JP2014147502A - 光干渉断層撮像装置およびその制御方法 - Google Patents

光干渉断層撮像装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検眼の動きのうち単位時間あたりの動きが比較的大きい動きが生じた場合でも、この動きによって生じる歪みが低減された断層画像を取得すること。
【解決手段】 光干渉断層撮像装置が、異なる時間に取得された被検眼の複数の画像に基づいて前記被検眼の回転量を取得する移動量取得手段と、前記取得された回転量に基づいて走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、該走査手段を制御する制御手段と、を有する。
【選択図】 図15

Description

本発明は、光の干渉により被検眼の断層を撮像する光干渉断層撮像装置およびその制御方法に関する。
現在、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(OCT:Optical Coherence Tomography)による光干渉断層撮像装置が知られており、例えば内視鏡での内臓情報や、眼科装置での網膜の情報を得るために用いられ、人体に対する適用分野を広げつつある。眼に適用した光干渉断層撮像装置は眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。
このような光干渉断層撮像装置とは、低コヒーレント光である測定光を、サンプルに照射し、そのサンプルからの後方散乱光を、干渉系を用いることで測定することを可能にした装置である。測定光をサンプル上の一点に照射した場合、そのサンプル上の一点における深さ方向の画像情報を得ることができる。さらに測定光をサンプル上で走査しながら測定を行うことで、サンプルの断層画像を得ることも可能である。そして、眼底に適用した場合には、測定光を被検眼眼底上で走査することにより被検眼眼底の断層画像を高解像度で撮像することが可能であることから、網膜の眼科診断等において広く利用されている。
光干渉断層撮像装置では、測定対象である眼底を水平方向、または垂直方向に反復走査することによって複数の断層画像を得る撮影方法が一般的である。眼底上の同じ場所を複数回走査することによって同一部位の複数の眼底断層画像を取得し、それらを加算平均処理することによって高画質な一枚の眼底断層画像を得ることができる。また、走査位置を平行に移動させながら複数回走査することによって、眼底の3次元画像を得ることも可能である。しかしながら、このような複数回の走査を行う場合、全ての撮影を完了するまでにある程度の時間を要するため、その間に眼が動いてしまう可能性がある。
これに対して、被検眼の正面画像を逐次撮影し、得られた複数の正面画像を用いて被検眼の動きを検出し、さらに検出された被検眼の動きに応じて走査位置を補正する追尾(トラッキング)機能を有する眼科撮影装置が、特許文献1に開示されている。
特開2008−29467号公報
ここで、一般的に、被検眼の動きを検出してから走査位置を補正するまでに、タイムラグがある。このため、被検眼の動きのうち単位時間あたりの動きが比較的大きい動き(固視微動のうちフリック動作等)が生じた場合には、この動きに応じて追尾を行ったとしても、断層画像には、この動き自体によって生じる歪みが生じてしまうし、また、この動きによってずれた走査位置の補正自体によって生じる歪みも生じてしまう。なお、XY方向の位置ずれ以外に、被検眼の回転による位置ずれについても、同様の課題が生じる。
本発明の目的の一つは、被検眼の動きに応じて追尾を行っている際に、該被検眼の動きのうち単位時間あたりの動きが比較的大きい動きが生じた場合でも、この動きによって生じる歪みが低減された断層画像を取得することである。
上記の目的を達成する本発明に係る光干渉断層撮像装置は、
被検眼の複数の画像それぞれを異なる時間に取得する画像取得手段と、
走査手段を介して測定光が照射された前記被検眼からの戻り光と、前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の複数の断層画像を取得する断層画像取得手段と、
前記複数の画像に基づいて前記被検眼の移動量のうち少なくとも回転量を取得する移動量取得手段と、
前記取得された回転量に基づいて前記走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、前記走査手段を制御する制御手段と、を有する。
本発明によれば、異なる時間に取得された被検眼の複数の画像(例えば、複数の眼底画像)に基づいて、被検眼の移動量のうち少なくとも回転量を取得し、該取得された回転量に基づいて走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、該走査手段を制御することができる。これにより、被検眼の動きのうち単位時間あたりの動きが比較的大きい動きが生じた場合でも、この動きによって生じる歪みが低減された断層画像を取得することができる。
第1の実施形態に係る光干渉断層撮像装置の構成例を示す図。 第1の実施形態に係る自動アライメント動作の一例を表すフローチャート。 第1の実施形態に係る眼底トラッキング動作の一例を表すフローチャート。 第1の実施形態に係る適切なアライメント状態で撮影した断層画像の一例を示す図。 第1の実施形態に係る眼球運動が生じた状態で撮影した断層画像の一例を示す図。 第1の実施形態に係る自動アライメント作動中に撮影した断層画像の一例を示す図。 第1の実施形態に係る自動アライメント作動中に撮影した複数の断層画像の一例を示す図。 図7の複数の断層画像から生成した仮想断層画像の一例を示す図。 第1の実施形態に係る自動アライメント制御の一例を表すフローチャート。 第1の実施形態に係る眼底トラッキング制御なしでの走査パターンの一例を示す図。 図10の走査によって得られる断層画像の一例を示す図。 第1の実施形態に係る眼底トラッキング制御の一例を表すフローチャート。 第1の実施形態に係る眼底トラッキング制御時の走査パターンの一例を示す図。 第3の実施形態に係る眼底の回転量を説明するための図。 第3の実施形態に係るフローチャート。 第4の実施形態に係る眼底の回転量を説明するための図。 第4の実施形態に係るフローチャート。 第2の実施形態に係る回転量の補正を追加したフローチャート。
本実施形態に係る光干渉断層撮像装置は、異なる時間に取得された被検眼の複数の画像(例えば、複数の眼底画像)に基づいて、被検眼の移動量のうち少なくとも回転量を取得することができる。また、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置は、該取得された回転量に基づいて走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、該走査手段を制御することができる。
また、別の本実施形態に係る光干渉断層撮像装置は、異なる時間に取得された被検眼の複数の画像に基づいて、走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、該走査手段を制御(被検眼に対する追尾を行う手段の動作を制御)することができる。
以上における少なくとも一つの実施形態により、被検眼の動きのうち単位時間あたりの動きが比較的大きい動きが生じた場合でも、この動きによって生じる歪みが低減された断層画像を取得することができる。なお、XY方向の位置ずれ以外に、被検眼の回転による位置ずれについても、同様に解決することができる。
ここで、断層画像を撮影中に眼底トラッキングを作動させた場合、眼底トラッキングによる走査位置の補正によって断層画像に歪みが生じることがある。眼底トラッキングの補正間隔が被検眼上の一点における深さ方向の情報を得る時間(Aスキャン取得時間)よりも短い場合、一枚の断層画像を得るための各走査点において走査位置の補正が適切になされるため、断層画像の歪みは生じない。しかしながら、眼底トラッキングの補正間隔をAスキャン取得時間よりも短くすることは困難である。例えば、眼底トラッキングでは眼底の正面画像を用いることが多く、その補正間隔は正面画像の取得間隔以上に高速にすることは難しい。一般的に正面画像の取得間隔は数十ミリ秒程度であり、Aスキャンの取得間隔(一般的には数十マイクロ秒)よりも低速である。そのため、眼底トラッキングによる補正は、被検眼上での走査において一点毎に行うことは困難であり、ある程度の走査範囲毎に一定間隔で行うことになる。そして一定間隔ごとに走査位置の補正を行った場合、その一定間隔の間に検出された眼の動きを一度に補正することになる。その結果、被検眼上での走査において一定間隔ごとに急激な走査位置の変化を生じることになる。そして、走査位置の急激な変化は、撮影された断層画像上で一定間隔ごとに断層のずれ(歪み)として現れる。
以上のような断層画像上の歪みは、医師による画像診断の妨げになるだけでなく、断層画像の歪みを誤って病変部と認識してしまい、結果として誤診に繋がる恐れがある。また、断層画像上の歪みは多くの光干渉断層撮像装置が持つ網膜層境界の自動認識機能にも悪影響を及ぼす可能性がある。そして誤った網膜層境界の認識が行われた場合、その誤った認識結果に基づく網膜層厚の計測値等が表示されることになり、結果として誤診に繋がる恐れがある。
そこで、被検眼の複数の断層画像が取得される場合に、該被検眼に対する追尾を行う手段を制御することが好ましい。これにより、被検眼の動きによる歪みが低減された断層画像を取得することができる。例えば、複数の断層画像のうち1つの断層画像を取得してから、次の断層画像を取得するまでの間に、該次の断層画像の取得位置を補正するように、被検眼に対する追尾を行う手段を動作させることが好ましい。
なお、断層画像を撮影中に、被検眼と光学収納部の相対位置関係を自動的に調整する自動アライメントを作動させた場合にも、同様の歪みが断層画像に生じる場合がある。自動アライメントによる撮影光軸の偏心により、断層画像上の網膜が傾いたり、上下に移動したりすることがある。特に、複数枚の断層画像を得るために複数回の走査を行う場合、ある断層画像上では網膜が水平に位置しているが、別の断層画像上では網膜が傾いて撮影されるような状況が発生する。このように、互いに傾きの異なる複数枚の断層画像が撮影された場合、それら複数枚の断層画像から生成される三次元画像上では、各断層画像の傾きの差が網膜形状の歪みとして表れる。
これらについて、以下の各実施形態において具体的に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について、図面を用いて説明する。
<光干渉断層撮像装置の概略構成>
図1を参照して、第1実施形態に係る光干渉断層撮像装置の概略構成を説明する。光干渉断層撮像装置は、走査部を介して測定光が照射された被検眼からの戻り光と、測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、被検眼の断層画像を取得する。光断層画像撮像装置は、光学ヘッド部100と、分光器200と、制御部300とを備える。以下、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300の構成を順に説明する。
<光学ヘッド部100および分光器200の構成>
光学ヘッド部100は、被検眼Eの前眼Eaや、被検眼眼底Erの2次元像および断層画像を撮像するための測定光学系で構成されている。以下、光学ヘッド部100の内部について説明する。被検眼Eに対向して対物レンズ101−1が設置されており、その光軸上に設けられた、光路分離部と機能する第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103によって光路が分離される。すなわち、OCT光学系の測定光路L1、眼底観察光路と固視灯光路L2、および前眼観察光路L3に波長帯域ごとに分岐される。
光路L2は、さらに第3ダイクロイックミラー118によって眼底観察用のAPD(アバランシェフォトダイオード)115および固視灯116への光路に、波長帯域ごとに分岐される。ここで101−2,111,112はレンズであり、レンズ111は固視灯および眼底観察用の合焦調整のため不図示のモータによって駆動される。APD115は、不図示の眼底観察用照明光の波長、具体的には780nm付近に感度を持つ。一方、固視灯116は可視光を発生して被検者の固視を促す。
また、光路L2には、不図示の眼底観察用照明光源から発せられた光を被検眼Eの眼底Er上で走査するためのXスキャナ117−1(主走査方向用)、Yスキャナ117−2(主走査方向と交差する副走査方向用)が配置されている。レンズ101−2は、Xスキャナ117−1、Yスキャナ117−2の中心位置付近を焦点位置として配置されている。Xスキャナ117−1は、共振型のミラーで構成されているが、ポリゴンミラーで構成されていても良い。Xスキャナ117−1、Yスキャナ117−2の中心位置付近と、被検眼Eの瞳の位置は光学的に共役関係となるように構成されている。また、APD(アバランシェフォトダイオード)115は、シングルディテクターであり、眼底Erから散乱・反射され戻ってきた光を検出する。第3ダイクロイックミラー118は、穴あきミラーや、中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、照明光と、眼底Erからの戻り光とを分離する。
光路L3には、レンズ141と、前眼観察用の赤外線CCD142とが配置されている。この赤外線CCD142は、不図示の前眼観察用照明光の波長、具体的には970nm付近に感度を持つ。光路L1は、前述の通りOCT光学系を成しており被検眼の眼底Erの断層画像を撮像するために使用される。より具体的には断層画像を形成するための干渉信号を得るために使用される。
光路L1には、レンズ101−3と、ミラー121と、光を被検眼の眼底Er上で走査するために、走査部として機能するXスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2とが配置されている。さらに、Xスキャナ122−1、Yスキャナ122−2の中心位置付近が、レンズ101−3の焦点位置となるようにXスキャナ122−1、Yスキャナ122−2が配置され、さらにXスキャナ122−1、Yスキャナ122−2の中心位置付近と、被検眼Eの瞳の位置とは光学的な共役関係となっている。この構成により、走査部を物点とした光路が、レンズ101−1とレンズ101−3の間で略平行となる。それによりXスキャナ122−1、Yスキャナ122−2がスキャンを行っても、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103に入射する角度を同じにすることが可能となる。
また、測定光源130は、測定光を測定光路に入射させるための光源となる。本実施形態の場合、測定光源130はファイバー端であり、被検眼Eの眼底Erと光学的な共役関係を有する。123,124はレンズであり、そのうちのレンズ123は合焦調整をするために不図示のモータによって駆動される。合焦調整は、ファイバー端である測定光源130から出射する光を眼底Er上に結像するように行われる。合焦調整部として機能するレンズ123は、測定光源130と、走査部として機能するXスキャナ122−1およびYスキャナ122−2と、の間に配置されている。これにより、より大きなレンズ101−3や、また光ファイバー125−2を動かす必要がなくなる。
この合焦調整によって、被検眼Eの眼底Erに測定光源130の像を結像させることができ、また被検眼Eの眼底Erからの戻り光を、測定光源130を通して光ファイバー125−2に効率良く戻すことができる。
なお図1において、Xスキャナ122−1と、Yスキャナ122−2との間の光路は紙面内において構成されているが、実際は紙面垂直方向に構成されている。さらに、光学ヘッド部100は、ヘッド駆動部140を備えている。ヘッド駆動部140は、不図示の3つのモータから構成されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元(X、Y、Z)方向に移動可能となるように構成されている。これにより、被検眼Eに対する光学ヘッド部100のアライメントが可能となっている。
次に、測定光源130からの光路と参照光学系、分光器200の構成について説明する。測定光源130、光カプラー125、光ファイバー125−1〜4、レンズ151、分散補償用ガラス152、ミラー153、および分光器200によってマイケルソン干渉系が構成されている。光ファイバー125−1〜4は、光カプラー125に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーである。
測定光源130から出射された光は光ファイバー125−1を通じ、光カプラー125を介して光ファイバー125−2側の測定光と、光ファイバー125−3側の参照光とに分割される。測定光は前述のOCT光学系光路を通じ、観察対象である被検眼Eの眼底Erに照射され、網膜による反射や散乱により同じ光路を通じて光カプラー125に到達する。
一方、参照光は光ファイバー125−3、レンズ151、測定光と参照光との分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス152を介してミラー153に到達し反射される。そして同じ光路を戻り光カプラー125に到達する。光カプラー125によって、測定光と参照光とが合波され干渉光となる。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ同一となったときに干渉を生じる。ミラー153は不図示のモータおよび駆動機構によって光軸方向に位置を調整可能に保持され、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせることが可能である。干渉光は光ファイバー125−4を介して分光器200に導かれる。
分光器200は、レンズ201と、回折格子202と、レンズ203と、ラインセンサ204とを備えている。光ファイバー125−4から出射された干渉光はレンズ201を介して略平行光となった後、回折格子202で分光され、レンズ203によってラインセンサ204に結像される。
次に、測定光源130の周辺について説明する。測定光源130は代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。中心波長は855nm、波長バンド幅は約100nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータである。また、光源の種類は、ここではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。中心波長は眼を測定することを鑑みると、近赤外光が適切である。また、中心波長は得られる断層画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。双方の理由から中心波長を855nmとした。
なお本実施形態では干渉計としてマイケルソン干渉計を用いているが、マッハツェンダー干渉計を用いてもよい。測定光と参照光との光量差に応じて光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉計を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉計を用いることが望ましい。
<制御部300の構成>
制御部300は、光学ヘッド部100および分光器200の各部と接続されている。具体的には制御部300は、光学ヘッド部100内の赤外線CCD142と接続されており、被検眼Eの前眼部Eaの観察画像を生成可能に構成されている。また、制御部300は、光学ヘッド部100内のAPD115とも接続されており、被検眼Eの眼底Erの観察画像を生成可能にも構成されている。さらに、制御部300は、光学ヘッド部100内のヘッド駆動部140とも接続されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元的に駆動可能に構成されている。
一方、制御部300は、分光器200のラインセンサ204とも接続されている。これにより分光器200によって波長分解された測定信号を取得可能であり、さらに測定信号に基づいて被検眼Eの断層画像を生成することができる。
生成された被検眼Eの前眼部観察画像、眼底観察画像、および断層画像は、制御部300に接続されたモニタ301に表示可能である。
<被検眼Eのアライメント方法>
次に図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置を用いた被検眼Eのアライメント方法を説明する。撮影に先立ち、まず検者は被検者を装置の前に着座させる。
ステップS201において、制御部300は、検者による不図示のスイッチ操作を受け付けて、自動アライメントを開始する。ステップS202において、制御部300は、前眼部画像取得部として機能し、自動アライメントが開始されると、定期的に赤外線CCD142から前眼部画像を取得して解析する。具体的には、制御部300は、入力された前眼部画像内の瞳孔領域を検出する。
ステップS203において、制御部300は、検出された瞳孔領域の中心位置を算出する。ステップS204において、制御部300は、位置ずれ量算出部として機能し、検出された瞳孔領域の中心位置と、前眼部画像の中心位置との変位量(位置ずれ量)を算出する。本実施形態の光干渉断層撮像装置は前眼部画像の中心と対物レンズ101−1の光軸とが一致するよう構成されており、ステップS204で算出される変位量は、被検眼Eと測定光軸との位置ずれ量を表している。
ステップS205において、制御部300は、ステップS204で算出された位置ずれ量に応じて、光学ヘッド部100を移動するようにヘッド駆動部140へ指示を行う。ステップS206において、ヘッド駆動部140は、不図示の3つのモータを駆動させて、光学ヘッド部100の位置を被検眼Eに対して3次元(X、Y、Z)方向に移動させる。移動の結果、光学ヘッド部100に搭載される対物レンズ101−1の光軸の位置は、被検眼Eの前眼部Eaの瞳孔中心位置に近づくように補正されることになる。
ステップS207において、制御部300は、光学ヘッド部100の移動後に、赤外線CCD142から前眼部画像が新たに入力されたか否かを判定する。前眼部画像が新たに入力されたと判定された場合(S207;YES)、ステップS202に戻る。一方、前眼部画像が新たに入力されていないと判定された場合(S207;NO)、処理を終了する。
この一連の自動アライメント動作によって、対物レンズ101−1の光軸位置は常に被検眼Eの前眼部Eaの瞳孔中心位置を追跡するように移動することになる。仮に被検眼Eの視線方向が変化した場合であっても、この自動アライメント動作によって対物レンズ101−1の光軸は視線変更後の前眼部Eaの瞳孔中心を追尾(前眼トラッキング)する。そのため、測定光源130から発せられる測定光束が瞳孔によって遮られることなく眼底Erに照射され、安定した断層画像の撮影が可能となる。
そして、この一連の自動アライメント動作は、被検眼Eの眼底部Erの断層画像を記録するために、被検眼Eの眼底部Er上での測定光の走査が開始するまで継続する。
なお、本実施形態では赤外線CCDを用いた前眼部画像に基づいて、被検眼に対する光学系の自動アライメントを行っているが、他の手法を用いてこれを実施してもよい。例えば、アライメント用の指標を被検眼の前眼部に投影し、その反射光を検出することで3次元(X、Y、Z)方向の自動アライメントを行うことができる。
<眼底のトラッキング方法>
次に図3のフローチャートを参照して、被検眼Eの状態を観察するために測定光を被検眼Eの眼底部Erに照射する際、被検眼Eの動きに伴って生じる測定光照射位置のずれを補正する眼底トラッキング方法を説明する。
ステップS301において、制御部300は、前述した自動アライメント動作の開始後、光路L2を通じた眼底Erの二次元観察画像の取得動作を開始する。具体的には、制御部300は、APD115から入力される眼底Erからの反射光の取得を開始する。眼底Erからの反射光は、Xスキャナ117−1およびYスキャナ117−2によって眼底Er上を二次元的に継続して走査されている。そのため、APD115から入力される反射光を定期的に合成することで、定期的に眼底Erの観察画像を得ることができる。
ステップS302において、制御部300は、定期的に取得される眼底観察画像に基づいて、眼底トラッキング動作を開始する。ステップS303において、制御部300は、以前に取得された眼底観察画像と現在の眼底観察画像との2つの眼底観察画像を用いて、眼底Erの移動量を算出する。具体的には、制御部300は、眼底観察画像上の着目領域の二次元(X、Y)方向の変位量を算出することによって、眼底Erの二次元(X、Y)方向の移動量を算出する。なお、制御部300は、異なる時間に取得された被検眼の複数の画像(例えば、複数の眼底画像)に基づいて被検眼の移動量を取得する移動量取得手段の一例である。また、着目領域は、眼底の黄斑、視神経乳頭、血管の分岐等であり、眼底の移動量を算出できればどのような眼底上のどの領域でも良い。
ステップS304において、制御部300は、算出された眼底Erの移動量に応じて、Xスキャナ122−1およびYスキャナ122−2を制御し、光路L1の測定光が常に眼底Er上の同一領域に照射されるように走査位置を補正する。
ステップ305において、制御部300は、眼底Erの二次元観察画像を新たに取得したか否かを判定する。眼底Erの二次元観察画像を新たに取得したと判定された場合(S305;YES)、ステップS303に戻る。一方、眼底Erの二次元観察画像を新たに取得していないと判定された場合(S305;NO)、処理を終了する。
この一連の眼底トラッキング動作によって、測定光源130から眼底Erに照射される測定光は常に被検眼眼底Erの動きを追跡するように移動する。そのため、安定した断層画像の撮影が可能となる。そして、この一連の眼底トラッキング動作は、被検眼Eの検査を終了するまで継続して行う。
なお、本実施形態では、点走査型SLOによる眼底観察画像を用いた眼底トラッキングを行っているが、他の手法を用いてこれを実施しても良い。例えば、眼底を広範囲に照射可能な赤外光と赤外線CCDとを組み合わせて取得された二次元眼底観察画像を用いて、眼底トラッキングを行うことができる。また、光源から形成される任意のパターンを眼底に投影し、その反射光を用いて眼底トラッキングを行うことも可能である。
<断層画像の撮影方法>
次に、本実施形態の光干渉断層撮像装置を用いた断層画像の撮影方法について説明する。
検者は制御部300上の図示しないスイッチを操作して撮影を開始する。制御部300は、撮影開始の指示に従い、定期的にラインセンサ204から出力される干渉光を元に記録用の断層画像の生成を開始する。
ここでラインセンサ204から出力される干渉光は、回折格子202で分光された周波数毎の信号である。制御部300は、ラインセンサ204の信号をFFT(Fast Fourier Transform)処理し、眼底Er上のある一点における深さ方向の情報を生成する。この眼底Er上のある一点における深さ方向の情報生成は、Aスキャンと呼ぶ。
そして、眼底Erに照射される測定光は、Xスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、眼底Er上を任意に走査可能である。Xスキャナ122−1およびYスキャナ122−2により、測定光を被検眼上で走査することができる。
制御部300は、この任意の軌跡による走査を一回行う間に取得される一連の複数のAスキャンを一枚の二次元画像に束ねることにより、眼底Er上の任意の軌跡における断層画像を生成する。
さらに、制御部300は、Xスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、前述の任意の軌跡による走査を複数回繰り返す。同じ軌跡の操作を複数回行った場合、眼底Er上の任意の軌跡における複数枚の断層画像を得ることができる。例えば、制御部300はXスキャナ122−1のみを駆動させてX方向の走査を反復実行し、眼底Erの同一走査線上における複数の断層画像を生成する。また、制御部300はXスキャナ122−1およびYスキャナ122−2を同時に駆動させて円形の操作を反復実行し、眼底Erの同一円上における複数の断層画像を生成することもできる。そして制御部300は、それら複数枚の断層画像を加算平均処理することにより、高画質な一枚の断層画像を生成し、モニタ301に表示する。
一方、制御部300は、Xスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、前述の任意の軌跡よる走査をXY方向にずらしながら複数回の走査を行うこともできる。例えば、X方向の走査を一定間隔でY方向にずらしながら複数回行うことで、眼底Er上の矩形領域全体を覆う複数枚の断層画像を生成する。そして、制御部300はそれら複数枚の断層画像を合成することで眼底Erの三次元情報を生成し、モニタ301に表示する。
これらのXスキャナ122−1とYスキャナ122−2とによる走査パターンは、不図示のスキャンパターン選択ボタンの押下により、任意に切替可能である。
<断層画像撮影中の自動アライメント制御>
ところで、複数の断層画像を撮影するために前述したような複数回の走査を行う場合、それら複数の走査に要する時間は1回の走査と比べて長くなる。例えば本実施形態に係る光干渉断層撮像装置では、眼底Er上でX方向に10mmの走査をY方向に0.078mmずつずらしながら128回繰り返すことができるものとする。そして、それら128回の走査によって128枚の断層画像を取得し、眼底Er上の10mm×10mmの範囲の三次元情報を生成することができる。そして、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置では、一枚の断層画像は合計1024のAスキャンから構成され、一つのAスキャンに要する時間は14.3マイクロ秒である。従って、一枚の断層画像を得るために1024×14.3マイクロ秒=14.6ミリ秒を必要とし、全128枚の断層画像を得るためには少なくとも14.6ミリ秒/枚×128枚=1.87秒を必要とする。
一方、人間の眼球運動は大きく3つの種類(サッケード、ドリフト、トレモロ)に分けることができる。これらの眼球運動は不随意運動の一種であり、例え被検者が固視灯などを注視していたとしても、完全に抑制することは困難である。また、その発生周期は前述した1.87秒の撮影期間よりも短く、全128回の走査を行う間にこれらの眼球運動が複数回発生することが多い。
しかし、これらの眼球運動による瞳孔位置の変化が、撮影される断層画像に与える影響はそれほど大きくない。図4は、被検眼Eの前眼部Eaの瞳孔中心と対物レンズ101−1の光軸とが一致している状態で撮影した断層画像の例である。一方、図5は、瞳孔中心が対物レンズ101−1の光軸に対してX方向に約1mmずれた状態で撮影した断層画像の例である。図5に示される眼底Erの断層画像は、図4の断層画像と比べて網膜RがX方向にずれた状態で撮影されているが、断層画像自体に大きな変形は生じていない。また、この様なX方向のずれは前述した眼底トラッキングにより補正可能である。
一方、眼球運動に伴って自動アライメントを作動させた場合、撮影される断層画像には大きな影響が生じる。図6は、図5の状態に対して瞳孔中心と対物レンズ101−1の光軸とが一致するよう自動アライメントを作動させて、撮影した断層画像の例である。図4の断層画像と比べてX方向のずれが生じているだけでなく、網膜Rが大きく傾いていることが分かる。この様な網膜Rの傾きは眼底トラッキングでは補正することができない。また、全128回の走査を行う間に自動アライメントを作動させた場合、図7に示すように128枚の断層画像の途中で網膜Rの傾きが大きく変化してしまうことになる。この様な傾きの変化は、特に複数枚の断層画像を再構成して生成する三次元画像において顕著な問題を生じる。図8は、図7に示した128枚の断層画像を再構成し、主走査方向に直交する仮想断面画像を表示させた例である。この仮想断面画像では網膜Rの形状が大きく変形していることが分かる。網膜Rの形態によって眼疾患の診断を行う眼科医にとって、網膜Rの傾きの変化は診断の妨げとなるだけでなく、誤診に繋がる恐れもある。
そのため、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置は、複数枚の断層画像を撮影するための走査が実行される間に自動アライメントの作動を一時的に停止する処理を行う。以下図9のフローチャートを参照して、その動作を説明する。撮影に先立ち、まず検者は被検者を装置の前に着座させる。なお、走査部として機能するXスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも一方が制御部300により駆動制御され、被検眼の状態観察用の観察用断層画像を得るための観察用走査と、被検眼の状態記録用の記録用断層画像を得るための記録用走査とを切り替えて実行可能である。
ステップS901において、制御部300は、検者による不図示のスイッチ操作を受け付けて、自動アライメントを開始する。ステップS902において、制御部300は、アライメント状態を観察するために眼底Erの観察用断層画像の取得を開始する。
ステップS903において、制御部300は、取得した観察用断層画像をモニタ301に表示する。検者は、モニタ301に表示された観察用断層画像を参照して、アライメント状態の良否を判断することができる。アライメント状態が良好であると検者が判断した場合には、検者は制御部300が有する不図示のスイッチを操作して断層画像の撮影開始を指示する。
ステップS904において、制御部300は、検者により不図示のスイッチが操作されたことに応じて、記録のための断層画像の撮影を開始する。ステップS905において、制御部300は、撮影開始の指示を受けると、記録のための撮影に先立ち自動アライメントの作動を停止させる。
ステップS906において、制御部300は、記録用の断層画像を生成するための走査を開始する。具体的には、制御部300は、Xスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、任意の軌跡による走査を複数回実行する。
ステップS907において、制御部300は、全ての走査が完了した後に、自動アライメントの作動を再開する。ステップS908において、制御部300は、複数回の走査に対応する複数枚の断層画像を生成する。ステップS909において、制御部300は、ステップS908で生成された複数枚の断層画像を不図示の記録媒体に記録する。以上で図9のフローチャートの処理が終了する。
なお、本実施形態では、記録用の断層画像を取得するための走査を開始する直前に自動アライメントを停止させているが、それより以前の時点で自動アライメントを停止させてもよい。具体的には、自動アライメントにより被検眼の瞳孔位置と光学系の光軸とが略一致したと判断された時点で自動アライメントの作動を停止させてもよい。
なお、複数の断層画像を取得するための信号を受け付ける受付部をさらに設けてもよく、当該受け付けが行われた後に処理が開始される構成であってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置では、少なくとも記録のための断層画像を生成する際に自動アライメントの作動を停止することにより、変形の少ない好適な断層画像を得ることができる。
<断層画像撮影中の眼底トラッキング制御>
一枚の断層画像を取得するための走査を行っている間に眼底トラッキングを行った場合にも、撮影される断層画像には大きな影響が生じる。前述したように、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置では、一枚の断層画像を得るために14.6ミリ秒を必要とする。従って、複数枚の断層画像を撮影する場合、約14.6ミリ秒の周期で眼底Er上を複数回走査することになる。この周期は一枚の断層画像を形成するために必要なAスキャンの本数と、一つのAスキャンを取得するために必要となる時間に依存している。一方、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置では、眼底トラッキングによる走査位置の補正周期は33.3ミリ秒である。この周期は、補正のための位置ずれ量算出に用いられる眼底Erの観察画像の取得間隔に依存している。
このように断層画像の取得間隔と眼底観察画像の取得間隔とが異なる場合、図10に示すように、一枚の断層画像を得るために眼底Er上を走査している間に、眼底トラッキングによる走査位置の補正Ci(i=1〜3)が行われることになる。また、眼底トラッキングでは、走査位置の補正間隔は長いものの、実際の補正に要する時間は非常に高速である。従って、眼底トラッキングによる走査位置の補正は、補正間隔内に行われた全ての眼球運動に応じて一瞬で補正されるような動作となる。そのため、一枚の断層画像を得るために眼底Er上を走査している間に、眼底トラッキングによる走査位置の補正が行われた場合、図11に示すように網膜層のギャップGが表れてしまう。網膜層のギャップGは、網膜層の形状に基づいて眼疾患の診断を行う眼科医にとって、診断の妨げとなるだけでなく、誤診に繋がる恐れもある。
これに対して本実施形態に係る光干渉断層撮像装置は、複数枚の断層画像を撮影する際、各断層画像を得るための走査と走査の間において眼底トラッキングによる走査位置の補正を行い、走査中における当該補正は停止する。以下図12のフローチャートを参照して、その動作について説明する。撮影に先立ち、まず検者は被検者を装置の前に着座させる。なお、走査部として機能するXスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも一方が制御部300により駆動制御され、被検眼の状態観察用の観察用断層画像を得るための観察用走査と、被検眼の状態記録用の記録用断層画像を得るための記録用走査とを切り替えて実行可能である。
ステップS1201において、制御部300は、検者による不図示のスイッチ操作を受け付けて、自動アライメントを開始する。そして、アライメント状態を観察するために眼底Erの観察用断層画像の取得を開始する。ステップS1202において、制御部300は、取得した観察用断層画像をモニタ301に表示する。検者はモニタ301に表示された観察用断層画像を参照することにより、アライメント状態の良否を判断することができる。
ステップS1203において、制御部300は、検者がアライメント状態が良好であると判断し、制御部300上の図示しないスイッチの操作を受け付けたことに応じて、記録用断層画像の撮影を開始する。なお、コヒーレンスゲートの調整のために、ステップS1201−ステップS1203において、眼底トラッキングに基づく走査位置の補正を行ってもよい。
ステップS1204において、制御部300は、走査部として機能するXスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、任意の軌跡による一回の走査を開始する。
ステップS1205において、制御部300は、眼底画像取得部として機能し、撮影された眼底画像を取得したか否かを判定する。眼底画像が取得されたと判定された場合(S1205;YES)、ステップS1206へ進む。一方、眼底画像が取得されなかったと判定された場合(S1205;NO)、ステップS1208へ進む。
ステップS1206において、制御部300は、移動量算出部として機能し、既に取得されている眼底画像と新たに取得された眼底画像とから、眼底Erの移動量を算出する。
ステップS1207において、現在実行されている一回の走査の間に眼底Erの移動が検出されたことを示す情報と、検出された眼底Erの移動量を示す情報とを、不図示のメモリに記憶する。その後、ステップS1208へ進む。ステップS1208において、制御部300は、一回の走査を終了する。
ステップS1209において、制御部300は、不図示のメモリに記憶された情報に従って、その一回の走査が実行されている間に眼底Erの移動が検出されたか否かを判定する。眼底Erの移動が検出されたと判定された場合(S1209;YES)、ステップS1210へ進む。一方、眼底Erの移動が検出されなかったと判定された場合(S1209;NO)、ステップS1212へ進む。
ステップS1210において、制御部300は、不図示のメモリから、算出された移動量を読み出す。ステップS1211において、制御部300は、眼底Erの移動量分をオフセットさせて補正した次の走査開始位置を算出し、次の走査位置を当該オフセットされた走査開始位置に移動させる。
ステップS1212において、制御部300は、走査部として機能するXスキャナ122−1とYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、走査位置を次の走査開始位置に移動させる。
ステップS1213において、制御部300は、一連の走査が全て終了したか否かを判定する。一連の走査が終了したと判定された場合(S1213;YES)、ステップS1214へ進む。一方、まだ行っていない次の走査があると判定された場合(S1213;NO)、ステップS1204へ戻り、一連の眼底トラッキング動作を繰り返す。
ステップS1214において、制御部300は、一連の複数回の走査に対応する複数枚の記録用断層画像を生成する。ステップS1215において、制御部300は、ステップS1214で生成された記録用断層画像をモニタ301に表示する。以上で図12のフローチャートの処理が終了する。このように、一回の走査中には走査位置の補正を停止して、1つの走査と次の走査との間に走査位置の補正を行う。また、制御部300は、走査手段による副走査中に該走査位置の補正を行い且つ該走査手段による主走査中に該走査位置の補正を停止するように、該走査手段を制御しても良い。
図13を参照して、図12のフローチャートに従って眼底トラッキングを行いながら、眼底Erの複数回の走査を行った場合の走査例を説明する。眼底Erの移動が検出されるタイミングをDi(i=1〜3)、算出された移動量に基づいて走査位置を補正するタイミングをCi(i=1〜3)とする。図13に示されるように、D1において検出された眼底Erの移動に伴う走査位置の補正は、C1で示される次の走査の開始時まで遅延される。同様に、D2およびD3において検出された眼底Erの移動に伴う走査位置の補正は、それぞれC2、C3で示される時点まで遅延される。このような制御を行うことにより、被検眼の眼底Er上の各走査は全て途中で途切れることなく最後まで連続して走査される。そのため、撮影された記録用断層画像上に、図11に示されるような網膜層のギャップGが現れる可能性を低減することができる。なお、眼底Erの移動が検出されたD1、D2、D3での各走査により得られる断層画像については、走査位置の補正を行わないため網膜層のギャップGが現れる可能性は少ないが、走査中に眼底Erが移動しているため、得られる断層画像に多少歪みが生じる可能性はある。したがって、D1、D2、D3での各走査により得られた断層画像を除去したり、各走査位置で再度同じ走査を行って断層画像の撮影をやり直したりしてもよい。これにより、さらに歪みの少ない断層画像を取得できる。
なお図12のフローチャートの処理において、図9のステップS905およびステップS907で説明した自動アライメントの停止処理および再開処理も並列して実行してもよい。すなわち、ステップS1203の処理とステップS1204の処理との間に、ステップS905で説明したアライメントの停止処理をさらに実行し、ステップS1213の処理とステップS1214の処理との間に、ステップS907で説明したアライメントの再開処理をさらに実行してもよい。このように、図9の自動アライメントに関する処理と、図12の眼底トラッキングに基づく走査位置の補正処理とは、少なくとも何れか一方を実行すればよい。
なお、本実施形態では記録用断層画像を取得する際に、各走査間(1つの走査と次の走査との間)で走査位置の補正を行うように制御しているが、観察用断層画像を取得する際にも同様の制御を実施してもよい。その場合、観察用断層画像についても網膜層の歪みを低減することが可能になる。また、観察用断層画像を取得する際には、各走査間(1つの走査と次の走査との間)で走査位置の補正を行うのではなく、眼底Erの移動を検出した時点で走査位置の補正を行ってもよい。観察用断層画像はリアルタイムの観察動画として表示されるものであり、その表示期間は非常に短く。また、観察用の断層画像は診断に用いられることも無いため、網膜層の多少の歪みは許容可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る光干渉断層撮像装置では、走査が実行されている間、被検眼を撮影するための光学系の被検眼に対するアライメントと、被検眼の眼底トラッキングによる走査位置の補正と、の少なくとも何れか一方を停止する。これにより、歪みの少ない断層画像を得ることができる。
(第2の実施形態:眼底の回転量の検出)
次に、第2の実施形態について、説明する。装置の構成は、第1の実施形態と同様であるため省略する。被検眼のアライメント、眼底のトラッキング、断層画像取得も第1の実施形態と同様に行う。
本実施形態は、眼底の移動量に加えて眼底の回転量の検出も行う点が、第1の実施形態とは異なる。第1の実施形態ではX方向とY方向の移動量を検出して走査位置を補正しているため、途中で被検眼の角度が変化すると断層画像が眼底上で直線にならない場合がある。そこで眼底の回転量を検出し、走査の回転方向の補正を行う。
眼底の回転量の検出は具体的には次のように行う。眼底観察画像上の着目領域を2ヶ所設け、以前の眼底観察画像と現在の眼底観察画像でそれぞれの着目領域の検出を行う。以前の眼底観察画像で検出した着目領域の座標をA1(xa1、ya1)、B1(xb1、yb1)とし、現在の眼底観察画像で検出した着目領域の座標をA2(xa2、ya2)、B2(xb2、yb2)とする。ここで、A2はA1と同じ着目領域であり、B2はB1と同じ着目領域である。
2次元座標の平行移動と回転を組み合わせた座標の変換は一般にアフィン変換の行列で表現される。以前の眼底観察画像の座標から現在の眼底観察画像の座標への変換は以下の手順で行う。まず、着目領域A1が原点(0,0)と一致するように平行移動を行う。この移動を表すベクトルを(tx1、ty1)とする。次に、ベクトルA1B1(xb1−xa1、yb1−ya1)がベクトルA2B2(xb2−xa2、yb2−ya2)と一致するように、原点(=A1)を中心とした回転を行う。この回転角度をθとする。最後に、原点(=A1)が着目領域A2と一致するように平行移動を行う。この移動を表すベクトルを(tx2、ty2)とする。これをアフィン変換で表現すると以下のようになる。
Figure 2014147502
ここで、(x、y)は変換前の座標、(x´、y´)は求めるべき変換後の座標である。この座標変換行列を用いて、次の走査以降の全ての走査の座標変換を行う。
なお、図18は、回転量の補正を追加したフローチャートである。図18は、図12とほぼ同様であるが、着目領域AとBからアフィン変換による座標変換行列の作成と適用を行っている点が異なる。眼底像が取得できた場合、ステップS1551で着目領域AとBを検出し、検出した座標をステップ1552でメモリへ保存する。ステップS1553でメモリから読み出した着目領域A,Bの2回分の座標(A1、B1、A2、B2)をもとに、ステップS1554で上記の手順でアフィン変換による変換行列を作成する。ステップ1555では、作成した変換行列によって次以降の走査の座標を変換する。これにより、走査の軌跡が眼底上で直線を成すように走査を続けることができる。
(第3の実施形態:眼底の回転量が閾値を超えるか否かを判定)
次に、第3の実施形態について、図14及び図15を用いて説明する。なお、図14は、本実施形態における眼底の回転量を説明するための図である。また、図15は、本実施形態におけるフローチャートである。本実施形態では、眼底の回転量が閾値を超えるか否かを判定する。この判定を断層画像毎に行うことで、眼底の回転に対応する断層画像の歪み具合を判定することができる。そして、本実施形態では、眼底の回転量が閾値以下と判定された断層画像を用いて加算平均等の重ね合わせ処理を行うことで、歪みの低減された断層画像を取得することができる。なお、断層画像の画像処理は、重ね合わせ処理以外に、3次元再構成でも良い。
ここで、1409は、時間軸である。右方向に時間が流れる。1408は、SLOの絶対座標系である。ここでは、縦軸をy、横軸をxとする。1403はOCTの走査領域である。1406は、OCT走査を開始した際の眼底画像である。1407は、OCT走査後n[μsec]経過した眼底画像である。1404は、黄班部である。1405は、乳頭部である。1402は、黄班部1404と乳頭部1405の中心を通るラインである。黄班部1404と乳頭部1405の中心は、画像処理にて算出される。1401は、OCTの走査を開始した際のライン1402とOCT走査中の眼底画像のライン1402の角度である。以後は回転角度θ1401と表現する。回転角度θ1401は、以下のように算出される。OCT走査開始時の黄班部1404の中心座標を(X,Y)、乳頭部1405の中心座標を(X,Y)とする。OCT走査中の黄班部1404の中心座標を(Xn1,Yn1)、乳頭部1405の中心座標を(Xn2,Yn2)とする。OCT走査開始時のライン1402の傾きmは、以下のようになる。
=(Y−Y)/( X− X
OCT走査中のライン1402の傾きmは、以下のようになる。
=(Yn2−Yn1)/( Xn2− Xn1
OCT走査開始後のライン1402とOCT走査中のn[μsec]後のライン1402の回転角度θ1401は、以下のようになる。
Figure 2014147502
このように、回転角度θ1401をSLOが走査される毎に算出することで眼底の回転方向のズレ量が算出される。
(眼底の回転量が閾値を超えるか否かを判定するフロー)
次に、眼底の回転量(回転角度)が閾値を超えるか否かを判定するフローについて、図15を用いて説明する。まず、ステップS1501について、制御部300は、本フローを開始する。なお、ステップS1501以降は、H1とH2のブロックを並列で処理する。
まず、並列処理ブロックH1内のフローを説明する。ステップS1504において、制御部300は、OCTの走査を開始する。また、ステップS1505において、判定手段の一例である制御部300は、OCTの走査で所定の枚数の断層画像データ(OCTデータ)が取得できたか否かを判定する。ここで、所定の枚数の断層画像データが取得できない場合は、ステップS1504に戻る。また、所定の枚数の断層画像データが取得できた場合は、ステップS1513に進み、全ての処理を終了する。
次に、並列処理ブロックH2内のフローを説明する。ステップS1502において、算出手段の一例である制御部300は、黄班の中心座標(X,Y)を算出する。また、ステップS1503において、算出手段の一例である制御部300は、乳頭部の中心座標(X,Y)を算出する。また、ステップS1506において、制御部300は、黄班−乳中心ラインの傾きを算出して、m1に代入する。また、ステップS1515において、制御部300は、nμsec後の黄班の中心座標(X n1,Y n1)を算出する。S1516は、nμsec後の乳頭部の中心座標(X n2,Y n2)を算出する。また、ステップS1507において、制御部300は、nμsec後の黄班−乳中心ラインの傾きを算出して、m2に代入する。また、ステップS1514において、制御部300は、回転角度θを算出する。また、ステップS1508において、判定手段の一例である制御部300は、回転角度θが0.5°(degree)を超えるか否かを判定する。ここで、回転角度θが0.5°以下なであると判定された場合、ステップS1509に進む。また、ステップS1509において、ステップS1507で算出した傾きm2をm1に代入し、ステップS1507に戻る。また、回転角度θが0.5°を超えると判定された場合、ステップS1510に進む。また、ステップS1510において、制御部300は、OCTの走査を停止する。また、ステップS1511において、制御部300は、断層画像データ(OCTデータ)を不図示のメモリから破棄(削除)する。また、制御部300は、ステップS1512において、OCTの走査を再開し、ステップS1502に戻る。なお、並列処理ブロックH1の後、制御部300は、ステップS1513において、本フローを終了し、さらに、並列処理ブロックH2内のフローを停止する。
以上より、本実施形態では、回転角度θが0.5°を超えると判定された場合には、OCTの走査を中断し、断層画像データを不図示のメモリから破棄する。また、回転角度θが0.5°以下であると判定された場合には、断層画像データを不図示のメモリに保存する。このとき、画像処理手段の一例である制御部300は、この保存された断層画像データを用いて加算平均等の重ね合わせ処理を行うことで、歪みの低減された断層画像を取得することができる。
なお、本実施形態では、回転量の閾値として0.5°を採用しているが、断層画像の歪みが低減される値であれば何でも良い。また、本実施形態では、OCTの走査中を想定しているが、OCTの走査が終わった後に、判定手段の一例である制御部300は、各OCTの画像データに対して、眼底の回転量(回転角度)が閾値を超えるか否かを判定しても良い。この場合、OCTの走査の中断や再開等のステップを省略できる。また、表示制御手段の一例である制御部300は、上記判定に応じて、眼底の回転に対応する断層画像の歪み具合を示す表示形態を該断層画像に対応した状態で表示手段に表示させても良い。
(第4の実施形態:眼底のXY方向の移動量が閾値を超えるか否かを判定)
次に、第4の実施形態について、図16及び図17を用いて説明する。図16は、本実施形態における眼底のXY方向の移動量を説明するための図である。また、図17は、本実施形態におけるフローチャートである。本実施形態では、眼底のXY方向の移動量が閾値を超えるか否かを判定する。この判定を断層画像毎に行うことで、眼底のXY方向の移動に対応する断層画像の歪み具合を判定することができる。そして、本実施形態では、眼底のXY方向の移動量が閾値以下と判定された断層画像を用いて加算平均等の重ね合わせ処理を行うことで、歪みの低減された断層画像を取得することができる。なお、断層画像の画像処理は、重ね合わせ処理以外に、3次元再構成でも良い。
ここで、1609は、時間軸である。右方向に時間が流れる。1408は、SLOの絶対座標系である。ここでは、縦軸をy、横軸をxとする。1601は、OCTの走査領域である。1604は、OCT走査を開始した際の眼底画像である。1605は、OCT走査後n[μsec]経過した眼底画像である。1602は、黄班部である。1603は、乳頭部である。眼底の移動量は以下のように算出される。OCT操作時の黄斑部1602の中心座標を(X,Y)、OCT走査後n[μsec]経過した際の黄斑部1602の中心座標を(Xn1,Yn1)とする。その際の移動量Lは下記で算出される。
Figure 2014147502
このように、移動量LをSLOが走査される毎に算出することで眼底のXY方向の移動量が算出される。
(眼底のXY方向の移動量が閾値を超えるか否かを判定するフロー)
次に、眼底のXY方向の移動量が閾値を超えるか否かを判定するフローについて、図17を用いて説明する。まず、ステップS1701において、制御部300は、本フローを開始する。なお、ステップS1701以降は、H1とH3のブロックを並列で処理する。また、並列処理ブロックH1は、図15と同様である。
次に、並列処理ブロックH3内のフローを説明する。ステップS1705において、算出手段の一例である制御部300は、nμsec後の黄班中心座標(x2,y2)を算出する。また、ステップS1706において、算出手段の一例である制御部300は、黄班の中心座標のズレ量Lを算出する。また、ステップS1707において、判定手段の一例である制御部300は、ズレ量Lが1ピクセル未満か否かを判定する。ここで、ズレ量Lが1ピクセル未満であると判定された場合、ステップS1708に進み、(x1、y1)に(x2,y2)を代入し、ステップS1705に戻る。また、ズレ量Lが1ピクセル以上であると判定された場合、ステップS1710に進み、OCTの走査を停止する。また、ステップS1711において、断層画像データ(OCTデータ)を不図示のメモリから破棄(削除)する。そして、ステップS1712において、制御部300は、OCTの走査を再開し、ステップS1705に戻る。
本実施形態では、XY方向の移動量Lが1ピクセル以上であると判定された場合、OCT走査を中断し、断層画像データを不図示のメモリから破棄する。また、XY方向の移動量Lが1ピクセル未満であると判定された場合、断層画像データを不図示のメモリに保存する。このとき、画像処理手段の一例である制御部300は、この保存された断層画像データを用いて加算平均等の重ね合わせ処理を行うことで、歪みの低減された断層画像を取得することができる。
なお、本実施形態では、XY方向の移動量の閾値として1ピクセルを採用しているが、断層画像の歪みが低減される値であれば何でも良い。また、本実施形態では、OCTの走査中を想定しているが、OCTの走査が終わった後に、判定手段の一例である制御部300は、各OCTの画像データに対して、眼底のXY方向の移動量が閾値を超えるか否かを判定しても良い。この場合、OCTの走査の中断や再開等のステップを省略できる。また、表示制御手段の一例である制御部300は、上記判定に応じて、眼底のXY方向の移動に対応する断層画像の歪み具合を示す表示形態を該断層画像に対応した状態で表示手段に表示させても良い。
また、本実施形態では、黄斑部1602の中心座標に着目して移動量Lを算出したが、乳頭部1603の中心座標に着目して移動量Lを算出してもよい。もちろん、本実施形態におけるXY方向の移動量と第3の実施形態における眼底の回転量とを共に考慮しても良いし、また、XY方向の移動量に限らずZ方向の移動量でも良い。また、これらの移動量が閾値を超える場合には、警告メッセージ等の報知情報を出力するようにしても良い。報知情報は、表示部によるメッセージ表示等の視覚的情報であっても良いし、警告音等の聴覚的情報でも良いし、それ以外の任意の知覚的情報であっても良い。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (21)

  1. 被検眼の複数の画像それぞれを異なる時間に取得する画像取得手段と、
    走査手段を介して測定光が照射された前記被検眼からの戻り光と、前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の複数の断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記複数の画像に基づいて前記被検眼の移動量のうち少なくとも回転量を取得する移動量取得手段と、
    前記取得された回転量に基づいて前記走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、前記走査手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置。
  2. 前記複数の断層画像のうち前記取得された回転量が閾値を超えるか否かを判定する判定手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の光干渉断層撮像装置。
  3. 前記判定手段の判定結果に応じて、前記複数の断層画像それぞれに対して断層画像の歪み具合を示す表示形態を該断層画像に対応した状態で表示手段に表示させる表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の光干渉断層撮像装置。
  4. 前記複数の断層画像のうち前記取得された回転量が前記閾値以下である断層画像を画像処理する画像処理手段を更に有することを特徴とする請求項2あるいは3に記載の光干渉断層撮像装置。
  5. 被検眼の複数の画像それぞれを異なる時間に取得する画像取得手段と、
    走査手段を介して測定光が照射された前記被検眼からの戻り光と、前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の複数の断層画像を取得する断層画像取得手段と、
    前記複数の画像に基づいて前記被検眼の移動量を取得する移動量取得手段と、
    前記取得された移動量に基づいて前記走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、前記走査手段を制御する制御手段と、
    前記複数の断層画像のうち前記取得された移動量が閾値以下である断層画像を画像処理する画像処理手段と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置。
  6. 前記画像処理手段が、前記閾値以下である断層画像を重ね合わせ処理することを特徴とする請求項4あるいは5に記載の光干渉断層撮像装置。
  7. 前記制御手段が、前記閾値を超える断層画像を記憶手段から削除することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  8. 前記画像取得手段が、前記被検眼の複数の眼底画像を前記複数の画像として取得し、
    前記移動量取得手段が、前記複数の眼底画像に基づいて前記被検眼の回転量及びXY方向の移動量を取得し、
    前記制御手段が、前記取得された回転量及びXY方向の移動量に基づいて前記1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、前記走査手段を制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  9. 前記制御手段が、前記走査手段による1つの主走査と次の主走査との間で前記走査位置の補正を行い且つ前記走査手段による主走査中に前記走査位置の補正を停止するように、前記走査手段を制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  10. 前記制御手段が、前記走査手段による副走査中に前記走査位置の補正を行い且つ前記走査手段による主走査中に該走査位置の補正を停止するように、前記走査手段を制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置。
  11. 走査手段を介して測定光が照射された被検眼からの戻り光と、前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の複数の断層画像を取得する光干渉断層撮像装置の制御方法であって、
    異なる時間に取得された前記被検眼の複数の画像に基づいて前記被検眼の移動量のうち少なくとも回転量を取得する工程と、
    前記取得された回転量に基づいて前記走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、前記走査手段を制御する工程と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置の制御方法。
  12. 前記複数の断層画像のうち前記取得された回転量が閾値を超えるか否かを判定する工程を更に有することを特徴とする請求項11に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  13. 前記判定する工程における判定結果に応じて、前記複数の断層画像それぞれに対して断層画像の歪み具合を示す表示形態を該断層画像に対応した状態で表示手段に表示させる表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項12に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  14. 前記複数の断層画像のうち前記取得された回転量が前記閾値以下である断層画像を画像処理する工程を更に有することを特徴とする請求項2あるいは3に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  15. 走査手段を介して測定光が照射された被検眼からの戻り光と、前記測定光に対応する参照光とを干渉させた干渉光に基づいて、前記被検眼の複数の断層画像を取得する光干渉断層撮像装置の制御方法であって、
    異なる時間に取得された前記被検眼の複数の画像に基づいて前記被検眼の移動量を取得する工程と、
    前記取得された移動量に基づいて前記走査手段による1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、前記走査手段を制御する工程と、
    前記複数の断層画像のうち前記取得された移動量が閾値以下である断層画像を画像処理する工程と、
    を有することを特徴とする光干渉断層撮像装置の制御方法。
  16. 前記画像処理する工程において、前記閾値以下である断層画像を重ね合わせ処理することを特徴とする請求項14あるいは15に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  17. 前記閾値を超える断層画像を記憶手段から削除する工程を更に有することを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  18. 前記複数の画像は、前記被検眼の複数の眼底画像であり、
    前記移動量を取得する工程において、前記複数の眼底画像に基づいて前記被検眼の回転量及びXY方向の移動量を取得し、
    前記制御する工程において、前記取得された回転量及びXY方向の移動量に基づいて前記1つの走査と次の走査との間で走査位置を補正するように、前記走査手段を制御することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  19. 前記制御する工程において、前記走査手段による1つの主走査と次の主走査との間で前記走査位置の補正を行い且つ前記走査手段による主走査中に前記走査位置の補正を停止するように、前記走査手段を制御することを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  20. 前記制御する工程において、前記走査手段による副走査中に前記走査位置の補正を行い且つ前記走査手段による主走査中に該走査位置の補正を停止するように、前記走査手段を制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法。
  21. 請求項11乃至20のいずれか1項に記載の光干渉断層撮像装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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