JP2014144902A - 高緻密コンクリート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より劣化速度が遅く、耐用年数の長いコンクリートを提供する。
【解決手段】コンクリートは、高炉スラグSu及び珪酸ナトリウムNSを有する結合材を少なくとも含むコンクリート組成物を硬化させてなり、珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nが1.0以上2.0以下であり、高炉スラグSuと珪酸ナトリウムNSとの重量比Su/NSが3〜10であり、混練水Wと結合材Pの比である水結合材比W/(Su+NS)が42%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高緻密コンクリート及びその製造方法に関する。
鉄筋コンクリート構造物の劣化は、地震や荷重等の外力によるものを除けば、主に、コンクリート自体の劣化と内部の鉄筋の腐食によるものである。通常、コンクリート内部の鉄筋はアルカリ環境下にあるため腐食から保護されている。しかしながら、空気中の二酸化炭素がイオン化してコンクリートマトリックス中を拡散し、マトリックス中に存在する水酸化カルシウムなどのアルカリ土類の水酸化物を炭酸化することで、コンクリートが中性化する。中性化が起こった場所では、pHが低下し、内部の鉄筋の酸化・腐食が起こりやすくなる。鉄筋の酸化は、空気中に存在する酸素がイオン化してマトリックス中を拡散することで促進される。鉄筋が腐食するとコンクリート構造物の強度が大幅に低下し、体積膨張によるコンクリートの破壊をももたらすことがある。そのため、従来より、コンクリートの表面保護を目的とした塗料を塗布することが提案、実施されてきたが(例えば特許文献1)、酸素や二酸化炭素の遮蔽性が充分ではないため、コンクリートの中性化防止や内部の鉄筋の腐食防止には、その効果は不十分であった。なお、コンクリート打設後の乾燥収縮によって発生する各種クラックもイオンの拡散を促進する原因のひとつである。
また、コンクリートの劣化原因としてアルカリ骨材反応も知られている。アルカリ骨材反応は、コンクリートマトリックス中に存在するアルカリイオンがマトリックス中を拡散し、コンクリート組成物を構成する骨材に含まれるシリカが、セメント中のアルカリ成分と反応して膨張する現象である。コンクリート内の残水や大気からの吸湿によってアルカリ骨材反応が徐々に進行し、経年劣化により、コンクリートに亀裂が生じ、崩壊する場合がある。一般に、アルカリ骨材反応を抑制するために、セメント中のアルカリ成分の含有量を低く抑えたり、また、シリカ含有量の少ない骨材を使用するなどの対策が行われている。さらに、アルカリ骨材反応の抑制作用を有する水酸化アルミニウムをセメント組成物として添加する手法(例えば特許文献2)なども行われている。また、塩分を含む骨材の使用は禁止され、混練水として海水の使用は行われていない。
特開2003−342084号公報 特開2008−162841号公報
上述したような鉄筋の酸化に伴うコンクリートの破損、及びアルカリ骨材反応によるコンクリートの破損の発生は、コンクリートの配合方法や打設方法によって異なるが、通常、コンクリート打設後から10年以上経過してから起こりはじめ、多くの場合、打設後20年程度で発現するという問題がある。
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、より劣化速度が遅く、耐用年数の長いコンクリート及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明者は、高炉スラグにアルカリ類を添加すれば硬化促進作用があることに着目し、所定の配合で高炉スラグにアルカリ類として珪酸アルカリを添加することにより、コンクリート内部の空隙の発生を抑制でき、コンクリートが緻密化し、その結果、コンクリートを劣化させるマトリックス中のイオンの拡散速度が減少し、反応速度が小さくなるとの知見を得て、本発明を想到するに至った。
すなわち、本発明のコンクリートは、高炉スラグSu及び珪酸ナトリウムNSを有する結合材を少なくとも含むコンクリート組成物を硬化させてなり、珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nが1.0以上2.0以下であり、高炉スラグSuと珪酸ナトリウムNSとの重量比Su/NSが3〜10であり、混練水Wと結合材Pの比である水結合材比W/(Su+NS)が42%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、拡散係数の小さい高緻密なマトリックスを有するコンクリートを生成することができる。拡散係数の減少により、マトリックス中を拡散する各種イオンの拡散速度が小さくなり、中性化時間、鉄筋の酸化時間、アルカリ骨材による膨張速度などが5倍から10倍以上に大幅に長くなり、コンクリートの寿命を飛躍的に延ばすことできる。
鉄筋錆試験用の試料固定装置の断面図である。 珪酸ソーダのS/Nモル比と強度との関係を示す図である。 珪酸ソーダのS/Nモル比が1.0の場合のコンクリート強度を示す図である。 珪酸ソーダのS/Nモル比が1.5の場合のコンクリート強度を示す図である。 瓦礫を骨材として使用したコンクリートの強度を示す図である。 凍結融解試験結果を示す図である。 試験体の長さ変化率(試験体の番号は表12の番号に対応)を示す図である。 試験体の質量変化率(試験体の番号は表12の番号に対応)を示す図である。 人工海水中の瓦礫の空隙に注入したモルタル打設の様子を示す図である。 S/N=1.0の珪酸ソーダを使用した高炉スラグコンクリートのSEM像である。 S/N=1.5の珪酸ソーダを使用した高炉スラグコンクリートのSEM像である。 普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートのSEM像である。
以下、本発明にかかるコンクリートの実施の形態について説明する。本実施の形態におけるコンクリートは、少なくともシリカ(SiO2)を含有する骨材と、セメントとしての高炉スラグに混和材としての珪酸アルカリが添加された結合材とを含み、珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ)NSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nを1.0以上2.0以下とし、高炉スラグSuと珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ)NSとの重量比Su/NSを3〜10とし、混練水Wと結合材Pの比である水結合材比W/(Su+NS)を42%以下としたものである。
シリカを含有する骨材は、一般にモルタルやコンクリートで使用されている川砂、山砂、海砂、岩石砕砂などの天然細骨材と、川砂利、山砂利、海砂利、岩石破片などの天然粗骨材である。
高炉スラグは、高炉から生成される溶融スラグに多量の圧力水を噴射することにより急冷したスラグであり、高炉スラグを粉砕して製造される高炉スラグ粉末が用いられる。高炉スラグ粉末は、JIS A 6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末) において、粉末度によって4000、6000、8000 cm2/g の3 種が規程されているが、いずれを用いてもよい。
珪酸アルカリは、好ましくは、最も安価な珪酸ナトリウム(珪酸ソーダ)が用いられる。珪酸カリウムなど他の珪酸アルカリが用いられてもよい。珪酸アルカリは、コンクリートマトリックスの主要構成物質であるCSH(珪酸カルシウム水和物)と分子構造が似ており、高炉スラグとなじみやすい。そして、高炉スラグ成分と反応してコンクリート内で結晶相を晶出させにくい成分である。
そして、本発明のコンクリートは、高炉スラグに珪酸ナトリウムが添加されたマトリックスを用いることにあるが、その配合条件として、珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nを1.0以上2.0以下とし、高炉スラグSuと珪酸ナトリウムNSとの重量比Su/NSを3〜10とし、混練水Wと結合材Pの比である水結合材比W/(Su+NS)を42%以下とすることにより、コンクリートが緻密化し、コンクリート内のイオンの拡散が遅くなりその結果として、コンクリートの中性化や鉄筋の酸化及びアルカリ骨材反応の発生速度を遅らせることができる。具体的には、コンクリートの拡散係数が、ポルトランドセメントを用いたコンクリートと比較して、約1/10以下に小さくなり、これにより、コンクリート中のイオンの拡散速度も、ポルトランドセメントを用いたコンクリートと比較して、1/10程度に遅くなる。
背景技術の項で述べたように、コンクリートで発生する諸問題の発生開始時期はコンクリートマトリックス内でのイオンの拡散速度に依存するものと考えられる。拡散速度が小さくなればなるほどトラブルの発生が開始する時期が遅くなることを意味する。一般に、アルカリ骨材反応や鉄筋の酸化に伴う亀裂の発生や脱落などはコンクリート打設後の20年程度である。拡散速度を1/10に減少させると、計算上、亀裂の発生や脱落の発生は200年後ということになり、十分な耐用年数となる。
本実施の形態におけるコンクリートのマトリックスが緻密化し、拡散係数が小さくなる理由について、以下に考察する。
ポルトランドセメントには、主原料のクリンカーに対して石膏が添加されている。クリンカーに石膏を添加するのは、アルミネートと水との反応を抑制するためである。石膏を添加しないクリンカー粉末では、アルミネート単独での水和により急結又は瞬結が生じる。セメントに石膏を添加すると、接水によりアルミネート粒子表面に水和物の一種であるエトリンガイトが生成し、アルミネート単独での水和反応が阻害される。これにより、フレッシュなコンクリートは可塑性を保つことができる。ところが、エトリンガイトは短冊状の結晶として析出し且つその配向は無秩序である。このため、コンクリートのマトリックスが多孔質となり、緻密性が損なわれる。緻密性が損なわれると、各種イオンの浸透・拡散速度が大きくなり、コンクリトートの中性化速度、鉄筋の酸化速度、あるいはアルカリ骨材反応速度を速める。高炉スラグにポルトランドセメントを混合した高炉スラグセメントについても、石膏を含有するポルトランドセメントを含んでいるために、上記同様の理由により、エトリンガイトが析出し、拡散速度は比較的速くなる。
これに対して、本発明のコンクリートは、高炉スラグに、石膏を含むポルトランドセメントを混合せずに、高炉スラグと珪酸ナトリウムを結合材として用いることで、エトリンガイトの晶出がなくなり、コンクリートマトリックスの緻密性が向上し、各種イオンの拡散速度が遅延化すると考えられる。石膏の含有が少ない順、すなわち高炉スラグ、高炉セメントC種、B種、A種の順に拡散係数が低下している下記における透水試験の結果が上記推定を支持し、図10乃至12に示す走査型顕微鏡による破断面の観察結果もこれらの推定を支持している。
さらに、ポルトランドセメントを使用したコンクリートでは、骨材界面やクラック中にポルトランダイト(水酸化カルシウムの結晶)が晶出する。ポルトランダイトは、水に対する溶解度が比較的大きく、溶解してマトリックス中を移動し、その移動先で晶出することで、マトリックス中に空隙をつくり、コンクリートの緻密性を損なう要因となり得る。一方、本発明のコンクリートは、ポルトランダイトも晶出しないため、ポルトランダイトに起因する空隙が発生せず、コンクリートマトリックスの緻密性が向上し、各種イオンの拡散速度が遅延化すると考えられる。
このように、本発明によれば、拡散係数の小さい高緻密なマトリックスを有するコンクリートを製造することができる。拡散係数の減少により、マトリックス中を拡散する各種イオンの拡散速度が小さくなり、中性化時間、鉄筋の酸化時間、アルカリ骨材による膨張速度などが5倍から10倍以上に大幅に長くなり、コンクリートの寿命を飛躍的に延ばすことできる。
また、本発明の高緻密コンクリートを用いることで、鉄筋への酸化防止コーティングなどが不要となる。さらに、イオンの拡散速度が抑えられるので混練水として海水を使用できるし、海水で汚染された瓦礫を骨材として使用してもアルカリ骨材反応による破壊の発生は大幅に遅くなり、海水を用いても、コンクリートの長寿命化が実現される。世界的には淡水の価格が高い地域も多い。このような地域ではコンクリートの混練水として塩分を含む海水の使用も可能となる。
緻密化に寄与する上記配合条件は、以下の実施例で説明する実験結果より得られたものである。上記配合条件を満たさない場合は、拡散速度について有利な結果を得ることができなかった。また、実験では、拡散速度を測定するための透水試験、及び拡散速度以外の性能評価(強度、凍結融解抵抗性、アルカリ骨材反応、鉄筋錆び、乾燥収縮など)を行うための試験を行った。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はここに説明される実施例に限定されるものではない。
<実験方法>
(1)使用材料
セメント主材としては高炉スラグ粉末を使用した。また、珪酸アルカリとしては、価格面を考慮して、珪酸ソーダを使用することとした。珪酸ソーダのシリカとソーダのモル比(以下S/Nモル比、またはS/N比と称する)が異なる2種類の珪酸ソーダ(1級試薬)を主に緻密化剤として使用した。 それぞれの化学組成は3SiO2・2Na2OおよびSiO2・Na2Oである。その他の範囲のものも目的に応じて使用した。
また、大半の実験では、混練水として水道水と海水(人工海水)とを用いた。フレッシュコンクリートの作業性については流動性と硬化時間とで示すこととした。各実験において、スランプコーンを使用してスランプ値を測定した。以下に示す各実験結果の表においては、スランプ値が0〜3cmを×、スランプ値が3〜6cmを×〜△、スランプ値が6〜12cmを△、スランプ値が12〜20cmを△〜○、スランプ値が20cm以上を○で示した。硬化時間は分、時間、日単位の場合があり、それぞれm、h、dで示した。
(2)コンクリートの配合条件・養生条件
混合は、はじめにミキサー内で細骨材と高炉スラグ粉末とを撹拌・混合し(30秒)、その次に混練水と珪酸ソーダの混合物を投入し、撹拌して(60秒)モルタルを作製した。これに粗骨材を投入し手練りで(90秒)フレッシュコンクリートとした。
24時間後に脱型し、水中養生した。練り混ぜ方法、養生条件などは一般的な方法で行った。
(3)試験内容
(3−1)透水試験
透水試験の試験体の寸法はφ100×100mmの円筒で、材齢28日の試験体を使用した。試験方法はインプット法であり、測定時間は330時間である。予備試験の結果、330時間を経過しても水分の透水が認められない試験体が多かった。やむを得ず、全ての試験体は試験後の試料を切断して、水の浸透深さから拡散係数を算出した。
(3−2)強度試験
本実験の主目的は、高炉スラグに珪酸ナトリウムの添加によるマトリックスの緻密化およびその効果を明らかにすることである。これに加え、珪酸ソーダのシリカとソーダのモル比S/Nに対するコンクリート強度を測定し、モル比S/Nがコンクリート強度に対してどのような影響を与えるかについて検討を加えた。
また、各種セメントに珪酸ソーダを混合したコンクリート強度を測定した。さらに、コンクリート殻を使用したコンクリートの強度について測定した。
(3−3)凍結融解試験
凍結融解試験の試験体は100×100×400mmの角柱であり、材齢28日のものを使用した。試験は“コンクリートの凍結融解試験方法(JIS A 1148:2010 水中凍結融解試験方法)”に準拠した。
(3−4)アルカリ骨材反応試験
アルカリ骨材反応試験では40×40×160mmのモルタル試験体を使用した。試験は“骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(迅速法)(JIS A 1803:2009)”に準拠して実施した。具体的には反応促進装置により127℃、150kPaで4時間煮沸した後、長さ変化を測定した。なお、試験体は打設から24時間後に脱型し、その後20±2℃の水中で24時間養生したものを用いた。
(3−5)鉄筋錆び試験(酸化試験)
鉄筋の錆試験ではφ100×200mmの円柱を試験体とし材齢7日のものを使用した。コンクリート中に鉄筋を固定して酸化を測定する装置であり、その断面を図1に示す。スペーサー部分は打設の翌日に外してモルタルでキャッピングした。試験方法は“塩分を含んだコンクリート中における補強用棒鋼促進腐食試験方法−オートクレーブ法−(JCI-SC2)”に準拠して実施した。
通常の暴露試験では、測定に長期間が必要となるため、オートクレーブによる鉄筋の酸化試験を行った。比較のため普通ポルトランドセメントも使用したコンクリートについても測定を行った。鉄筋を挿入したコンクリート試験体をオートクレーブ中に設置し、室温から180℃まで昇温し、180℃で8時間の保持した後、室温まで冷却し、冷却時にオートクレーブ中の空気を入れ換える操作を行った。さらに継続試験を行う試料は再び加熱と冷却とを繰り返し、繰り返し回数を計3回、計6回、8回の3期間とした。取り出した試験体は鉄筋に沿って破断し、鉄筋表面を暴露した。酸化面があれば、鉄筋を回転してその形状を平面に写した。その面積の割合を全表面に対する百分率で示した。
(3−6)乾燥収縮試験
コンクリート打設後の乾燥収縮が大きいとコンクリートのクラックが発生する。本研究のコンクリートおよび普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートの乾燥収縮試験を行った。
(3−7)モルタル試験
緻密化したコンクリートの塩分に対する特性を把握する試験も行った。海水で汚染された無機系のがれ中へのモルタル注入凝固試験、および模擬海水中に堆積する粗骨材中へのモルタル注入凝固試験なども行った。
従来、海水で汚染された骨材や瓦礫を骨材として使用することは忌避される場合が多かった。最大の理由は塩分によるアルカリ骨材反応であり、塩分の存在は鉄筋の腐食を促進するからでもある。
(4)試験結果
(4−1)透水試験結果
表1に透水試験を行った試料の拡散係数の測定結果を示す。珪酸ソーダのS/Nモル比、混練水の種類も示した。なお、60℃、4時間での熱養生したコンクリートの測定結果、及び作成28日経過後の圧縮強度の測定結果も示す。
表1に示すように、高炉スラグをセメントとして使用したコンクリートの拡散係数は、普通セメントを使用したコンクリートのものと比較して、オーダーとして一桁小さくなる測定結果が得られた。
具体的には、番号18の試料は、本発明の比較例であり、結合材としてポルトランドセメント(普通セメント)を用いた従来のコンクリートであり、拡散係数β2は1.80E-03であった。概算数字として、普通セメントの拡散係数は10E-04のオーダーと考えてよい。番号19の試料も、混練水として海水を用いた比較例であり、拡散係数は、番号18のものよりもさらに大きい。
これに対して、番号1−7の試料は、珪酸ナトリウムNSを添加した高炉スラグSuを結合材Pとし、珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nが1.0のものである。そのうち、例えば、番号1の試料は、混練水Wと結合材Pの重量比である水結合材比W/Pが38%、高炉スラグSuと珪酸ナトリウムNSとの重量比Su/NSが8の試料であり、その拡散係数β2は9.81E-05であった。この拡散係数値は、1E-04よりも小さく、番号18の試料と比較して、約18分の1であり、番号18の試料と比較して1/10より小さい値が測定された。
同様に、番号2の試料は、番号1の試料に対して、水結合材比W/Pが40%、重量比Su/NSを3としたものであるが、拡散係数β2として1.11E-04が得られ、番号18の試料の拡散係数と比較して1/10より小さく、従来の普通セメントの拡散係数よりも、一桁小さい1E-04のオーダーとなった。
番号3の試料は、水結合材比W/Pが番号2の試料と同じ40%、重量比Su/NSを6とする条件において、拡散係数β2の値1.23E-04が得られ、番号4の試料は、水結合材比W/Pが42%、重量比Su/NSを8とする条件において、拡散係数β2の値2.16E-04が得られ、これらも、番号18の従来試料と比較して、拡散係数値が10分の1以下となり、良好な拡散係数値が得られた。
また、番号7の試料は、混練水を海水としたもの、水結合材比W/Pを41、重量比Su/NSを10とする条件において、番号2の試料とほぼ同じ拡散係数β2の値1.25E-04が得られた。
一方、番号5−6の試料は、水結合材比W/Pを45%とする条件において、Su/NSの値にかかわらず、それぞれ拡散係数β2が1.02E-03、1.27E-03となり、拡散係数β2が10E-04のオーダーに乗ってしまい、従来の普通セメントの拡散係数と同程度にまで大きくなった。
番号8−15の試料は、珪酸ナトリウムNSを添加した高炉スラグSuを結合材Pとし、珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nが1.5のものである。モル比S/N1.5においても、重量比Su/NSを3〜10、水結合材比W/Pを42%以下とする条件において、拡散係数が顕著に低減する結果が得られた。特に、番号8の試料は、1E-4よりも小さい9.95E-05の拡散係数となり、また、番号15の試料は、混練水として海水を用いているにもかかわらず、拡散係数β2として1.01E-04という極めて良好な値が測定された。モル比S/Nを1.5とする条件においても、水結合材比W/Pを42%超とする番号13−14の試料については、拡散係数β2が10E-04を超える値(1.02E-03)又はそれに近い値(8.70E-04)となった。
番号16−17の試料は、珪酸ナトリウムNSを添加した高炉スラグSuを結合材Pとし、珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nが2.0のものである。モル比S/N2.0においても、重量比Su/NSを3〜9、水結合材比W/Pを40%とする条件において、拡散係数が顕著に低減する結果が得られた。例えば、番号16の試料においては、水結合材比W/Pを40%、重量比Su/NSを3とする条件において、拡散係数β2として1.85E-04の測定値を得たが、従来の普通セメントと比較して、約10倍の拡散係数の低減(計算上、寿命は10倍延びる)となる。
表2の測定結果からは、高炉スラグをセメントとして使用した場合、水結合材比W/Pが小さいほど、また、モル比S/Nが小さいほど拡散係数は小さくなる傾向、すなわち、緻密化する傾向があることが判明した。なお、水結合材比W/Pは、流動性を考慮して、作業可能な下限値まで低くすることが可能である。
また、モル比S/Nが2.0を越えると、拡散係数が大きくなりかつ、硬化不良となる傾向が認められた。また、混練水として海水を使用したコンクリートは、測定個数は少ないが、水道水を使用したコンクリートと同様の傾向を示した。
ただし、加熱条件で養生したもの拡散係数は普通セメントを使用したものと同程度と大きくなった。
高炉セメントは高炉スラグに普通セメント(ポルトランドセメント)を混合してつくられるが、混合比率によってA種、B種、C種の3タイプが存在する。強度測定を行った実験の配合条件(表1)とは若干異なるが、表2に示すような条件で測定を行ない、同表に示すような結果を得た。
高炉セメント中への普通セメントの含有量が増加するほど拡散係数が大きくなり、かつコンクリート強度は低下する傾向がある。
(4−2)強度試験結果
(a)シリカ/ソーダ比とコンクリート強度
シリカとソーダとを各種の比率で混合し、加熱して珪酸ソーダ原料を作製した。表3にS/Nモル比の割合、およびこれを使用して製造したコンクリートの配合条件と強度の測定結果を示した。材例28日について、S/Nと強度との関係を図示すると図2となる。
珪酸ソーダ中のシリカモル比が増加していくと、コンクリート強度は低下する傾向が認められる。一方、ソーダの比率が高くなるとフレッシュコンクリートの粘性が高くなるため、作業性が悪化する。したがって、実用性を考慮するとS/Nモル比は1.0程度が限界である。本研究の多くのデータがS/Nが1.5のものを多く用いた理由はこのためである。
(b)各種セメントに珪酸ソーダを混合したコンクリート強度
表4に各種セメントに珪酸ソーダを混合したコンクリート強度を示した。珪酸ソーダのS/Nモル比は1.0および1.5である。
測定結果をグラフで示すと図3及び図4となる。全体として、普通ポルトランドセメントやスラグセメントを使用すると高炉スラグを使用したコンクリートより強度は小さい傾向があり、硬化時間は短くなる傾向がある。とくに、普通セメントを使用するとフレッシュコンクリートの硬化が急速に進むため流動性が悪くなる。
強度は通常のポルトランドセメントのみを使用したコンクリートと同等かそれ以上であり、珪酸ソーダを使用することによるデメリットはないことが判明した。
(c)コンクリートガラを使用したコンクリートの強度
配合条件および強度試験の結果を表5に示す。使用した粗骨材はコンクリートガラであり、これを篩い分け、有姿のまま使用した。海水を使用した粗骨材は、篩い分けた後海水に浸漬し、その後表面乾燥状態としたものを使用した。S/N比と強度との関係を示すと図5となる。
混練水として海水を使用した試料は水道水を使用したコンクリートより若干強度は低いものの 十分な強度となった。また、海水を浸漬した骨材を使用したコンクリートの強度は僅かに劣るものの、十分な強度を示した。
以上の結果から、高炉スラグに珪酸ソーダの添加によって製造したコンクリート強度は従来の各種コンクリートと比べ全く遜色ないことが判明した。
(4−3)凍結融解抵抗性試験結果
測定試験を行った試料の配合条件を表6に示す。S/Nモル比は1.5の珪酸ソーダを混合した。強度試験、透水試験に使用した配合条件とは若干異なり、やや水比が小さく、その結果、高強度となる配合条件である。また、この表には強度測定結果も併記した。
表7には凍結融解試験による相対動弾性係数および質量減少率の測定結果を示した。動弾性係数の経時変化を図6に示した。
既述したように高炉スラグやセメントクリンカーに珪酸ソーダを混合すると高緻密なコンクリートを得ることができる。水比の高いコンクリートを除外すれば、一般的には、緻密なマトリックスから成るコンクリートは、マトリックスそのものが原因となり凍結融解によって破壊を起こす可能性は少ない。測定結果もこれを支持している。混練水として海水を用いた試料は他の試験体より水比が高いにもかかわらず、300回の試験をクリアーしている。したがって、珪酸ソーダを添加したコンクリートの凍結融解抵抗性は問題がないことが分かった。
(4−4)アルカリ骨材反応試験結果
アルカリ骨材反応試験の結果を表8に示す。表8に示すように、いずれも判定基準内(長さ変化が0.1%未満)であり、アルカリ骨材反応を起こす確率は低いものと推定される。このことから、マトリックス内では成分の拡散があまり起こっていなかったこと、すなわち拡散に伴う反応があまり起こっていなかったことを示唆している。
(4−5)鉄筋錆び試験結果
試験結果を表9に示す。なお、酸化した鉄筋の酸化は鉄筋内部までには達しないで、表面でのみ起こっている。実験結果を見る限り、普通セメント中の鉄筋の方が珪酸ソーダを用いた高炉スラグ中の鉄筋より酸化が進んでいる。
(4−6)コンクリートの乾燥収縮試験結果
珪酸ソーダを使用したコンクリートの配合条件および比較試験用に使用した普通ポルトランドセメントコンクリートの配合条件を表10に示す。また、これらのコンクリートの長さ変化および質量変化を表11、図7及び図8に示す。
以上の結果をみれば分かるように、珪酸ソーダを使用したコンクリートの収縮率および質量変化率は通常のコンクリートと同様であることが分かった。
(4−7)人工海水中の瓦礫に注入したモルタル試験結果
プラスチック容器中に人工海水と瓦礫とを入れ、瓦礫の空隙中にモルタルを注入し、硬化状況を評価した。打設の様子を示すと図9となる。
容器には下部が190mm、上部が260mm深さ230mmのポリバケツを使用した。注入パイプは内径40mmの塩化ビニルパイプを使用した。モルタルの混練水としては水道水と人工海水とを使用した。粗骨材には一連の実験で使用したものと同じ砂を、粗骨材には10〜50mmの瓦礫を使用した。硬化したコンクリートをボーリングでくり抜き、φ50×100mmの円柱として強度試験を行った。
モルタルの調合条件とフレッシュモルタルの特性、モルタルの強度および硬化したコンクリートの強度を示すと表12となる。全てをひとつの表として示すと小さくなるので、二段にして示した。
この表において下段の流下時間とはプレパックドコンクリートの注入モルタルの流動試験方法(P漏斗による方法)(JSCE-F 521-1999)における流下時間を示している。パイプを通過して瓦礫の空隙を充填するためには、流下時間が45秒以下であれば問題はない。
コンクリートの強度測定結果をみるとばらつきが大きい。これは使用した瓦礫の強度に大きく依存しているためであると推定される。このことを考慮すれば、海水中でのコンクリート打設も十分可能であることを示している。
(4−8)走査型電子顕微鏡による観察結果
走査型顕微鏡写真を図10、図11及び図12に示す。図10はS/Nモル比が1.0、図11はS/Nモル比が1.5であり、図12は普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートである。いずれも破断面の写真である。
高炉スラグに珪酸ソーダを添加したコンクリートの破断面(図10、図11)はガラスの破断面とよく似ていて、空隙による凹凸は認められない。一方、普通ポルトランドセメント使用したコンクリートの破断面は凹凸に富んでいて、短冊状の結晶と思われるものも多数認められる。

Claims (3)

  1. 珪酸ナトリウムNSを添加した高炉スラグSuを結合材Pとし、
    珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nが1.0〜2.0であり、
    高炉スラグSuと珪酸ナトリウムNSとの重量比Su/NSが3〜10であり、
    混練水Wと結合材Pの重量比である水結合材比W/(Su+NS)が42%以下であることを特徴とするコンクリート。
  2. 請求項1において、
    前記結合材は石膏成分を含まないことを特徴とするコンクリート。
  3. 珪酸ナトリウムNSを添加した高炉スラグSuを結合材Pとし、
    珪酸ナトリウムNSのSiO2成分とNa2O成分とのモル比S/Nが1.0〜2.0となり、高炉スラグSuと珪酸ナトリウムNSとの重量比Su/NSが3〜10となり、混練水Wと結合材Pの重量比である水結合材比W/(Su+NS)が42%以下となるように、珪酸ナトリウムNSと高炉スラグSuと混練水とを配合し、さらに骨材を投入して混合することを特徴とするコンクリートの製造方法。
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