JP2014145627A - 外部ガス流を利用した微粒子センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部ガス流EFによって、センサ部10の内部に外部ガス流EFの少なくとも一部である被測定ガスEGの流れを通過させて、被測定ガスEG中に含まれる微粒子Sを検知する微粒子センサ1は、被測定ガスEG中の微粒子Sの少なくとも一部にイオンCPを付着させ、帯電した帯電微粒子SCとする帯電化手段C1と、浮遊イオンCPFを被測定ガスEGから除去する浮遊イオン除去手段T1と、被測定ガスEGの流れにより、センサ部10の外部に運び去られた帯電微粒子SCに相当する電流Iを測定したセンサ信号SGを得る電流測定手段D1と、被測定ガスEGの流れの体積流量QVを測定する流量測定手段S1〜S5と、センサ信号SGから得られる微粒子Sの量を、体積流量QVに応じて補正する補正手段S9と、を備える。
【選択図】図1
Description
その方法は、検出素子を用いて、粒子濃度の関数である信号を測定し、検出素子の出力に影響するパラメータを切り換えまたは変調し、切り換えまたは変調が検出素子の出力に引き起こす時間応答に基づいて体積流量を決定する。
また、帯電化手段としては、例えば、気中コロナ放電によりイオンを生成し、生成したイオンを微粒子に付着させて、微粒子を帯電させるコロナ帯電器が挙げられる。
また、浮遊イオン除去手段としては、浮遊イオンがセンサ部の外に漏れ出さないように、電界設定電圧(トラップ電圧)を設定して被測定ガスに電界を印加し、浮遊イオンを被測定ガスから除去するイオントラップ(補助電極)が挙げられる。
また、電流測定手段としては、帯電微粒子によって運び去られた電荷量に相当する電流を測定する電流測定回路が挙げられる。
帯電化手段を用いてイオン生成を変調することで、これに応答して変調されたセンサ信号に基づき、滞留時間を容易に測定できる。
なお、トラップ電圧の限界電圧と被測定ガスの体積流量の間には、体積流量が大きいと限界電圧は高くなり、逆に、体積流量が小さいと限界電圧が低くなる相関関係がある。
このため、トラップ電圧の限界電圧を検知することで、被測定ガスの流れの体積流量を決定することができ、これにより、体積流量に応じて微粒子の量を適切に補正することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微粒子センサ1の概略構成を示す。金属製の排気ガス管EPには、図1中、左から右に、微粒子Sを含んだ排気ガスである外部ガス流EFが流れている。微粒子センサ1のうちセンサ部10は、排気ガス管EP内に設置されている。センサ部10は、網目状電極Nによって、限定された空間VTを規定している。これにより、センサ部10は、外部ガス流EFによって、空間VTで規定されるセンサ部10(網目状電極N)の内部に外部ガス流EFの一部である被測定ガスEGの流れを通過させて、この被測定ガスEG中に含まれる微粒子Sを検知する。また、この被測定ガスEGの流れは、センサ部10の内部を、図1中、左から右に通り抜けて、微粒子Sの検知に用いられた後、センサ部10の外部に排出される。
このうち、帯電器C1は、高圧電源HV、電極HVE及びコロナ先端Pを含み、高圧電源HVによって、電極HVEとコロナ先端Pとの間にコロナ電圧Vをパルス状に印加して、気中コロナ放電を発生させるコロナ帯電器である。そして、この気中コロナ放電によって生成されたイオンCPは、網目状電極N内(センサ部10内)で被測定ガスEG中の微粒子Sに付着する。これにより、微粒子SはイオンCPが付着して帯電した帯電微粒子SCとなる。なお、帯電器C1の高圧電源HV、電極HVE及びコロナ先端Pと排気ガス管EPの間は、絶縁体ISによって絶縁されている。
さらに、電流Iの大きさ(センサ信号SG)に基づいて得られる微粒子Sの量を、この体積流量QVに応じて補正することで、適切な補正された微粒子Sの量を検知することができる。
次いで、ステップS2では、イオントラップT1のトラップ電源TNを制御し、網目状電極Nのトラップ電圧TV一定による駆動を開始する。これにより、被測定ガスEGが流れる空間VTにトラップ電圧TVで規定される電界強度の電界が印加される。
そして、ステップS4では、変調したコロナ電圧Vに対するセンサ信号SGの遅れ時間td1を得て、この遅れ時間td1から、被測定ガスEGが、センサ部10(網目状電極N)の内部に滞留している滞留時間RTを測定する。
そして、微粒子測定の開始指示があるまでは、ステップS6でNoとなって、ステップS3からステップS5までを繰り返して、体積流量QVの測定を継続する。
次いで、ステップS8では、コロナ電圧V及びトラップ電圧TVを一定とした状態で、電流測定器D1で測定した電流Iに対応するセンサ信号SGから、補正前の微粒子Sの量を得る。
そして、続くステップS9で、ステップS8で得た微粒子Sの量を、ステップS5で得た体積流量QVに応じて補正し、補正された微粒子Sの量を得て、微粒子検知を終了する。
また、ステップS1〜ステップS5を実行している制御部100のマイクロプロセッサ101が流量測定手段に相当し、このうち、ステップS4を実行している制御部100のマイクロプロセッサ101が滞留時間測定手段に、ステップS5を実行している制御部100のマイクロプロセッサ101が第1流量決定手段にそれぞれ相当する。
また、ステップS9を実行している制御部100のマイクロプロセッサ101が補正手段に相当する。
帯電器C1(帯電化手段)を用いてこのような変調を行うことで、これに応答して変調されたセンサ信号SGに基づき、滞留時間RTを容易に測定できる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る微粒子センサ2の概略構成を示す。この微粒子センサ2は、センサ部20が排気ガス管EP内に設置されると共に、限定された空間VTを規定する網目状電極N及びトラップ電源TNにより構成されるイオントラップT2のほか、帯電器C2、電流測定器D2、及び、これらを制御する制御部200(マイクロプロセッサ201)を備えており、実施形態1とほぼ同様の構成を有する。
但し、実施形態1が、帯電器C1の高圧電源HVを制御することにより、コロナ電圧Vを変調していたのに対し、本実施形態2の微粒子センサ2では、イオントラップT2のトラップ電源TNを制御し、網目状電極Nのトラップ電圧TVを所定パターンで、変調している点で異なる。
具体的には、本実施形態2では、コロナ電圧Vは一定である一方、トラップ電圧TVをパルス状に周期的に発生させて、トラップ電圧TVを変調している。
さらに、電流Iの大きさ(センサ信号SG)に基づいて得た微粒子Sの量を、この体積流量QVに応じて補正することで、適切な補正された微粒子Sの量を検知することができる。
次いで、ステップS12では、イオントラップT2のトラップ電源TNを制御することにより、網目状電極Nのトラップ電圧TVを矩形パルス状に駆動して、トラップ電圧TVの変調を開始する。これにより、被測定ガスEGが流れる空間VTに印加される電界の電界強度が時間的に変化する。
そして、ステップS14では、変調したトラップ電圧TVに対するセンサ信号SGの遅れ時間td2を得て、この遅れ時間td2から、被測定ガスEGが、センサ部20(網目状電極N)の内部に滞留している滞留時間RTを測定する。
そして、微粒子測定の開始指示があるまでは、ステップS16でNoとなって、ステップS13からステップS15までを繰り返して、体積流量QVの測定を継続する。
次いで、ステップS18では、コロナ電圧V及びトラップ電圧TVを一定とした状態で、電流測定器D2で測定した電流Iに対応するセンサ信号SGから、補正前の微粒子Sの量を得る。
そして、続くステップS19で、ステップS18で得た微粒子Sの量を、ステップS15で得た体積流量QVに応じて補正し、補正された微粒子Sの量を得て、微粒子検知を終了する。
また、ステップS11〜ステップS15を実行している制御部200のマイクロプロセッサ201が流量測定手段に相当し、このうち、ステップS14を実行している制御部200のマイクロプロセッサ201が滞留時間測定手段に、ステップS15を実行している制御部200のマイクロプロセッサ201が第1流量決定手段にそれぞれ相当する。
また、ステップS19を実行している制御部200のマイクロプロセッサ201が補正手段に相当する。
イオントラップT2(浮遊イオン除去手段)を用いてこのような変調を行うことで、これに応答して変調されたセンサ信号SGに基づき、滞留時間RTを容易に測定できる。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る微粒子センサ3の概略構成を示す。この微粒子センサ3は、センサ部30が排気ガス管EP内に設置されると共に、限定された空間VTを規定する網目状電極N及びトラップ電源TNにより構成されるイオントラップT3のほか、帯電器C3、電流測定器D3、及び、これらを制御する制御部300(マイクロプロセッサ301)を備えており、実施形態1,2とほぼ同様の構成を有する。
前述したように、実施形態1では、帯電器C1のコロナ電圧Vを、実施形態2では、イオントラップT2の網目状電極Nのトラップ電圧TVを、それぞれ変調させた。
これに対し、本実施形態3の微粒子センサ3では、イオントラップT3の網目状電極Nのトラップ電圧TVを調整して、帯電器C3で生成したイオンCPのうち微粒子Sに付着していない浮遊イオンCPFが、網目状電極Nが規定する空間VTから漏れ始めるトラップ電圧TVの限界電圧LVを、電流測定器D3で測定される電流I(センサ信号SG)から検知する。
なお、トラップ電圧TVが限界電圧LV以下になって、浮遊イオンCPFが排出されると、排出された浮遊イオンCPFの量は、電流測定器D3で測定される電流Iに加算される。
また、被測定ガスEGの流れの体積流量QVの大きさにより、単位時間当たりに運び去られた帯電微粒子SCによる電流Iも変化し、体積流量QVが大きいほど、電流Iも大きくなる。
この図7の実線と破線で示すグラフのように、体積流量QVの大きさにより(QV1>QV2)、トラップ電圧TVの限界電圧LVが異なる(LV1>LV2)ことに加えて、限界電圧LV以上の領域における電流Iの大きさも異なる。しかし、いずれの場合にも、トラップ電圧TVが限界電圧LV以下では、トラップ電圧TVの低下と共に電流Iが増加する。
したがって、トラップ電圧TVの限界電圧LVは、電流測定器D3で測定される電流I(センサ信号SG)から検知することが可能である。
さらに、電流Iの大きさ(センサ信号SG)に基づいて得た微粒子Sの量を、この体積流量QVに応じて補正することで、適切な補正された微粒子Sの量を検知することができる。
次いで、ステップS22では、イオントラップT3のトラップ電源TNを制御し、網目状電極Nのトラップ電圧TVを所定の値として駆動を開始する。これにより、被測定ガスEGが流れる空間VTにトラップ電圧TVで規定される電界強度の電界が印加される。
そして、ステップS24では、電流測定器D3で電流Iを測定し、電流Iに対応するセンサ信号SGを得ることにより、このセンサ信号SGから、ステップS23で変化させたトラップ電圧TVに応答して、浮遊イオンCPFが網目状電極Nが規定する空間VTから漏れ出すトラップ電圧TVの限界電圧LVを検知する。
次いで、ステップS25では、トラップ電圧TVの限界電圧LVが検知できたか否かを判定する。限界電圧LVが検知できなかった場合は(No)、ステップS23に戻り、再度ステップS23,S24を繰り返して、限界電圧LVの検知を継続する。前述したように、トラップ電圧TVの限界電圧LVでは、浮遊イオンCPFが漏れだして、電流Iの値が急激に増加するので、この電流Iの急激な増加に対応するセンサ信号SGの変化点が検知できるまで、トラップ電圧TVを現状の値から下げる方向に変化させる(一定値分下げる)のと、限界電圧LVの検知とを繰り返し行う。そして、限界電圧LVが検知できた場合は(Yes)、ステップS26に進む。
次いで、ステップS29では、コロナ電圧V及びトラップ電圧TVを所定の値とした状態で、電流測定器D3で測定した電流Iに対応するセンサ信号SGから、補正前の微粒子Sの量を得る。
そして、続くステップS30で、ステップS29で得た微粒子Sの量を、ステップS26で得た体積流量QVに応じて補正し、補正された微粒子Sの量を得て、微粒子検知を終了する。
また、ステップS21〜ステップS26を実行している制御部300のマイクロプロセッサ301が流量測定手段に相当し、このうち、ステップS22〜S25を実行している制御部300のマイクロプロセッサ301が限界電圧検知手段に、ステップS26を実行している制御部300のマイクロプロセッサ301が第2流量決定手段にそれぞれ相当する。
また、ステップS30を実行している制御部300のマイクロプロセッサ301が補正手段に相当する。
これにより、体積流量QVを適切に得て、さらに、この体積流量QVに応じて微粒子Sの量を適切に補正することができる。
例えば、実施形態1では、変調手段として、帯電器C1(帯電化手段)のコロナ電圧Vを変調する帯電切換手段を備え、一方、実施形態2では、変調手段として、イオントラップT2(浮遊イオン除去手段)の網目状電極Nのトラップ電圧TVを変調する電圧変調手段を備えていた。
しかし、変調手段としては、帯電器のコロナ電圧Vを変調する帯電切換手段、及び、イオントラップの網目状電極Nのトラップ電圧TVを変調する電圧変調手段を共に備える構成としても良い。
EF 外部ガス流
EG 被測定ガス
S 微粒子
SC 帯電微粒子
CP イオン
CPF 浮遊イオン
I 電流
SG センサ信号
V コロナ電圧
TV トラップ電圧
LV 限界電圧
VT 空間
QV 体積流量
1,2,3 微粒子センサ
10,20,30 センサ部
C1,C2,C3 帯電器(コロナ帯電器、帯電化手段)
T1,T2,T3 イオントラップ(浮遊イオン除去手段)
N 網目状電極
D1,D2,D3 電流測定器(電流測定手段)
RT 滞留時間
100,200,300 制御部
101,201,301 マイクロプロセッサ
S1〜S5,S11〜S15,S21〜S26 流量測定手段
S1 帯電切換手段(変調手段)
S12 電圧変調手段(変調手段)
S4,S14 滞留時間測定手段
S5,S15 第1流量決定手段
S22〜S25 限界電圧検知手段
S26 第2流量決定手段
S9,S19,S30 補正手段
Claims (5)
- センサ部の外部を流れる外部ガス流によって、上記センサ部の内部に上記外部ガス流の少なくとも一部である被測定ガスの流れを通過させて、上記被測定ガス中に含まれる微粒子を検知する微粒子センサであって、
上記被測定ガス中の微粒子の少なくとも一部にイオンを付着させ、帯電した帯電微粒子とする帯電化手段と、
上記帯電化手段の下流において、上記イオンのうち上記微粒子に付着していない浮遊イオンを上記被測定ガスから除去する浮遊イオン除去手段と、
上記被測定ガスの流れにより、上記センサ部の外部に運び去られた上記帯電微粒子に相当する電流を測定したセンサ信号を得る電流測定手段と、
上記帯電化手段、上記浮遊イオン除去手段及び上記電流測定手段を用いて、上記被測定ガスの流れの体積流量を測定する流量測定手段と、
上記センサ信号から得られる上記微粒子の量を、上記体積流量に応じて補正する補正手段と、を備える
微粒子センサ。 - 請求項1に記載の微粒子センサであって、
前記流量測定手段は、
前記帯電化手段及び前記浮遊イオン除去手段における、前記センサ信号に影響する少なくとも1つのパラメータを変調する変調手段と、
上記変調に対する上記センサ信号の応答を用いて、前記被測定ガスが前記センサ部の内部に滞留している滞留時間を測定する滞留時間測定手段と、
上記滞留時間に基づいて、前記体積流量を決定する第1流量決定手段と、を含む
微粒子センサ。 - 請求項2に記載の微粒子センサであって、
前記変調手段は、
前記帯電化手段を、前記微粒子を帯電させるオンモードと、上記微粒子を帯電させないオフモードとの間で切り換える帯電切換手段を含む
微粒子センサ。 - 請求項2または請求項3に記載の微粒子センサであって、
前記変調手段は、
前記浮遊イオン除去手段において、前記被測定ガスが流れる空間に掛ける電界強度を規定するトラップ電圧を時間的に変化させる電圧変調手段を含む
微粒子センサ。 - 請求項1に記載の微粒子センサであって、
前記流量測定手段は、
前記浮遊イオン除去手段において、前記被測定ガスが流れる空間に掛ける電界強度を規定するトラップ電圧を調整し、前記センサ信号に基づき、上記浮遊イオン除去手段から前記浮遊イオンが漏れ始める上記トラップ電圧の限界電圧を検知する限界電圧検知手段と、
上記限界電圧に基づいて、前記体積流量を決定する第2流量決定手段と、を含む
微粒子センサ。
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