JP2014145396A - 管継手用ナット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】継手本体1の雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ9を備えるナット薄肉部2Aと、雌ねじ9から軸心Q方向に離れて内周部に形成されるチューブ押圧部を備えるナット厚肉部2Bとを有し、引掛けスパナSの爪を係合させて強制回動するための溝又は凹部12が、ナット厚肉部2Bの外周部に形成されるとともに、ナット薄肉部2Bの径外方から径内方が見通し可能となる透明度を有する合成樹脂製の管継手用ナットを構成する。
【選択図】図11
Description
これに対して、回しパワーが増幅される引掛けスパナを用いて締付ける手段では、手指で直接に操作する場合に比べて、前記トルク増大が感覚的に判り難い傾向がある。そのため、往々にして締め過ぎてしまうとか、逆に若干緩い状態で締付を終えてしまうという新たな不都合のおそれがあった。
従って、上記の引掛けスパナが使える場合であっても、場所が狭くて操作し難い状況となることが多々あり、それゆえに上述した締付不良となるおそれが生じ易くなる。加えて、手指操作では存在しなかった引掛けスパナが邪魔になり、管継手用ナットの端部などの管継手の被操作部が見え難くなる不利もあり、締付完了状態の把握を難しくしている。
そこで、本発明の目的は、さらなる構造工夫により、締付作業性に優れる引掛けスパナを用いながらも締付完了状態の認識も容易に行えるようにして、より改善された管継手用ナットを提供する点にある。
継手本体1の雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ9を備えるナット薄肉部2Aと、前記雌ねじ9から軸心Q方向に離れて内周部に形成されるチューブ押圧部11を備えるナット厚肉部2Bとを有し、
引掛けスパナSの爪15を係合させて強制回動するための溝又は凹部12が、前記ナット厚肉部2Bの外周部に形成されるとともに、前記ナット薄肉部2Aの径外方から径内方が見通し可能となる透明度を有する合成樹脂製のものであることを特徴とする。
前記溝又は凹部12が前記軸心Q方向に伸びる深溝であり、引掛けスパナSの爪15を係合させて強制回動することが不能な深さの浅い浅溝13が、前記深溝12に続く状態で前記ナット薄肉部2Aの外周部に形成されていることを特徴とするものである。
前記ナット薄肉部2Aの前記軸心Q方向での端面に、前記溝又は凹部12の径方向位置と互いに合致する径方向位置を有する目印部kが形成されていることを特徴とするものである。
前記雌ねじ9を前記雄ねじ5に螺合させての螺進により、前記継手本体1における前記雄ねじ5の径内側に形成される嵌合筒部4に外嵌されている合成樹脂製のチューブ3が前記チューブ押圧部11で押圧されての締付完了状態では、前記雌ねじ9と略同一長さに設定される前記雄ねじ5の軸心方向端と前記溝又は凹部12の軸心方向端との軸心方向での位置がほぼ合致する状態となるように前記溝又は凹部12が形成されていることを特徴とするものである。
そして、引掻けスパナの爪が係合して回動トルクを受ける箇所である溝又は凹部が、径方向の肉厚がナット薄肉部よりも厚いナット厚肉部に形成されているので、管継手用ナットを強度十分なものにしながら小径化も行える、という合理的設計が可能となる。
その結果、さらなる構造工夫により、締付作業性に優れる引掛けスパナを用いながらも締付完了状態の認識も容易に行えるようにして、より改善された管継手用ナットを提供することができる。
つまり、浅溝が、引掛けスパナの爪を深溝に導くガイド機能を発揮できて使い勝手に優れるとともに、深溝と浅溝とを一直線上に並べてデザイン性の向上を図ることも可能となる良さもある管継手用ナットを提供することができる。
例えば、管継手が狭小な箇所や見え難い場所に配置されているような場合でも、深溝のみが形成されている場合に比べて、引掛けスパナの爪を深溝に到達させることが容易化され、便利である。
図1,図11に管接続装置Aが示されている。この管接続装置Aは、フッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製のチューブ3を、ポンプ、バルブ等の流体機器や、異径又は同径のチューブに連通接続するものであって、半透明なフッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製の継手本体1と、半透明なフッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製のユニオンナット(管継手用ナット)2との2部品で構成されている。なお、図1は、ユニオンナット2を締め込んでチューブ3がシール状態で継手本体1に接続される組付状態(組付完了状態)を示している。
嵌合筒部4は、チューブ3の端部を拡径して圧入外嵌装着可能な箇所であって最も軸心P方向で突出している部分である。
雄ねじ5は、嵌合筒部4の径外側で、かつ、軸心P方向で嵌合筒部4の基端側に寄って形成される大径の台形ネジで成る部分である。
トルク受部7は、継手本体1を回動不能に支持可能な六角ナット状の部分であって、小径胴部6に続いて両小径胴部6,6の間に形成されている部分である。
内部流路8は、継手本体1の内部を軸心P方向貫く円形のトンネルとなる部分であり、移送対象流体が流れる箇所である。
ナット薄肉部2Aは、ユニオンナット2における軸心Q方向で先端側の部分であって、その内周側には、継手本体1の雄ねじ5に螺合可能な台形ネジでなる雌ねじ9が形成され、外周側には、軸心Q方向に沿う状態で周方向の均等角度毎に形成される複数の浅溝13が形成されている。また、ナット薄肉部2Aの先端部には、浅溝13が無く平坦な外周面を持つフランジ部23が形成されている。
ナット厚肉部2Bの外周側に形成される深溝12は、軸心Q方向長さが極めて短く平坦な外周面を有する状態で基端に形成される小径外周部2bと同径の底面12aを有して、軸心Q方向に沿う状態で周方向の均等角度毎に形成されている。ナット厚肉部2Bの径方向の厚みは、総じてナット薄肉部2Aの径方向の厚みよりも厚い。
ユニオンナット2の締込みにより、チューブ押圧部11の押圧面11aは軸心Qに直交する側周面とされ、径変化部3Bにおける径の小さい側を軸心P方向に強く押し、径変化部3Bとテーパ外周面4aとを密着させての良好なシール状態を得ることが可能である。
押え内周部10は、図1に示す組付状態において、嵌合筒部4に圧入外嵌されている拡径部3Aの外周に密接する程度の値で径一定な筒部に形成されている。
そして、図1に示すように、チューブ3の端面3tが周溝mのほぼ奥まで入り込む状態となるまで差し込む。ここで、嵌合筒部4に外嵌装着される「チューブ3の端部」とは、直胴外周面4bに外嵌される拡径部3Aと、テーパ外周面4aに外嵌される径変化部3Bとで成る部分のことである。
なお、チューブ3の内部流路3Wの径と、継手本体1の内部流路8の径とは、円滑な流体の流れとすべく互いに同径又はほぼ同径に設定されているが、互いに異なっていても良い。
加えて、ユニオンナット2の先端面2aと継手本体1の側周壁5bとが軸心P方向で合致するとき(図1に示す状態)が、チューブ押圧部11で押される径変化部3Bとテーパ外周面4aとが密着して良好にシールされる組付完了状態となるように設定されている。なお、「合致する」は、「端面が揃う」とか「面一となる」と置き換えても良い。
各爪15の回し方向上手側となる麓には、深溝12との確実な係合を図るための凹入部18が形成されている。
すると、図9に示すように、3箇所の爪のそれぞれが、対応する各深溝12に正規に入り込んだ操作可能状態になる。それから、柄部17を握る手指(図示省略)に力を入れて矢印R方向に動かせば、ユニオンナット2を強制回動して締付けることができる。
即ち、検査治具Tにおける先端検査部19bの厚みが、締付完了状態(図1,図11参照)からさらにユニオンナット2が所定量締付方向に回動された増し締め状態(増し締め完了状態)でのユニオンナット2の先端面(先端の一例)2aとトルク受部7との間の間隙寸法に合致されているのである。
(1) 図4〜図6に示すように、透視可能なユニオンナット2を用いてあるので、雌ねじ9と雄ねじ5との螺合状態を透視確認しながら締付け操作が行え、内部見通しができない場合に比べて、狭小な作業環境や入り組んだ箇所での締付完了状態であることや締付完了状態に近付いている状態などを見て確認できて作業性に優れるものとなる。そして、径方向の肉厚がナット薄肉部2Aよりも厚いナット厚肉部2Bに深溝12が形成されるので、ユニオンナット2を強度十分なものにしながらも小径化が行える、という合理的設計が可能となっている。
故に、図10に示すように、軸心Pに交差する方向視において、回動操作して締付けているユニオンナット2の先端面2aと継手本体1の側周壁5bとが合致して、それまで目視できていた雄ねじ5が見えなくなる状態(図10の紙面右側に描かれている状態)になればユニオンナット2の回し操作を止めればよく、丁度そのときが組付完了状態となっているのである。
従って、図11に示すように、軸心P方向に直交する方向である矢印イ方向の目視により、先端面2aと側周壁5bとが合致しているか否か、即ち、組付け完了状態であるか否かを容易に確認することができる。
従って、図11に示すように、例えば、斜め方向からの矢印ロ方向の目視により、半透明のユニオンナット2、詳しくはナット薄肉部2Aを見通して、深溝12の先端(深溝12と浅溝13との境目)と雄ねじ5の先端5cとが合致又はほぼ合致しているか否かを見分けることができ、従って、組付け完了状態であるか否かの確認が可能となる。
例えば、矢印イ方向の目視ができないような場合にも有効な視認手段であるとともに、引掛けスパナSをユニオンナット2に係合させた操作状態であっても行えることが可能になる、という優れものである。
溝又は凹部としては、深溝12のほか、穴状の凹みや、トルク掛り方向の力を受けること可能な壁面を有して径方向に突出した突起部でも良く、要は引掛けスパナSの爪15との係合が可能なものであれば良い。なお、突起部を設ける場合では、その突起部の爪15引掛かり側は片凹状の形状、即ち、「溝又は凹部」を呈することとなる。
また、浅溝13の無いユニオンナット2や、目印部kを有さないユニオンナットでも良い。
2A ナット薄肉部
2B ナット厚肉部
3 チューブ
4 嵌合筒部
5 雄ねじ
9 雌ねじ
11 チューブ押圧部
12 溝又は凹部(深溝)
13 浅溝
15 爪
Q 軸心
S 引掛けスパナ
k 目印部
Claims (4)
- 継手本体の雄ねじに螺合可能な雌ねじを備えるナット薄肉部と、前記雌ねじから軸心方向に離れて内周部に形成されるチューブ押圧部を備えるナット厚肉部とを有し、
引掛けスパナの爪を係合させて強制回動するための溝又は凹部が、前記ナット厚肉部の外周部に形成されるとともに、前記ナット薄肉部の径外方から径内方が見通し可能となる透明度を有する合成樹脂製の管継手用ナット。 - 前記溝又は凹部が前記軸心方向に伸びる深溝であり、引掛けスパナの爪を係合させて強制回動することが不能な深さの浅い浅溝が、前記深溝に続く状態で前記ナット薄肉部の外周部に形成されている請求項1に記載の管継手用ナット。
- 前記ナット薄肉部の前記軸心方向での端面に、前記溝又は凹部の径方向位置と互いに合致する径方向位置を有する目印部が形成されている請求項1又は2に記載の管継手用ナット。
- 前記雌ねじを前記雄ねじに螺合させての螺進により、前記継手本体における前記雄ねじの径内側に形成される嵌合筒部に外嵌されている合成樹脂製のチューブが前記チューブ押圧部で押圧されての締付完了状態では、前記雌ねじと略同一長さに設定される前記雄ねじ前記雄ねじと略同一長さに設定される前記雌ねじの軸心方向端と前記溝又は凹部の軸心方向端との軸心方向での位置がほぼ合致する状態となるように前記溝又は凹部が形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の管継手用ナット。
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