JP2015041434A - 電極の評価方法および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極の空隙構造と電池特性とを関連付けて評価することができる電極の評価方法を提供する。【解決手段】本発明に係る電極の評価方法は、電極の3次元画像を取得する工程と、上記3次元画像を2値化した後に細線化することによって、曲路率を算出する工程と、上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程と、を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、電極の評価方法および製造方法に関する。
近年、自動車、または、携帯電話、ノートパソコンもしくはデジタルカメラ等のモバイル機器の電源として、リチウムイオン電池の利用が急速に広がっている。
リチウムイオン電池に使用される電極は、例えば、活物質、バインダーおよび導電助剤を分散媒に分散させたペーストまたはスラリーを、導電性を有する集電体に塗布し、乾燥することにより製造される。このように形成された電極には、構成材料が3次元的に分布しているとともに、これらの隙間として無数の空隙が存在している。
電極の空隙は、実際にリチウムイオン電池デバイスに適用されたときには、電解液で満たされ、リチウムイオンの通り道となる。したがって、空隙のサイズ、数、形状、分布等が、リチウムイオンの拡散のしやすさに影響する。リチウムイオンの拡散は、リチウムイオン電池デバイスのアウトプットとしての電池特性に影響を与える大きな要因のひとつである。
電極の構造を評価する方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が挙げられる。特許文献1には、イオンビームの照射によって電極表面をその厚さ方向に掘削して、掘削面における活物質層の走査イオン顕微鏡(SIM)像を観察し、観察されたSIM像における活物質のコントラストに基づき電極の性能を評価する方法が記載されている。
また、非特許文献1では、数値シミュレーションに基づいて、リチウムイオン電池の電極における空隙の曲路率(tortuosity)と空隙率との関係を説明するモデルが検討されている。
特開2007−123207号公報(2007年5月17日公開)
D. Kehrwald et. al.,Journal of The Electrochemical Society,158 (12) p.A1393-A1399,2011
上述のように、リチウムイオン電池材料として用いられる電極において、空隙の構造はリチウムイオンの拡散のしやすさに影響する。従って、空隙の構造を把握することは、高性能なリチウムイオン電池に要求される電極の条件を見出す上で非常に重要である。
しかしながら、上述のような従来技術では、電極の空隙構造と電池特性とを関連付けて評価することができず、電極の空隙構造と電池特性とのバランスをとるための判断材料を得ることができないという問題がある。
特許文献1に記載の技術は、活物質のコントラストに基づいて活物質の状態変化を可視化するものであって、直接的に空隙構造を抽出するものではない。よって、特許文献1に記載の技術では、電極の空隙構造を評価することはできず、さらに言えば、電極の空隙構造と電池特性との関連性を評価することもできない。
また、非特許文献1に記載の技術は、実際の電極の空隙構造と電池特性とを具体的に関連付けて評価するものではない。なお、非特許文献1においては、負極の空隙構造が検討されているにすぎず、正極の空隙構造は検討されていない。
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は電極の空隙構造と電池特性とを関連付けて評価し、電極の空隙構造と電池特性とのバランスをとるための判断材料を得ることができる電極の評価方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、空隙構造を定量的に表すものとして曲路率を算出し、当該曲路率と電池特性との関連性を評価することによって、電極の空隙構造と電池特性とのバランスをとるための判断材料を得ることができる電極の評価方法を実現できることを見出した。
すなわち、本発明に係る電極の評価方法は、上記の課題を解決するために、活物質とバインダーとを含む活物質層が、集電体上に形成されてなる電極の評価方法であって、上記電極の3次元画像を取得する工程と、上記3次元画像を2値化した後に細線化することによって、曲路率を算出する工程と、上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程と、を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、取得された電極の3次元画像を2値化および細線化することによって、電極内の空隙構造を抽出して曲路率を算出することができる。そして、上記曲路率と電池特性との関連性を評価することができる。よって、電極の空隙構造と電池特性との関連性に基づいて、空隙構造と電池特性とのバランスをとるための判断材料を得ることができる。
本発明に係る電極の評価方法では、上記曲路率は、下記式(1)によって求められてもよい:
T=f/s (1)
(式(1)において、Tは曲路率であり、fは対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路の全長であり、sは上記対向する2つの面の間の距離または上記対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路の当該開口部間の距離である)。
本発明に係る電極の評価方法では、上記電極の3次元画像を取得する工程の前に、上記電極の空隙に、融点が−40℃以上100℃以下の温度範囲である金属を圧入充填する圧入工程を含んでいてもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、上記電極について電池特性を測定する工程を含んでいてもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、上記電池特性は容量維持率であってもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、上記電極の3次元画像は、X線CTまたはFIB−SEMによって取得された画像であってもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、上記電極は、正極および負極のうちの少なくとも一方を包含していてもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程において、上記曲路率と電池特性との相関性を判定してもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、上記曲路率と電池特性との関連性を、異なる密度の電極間において比較する工程を含んでいてもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、上記曲路率と電池特性との関連性を、正極と負極とにおいて比較する工程を含んでいてもよい。
本発明に係る電極の評価方法では、細線化された空隙の画像を取得する工程をさらに含んでいてもよい。
本発明に係る電極の製造方法は、活物質とバインダーとを含む活物質層が、集電体上に形成されてなる電極の製造方法であって、本発明に係る電極の評価方法によって評価された曲路率と電池特性との関連性に基づいて、電極の曲路率を調整することを特徴としている。
上記構成によれば、本発明に係る電極の評価方法によって得られた結果に基づいて電極の曲路率を調整することによって、良好な電池特性を提供し得る好適な空隙構造を電極内に形成することができる。
本発明に係る電極の評価方法は、上述のように、活物質とバインダーとを含む活物質層が、集電体上に形成されてなる電極の評価方法であって、上記電極の3次元画像を取得する工程と、上記3次元画像を2値化した後に細線化することによって、曲路率を算出する工程と、上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程と、を含む構成である。それゆえ、電極の空隙構造と電池特性とを関連付けて評価し、電極の空隙構造と電池特性とのバランスをとるための判断材料を得ることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る電極の製造方法は、上述のように、活物質とバインダーとを含む活物質層が、集電体上に形成されてなる電極の製造方法であって、本発明に係る電極の評価方法によって評価された曲路率と電池特性との関連性に基づいて、電極の曲路率を調整する構成である。それゆえ、本発明に係る電極の評価方法によって得られた結果に基づいて電極の曲路率を調整することによって、良好な電池特性を提供し得る好適な空隙構造を電極内に形成することができるという効果を奏する。
本発明において評価対象となる電極の空隙構造の一例を示す模式図である。 本発明において取得される3次元画像のスライス像の一例を示す図である。 本発明において取得される画像の一例を示す図であり、(a)は電極の3次元画像から切り出された関心領域を示しており、(b)は細線化された画像を示している。 本発明において評価対象となる電極の空隙構造の一例を示す模式図である。 本発明において3次元画像から切り出される直方体の一例を示す図である。 本発明における曲路率の算出方法の一例を説明する模式図である。 本発明における曲路率の算出方法の一例を説明する模式図である。 本発明における曲路率の算出方法の一例を説明する模式図である。 実施例1において取得された3次元画像を示す図である。 実施例1の正極Aにおける、曲路率の分布を示す図であり、(a)〜(c)は全ての経路について、(d)〜(f)は最短経路についての結果である。 実施例1の正極Bにおける、曲路率の分布を示す図であり、(a)〜(c)は全ての経路について、(d)〜(f)は最短経路についての結果である。 実施例1において取得された、細線化された空隙の画像を示す図である。 実施例2において取得された3次元画像を示す図である。 実施例2の負極Aにおける、曲路率の分布を示す図であり、(a)〜(c)は全ての経路について、(d)〜(f)は最短経路についての結果である。 実施例2の負極Bにおける、曲路率の分布を示す図であり、(a)〜(c)は全ての経路について、(d)〜(f)は最短経路についての結果である。 実施例2において取得された、細線化された空隙の画像を示す図である。 空隙率と曲路率との関連性を示す図であり、(a)は実施例1における結果、(b)は実施例2における結果を示す。 容量維持率と曲路率との関連性を示す図であり、(a)は実施例1における結果、(b)は実施例2における結果を示す。
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上B以下」を意味する。また、図面中のx軸、y軸、z軸は、それぞれの図面における3次元空間における方向を規定している。
〔電極の評価方法〕
<電極>
本発明において、評価の対象となる電極は、活物質とバインダーとを含む活物質層が、集電体上に形成されてなる電極であればよい。かかる電極であれば、本発明の方法により、電極内の活物質による電子伝導ネットワークを評価することができる。上記電極は、化学電池用電極であればよい。したがって、上記電極は、一次電池用電極であってもよいし、二次電池用電極であってもよい。また、キャパシタ用電極であってもよい。また、本発明において、評価の対象となる電極は、正極であっても、負極であってもよい。上記電極は、正極および負極のうちの少なくとも一方を包含していればよい。
本発明に係る電極の評価方法は、リチウムイオン電池用電極に限らず、活物質とバインダーとを含む活物質層が集電体上に形成されてなる電極であれば、すべての化学電池用電極およびキャパシタ用電極の評価に適用することができる。電極の一例としては、これに限定されるものではないが、リチウムイオン電池用電極のほかに、例えば、リチウム空気電池用電極、リチウムイオンキャパシタ用電極等を挙げることができる。
ここで、活物質とは、電池の電極反応に関わる主要物質であれば特に限定されるものではなく、従来公知の活物質および今後開発される活物質のすべてが含まれる。活物質の形状も特に限定されるものではないが、粒子状であることがより好ましい。また、その大きさも特に限定されるものではないが、例えば、活物質が粒子状である場合は、その平均粒子径は、0.1〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることがさらに好ましい。活物質の一例としては、これに限定されるものではないが、例えば、LiCoO、LiMn、Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O、LiMnO、シリコン、錫、LiTi12、グラファイト等を挙げることができる。活物質層に含まれる全成分に対する、活物質の割合も特に限定されるものではないが、通常、80〜98重量%である。
また、バインダーとは、活物質を結着するための結着剤であれば特に限定されるものではなく、従来公知のバインダーおよび今後開発されるバインダーのすべてが含まれる。バインダーは通常絶縁体である。バインダーの一例としては、これに限定されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンラバー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸等を挙げることができる。活物質層に含まれる全成分に対する、バインダーの割合も特に限定されるものではないが、通常、0.1〜5重量%である。
活物質層には、少なくとも、活物質とバインダーとが含まれていればよいが、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としても、特に限定されるものではないが、例えば、導電助剤、増粘剤等を挙げることができる。導電助剤とは、活物質に電子を流しやすくするための物質であれば、特に限定されるものではない。導電助剤の一例としては、これらに限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維等を挙げることができる。活物質層に含まれる全成分に対する、導電助剤の割合も特に限定されるものではないが、通常、0〜10重量%である。また、活物質層の厚みも特に限定されるものではないが、例えば、30〜200μmであることがより好ましく、50〜150μmであることがさらに好ましい。
本発明において、評価の対象となる電極は、上記活物質層が、集電体上に形成されてなる電極であればよい。ここで、集電体とは、活物質から対極へ電子を伝えるための、導電性を有する膜状体または板状体であり、電極反応によって腐食されないものであれば特に限定されるものではない。かかる集電体としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等を挙げることができる。集電体の厚みも特に限定されるものではないが、例えば、5〜30μmであることがより好ましく、10〜20μmであることがさらに好ましい。また、上記活物質層は、集電体上に形成されていればよく、集電体の片方の面上に形成されていても、集電体の両方の面上に形成されていてもよい。
上記電極がリチウムイオン電池用電極の正極である場合の一例として、例えば、活物質がLiCoOであり、バインダーがポリフッ化ビニリデンであり、集電体がAl箔であり、導電助剤がカーボンブラックである電極を挙げることができる。また、上記電極がリチウムイオン電池用電極の負極である場合の一例として、例えば、活物質がグラファイトであり、バインダーがポリフッ化ビニリデンまたはスチレンブタジエンラバーであり、集電体がCu箔であり、導電助剤がカーボンブラックである電極を挙げることができる。
上記電極は、上記活物質等の構成材料の間に多数の空隙を有する。図1は、電極の空隙構造を示す模式図である。図1(a)には、活物質1の間に空隙2が存在している。なお、図1では、便宜上、活物質以外の材料(バインダー、導電助剤等)は省略している。空隙2は、実際に電極がリチウムイオン電池デバイスに適用されたときには、電解液で満たされ、リチウムイオン(Li)の通り道となる。
図1(b)は、図1(a)に比べ、圧密化された電極の空隙構造を示している。なお本明細書において、「圧密化」とは、電極の密度を増加させることを意味する。圧密化するための方法は特に限定されないが、例えば上記活物質、上記バインダーおよび上記その他の成分を分散媒に分散させたペーストまたはスラリーを、上記集電体に塗布し、乾燥させた後、ロールプレスする際の圧力を増加させることによって達成できる。
電極において空隙が多い場合、換言すれば密度が小さい場合、電解液が浸透しやすく、リチウムイオンが拡散しやすいという点では好ましい。しかし一方で活物質同士の導電性および容量が低下するおそれがある。これに対し、電極において空隙が少ない場合、換言すれば密度が大きい場合、活物質同士の導電性および容量は向上すると考えられるが、リチウムイオンの拡散が妨げられるおそれがある。従って、高性能な電極を開発するためには、電極の空隙構造と電池特性とのバランスをとる必要がある。
<3次元画像の取得>
本発明に係る電極の評価方法は、電極の3次元画像を取得する工程を含む。よって、電極内の空隙の分布および偏在状態を多面的に観察することができる。また、当該3次元画像に基づき、後述のように曲路率を算出すること、および、細線化された画像を得ること等ができる。
上記3次元画像を取得する方法は特に限定されないが、例えばX線CT、FIB−SEMまたは電子線トモグラフィ等を用いる方法が挙げられる。これらの方法を用いて観察試料を観察すれば、電極の空隙の3次元的な立体像が得られるので、断面の観察からは得られない空隙の連結などに関する情報をも得ることができる。
X線CTは、観察対象の物体を様々な方向からX線で撮影し、得られた断面画像をコンピューター処理により3次元的に構築することによって、内部構造を含めた物質の構造を可視化する手法である。観察する物体にX線を照射した場合、照射されたX線の一部は物体に吸収され、残りは透過する。これを投影しただけでは、物体のある断面の2次元像しか得られないが、物体を回転させ、様々な方向からの撮影することで3次元的な像の構築が可能となる。また、X線の吸収度合いは物体中に含まれる元素の種類、量により変化し、この変化から物体内部の元素分布についての情報を得ることもできる。
FIB−SEMは、観察対象の物体に対して、FIB(集束イオンビーム)による断続的な加工とSEM(走査型電子顕微鏡)による観察とを繰り返し、得られたSEM像を3次元的に構築することによって、内部構造を含めた物質の構造を可視化する手法である。
電子線トモグラフィは、観察対象の物体を様々な方向から透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影し、得られた断面画像をコンピューター処理により3次元的に構築することによって、内部構造を含めた物質の構造を可視化する手法である。
図2(a)および(b)は、X線CTによって取得された3次元画像のスライス像の一例である。図2(a)および(b)において、(i)は電極の全体図を示し、(ii)は(i)のxy平面に平行な断面図であり、(iii)は(i)のxz平面に平行な断面図であり、(iv)は(i)のyz平面に平行な断面図である。なお、図2(a)を白黒反転させた画像が図2(b)である。このような3次元画像から関心領域(ROI)を切り出し、後述するように空隙を2値化し、細線化を施せばよい。
<金属の圧入>
本発明に係る電極の評価方法は、上記電極の3次元画像を取得する工程の前に、電極の空隙に、融点が−40℃以上100℃以下の温度範囲である金属(例えば、水銀(融点:−38.9℃)、セシウム(融点:28.5℃)、ガリウム(融点:29.78℃)、ルビジウム(融点:39.0℃))を圧入充填する圧入工程を含んでいてもよい。上記構成によれば、コントラストが高い画像を得ることができ、より正確な3次元画像を取得することができる。
圧入工程において電極の空隙に圧入充填する金属は、融点が−40℃以上100℃以下の温度範囲の金属であればよく、単体金属で融点が−40℃以上100℃以下のものの他、低融点合金のうち融点が−40℃以上100℃以下のものも用いることができる。このような金属としては、ガリウム、ウッド合金等のほか、ビスマス、カドミウム、インジウム、鉛、又はスズを特定の割合で混合した合金群より選択される金属であることが好ましく、ガリウムであることがより好ましい。
また、圧入工程において電極の空隙に充填する金属は、融点が−40℃以上100℃以下であればよいが、25℃以上60℃以下であることがより好ましい。これにより、室温環境下においても、金属の相状態を制御することが容易であり、電極の空隙により好適に金属を充填することができる。
圧入工程においては、上記金属が溶融した液体を電極の空隙に圧入充填してもよい。これにより、電極の空隙により精度よく金属を充填することができる。上記金属は、融点が−40℃以上100℃以下の温度範囲であるため、固体から液体及び液体から固体への相状態の制御が容易である。したがって、電極の空隙に圧入充填する際には、金属を融点以上の温度まで加熱させて液体状態にすれば、容易に充填することができる。
例えば、容器内部で溶融させて液体状態となった金属の中に、電極を沈めておき、真空ポンプ等を用いて容器内の空気を排気する。これにより電極内部の空気もあわせて排気される。そして、ガリウム等の金属および電極の入った容器をグリセリン等の圧力伝達物質の中に沈め、そのままの状態で油圧プレス等することにより電極の空隙に液体状態の金属を圧入する。これにより、電極の空隙内に金属を容易に充填することができる。
また、上述したような金属が圧入充填された電極を、金属の融点よりも低くなるように冷却する冷却工程をさらに包含してもよい。これにより、電極の空隙に充填された金属を固体化して、空隙内に固定することができる。
圧入工程においては、上述したような金属が溶融した液体を、100MPa以下の圧力で、上記電極の空隙に圧入充填することが好ましい。これにより、電極の空隙への金属の充填を好適に行うことができる。また、金属を圧入充填するときの圧力は、50MPa以上70MPa以下であることがより好ましく、60MPa以上70MPa以下であることが最も好ましい。このように、金属圧入時の圧力を制御することによって、微細な空隙にまで確実に金属を充填することができるとともに、電極を変形させることがない。すなわち、電極を含む評価対象となる試料を好適に作製することができる。
また、電極の空隙に金属を圧入するときの温度は、圧入する金属の融点に応じて適宜設定されるが、例えば、圧入する金属の融点よりも20〜30℃高い温度であることが好ましい。これにより、電極を備えた試料を特に好適に作製することができる。なお、電極の空隙に金属を圧入する際には、金属の温度の低下を防ぐために、金属と同様に加熱した圧力伝達物質を利用してもよい。圧力伝達物質の例として、例えばグリセリン等が挙げられる。
また、上記金属の圧入充填は特に負極に対して行われることが好ましい。負極をX線CT等によって観察する場合、特にコントラストを得ることが難しい場合がある。このような場合、上記圧入工程を経ることによって、コントラストが高い画像を得ることができ、負極の空隙構造をより正確に把握することができる。
<曲路率の算出>
本発明に係る電極の評価方法は、上記3次元画像を2値化した後に細線化することによって、曲路率を算出する工程を含んでいる。よって、後述するように算出された曲路率と電池特性との関連性を評価すること等ができる。
図3(a)は電極の3次元画像から切り出された関心領域の一例を示しており、図3(b)は細線化された空隙の画像の一例を示している。
上記曲路率の算出においては、2値化された画像データに基づき、細線化を行う。3次元画像を2値化および細線化する方法としては、例えば公知の画像処理ソフトを用いる方法が挙げられる。以下に細線化の一例を示す。
図4は、電極の空隙構造を示す模式図である。電極の3次元画像を2値化し、さらに空隙の中心を連続的に結んだ中心軸3(medial axis)を生成することによって、細線化が行われる。図4に示されるように、空隙における狭窄部(断面積が小さくなっている部分)をスロート(throat)4とし、スロートによって仕切られた複数の小部屋をノーダルポア(nordal pore)5a〜5dとした場合、中心軸3は空隙の細線化の結果として残った軸である。
本発明に係る電極の評価方法において、曲路率の算出方法は特に限定されないが、例えば下記式(1)によって曲路率を算出すればよい:
T=f/s (1)
(式(1)において、Tは曲路率であり、fは対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路の全長であり、sは上記対向する2つの面の間の距離または上記対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路の当該開口部間の距離である)。
例えば図5のx軸方向における曲路率を算出する場合について説明する。図5は、本発明において3次元画像から切り出された直方体の一例を示す図である。図5において、z軸に垂直な対向する2つの面を面(1)および面(2)とし、x軸に垂直な対向する2つの面を面(3)および面(4)とし、y軸に垂直な対向する2つの面を面(5)および面(6)とする。
図6は、図5に示す直方体のxz平面に平行な断面図を示す。つまり、図6の一端は面(3)であり、もう一端は面(4)である。ここで、図6の断面図中の実線で示される曲線は面(3)と面(4)との間に存在する空隙を通過する経路を示している。当該経路は面(3)において開口部aを有し、面(4)において開口部bを有する。つまり、上記実線で示される経路は、面(3)と面(4)との間に存在する空隙を介して、開口部aおよびbを結ぶ経路である。当該経路は、上記細線化によって抽出することができる。上記実線で示される経路の全長が上記式(1)のfに対応する。一方、図6の断面図中の点線は、面(3)と面(4)とを結ぶ直線である。つまり、上記点線で示される直線の距離が上記式(1)のsに対応する。z軸方向およびy軸方向についても同様の方法によって曲路率を求めることができる。
図7は、図5に示す直方体のxz平面に平行な断面図の別の一例を示す。対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路は、図7中の開口部Cを一端とする経路のように、分岐する場合もある。そこで、曲路率を求める方法としては、以下の2つの例が挙げられる。
まず、第一の方法としては、全ての経路(all paths)について曲路率を求める方法が挙げられる。つまり、図7で言えば、A−A1、B−B1、C−C1、C−C2およびC−C3の全ての経路について曲路率を求める方法である。なお、例えば「A−A1」の経路とは、開口部Aと開口部A1とを結ぶ経路を意味する。
例えば、図8(a)に示すように面mと面nとの間に、開口部m1から開口部n1、開口部n2および開口部n3の3点に対して分岐している経路があるとする。この場合、m1−n1の経路については、面mと面nとの間に存在する空隙を介して開口部m1と開口部n1とを結ぶ経路の全長をf、開口部m1と開口部n1とを結ぶ直線距離をsとして曲路率を算出する。同様に、m1−n2の経路については、面mと面nとの間に存在する空隙を介して開口部m1と開口部n2とを結ぶ経路の全長をf、開口部m1と開口部n2とを結ぶ直線距離をsとして曲路率を算出する。また、m1−n3の経路については、面mと面nとの間に存在する空隙を介して開口部m1と開口部n3とを結ぶ経路の全長をf、開口部m1と開口部n3とを結ぶ直線距離をsとして曲路率を算出する。
第二の方法としては、最短経路(shortest paths)について曲路率を求める方法が挙げられる。つまり、図7において開口部Cを一端とする3つの経路のうち、C−C2の経路が最短である場合、A−A1、B−B1およびC−C2の経路について曲路率を求める方法である。例えば、図8(b)に示すように面mと面nとの間に、開口部m1から開口部n1、開口部n2および開口部n3の3点に対して分岐している経路があるとする。当該第二の方法においては、面mと面nとの間の直線距離をsとして曲路率を算出する点で、上記第一の方法とは異なる。また、当該第二の方法においては、開口部m1を一端とする経路の曲路率としては、m1−n1、m1−n2およびm1−n3の経路の曲路率のうち、最小となる曲路率のみ(ここではm1−n3の経路の曲路率)を採用する。
なお、曲路率は常に1以上の値を示す。曲路率が1であれば、直線経路であることを意味し、曲路率が1に近いほど、経路が直線に近いことを意味する。曲路率が大きいほど、経路が曲がりくねっていることを意味する。つまり、電極において曲路率はリチウムイオンの通り道がどの程度曲がりくねっているかを示している。
<空隙構造と電池特性との関連付け>
また、本発明に係る電極の評価方法は、上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程を含んでいる。よって、曲路率によって表された空隙構造と電池特性とを関連付けて評価し、電極の空隙構造と電池特性とのバランスをとるための判断材料を得ることができる。
上記電池特性の具体例としては、例えば容量維持率(負荷特性)、サイクル特性、保存特性等が挙げられる。本発明に係る電極の評価方法は、電極について電池特性を測定する工程を含んでいてもよい。容量維持率は、例えば後述の実施例に示す方法で測定することができる。サイクル特性は、例えば任意のサイクル数(例えば100サイクル)で充放電を繰り返した場合の放電容量の変化によって示すことができる。また、保存特性は、例えば任意の期間、任意の温度で保存した場合の放電容量の変化によって示すことができる。
曲路率は、空隙の分布状態を数値として表したものである。従って、本発明に係る電極の評価方法によれば、例えば、電極について曲路率および容量維持率等を測定し、曲路率と容量維持率等との関連性を評価することによって、曲路率がどの程度の範囲の場合にどの程度の電池特性を示すのかを知ることができる。よって、曲路率がどの程度の範囲であれば電池特性が改善されるのかについて検討することができる。つまり、上記構成によれば、曲路率と電池特性との関連性に基づいて、電池特性を改善するために好適な空隙の分布状態を知るための判断材料を得ることができる。
本発明に係る電極の評価方法では、上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程において、上記曲路率と電池特性との相関性を判定してもよい。上記構成によれば、空隙構造と電池特性との間に存在する傾向をより明確に見出すことができる。上記相関性の判定は、例えば、曲路率と容量維持率等の電池特性とをそれぞれ横軸および縦軸としたグラフとして可視化し、当該グラフから相関性を読み取ることによって行われてもよい。また上記相関性の判定は、相関係数の算出等の統計的な処理によって行われてもよい。
本発明に係る電極の評価方法は、上記曲路率と電池特性との関連性を、異なる密度の電極間において比較する工程を含んでいてもよい。上記構成によれば、圧密化による空隙構造および電池特性に対する影響を評価することができる。よって、電極をどの程度圧密化すれば、空隙構造を変化させることができ、電池特性を改善することができるのかを検討することができる。
また、本発明に係る電極の評価方法は、上記曲路率と電池特性との関連性を、正極と負極とにおいて比較する工程を含んでいてもよい。上記構成によれば、正極および負極における、空隙構造と電池特性との関連性の違いを検討することができる。
さらに、本発明に係る電極の評価方法では、正極および負極のそれぞれに関し、異なる密度の電極間において上記曲路率と電池特性との関連性を比較してもよい。上記構成によれば、正極と負極との間における、圧密化による空隙構造および電池特性への影響の違いを評価することができる。例えば、後述の実施例では、正極においては圧密化による空隙構造の変化は小さいのに対し、負極においては圧密化による空隙構造の変化が大きいことが示されている。
<細線化画像の取得>
本発明に係る電極の評価方法では、上記細線化によって、図3(b)に示すような空隙の中心軸によって表された画像を取得する工程を含んでいてもよい。本明細書においては、空隙の中心軸によって表された画像、換言すれば細線化された空隙の画像を「細線化画像」とも称する。細線化画像は立体的な空隙構造を可視化した画像である。また、細線化画像は曲路率を反映した図であるとも言える。
また、当該細線化画像は、対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路の中心軸を可視化したデータとして取得されてもよい。
例えば図5を用いて説明すれば、上記細線化画像は、対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって、x軸に垂直な対向する2つの面(面(3)および面(4))に開口部を有する経路(x軸方向の経路)、y軸に垂直な対向する2つの面(面(5)および面(6))に開口部を有する経路(y軸方向の経路)、および/またはz軸に垂直な対向する2つの面(面(1)および面(2))に開口部を有する経路(z軸方向の経路)の中心軸を可視化したデータとして表されてもよい。
上記曲路率と電池特性との関連性の評価は、上述した細線化画像を参照して行われてもよい。上記細線化画像は、空隙の分布状態を示している。従って、例えば、電極について細線化画像を取得するとともに、容量維持率等を測定し、細線化画像と容量維持率等との関連性を評価することによって、どのような空隙構造の場合にどの程度の電池特性を示すのかを知ることができる。よって、空隙がどのように分布していれば電池特性が改善されるのかについて検討することができる。つまり、上記構成によれば、細線化画像と電池特性との関連性に基づいて、電池特性を改善するために好適な空隙の分布状態を知るための判断材料を得ることができる。
〔電極の製造方法〕
本発明に係る電極の製造方法は、本発明に係る電極の評価方法によって評価された曲路率と電池特性との関連性に基づいて、電極の曲路率を調整するものである。上記構成によれば、本発明に係る電極の評価方法によって見出された空隙構造と電池特性との関連性に基づいて、電池特性を改善させるために好適な密度を選択し、電極を製造することができる。なお、上述の〔電極の評価方法〕において既に説明した項目については、説明を省略する。
上記電極自体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上述の活物質、バインダーおよびその他の成分を分散媒に分散させたペーストまたはスラリーを、集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。
電極の曲路率を調整するための方法も特に限定されない。例えば上述の活物質、バインダーおよびその他の成分を分散媒に分散させたペーストまたはスラリーを、集電体に塗布し、乾燥させた後、ロールプレスする際の圧力を変化させて電極の密度を調整することによって、電極の曲路率を調整することができる。なお、特に電極の密度を増加させる場合に上述のように「圧密化」と称する。
本発明に係る電極の製造方法では、例えば本発明に係る電極の評価方法によって曲路率と電池特性との間に見出された傾向に基づいて、電池特性を改善させるために好適な密度を選択し、電極を製造することができる。例えば、本発明に係る電極の製造方法では、本発明に係る電極の評価方法によって曲路率と容量維持率との間に相関性が見出された場合に、高レートにおける容量維持率が70%以上100%以下となるように、曲路率を1.1以上1.5以下に調整してもよい。また、密度と曲路率との間に相関性が見出された場合、曲路率を上記範囲内にするために正極の密度を2.5g/cm以上3.0g/cm以下、負極の密度を1.0g/cm以上1.5g/cmにコントロールしてもよい。負極の密度を1.0g/cm以上1.5g/cm以下にコントロールするために、例えばロールプレスする際の加重を1.0t以上3.0t以下としてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<電極試料の作製>
活物質としてLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O100部と、導電助剤として黒鉛粉末3部およびアセチレンブラック(AB)3部と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3部とをN−メチルピロリドン(NMP)を用いてペーストとし、厚み20μmのAl箔の片面に塗工を行い、乾燥後ロールプレスして正極板とした。当該正極板を正極Aとする。正極Aの活物質層の厚みは76μm、密度は2.9g/cmであった。
また、同様に作製した正極板を更に圧密化したものを正極Bとする。正極Bの活物質層の厚みは60μm、密度は3.3g/cmであった。
正極AおよびBをそれぞれ幅約1mm、長さ約5mmに切断し、測定試料とした。
<3次元画像測定>
作製した測定試料について、大型放射光施設SPring−8 BL47XUにてX線CT測定を実施した。入射X線のエネルギーは25keVに設定した。
X線CT測定によって得られた3次元画像を図9に示す。図9(a)は正極Aの3次元画像を示し、図9(b)は正極Bの3次元画像を示す。当該3次元画像中の明るい領域は活物質を示し、暗い領域はバインダーおよび空隙等を示している。図9(a)および(b)を比較すると、正極Aと正極Bとでは空隙構造の変化は少ない。
<画像解析>
3次元画像解析ソフト(ExFact Analysis、日本ヴィジュアルサイエンス社製)を用いてX線CT画像から細線化によって曲路率等を算出した。なお、画像解析はX線CT画像を150×150×150ボクセルに区切って行った。
図10および11はそれぞれ、正極AおよびBにおける曲路率の分布を表している。図10および11の各グラフにおいて、左側(紙面下側)の縦軸は確率密度、右側(紙面上側)の縦軸は累積確率、横軸は曲路率を示している。また、図10および11において、点は確率密度、曲線は累積確率を表している。図10および11において、(a)はx軸方向、(b)はy軸方向、(c)はz軸方向における全ての経路についての結果を示している。また、図10および11において、(d)はx軸方向、(e)はy軸方向、(f)はz軸方向における最短経路についての結果を示している。x軸方向における経路とは、x軸に垂直な対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路である。y軸方向における経路とは、y軸に垂直な対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路である。z軸方向における経路とは、z軸に垂直な対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路である。
図12(a)〜(d)は正極Aにおける経路の細線化画像であり、図12(e)〜(h)は正極Bにおける経路の細線化画像である。図12(a)および(e)は全方向、図12(b)および(f)はx軸方向、図12(c)および(g)はy軸方向、図12(d)および(h)はz軸方向における経路を可視化した図である。図12(b)〜(d)および(f)〜(h)の間の矢印は、x軸、y軸およびz軸の方向を指す。正極AおよびBにおける経路を比較すると、圧密化による影響は少ないことがわかる。正極においては圧密化による活物質の変形が少ないため、圧密化後もある程度の空隙が確保されると考えられる。
〔実施例2〕
<電極試料の作製>
活物質として人造黒鉛100部と、バインダーとしてスチレンブタジエンラバー(SBR)1.5部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)1.1部とを水を用いてペーストとし、厚み20μmのCu箔の片面に塗工を行い、乾燥後ロールプレスして負極板とした。当該負極板を負極Aとする。負極Aの活物質層の厚みは109μm、密度は1.1g/cmであった。
また、同様に作製した負極板を更に圧密化したものを負極Bとする。負極Bの活物質層の厚みは79μm、密度は1.7g/cmであった。
負極AおよびBの空隙に溶解したGaを圧入し、冷却してGaを凝固させた後、それぞれ幅約1mm、長さ約5mmに切断し、測定試料とした。
<3次元画像測定>
作製した測定試料について、大型放射光施設SPring−8 BL47XUにてX線CT測定を実施した。入射X線のエネルギーは30keVに設定した。
X線CT測定によって得られた3次元画像を図13に示す。図13(a)は負極Aの3次元画像を示し、図13(b)は負極Bの3次元画像を示す。当該3次元画像中の暗い領域は活物質およびバインダーを示し、明るい領域は空隙等を示している。図13(a)および(b)を比較すると、負極Aに比べて負極Bのほうが明るい領域が少なく、圧密化によるGaの圧入状態に有意差が認められる。
<画像解析>
3次元画像解析ソフト(ExFact Analysis、日本ヴィジュアルサイエンス社製)を用いてX線CT画像から細線化によって曲路率等を算出した。なお、画像解析はX線CT画像を150×150×150ボクセルに区切って行った。
図14および15はそれぞれ、負極AおよびBにおける曲路率の分布を表している。図14および15の各グラフにおいて、左側(紙面下側)の縦軸は確率密度、右側(紙面上側)の縦軸は累積確率、横軸は曲路率を示している。また、図14および15において、点は確率密度、曲線は累積確率を表している。図14および15において、(a)はx軸方向、(b)はy軸方向、(c)はz軸方向における全ての経路についての結果を示している。また、図14および15において、(d)はx軸方向、(e)はy軸方向、(f)はz軸方向における最短経路についての結果を示している。
図16(a)〜(d)は負極Aにおける経路を可視化した図であり、図16(e)〜(h)は負極Bにおける経路を可視化した図である。図16(a)および(e)は全方向、図16(b)および(f)はx軸方向、図16(c)および(g)はy軸方向、図16(d)および(h)はz軸方向における経路を可視化した図である。図16(b)〜(d)および(f)〜(h)の間の矢印は、x軸、y軸およびz軸の方向を指す。負極AおよびBにおける経路を比較すると、特にz軸方向において圧密化による影響が大きいことがわかる。
〔正極および負極の結果の比較〕
表1は実施例1および2の結果をまとめたものである。
なお、空隙率は、活物質、バインダーおよび導電助剤等の密度および組成比、ならびに電極の厚みおよび重量から算出した。また、容量維持率としては、充放電装置を用いて0.2Cおよび3Cにて放電を行って放電容量を求め、以下の式(2)によって3C容量維持率を算出した。
3C容量維持率(%)=(3Cの放電容量/0.2Cの放電容量)×100 (2)
表1から、正極においては、負極に比べて圧密化による空隙率の変化が小さく、x、yおよびzのいずれの方向においても圧密化による曲路率の変化が小さいことがわかる。そのため、正極においては、電解液の浸透性およびリチウムイオン伝達性に対する圧密化の影響は比較的小さいと推定される。
図17はz軸方向の全ての経路における空隙率と曲路率との関連性を示す図である。図17(a)は正極、図17(b)は負極における結果を示している。図17からも、正極では圧密化による空隙率および曲路率の変化が小さいのに対し、負極では圧密化によって空隙率および曲路率が大きく変化することがわかる。
図18はz軸方向の全ての経路における3C容量維持率と曲路率との相関を示す図である。図18(a)は正極、図18(b)は負極における結果を示している。図18(a)によれば、圧密化による3C容量維持率の変化が見られるものの、曲路率の変化は小さいことがわかる。よって、正極においては曲路率の変化に伴う負荷特性への影響は小さいと考えられる。従って、正極においてはさらに圧密化を進め容量密度を向上させることが可能である。
図18(b)によれば、圧密化によって曲路率が大きくなるとともに、3C容量維持率が大きくなっていることがわかる。上述したように、圧密化によって空隙が少なくなればリチウムイオンの通り道が少なくなり、通常、負荷特性は悪くなると考えられる。しかし、実施例2においては、圧密化によって活物質間の導電性が良好となり、相対的な電子伝導性の向上により、負荷特性が改善されていると考えられる。
本発明によれば、電極の空隙構造と電池特性とを関連付けて評価することができる。それゆえ、高性能な電池の開発に重要な電極を作製する条件を見つける上で非常に有効である。従って、本発明に係る電極の評価方法および製造方法は、種々の電池製造工業の分野において非常に有用である。
1 活物質
2 空隙
3 中心軸
4 スロート
5a、5b、5c、5d ノーダルポア

Claims (12)

  1. 活物質とバインダーとを含む活物質層が、集電体上に形成されてなる電極の評価方法であって、
    上記電極の3次元画像を取得する工程と、
    上記3次元画像を2値化した後に細線化することによって、曲路率を算出する工程と、
    上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程と、を含むことを特徴とする電極の評価方法。
  2. 上記曲路率は、下記式(1)によって求められることを特徴とする請求項1に記載の電極の評価方法:
    T=f/s (1)
    (式(1)において、Tは曲路率であり、fは対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路の全長であり、sは上記対向する2つの面の間の距離または上記対向する2つの面の間に存在する空隙を通過する経路であって当該対向する2つの面において開口部を有する経路の当該開口部間の距離である)。
  3. 上記電極の3次元画像を取得する工程の前に、上記電極の空隙に、融点が−40℃以上100℃以下の温度範囲である金属を圧入充填する圧入工程を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  4. 上記電極について電池特性を測定する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  5. 上記電池特性は容量維持率であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  6. 上記電極の3次元画像は、X線CT、FIB−SEMまたは電子線トモグラフィによって取得された画像であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  7. 上記電極は、正極および負極のうちの少なくとも一方を包含していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  8. 上記曲路率と電池特性との関連性を評価する工程において、上記曲路率と電池特性との相関性を判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  9. 上記曲路率と電池特性との関連性を、異なる密度の電極間において比較する工程を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  10. 上記曲路率と電池特性との関連性を、正極と負極とにおいて比較する工程を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  11. 細線化された空隙の画像を取得する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電極の評価方法。
  12. 活物質とバインダーとを含む活物質層が、集電体上に形成されてなる電極の製造方法であって、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の電極の評価方法によって評価された曲路率と電池特性との関連性に基づいて、電極の曲路率を調整することを特徴とする電極の製造方法。
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