JP2014145463A - ボールねじを組み立てるための方法およびボールねじ - Google Patents

ボールねじを組み立てるための方法およびボールねじ Download PDF

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Abstract

【課題】コマをナットに組み付けてボールを循環させる構成のボールねじにおいて、ナットとねじ軸との間の軌道とコマの循環路との段差を効率よく解消できるボールねじの組み立て方法およびボールねじを提供すること。
【解決手段】ボールねじ18では、ナット23およびねじ軸によって形成された軌道47内にボール24がセットされ、ナット23の収容穴45に、ボール24の循環路54を有するコマ40が装着される。ボールねじ18の組み立てる際、軌道47の表面47Aとの境界になる境界部分40Aにコーティング層61が設けられたコマ40を収容穴45に装着し、ナット23をねじ軸に対して外嵌して、軌道47内にボール24をセットする。そして、軌道47と循環路54との間でボール24を循環させて、コーティング層61において軌道47の表面47Aより軌道47内にはみ出た部分61Aを削る。
【選択図】図8

Description

この発明は、ボールねじを組み立てるための方法およびボールねじに関する。
下記特許文献1で提案されたボールねじ装置では、シャフトスクリュのネジ溝とナットスクリュのネジ溝とによりボールのネジ走行路を形成している。そして、1リード分離れて隣接するネジ走行路同士を、ナットスクリュに組込んだデフレクタのリターン溝と、シャフトスクリュのネジ溝およびねじ山とにより形成されるリターン走行路によって連通し、1つの無限循環走行路を形成している。デフレクタは、ナットスクリュの1つのネジ山を横切って打ち抜き形成された窓部に組込まれて取付けられる。
ボールネジ装置においては、ネジ走行路とリターン走行路との接続部は、滑らかに接続される必要がある。この接続部の接続が滑らかでないと、ボールがこの接続部において引っ掛かり、騒音と振動が発生する。
そこで、下記特許文献1では、ナットスクリュの窓部にデフレクタを組込む前に、ナットスクリュのネジ溝における窓部側の溝断面を、デフレクタのリターン溝の溝断面と滑らかにつながるように段差取り加工している。
特開2004−76881号公報
ナットスクリュのネジ溝とデフレクタのリターン溝との接続部の段差を解消するために、特許文献1のように組み付け前のナットスクリュに手作業で機械加工を施すのでは、手間やコストがかかる。また、手作業の機械加工では加工精度にばらつきがあるので、ボールねじ装置の組み立て後において、当該段差がちゃんと解消されていないことが判明すれば、ボールねじ装置を分解して、ナットスクリュを再度機械加工せねばならない虞もある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、コマをナットに組み付けてボールを循環させる構成のボールねじにおいて、ナットとねじ軸との間の軌道とコマの循環路との段差を効率よく解消できるボールねじの組み立て方法およびボールねじを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、外周面(22A)にねじ溝(41)が形成されたねじ軸(22)と、前記ねじ軸に対して外嵌され、内周面(23A)にねじ溝(43)および収容穴(45)が形成されたナット(23)と、前記ナットおよび前記ねじ軸の互いのねじ溝によって形成された螺旋状の軌道(47)内に転動可能にセットされた複数のボール(24)と、前記収容穴に装着され、前記軌道内のある位置の前記ボールを前記軌道内の別の位置に戻すための循環路(54)を有するコマ(40)とを含むボールねじ(18)の組み立て方法であって、前記軌道の表面(47A)との境界になる境界部分(40A)にコーティング層(61)が設けられた前記コマを前記収容穴に装着するステップと、前記コマが装着された前記ナットを前記ねじ軸に対して外嵌して、前記軌道内に前記ボールをセットするステップと、前記軌道と前記循環路との間で前記ボールを循環させて、前記コーティング層において前記軌道の表面より前記軌道内にはみ出た部分(61A)を削るステップとを含む方法である。
請求項2記載の発明は、外周面(22A)にねじ溝(41)が形成されたねじ軸(22)と、前記ねじ軸に対して外嵌され、内周面(23A)にねじ溝(43)および収容穴(45)が形成されたナット(23)と、前記ナットおよび前記ねじ軸の互いのねじ溝によって形成された螺旋状の軌道(47)内に転動可能にセットされた複数のボール(24)と、前記収容穴に装着され、前記軌道内のある位置の前記ボールを前記軌道内の別の位置に戻すための循環路(54)を有するコマ(40)と、前記コマにおける前記軌道の表面(47A)との境界部分(40A)に設けられ、前記軌道の表面と前記境界部分の表面(40B)との段差(60)を埋めるためのコーティング層(61)とを含むことを特徴とする、ボールねじ(18)である。
請求項3記載の発明は、前記コーティング層の表面(61B)は、前記軌道の表面と面一になっていることを特徴とする、請求項2記載のボールねじである。
請求項4記載の発明は、前記コーティング層の表面は、前記軌道の表面および前記境界部分の表面の両方に対して傾斜していることを特徴とする、請求項2記載のボールねじである。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、軌道の表面との境界になる境界部分にコーティング層が設けられたコマを用いてボールねじを組み立ててから、軌道と循環路との間でボールを循環させると、コーティング層において軌道の表面より軌道内にはみ出た部分がボールによって削られる。これだけの手順によって、当該境界部分に設けられたコーティング層の厚さは、請求項2記載の発明のように、軌道の表面と境界部分の表面との段差を埋めるのに適した厚さとなり、当該段差が自動的に解消される。この結果、軌道と循環路との段差を効率よく解消できる。
ここで、削られた後のコーティング層の表面は、請求項3記載の発明のように軌道の表面と面一になっていてもよいし、請求項4記載の発明のように、軌道の表面および境界部分の表面の両方に対して傾斜して、それぞれの表面に対して滑らかに連続していてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動ブレーキ装置1の概略断面図であり、非制動時を示している。 図2は、図1におけるボールねじ18の模式的な側面図である。 図3は、ボールねじ18の模式的な断面図である。 図4は、ナット23の内周面23Aを示す図である。 図5は、コマ40の斜視図である。 図6は、コマ40の斜視図である。 図7は、比較例に係るボールねじ18におけるコマ40の循環路54と軌道47との段差60を示す模式図である。 図8は、調整前のボールねじ18におけるコマ40の循環路54と軌道47との段差60を示す模式図である。 図9は、調整後のボールねじ18におけるコマ40の循環路54と軌道47との(解消された)段差60を示す模式図である。 図10は、図9に変形例を適用した図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の電動ブレーキ装置1の概略断面図であり、非制動時を示している。図1を参照して、電動ブレーキ装置1は、自動車等の車輪(図示せず)と一体回転するディスク2に摩擦による制動力を付与する装置である。
電動ブレーキ装置1は、ナックル(図示しない)等に移動可能に支持されたキャリパ3と、キャリパ3によって互いに接近、離間可能に支持された第1バックアッププレート4および第2バックアッププレート5と、第1バックアッププレート4および第2バックアッププレート5にそれぞれ固定された第1パッド6および第2パッド7とを備えている。
キャリパ3は、互いに固定された第1ボディ8および第2ボディ9と、第2ボディ9に固定されたカバー10とを備えている。第1ボディ8は、図1において上下に延びる本体部8Aと、本体部8Aと平行に延び、架橋部8Bを介して本体部8Aに連結された腕部8Cとを備えている。本体部8Aには、本体部8Aを貫通する支持孔11が形成されている。支持孔11は、図1では左右方向(軸方向Xということにする。)に延びている。支持孔11には、軸方向Xに延びる支軸12が挿通されており、この状態で、支軸12は、軸方向Xに沿ってスライド移動可能である。第1バックアッププレート4は、支軸12の一端(図1における左端)12Aに固定されている。第2バックアッププレート5は、腕部8Cに固定され、軸方向Xにおいて間隔を隔てて第1バックアッププレート4に対向している。第2ボディ9は、本体部8Aに固定されている。
第1パッド6は、第1バックアッププレート4において第2バックアッププレート5に対向する面(図1における左面)に固定されている。第2パッド7は、第2バックアッププレート5において第1バックアッププレート4に対向する面(図1における右面)に固定されている。第1パッド6と第2パッド7との間に、ディスク2が配置されている。
キャリパ3は、第1パッド6および第2パッド7をディスク2に押圧して制動力を発生させる機能を果たす。具体的には、キャリパ3は、軸方向Xのスラスト力Fを発生する電動アクチュエータ13と、電動アクチュエータ13の発生するスラスト力Fを第1パッド6および第2パッド7に伝達する伝達機構14とを備えている。
電動アクチュエータ13は、回転出力を発生する電動モータ16と、電動モータ16の回転出力を減速しつつ伝達するギヤ機構17と、ギヤ機構17を介して伝達される回転運動を軸方向Xの直線運動に変換する運動変換機構としてのボールねじ18とを備えている。電動モータ16は、第2ボディ9から延設された取付ステー15に固定されたモータハウジング16Aと、出力軸としての回転軸16Bとを有している。
ギヤ機構17は、回転軸16Bの一端に一体回転可能に取り付けられた駆動ギヤ19と、駆動ギヤ19に噛み合うアイドルギヤ20と、アイドルギヤ20に噛み合う被動ギヤ21とを備えている。アイドルギヤ20は、第2ボディ9によって回転可能に支持されている。カバー10は、ギヤ機構17を覆うようにして、第2ボディ9に対して外(図1では右外側)から固定されている。
ボールねじ18は、軸方向Xに沿って延びるねじ軸22と、ねじ軸22に対して外嵌された環状のナット23と、ねじ軸22とナット23との間に介在された複数のボール24とを含んでいる。
ねじ軸22では、軸方向Xにおける一端(図1では右端)が被動ギヤ21に固定されている。また、ねじ軸22の外周面に、周方向に沿って延びる被係合溝25が形成されている。第2ボディ9に固定された係合部26が、ねじ軸22の被係合溝25に係合することにより、ねじ軸22の軸方向Xの移動が規制されている。
ナット23は、ねじ軸22と同軸状になって軸方向Xに延びた状態で、第2ボディ9に設けられた支持孔27に対して挿通されている。支持孔27には、軸方向Xに延びる案内溝28が形成されている。ナット23の外周面には、径方向外方に突出して案内溝28に係合した凸部29が設けられている。凸部29と案内溝28との係合により、ナット23の回転が規制されている。また、案内溝28は、凸部29を介してナット23の軸方向Xの移動を案内する機能を果たす。
なお、ボールねじ18については、以降で詳しく説明する。
電動モータ16の回転軸16Bの回転が、ギヤ機構17を介して伝達されて、ねじ軸22が回転すると、ナット23が軸方向Xにスライド移動する。
伝達機構14は、ナット23に連結された第1伝動部材31と、第1パッド6の第1バックアッププレート4に連結された第2伝動部材32と、複数のボール33とを備えている。具体的には、第1伝動部材31は、ナット23の軸方向Xにおける一端(図1では左端)に固定されている。第2伝動部材32は、第1パッド6の第1バックアッププレート4が固定された支軸12の他端12Bに固定されている。
第1伝動部材31に形成された第1伝動面34と、第2伝動部材32に形成された第2伝動面35とが、軸方向Xに対向している。複数のボール33は、第1伝動面34と第2伝動面35との間に介在し両伝動面34,35間にスラスト力Fを伝達する。第1伝動面34および第2伝動面35の少なくとも一方(本実施形態では、両伝動面34,35)は、軸方向Xに直交する平坦面を含んでおり、各ボール33は、前記平坦面に1点で接触している。
伝達機構14は、第1伝動面34と第2伝動面35との間に介在して複数のボール33を保持した保持器36を備えている。また、第1伝動部材31および第2伝動部材32の何れか一方(本実施形態では第2伝動部材32)が、保持器36を取り囲む外周壁37を含んでいる。このようにボール33を安定して保持することによって、スラスト力Fを安定して伝達することができる。
第1ボディ8の本体部8Aと伝達機構14の第2伝動部材32との間には、第2伝動部材32を第1伝動部材31側へ向けて弾性的に付勢する弾性部材38が介在している。弾性部材38は、例えば支軸12を取り囲む圧縮コイルばねであってもよいし、環状の皿ばねであってもよい。
弾性部材38は、電動ブレーキ装置1の非制動時においてナット23が後退したときに、第2伝動部材32をナット23に同行させて後退させる戻しばねとして機能する。また、弾性部材38は、第2伝動部材32、支軸12および第1バックアッププレート4を介して第1パッド6をディスク2から離反させる戻しばねとしても機能する。
電動ブレーキ装置1の制動時には、電動アクチュエータ13の発生するスラスト力Fが伝達機構14を介して第1パッド6側へ伝達されて、第1パッド6がディスク2側へ押圧され、ディスク2が第1パッド6と第2パッド7とによって挟み込まれる。これにより、第1パッド6および第2パッド7は、ディスク2に対してディスク2の回転方向とは反対方向への摩擦力による制動力を及ぼす。
ここで、制動力が発生している際、第1パッド6は、ディスク2からディスク2の前記回転方向に働く制動反力を受ける。このとき、伝達機構14において、第1伝動面34および第2伝動面35の少なくとも一方(本実施形態では、両伝動面34,35)の平坦面に対して、各ボール33が1点で接触するので、第1パッド6側から電動アクチュエータ13側へは、軸方向Xの反力のみが伝達され、前記制動反力によるモーメント荷重は伝達されない。したがって、電動アクチュエータ13を介する制動力の制御が容易である。
以上のように、ボールねじ18を用いることによって、電動モータ16が発生させた回転運動を、軸方向Xへの直線運動にスムーズに変換することができる。
次に、ボールねじ18について詳しく説明する。
図2は、図1におけるボールねじ18の模式的な側面図である。図3は、ボールねじ18の模式的な断面図である。図4は、ナット23の内周面23Aを示す図である。
図2〜図4では、前述した軸方向Xを基準として、ボールねじ18の模式図が描かれている。一方、図2および図3では、説明の便宜上、ナット23の外周面23Bの凸部29(図1参照)の図示を省略しているとともに、ねじ軸22が軸方向Xにおけるナット23の両側からはみ出すように図示している。
図2および図3を参照して、ボールねじ18は、前述したねじ軸22、ナット23およびボール24に加えて、コマ40を含んでいる。
ねじ軸22は、軸方向Xに延びる円柱体であって、その外周面22Aには、ねじ溝41が形成されている。ねじ溝41は、ねじ軸22の円中心を中心として旋回しながら軸方向Xへ徐々にずれる螺旋状の溝である。ねじ溝41の断面は、略U字状の湾曲面である。外周面22Aには、軸方向Xに隣り合うねじ溝41の境界をなす螺旋状のねじ山42が形成されている。
図3を参照して、ナット23は、軸方向Xに延びる環状体であって、その内周面23Aは、軸方向Xに延びる中心軸を有する円周面となっている。この実施形態では、ナット23の外周面23Bは、軸方向Xに延びる中心軸を有する円周面となっているが、軸方向Xに直交した平面で切断したときの外周面23Bは、必ずしも円形状である必要はなく、矩形状といった任意の形状であってもよい。
ナット23の内周面23Aには、ねじ溝43が形成されている。ねじ溝43は、内周面23Aの円中心を中心として旋回しながら軸方向Xへ徐々にずれる螺旋状の溝である。ねじ溝43の断面は、略U字状の湾曲面である。内周面23Aには、軸方向Xに隣り合うねじ溝43の境界をなす螺旋状のねじ山44が形成されている。
ナット23の内周面23Aには、収容穴45が形成されている。収容穴45は、内周面23Aの径方向外側へ延びる穴であり、この実施形態では、ナット23の周壁(肉厚部分)を貫通している。収容穴45は、ナット23の外周面23B側の外領域45Aと、外領域45Aよりも内周面23A側の内領域45Bとを含んでいる。図2では、外領域45Aの輪郭を実線で示しており、内領域45Bの輪郭を点線で示している。ナット23の外側(径方向外側)から見て、収容穴45(外領域45Aおよび内領域45Bの両方)は、軸方向Xおよび内周面23Aの周方向Y(ねじ軸22の外周面22Aの周方向でもある)の両方に傾斜する方向に沿って長い。収容穴45の長手方向は、ナット23の内周面23Aのねじ溝43と交差する方向である(図4参照)。
ナット23の外側から見て、例えば、外領域45Aの輪郭(図2の実線部分)は、四隅が面取りされた長方形状であり、内領域45Bの輪郭(図2の点線部分)は、外領域45Aの輪郭の内側に配置される楕円形状である。そのため、ナット23において収容穴45を区画する部分には、外領域45Aと内領域45Bとの境界をなす段差部分46(図3参照)が形成されている。また、内領域45Bは、ねじ山44を挟んで隣り合う2列のねじ溝43に跨っている(図3および図4参照)。
また、収容穴45は、複数設けられてもよい。その場合、複数の収容穴45は、平行になった状態で、軸方向Xおよび周方向Yに少しずつずれて配置されている(図2参照)。
ナット23は、図2および図3に示すように、ねじ軸22に対して外嵌されており、ねじ軸22とナット23とは同軸状になっている。この状態で、ねじ軸22のねじ溝41とナット23のねじ溝43とは平行に延びている。そして、軸方向Xにおいてナット23の内周面23Aが存在する領域において、ナット23のねじ溝43と、ねじ軸22の外周面22Aにおいて内周面23Aに対向している部分におけるねじ溝41とによって、螺旋状の軌道47が形成されている。つまり、ナット23およびねじ軸22の互いのねじ溝43,41によって螺旋状の軌道47が形成されている。軌道47は、略円形状の断面を有しており(図3参照)、ナット23やねじ軸22の円中心を中心として旋回しながら軸方向Xへ徐々にずれる螺旋状をなしている。軸方向Xにおいて隣り合う軌道47の間には、ねじ軸22のねじ山42とナット23のねじ山44とが径方向に対向した状態で配置されており、これらのねじ山42,44は、軸方向Xにおいて隣り合う2列の軌道47の境界をなしている。
図3を参照して、ボール24は、金属等で形成された小さな球体であって、軌道47内に配置(セット)されており、軌道47内で自由に転動できる。なお、説明の便宜上、図3では、軌道47内に配置される全てのボール24のうちの一部のみ(黒丸部分参照)を図示している。
コマ40は、小片状であって、収容穴45と同数(この実施形態では複数)設けられ、各収容穴45に1つずつ装着される。
図5および図6は、コマ40の斜視図である。
図5および図6を参照して、コマ40は、外部分51と内部分52とを一体的に含んでいる。
外部分51は、収容穴45の外領域45A(図2および図3参照)にちょうど嵌る形状を有しており、例えば、四隅が面取りされた長方形の板状である。なお、図5および図6では、外部分51を平板状に描いているが、外部分51は、ナット23の外周面23Bに沿って湾曲していてもよい。
内部分52は、外部分51の長手方向に沿って長手のブロック状である。内部分52は、収容穴45の内領域45B(図2および図3参照)にちょうど嵌る形状を有しており、内部分52では、長手方向における両端部が丸められている。外部分51において図5で大きく表れている面を外面51Aと呼び、外面51Aとは反対側の面を内面51Bと呼ぶことにすると、内部分52は、内面51Bに固定されている。外部分51の厚さ方向(外面51Aと内面51Bとの対向方向)から見て、内部分52は、外部分51の輪郭の内側に位置している。内部分52において、外部分51から最も離れた面を、循環面53と呼ぶことにすると、循環面53は、内部分52の長手方向に長手である。図6を参照して、循環面53は、その長手方向における中央へ向かって外部分51に近づくように湾曲している。内部分52において循環面53の輪郭をなす全ての角は、丸められている。循環面53には、その長手方向に延びる循環路54が形成されている。循環路54は、循環面53の長手方向全域に亘って設けられている。循環路54は、外部分51側へ向けて窪む溝状であって、その断面は、略U字状に湾曲している。循環路54において、長手方向における一端を入口54Aといい、長手方向における他端を出口54Bということにする。循環路54は、入口54Aと出口54Bとの間において、直線状に延びていてもよいし、緩やかに蛇行して延びていてもよいし、深さが変わっていてもよい。また、循環面53において循環路54以外の部分は、循環路54を挟む第1循環面53Aおよび第2循環面53Bである。
コマ40は、ナット23の各収容穴45に対して、ナット23の径方向外側から装着される。このとき、コマ40では、内部分52が外部分51よりも先に収容穴45内に進入する。図3に示すように、収容穴45に装着されたコマ40では、外部分51が収容穴45の外領域45Aに収容され、内部分52が収容穴45の内領域45Bに収容される。このとき、外部分51の内面51Bの周縁部が、収容穴45における段差部分46に対してナット23の径方向外側から当接しており、これによって、コマ40が収容穴45内で位置決めされている。また、長方形状の外部分51における四隅(図5参照)が外面51A側からかしめられることによって、コマ40は、ナット23に固定されている。
ナット23に固定されたコマ40において、内部分52の循環路54は、ねじ山42,44を挟んで隣り合う2列のねじ溝43(換言すれば、隣り合う2列の軌道47)に跨っており、循環路54では、入口54Aが、隣り合う2列のねじ溝43(軌道47)の一方に連通していて、出口54Bが、当該2列のねじ溝43(軌道47)の他方に連通している(図3および図4参照)。また、図4を参照して、コマ40の第1循環面53Aおよび第2循環面53Bのうち、第1循環面53Aは、当該隣り合うねじ溝43の間のねじ山44と、当該ねじ山44に対して軸方向Xにおける一方(図4における左側)から隣接する別のねじ山44Aとの間に架設されている。第2循環面53Bは、当該隣り合うねじ溝43の間のねじ山44と、当該ねじ山44に対して軸方向Xにおける他方(図4における右側)から隣接する別のねじ山44Aとの間に架設されている。これにより、循環路54は、ねじ山44を挟んで隣り合う2列のねじ溝43(隣り合う2列の軌道47)のバイパスとなっている。なお、コマ40においてねじ溝43内に露出された部分(内部分52)は、ねじ溝43(軌道47)を遮断していない。
図3を参照して、軌道47内のボール24は、ねじ軸22の回転に伴って軌道47内で転動しながら軌道47に沿って移動するのだが、循環路54の入口54Aに差し掛かると、循環路54内に進入し、出口54Bから、手前(ボール33の移動方向上流側)の列の軌道47に戻される(図3および図4の破線矢印参照)。つまり、循環路54は、軌道47内のある位置のボール24を軌道47内の別の位置に戻すためのものである。軌道47内を移動するボール24が軌道47によって循環されることによって、軌道47内におけるボール24の安定供給が可能になる。
ここで、図7に示すように、収容穴45に装着されたコマ40には、ナット23の内周面23A側に露出され、軌道47の表面47Aとの境界となる境界部分40Aが存在する。境界部分40Aの表面40Bは、内周面23A(軌道47の表面47A)と面一にはなっておらず、軌道47の表面47Aよりもナット23の外周面23B側(図7における上側)へずれている。そのため、コマ40において境界部分40Aの表面40Bと表面47Aとの間(境目)には、段差(高低差)60が存在する。段差60がむき出しになったままだと、ボール24が段差60(軌道47と循環路54との継ぎ目)を通過する際に、騒音や振動が生じる。そのため、段差60は、解消されていることが望ましい。
そこで、ボールねじ18の組み立てに先立って、コマ40における少なくとも境界部分40Aの表面40Bに、樹脂のコーティング剤を塗布して硬化させ、境界部分40Aに樹脂のコーティング層61を形成しておく(図8参照)。形成直後のコーティング層61の厚さTは、コマ40が収容穴45に装着されたときに、コーティング層61の表面61Bが軌道47の表面47Aよりも軌道47内にはみ出る程度となっている(図8参照)。
ボールねじ18の組み立てる際、このように境界部分40Aにコーティング層61が事前に設けられたコマ40を各収容穴45に1つずつ装着し、前述したようにコマ40の外部分51をかしめることによって、コマ40をナット23に固定する。コマ40が固定された直後の状態が図8に示されており、コーティング層61の一部61Aが、軌道47の表面47Aよりも軌道47内にはみ出している。
次いで、図3に示すうように、コマ40が装着されたナット23をねじ軸22に対して外嵌して、軌道47内にボール24をセットする。そして、ボールねじ18を所定時間なじみ運転させてねじ軸22を回転させることによって、軌道47と循環路54との間でボール24を循環させる(図3の破線矢印参照)。すると、コーティング層61において軌道47の表面47Aより軌道47内にはみ出た部分61A(図8参照)は、ボール24に衝突されて乗り越えられることによって削られる。
その結果、図9に示すように、コーティング層61の表面61Bは、軌道47の表面47Aと面一になっている。または、コーティング層61の削り加減によっては、図10に示すように、コーティング層61の表面61Bは、軌道47の表面47Aおよび境界部分40Aの表面40Bの両方に対して傾斜して(湾曲してもよい)、滑らかに連続している。
いずれにせよ、コマ40に含まれるコーティング層61が、軌道47の表面47Aとコマ40の境界部分40Aの表面40Bとの段差60を露出させないように埋めている。
以上のように、軌道47の表面47Aとの境界になる境界部分40Aにコーティング層61が設けられたコマ40を用いてボールねじ18を組み立ててから、軌道47と循環路54との間でボール24を循環させると、コーティング層61において軌道47の表面47Aより軌道47内にはみ出た部分61Aがボール24によって削られる。これだけの手順によって、当該境界部分40Aに設けられたコーティング層61の厚さは、軌道47の表面47Aと境界部分40Aの表面40Bとの段差60を埋めるのに適した厚さとなり、当該段差60が自動的に解消される。この結果、軌道47と循環路54との段差60を、効率よく(つまり、低コストかつ少ない工数で)解消できる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、収容穴45が貫通孔であって、コマ40は、ナット23の径方向外側から取り付けられているが(図3参照)、収容穴45が、ナット23を貫通しない凹部であって、コマ40がナット23の内周面23A側から収容穴45に装着されてもよい。
また、コーティング層61をボール24によって削った後に、軌道47および循環路54を洗浄してコーティング層61の削りかすを取り除いたり、コーティング層61を削ったボール24を新しいボール24に取り替えたりしても構わない。
また、前述した実施形態のコマ40の循環路54は、ボール24を、一列手前の軌道47に戻すものである。例えば、ナット23の肉厚部分には、当該肉厚部分を軸方向Xに延びる通路が形成されていて、当該通路の両端にコマ40の循環路54がつながっていて、ナット23の軸方向一端まで到達したボール24を循環路54および通路経由でナット23の軸方向他端まで戻すようにしてもよい。
また、前述した電動ブレーキ装置1では、電動アクチュエータ13が伝達機構14を介してスラスト力Fを第1パッド6および第2パッド7に伝達している(図1参照)。これに代え、伝達機構14を省略してボールねじ18のナット23を第1パッド6に直接連結し、スラスト力Fが電動アクチュエータ13から第1パッド6に直接伝達されるようにしてもよい。
また、この実施形態のボールねじ18は、ねじ軸22が回転してナット23が軸方向Xに移動する構成だったが、ナット23が回転してねじ軸22が軸方向Xに移動する構成であってもよい。
18…ボールねじ、22…ねじ軸、22A…外周面、23…ナット、23A…外周面、24…ボール、40…コマ、40A…境界部分40A…表面、41…ねじ溝、43…ねじ溝、45…収容穴、47…軌道、47A…表面、54…循環路、60…段差、61…コーティング層、61A…一部、61B…表面

Claims (4)

  1. 外周面にねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸に対して外嵌され、内周面にねじ溝および収容穴が形成されたナットと、
    前記ナットおよび前記ねじ軸の互いのねじ溝によって形成された螺旋状の軌道内に転動可能にセットされた複数のボールと、
    前記収容穴に装着され、前記軌道内のある位置の前記ボールを前記軌道内の別の位置に戻すための循環路を有するコマと
    を含むボールねじの組み立て方法であって、
    前記軌道の表面との境界になる境界部分にコーティング層が設けられた前記コマを前記収容穴に装着するステップと、
    前記コマが装着された前記ナットを前記ねじ軸に対して外嵌して、前記軌道内に前記ボールをセットするステップと、
    前記軌道と前記循環路との間で前記ボールを循環させて、前記コーティング層において前記軌道の表面より前記軌道内にはみ出た部分を削るステップとを含む方法。
  2. 外周面にねじ溝が形成されたねじ軸と、
    前記ねじ軸に対して外嵌され、内周面にねじ溝および収容穴が形成されたナットと、
    前記ナットおよび前記ねじ軸の互いのねじ溝によって形成された螺旋状の軌道内に転動可能にセットされた複数のボールと、
    前記収容穴に装着され、前記軌道内のある位置の前記ボールを前記軌道内の別の位置に戻すための循環路を有するコマと、
    前記コマにおける前記軌道の表面との境界部分に設けられ、前記軌道の表面と前記境界部分の表面との段差を埋めるためのコーティング層とを含むことを特徴とする、ボールねじ。
  3. 前記コーティング層の表面は、前記軌道の表面と面一になっていることを特徴とする、請求項2記載のボールねじ。
  4. 前記コーティング層の表面は、前記軌道の表面および前記境界部分の表面の両方に対して傾斜していることを特徴とする、請求項2記載のボールねじ。
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