JP2014145699A - Ir分光分析装置用試料固定部材 - Google Patents

Ir分光分析装置用試料固定部材 Download PDF

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Abstract

【課題】IR分光分析装置用試料固定部材であって、固体試料を安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりも小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度を高くできる、IR分光分析装置用試料固定部材を提供する。
【解決手段】IR分光分析装置用試料固定部材1000は、繊維状柱状物10を複数備える繊維状柱状構造体100からなり、繊維状柱状物10は、長さLの方向に配向しており、束状の繊維状柱状構造体100を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、IR分光分析装置用試料固定部材に関する。詳細には、例えば、FT−IR分光分析装置において測定対象試料を固定するための部材に関する。
FT−IR分光分析に代表されるIR分光分析は、有機物や一部無機物の分子構造および組成の分析に用いられる。特に、複合材料の表面や内部に存在する微小異物の同定に有効である。
分子中の原子または原子団は絶えずその位置や距離を変えて運動している。その運動は、主に、振動と回転であり、分子の組成によって特有な振動数(固有振動、基準振動)を有する。この振動周期と同じ振動数の赤外光を照射したとき、それぞれの原子、原子団はそのエネルギーを吸収し、励起状態になる。吸収された振動周期と吸収されずに透過した振動周期を比較することにより、原子、原子団の固有振動数を知ることができ、これを横軸に波数(または波長)、縦軸に透過率(または吸光度)で表示したものが赤外スペクトルである(例えば、特許文献1)。
IR分光分析装置においては、測定対象となる固体試料を粘着剤や接着剤などの固定部材に固定させて測定を行う。しかし、従来の粘着剤や接着剤などの固定部材を用いた場合、IRスペクトルにおいて固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピーク強度が比較的大きく現れ、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまい、固体試料由来のピークの検出精度が低下するという問題がある。
特許第4189174号
本発明の課題は、IR分光分析装置用試料固定部材であって、固体試料を安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりも小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度を高くできる、IR分光分析装置用試料固定部材を提供することにある。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体を含む。
好ましい実施形態においては、上記繊維状柱状構造体が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である。
好ましい実施形態においては、上記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。
好ましい実施形態においては、上記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。
本発明によれば、IR分光分析装置用試料固定部材であって、固体試料を安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりも小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度を高くできる、IR分光分析装置用試料固定部材を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態におけるIR分光分析装置用試料固定部材の一例の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態におけるIR分光分析装置用試料固定部材の別の一例の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態におけるIR分光分析装置用試料固定部材がカーボンナノチューブ集合体を含む場合の該カーボンナノチューブ集合体の製造装置の概略断面図である。 実施例1でのIR分光分析におけるIRスペクトル図である。 比較例1でのIR分光分析におけるIRスペクトル図である。
≪IR分光分析装置用試料固定部材≫
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体を含む。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体を含むことにより、固体試料を安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりも小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度を高くできる。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、上記繊維状柱状構造体のみからなる部材であっても良いし、上記繊維状柱状構造体とIR分光分析装置用試料の固定に好ましく用い得る任意の適切な材料とからなる部材であっても良い。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、IR分光分析装置において測定試料を接着固定させるための部材であり、その大きさや形状は、使用するIR分光分析装置の種類に応じて、適宜選択し得る。
上記繊維状柱状構造体は、複数の繊維状柱状物を備える集合体である。上記繊維状柱状構造体は、好ましくは、長さLの複数の繊維状柱状物を備える集合体である。図1に、本発明の好ましい実施形態におけるIR分光分析装置用試料固定部材の一例の概略断面図を示す。
図1は、本発明の好ましい実施形態におけるIR分光分析装置用試料固定部材の一例の概略断面図である。図1において、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材1000は、複数の繊維状柱状物10を備える繊維状柱状構造体100からなる。図1において、複数の繊維状柱状物10は、それぞれ、長さLの方向に配向しており、束状の繊維状柱状構造体100を構成している。
図2は、本発明の好ましい実施形態におけるIR分光分析装置用試料固定部材の別の一例の概略断面図である。図2において、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材1000は、複数の繊維状柱状物10を備える繊維状柱状構造体100が軸状基材20上に設けられている。図2において、複数の繊維状柱状物10は、それぞれ、長さLの方向に配向しており、束状の繊維状柱状構造体100を構成している。図2において、複数の繊維状柱状物10の片端10aは、軸状基材20に固定されている。図2に示すように、複数の繊維状柱状物10は、好ましくは、軸状基材20に対して略垂直方向に配向している。ここで、「略垂直方向」とは、軸状基材20の断面側表面20aに対する角度が、好ましくは90°±20°の範囲内であり、より好ましくは90°±15°の範囲内であり、さらに好ましくは90°±10°の範囲内であり、特に好ましくは90°±5°の範囲内である。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、室温におけるガラス面に対するせん断接着力が、好ましくは10N/cm以上であり、より好ましくは10N/cm〜200N/cm、さらに好ましくは15N/cm〜200N/cm、特に好ましくは20N/cm〜200N/cm、最も好ましくは25N/cm〜200N/cmである。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記繊維状柱状物の材料としては、任意の適切な材料を採用し得る。例えば、アルミ、鉄などの金属;シリコンなどの無機材料;カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどのカーボン材料;エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチックなどの高モジュラスの樹脂;などが挙げられる。樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドなどが挙げられる。樹脂の分子量などの諸物性は、本発明の目的を達成しうる範囲において、任意の適切な物性を採用し得る。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材において、繊維状柱状物の形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材において、繊維状柱状物の比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
軸状基材の材料としては、目的に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。このような材料としては、例えば、ルビー、サファイアなども挙げられるが、好ましくは、SUS、タングステン超硬など導電性の材料が挙げられる。
軸状基材の大きさとしては、目的に応じて、任意の適切な大きさを採用し得る。このような大きさとしては、好ましくは、その断面側表面の面積が、繊維状柱状構造体の直径から算出される面積よりも大きくなるような大きさである。なお、軸状基材の長さ(断面側表面と直交する方向の長さ)は、目的に応じて、任意の適切な長さを採用し得る。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が、図2のように、繊維状柱状構造体が軸状基材上に設けられている構成である場合、該繊維状柱状構造体を該軸状基材に固定する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような固定方法としては、例えば、ペーストなどを用いて接着する方法、両面テープなどを用いて粘着固定する方法、繊維状柱状構造体の製造に使用した基板を軸状基材として用いる方法などが挙げられる。これらの固定方法の中でも、分析装置内で分析評価を行う場合を考慮すると、帯電防止のために、導電性の材料を用いて固定する方法が好ましく、具体的には、例えば、Agペーストなどの金属ペーストを用いて接着する方法、導電性両面テープを用いて粘着固定する方法などが挙げられる。
本発明においては、上記繊維状柱状構造体は、好ましくは、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である。この場合、上記繊維状柱状物は、好ましくは、カーボンナノチューブである。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、上記カーボンナノチューブ集合体のみからなっていても良いし、上記カーボンナノチューブ集合体と任意の適切な部材からなっていても良い。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体を含み、上記軸状基材をも含む場合は、該カーボンナノチューブの片端が該部材に固定されていても良い。
≪カーボンナノチューブ集合体≫
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が繊維状柱状構造体を含む場合、該繊維状柱状構造体は好ましくはカーボンナノチューブ集合体である。本発明のIR分光分析装置用試料固定部材がカーボンナノチューブ集合体を含む場合、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
<第1の好ましい実施形態>
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の1つ(以下、第1の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は10層以上であり、好ましくは10層〜30層であり、より好ましくは10層〜25層であり、さらに好ましくは10層〜20層である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは5層〜30層であり、より好ましくは10層〜30層であり、さらに好ましくは15層〜30層であり、特に好ましくは15層〜25層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは一層優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは一層優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記層数分布の最頻値の相対頻度は、25%以下であり、好ましくは1%〜25%であり、より好ましくは5%〜25%であり、さらに好ましくは10%〜25%であり、特に好ましくは15%〜25%である。上記層数分布の最頻値の相対頻度が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記層数分布の最頻値は、好ましくは層数2層から層数10層に存在し、さらに好ましくは層数3層から層数10層に存在する。上記層数分布の最頻値が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブ集合体の形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブの長さは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは0.1μm〜50μmであり、さらに好ましくは1μm〜30μmであり、特に好ましくは1μm〜10μmである。上記カーボンナノチューブの長さが上記範囲内に収まることにより、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1.0nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2.0nm〜500nmであり、特に好ましくは5.0nm〜100nm上記カーボンナノチューブの直径が上記範囲内に収まることにより、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブ集合体の直径は、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは0.1μm〜30μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜10μmであり、特に好ましくは1μm〜5μmである。上記カーボンナノチューブ集合体の直径が上記範囲内に収まることにより、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
上記カーボンナノチューブ集合体の比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
<第2の好ましい実施形態>
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の好ましい実施形態の別の1つ(以下、第2の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は、好ましくは9層以下であり、より好ましくは1層〜9層であり、さらに好ましくは2層〜8層であり、特に好ましくは3層〜8層である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは1層〜20層であり、より好ましくは2層〜15層であり、さらに好ましくは3層〜10層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは一層優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは一層優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記層数分布の最頻値の相対頻度は、30%以上であり、好ましくは30%〜100%であり、より好ましくは30%〜90%であり、さらに好ましくは30%〜80%であり、特に好ましくは30%〜70%である。上記層数分布の最頻値の相対頻度が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記層数分布の最頻値は、層数10層以下に存在し、好ましくは層数1層から層数10層に存在し、より好ましくは層数2層から層数8層に存在し、さらに好ましくは層数2層から層数6層に存在する。本発明において、上記層数分布の最頻値が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体となり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブ集合体の形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
上記カーボンナノチューブの長さは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは0.1μm〜50μmであり、さらに好ましくは1μm〜30μmであり、特に好ましくは1μm〜10μmである。上記カーボンナノチューブの長さが上記範囲内に収まることにより、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの直径は、好ましくは0.3nm〜2000nmであり、より好ましくは1.0nm〜1000nmであり、さらに好ましくは2.0nm〜500nmであり、特に好ましくは5.0nm〜100nmである。上記カーボンナノチューブの直径が上記範囲内に収まることにより、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブ集合体の直径は、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは0.1μm〜30μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜10μmであり、特に好ましくは1μm〜5μmである。上記カーボンナノチューブ集合体の直径が上記範囲内に収まることにより、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
上記カーボンナノチューブの比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
上記カーボンナノチューブ集合体の比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
≪カーボンナノチューブ集合体の製造方法≫
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の製造方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の製造方法としては、例えば、平滑な基板の上に触媒層を構成し、熱、プラズマなどにより触媒を活性化させた状態で炭素源を充填し、カーボンナノチューブを成長させる、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)によって、基板からほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブ集合体を製造する方法が挙げられる。この場合、例えば、基板を取り除けば、長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体が得られる。
上記基板としては、任意の適切な基板を採用し得る。例えば、平滑性を有し、カーボンナノチューブの製造に耐え得る高温耐熱性を有する材料が挙げられる。このような材料としては、例えば、石英ガラス、シリコン(シリコンウェハなど)、アルミニウムなどの金属板などが挙げられる。上記基板は、そのまま、本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体が備え得る基材として用いることができる。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体を製造するための装置としては、任意の適切な装置を採用し得る。例えば、熱CVD装置としては、図3に示すような、筒型の反応容器を抵抗加熱式の電気管状炉で囲んで構成されたホットウォール型などが挙げられる。その場合、反応容器としては、例えば、耐熱性の石英管などが好ましく用いられる。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒(触媒層の材料)としては、任意の適切な触媒を用い得る。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、金、白金、銀、銅などの金属触媒が挙げられる。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体を製造する際、必要に応じて、基板と触媒層の中間にアルミナ/親水性膜を設けても良い。
アルミナ/親水性膜の作製方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、基板の上にSiO膜を作製し、Alを蒸着後、450℃まで昇温して酸化させることにより得られる。このような作製方法によれば、Alが親水性のSiO膜と相互作用し、Alを直接蒸着したものよりも粒子径の異なるAl面が形成される。基板の上に、親水性膜を作製することを行わずに、Alを蒸着後に450℃まで昇温して酸化させても、粒子径の異なるAl面が形成され難いおそれがある。また、基板の上に、親水性膜を作製し、Alを直接蒸着しても、粒子径の異なるAl面が形成され難いおそれがある。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒層の厚みは、微粒子を形成させるため、好ましくは0.01nm〜20nmであり、より好ましくは0.1nm〜10nmである。本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る触媒層の厚みが上記範囲内にあることによって、該カーボンナノチューブ集合体は優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブ集合体は優れた粘着特性を示し得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体を用いたIR分光分析装置用試料固定部材は、固体試料をより安定的に固定できるとともに、IRスペクトルにおける固定部材由来のバックグラウンドスペクトルのピークの強度を従来よりもより小さくでき、したがって、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことをより抑制でき、固体試料由来のピークの検出精度をより高くできる。
触媒層の形成方法は、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、金属触媒をEB(電子ビーム)、スパッタなどにより蒸着する方法、金属触媒微粒子の懸濁液を基板上に塗布する方法などが挙げられる。
触媒層は、その形成後に、フォトリソグラフィ加工によって、任意の適切な直径のパターンに加工しても良い。このようなフォトリソグラフィ加工により、最終的に、所望の直径を有するカーボンナノチューブ集合体を製造することができる。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の製造に用い得る炭素源としては、任意の適切な炭素源を用い得る。例えば、メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼンなどの炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール;などが挙げられる。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材が含み得るカーボンナノチューブ集合体の製造における製造温度としては、任意の適切な温度を採用し得る。たとえば、本発明の効果を十分に発現し得る触媒粒子を形成させるため、好ましくは400℃〜1000℃であり、より好ましくは500℃〜900℃であり、さらに好ましくは600℃〜800℃である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各種評価や測定は、以下の方法により行った。
<繊維状柱状物の長さLの測定>
繊維状柱状物の長さLは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した。
<カーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノチューブの層数・層数分布の評価>
カーボンナノチューブ集合体におけるカーボンナノチューブの層数および層数分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)および/または透過電子顕微鏡(TEM)によって測定した。得られたカーボンナノチューブ集合体の中から少なくとも10本以上、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブをSEMおよび/またはTEMにより観察し、各カーボンナノチューブの層数を調べ、層数分布を作成した。
<IR分光分析装置による分析および評価>
平均粒子径3μmのポリスチレンビーズ(日新EM(株)製、ポリスチレンラテックス、型番:1255)を固定部材に固定し、IR分光分析装置によって、IRスペクトル分析を行った。
装置:Nicolet6700/Nicolet Continuum(Thermo Fisher Scientific製)
測定手法:透過
分解能:8cm−1
測定範囲:4000cm−1−700cm−1
積算回数:1024回
検出器:MCT/A(高感度検出器)
[実施例1]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、Al薄膜(厚み5nm)を形成した。このAl薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み0.35nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径1μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、7秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(1)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(1)の長さは3μmであり、直径は1μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(1)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は1層に存在し、相対頻度は61%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(1)をIR分光分析装置用試料固定部材(1)とした。結果を表1にまとめた。
また、IR分光分析における、IRスペクトルを図4に示した。図4によれば、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制できており、固体試料由来のピークの高い検出精度が発現できていることが判った。また、電子顕微鏡観察により、測定対象となる固体試料(ポリスチレンビーズ)がIR分光分析装置用試料固定部材に確実に固定されていることも判った。
[実施例2]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径3μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、10秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(2)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(2)の長さは5μmであり、直径は3μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(2)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(2)をIR分光分析装置用試料固定部材(2)とした。結果を表1にまとめた。
また、IR分光分析におけるIRスペクトルによれば、実施例1と同様、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制できており、固体試料由来のピークの高い検出精度が発現できていることが判った。また、実施例1と同様、電子顕微鏡観察により、測定対象となる固体試料(ポリスチレンビーズ)がIR分光分析装置用試料固定部材に確実に固定されていることも判った。
[実施例3]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み10nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、20秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(3)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(3)の長さは10μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(3)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(3)をIR分光分析装置用試料固定部材(3)とした。結果を表1にまとめた。
また、IR分光分析におけるIRスペクトルによれば、実施例1と同様、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制できており、固体試料由来のピークの高い検出精度が発現できていることが判った。また、実施例1と同様、電子顕微鏡観察により、測定対象となる固体試料(ポリスチレンビーズ)がIR分光分析装置用試料固定部材に確実に固定されていることも判った。
[実施例4]
シリコン基板(KST製、熱酸化膜付ウェハ、厚み1000μm)上に、真空蒸着装置(JEOL製、JEE−4X Vacuum Evaporator)により、Al薄膜(厚み10nm)を形成した後、450℃で1時間酸化処理を施した。このようにして、シリコン基板上にAl膜を形成した。このAl膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2.0nm)を蒸着させて触媒層を形成した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径10μmにパターン化した。
次に、得られた触媒層付シリコン基板をカットして、30mmφの石英管内に載置し、水分350ppmに保ったヘリウム/水素(120/80sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで35分間で段階的に昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(105/80/15sccm、水分率350ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(4)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(4)の長さは20μmであり、直径は10μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(4)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、層数分布の分布幅は17層(4層〜20層)であり、最頻値は4層と8層に存在し、相対頻度はそれぞれ20%と20%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(4)をIR分光分析装置用試料固定部材(4)とした。結果を表1にまとめた。
また、IR分光分析におけるIRスペクトルによれば、実施例1と同様、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制できており、固体試料由来のピークの高い検出精度が発現できていることが判った。また、実施例1と同様、電子顕微鏡観察により、測定対象となる固体試料(ポリスチレンビーズ)がIR分光分析装置用試料固定部材に確実に固定されていることも判った。
[実施例5]
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径20μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、40秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体(5)を得た。
カーボンナノチューブ集合体(5)の長さは30μmであり、直径は20μmであった。
カーボンナノチューブ集合体(5)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
得られたカーボンナノチューブ集合体(5)をIR分光分析装置用試料固定部材(5)とした。結果を表1にまとめた。
また、IR分光分析におけるIRスペクトルによれば、実施例1と同様、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまうことを抑制できており、固体試料由来のピークの高い検出精度が発現できていることが判った。また、実施例1と同様、電子顕微鏡観察により、測定対象となる固体試料(ポリスチレンビーズ)がIR分光分析装置用試料固定部材に確実に固定されていることも判った。
[比較例1]
IR分光分析装置用試料固定部材として導電性カーボン両面テープ(731:日新EM(株)製)を用いた。結果を表1にまとめた。
また、IR分光分析における、IRスペクトルを図5に示した。図5によれば、バックグラウンドスペクトル中に固体試料由来の微小ピークが埋もれてしまっており、固体試料由来のピークの検出精度が低いことが判った。
本発明のIR分光分析装置用試料固定部材は、IR分光分析装置において測定対象試料を固定するための部材に好適に用いることができる。
1000 IR分光分析装置用試料固定部材
100 繊維状柱状構造体
10 繊維状柱状物
10a 繊維状柱状物の片端
20 軸状基材
20a 軸状基材の断面側表面

Claims (4)

  1. 繊維状柱状物を複数備える繊維状柱状構造体を含む、IR分光分析装置用試料固定部材。
  2. 前記繊維状柱状構造体が、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体である、請求項1に記載のIR分光分析装置用試料固定部材。
  3. 前記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である、請求項2に記載のIR分光分析装置用試料固定部材。
  4. 前記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である、請求項2に記載のIR分光分析装置用試料固定部材。
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