JP2014146466A - Liイオン電池の検査方法及び装置 - Google Patents

Liイオン電池の検査方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質内のLiイオンの拡散状態を簡便に評価できるようにする。
【解決手段】Liイオン電池の検査方法では、まず、電極活物質と、Liを含むLi含有片とが接触され、電極活物質及びLi含有片がLiイオンを伝導可能な電解液に浸された試験片を作製し、画像取得手段を用いて試験片の画像を経時的に取得する。その後、取得した画像における試験片の光学的特徴に基づいて、試験片を複数の領域に区画して各領域の境界位置の経時的変化を測定し、その測定結果から電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する。
【選択図】図4

Description

本発明は、リチウム(Li)イオン電池を構成する電極及び電解質の特性を検査する方法及び装置に関する。
リチウム(Li)イオン電池は、小型且つ高容量であるため、近年、ノートパソコン及び携帯電話等の電子機器の用途に加え、電気自動車の駆動用電源としても注目を集めている。
Liイオン電池は、それぞれ表面に電極活物質が塗布された正電極及び負電極、セパレータ並びに電解質等により構成されている。このようなLiイオン電池の特性を評価するための方法が、従来から知られている。
特許文献1には、ラマン分光法を用いて、Liイオン電池の負電極の表面における活物質の量を評価する方法が開示されている。この方法によると、Liイオン電池の電極における活物質等の分散状態を簡便に且つ短時間で評価することが可能となる。
特許文献2には、Liイオン電池のインピーダンスを測定することにより、その固体電解質界面(Solid Electrolyte Interface:SEI)膜の状態を評価する方法が開示されている。Liイオン電池ではSEI膜の状態に起因して自己放電不良等の異常が発生するため、特許文献2の方法を用いることにより、Liイオン電池の良否を評価できる。
特開2011−100565号公報 特開2011−252930号公報
ところで、Liイオン電池のエネルギー密度及びエネルギー容量を増大して、その性能を向上するためには、より良好な電極材料及び電解質材料を選択することが必要である。このため、電極、特に電極に用いられる電極活物質の特性を知ることは必要不可欠である。その特性として、電極活物質におけるLiイオンの拡散速度や拡散抵抗の大きさは、電池の内部抵抗の大きさ等を決定する因子として重要となる。このため、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を知ることは、Liイオン電池の性能を評価するために極めて重要となる。
しかしながら、上記特許文献1の方法では、簡便に電極活物質の量は測定できるものの、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を評価することはできない。同様に、特許文献2の方法でも、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を評価することはできない。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を簡便に評価できるようにし、容易に電極活物質及び電解質の良否を評価できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、電極活物質、Li含有片及び電解液が配設された試験片の画像を経時的に取得して、その画像から得られた試験片の光学的特徴の変化に基づいて電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を評価できるようにした。
具体的に、本発明に係るLiイオン電池の検査方法は、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を評価するための方法であり、電極活物質と、Liを含むLi含有片とが接触され、電極活物質及びLi含有片がLiイオンを伝導可能な電解液に浸された試験片を作製する試験片作製工程と、画像取得手段を用いて試験片の画像を経時的に取得する画像取得工程と、画像取得工程で取得した試験片の画像の光学的特徴に基づいて、試験片を複数の領域に区画して各領域の境界位置の経時的変化を測定する測定工程と、測定工程において測定された所定時間における前記境界位置の変化から、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する算出工程とを備えていることを特徴とする。
本発明に係るLiイオン電池の検査方法では、電極活物質にLi含有片を接触するように配置し、それらを電解液に浸すと、Liは卑な金属元素であるためLi含有片からLiイオンが電極活物質に拡散する。この拡散により、電極活物質とLiイオンとが反応して複数種の化合物が生成する。また、Liイオンの拡散が進むに従って、それぞれの化合物が生成されている領域の境界が変化する。本発明では、試験片の画像を経時的に取得し、上記領域の境界の変化を化合物の光学的特徴により経時的に検出する。その境界位置の変化は、Liイオンの拡散と関連するため、所定の時間から画像取得までの経過時間と、該経過時間における境界位置に基づいて、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出することが可能となる。すなわち、本発明の方法によると、試験片に電圧をかける等の特別な処理を必要とせずに、試験片において生成される化合物の光学的特徴の変化を検出することにより、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を簡便に評価できる。その結果、容易に電極活物質及び電解質の良否を評価できる。
本発明に係るLiイオン電池の検査方法において、測定工程では、光学的特徴として試験片における電極活物質とLiイオンとの反応により生成される複数種の化合物のそれぞれの色に基づいて、試験片を複数の領域に区画することが好ましい。
このようにすると、試験片を、視認できる色に基づいて容易に複数の領域に区画できるため、それらの境界位置も容易に検出できる。
本発明に係るLiイオン電池の検査方法において、測定工程は、試験片の作製からの経過時間tに取得された画像において、試験片の区画された各領域の境界位置とLi含有片との距離xを測定する工程を含み、算出工程は、経過時間tと距離xとに基づいて、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する工程を含んでいてもよい。
このようにすると、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を、上記経過時間tと距離xとを用いた所定の関数により容易に算出できる。
また、算出工程における上記拡散性能に関する値の算出は、試験片の作製から画像の取得までの時間をt(n=1,2,…)として、Deff=x/4tの式により拡散係数Deffを算出してもよい。
本発明のような電極活物質におけるLiイオンの拡散において、時間t(n=1,2,…)と距離xとの関係を示す一般式として拡散係数Deff=x/4tが導出される。この式から最小二乗法を用いて、記拡散性能に関する値として拡散係数Deffを算出できる。
本発明に係るLiイオン電池の検査方法において、電極活物質は、炭素を含み、試験片作製工程は、電極活物質を電解液に浸した後に、電極活物質を外気から遮断する外気遮断手段で覆う工程を含むことが好ましい。
電極活物質として炭素を用いると、炭素とLiイオンとの化合物であるLiC、LiC12及びLiC24等は、それぞれの色が明確に異なるため、それらの色の境界位置が容易に視認できる。また、電極活物質を外気から遮断する外気遮断手段で覆うと、電極活物質と外気との反応を防止できるため、誤差が小さい正確な試験を行うことが可能となる。
本発明に係るLiイオン電池の検査装置は、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を評価するための装置であり、電極活物質、Liを含むLi含有片及びLiイオンを伝導可能な電解液が配設される基板を含む試験片作製部と、試験片作製部において作製された試験片の画像を経時的に取得する画像取得手段と、画像取得手段により取得された画像における試験片の光学的特徴を検出し、該光学的特徴に基づいて、試験片を複数の領域に区画して各領域の境界位置の経時的変化を測定する測定手段と、測定手段により測定された経時的変化に基づいて電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する算出手段とを備えていることを特徴とする。
本発明に係るLiイオン電池の検査装置では、活物質中におけるLiイオンの拡散を活物質とLiイオンとの反応により生じる複数種の化合物の光学的特徴を検出でき、試験片におけるこれらの化合物が生成された領域同士の境界の経時的変化を容易に検出できる。また、この検出結果から容易に電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出できるため、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を簡便に評価できる。
本発明に係るLiイオン電池の検査方法及び装置によると、試験片において生成される化合物の光学的特徴の変化を検出することにより、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を簡便に評価できるため、容易に電極活物質及び電解質の良否を評価できる。
本発明の一実施形態に係るLiイオン電池の検査装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るLiイオン電池の検査装置の試験片作製部で作製される試験片を示す斜視分解図である。 試験片におけるLiイオンの拡散の様子を示す模式図である。 (a)は本発明の一実施形態に係るLiイオン電池の検査方法の一例を示すフローチャート図であり、(b)は、(a)とは異なる他の例を示すフローチャート図である。 本発明の実施例に係るLiイオン電池の検査方法を用いた拡散係数の測定結果を示すグラフ図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用方法或いはその用途を制限することを意図するものでない。
まず、本発明の一実施形態に係るLiイオン電池の検査装置の構成について図1を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るLiイオン電池の検査装置を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るLiイオン電池の検査装置は、電極活物質と、Liを含有するLi含有片とが接触されて、それらが電解液に浸されて構成された試験片を作製するための試験片作製部10と、試験片作製部10に作製された試験片の画像を経時的に取得するための画像取得手段20とを備えている。画像取得手段20としては、試験片作製部10における試験片の画像を取得できれば特に限られず、例えば光学顕微鏡及びCCDカメラ等を組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態の検査装置は、画像取得手段20により経時的に取得された画像から、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を求めるデータ処理手段30をさらに備えている。データ処理手段30は、取得された画像の光学的特徴を検出し、該光学的特徴に基づいて、試験片を複数の領域に区画して各領域の境界位置の経時的変化を測定する測定手段である画像解析部31と、該画像解析部31により測定された上記境界位置の経時的変化に基づいて電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する算出手段である演算部32とを含む。画像解析部31は、画像取得手段20により取得された画像を、その光学的特徴から複数の領域に分けてそれらの境界位置を決定し、その経時的変化を検出できれば特に限られず、一般的な画像解析ソフト(例えば、ImageJ等)を備えたコンピューター等を用いることができる。演算部32は、画像解析部31により検出される前記境界位置の経時的変化から電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出できれば特に限られず、一般的な計算ソフト(例えば、MATLAB等)を備えたコンピューター等を用いることができる。
さらに、本実施形態の検査装置は、演算部32により算出された電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を表示する、例えばディスプレイ等である表示手段40を備えている。
試験片作製部10は、上述の通り、試験片を作製するために構成されており、例えば電極活物質を設けるための基板を備えている。ここで、本実施形態に係るLiイオン電池の検査装置の試験片作製部において作製される試験片の構成について図2を参照しながら説明する。図2は試験片の一例を示す斜視分解図である。
図2に示すように、試験片作製部10は、上記の通り、活物質層13をその表面に配設するための基板12を備えている。基板12は、Liイオン電池の集電体として一般的に用いられる銅板等の金属板であってもよいし、ガラス板又は樹脂製板であってもよい。また、試験片作製部10は、その活物質層13を外気から遮断するための外気遮断手段として基板12を下面から覆うベース板18と、上面から覆うガラス板16とを含むことが好ましく、さらに、基板12をベース板18とガラス板16との間で密封するために基板12を囲うシール材17をさらに含んでもよい。
この試験片作製部10において作製される試験片11は、基板12の表面に形成された活物質層13と、該活物質層13の上に接触するように配設されるLi含有片14と、活物質層13及びLi含有片14を浸すように滴下される電解液15とにより構成される。活物質層13の材料は、例えば負極活物質として用いられる材料から任意に選択でき、例えば黒鉛を材料として用いることができる。さらに、活物質層13には、アセチレンブラック等の導電助剤が含まれていてもよい。これらの材料を、例えばドクターブレード法を用いて基板12の表面に均一な厚さで塗布し、押圧及び焼成することで活物質層13を形成することができる。Li含有片14は、Liを含む薄膜片等を用いることができ、例えばLiフォイルを用いることができる。また、電解液15は、Liイオンを伝導できる電解液であればよく、例えば電解質としてLiPFを用い、溶媒としてエチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)等を用いることができる。
このような試験片11において、Li含有片14からLiイオンが活物質層13に拡散し、そのLiイオンと活物質層13における負極活物質の黒鉛が反応して、LiC化合物が生成する。このとき、少なくとも活物質層13が外気と反応しないようにするために、上記のガラス板16、ベース板18及びシール材17により密封されて、外気から遮断されていることが好ましい。また、ガラス板16は、試験片11の画像を取得可能とするために透明である必要がある。シール材17には、基板12及び活物質層13を囲うような形状の樹脂材を用いることができ、例えばフッ素樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂等の耐腐食性を有する樹脂を用いることが好ましい。
次に、試験片作製部10において作製された試験片11の経時的変化について図3を参照しながら説明する。図3は、試験片の作製時からの経時的変化を左から右に向かって順次示す。
図3に示すように、試験片において、黒鉛を主成分とする活物質層13とLiフォイルであるLi含有片14とを浸すようにLiPF液である電解液15が滴下されると、Liは卑な金属元素であるため、Li含有片14から活物質層13にLiイオンが拡散される。この拡散によりLi含有片14の近傍から離れるに従って、LiCが生成された領域21、LiC12が生成された領域22及びLiC24が生成された領域23が順次形成される。なお、LiCは金色であり、LiC12は赤色であり、LiC24は青みがかった黒色であり、それぞれ視認可能である。時間の経過に従って、Liイオンの拡散が進み、LiCが生成された領域21がLi含有片14から離れる方向(図の右側)に拡大する。このように、Liイオンの拡散がLiC化合物の色により視認できるため、例えばLi含有片14から金色の領域21と赤色の領域22の境界位置までの距離の経時的変化を容易に検出できる。この経時的変化に基づいて、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出できる。その方法について、以下に説明する。
本実施形態に係るLiイオン電池の検査方法について図4(a)を参照しながら説明する。図4(a)は本実施形態に係るLiイオン電池の検査方法を示すフローチャート図である。
図4(a)に示すように、本実施形態に係るLiイオン電池の検査方法では、まず、図2で示した上記試験片11を作製する(ステップS10)。具体的に、基板12の表面に例えば黒鉛等の活物質をドクターブレード法を用いて、ほぼ均一な厚さで塗布する。続いて、所定の強さで活物質を基板に押圧し、所定温度で焼成することにより基板12の表面に活物質層13を形成する。その後、活物質層13にLiフォイル等のLi含有片14を接触して配設し、それらを浸すように電解液15を滴下する。なお、電解液15の滴下は、Arガスを充填したボックス内等の空気と接触しない場所で行うことが好ましい。続いて、活物質層13及び電解液15が外気と接触しないようにするために、試験片11をベース板18に載置し、シール材17で試験片11を囲み、ガラス板16とベース板18とで試験片11を挟み込み、試験片11を密封する。
このような試験片の作製後、画像取得手段により試験片の画像を経時的に取得する(ステップS11)。なお、このとき、試験片全体の画像を記憶すると共に、試験片作製時のLi含有片の画像をバックグラウンドとして記憶しておくことが好ましい(ステップS12)。これは、図3では図示していないが、Li含有片が時間の経過に従って溶けて小さくなるため、後に、Li含有片を基準として、試験片における所定の領域同士の境界位置の距離を計測する際に、各画像取得時間で試験片の大きさが異なり、その計測の正確性を担保できなくなることを防ぐために行う。
試験片の画像を取得した後に、試験片において生成された化合物の各色に基づいて、試験片を複数の領域に区画する(ステップS13)。このとき、本実施形態では、金色のLiC、赤色のLiC12、青色のLiC24及び未だLiイオンが到達していない黒色の黒鉛の領域をそれぞれ区画できる。その後、それらの領域の境界位置とLi含有片とをそれぞれ抽出し(ステップS14)、その境界位置とLi含有片との距離を計測する(ステップS15)。このとき、その距離は、複数箇所で計測し、その平均を取ることが好ましい(ステップS16)。この距離の測定は、例えば試験片の作製からの各経過時間に取得されたそれぞれの画像において行い、その経過時間tと距離xとの行列を作成する(ステップS17)。そして、その行列に基づいて、活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する(ステップS18)。このとき、例えば、経過時間tを横軸に取り、距離xを縦軸に取った座標平面にプロットされた測定結果の近似曲線から上記拡散性能に関する値として拡散係数を求めることができる。具体的に、本実施形態のようなLiイオンの拡散において、上記の近似曲線の一般式としては、拡散係数Deff=x/4tを導出できるため、この式に、それぞれの画像取得までの経過時間t(n=1,2,…)とそのときの上記距離xを適用し、最小二乗法により拡散係数Deffを算出することができる。
ここでは、Liイオンと活物質である黒鉛との化合物が視認可能な色を有するため、上記のような方法を用いることができたが、化合物が視認できない光学的特徴を有する場合においても、各化合物の光学的特徴が異なれば、分光分析に基づいて試験片を複数の領域に区分でき、上記と同様に拡散係数Deffを算出できる。そのような方法について図4(b)を参照しながら説明する。
図4(b)に示すように、この方法では、試験片を作製した後(ステップS20)、試験片における色を検出できるカラー画像を取得するのではなく、波長マッピング画像を取得する(ステップS21)。例えば、試験片に所定の波長のレーザー光等を照射し、試験片におけるレーザー光の吸収又は反射量を測定し、その結果に従った波長マッピング画像から、試験片を複数の領域に区画し、それらの境界位置を抽出する(ステップS22)。後の工程は、上述の図4(a)と同様であり、各領域の境界位置の経時的変化に基づいて、例えば拡散係数Deffを、Deff=x/4tの式から最小二乗法を用いて求めることができる。
以上の通り、本発明に係るLiイオン電池の検査方法及び装置によると、試験片において生成される化合物の光学的特徴の変化を検出することにより、試験片に電圧をかける等の処理を行うことなく、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を簡便に評価できるため、容易に電極活物質及び電解質の良否を評価できる。
本実施形態では、試験片を複数の領域に区画して、それらの境界位置と試験片との距離を経時的に測定し、所定時間におけるその距離の変化により、拡散係数を算出したが、境界位置と試験片との距離に限られず、例えば各領域の面積を指標として拡散係数を算出してもよい。
本実施形態では、活物質層の材料に負極活物質の黒鉛を用いて上記拡散性能を評価したが、本実施形態の方法を用いると、種々の負極活物質における上記拡散性能を比較することができて、良好な負極活物質を選択することができる。
以下に、本発明に係るLiイオン電池の検査方法について詳細に説明するための実施例を示す。本実施例では、本発明に係るLiイオン電池の検査方法を用いて、2種類の試験片における活物質中のLiイオンの拡散係数Deffをそれぞれ算出した。
まず、2種類の試験片の構成について説明する。実施例1に係る試験片では、活物質として黒鉛材粉末が銅板である基板の表面に塗布されている。なお、活物質には、導電助剤として5重量%のアセチレンブラックが混合されている。また、基板の表面に対する活物質の塗布は周知のドクターブレード法を用いて行い、ほぼ均一な厚さの活物質層を形成した。なお、本実施例において、活物質層は、幅が70mm、長さが300mm、厚さが40μmである。また、活物質層は、活物質の塗布後、2MPaのプレス圧で押圧し、さらに80℃で焼成した。このように形成された活物質層の表面の一端側に2枚のLiフォイルを接触するように配設した。次に、Arガスを充填したボックス内で、活物質層及びLiフォイルが浸るようにLiPF電解液(1mol、EC:EMC=1:1(V/V%))を滴下して試験片を作製した。続いて、活物質層及び電解液が外気と接触しないように、試験片をベース板に載置し、シール材で試験片を囲み、ガラス板とベース板とで試験片を挟み込み、試験片を密封した。
一方、実施例2の試験片は、実施例1の試験片と比較して材料は同一であり、プレス圧を0.5Mpaとしたことのみ異なる。
実施例1及び2の試験片に対して、本発明に係るLiイオン電池の検査方法により、活物質中のLiイオンの拡散係数Deffを算出した。その結果を図5に示す。
図5に示すように、実施例2よりも実施例1の方が拡散係数Deffが高く、実施例1における活物質中のLiイオンの拡散速度が速いことが示唆された。
このように、本発明に係るLiイオン電池の検査方法を用いると、同一の材料の電極活物質であってもその形成方法の差によるLiイオンの拡散性能の差を検出することができ、当然に材料の異なる活物質のそれぞれにおけるLiイオンの拡散性能の差を検出することができる。このようにして、種々の電極活物質を試験することにより、最良の電極活物質を選択することができる。また、用いる電解質を変えて、上記拡散性能を評価して最良の電解質を選択することもできる。さらに、良好な電解質と電極活物質との組合せについて評価することもできる。
以上の通り、本発明に係るLiイオン電池の検査方法によると、電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を簡便に評価できるため、容易に電極活物質及び電解質の良否を評価できる。
10 試験片作製部
11 試験片
12 基板
13 活物質層
14 Li含有片
15 電解液
16 ガラス板
17 シール材
18 ベース板
20 画像取得手段
30 データ処理手段
31 画像解析部(測定手段)
32 演算部(算出手段)
40 表示手段

Claims (6)

  1. 電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を評価するLiイオン電池の検査方法であって、
    前記電極活物質と、Liを含むLi含有片とが接触され、前記電極活物質及びLi含有片がLiイオンを伝導可能な電解液に浸された試験片を作製する試験片作製工程と、
    画像取得手段を用いて前記試験片の画像を経時的に取得する画像取得工程と、
    前記画像取得工程で取得した画像における前記試験片の光学的特徴に基づいて、前記試験片を複数の領域に区画して各領域の境界位置の経時的変化を測定する測定工程と、
    前記測定工程において測定された所定時間における前記境界位置の変化から、前記電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する算出工程とを備えていることを特徴とするLiイオン電池の検査方法。
  2. 前記測定工程において、前記光学的特徴として前記試験片における前記電極活物質と前記Liイオンとの反応により生成される複数種の化合物のそれぞれの色に基づいて、前記試験片を複数の領域に区画することを特徴とする請求項1に記載のLiイオン電池の検査方法。
  3. 前記測定工程は、前記試験片の作製からの経過時間tに取得された画像において、前記試験片の区画された各領域の境界位置と前記Li含有片との距離xを測定する工程を含み、
    前記算出工程は、前記経過時間tと前記距離xとに基づいて、前記電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のLiイオン電池の検査方法。
  4. 前記算出工程は、前記試験片の作製から前記画像取得までの経過時間をt(n=1,2,…)として、Deff=x/4tの式により拡散係数Deffを算出することを特徴とする請求項3に記載のLiイオン電池の検査方法。
  5. 前記電極活物質は、炭素を含み、
    前記試験片作製工程は、前記電極活物質を前記電解液に浸した後に、前記電極活物質を外気から遮断する外気遮断手段で覆う工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のLiイオン電池の検査方法。
  6. 電極活物質におけるLiイオンの拡散性能を評価するLiイオン電池の検査装置であって、
    前記電極活物質、Liを含むLi含有片及びLiイオンを伝導可能な電解液が配設される基板を含む試験片作製部と、
    前記試験片作製部において作製された前記試験片の画像を経時的に取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段により取得された画像における前記試験片の光学的特徴を検出し、該光学的特徴に基づいて、前記試験片を複数の領域に区画して各領域の境界位置の経時的変化を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された前記経時的変化に基づいて前記電極活物質におけるLiイオンの拡散性能に関する値を算出する算出手段とを備えていることを特徴とするLiイオン電池の検査装置。
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