Y、61M、61C、61BKはこのようにラインヘッドであるため、画像形成装置100における画像形成の高速化を可能としている。
なお、ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、本形態のように固定式、言い換えると主走査方向に駆動されないタイプでなく、画像形成領域幅に対して往復運動を行うことで画像形成を行うシャトル方式に対応した構成であっても良い。この場合にはヘッド61Y、61M、61C、61BKが小型のヘッド構成となる。
中間転写体37は、A1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向する領域で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからイエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が順次重ね合わされる態様で吐出されて付与される。このように記録液を受容することにより、中間転写体37は、その表面である一次画像形成面上に一次画像である画像が形成される。このように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対向させA1方向に並設したタンデム構造となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出すなわち付与は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37上の同じ位置に重なるように行われる。そのため、ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の付与は、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ備えたインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKを有している。
画像形成装置100はまた、中間転写体37を備え中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写紙Sを搬送する用紙搬送ユニットとしての搬送ユニット10を有している。
画像形成装置100はまた、転写紙Sを多数枚積載可能であり積載した転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する紙搬送装置としての給紙ユニット20を有している。
画像形成装置100はまた、搬送ユニット10によって搬送されてきた画像形成済み言い換えるとプリント済みの転写紙Sを多数積載可能な排紙台25を有している。
画像形成装置100はまた、記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37から、中間転写体37上すなわち一次画像形成面上に残留している残インクである記録液等を除去してクリーニングするための清掃手段34を有している。
画像形成装置100はまた、清掃手段34によってクリーニングされる前の中間転写体37に付着している記録液の色を消すための消色手段としての消色装置80を有している。
画像形成装置100はまた、清掃手段34によってクリーニングされた中間転写体37に、記録液中の色材、たとえば後述するロイコ染料を凝集させるために、いわゆる先塗り剤と呼ばれる処理液を塗布する処理液塗布手段としての処理液塗布装置90を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを一体に支持したヘッド支持体としてのキャリッジ50を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された記録液に電圧を印加するための電圧印加手段としての通電手段33を有している。
画像形成装置100はまた、使用環境の温度及び湿度を検知する図示しない環境センサを有している。
画像形成装置100はまた、画像形成装置100に対する各種入力が可能である入力装置として機能するとともに、画像形成装置100の状態を表示することが可能な表示装置として機能する図示しない液晶パネルを有している。
画像形成装置100はまた、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段としての制御装置である制御部98を有している。
搬送ユニット10は、中間転写体37の他に、中間転写体37に対向して配置され中間転写体37との間の領域である転写部31を転写紙Sが通過するときに中間転写体37上に担持された記録液による一次画像を該転写紙Sに転写する転写手段64を有している。
搬送ユニット10はまた、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に案内するとともに、転写部31を通過した転写紙Sを排紙台25に案内するガイド板39を有している。
搬送ユニット10はまた、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に向けて搬送する搬送ローラ32を有している。
搬送ユニット10はまた、搬送ローラ32によって搬送されてきた転写紙Sを一旦停止させるとともに、後述する所定のタイミングに応じて一旦停止させた転写紙Sを転写部31に給送するレジストローラ35を有している。
搬送ユニット10はまた、中間転写体37をA1方向に回転駆動する図示しない駆動手段としての中間転写体回転駆動モータであるモータ等を有している。
レジストローラ35は、中間転写体37条に形成された画像が中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写部31に至るタイミングに合わせて、転写紙Sを転写部31に給送する。
このように、画像形成装置100は、転写紙Sへの画像形成を中間転写体37を用いて間接的に行う間接方式の画像形成装置となっている。
転写手段64は、中間転写体37との間で転写紙Sを挟み、転写紙Sを挟んだ状態で中間転写体37に従動回転しながら中間転写体37上の画像をこの転写紙Sに転写する転写部材としての転写ローラ38を有している。
転写手段64はまた、転写ローラ38を中間転写体37に近接させあるいは中間転写体37から離間させる接離手段としての接離装置77を有している。
転写手段64はまた、転写ローラ38をクリーニングするためのクリーニング手段としての転写クリーニング装置であるクリーニング装置78を有している。
転写ローラ38は、記録液による汚れ防止の観点から、表面エネルギーの低い撥水性部材を表面に配設されていることが好ましい。よって、転写ローラ38は、表面に、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム材料、樹脂や金属、ゴムの表面にフッ素処理をした表面層を有している。
転写ローラ38の表面部材としての物性は、撥水性については水の後退接触角が60°以上、好ましくは80°以上であり、硬度についてはJIS−Aで60以上、好ましくは80以上である。また、表面層の厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。
なお、転写ローラ38は転写紙Sに転写される画像を転写紙Sに定着させるためのヒータを内蔵していても良い。
接離装置77は、レジストローラ35によって転写部31に向けて給送された転写紙Sの先端が転写部31に進入するタイミングで転写ローラ38を中間転写体37に向けて近接するよう変位させ、中間転写体37と転写ローラ38との間に転写紙Sを挟持させる。中間転写体37との間に転写紙Sを挟持した挟持状態で、転写ローラ38は、中間転写体37に向けて押圧され、転写紙Sを中間転写体37に加圧した状態となり、加圧部材としての加圧ローラとして機能するようになっている。
接離装置77はまた、中間転写体37と転写ローラ38との間に挟持され中間転写体37の回転によって転写部31を搬送されている転写紙Sの後端が転写部31を抜けるタイミングで転写ローラ38を中間転写体37から離間するように変位させる。
接離装置77による転写ローラ38のこのようなタイミングでの駆動は、制御部98によって制御される。この点、制御部98は、転写制御手段として機能する。転写制御手段として機能する制御部98による制御により、転写ローラ38は、中間転写体37に直接当接することが防止され、中間転写体37表面上の記録液が付着することが防止されている。
クリーニング装置78は、転写紙Sに当接することによって付着した紙粉、何らかの原因で中間転写体37から転移した記録液を転写ローラ38から除去することで転写ローラ38をクリーニングする。クリーニング装置78は定位置に固定されているが、接離装置77によって転写ローラ38とともに変位するようになっていてもよい。
クリーニング装置78は、紙粉、中間転写体37上の記録液の転写ローラ38への付着が画像形成や転写紙Sの汚れ、カールなどに影響を与えない場合、あるいはかかる影響が無視できる程度である場合などには省略可能である。接離装置77は、記録液の転写ローラ38への付着が画像形成や転写紙Sの汚れ、カールなどに影響を与えない場合、あるいはかかる影響が無視できる程度である場合などには省略可能である。ただし、接離装置77を省略した場合、中間転写体37上の記録液の転写ローラ38への付着量が多量になる可能性があるため、この場合はクリーニング装置78を有することが望ましい。
このように、転写手段64は、中間転写体37上の画像を転写紙Sに転写して転写記録する転写記録手段である転写装置として画像形成装置100、搬送ユニット10に備えられている。転写手段64は、転写ローラ38が中間転写体37に対向する位置でA1方向と同じ方向に回転するように駆動するモータ等の駆動源を備えていても良い。転写制御手段として機能する制御部98は、接離装置77の他、かかる駆動源等、転写手段64において駆動を制御される構成を制御する。
転写手段64は、中間転写体37と転写ローラ38との間において転写紙Sを加圧搬送し、中間転写体37に付与された記録液を転写紙Sの紙面上に押圧転写して、かかる紙面上に画像を形成する転写装置である。
搬送ユニット10は、転写ローラ38によって中間転写体37から転写紙Sに転写された画像を転写紙Sに定着させるための定着手段としての定着ローラを備えていてもよい。
図2に示すように、中間転写体37は、導電性基体であるアルミニウム製の支持体37aと、支持体37a上に形成された導電性シリコーンゴム製の導電性ゴム層である表面層37bとを有し、導電性ローラとなっている。
支持体37aの材質はアルミニウムに限られるものではなく、機械的強度があればよく、金属、合金等によって形成可能である。具体的には、支持体37aは、アルミニウムの他に、たとえばニッケル、ニッケル合金、熱可塑性樹脂、セラミック等によって形成しても良い。
表面層37bの材質は、シリコーンゴムに限らず、表面エネルギーが低く転写紙Sへの追従性が高い弾性材料で、且つ/或いは記録液の剥離性が高い材料である事が好ましい。表面層37bの弾性は、転写の際に必要な機能で、表面層37bが転写紙Sの繊維に沿って変形することで接触面積が向上し高い転写率が達成される。低い圧力で転写するには表面層37bの材料としてある程度柔らかい材料を選択しなければならない。具体的には、表面層37bは、シリコーンゴム製に限らず、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム等によって形成してもよい。
表面層37bは、中間転写体37に導電性を付与するために、かかるゴム材料に導電剤としてのカーボン、白金、金などの金属微粒子を分散して混入させた導電性ゴムとされ、導電層となっている。ただし、導電性微粒子を増やすと導電性は向上するが、離型性が低下するトレードオフの関係にあるので、適宜、調整が必要である。
後述するように、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが一時的にブリッジした記録液による液柱に所望の電位差を形成するには、表面層37bを構成する導電性ゴムの体積抵抗率は10Ω・cm未満であることが好ましい。同じ理由により、表面層37bを構成する導電性ゴムの体積抵抗率は記録液の体積抵抗率よりも小さいことが望ましい。
また、表面層37bの厚みは、0.1〜1mm程度が良く、0.2〜0.6mmが好適である。ただし、表面層37bは必須の構成でなく、支持体37aのみを中間転写体37としても良い。表面層37bを省略する場合、後述の記録液の電気分解を行うために支持体37aを導電性とする必要がある。
中間転写体37は、ドラム状、ローラ状でなく、無端ベルト状、その他可能であればシート状であっても良い。
図1に示すように、給紙ユニット20は、転写紙Sを多数枚積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する送り出しローラとしての給紙ローラ22とを有している。
給紙ユニット20はまた、給紙トレイ21及び給紙ローラ22を支持した筐体23を有している。
給紙ユニット20はまた、給紙ローラ22を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKにおける記録液の吐出タイミングに合わせるように回転駆動し転写紙Sをレジストローラ35に向けて給送させる図示しない駆動手段としてのモータ等を有している。
清掃手段34は、A1方向における転写部31の下流側の、同図において中間転写体37の左上方において中間転写体37に対向するように配設されたクリーニングユニットであって、クリーニング手段としてのクリーニング装置である。
清掃手段34は、図示を省略するが、中間転写体37上に形成された画像を構成していた記録液のうち転写紙Sに転写されなかった記録液を残インクとして中間転写体37表面から掻き落とす、清掃部材としてのクリーニングブレードを有している。
清掃手段34はまた、クリーニングブレードを中間転写体37に押し当てる押し当て手段と、クリーニングブレードによって中間転写体37表面から掻き落とされた記録液や埃等の異物を収集するための廃液ボトルとを有している。
クリーニングブレードは、中間転写体37に対していわゆるカウンター当接の態様で、その一部すなわち先端が当接している。クリーニングブレードは、弾性体としてのゴムによって形成されたゴムブレードである。クリーニングブレードの材質は、耐磨耗性を有し、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、EPDM、エラストマーなどの弾性材料のほか、ステンレス、アルミなど金属、非鉄材料としても良い。
清掃手段34はクリーニングブレードとともに、清掃部材としてのクリーニングローラを備えていてもよい。
清掃手段34は、このような構成により中間転写体37をクリーニングする中間転写体クリーニング手段である。
消色装置80は、転写手段64によって画像が転写紙Sに転写された後、すなわち転写部31を経た中間転写体37上に残留している記録液の色を消すための消色液を塗布の態様で中間転写体37に付与する消色液塗布手段である消色液塗布装置として機能する。消色装置80は、A1方向において転写部31より下流側で、且つ清掃手段34が中間転写体37をクリーニングする位置であるクリーニング位置の上流側の位置において、中間転写体37に対向している。
消色装置80は、この位置すなわち消色位置において中間転写体37に当接して消色液を中間転写体37に塗布する消色液塗布部材としての消色液塗布ローラである塗布ローラ83を有している。消色装置80はまた、消色液を収容しているとともに収容している消色液を塗布ローラ83に供給する消色液供給手段としての消色液供給部材である消色液タンク84を有している。消色装置80はまた、塗布ローラ83が中間転写体37に当接する位置で塗布ローラ83をA1方向に沿う方向に回転させる駆動手段として駆動源であるモータ85を有している。
モータ85による塗布ローラ83の駆動は、制御部98によって制御される。この点、制御部98は、消色液塗布制御手段として機能する。その他、制御部98は、消色装置80において駆動を制御される構成がある場合においてその構成の駆動を制御する消色制御手段として機能し、消色液塗布制御手段としての機能はこの消色制御手段の一機能となっている。
塗布ローラ83は少なくとも周面が弾性部材によって形成されており、消色液タンク84に収容されている消色液に一部が浸漬された状態で備えられている。塗布ローラ83は、主走査方向すなわち図1における紙面に垂直な方向において、A3縦サイズの画像形成領域幅に対応した画像形成可能領域に対応する幅で中間転写体37に当接している。
消色液塗布部材は、中間転写体37に当接して消色液を付与するものであれば、塗布ローラ83のようなローラ状をなしローラ塗布を行う部材に限らず、ワイヤーバー、フレードコータ、消色液を含浸した発泡体等であっても良い。
なお、モータ85を省略して、塗布ローラ83が中間転写体37に従動回転するようにしてもよい。
消色液の材質、機能など、消色装置80のその余については後述する。
処理液塗布装置90は、A1方向において清掃手段34が中間転写体37をクリーニングする位置の下流側で、かつヘッド61Y、61M、61C、61BK、61Tが中間転写体37に記録液を吐出する位置の上流側において、中間転写体37に対向している。処理液塗布装置90は、この位置すなわち処理液塗布位置において、処理液を中間転写体37に塗布の態様で供給するようになっている。
処理液塗布装置90の構成は、消色装置80と同様であって、その詳細な図示を省略するが、次のような構成となっている。すなわち、処理液塗布装置90は、処理液塗布位置において中間転写体37に当接して処理液を中間転写体37に塗布する処理液塗布部材としての処理液塗布ローラである塗布ローラを有している。処理液塗布装置90はまた、処理液を収容しているとともに収容している処理液を塗布ローラに供給する処理液供給手段としての処理液供給部材である処理液タンクを有している。処理液塗布装置90はまた、塗布ローラが中間転写体に当接する位置で塗布ローラをA1方向に沿う方向に回転させる駆動手段として駆動源であるモータを有している。
モータによる塗布ローラの駆動は、制御部98によって制御される。この点、制御部98は、処理液塗布制御手段として機能する。その他、制御部98は、処理液塗布装置90において駆動を制御される構成がある場合においてその構成の駆動を制御する処理液制御手段として機能し、処理液塗布制御手段としての機能はこの処理液制御手段の一機能となっている。
塗布ローラは少なくとも周面が弾性部材によって形成されており、処理液タンクに収容されている処理液に一部が浸漬された状態で備えられている。塗布ローラは、主走査方向すなわち図1における紙面に垂直な方向において、すでに述べた画像形成可能領域に対応する幅で中間転写体37に当接している。
処理液塗布部材は、中間転写体37に当接して処理液を付与するものであれば、塗布ローラのようなローラ状をなしローラ塗布を行う部材に限らず、ワイヤーバー、フレードコータ、処理液を含浸した発泡体等であっても良い。
なお、モータを省略して、塗布ローラが中間転写体37に従動回転するようにしてもよい。
処理液の材質等については後述する。
キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに劣化等が生じたときにこれらが新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体で、本体99に対して着脱可能となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKもそれぞれ、劣化等が生じたときに新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、独立して本体99に対して着脱可能となっている。
これらによって、交換作業、メンテナンス作業が容易化されている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、用いる記録液の色、組成が異なるものの、その余の点では互いに略同様の構成となっている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、複数のヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される当該色の記録液を収容したインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内に収容された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに向けて圧送し給送する供給ポンプとしての図示しないポンプを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、かかるポンプによって供給されてきた記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに分配して供給する図示しないディストリビュータタンクを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、かかるディストリビュータタンク内の記録液量の不足を検出するために同記録液量を検知する記録液量検知手段であるインク量検知手段としての図示しないインク量検知センサを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKとディストリビュータタンクとの間の記録液の給送路をポンプとともに形成している図示しないパイプを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、ディストリビュータタンクと各ヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間の記録液の給送路を形成している図示しないパイプを有している。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されて残り少なくなったときあるいはなくなったとき等に新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、メインタンクとしての記録液カートリッジとして機能する。
ポンプは、制御部98によって作動を制御され、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内に収容された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給する。具体的には、ポンプは、インク量検知センサによってディストリビュータタンク内の記録液量の不足が検出されたことを条件として、ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる記録液の吐出が停止されているときに駆動される。この駆動により、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内の記録液が、記録液供給部であるインク供給部としてのディストリビュータたるディストリビュータタンクに供給される。この駆動はかかる不足が検出されなくなるまで継続される。
この点、制御部98は記録液供給制御手段であるインク供給制御手段として機能する。その他、制御部98は、画像形成装置100において駆動される構成については、特に説明しない場合であっても、その駆動を制御するようになっている。
記録液は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した色材と、この色材の溶媒とを少なくとも含んでいる。溶媒は、安全性の観点及び後述する電気分解を生じせしめるための導電性の観点から水を含んでおり、記録液は導電性インクであり水溶性インクである水溶性記録液となっている。なお、記録液は、保存安定性の観点から、アルカリ性であることが望ましい。
イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した記録液の着色剤すなわち色剤としては、pHによって色が変わる色材、すなわちpHが変色のスイッチングとして用いられる色材を用いる。
pHによって色が変わる色材の具体例としては、たとえば、トリフェニルメタン化合物、ラクトン化合物、サルトン化合物、ジアゾ化合物、またロイコ染料としてフタリド化合物、アザフタリド化合物、フルオラン化合物が挙げられる。
トリフェニルメタン化合物として、より具体的には、メチルバイオレット、等が挙げられる。
ラクトン化合物として、より具体的には、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、等が挙げられる。
サルトン化合物として、より具体的には、フェノールレッド、チモールブルー、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、等が挙げられる。
ジアゾ化合物として、より具体的には、メチルイエロー、メチルオレンジ、メチルレッド、アリザリンイエローR、エリオクロムブラックT、等が挙げられる。
ロイコ染料として、より具体的には、2−アニリノ−6−ジブチルアミノ−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、2−(3−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、等が挙げられる。
また、ロイコ染料は前記のフルオラン化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ染料であってもよい。
具体的には、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン、等が挙げられる。
ロイコ染料は、pHによって色が変わる色材として一般的な物質であり、汎用的であるため、入手が比較的容易でコストを抑制可能という利点がある。なお、ロイコ染料はこれらに限定されるものではない。また、ロイコ染料を単独、または混合して用いてもよい。
色材は、ロイコ染料の後述する機能のように、pHの変化に応じてそれ自体が凝集する場合がある。色材の凝集は、ブリーディングやビーディング、さらにはフェザリング、カールやコックリングの対策に有効であるため、色材の材質としては、pHの変化に応じてそれ自体が凝集する材質であることが好ましい。
ただし、このような凝集が生じない場合、あるいは凝集が生じてもかかる対策として不十分である場合には、色材あるいは記録液の凝集を担保するための反応剤としての水溶性高分子を記録液に添加することが好ましい。色材の凝集が十分である場合にも水溶性高分子を記録液に添加してもよい。
このような観点から、本形態における記録液は、pHに応じて色材と凝集反応を起こす水溶性高分子を含んでいる。したがって、かかる観点からすると、記録液は、pHによって色が変わる色材と、この色材の溶媒と、かかる水溶性高分子とを少なくとも含んでいることが好ましい。反応剤としては、本形態の記録液に用いられているように、水溶性高分子を用いることが、記録液中の色材と反応した際の凝集効果が高く、且つ、記録画像の定着性を確保できる点で望ましい。
記録液に添加する水溶性高分子としては、カチオン性水溶性高分子、アニオン性水溶性高分子、ノニオン性水溶性高分子が、たとえば次のようにして選択される。
すなわち、水溶性高分子は、特に限定されるものではないが、記録液中の、pHで色が変わる色材がアニオン性の場合は、記録液に用いる水溶性高分子はカチオン性又は塩基性が好ましい。また、記録液中の、pHで色が変わる色材がイオン性着色剤及び/又はイオン性樹脂がカチオン性の場合は、記録液に用いる水溶性高分子はアニオン性又は酸性が好ましい。記録液に用いる水溶性高分子はノニオン性であっても良い。
カチオン性の水溶性高分子は、分子中にカチオン性基を有するのであれば特に限定されるものではない。カチオン性の水溶性高分子の具体例としては、ポリアリルアミン及びその塩、ポリビニルアミン及びその塩、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリアクリルアミド及びその塩、カチオンエポキシ、カチオンエマルジョン、アリルアミン‐マレイン酸共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム及びその塩、塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリルアミド共重合体及びその塩、ビニルピロリドンN,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体及びその塩、N‐ビニルピロリドンN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体及びその塩、特殊変性ポリアクリル酸エステル及びその塩、ポリアクリル酸エステル及びその塩、ポリメタクリル酸エステル及びその塩、ポリジシアンジアミド及びその塩、ポリアミン縮合物及びその塩、等が挙げられる。
アニオン性の水溶性高分子は、分子中にアニオン性基を有するのであれば特に限定されるものではない。アニオン性の水溶性高分子の具体例としては、ポリオキシアルキレンエーテル硫酸エステル塩、等が挙げられる。
ノニオン性の水溶性高分子は、特に限定されるものではない。ノニオン性の水溶性高分子の具体例としては、ポリアクリルアミド等が挙げられる。
記録液は、界面活性剤や乳化剤を用いて反応剤としての水溶性高分子、多価金属塩、酸性化合物、塩基性化合物を分散させた形態とすることが望ましい。
多価金属塩としてその陽イオンは、例えば、Ca2+、Mg2+、Zn2+などの二価の金属イオンや、Fe3+、Al3+などの三価の金属イオンが挙げられ、陰イオンとしてCl−、NO3−、SO4−、I−、Br−、ClO3−、RCOO−(R:アルキル基)等が挙げられる。これらの多価金属塩は、金属塩水溶液として用いるほうが望ましい。
酸性化合物は、有機酸では、有機カルボン酸、有機スルホン酸などが挙げられる。無機酸では、塩酸、硫酸などが挙げられる。
有機酸カルボン酸は具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸等の化合物が挙げられる。
塩基性化合物は、有機塩基では、窒素原子を含むアミン或いは複素環式化合物が挙げられる。無機塩基では、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
記録液は水を主な液溶媒として使用するが、記録液を所望の物性にするため、あるいは記録液の乾燥によるヘッド61Y、61M、61C、61BKのノズルの詰まりを防止するため、湿潤剤として水溶性有機溶媒を使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
これらの溶媒は、水と共に単独若しくは複数混合して用いられる。これらの水溶性有機溶媒の含有量について特に制限はないが、好ましくは記録液全体の1〜60重量%、更に好ましくは5〜30重量%の範囲で用いる。
記録液は、その他、pH調整剤、粘度調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を含んでいても良い。
pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、硼酸、硝酸、硫酸、酢酸等が挙げられる。
記録液の物性の好適な範囲は、25℃付近でpHが6〜12、好ましくは8〜10、表面張力が10〜60mN/m、好ましくは20〜50mN/m、粘度が1〜20mPa・s、好ましくは2〜8mPa・s、導電率が10〜1000mS/m、好ましくは500〜800mS/mである。
図2に示すように、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図において下方を向く記録液吐出側に配設された導電性のノズル部材であるノズルプレートとしてのノズル板61aを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、ノズル板61aに形成され、記録液が通過し、記録液を液滴として吐出するノズル61bを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、ディストリビュータタンクから記録液を供給され記録液を充填され記録液を保持する液室であるインク室61cを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、インク室61c内の記録液をノズル61bから吐出させる図示しないインク吐出手段とを有している。
ノズル61b、インク室61c、インク吐出手段はこれらが1組となって、それぞれ各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに多数備えられているが、同図においてはそのうちの1組のみを図示している。
ノズル板61aは、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれに備えられているとともに、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれにおいて、すべてのノズル61b、インク室61c、インク吐出手段に共通である。
ノズル板61aは、詳細な図示を省略するが、導電性の基板と、この基板の、中間転写体37に対向する側の面に形成された撥水膜とを有している。ノズル板61aの下面がノズル面61dになっている。
撥水膜は、フッ素系撥水剤やシリコン系撥水剤などを塗布して形成しても良いし、フッ素系高分子やフッ素―金属化合物共析などをメッキして形成しても良く、撥水性がある膜なら特に限定されない。ノズル板61aは、インク室61c側の面をインク室61c内の記録液との界面を形成する界面形成部として備えており、後述するようにカソードとして機能する。
ノズル板61aは、全体が導電性であっても良いし、インク室61c側の面のみを導電処理された部材であっても良いし、インク室61c側に配設された導電性部材と中間転写体37側に配設された絶縁性部材とによって構成しても良い。
ノズル板61aの導電性の部分は、後述するようにカソードとして備えられるため、金属溶出に対して耐性を有する材質によって構成する必要はなく、金属、カーボンなど導電性の高い材料によって構成されればよい。
本形態のノズル板61aは金属製であり、このようなノズル板を備えたヘッドとしては、市販インクジェットプリンタGX5000:リコー製が挙げられる。
ノズル板61aは、中間転写体37とのギャップが50〜200μmの間で設定される。かかるギャップが50μm未満であると、回転体である中間転写体37とノズル板61aとのギャップを維持することが困難になることがあり、またかかるギャップが200μmを超えると、後述する液注のブリッジが形成されにくくなることがあるためである。ただし、ギャップの維持さえ可能ならギャップは短いほどよく、50μm未満でも特に問題はない。また、安定した液柱のブリッジが形成されるのであれば、ギャップは200μmを超えてもよい。
ノズル板61aは、ノズル61bを備えたノズル部となっており、とくに、中間転写体37に対向した表面であるノズル面61dがノズル部となっている。
各インク吐出手段は、各ノズル61bから記録液を液滴化して吐出させ中間転写体37に着弾させるための液体吐出手段として、インク室61c内の記録液に圧力印加を行う圧力印加手段であるアクチュエータとしての圧電素子を有している。
圧電素子は、制御部98に備えられた図示しない制御基板によって実現されたヘッド駆動手段としてのヘッド駆動回路によって駆動される。ヘッド駆動回路は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから記録液を吐出させるための吐出信号であるヘッド61Y、61M、61C、61BKの駆動信号を生成する駆動信号生成手段として機能するものである。駆動信号は、形成すべき画像などに応じた所定の駆動波形であるヘッド駆動波形言い換えると信号波形の電圧パルスとして生成される。このように、ヘッド駆動回路として機能する制御部98は、必要に応じて、随意に記録液の吐出のオン・オフを制御する駆動信号を生成可能となっている。生成された駆動信号は圧電素子に入力される。
よって、制御部98による制御によって圧電素子に印加される電圧パルスに応じて、ノズル61bから記録液が所望の画像パターンに対応して中間転写体37上に吐出されるようになっている。したがって制御部98は、複数のノズル61bのうちの自由な組み合わせで記録液を吐出させるように、記録液を吐出させるべきノズル61bに対応した圧電素子を駆動し、記録液の吐出を制御することが可能である。この点、ヘッド駆動手段として機能する制御部98は、吐出制御手段としてのインク吐出制御手段として機能する。
インク吐出制御手段として機能する制御部98は、すでに述べたように、かかる圧電素子を駆動するための電圧パルスを所定の信号波形でかかる圧電素子のそれぞれに個別に入力し、かかる圧電素子を駆動する駆動回路となっている。インク吐出制御手段として機能する制御部98は、各ノズル61bから吐出された記録液により、任意のパターンすなわち画像を形成するように、各圧電素子を時系列に駆動する。この点、制御部98は、画像制御装置として機能する。
よって、インク吐出制御手段として機能する制御部98は、各インク吐出手段を個別に制御することで、各ノズル61bからの記録液の吐出タイミングを個別に制御可能となっている。
また、インク吐出制御手段として機能する制御部98は、各ノズル61bによって形成するドット径を互いに異ならせることを可能とするために、各圧電素子に入力する信号波形を変化させる方式を採ることが可能となっている。
この方式では、各圧電素子に入力する信号波形の1周期における記録液の吐出量を異ならせるように変化させることで、複数滴の記録液でドットを形成させ、これにより、各ノズル61bによって形成するドット径を互いに異ならせることを可能としている。
そのため、インク吐出制御手段として機能する制御部98は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれにおいて、複数のノズル61bのそれぞれによって形成されるドット径を変えるために、各圧電素子に入力する駆動波形を変更可能となっている。
インク吐出手段のアクチュエータはピエゾ方式等の、形状変形素子方式である他の方式の可動アクチュエータであってもよい。またかかるアクチュエータは、サーマル方式等の加熱ヒータ方式を採用した加熱手段による記録液の膜沸騰によってノズル61bから記録液を吐出させるものであっても良いし、電圧印加手段による静電引力によって記録液吐出するものであっても良い。このように、かかるアクチュエータは、あらゆる方法で記録液を吐出するものを採用可能である。
インク室61c内の圧力はノズル61bから記録液が吐出されるとき以外は負圧に保たれるようになっている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKと、搬送ユニット10と、清掃手段34と、ヘッド駆動回路として機能する制御部98とは、印字ユニットを構成している。
通電手段33は、中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に電位差が形成されるように電圧印加を行う。この電圧印加は、少なくとも次のタイミングで行われる。すなわち、少なくとも、図2(b)に示すようにヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液による液柱が、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間を一時的にブリッジした状態となるタイミングで行われる。この電圧印加により、通電手段33は、かかる液柱の状態の記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行ってかかる状態の記録液のpHを変化させ、記録液中の色材の化学変化による記録液の変色を生じさせる。
通電手段33は、支持体37aとノズル板61aとの間に接続された、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれについて設けられた電源33aと、電源33aを支持体37aとノズル板61aとの間に接続した特に図示しない電気回路とを有している。
通電手段33はまた、電源33aによる電圧印加によって支持体37aとノズル板61aとの間に流れる電流を検知して制御部98に入力する電流検知手段としての電流測定手段である電流測定部たる電流計33bを有している。
通電手段33はまた、制御部98の機能の一部として実現され電源33aによる電圧の印加タイミング、印加時間を制御する電圧印加制御手段を有している。電圧印加制御手段としての制御部98は、電源33aの電圧を変更する電圧変更手段としても機能する。
よって、電圧印加制御手段として機能する制御部98は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間を一時的にブリッジした状態の記録液に流れる電流量を制御する電流量制御手段として機能する。これは、かかる状態が形成されているときの電源33aの電圧の大きさ、かかる状態が形成されているときに電源33aによって電圧を印加する時間を制御することで、かかる状態の記録液の液柱中に流れる電流量が制御されるためである。
また、インク吐出制御手段として機能する制御部98は、圧電素子に入力する信号波形すなわちヘッド61Y、61M、61C、61BKの駆動信号を制御することで、かかる状態の記録液の形状を変化させることが可能である。よって、インク吐出制御手段として機能する制御部98は、かかる状態の形成時間、および、かかる状態の記録液の液柱の太さを制御可能であるため、この記録液の液柱中に流れる電流量を制御することが可能である。液柱の太さによってこの液柱中に流れる電流量が制御される理由は、後述する、電流計33bによって測定される電流についての説明から明らかである。このように、制御部98は、かかる状態の形成時間、かかる状態の記録液の液柱の太さを制御可能なことから、この点においても、電流量制御手段として機能する。
電源33aは、電気回路により、陽極を支持体37aに接続され、陰極をノズル板61aに接続されている。よって、通電手段33は、中間転写体37をアノードとして備え、ノズル板61aをカソードとして備えている。
電源33aは、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに接続されインク室61cに保持された記録液と中間転写体37との間に電圧を印加し、後述する液柱状の記録液に電流を流すことを可能とするものであれば良い。よって、電源33aは、ノズル板61aでなく、たとえばインク室61c内、あるいはインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内において記録液に接触するように配置された電極に接続されていても良い。
電流計33bは、図示を省略するが、電源33aに直列に接続された抵抗部としての既知の抵抗と、この抵抗による電圧降下量を測定するための電圧計とを有しており、電圧計の測定値を制御部98に入力するようになっている。電流計33bは、より好ましくは、オペアンプを備え、これを利用して高感度に電流を測定する。
制御部98は、電圧計からの入力値に基づいて、ノズル板61aと中間転写体37との間に流れる電流を測定する処理回路を内蔵している。
ここで、電流計33bによって測定される電流について説明する。
電流計33bによって測定される電流に関し、この電流が流れる、ノズル61bと中間転写体37との間をブリッジした記録液の液柱における抵抗値Rligは、原理的に次式1で表わされる。
同式において、σは液体、ここでは記録液の導電率、r(x)はノズル板61aから中間転写体37に向かう方向における液柱断面の半径を表している。
Figure 2014148146
同式より、電流計33bによって測定される通電電流量の変化は液柱形状の変化によって生じる液柱抵抗Rligの変化によるものであり、通電電流量は液柱形状を反映した値であることが解る。特に液柱の一部が細っているとき、最も細い部分における抵抗値が液柱全体の抵抗値に対して支配的となる。
このような構成の画像形成装置100においては、画像形成開始の旨の所定の信号の入力により、中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転する。中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が吐出される。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの各色の記録液の吐出は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37の同位置に重なるよう、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして順次重ね合わされる態様で行われる。これにより、中間転写体37上に一時的に画像が担持される。
このように、中間転写体37は、ノズル61bから吐出され付与された記録液によって形成される像を担持する像担持体として機能する。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの各色の記録液が吐出されるとき、電圧印加制御手段としての制御部98により、通電手段33が駆動され、電源33aから支持体37aとノズル板61aとの間に電圧が印加されている。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与される。このときには、まず、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、図2(a)に示すように、初期状態でノズル61bにおいてメニスカスを形成している記録液が、圧電素子への信号波形の入力により、図2(b)に示すように、中間転写体37に向けて移動する。これにより、ノズル61bと中間転写体37との間に、記録液からなる液柱のブリッジが一時的に形成される。次いで、図2(c)に示すように、記録液からなる液柱のブリッジが分断されることによって中間転写体37に担持され、中間転写体37上に記録液による画像が形成される。
そして、図2(b)に示した、記録液からなる液注のブリッジが形成された状態では、通電手段33により、記録液中の色材成分が変色作用を受ける。具体的には、通電手段33の電圧印加により、カソードであるノズル板61aとアノードである中間転写体37とにはそれぞれ次の電極反応が生じ、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
カソード:4HO+4e→2H+4OH・・・反応式(1)
アノード:2HO→4H+O+4e・・・反応式(2)
反応式(1)によると、カソードとして機能するノズル面61d側では水酸化物イオンが生成して、結果、アルカリ性を示す。
また反応式(2)によると、アノードとして機能する中間転写体37の表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化して水素イオンであるプロトン(H+)が生成して、結果、酸性を示す。
ここで、図3を用いて、カソード及びアノードの間に形成される液柱のブリッジについて説明する。液柱のブリッジBの内部では、カチオン及びアニオンは、それぞれカソードC及びアノードAの近傍に移動する。その結果、カソードC及びアノードAの表面に、それぞれ電気二重層E及びEが形成されるが、電気二重層E及びEの充電速度は、液柱のブリッジBの導電率、記録液に含まれるイオンの濃度でほぼ決定される。
このとき、電気二重層Eの電圧が数Vに達すると、水が電気分解してファラデー電流が流れる。その結果、アノードAの表面では、水が酸化してプロトンが生成する。
すなわち、かかるブリッジが形成された瞬間に、ブリッジに、色材の化学構造変化等の化学変化をもたらすイオンが効率よく生成することで、記録液の中間転写体37への着液と同時に記録液の変色が行われる。
このように、記録液のpHを変化させることで、記録液の色の濃度が変化し、その結果、記録液の色の種類を不要に増加させることなく、複数の階調の濃淡が表現され、非常に高精細な溶質画像が形成される。
このように、通電手段33は、液柱のブリッジBを形成している記録液を電気分解するための、中間転写体37と、ヘッド61Y、61M、61C、61BK、具体的にはノズル板61aとの間の電圧印加を行なうための構成となっている。また、通電手段33は、かかる記録液を電気分解して変色を促進させるためにかかる電圧印加を行う構成となっている。
液柱のブリッジBが形成されてから分断されるまでの時間は、通常、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、記録液の導電率は、通常、数十mS/m〜数百mS/mである。このため、中間転写体37に記録液による画像を形成するためには、通電手段33による印加電圧は、水の理論分解電圧である1.23Vや一般的な水の電気分解の条件である数V〜十数Vでは不十分であり、数十V〜数百Vであることが好ましい。
このようにして、記録液のpHが変化することで、記録液中の色材成分が次のように変色作用を受ける。
ここでは、色材成分としてロイコ染料を用いた場合の変色作用言い換えると変色メカニズムについて説明する。
ロイコ染料は主に5員環のラクトン環を有しており、酸化還元反応によりラクトン環が開環または閉環する。ロイコ染料は主にアルカリ性で開環し、酸性で閉環するが、反対に酸性で開環し、アルカリ性で閉環するものもある。本形態では、アルカリ性で開環し、酸性で閉環するものとする。
ロイコ染料は、ラクトン環が開環しているときは周囲の官能基と共役系を作り発色するが、ラクトン環が閉環すると周囲の官能基との共役系がなくなり、色が消えてしまう。よって、酸性でラクトン環が閉環するロイコ染料を色材として用いた場合は、液柱通電前の記録液はアルカリ性のためロイコ染料が開環しており、発色している。液柱通電してプロトンが発生すると、生成したプロトンがロイコ染料のラクトン環を閉環させ、記録液の色が消える。すなわち、上述の反応式(2)に従って、アノードとして機能する中間転写体37の表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化してプロトンが生成するため、ロイコ染料のラクトン環が閉環して消色反応が生ずる。
なお、酸性でラクトン環が開環するロイコ染料を色材として用いた場合は、液柱通電前の記録液はアルカリ性のためロイコ染料が閉環しており、無色である。液柱通電してプロトンが生成すると、生成したプロトンがロイコ染料のラクトン環を開環させ、記録液は発色する。
ラクトン環が閉環して色が消えた状態のロイコ染料は水に溶けにくくなるため、ノズル61bの目詰まり等の観点から、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出する前は発色状態にしておくことが望ましい。そのため、本形態では、上述のように、アルカリ性で開環するロイコ染料を用いている。水に溶けにくくなることは、言い換えると親水性が低下することであり、よって、かかるロイコ染料は、酸性でそれ自体が凝集する色材である。
ロイコ染料の発色濃度は液柱通電する際に発生したプロトンの量に比例する。即ち、液柱通電する際に液柱に通電した電流量に比例する。従って、電流量を制御し、生成するプロトンの量を制御すれば、記録液の画像濃度が制御されることとなる。
そのため、画像形成装置100では、諧調性の高い画像を提供するために、このメカニズムを用いている。なお、このメカニズムすなわち変色メカニズムは、上述のロイコ染料を用いた場合には、記録液の電気分解によって消色反応言い換えると消色作用を示す消色メカニズムとして説明される。ただし、色材の性質によっては、かかる変色メカニズムは、記録液の電気分解によって発色反応言い換えると発色作用を示す発色メカニズムとして説明される。
たとえば、上述のように例示したトリフェニルメタン化合物、ラクトン化合物、サルトン化合物、ジアゾ化合物も、pH変化、具体的には上述した反応式(1)、(2)に従って発生する水酸化物イオン、プロトンとの反応により、消色または発色の作用を示す。上述のロイコ染料のように消色反応を利用して画像形成を行うか、あるいは発色反応を利用して画像形成を行うかは、消色、発色の何れが画像形成に適しているか、あるいは何れの色材が画像形成に適しているか等に応じて、適宜選択される。
画像形成装置100では、電流量制御手段として機能する制御部98により、ノズル板61aと中間転写体37との間をブリッジした状態の記録液の電気分解の程度を制御することによって、かかる記録液の変色の度合いを制御するようになっている。この点、制御部98は、色変化制御手段として機能する。
色変化制御手段として機能する制御部98は、記録液の変色の度合いを制御するために、すでに述べた、電流量制御手段として機能する制御部98によって制御される、次のことを用いる。
・記録液がノズル板61aと中間転写体37との間をブリッジした状態で、電源33aによってノズル板61aと中間転写体37との間に印加する電圧の大きさ
・記録液がノズル板61aと中間転写体37との間をブリッジした状態で、電源33aによってノズル板61aと中間転写体37との間に電圧を印加する時間
・ノズル板61aと中間転写体37との間をブリッジした状態の記録液の形状
これらは、いずれか1つのみ用いられてもよいし、適宜の複数の組み合わせで用いられてもよい。
画像形成装置100は、電流計33bを備えているため、電流計33bによって測定された電流、具体的には電流の総和である電流量を用いて、記録液の変色の度合いを制御するようになっている。このフィードバック制御は、かかる総和が所定量になったことに基づいて変色の度合いが所望の度合いとなったと判断し、それ以上の電気分解を停止するように、電圧印加制御手段及び/又はインク吐出制御手段として機能する制御部98による制御を行う。
変色の度合いは、一般に、電流量と比例関係にあるため、この比例関係が成立する場合、変色の度合いの制御も、この比例関係を用いて行う。この比例関係は、後述する実施例からも明らかである。ただし、比例関係が成立しない場合も、変色の度合いは電流量との関係で定量的な性質を示すため、用いる色材について変色の度合いと電流量とがどのような関係にあるかを予め測定しておくことで、電流量を用いた変色の度合いの制御が可能である。なお、変色の度合いの制御には、発色しているか、無色であるかの2者択一の場合を含んでいてもよく、この場合は面積階調との相性が良いが、発色の程度を制御する場合も面積階調と組み合わせてもよい。
このような制御を行うことにより、たとえば、上述のロイコ染料を用いる場合には、色変化制御手段として機能する制御部98により、記録液の液柱に生成されるプロトンの量を制御することで、記録液の画像濃度を所望の濃度に制御することが可能となる。よって、多階調の画像形成が記録液のpHの制御によって可能となる。
なお、フィードバック制御でなく、フィードフォワード制御を行ってもよい。フィードフォワード制御を行う場合は、所望の変色の度合いが得られるように予め定められた制御を、色変化制御手段として機能する制御部98、具体的には電圧印加制御手段及び/又はインク吐出制御手段として機能する制御部98によって行うようにすれば良い。フィードフォワード制御を行う場合は、電流計33bを省略可能である。
記録液においては、電気分解により、次の作用も生ずる。
すなわち、上述の反応式(2)に従って発生したプロトン、または上述の反応式(1)に従って発生した水酸化物イオンとの反応で構造が変化して変色した色材と、記録液に分散している水溶性高分子とが、かかる構造の変化に起因して反応し、色材が凝集する。
このような、記録液に分散している水溶性高分子と、記録液中の色材との凝集反応により、隣接するドット間の滲みの発生が抑制され、高精細な画像が形成される。
また、記録液中の水溶性高分子が、処理液塗布装置90によって中間転写体37に塗布されている処理液と反応して凝集する。
ここで、処理液について説明する。処理液のベースは水であり、そこに親水性高分子化合物を添加している。親水性高分子化合物は、記録液に含まれている水溶性高分子との反応により記録液の増粘作用、凝集作用を強める。よって、親水性高分子化合物を添加した処理液を用いることで、画像品位が向上するという利点が得られる。なお、以下において親水性高分子化合物として説明するイオン性樹脂は、記録液の増粘作用、凝集作用を発揮するため、画質の向上及び転写紙Sのカールを防止ないし抑制する利点を得る上で好ましい。しかしこのイオン性樹脂は必須ではなく、また、イオン性樹脂でなくノニオン性樹脂を用いても同様の利点が得られる場合がある。
かかる親水性高分子化合物としては、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子又はセラック等、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレン−アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレン−アクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレン−マレイン酸樹脂、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩等が挙げられる。
親水性高分子化合物は、カルボン酸をアニオン基として含むことが、記録液中の水溶性高分子との反応性が高く、混色発生防止効果が大きい点で、特に好ましい。また、前述のアニオン性高分子や樹脂エマルジョンと同様に、転写工程における中間転写体37から転写紙Sへの転写率が向上する利点が得られる。
処理液は、記録液中の水溶性高分子と反応する親水性高分子化合物として、糖類、特に多糖類を含むことも好ましい。糖類化合物の例としては、アルギン酸及びその塩、ウロン酸及びその塩、アルドン酸及びその塩等が挙げられる。
処理液には、記録液中の水溶性高分子と反応する成分として、着色剤を含まない樹脂エマルジョン、ラテックスを添加する事も好ましい。とくに、樹脂エマルジョンは、記録液中の水溶性高分子との反応により処理液の増粘作用、凝集作用を強め、画像品質を向上させるため好ましい。また、樹脂エマルジョンの種類によっては、樹脂エマルジョンが被記録媒体である中間転写体37上で皮膜を形成し、印刷物の耐光性、耐水性、耐擦過性をも向上させる利点を有する。
またとくに、着色エマルジョンと同様に、アニオン系界面活性剤で乳化、分散された樹脂を用いることが好ましい。また、外殻がアクリル酸、メタクリル酸等により構成されたカプセル型の樹脂エマルジョンを用いることも好ましい。
懸濁相の樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン‐ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル‐スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
市販の樹脂エマルジョンの例としては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン‐アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)等が挙げられる。
処理液中の樹脂エマルジョンは、その樹脂成分が記録液の0.1〜40重量%となるよう添加するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。
親水性高分子化合物は、記録液に添加してもよい。このようにすれば、処理液塗布装置90が不要となり、画像形成装置100の小型化、低廉化に寄与する。ただし、親水性高分子化合物が、ヘッド61Y、61M、61C、61BKからの記録液の吐出前に、記録液中の水溶性高分子との反応で速やかに、あるいは経時的に凝集する場合には、記録液とは別に、親水性高分子化合物を含んだ処理液を用いることが望ましい。なお、記録液に水溶性高分子を添加することなく、処理液に水溶性高分子を添加してもよいが、記録液の組成のみで凝集を確保する点や画像形成装置100の小型化、低廉化の点から、記録液に水溶性高分子を添加することが望ましい。その他、処理液に水溶性高分子を添加する場合、親水性高分子化合物も処理液に添加してもよいが、水溶性高分子と親水性高分子化合物との反応を考慮すれば、親水性高分子化合物は記録液に添加することが望ましい。
中間転写体37上に担持された画像の先端が転写部31に到達するタイミングに合わせて、給紙ユニット20から給送された一枚の転写紙Sが転写部31に供給される。そうすると、転写ローラ38が連れ回りしながら、転写部31を通過する転写紙Sに、中間転写体37上に担持されている画像が転写され、転写紙Sの表面に画像が形成される。画像が形成された転写紙Sは、排紙台25に案内され排紙台25上に積載される。
このようにして画像が転写紙Sに転写されるときには、変色した色材成分を含む記録液が転写紙Sに転写される。この転写される記録液は、変色した色材成分と水溶性高分子との反応により凝集した成分、さらには水溶性高分子と親水性子分子化合物との反応により凝集した成分を含むため、粘度が高まっている。したがって、上述の化学変化により変色した色剤、及びこの色剤を含む、粘度が向上した、記録液と処理液とを含む合成記録液となった記録液によって転写紙Sに画像が形成されることになる。よって、転写紙Sが普通紙である場合であっても、フェザリングやブリーディング、ビーディングを防止ないし抑制しつつ、高速で高画像濃度、高画質の画像形成が可能である。
また、高速の画像形成を行うには、記録液を速乾性とすることを要するため、記録液は転写紙Sへの吸収性が一般に高いが、この場合には記録液が転写紙Sの奥深くまで浸透し、いわゆる裏移りを生じ、両面画像形成に不向きとなる。しかし、かかる凝集作用により記録液の粘度が高まっていることで、この記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されるためかかる裏移りが防止ないし抑制され、両面画像形成にも適している。
さらにまた、記録液の転写紙Sへの吸収性が低減されることにより、転写紙Sのコックリングやカールなどの変形も抑制ないし防止される。またこれによって画像を担持した転写紙Sの搬送性が向上し、ジャムが防止ないし抑制されるなど、転写紙Sの取り扱いが容易化する。
転写部31における転写により、転写部31を通過した中間転写体37上には、記録液に起因する成分言い換えると転写残はほとんど残っていないが、この転写残として中間転写体37上に存在している記録液は、消色装置80により消色され、無色にされる。よって、かりに転写残の記録液が、中間転写体37のA1方向への回転によって再度転写部31まで搬送され、転写紙Sに転写されたとしても、このオフセットによる地肌汚れ等による画像への影響が防止される。
そのため、消色液は、記録液中の色材に、上述した消色作用を行う性質を持つ。たとえば、色材が上述したロイコ染料である場合には、ロイコ染料のラクトン環を閉環させるために、消色液として、ラクトン環が閉環するpHの水溶液、即ち、酸性を呈する液体を用いる。すなわち、たとえば、色材として、アルカリ性で開環して発色するロイコ染料を用いた際は、酸性の水溶液を塗布することで、転写残の色を消す。なお、酸性で発色する色材、たとえば酸性で開環して発色するロイコ染料を色材として用いた際は、アルカリ性の水溶液を塗布することで、転写残の色を消す。
このように、中間転写体37上に残留している記録液と反応してこの記録液の色を消すpHの消色液は、かかる記録液の色が消えるようにこの記録液のpHを調整する調整液として機能するものである。よって、消色装置80は、かかる調整液を中間転写体37に塗布する調整液塗布手段である。
消色手段は、消色装置80のような、消色液である調整液を用いる構成に限らず、中間転写体37上に残留している転写残である記録液を電気分解してこの記録液の色を消す電圧を記録液に印加する消色電圧印加手段である消色通電装置であってもよい。
たとえば、アルカリ性で開環して発色する上述のロイコ染料を色材として用いている場合には、記録液の吐出時と同じ電流を流す電圧を印加することでプロトンを中間転写体37側に発生させてラクトン環を閉環させれば、転写残の消色が行われる。またたとえば酸性で開環して発色するロイコ染料を色材として用いている場合には、記録液の吐出時と逆の電流を流す電圧を印加することで水酸化物イオンを中間転写体37側に発生させてラクトン環を開環させれば、転写残の消色が行われる。
消色手段を消色通電装置とする場合の構成としては、たとえば、清掃手段34を用いることが可能である。清掃手段34のクリーニングブレード等の清掃部材に電源33aの一方の極を接続し、電源33aの他方の極を中間転写体37に接続して電圧を印加することで消色を行う。よって、この場合、清掃手段34、具体的には清掃部材に加えて、電源33a、中間転写体37も消色通電装置として機能し、清掃部材、中間転写体37は電圧印加部材として機能する。
消色手段は、電圧印加部材として、塗布ローラ83のような、清掃手段34を構成する部材とは別個の部材を、清掃部材と同様に電源33aに接続された状態で備えたものであってもよい。この場合、塗布ローラ83を、この別個の部材として、中間転写体37との間で電圧を印加する電圧印加部材として備えていてもよい。またこの場合、塗布ローラ83とは別の部材を、この別個の部材として、中間転写体37との間で電圧を印加する電圧印加部材として備えていてもよい。さらに、塗布ローラ83と、塗布ローラ83とは別のかかる別個の部材と、清掃部材との適宜の組み合わせを、中間転写体37との間で電圧を印加する電圧印加部材として備え、多段階で消色を行うようにしてもよい。
なお、これら調整液塗布手段、消色電圧印加手段を併用してもよい。
何れにせよ、転写残の消色を行うことで、転写残の色が次の画像形成時に吐出される記録液と混色して色が変化することが防止または抑制されることで、転写残のオフセットによる色再現性の低下が防止または抑制されるため、高精細の画像形成が行われる。
このような消色装置80によって転写残を消色された中間転写体37は清掃手段34によるクリーニングを受けることで、記録液のオフセットが高度に防止ないし抑制される。よって、繰り返し画像形成を行っても、オフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制され、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能である。
なお、消色装置80による消色機能が十分である場合には、清掃手段34を省略することが可能である。
以上の条件を考慮した記録液、画像形成装置を用いて、次の実験により、画像形成がどのように行われるかを、
(1)画像濃度
(2)ブリーディング
(3)文字品質
(4)カール
(5)消色性
の各項目について調べた。
これら各項目の比較のため、実施例1〜6、比較例1〜2を用いた。なお、上記項目(1)〜(4)の評価については、実施例1〜4、比較例1についてのみ行い、上記項目(5)の評価については、実施例5、6、比較例2についてのみ行った。
<画像形成条件>
実験に用いた画像形成装置は、画像形成装置100と同様の構成の、インクジェットプリンタGX−5000(リコー社製)を改造した画像形成装置である。
記録液は、組成、重量比を次に述べるように調整し、ヘッド61BKと同等のヘッドに充填した。なお、記録液中の色材は、反応したプロトン量に比例して発色が促進されるロイコ染料であり、吐出時は無色である。
ヘッド61BKにおけるすべての圧電素子に入力する信号の波形は同一として、すべてのノズル61bから、吐出周波数1000Hz、吐出時間1秒で記録液を吐出し、ベタ画像を形成した。なお、ヘッド61BKは固定して用い、中間転写体37の長手方向すなわちA1方向に垂直な方向すなわち、図1の紙面に垂直な方向には移動させることなく、記録液を吐出した。
ヘッド61BKと中間転写体37とのギャップは80μmとした。
中間転写体37は、支持体37aとしてのアルミニウム素管の外周に、表面層37bとして、体積抵抗率が1.6Ω・cm、厚さが0.5mmの、カーボンが分散されているシリコーンゴム層を有している。この中間転写体37を、外周の線速が100mm/秒でA1方向に回転駆動した。
転写ローラ38は、金属製の芯金に厚さが5mmのゴム層を形成したものである。
清掃手段34としてフッ素ゴムからなるブレードを用いた。
転写紙Sとしてリコービジネスコートグロス100を用い、中間転写体37と転写ローラ38との間に通紙した。実施例1〜4、比較例1については、この転写紙Sに転写された画像を用いて評価を行い、実施例5、6、比較例2については、かかる通紙後に中間転写体37上に残留している転写残を2枚目の転写紙Sに転写し、この転写された転写残を用いて評価を行った。
実施例1〜4、比較例1については、ベタ画像として、濃色のベタ画像、淡色のベタ画像を隣り合うように形成した。このとき、淡色のベタ画像の濃度を、濃色のベタ画像の半分の濃度とすることを目標とした。すべての実施例、比較例について、画像濃度の測定は、X−rite939で測定した。この測定値は、画像濃度に比例した値として得られる。
記録液は次のとおりである。
<ブラック記録液>
・2−アニリノ−6−ジブチルアミノ−3−メチルフルオラン(One Dye Black−2、山本化成製):35.0質量%
・2−ピロリドン:9.0質量%
・グリセリン:16.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:1.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
その後、水酸化リチウムの5質量%水溶液によりpH9.2に調整し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターにて加圧濾過。
[実施例1]
電源33aの電圧を、濃色のベタ画像の形成のときには300V、淡色のベタ画像の形成のときには150Vとし、記録液の液柱が形成されている間、印加し続けた。
[実施例2]
電源33aの電圧を、濃色のベタ画像の形成、淡色のベタ画像の形成の何れにおいても300Vとし、かかる電圧の印加時間を、記録液の液柱が形成されている間において、濃色のベタ画像の形成のときには10μs、淡色のベタ画像の形成のときには5μsとした。
[実施例3]
電源33aの電圧を一定とし、記録液の液柱が形成されている間、印加し続けるとともに、記録液の液柱に流れる、式(1)から算出される電流量が、濃色のベタ画像の形成のときと淡色のベタ画像の形成のときとで2:1となるように、液柱の太さを調整した。
[実施例4]
記録液に、記録液中の色材と凝集する水溶性高分子としてポリアリルアミンを混ぜて画像形成に使用した。その他は実施例1と同じである。
[実施例5]
ベタ画像を転写後の中間転写体37に、消色液としてアルカリ性の液を塗布してから、2枚目の転写紙Sへの転写を行った。
[実施例6]
ベタ画像を転写後の中間転写体37に、電源33aによって、クリーニングブレードと中間転写体37との間に、ベタ画像形成時と逆の電圧を印加してから、2枚目の転写紙Sへの転写を行った。
[比較例1]
記録液を吐出するヘッドと別のヘッドから、画像濃度を調整するための、次に述べる濃度調整液を、中間転写体37表面の、記録液の着弾位置と同じ位置に着弾するように吐出した。電源33aの電圧を300Vとし、記録液の液柱が形成されている間、印加し続けた。
<濃度調整液>
・ジエチレングリコール:20.0重量%
・蒸留水:残量
[比較例2]
消色処理を行うことなく、2枚目の転写紙Sに転写残を転写した。
<判定基準>
上記項目(1)〜(5)の判定基準は次のとおりである。
(1)画像濃度
濃色のベタ画像の測定値と単色のベタ画像の測定値との比が2:1に近いほど、画像濃度の制御精度が高く、階調制御に優れていることを示す。
(2)ブリーディング
目視にて、濃色のベタ画像と淡色のベタ画像との境界部分において、ブリーディングの目立たないものを○、あまり目立たないものを△、それ以下のものを×とした。
(3)文字品質
目視にて、ベタ画像の輪郭部分において、フェザリングの目立たないものを○、あまり目立たないものを△、それ以下のものを×とした。
(4)カール
印字後、印字面を下にして平らな載置面に載置し、10秒後に載置面からの転写紙Sの端の高さを評価対象とした。高さが20mm以下のものを○、筒状に丸まってしまうものを×とした。
(5)消色性
測定値が0.1以下の場合を○、それ以上のものを×とした。
<評価結果>
実施例1〜6、比較例1〜2についての評価結果をまとめると、次の表1に示すようになった。
Figure 2014148146
同表から、本発明に係る画像形成方法により、上記項目(1)〜(4)についてほぼ良い結果が得られ、上記項目(5)についてよい結果が得られることが確かめられた。
具体的には、上記項目(1)については、実施例1、実施例2、実施例4については、濃色のベタ画像の測定値と単色のベタ画像の測定値との比が2:1となっており、極めて高精度で階調制御が行われることが確かめられた。また、実施例3についても、濃色のベタ画像の測定値と単色のベタ画像の測定値との比がほぼ2:1となっており、高精度で階調制御が行われることが確かめられた。これに対し、2液混合を行う比較例1については、濃色のベタ画像の測定値と単色のベタ画像の測定値との比が2:1から離れており、階調制御の精度が低いことが確かめられた。
上記項目(2)については、実施例1、実施例2、実施例3については、高精度でブリーディング対策がなされることが確かめられた。また、実施例4については、さらに高精度でブリーディング対策がなされることが確かめられた。これに対し、2液混合を行う比較例1については、ブリーディングが目立ちやすいことが確かめられた。なお、ビーディングについてもこの項目(2)の結果と同じ結果が得られる。
上記項目(3)については、上記項目(2)と同じ傾向でフェザリング対策がなされることが確かめられた。これは、ブリーディング対策、ビーディング対策による文字品質への副次的な効果が得られることを示している。
上記項目(4)については、実施例1〜実施例4の何れでも、カール対策がなされることが確かめられた。これに対し、2液混合を行う比較例1については、カールが生じやすいことが確かめられた。なお、コックリングについてもこの項目(4)の結果と同じ結果が得られる。
上記項目(5)については、消色液を用いる実施例5、逆電圧を用いる実施例6の何れも、消色が良好であり、また、何れの消色方式も消色に有効であることが確かめられた。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、記録液の吐出側がアノード、記録液の着弾側がカソードであってもよい。この場合、たとえば上述した、酸性でラクトン環が閉環するロイコ染料を色材として用いると、上述した実施例における変色傾向のように、無色の状態で吐出し、通電で発色する。
中間転写体の表面は、全面が導電性である必要はなく、少なくとも一部が導電性であれば良い。すなわち、中間転写体の表面のうち、ヘッドと中間転写体との間をブリッジした記録液の液柱に通電を行うために記録液が吐出される部分が導電性であれば良い。
本発明を適用する画像形成装置は、上述のタイプの画像形成装置に限らず、他のタイプの画像形成装置であってもよい。すなわち、複写機、ファクシミリの単体、あるいはこれらの複合機、これらに関するモノクロ機等の複合機、その他、電気回路形成に用いられる画像形成装置であってもよい。また、バイオテクノロジー分野において所定の画像を形成するのに用いられる画像形成装置であっても良い。
ヘッドの数は画像形成装置の用途に応じて増減されるものであり、複数であっても、1つであってもよい。ヘッドの数が複数である場合、上述の構成例のように4つに限らず、さらに多種類の記録液、たとえばライトシアン、ライトマゼンタといった淡い色の記録液を吐出するヘッドを備えていて良い。ヘッドの数が複数である場合、少なくとも1つのヘッドから吐出する導電性記録液に含まれる色材の色がpHによって変わればよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
33 電圧印加手段、消色電圧印加手段
33b 電流測定手段
34 消色電圧印加手段
37 中間転写体、消色電圧印加手段
61b ノズル
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
64 転写手段
80 消色手段、調整液塗布手段
98 色変化制御手段
100 画像形成装置
S 被記録材
特開平6−305163号公報 特開2008−188803号公報 特開2007−196667号公報 特許第4642737号公報 特開2010−253807号公報

Claims (9)

  1. pHによって色が変わる色材を含む導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、
    このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、少なくとも表面の一部が導電性の中間転写体と、
    前記ヘッドから吐出された導電性記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間をブリッジした状態でこの状態の導電性記録液を電気分解して変色させるために前記中間転写体と前記ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加手段とを有する画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記状態の導電性記録液の電気分解の程度を制御することによって同導電性記録液の変色の度合いを制御する色変化制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2記載の画像形成装置において、
    前記色変化制御手段は、
    前記状態において前記電圧印加手段によって前記中間転写体と前記ヘッドとの間に印加する電圧の大きさを制御すること
    及び/又は
    前記状態において前記電圧印加手段によって前記中間転写体と前記ヘッドとの間に電圧を印加する時間を制御すること
    及び/又は
    前記ノズルから導電性記録液を吐出させるための、前記ヘッドの駆動信号を制御することによって、前記状態の導電性記録液の形状を制御すること
    で前記度合いを制御することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記色材としてロイコ染料を含んでいる導電性記録液を用いることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    pHに応じて前記色材と凝集反応を起こす水溶性高分子を含む導電性記録液を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記状態の導電性記録液に流れる電流を測定する電流測定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    導電性記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写するための転写手段と、
    この転写手段によって前記画像が被記録材に転写された後の前記中間転写体上に残留している導電性記録液の色を消すための消色手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7記載の画像形成装置において、
    前記消色手段は、前記中間転写体上に残留している導電性記録液と反応して同導電性記録液の色を消すpHの調整液を同中間転写体に塗布する調整液塗布手段であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7または8記載の画像形成装置において、
    前記消色手段は、前記中間転写体上に残留している導電性記録液を電気分解して同導電性記録液の色を消す電圧を同導電性記録液に印加する消色電圧印加手段であることを特徴とする画像形成装置。
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