JP2014148089A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液滴の吐出速度の制御性が向上する液体吐出装置を提供する。
【解決手段】電極対13は、隔壁部を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域R1と共通液室側の部分において電界を印加しない非可動領域R2とに2分割するよう配置されている。圧力室1の第2端部1bにおける長手方向A2に垂直な面に沿う断面の断面積をS2とする。可動領域R1と非可動領域R2との境界X上の第1端部1aに最も近い第1境界点P1における長手方向A2に垂直な面に沿う断面の断面積をS1とする。圧力室1の断面の断面積S2が、断面積S1よりも広くなるように形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、圧電体からなる隔壁部で仕切られて圧力室が形成された液体吐出装置に関する。
液体吐出装置である液体吐出ヘッドとして、圧力室内のインクの圧力を変化させ、インクに流れを発生させ、ノズルからインクを吐出させることにより液滴を噴射するものが普及している。特にドロップオンデマンド型のヘッドが最も一般的に普及している。また、インクに圧力を印加する方式には大きく2つの方式がある。それは、圧電素子への駆動信号により圧力室内の圧力を変化させることによりインクの圧力を変化させる方式と、抵抗体への駆動信号により圧力室内に気泡を発生させインクに圧力を加える方式である。
圧電素子を用いた液体吐出ヘッドは、バルクの圧電材料を機械加工することにより、比較的容易に作製することも可能である。また、比較的インクの制約も少なく幅広い材料のインクを記録媒体に選択的に塗布できる利点も有している。このような観点から近年、液体吐出ヘッドをカラーフィルターの製造、配線形成等の工業用に利用する試みも多くなっている。
工業用に利用する圧電方式の液体吐出ヘッドの中でもシェアモード方式が多く採用されている。シェアモード方式は分極処理された圧電体に直交方向に電界を印加することによりせん断変形することを利用している。変形させる圧電体は分極処理されたバルクの圧電材料にダイシングブレードによりインク溝等を加工して形成させる隔壁部である。その隔壁部の両側面には、圧電体を駆動するための電極対が形成され、ノズルが形成されたノズルプレート及びインク供給系を形成することにより液体吐出ヘッドが構成される(特許文献1参照)。
シェアモード方式の液体吐出ヘッドは比較的容易に製造可能であるが、所望の吐出速度を得るためには、圧電体からなる隔壁部の両側に加える電圧(電位差)によって圧電体をせん断変形させ、圧力室内の液体に加わる圧力を制御する必要がある。
圧電方式の液体吐出ヘッドの吐出性能は、一般的に電圧と吐出速度との関係で表され、吐出速度は電圧に対して比例することが知られている。低消費電力で吐出速度の制御性の良い液体吐出ヘッドを得るためには、低電圧で液滴を吐出でき、且つ、電圧に対する吐出速度の変化の割合(以下、「電圧感度」という)を小さくすることが必要である。
吐出速度は、圧力室内の液体に加わる圧力に比例することから、圧電体の材料、隔壁部や圧力室の幅や高さによって液体に加わる圧力を調整することで制御できる。例えば、液体に加わる圧力を高めるためには、圧力室の幅を狭くしたり、圧力室の高さを高くしたりすることで、圧力室の変位体積を大きくすることが有効である。
一方、変位体積と隔壁部や圧力室の構造の関係は、変位体積ΔVol、圧電定数d15、圧力室の高さH、隔壁部の幅T、電圧V、圧力室の長さz、に対して、ΔVol=(d15×H×z×V)÷(4×T)の関係式で表される。
特公平6−6375号公報
しかし、長手方向全体に亘って、隔壁部の幅や圧力室の高さを変えて圧力室の変位体積を大きくしようとすると、上記関係式より電圧に対する変位体積の変化の割合が大きくなる。変位体積と液体に加わる圧力とは比例関係にあるので、結果として、液体に加わる圧力に対する電圧の変化の割合も大きくなる。つまり、低電圧で液滴を吐出させるために、単純に圧力室の幅や圧力室の高さを調整して圧力室内の液体に加わる圧力を高めようとすると、吐出速度の電圧感度が上昇し、液滴の吐出速度の制御性が低下する。
特に、微小液滴を吐出させるために、ノズルの径を例えば5[μm]〜15[μm]にまで小さくすると、ノズルの壁面とノズルの中心との距離が近くなるので、粘性抵抗や表面張力の影響が大きくなり、液体の流速がノズルの中心に集中し易くなる。このことから、ノズルから吐出方向に対して形成された液柱が千切れにくくなる。したがって、液柱が千切れて液滴が形成される際には、ノズルの中心部に蓄えられた運動エネルギーが大きく、そのため液滴の吐出速度が大きくなる。つまり、ノズルの径を小さくすることで、圧力室の液体に加わる圧力、即ち電極対に印加する電圧に対する液滴の吐出速度の変化の割合(電圧感度)がより急峻になり、液滴の吐出速度の制御性が更に低下する。
そこで、本発明は、液滴の吐出速度の制御性が向上する液体吐出装置を提供する。
本発明は、互いに対向する第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の圧力室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、前記各圧力室の長手方向の第1端部の側に配置され、前記各圧力室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、前記各圧力室の長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記複数の圧力室に接続される共通液室を形成する共通液室形成部材と、前記各隔壁部を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域と共通液室側の部分において前記電界を印加しない非可動領域とに分割するように、前記各隔壁部の両側面に前記可動領域を挟んで対向して配置された複数の電極対と、を備え、前記各圧力室は、前記第2端部における前記長手方向に垂直な面に沿う断面の断面積が、前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第1端部に最も近い第1境界点における前記長手方向に垂直な面に沿う断面の断面積よりも広くなるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出時に圧力室から共通液室へ向かう液体の流れが大きくなるので、ノズルへ向かう液体の流れが抑制され、液体に加わる圧力に対する液滴の吐出速度の変化の割合を低減することができ、液滴の吐出速度の制御性が向上する。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてインクジェットヘッドを示す分解模式図である。 インクジェットヘッドにおけるインクの流れを示すインク流路の断面模式図である。 吐出ユニットの部分斜視図である。 吐出ユニットの部分断面図である。 吐出ユニットの一部分を示す部分斜視図である。 各電極に電圧を印加した際の隔壁部の変位及び圧力室の変形を説明するための模式図である。 吐出ユニットにおいて第1基板を除いた部分の模式図である。 圧力室の模式図である。 インクの吐出時のインクジェットヘッドの動作を説明するための摸式図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 インクジェットヘッドの製造方法を説明するための図である。 本発明の第2実施形態の圧力室の模式図である。 本発明の第3実施形態の圧力室の模式図である。 本発明の第4実施形態の圧力室の模式図である。 吐出ユニットの断面を示す模式図である。 実施例、比較例1及び比較例2のインクジェットヘッドにおける印加電圧と液滴の吐出速度との関係を示すグラフである。 実施例、比較例1及び比較例2のインクジェットヘッドにおけるノズルの径と電圧感度との関係を示すグラフである。 実施例におけるインクジェットヘッドの圧力室を示す模式図である。 圧力室の断面積比と電圧感度との関係を示すグラフである。 長さの比と電圧感度との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置である液体吐出ヘッドの一例としてインクジェットヘッドを示す分解模式図である。図1に示すインクジェットヘッド100は、液体吐出方向A1と平行な長手方向A2に対して直交する幅方向Bに一列に並設された複数の圧力室1及び複数のダミー室2が形成された吐出ユニット10を備えている。吐出ユニット10の液体吐出側の面(前面)には、各圧力室1に対応して各ノズル30aが形成されたノズル部材としてのノズルプレート30が配置されている。吐出ユニット10とノズルプレート30とは、圧力室1とノズル30aとの位置が一致するよう(即ち、圧力室1とノズル30aとが連通するよう)アラインメントされて接着されている。これにより、各ノズル30aが各圧力室1に接続される。圧力室1は、前面から液体供給面(背面)に向けて突き抜けている。ダミー室2は、前面側には突き抜けているが、液体供給面(背面)側には突き抜けていない空気室である。
吐出ユニット10の背面側には、インクタンク(不図示)と連通するインク供給口41とインク回収口42が設けられた、共通液室形成部材としてのマニホールド40が接合されている。また、吐出ユニット10の前面側には、各ダミー室2に連通する複数の前面溝7が形成されている。吐出ユニット10の上面には、フレキシブル基板50が接合されている。
図2は、インクジェットヘッド100におけるインクの流れを示すインク流路の断面模式図である。図3は、吐出ユニット10の部分斜視図であり、図4は、吐出ユニット10の部分断面図である。
吐出ユニット10は、図3に示すように、互いに対向する2つの基板11,12(第1基板11及び第2基板12)と、第1基板11と第2基板12との間に高さ方向Cに対して直交する幅方向Bに間隔をあけて並設された複数の隔壁部3と、を有している。
これら隔壁部3は、長尺に形成されており、複数の隔壁部3により、長手方向A2に延びる複数の圧力室1及び複数のダミー室2が形成されている。各隔壁部3は、高さ方向Cに分極された圧電体で構成されている。
また、吐出ユニット10は、図4に示すように、各隔壁部3の幅方向Bの両側面に配置され、各隔壁部3をせん断変形させる複数の電極対(一対の電極)13を有している。つまり、各隔壁部3には、それぞれ電極対13が設けられている。具体的には、各隔壁部3には、液体吐出方向A1(長手方向A2)と直交する方向、即ち、幅方向Bの両側面に、信号電極14及び信号電極15からなる電極対13がそれぞれ設けられている。信号電極14は、ダミー室側に、信号電極15は、圧力室側に配置されている。
第2基板12の一方の面12aには、信号電極14に連続して接続され、信号電極14に電気的に導通する底面電極17と、信号電極15に連続して接続され、信号電極15に電気的に導通する底面電極18とが形成されている。ダミー室2において、両側に形成された底面電極17,17同士は、溝部19により分断されて電気的に絶縁されている。
信号電極14は、図1に示す前面溝7内に形成された前面電極を介して、取り出し電極4に電気的に接続されている。また、信号電極15は接地されている。これら電極対13に電圧が印加されることにより、隔壁部3には、分極方向と直交する方向(幅方向B)に電界が印加され、隔壁部3は、幅方向Bにせん断変形する圧電素子として機能する。具体的には、信号電極15をグラウンド電位とし、この信号電極15に対して信号電極14に電圧を印加する。圧力室1内の電極15はグラウンド電位であるため、導電性を有する液体を用いることができる。
図2に示すように、圧力室1の液体吐出側である長手方向A2の第1端部1aの側には、ノズルプレート30が配置されている。一方、圧力室1の液体供給側である、第1端部1aに対して反対側の長手方向A2の第2端部1bの側には、マニホールド40が配置され、共通液室43が形成されている。この共通液室43は、各圧力室1に接続されている。共通液室43には、不図示のインクタンクから、インク供給口41を介してインクIが供給される。共通液室43に供給されたインクIは、各圧力室1へ充填される。そして、電極対13によって分極方向と直交する方向に電界が印加されることにより、隔壁部3がせん断変形し、圧力室1の体積が変化する。これにより、液体(液滴)であるインク(インク滴)Iがノズル30aから吐出される。
本実施形態では、図4に示すように、複数の隔壁部3は、第2基板12の一方の面12aから突出するように互いに幅方向Bに間隔をあけて形成されている。即ち、複数の隔壁部3は、一方の面12aに、幅方向Bに間隔をあけて突設されている。そして、各隔壁部3の先端部3aと、第1基板11の一方の面11aとが接着剤16によって接合されて、圧力室1とダミー室2とが隔壁部3で仕切られて幅方向Bに交互に形成される。つまり、複数の圧力室1のうち隣り合う2つの圧力室1,1の間には、各隔壁部3で仕切られたダミー室2が形成されている。ダミー室2は、共通液室43に非接続となる空気室である。換言すると、圧力室1及びダミー室2は、隔壁部3で仕切られた空間、即ち、隔壁部3、第2基板12及び第1基板11で囲まれた空間である。
圧力室1の長手方向A2に垂直な面に沿う断面の断面積は、図4に示すように、圧力室1の高さをH、圧力室1の幅をWとすると、H×Wとなっている。圧力室1の高さHは、隔壁部3の高さ方向Cの全体の高さと、接着剤16の厚さDとの和である。圧力室1の幅Wは、底面電極18の幅であり、隔壁部3の幅Tは、信号電極14と信号電極15との間の幅である。
図3に示すように、第2基板12の他方の面12bには、取り出し電極4が、各圧力室1に対応して個別に形成されている。第2基板12に形成された取り出し電極4には、図1に示すように、フレキシブル基板50の信号配線51が接合される。この際、取り出し電極4と信号配線51は、それぞれアラインメント接合されている。
隔壁部3は、図4中の矢印で示すように、第2基板12の一方の面12aから突出し、高さ方向Cと平行方向に分極された基端側圧電体3Aと、それとは逆方向に分極された先端側圧電体3Bとが接着剤3Cによって接合された、シェブロン構造となっている。
次に、各電極14,15への電圧印加の方法について説明する。図5は、吐出ユニット10の一部分を示す部分斜視図である。図5(a)は吐出ユニット10の前面側から見た斜視図であり、図5(b)は吐出ユニット10を背面側から見た斜視図である。なお、図5においては、吐出ユニット10に、1つの圧力室1及び2つのダミー室2が形成されているものとしている。
図5(a)に示すように、第2基板12の他方の面12b上には複数の取り出し電極4,4,4及び共通電極22が形成されており、フレキシブル基板50(図1)の信号配線51に電気的に接続されている。
前面溝7の内部には、図5(a)に示すように、信号電極14に連続して接続され、信号電極14に電気的に導通する前面電極20が形成されており、この前面電極20が取り出し電極4に電気的に導通するように接続されている。次に、図5(b)に示すように、信号電極15に連続して接続され、信号電極15に電気的に導通する背面電極21が形成されており、この背面電極21が、共通電極22を介して取り出し電極4,4に電気的に導通するように接続されている。
以上の電極構成で、フレキシブル基板50(図1)から取り出し電極4に電圧VAを印加すると、前面電極20を介して信号電極14に電圧VAが印加される。また同様に、図5(b)に示すように、フレキシブル基板50(図1)から取り出し電極4または4のいずれかに電圧VBを印加すると、背面電極21を介して信号電極15に電圧VBが印加される。なお、本実施形態では、電圧VBは、グラウンド電位である。
次に、本実施形態に係るインクジェットヘッド100の動作について説明する。図6は、各電極に電圧を印加した際の隔壁部3の変位及び圧力室1の変形を説明するための模式図である。ここで説明のため、信号電極14には電圧VAが印加され、同様に信号電極15にはそれぞれ電圧VBが印加されるものとする。
図6(a)は、印加電圧VA=VBのいわゆる基底状態を示しており、この状態において隔壁部3は変位していない。
次に、図6(b)は、印加電圧VA>VBであるときの隔壁部3の変位及び圧力室1の変形の様子を示している。電圧VA,VBは、分極方向と直交する方向に印加されており、隔壁部3は、せん断変形する。この場合、各隔壁部3は、圧力室1の断面積が拡大する方向へ、くの字に変位する。各隔壁部3に対して、このように電圧を印加することで、圧力室1の内部にインクを充填することができる。
次に、図6(c)は、印加電圧VA<VBであるときの隔壁部3の変位及び圧力室1の変形の様子を示している。この場合、各隔壁部3は、圧力室1の断面積が縮小する方向へ、くの字に変位する。各隔壁部3に対して、このように電圧を印加することで、圧力室1の内部のインクを加圧し、ノズル30a(図1)からインクを吐出させることができる。
図7は、吐出ユニット10において第1基板11を除いた部分の模式図である。図7(a)は、吐出ユニット10において第1基板11を除いた部分の斜視図である。図7(b)は、図7(a)における圧力室1の長手方向A2に平行な面に沿う断面図であり、図7(c)は、図7(a)におけるダミー室2の長手方向A2に平行な面に沿う断面図である。各圧力室1の高さは、ノズル側の第1端部1aから長手方向A2に共通液室側の第2端部1bに向かって高くなっている。一方、各ダミー室2の高さは、ノズル側の端部2aから長手方向A2に共通液室側の端部2bに向かって低くなっており、共通液室43(図2)には連通していない。
図8は、圧力室の模式図である。図8(a)は、圧力室1とダミー室2とを幅方向Bから見て重ね合わせたときの模式図である。図8(b)は、圧力室1の斜視図である。
各隔壁部3において、各電極対13は、ノズル側の部分でせん断変形させる電界を印加する可動領域R1と、共通液室側の部分で電界を印加しない非可動領域R2とに2分割するように、各隔壁部3の両側面に可動領域R1を挟んで対向して配置されている。
なお、本実施形態では、隔壁部3の両側面において、圧力室1側の側面全体、及びダミー室2の側面全体に導体が形成されているが、幅方向Bから見て互いに重なる部分のみが、電極14,15となる。
ここで、幅方向Bから見て、可動領域R1と非可動領域R2との境界X上の第1端部1aに最も近い第1境界点をP1、境界X上の第2端部1bに最も近い第2境界点をP2とする。また、第1境界点P1における長手方向A2に垂直な面に沿う圧力室1の断面の断面積をS1とし、第2端部1bにおける長手方向A2に垂直な面に沿う圧力室1の断面の断面積をS2とする。
各圧力室1は、断面積S2が断面積S1よりも広くなるように形成されている。本実施形態では、圧力室1の幅は、第1端部1aから第2端部1bに亘って一定の長さに形成されている。したがって、本実施形態では、第2端部1bにおける各圧力室1の高さH2が、第1境界点P1における各圧力室1の高さH1よりも高い。
より具体的には、図8(b)に示すように、圧力室1において、ノズル側の第1端部1aから長手方向A2の途中までが、一定の高さH3(一定の断面積)の圧力室平坦部207となっている。そして、圧力室1において、第1端部1aから境界点P1までの長手方向A2の長さが、圧力室平坦部207の長手方向A2の長さより長くなっている。境界点P1における圧力室1の高さH1は、圧力室平坦部207における高さH3よりも高い。
このとき、圧力室1において、長手方向A2に垂直な面に沿う断面の断面積をSとしたとき、断面積Sは、境界点P1から長手方向A2に共通液室43に向かって大きくなっており、共通液室43に接する面の断面積S2は、断面積Sにおいて最大面積である。
本実施形態では、各圧力室1は、各圧力室1の長手方向A2に垂直な面に沿う断面の断面積Sが、第1境界点P1から第2端部1bに向かうに連れて連続的に広くなるように形成されている。なお、断面積Sが連続的に変化するものとしたが、段階的に広くなるように形成してもよい。
本実施形態において、圧力室1の長手方向A2の全長Lは、第1端部1aから第2境界点P2までの長さL1と、第2境界点P2から第2端部1bまでの長さL2の和であり、6[mm]〜14[mm]の範囲である。
また、隔壁部3(図4)の幅Tは、30[μm]〜100[μm]の範囲内であり、圧力室1の幅Wは、30[μm]〜100[μm]の範囲内である。
第1境界点P1における圧力室1の高さH1は、100[μm]〜400[μm]の範囲内であり、圧力室1における共通液室43と接する面の圧力室1の高さH2は、400[μm]〜1500[μm]である。
本実施形態のインクジェットヘッド100の動作について説明する。図9は、本第1実施形態におけるインクの吐出時のインクジェットヘッド100の動作を説明するための摸式図である。
図9(a)は、インクジェットヘッド100の断面図であり、駆動電圧VA=VB(図6(a))の状態である。基底状態にあり、圧力室1のインクには流れがない。
図9(b)は、VA>VB(図6(b))のとき、可動領域R1において、隔壁部3が圧力室1の断面積を拡大する方向へせん断変形する。ノズル30a内のインクが圧力室1側に向かって流れることで、メニスカス28がノズル30aの内部に引き込まれ、同時に共通液室43から圧力室1に向かってインクが流れるため、圧力室1の長手方向A2の中央部付近におけるインク圧力が上昇する。このとき、断面積S2が断面積S1よりも広く、圧力室1における流路抵抗が低くなっているので、圧力室1の可動領域R1に対応する部分に効率よくインクが供給される。
図9(c)は、VA<VB(図6(c))のとき、可動領域R1において、隔壁部3が圧力室1の断面積を縮小する方向へ変位する。このとき圧力室1のインクに発生する圧力は最大となり、長手方向A2においてノズル30a側及び共通液室43側へのインク流れが発生する。
このとき、圧力室1における断面積Sが境界点P1(図9(a))から長手方向A2に共通液室43に向かって大きくなっているので、共通液室43に向かうインクの流れを大きくすることができる。つまり、圧力室1の非可動領域R2に対応する部分の流路抵抗が、圧力室1の可動領域R1に対応する部分の流路抵抗よりも小さく、圧力室1の圧縮時に第2端部1b側にインクが流れやすくなっている。その結果、ノズル30a側へ向かうインクの流れが低減され、圧力室1内のインクに加わる圧力に対する吐出速度の変化の割合、即ち電圧感度を小さくすることができる。これにより、ノズル30aから吐出される液滴の吐出速度の制御性が向上する。
また、断面積Sが、第1境界点P1から第2端部1bに向かうに連れて連続的(又は段階的)に広くなるようにしているので、更に効果的にインクが流れやすくなる。したがって、ノズル30aから吐出される液滴の吐出速度の制御性がより向上する。
このように、電圧感度を下げるためには、圧力室1において可動領域R1に対応する部分対する非可動領域R2に対応する部分の占める割合を大きくし、共通液室43に向かうインクの流れを制御することが効果的である。
一方、電極対13に印加する電圧を低電圧として液滴をノズル30aから吐出させるためには、可動領域R1における単位電圧あたりの変位体積を大きくし、インクに加わる圧力を高めることが効果的である。
これらを鑑みて、圧力室1における、可動領域R1に対応する部分の断面積と非可動領域R2に対応する部分の断面積との断面積比や、可動領域R1に対応する部分の長さと非可動領域R2に対応する部分の長さとの比を調整するのがよい。これらの比を調整することで、所望の電圧感度で液滴をノズル30aから吐出させることが可能となる。
次に、本実施形態におけるインクジェットヘッド100の製造方法について説明する。まず、図10に示すように、分極処理した2枚の圧電板23,23を、分極方向が互いに反対方向となるように反転して貼り合わせ、その後に研削などの加工により所望の寸法に加工し、圧電基板24とする。
続いて、圧電基板24に、図11に示すように隔壁溝25を加工することで、圧電体(アクチュエータ)からなる複数の隔壁部3を形成する。また、圧電基板24に、前面溝7を加工する。これらの溝加工については加工時に圧電基板24がキュリー温度以上とならないような、例えばダイヤモンドブレードによる切削加工などを用いることが好ましい。ただし、前面溝7については、後にアクチュエータとして動作する領域ではないため、圧電基板24のキュリー温度を考慮しない、例えばレーザー加工などを用いることができる。
次に図12に示すように、隔壁溝25の加工が施された圧電基板24の、隔壁溝25の内部も含めた全面に、導電層26を付与する。これは無電解めっきなどによって容易に実現できる。
続いて、図13に示すように、隔壁部3の上面(先端部)3a上の導電層26を研磨などにより選択除去し、更に隔壁溝25内に導電層26を分断するよう、溝部19を加工する。なおここで加工される溝部19について、レーザー加工やダイヤモンドブレードによる切削加工で形成されれば良い。
次に、図14に示すように、隔壁部3の先端部3aに接着剤16を塗布し、第1基板11の一方の面11aと貼り合わせることで吐出ユニット10を得る。
接着剤16の塗布方法は、スクリーン印刷やバーコーターといった厚みを調整できる手段を用いて、隔壁部3の先端部3aに直接塗布しても良いし、フィルムやガラス基板に一旦塗布した後に、転写しても良い。接着剤16としては例えば、エポキシ系、フェノール系、ポリミイド系を用いることができる。
その後、吐出ユニット10の前面を研削及び研磨し、導電層26を除去すると共に所望の寸法形状に整える。また更に吐出ユニット10の上面に対し取り出し電極分断溝27を加工し、それぞれ電気的に分断された個別の電極4を得る。
上記一連の工程により、吐出ユニット10を形成した後、図1に示したようにノズルプレート30、マニホールド40、フレキシブル基板50などの貼り合わせを行い、本実施形態に係るインクジェットヘッド100を得るに至る。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置について説明する。本実施形態においても、液体吐出装置は、インクジェットヘッドである。図15は、本発明の第2実施形態の圧力室の模式図である。図15(a)は、圧力室とダミー室とを幅方向から見て重ね合わせたときの模式図である。図15(b)は、圧力室の斜視図である。
上記第1実施形態と同様、図15(a)より、圧力室1を形成する隔壁部3において、電極対13で挟まれた部分は、せん断変形することから、可動領域R1とし、可動領域R1以外の領域は非可動領域R2とする。また、上記第1実施形態と同様、可動領域R1と非可動領域R2の境界上において長手方向A2のノズル側の端点を第1境界点P1とし、長手方向A2の共通液室側の端点を第2境界点P2としている。
図15(b)より、長手方向A2に垂直な面に沿う圧力室1の断面の面積を、断面積Sとしたとき、断面積Sは、境界点P1から長手方向A2に共通液室側の第2端部1bに向かって大きくなっている。そして、共通液室に接する面の圧力室1の断面積S2は断面積Sにおいて最大面積である。
また、圧力室1において、長手方向A2にノズル側の第1端部1aから共通液室側の第2端部1bに向かう途中まで断面積Sが一定の平坦部となっており、可動領域R1で挟まれた部分を可動領域平坦部206、平坦部全体を圧力室平坦部207とする。圧力室平坦部207の長手方向A2の長さは、可動領域平坦部206の長さよりも長い。
圧力室1の断面積S1と断面積S2とを比較したとき、断面積S2が断面積S1よりも広くなっている。具体的には、圧力室1の幅Wが一定で、圧力室1の高さH2が高さH1よりも高くなっている。
そして、圧力室1の断面積Sは、第1境界点P1から第2端部1bに向かって途中まで一定であり、その途中から第2端部1bに近づくに連れて連続的に広くなっている。
以上の構成であっても、上記第1実施形態と同様、圧力室1における断面積Sが境界点P1から長手方向A2に共通液室43に向かって大きくなっているので、共通液室43に向かうインクの流れを大きくすることができる。つまり、圧力室1の非可動領域R2に対応する部分の流路抵抗が、圧力室1の可動領域R1に対応する部分の流路抵抗よりも小さく、圧力室1の圧縮時に第2端部1b側にインクが流れやすくなっている。その結果、液滴吐出時に、ノズル30a側へ向かうインクの流れが低減され、圧力室1内のインクに加わる圧力に対する吐出速度の変化の割合、即ち電圧感度を小さくすることができる。これにより、ノズル30aから吐出される液滴の吐出速度の制御性が向上する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る液体吐出装置について説明する。本実施形態においても、液体吐出装置は、インクジェットヘッドである。図16は、本発明の第3実施形態の圧力室の模式図である。図16(a)は、圧力室とダミー室とを幅方向から見て重ね合わせたときの模式図である。図16(b)は、圧力室の斜視図である。
本第3実施形態では、圧力室1の高さが長手方向A2に共通液室に向かって高くなっている領域に対応する部分にまで、隔壁部3の可動領域R1が延伸した構造である。より具体的には、図16(b)に示すように、圧力室1における可動領域平坦部206の長さが、圧力室平坦部207よりも長くなっている。
このとき、圧力室1の断面積Sは、第1境界点P1から長手方向A2に共通液室に向かって大きくなっており、共通液室に接する面の圧力室1の断面積S2は断面積Sにおいて最大面積である。
以上の構成であっても、上記第1実施形態と同様、圧力室1における断面積Sが境界点P1から長手方向A2に共通液室43に向かって大きくなっているので、共通液室43に向かうインクの流れを大きくすることができる。つまり、圧力室1の非可動領域R2に対応する部分の流路抵抗が、圧力室1の可動領域R1に対応する部分の流路抵抗よりも小さく、圧力室1の圧縮時に第2端部1b側にインクが流れやすくなっている。その結果、液滴吐出時に、ノズル30a側へ向かうインクの流れが低減され、圧力室1内のインクに加わる圧力に対する吐出速度の変化の割合、即ち電圧感度を小さくすることができる。これにより、ノズル30aから吐出される液滴の吐出速度の制御性が向上する。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る液体吐出装置について説明する。本実施形態においても、液体吐出装置は、インクジェットヘッドである。図17は、本発明の第4実施形態の圧力室の模式図である。図17(a)は、圧力室とダミー室とを幅方向から見て重ね合わせたときの模式図である。図17(b)は、圧力室の斜視図である。
本第4実施形態では、ノズル側の第1端部1aから長手方向A2に第1境界点P1に向かって圧力室1の高さが段階的に大きくなっている。また、図17(b)に示すように、圧力室1の断面積Sは、第1境界点P1から長手方向A2に共通液室に向かって大きくなっており、共通液室に接する面の圧力室1の断面積S2は断面積Sにおいて最大面積である。
以上の構成であっても、上記第1実施形態と同様、圧力室1における断面積Sが境界点P1から長手方向A2に共通液室43に向かって大きくなっているので、共通液室43に向かうインクの流れを大きくすることができる。つまり、圧力室1の非可動領域R2に対応する部分の流路抵抗が、圧力室1の可動領域R1に対応する部分の流路抵抗よりも小さく、圧力室1の圧縮時に第2端部1b側にインクが流れやすくなっている。その結果、液滴吐出時に、ノズル30a側へ向かうインクの流れが低減され、圧力室1内のインクに加わる圧力に対する吐出速度の変化の割合、即ち電圧感度を小さくすることができる。これにより、ノズル30aから吐出される液滴の吐出速度の制御性が向上する。
図18は、吐出ユニット10の断面を示す模式図である。図18(a)は本実施例に係る吐出ユニット10の構造であり、圧力室1の長さLは12[mm]である。
圧力室1の長手方向A2における長さLは12[mm]であり、長手方向A2において第1境界点P1から共通液室43に向かって圧力室1の断面積Sは大きくなっている。一方、共通液室43に接する圧力室1の断面積S2は、第1境界点P1における圧力室1の断面積S1より大きくなっており、断面積S1は圧力室1における最大断面積である。より具体的には、第1境界点P1における圧力室1の高さH1は240[μm]、共通液室43に接する面の圧力室1の高さH2は650[μm]で、圧力室1の幅W(図8参照)は60[μm]である。
また、第1端部1a(ノズル30a)と第2境界点P2との間の長手方向A2の長さL1は7.3[mm]、第2境界点P2と第2端部1b(共通液室43)との間の長手方向A2の長さL2は4.7[mm]である。
断面積Sは、圧力室1の高さHと圧力室1の幅Wの積で表され、断面積S1と断面積S2との比をR11(=S1/S2)とすると、圧力室1における断面積の比R11は2.7である。また、長さL1と長さL2の比をR12(=L2/L1)とすると、長さの比R12は0.64である。
図18(b)は、比較例1の吐出ユニットの構造であり、断面積Sは長手方向A2において一定の高さ及び一定の幅である。即ち、第1境界点P1を交差する圧力室の断面積S1から共通液室に接する圧力室の断面積S2まで同じ断面積である。
より具体的には、圧力室の長さLは、実施例と同様、12[mm]である。長さL1は11[mm]、長さL2は1[mm]、圧力室の幅Wは60[μm]である。
また、第1境界点P1における圧力室の高さH1は240[μm]、共通液室に接する面の圧力室の高さH2も240[μm]である。断面積S1と断面積S2との比R11は1.0である。また、長さL1と長さL2の比R12は0.09である。
図18(c)は、比較例2の吐出ユニットの構造であり、比較例1(図18(b))に対して、圧力室の長さLを8[mm]に短くしたものである。第1境界点P1における圧力室の高さH1は240[μm]、共通液室に接する面の圧力室の高さH2は240[μm]、圧力室の幅Wは60[μm]である。
また、長さL1は実施例と同様、7.3[mm]である。長さL2は0.7[mm]である。断面積S1と断面積S2との比R11は1.0である。また、長さL1と長さL2の比R12は0.09である。
その他、実施例(図18(a))、比較例1(図18(b))、比較例2(図18(c))共に隔壁部の幅Tは70[μm]、ノズルの径は10[μm]である。
図19は、実施例、比較例1及び比較例2のインクジェットヘッドにおける印加電圧と液滴の吐出速度との関係を示すグラフである。この特性を比較した結果を表1に示す。
Figure 2014148089
比較例1は電圧感度が2.0[m/s/V]と高いのに対し、比較例1と比較して圧力室の全長Lを短くした比較例2の電圧感度は、1.4[m/s/V]となり、比較例1よりも電圧感度を低減できる。しかし、比較例2では、液滴を吐出させるための電圧の閾値が比較例1に比べて上がっている。一方、本実施例では、比較例1に対して吐出させるための電圧の閾値を上げることなく、比較例1,2よりも電圧感度を下げることができている。
図20は、実施例、比較例1及び比較例2のインクジェットヘッドにおけるノズルの径と電圧感度との関係を示すグラフである。
ノズルの径を小さくしていくほど、電圧感度が大きくなっていくことが分かる。望ましい電圧感度0.5[V/m/s]〜1.0[V/m/s]にするためには、比較例1であればノズルの径は、少なくとも30[μm]必要である。比較例2ではノズルの径は、少なくとも20[μm]必要であることがわかる。一方、本実施例では、ノズルの径が、5[μm]〜15[μm]の範囲内である場合に効果的であることがわかる。
図21は、本実施例におけるインクジェットヘッドの圧力室を示す模式図である。図21(a)は、インクジェットヘッドの圧力室の断面図、図21(b)は、インクジェットヘッドの圧力室の斜視図である。この図21の構成で、共通液室43に接する面の圧力室1の高さH2を250[μm]〜650[μm]の範囲まで変えることで、圧力室1の断面積S1と圧力室1の断面積S2の比R11=S2/S1を変えて評価した。
その他、圧力室1の長さLは12[mm]、ノズル30aから第2境界点P2までの長手方向A2の長さL1は7.3[mm]、第2境界点P2から共通液室43までの長手方向A2の長さL2は4.7[mm]とした。圧力室1の高さH1は240[μm]、圧力室1の幅Wは60[μm]、隔壁部の幅Tは70[μm]とした。
図22は、圧力室1の断面積比R11と電圧感度との関係を示すグラフである。圧力室1の断面積比R11を大きくすることで、電圧感度を下げることができることができる。
望ましい電圧感度0.5[V/m/s]〜1.0[V/m/s]にするためには、圧力室1の断面積比R11が1.8〜3.5の範囲内とするのがよいことがわかる。
図23は、長さの比R12と電圧感度との関係を示すグラフである。圧力室1の長さLは12[mm]で一定であり、ノズル30aから第2境界点P2までの長さL1を4[mm]〜10[mm]の範囲にすることで、圧力室1における長さの比R12を0.6〜1.7の範囲に設定し、電圧感度との関係を評価した。その他、第1境界点P1における圧力室1の高さH1は250[μm]、共通液室43に接する面の圧力室1の高さH2は400[μm]、圧力室1の幅Wは60[μm]、隔壁部の幅Tは70[μm]とした。
図23より、圧力室1における可動領域と非可動領域の長さの比R12を大きくすることで、電圧感度を下げることができる。望ましい電圧感度0.5〜1.0[V/m/s]にするためには、R12が0.6〜1.7の範囲内とするのがよいことがわかる。
つまり、圧力室1を形成する隔壁部3全体を可動領域とすると、電圧感度が下がりすぎでしまう。これに対し、隔壁部3を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域と共通液室側の部分において電界を印加しない非可動領域とに2分割することで、電圧感度を適正な値にすることができる。そして、比R12を0.6〜1.7の範囲内とすることで、より適正な電圧感度に設定することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
上記実施形態では、液体吐出ヘッドとして、プリンタ等に用いられるインクジェットヘッドについて説明したが、これに限定するものではない。例えば、液体として、金属配線を形成する際に用いられる、金属微粒子を含有させた液体を吐出するヘッドであってもよいし、レジストパターニングに用いられる、レジストインクであっても良い。
また、上記実施形態では、隔壁部が、高さ方向に分極された基端圧電体と基端圧電体とは反対方向に分極された先端圧電体とを接合して構成された圧電体である場合について説明したが、高さ方向に一方向に分極された圧電体で構成されていてもよい。
1…圧力室、1a…第1端部、1b…第2端部、3…隔壁部、11…第1基板、12…第2基板、13…電極対、30…ノズルプレート(ノズル部材)、30a…ノズル、40…マニホールド(共通液室形成部材)、43…共通液室、100…インクジェットヘッド(液体吐出装置)、P1…第1境界点、P2…第2境界点、R1…可動領域、R2…非可動領域

Claims (7)

  1. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に高さ方向に対して直交する幅方向に間隔をあけて並設され、長手方向に延びる複数の圧力室を形成する、圧電体で構成された複数の隔壁部と、
    前記各圧力室の長手方向の第1端部の側に配置され、前記各圧力室に接続される各ノズルが形成されたノズル部材と、
    前記各圧力室の長手方向の前記第1端部に対して反対の第2端部の側に配置され、前記複数の圧力室に接続される共通液室を形成する共通液室形成部材と、
    前記各隔壁部を、ノズル側の部分においてせん断変形させる電界を印加する可動領域と共通液室側の部分において前記電界を印加しない非可動領域とに分割するように、前記各隔壁部の両側面に前記可動領域を挟んで対向して配置された複数の電極対と、を備え、
    前記各圧力室は、前記第2端部における前記長手方向に垂直な面に沿う断面の断面積が、前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第1端部に最も近い第1境界点における前記長手方向に垂直な面に沿う断面の断面積よりも広くなるように形成されていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第2端部における前記各圧力室の高さが、前記第1境界点における前記各圧力室の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記各圧力室は、前記各圧力室の前記長手方向に垂直な面に沿う断面の断面積が、前記第1境界点から前記第2端部に向かうに連れて連続的又は段階的に広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記複数の圧力室のうち隣り合う2つの圧力室の間には、前記共通液室に非接続となり、前記各隔壁部で仕切られた空気室が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記ノズルの径が、5[μm]〜15[μm]の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記第1境界点における断面積をS1とし、前記第2端部における断面積をS2としたとき、S2/S1が1.8〜3.5の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記可動領域と前記非可動領域との境界上の前記第2端部に最も近い第2境界点から前記第1端部までの前記長手方向の長さをL1とし、前記第2境界点から前記第2端部までの前記長手方向の長さをL2としたとき、L2/L1が0.6〜1.7の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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