JP2014148097A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズルプレートが非金属材料の場合でも、液体噴射ヘッドの帯電を防止し、駆動回路の破壊を防止することができる液体噴射ヘッドを提供することを目的とする。
【解決手段】ノズルプレートはノズルプレートよりも導電性の高い導電部を有し、液体噴射ヘッドは導電性を有する部材を有し、導電部と導電性を有する部材が電気的に接続するように形成する。この構成によって、液体噴射ヘッドに帯電した静電気を、導電部と導電性を有する部材を介して液体噴射ヘッド外部の接地点に逃がすことができる。そのため、静電気によって駆動回路が破壊されることを防止することができる。
【選択図】図6
【解決手段】ノズルプレートはノズルプレートよりも導電性の高い導電部を有し、液体噴射ヘッドは導電性を有する部材を有し、導電部と導電性を有する部材が電気的に接続するように形成する。この構成によって、液体噴射ヘッドに帯電した静電気を、導電部と導電性を有する部材を介して液体噴射ヘッド外部の接地点に逃がすことができる。そのため、静電気によって駆動回路が破壊されることを防止することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、液体噴射ヘッド、当該液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に関する。
従来、例えば、インクジェット式記録ヘッドを代表とする液体噴射ヘッドには、共通インク室(共通液体室)から圧力発生室を経てノズルに至る一連の液体流路を各ノズルに対応して備え、圧力発生部の駆動によって圧力発生室内の液体に生じた圧力変動を利用してノズルからインクなどの液体を吐出させるように構成されたものがある。
上記のような液体噴射ヘッドは複数の構成部品を積層して形成されている。例えば、ステンレス等の導電性を有するノズルプレートと、シリコン製の流路基板と、弾性フィルムの封止膜を有するコンプライアンス基板とが積層され、流路基板に形成された空部がノズルプレートとコンプライアンス基板とに封止されて、液体流路が形成されている。そして、ここにインクが充填されることとなる。
しかし、上記液体噴射ヘッドを備えたプリンターにおいて、記録紙に発生した静電気がノズルプレートに放電されると、この静電気が液体噴射ヘッド内のインクを伝わって圧電振動子を駆動させる駆動回路を破壊する虞がある。
このため、ノズルを露出させる窓が形成された導電性のヘッドカバーを液体噴射ヘッドに取り付け、液体噴射ヘッドを保護するとともに、ノズルプレートからヘッドカバーを介して接地することで、記録紙からの静電気を逃して駆動回路の破壊を防止している(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ノズルをノズルプレートの所定位置に高精度に形成すべく、エッチング技術を用いて、ノズルプレートをシリコンで形成した液体噴射ヘッドが開発されている。しかしながら、シリコンはステンレス等に比べて導電性が極めて低く、従来の液体噴射ヘッドのように単にヘッドカバーを取り付けただけの構造では、ノズルプレートからヘッドカバーを介して静電気を逃がすことができない、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる液体噴射ヘッドは、液滴を吐出するノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルに連通する圧力発生室と、液滴を吐出させるために前記圧力発生室内に圧力を発生させる圧力発生部と、導電性を有する部材とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記ノズルプレートの液滴が吐出される面に、前記ノズルプレートよりも導電性の高い導電部が形成され、前記導電部と前記導電性を有する部材とが電気的に接続していることを特徴とする。
この構成によれば、ノズルプレートよりも導電性の高い導電部とカバー部を介して、液体噴射ヘッドに帯電した静電気を液体噴射ヘッド外部に容易に逃がすことができる。これにより、駆動回路の破壊を防止することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる液体噴射ヘッドでは、前記ノズルプレートは非金属材料で形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、ノズルプレートが導電性の低い材料で形成されている場合であっても、ノズルプレート上に形成された導電部によって、静電気をカバー部を介して液体噴射ヘッド外部に逃がすことができるため、駆動回路が破壊されることを防止することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる液体噴射ヘッドでは、前記ノズルプレートはシリコンで形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、同じくシリコンで形成される流路基板とノズルプレートの熱膨張率が同じであるため、圧電振動子等の熱によって各部材が膨張しても、接合部分が剥離する等の悪影響を防止することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる液体噴射ヘッドでは、前記導電部がノズルの縁を含むノズル周縁部以外の領域に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ノズルから吐出された液滴の吐出特性に悪影響を及ぼすことを防止することができるとともに、ノズルから吐出される液滴の吐出状況を検知する検知手段に悪影響を及ぼすことを防止できる。
[適用例5]上記適用例にかかる液体噴射ヘッドでは、前記ノズルプレートは複数の前記ノズルからなるノズル列を有し、前記導電部は前記複数のノズルの各々に対する前記ノズル周縁部が連続するノズル列周縁部以外の領域に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ノズルから吐出された液滴の吐出特性に悪影響を及ぼすことを防止することができるとともに、ノズルから吐出される液滴の吐出状況を検知する検知手段に悪影響を及ぼすことを防止できる。
[適用例6]本適用例にかかる液体噴射装置は、上記の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、信頼性の高い液体噴射装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。また、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として様々な限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載が無い限り、これらの態様に限られるものではない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1にかかるプリンター構成を示す概略図である。
まず、実施形態1にかかる液体噴射装置としてのインクジェット式プリンター101(以下、プリンター101と称す)の概略構成について説明する。
図1は、実施形態1にかかるプリンター構成を示す概略図である。
まず、実施形態1にかかる液体噴射装置としてのインクジェット式プリンター101(以下、プリンター101と称す)の概略構成について説明する。
プリンター101は、液体噴射ヘッドユニット1が取り付けられると共に、液体噴射ヘッドユニット1が取り付けられるキャリッジ103と、液体噴射ヘッドユニット1の下方に配設されたプラテン104と、液体噴射ヘッドユニット1が搭載されたキャリッジ103を記録紙105(吐出対象物の一種)の紙幅方向に移動させるキャリッジ移動機構106と、紙幅方向に直交する方向である紙送り方向に記録紙105を搬送する紙送り機構107等を備えて概略構成されている。ここで、紙幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)であり、紙送り方向とは、副走査方向(即ち、ヘッド主走査方向に直交する方向)である。
キャリッジ103は、主走査方向に架設されたガイドロット108に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構106の作動により、ガイドロット108に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ103の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー109によって検出され、検出信号が位置情報として制御部(図示せず)に送信される。これにより、制御部はこのリニアエンコーダー109からの位置情報に基づいてキャリッジ103(液体噴射ヘッドユニット1)の走査位置を認識しながら、液体噴射ヘッドユニット1における記録動作(吐出動作)等を制御することができる。
次に、液体噴射ヘッドユニット1について、添付の図面を参照して説明する。図2は本実施形態にかかる液体噴射ヘッドユニット1の分解斜視図、図3はその組立斜視図、図4は液体噴射ヘッド4およびヘッドケースの分解斜視図、図5はその要部断面図である。
図2に示すように、液体噴射ヘッドユニット1は、カートリッジケース3と、液体噴射ヘッド4とによって構成されている。本実施形態の液体噴射ヘッドユニット1は、4個の液体噴射ヘッド4と、ヘッドケース5と、カバー部6とを備えており、カートリッジケース3に固定されている。また、カバー部6は、カバーヘッド7とヘッド固定板8とによって構成される導電性の部材であり、液体噴射ヘッドユニット1の外部に配設されている接地点(不図示)と電気的に接続されている。
ヘッド固定板8は、複数の液体噴射ヘッド4を位置決めして保持するための金属製の平板材であり、カバーヘッド7と接合してカバー部6を構成する。そして、このヘッド固定板8は、隣接する液体噴射ヘッド4の間に延設された固定用梁部10が設けられている。また、複数の液体噴射ヘッド4に亘って液体噴射ヘッド4の外周に沿って設けられた固定用枠部11と、前記固定用梁部10とで構成された接合部12は、後述するノズルプレートのノズル30を露出するように固定板露出開口部13を形成している。
カバーヘッド7は、ヘッド固定板8と導電性接着剤等で電気的且つ機械的に接合される金属製の箱形状部材であり、ヘッド固定板8の外周に亘って屈曲するように設けられた側壁部14を備えている。また、このカバーヘッド7は、固定用梁部10に対応した梁部15と、固定用枠部11に対応した枠部16とで構成された固定部17を備えており、加えて、固定板露出開口部13に対応した露出開口部18を備えている。さらに、カバーヘッド7の側壁部14から延設されたフランジ部19に固定孔20が設けられている。この固定孔20は、図2および図3に示すように、カートリッジケース3に突設された突起部24を挿入し、突起部24の先端部を加熱してかしめることで、複数の液体噴射ヘッド4およびヘッドケース5とともにカバー部6をカートリッジケース3に固定することができる。
カートリッジケース3は、前記したキャリッジ103の主要部分を担う部材であり、インクカートリッジ102がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部21を有する。インクカートリッジ102は、例えばブラックインクおよびカラーインクが充填された別体で構成されたインク供給手段である。即ち、カートリッジケース3には、各色のインクカートリッジ102がそれぞれ装着される。
ヘッドケース5は、各液体噴射ヘッド4に対応して独立して複数個設けられており、カートリッジケース3の底面に位置決め固定されている。このヘッドケース5は、カートリッジケース3とは反対側の面に液体噴射ヘッド4が接着剤等で一体的に接合される。この液体噴射ヘッド4は、図5に示すように、ノズルプレート26、流路基板27、保護基板28およびコンプライアンス基板29の4つの基板で構成されている。
図4に示すように、流路基板27は長尺なシリコン単結晶基板からなり、長手方向に沿って細長な連通部34がエッチングによって二本形成され、両連通部34に挟まれた領域に複数の圧力発生室32が連通部34ごとに、長手方向に並んだ状態でエッチングによって形成されている。そして、各圧力発生室32は、インク供給路33を介して連通部34と連通している。また、流路基板27の一方面には圧電振動子41が配設され、その反対側にノズルプレート26が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、圧電振動子41は酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜、金属からなる下電極膜、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層および金属からなる上電極膜を順次積層することで形成される。
ノズルプレート26は、非金属材料で形成されている。なお、本実施形態では非金属材料として、シリコン単結晶の基板でノズルプレート26を形成している。ノズル30はエッチングによって形成される。ノズル30は各圧力発生室32のインク供給路33とは反対側で連通するように、ノズルプレート26に形成されている。このように、ノズルプレート26にシリコン単結晶の基板を用いると、前記した流路基板27との熱膨張率を同じにすることができるため、例えば、圧電振動子41等の熱により各部材が膨張しても両者の接合部分が剥離する等の悪影響を防止することができる。
保護基板28は流路基板27のノズルプレート26と反対側に接合されており、保護基板28を厚さ方向に貫通するように、長尺なリザーバー35が二本設けられている。このリザーバー35は、各連通部34と連通し、共通インク室36を構成している。また、保護基板28は、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等で好適に形成し得るが、ノズルプレート26と同様に、流路基板27の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましい。本実施形態では、流路基板27と同一材料であるシリコン単結晶の基板を用いて形成している。なお、ここで言う厚さ方向とは、例えば、保護基板と流路基板27の接合面に対して垂直方向を指している。
さらに、図5に示すように、保護基板28には圧力発生部としての各圧電振動子41を駆動するための駆動IC44が設けられている。この駆動IC44の各端子は、ボンディングワイヤー等(不図示)を介して各圧電振動子41の個別電極から引き出された引き出し配線(不図示)と接続されている。そして、駆動IC44の各端子は、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線43を介して外部と接続され、各圧電振動子41を駆動するための外部からの各種信号を、外部配線43を介して受け取れるようになっている。
コンプライアンス基板29は、封止膜46と支持板47とから形成されており、保護基板28の流路基板27と反対側に接続されている。封止膜46は剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さ6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)で形成されており、また、支持板47は金属等の硬質材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成されている。ここで、コンプライアンス基板29は、共通インク室36に対向する領域に、共通インク室36にインクを供給するためのインク導入口37を厚さ方向に貫通して形成されている。また、コンプライアンス基板29の共通インク室36に対向する領域において、インク導入口37以外の領域は、支持板47が除去された封止膜46からなる封止部48となっている。そのため、共通インク室36は、可撓性を有する封止部48により封止されることになる。そして、封止部48に対向するヘッドケース5の一部には、封止膜46の可撓変形を阻害しない程度の空間を有する封止膜保持部49を備えている。このように構成することで、可撓性を有する封止膜46により、共通インク室36がコンプライアンスを得るようにしてある。
そして、ヘッドケース5は、上述したようにカートリッジケース3の底面に固着されており、それとは反対側でコンプライアンス基板29と接合している。また、ヘッドケース5は、保護基板28に設けられた駆動IC44に対向する領域に、厚さ方向に貫通した駆動IC収納部45が設けられている。さらに、ヘッドケース5にはインク供給路38が設けられ、一方がコンプライアンス基板29に形成されたインク導入口37と連通しており、もう一方はインクカートリッジ102に連通している。
このように、液体噴射ヘッド4はインクカートリッジ102から供給されたインクを、インク供給路38、インク導入口37、共通インク室36、インク供給路33を介して各圧力発生室32に供給することができる。そして、各圧力発生室32内には、圧力を発生させる圧電振動子41を備えてあるため、インク滴(液滴の一種)を吐出させることができる。具体的には、駆動IC44からの駆動信号により圧電振動子41を撓ませることで、圧力発生室32内部に供給されたインクに圧力変動を発生させることができ、この圧力変動によってノズル30からインク滴が吐出される。
次に、ノズルプレート26に設けられた導電膜51について、図5および図6を用いて詳しく説明する。図5は液体噴射ヘッド4の断面図であり、図6は液体噴射ヘッド4をノズルプレート26側から見た平面図である。
図5に示すように、ノズルプレート26において圧力発生室32とは反対側の面に、ノズルプレート26よりも導電性の高い導電部としての導電膜51が形成されている。導電膜51は、ノズルプレート26において導電膜51と同じ側に設けられたカバー部6の一部と、電気的に接続するように形成されている。カバー部6は、ノズルプレート26の厚み方向において、少なくとも一部が導電膜51と重なるようにして固定されている。ここで、導電膜51に用いられる材料は、ノズルプレート26よりも導電性が高い材料であればよい。
また、導電膜51は、ノズル30の縁を含むノズル周縁部以外の領域に形成されている。本実施形態では、複数のノズル30によってノズル列が複数形成されており、複数のノズルの各々に対してノズル周縁部が形成されている。さらに、ノズル周縁部はノズル列ごとに連続して、ノズル列周縁部を形成している。本実施形態では、ノズル列周縁部以外の領域に導電膜51が形成されている。このような構成にすれば、例えば、特許第04513354号のように、ノズルから吐出されたインクの荷電状態によってノズルの吐出不良を検知する検知手段を備えたプリンターにおいて、ノズルから吐出されるインク滴の荷電状態に影響を与えることを防止できるので、ノズルの吐出不良を精度良く検出することができる。
以上述べたように、本実施形態によれば、導電膜51の一部とカバー部6の一部とを電気的に接続するように配置したため、液体噴射ヘッド4に帯電した静電気を導電膜51とカバー部6を介して液体噴射ヘッド4外部の接地点(不図示)に逃がすことができる。したがって、駆動回路の破壊を防止することができる。さらに、ノズル30の縁を含むノズル周縁部以外の領域に導電膜51を形成するため、吐出されたインク滴の荷電状態によってノズル30の吐出不良を検出する検知手段を備えたプリンター101において、吐出状態を正確に検出することができる。
(実施形態2)
次に、第2の実施形態について、図7を用いて説明する。図7に示す実施形態2では、ノズルプレート26の圧力発生室32と反対側の面において、ノズル30の縁を含むノズル周縁部以外の領域に導電膜51が形成されている。その他の構成において実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
次に、第2の実施形態について、図7を用いて説明する。図7に示す実施形態2では、ノズルプレート26の圧力発生室32と反対側の面において、ノズル30の縁を含むノズル周縁部以外の領域に導電膜51が形成されている。その他の構成において実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
本実施形態によれば、ノズル30の縁を含むノズル周縁部以外の領域に導電膜51を形成することによって、液体噴射ヘッド4に帯電した静電気を導電膜51とカバー部6を介して液体噴射ヘッド4外部の接地点(不図示)により確実に逃がすことができる。さらに、吐出されるインク滴の荷電状態を検知してノズル30の吐出不良を検出する検知手段を備えたプリンター101において、ノズルから吐出されるインク滴の荷電状態に影響を与えることを防止できるので、ノズル30の吐出不良を精度良く検出することができる。
(実施形態3)
次に、第3の実施形態について、図8を用いて説明する。図8に示す実施形態3では、ノズルプレート26の圧力発生室32と反対側の面において、ノズル30の縁を含むノズル周縁部にも導電膜51を形成している。その他の構成において実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
次に、第3の実施形態について、図8を用いて説明する。図8に示す実施形態3では、ノズルプレート26の圧力発生室32と反対側の面において、ノズル30の縁を含むノズル周縁部にも導電膜51を形成している。その他の構成において実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
本実施形態によれば、ノズル30の縁を含むノズル周縁部にまで導電膜51を形成することで、液体噴射ヘッド4に帯電した静電気が駆動回路に通電してしまうことをより確実に防止できる。そのため、駆動回路が破壊されることを防ぐことができる。
さらに、上記実施形態1〜3では、圧力発生部として所謂撓み振動型の圧電振動子41を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電振動子41を採用することも可能である。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、上記実施形態1〜3では、ノズルプレート26よりも導電性の高い部材として導電膜51を例示したが、これには限られず、ノズルプレート26の少なくとも一部に導電部を形成してもよく、例えば、導電部を格子状に形成してもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
そして、本発明は、駆動信号を用いて液滴の吐出制御が可能な液体噴射ヘッドであれば、プリンター101に限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等の他の機器用のヘッドにも適用することができる。そして、ディスプレイ製造装置では、色材吐出ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を吐出する。また、電極製造装置では、電極材吐出ヘッドから液状の電極材料を吐出する。チップ製造装置では、生体有機物吐出ヘッドから生体有機物の溶液を吐出する。
1…液体噴射ヘッドユニット、4…液体噴射ヘッド、6…カバー部、26…ノズルプレート、30…ノズル、36…共通インク室(共通液体室)、41…圧力発生部としての圧電振動子、51…導電性の高い導電部としての導電膜、101…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンター。
Claims (6)
- 液滴を吐出するノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルに連通する圧力発生室と、液滴を吐出させるために前記圧力発生室内に圧力を発生させる圧力発生部と、導電性を有するカバー部とを具備する液体噴射ヘッドであって、
前記ノズルプレートの液滴が吐出される面に、前記ノズルプレートよりも導電性の高い導電部が形成され、前記導電部と前記カバー部とが電気的に接続されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
前記ノズルプレートは非金属材料で形成されたことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項2に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
前記非金属材料はシリコンであることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
前記導電部は前記ノズルの縁を含むノズル周縁部以外の領域に形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
前記ノズルプレートは複数の前記ノズルからなるノズル列を有し、
前記導電部は前記複数のノズルの各々に対する前記ノズル周縁部が連続するノズル列周縁部以外の領域に形成されていること特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置。
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