JP2014145128A - 銅クロム合金線材、および、高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法 - Google Patents

銅クロム合金線材、および、高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度と、伸びとを満足しながら、かつ、コスト上昇要因の重要なファクターとなる熱処理条件の緩和要求を同時に満たす銅クロム合金線材を提供する。
【解決手段】クロム含有量が3at%以上6at%以下であってかつ残部が銅であり、内部に、銅の結晶粒と、長手方向に平行でかつクロムによって形成された繊維状体と、を有し、前記繊維状体の平均径が、300nm以上350nm以下であり、かつ、前記銅の結晶粒の平均径が400nm以上500nm以下であることを特徴とする銅クロム合金線材。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車用電線等の導体、極細電線用導体などに用いられる銅クロム合金線材および高延性高強度銅クロム合金線材の製造方法に関する。
一般に、純銅などの金属導体は、伸線加工を実施すると例えば、1%程度まで、延性が著しく低下することが知られている。
このために、図4にモデル的に示すように、純銅の伸線処理材(図中「加工材」と記載)に対して、熱処理を行うことにより、図中「熱処理材」に示すように、延性を改善することができる。
しかしながら、図5(銅合金での例)に示すように、熱処理前では800MPa以上の引張強さを有しているが、熱処理を行うと、熱処理温度の上昇に伴い、強度(引張強さ)は低下する。このとき、特許文献1等で知られる極細電線用導体用途で求められる伸びである、「4%以上」を満たす条件で熱処理を行うと、引張強度は400MPa近くまで低下し、極細電線用導体用途で求められる強度(700MPa以上)を満足しない。
このように、例えば極細電線用導体用途で必要とされる強度と、伸びとを満足しながら、かつ、コスト上昇要因の重要なファクターとなる熱処理条件の緩和要求を同時に満たす銅クロム合金線材が求められていた。
特開2010−182616号公報
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、強度と、伸びとを満足しながら、かつ、コスト上昇要因の重要なファクターとなる熱処理条件の緩和要求を同時に満たす銅クロム合金線材を提供することを目的とする。
本発明の銅クロム合金線材は、請求項1に記載の通り、クロム含有量が3at%以上6at%以下であってかつ残部が銅であり、内部に、銅の結晶粒と、長手方向に平行でかつクロムによって形成された繊維状体と、を有し、前記繊維状体の平均径が、300nm以上350nm以下であり、かつ、前記銅の結晶粒の平均径が400nm以上500nm以下であることを特徴とする銅クロム合金線材である。
高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法は請求項2に記載の通り、クロム含有量が3at%以上6at%以下であり、かつ、残部が銅である銅クロム合金を、減面率が99.9%以上の伸線処理を行うことを特徴とする高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法である。
本発明の銅クロム合金線材は、熱処理なしに得られる、極細の高延性高強度銅クロム合金線材である。
本発明の銅クロム合金線材の非加熱製造方法によれば、熱処理なしに、700MPa以上の引張強度と4%以上の伸びとを満足する極細電線に好適な銅クロム合金線材を得ることができる。
図1は実施例2の銅クロム合金線材の長さ方向に平行な断面での銅クロム組織合金マップ(左)とそのネガ画像である。 図2は実施例2の銅クロム合金線材の長さ方向に垂直な断面での銅クロム組織合金マップ写真(左)とそのネガ画像である。 減面率εが異なる伸線処理を行って作製した線材サンプルの引張強さと伸びとの関係を示すグラフである。 伸線処理を行った純銅線材(加工材)と、さらに熱処理を行った線材(熱処理材)との、ひずみと引張応力との関係を示したモデル図である。 伸線処理を行った銅クロム合金線材に100〜400℃の熱処理を行ったときの、処理温度と、引張強さおよび伸びへの影響を示したグラフである。
本発明の銅クロム合金線材は、クロム含有量が3at%以上6at%以下であり、かつ、残部が銅である銅クロム合金線材である。ここで、クロム含有量における「at%」とは、銅クロム合金線材の原子すべての数を100としたときのクロム原子の数の割合を示す。
ここで、クロム含有量が少なすぎると十分な引張強さが得られず、多すぎると伸線加工が困難になり加工費が増大すると云う問題が生じる。
本発明の銅クロム合金線材は、上記クロム含有量になるように、銅とクロムを配合し、るつぼ等で溶解させて得ることができる。このとき、銅合金塊を、伸線処理が容易となるような形状に鋳造することが好ましい。
本発明の高延性高強度な銅クロム合金線材は、上記銅クロム合金線材用合金を、減面率が99.9%以上の伸線処理を行うことで、加熱処理なしで得ることができる。
このような本発明の高延性高強度な銅クロム合金線材は、銅に上記特定量のクロムを添加し、減面率が99.9%以上となるように延伸処理することにより、内部に、銅の結晶粒と、長手方向に平行でかつクロムによって形成された繊維状体と、を有し、前記繊維状体の平均径が、300nm以上350nm以下であり、かつ、前記銅の結晶粒の平均径が400nm以上500nm以下となることにより、高延性でかつ高強度な銅クロム合金線材となる。
以上、銅母材にクロムを添加した系の銅クロム合金線材について述べたが、クロムと同様に、銅中に添加した場合、通常の伸線加工により繊維状体を形成する銀、および、ニオブについても、同様の効果が得られる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明の銅クロム合金線材、および、高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の銅クロム合金線材、および、高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法を適宜改変することができる。このような改変によってもなお本発明の銅クロム合金線材、および、高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法の構成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
以下に本発明の実施例について具体的に説明する。
表1に示したような配合比となるように、用いて原料を配合して、溶融し銅クロム合金線材用合金を鋳造した。鋳造塊は、いずれも長さが200mm、太さが20mmの円柱形状である。
次いで、表1に示す減面率となるように、常温で伸線処理を行った。このとき、クロムが7at%品は減面率99.9%の伸線処理ができなかった。
図1に実施例2の本発明に係る銅クロム合金線材の、長さ方向に平行な断面での銅クロム合金組織マップ(左側)とそのネガ画像(右側)を、線材の長さ方向が図面の縦方向となるようにして、また、図2には同じ線材の、長さ方向に垂直な断面での銅クロム合金組織マップ(左側)とそのネガ画像(右側)を、それぞれ示す。これら銅クロム合金組織マップ中、黒色(ネガ画像では白色)の、クロムによって形成された繊維状体が確認できる。
次いで、得られた銅クロム合金線材の評価を行った。
引張強さ、および、伸びは、JIS Z 2241に準拠して測定した。また、銅結晶粒の大きさ、および、クロムによって形成された繊維状体の径は次のようにして測定した。
すなわち、各銅クロム合金線材の長さ方向に垂直な切断面を電子線後方散乱回折法により解析(解析結果は図2参照)することにより、銅結晶粒の大きさおよびクロム繊維状体の径の分布とその平均値を測定した。
これら測定結果を表1に併せて記載する。
表1により、本発明の銅クロム合金線材では、高い引張強度と、高い伸びと、が同時に達成されることが判る。
ここで、実施例2で用いたものと同じ銅クロム合金線材用合金の鋳造塊を用い、相当ひずみε(減面率を規格したもの)が異なる伸線処理を行って作製した線材サンプルの引張強さ(引張強度)と伸び(破断伸び)との関係を調べた。結果を図3に示す(図中「φ」が付いた数字は線材サンプルの太さ(mm)を表す)。
図3により、本発明に係る銅クロム合金線材用合金を用いた銅クロム合金線材では、伸線処理における減面率の増加が、ある範囲で変化しても、引張強さは大きく変化せずに、伸びが高くなることが理解される。これは、本発明に係る銅クロム合金線材用合金を用いた銅クロム合金線材では、伸線処理によりクロムによって形成された繊維状体が発現し、この繊維状体が局所伸びを増加させている、また、特定の大きさの銅の結晶粒も繊維状体による上記効果を補助しているものと考えられる。

Claims (2)

  1. クロム含有量が3at%以上6at%以下であってかつ残部が銅であり、
    内部に、銅の結晶粒と、長手方向に平行でかつクロムによって形成された繊維状体と、を有し、
    前記繊維状体の平均径が、300nm以上350nm以下であり、かつ、
    前記銅の結晶粒の平均径が400nm以上500nm以下であることを特徴とする銅クロム合金線材。
  2. クロム含有量が3at%以上6at%以下であり、かつ、残部が銅である銅クロム合金を、減面率が99.9%以上の伸線処理を行うことを特徴とする高延性高強度銅クロム合金線材の非加熱製造方法。
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