JP2014143255A - 窒化物系発光ダイオードの製造方法 - Google Patents

窒化物系発光ダイオードの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主面がm面に対して絶対値1〜10度のオフ角を有する大面積の窒化物半導体基板を用いて、品質の良好な量子井戸構造の活性層を有する窒化物系発光ダイオードを製造する技術を提供すること。
【解決手段】窒化物系発光ダイオードの製造方法は、成長主面を有する窒化物半導体基板の該成長主面上にInを含む量子井戸構造の活性層を成長させる第1ステップを有し、前記成長主面はm面に対して絶対値1〜10度のオフ角を有する面であり、前記第1ステップの前に前記窒化物半導体基板上に成長させる窒化物半導体層の成長温度を950℃以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体で形成された発光構造を有する窒化物系発光ダイオード(窒化物系LED)に関する。窒化物半導体は、窒化物系III−V族化合物半導体、窒化ガリウム(GaN)系半導体などとも呼ばれ、AlGaIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)、(Al,Ga,In)Nなどの一般式で表される化合物半導体であり、六方晶系に属する結晶構造を取る。典型的な窒化物系LEDはダブルヘテロpn接合型の発光構造を備え、その活性層はInGaN井戸層と(In)GaN障壁層とが交互積層された多層膜構造を有する多重量子井戸層である。
量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)が誘起されないように、非極性基板であるm面GaN基板を用いてn型層、活性層およびp型層を六方晶のm軸方向に積層してダブルヘテロpn接合構造を形成した、m面窒化物系LEDの研究開発が行われている(非特許文献1)。
c面以外の主面を有する大面積のGaN基板を得る方法として、GaNバルク結晶からシード基板を切り出し、タイルのように並べた複数の該シード基板の上にHVPE法でGaN結晶を成長させる方法(以下、「タイル法」とも呼ぶ)が開発されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献2によれば、タイル法において、主面がm面に対し絶対値1〜10度のオフ角を有するシード基板を用いることにより、品質の良好な大面積のGaN基板が得られるとされている。
特開2008−143772号公報 特開2010−275171号公報
Mathew C. Schmidt et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 46, No. 7, 2007, pp. L126-L128
本発明の主たる目的は、特許文献1、特許文献2などに開示されたタイル法を好ましく用いて製造される、主面がm面に対して絶対値1〜10度のオフ角を有する大面積の窒化物半導体基板を用いて、品質の良好な量子井戸構造の活性層を有する窒化物系発光ダイオードを製造する技術を提供することである。
本発明の実施形態には以下に記載する窒化物系発光ダイオードの製造方法が含まれる。(1)成長主面を有する窒化物半導体基板の該成長主面上にInを含む量子井戸構造の活性層を成長させる第1ステップを有し、
前記成長主面はm面に対して絶対値1〜10度のオフ角を有する面であり、
前記第1ステップの前に前記窒化物半導体基板上に成長させる窒化物半導体層の成長温度を950℃以下とする、
窒化物系発光ダイオードの製造方法。
(2)前記成長主面がm面に対してc軸方向に負のオフ角を有する面である、前記(1)に記載の製造方法。
(3)前記成長主面がm面に対してc軸方向に−1〜−10度のオフ角を有する面である、前記(2)に記載の製造方法。
(4)前記成長主面がm面に対してc軸方向に−2〜−6度のオフ角を有する面である、前記(3)に記載の製造方法。
(5)前記成長主面がm面に対してc軸方向に−4.5〜−5.5度のオフ角を有する面である、前記(4)に記載の製造方法。
(6)前記第1ステップの前に前記窒化物半導体基板上に成長させる窒化物半導体層の成長温度を800〜900℃とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記活性層を700〜850℃で成長させる、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)前記第1ステップの前に前記窒化物半導体基板上にAlGaNを成長させる、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)前記AlGaNを前記活性層よりも高温で成長させる、前記(8)に記載の製造方法。
本発明の実施形態に係る上記の製造方法を用いることにより、主面がm面に対して絶対値1〜10度のオフ角を有する窒化物半導体基板上に成長した品質の良好な発光ダイオード構造を有する窒化物系発光ダイオードを得ることができる。
窒化物半導体基板の成長主面がm面に対して有するオフ角を説明するための図面である。 エピタキシャル膜表面のAFM像である。 エピタキシャル膜表面のAFM像である。 エピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)である。 エピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)である。 エピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)である。 エピタキシャル膜表面のAFM像である。 エピタキシャル膜表面のAFM像である。 エピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)である。 エピタキシャル膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 エピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)である。 エピタキシャル膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 エピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)である。 エピタキシャル膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 エピタキシャル膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 エピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)である。 エピタキシャル膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 エピタキシャル膜表面のカソードルミネッセンス(CL)像である。 エピタキシャル膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 エピタキシャル膜表面のカソードルミネッセンス(CL)像である。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 フォトルミネッセンス(PL)スペクトルである。 LEDチップの構造を示す模式図であり、図29(a)は平面図、図29(b)は図29(a)のX−X線の位置における断面図である。
図1は、窒化物半導体基板の成長主面がm面に対して有するオフ角を説明するための図面である。いうまでもなく、m面とは[10−10]に直交する面である。
成長主面がm面に対して有するオフ角とは、当該成長主面の法線ベクトルと[10−10]とがなす角度φである。
成長主面がm面に対してc軸方向に有するオフ角φcとは、成長主面の法線ベクトルのa面([11−20]と直交する面)に対する射影と、[10−10]とがなす角度φcである。該射影が[0001]成分(+c成分)を有しているときφcの符号は正であり、反対に、該射影が[000−1]成分(−c成分)を有しているときφcの符号は負である。
成長主面がm面に対してa軸方向に有するオフ角φaとは、成長主面の法線ベクトルのc面([0001]と直交する面)に対する射影と、[10−10]とがなす角度φaである。
以下に、本発明者等が行った実験の結果を記す。
実験では、表1に示す6種類の自立GaN基板S1〜S6を使用した。

基板S1〜S3は、サファイアc面上にHVPE法で成長させたバルクGaNから切り出した、成長主面のサイズが7.5mm×20mmの小面積基板である。基板S1は成長主面がm面に対してオフ角を実質的に有さない所謂m面ジャスト基板であるのに対し、基板S2とS3では成長主面がm面に対しc軸方向にそれぞれ−2度および−5度というオフ角を有している。
基板S4〜S6はタイル法で製造した直径2インチの大面積基板である。タイル法で用いたシード基板の製造方法が、S4およびS5ではHVPE法であるのに対し、S6ではアモノサーマル法である。また、基板の成長主面がm面に対して有するc軸方向のオフ角は、基板S4が−2度であり、基板S5および基板S6は−5度である。
X線回折から見積もられる積層欠陥密度は、基板S4が約100cm−1、基板S5が約3000cm−1であった。その他の基板には積層欠陥が実質的に存在しなかった。
今回の実験では大面積基板S4〜S6をそのまま使用しないで、成長主面サイズが上記
の小面積基板と同じ7.5mm×20mmとなるように分割したうえで使用した。
窒化物半導体層のエピタキシャル成長には、常圧横型のMOVPE装置を用いた。III族原料にはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)およびトリメチルアルミニウム(TMA)、V族原料にはアンモニア、n型不純物原料にはシラン、p型不純物原料にはビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いた。キャリアガスには水素ガスおよび窒素ガスを用いた。
フォトルミネッセンス評価では励起光源としてHe−Cdレーザを使用した。
1.SQWおよびMQWの表面モホロジー
1.1 m面ジャスト基板
(サンプルS1−1)
m面ジャスト基板である基板S1上に表2に示す層L1、L2およびSQWを、L1、L2、SQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表2に示す通りとした。SQWは2つのバリア層がウェル層を挟んだ構造が形成されるように成長させた。
得られたエピタキシャル膜の表面AFM像を図2に示す。この表面の算術平均粗さRaは0.017nm、ステップ高さは0.7nmであった。
(サンプルS1−2)
基板S1上に表3に示す層L1〜L4およびMQWを、L1、L2、L3、L4、MQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表3に示す通りとした。MQWは4つのバリア層と3つのウェル層とが交互に積み重なった3QW構造で、最上部はバリア層とした。

得られたエピタキシャル膜表面のAFM像を図3に示す。この表面のRaは0.066nm、ステップ高さは1.6nmであった。
1.2 −2°オフ小面積基板
(サンプルS2−1)
成長主面がm面に対してc軸方向に−2度のオフ角を有する小面積基板S2上に、表4に示す層L1〜L4およびMQWをL1、L2、L3、L4、MQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表4に示す通りとした。層L1およびL2の成長温度は1020℃とした。MQWは4つのバリア層と3つのウェル層とが交互に積み重なった3QW構造で、最上部はバリア層とした。
得られたエピタキシャル膜表面は白濁していた。その微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)を図4に示す。
(サンプルS2−2)
サンプルS2−1と同様に、表4に示す層L1〜L4およびMQWを基板S2上に成長させた。ただし、層L1およびL2の成長温度は900℃とした。
得られたエピタキシャル膜の表面は鏡面となった。その微分干渉顕微鏡像(ノマルスキ
ー像)を図5に示す。
(サンプルS2−3)
サンプルS2−1、S2−2と同様に、表4に示す層L1〜L3およびMQWを基板S2上に成長させた。ただし、層L2をアンドープGaNで形成した。層L1およびL2の成長温度は800℃とした。
得られたエピタキシャル膜の表面は鏡面となった。その微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)を図6に示す。
1.3 −5°オフ小面積基板
(サンプルS3−1)
成長主面がm面に対してc軸方向に−5度のオフ角を有する小面積基板S3上に、表5に示すL1、L2およびSQWを、L1、L2、SQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表5に示す通りとした。SQWは2つのバリア層がウェル層を挟んだ構造が形成されるように成長させた。

得られたエピタキシャル膜の表面AFM像を図7に示す。このAFM像が示すように、エピタキシャル膜の表面にはうねりが生じていた。また、この表面の算術平均粗さRaは0.918nm、ステップ高さは17.4nmであり、サンプルS1−1、S1−2と比較して著しく粗くなっていた。
(サンプルS3−2)
基板S3上に表6に示す層L1〜L4およびMQWを、L1、L2、L3、L4、MQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表6に示す通りとした。MQWは4つのバリア層と3つのウェル層とが交互に積み重なった3QW構造とし、最上部はバリア層とした。
得られたエピタキシャル膜表面のAFM像を図8に示す。この表面のRaは0.026nm、ステップ高さは0.97nmであった。これらの数値が示すように、サンプルS3−1に比べてエピタキシャル膜の表面粗さは著しく低減され、サンプルS1−1と同等レベルとなった。
1.4 −2°オフ大面積基板
(サンプルS4−1)
成長主面がm面に対してc軸方向に−2度のオフ角を有する大面積基板S4上に、表7に示す層L1〜L4およびMQWを、L1、L2、L3、L4、MQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表7に示す通りとした。層L1およびL2の成長温度は1020℃とした。MQWは4つのバリア層と3つのウェル層とが交互に積み重なった3QW構造とし、最上部はバリア層とした。

得られたエピタキシャル膜表面の微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)を図9に示す。図9における上下方向は、エピタキシャル膜のc軸と略平行である。図中に矢印で示すように、基板S4をタイル法で製造する際に用いられたシード基板間の境界に対応する部分に、線状の欠陥が出現したことが明瞭に観察された。また、基板S4に含まれる積層欠陥の影響によると考えられる欠陥が多数、エピタキシャル膜の表面全体に観察された。
図10はこのエピタキシャル膜表面の走査型電子顕微鏡像(SEM像)である。この像からは、膜の表面全体が荒れており、更に皺がよったような状態であることが観察される。
(サンプルS4−2)
サンプルS4−1と同様に、表7に示す層L1〜L4およびMQWを基板S4上に成長させた。ただし、層L1およびL2の成長温度は900℃とした。
得られたエピタキシャル膜の表面は、図11に示すその微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)からわかるように滑らかであり、基板の積層欠陥の影響によると考えられる欠陥は観察されなかった。
図12はこのエピタキシャル膜表面のSEM像であり、きわめて平坦性が高いことが判る。
(サンプルS4−3)
サンプルS4−1、S4−2と同様に、表7に示す層L1〜L4およびMQWを基板S4上に成長させた。ただし、層L2はアンドープとした。層L1およびL2の成長温度は800℃とした。
得られたエピタキシャル膜の表面には、図13に示すその微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)からわかるように、基板の積層欠陥の影響によると考えられる欠陥は観察されなかったが、ピット状の欠陥が発生していた。
図14はこのエピタキシャル膜表面のSEM像であり、ところどころに存在する三日月状の荒れた領域の他は平坦であった。図15はこの三日月状の領域を拡大して示すSEM像で、サンプルS4−1の表面に見られたのと同様の皺が見られる。
1.5 −5°オフ大面積基板
(サンプルS5−1)
成長主面がm面に対してc軸方向に−5度のオフ角を有する大面積基板S5上に、表8に示す層L1〜L4およびMQWを、L1、L2、L3、L4、MQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表8に示す通りとした。MQWは4つのバリア層と3つのウェル層とが交互に積み重なった3QW構造とし、最上部はバリア層とした。
得られたエピタキシャル膜の表面は、図16に示すその微分干渉顕微鏡像(ノマルスキー像)からわかるように滑らかであり、基板の積層欠陥の影響によると考えられる欠陥は観察されなかった。
(サンプルS6−1)
基板S6は、当該基板をタイル法で製造する際に、アモノサーマル法で作られたシード基板を用いた2インチ基板であり、その成長主面はm面に対してc軸方向に−5度のオフ角を有している。その基板S6上に、表9に示す層L1〜L4およびMQWを、L1、L2、L3、L4、MQWの順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表9に示す通りとした。MQWは4つのバリア層と3つのウェル層とが交互に積み重なった3QW構造で、最上部はバリア層とした。
得られたエピタキシャル膜の表面SEM像を図17に示す。また、図17のSEM像と同じ視野で取得したパンクロマチック・カソードルミネッセンス像(CL像)を図18に示す。CL像を取得する際は、MQWからの発光が得られるように電子線の加速電圧を調整した。
図17のSEM像が示すようにエピタキシャル膜表面の平坦性は良好であった。しかし、図18のCL像が示すように、a軸方向に延ばされた形状を有する数μm×10μm程度の非発光領域が高密度で存在していた。また、発光領域における発光強度(または発光波長)の揺らぎは、基板S3上に同様に成長させたエピタキシャル膜のそれよりも大きかった。
(サンプルS6−2)
基板S6上に、表10に示す層L1〜L5、MQWおよび層L6〜L8を、L1、L2、L3、L4、L5、MQW、L6、L7、L8の順にエピタキシャル成長させた。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表10に示す通りとした。MQWは7つのバリア層と6つのウェル層とが交互に積み重なった6QW構造で、最上部はバリア層とした。

得られたエピタキシャル膜の表面SEM像を図19に示す。また、図19のSEM像と同じ視野で取得したパンクロマチック・カソードルミネッセンス像(CL像)を図20に示す。CL像を取得する際は、MQWからの発光が得られるように電子線の加速電圧を調整した。
図19のSEM像が示すようにエピタキシャル膜表面の平坦性は極めて高かった。また、図20のCL像が示すように、サンプルS6−1と比べて、a軸方向に延ばされた形状を有する非発光領域の密度は低く、個々の非発光領域の面積も小さかった。更に、発光領域における発光強度(または発光波長)の揺らぎもサンプルS6−1と比べて低減されていた。
1.6 まとめ
上記の実験結果から、成長主面がm面に対してc軸方向にオフ角を有するGaN基板上に成長させたSQWおよびMQWの表面モホロジーを良好なものとするには、GaN基板とSQWまたはMQWとの間に成長させる窒化物半導体層の成長温度を、m面ジャスト基板を用いた場合の最適温度よりも低くすることが望ましいことがわかった。窒化物半導体層の成長温度は、好ましくは950℃以下、より好ましくは900℃以下、また、好ましくは750℃以上、好ましくは800℃以上である。更に加えて、MQWを成長させる前にAlGaNを成長させることにより、MQWの発光特性の揺らぎが低減されるとともに、非発光領域の形成が抑制されることがわかった。
なお、SQWおよびMQWは通常700℃以上、好ましくは750℃以上、また、通常850℃以下で成長させる。
成長主面がm面に対して有するオフ角は、絶対値として通常1度以上、好ましくは2度以上、より好ましくは4.5度以上、また、通常10度以下、好ましくは6度以下、より好ましくは5.5度以下である。なお上記オフ角は、m面に対してc軸方向に負であることが好ましい。
2.SQWおよびMQWのフォトルミネッセンス(PL)スペクトル
前項の実験で作成したサンプルに含まれるSQWおよびMQWの品質を評価するために
PLスペクトルの測定を行った。
2.1 −2°オフ小面積基板
−2°オフ小面積基板S2を用いて作製したサンプルS2−1、S2−2およびS2−3のPLスペクトルを、図21〜28にそれぞれ示す。
図21に示す、層L1の成長温度が1020℃であるサンプルS2−1のPLスペクトルには、波長402nmにMQWの鋭い発光ピークがあった他、420nmから540nmにかけて欠陥に起因すると考えられるブロードな発光バンドが現れた。このブロードな発光バンドの裾は650nm付近まで伸びていた。
一方、図22に示す、層L1の成長温度が900℃であるサンプルS2−2のPLスペクトルには、MQWの鋭い発光ピーク(401nm)のみが観察された。図23に示す、層L1の成長温度が800℃であるサンプルS2−3のPLスペクトルも同様で、MQWの鋭い発光ピーク(402nm)のみが観察された。また、サンプルS2−2およびS2−3では、PLスペクトル強度がサンプルS2−1よりも高くなった。
2.2 −5°オフ小面積基板
−5°オフ小面積基板S3を用いて作製したサンプルS3−1およびS3−2のPLスペクトルを図24および図25にそれぞれ示す。
図24に示す、層L1の成長温度が1020℃であるサンプルS3−1のPLスペクトルは、発光ピークが意図した波長(400〜405nm)よりも長波長化しており、また、マルチピーク形状を呈していた。
それに対して、図25に示す、層L1の成長温度が900℃であるサンプルS3−2のPLスペクトルには、MQWの鋭い発光ピーク(405nm)のみが観察された。また、サンプルS3−2では、PLスペクトル強度がサンプルS3−1よりも高くなった。サンプルS3−1とS3−2の間のこれらの相違は、SQWとMQWの相違のみでは説明できないと本発明者等は考えている。
2.3 −2°オフ大面積基板
−2°オフ大面積基板S4を用いて作製したサンプルS4−1〜S4−3のPLスペクトルを図26〜28にそれぞれ示す。
図26に示す、層L1の成長温度が1020℃であるサンプルS4−1のPLスペクトルには、波長410nmにMQWの鋭い発光ピークが見られた他、その長波長側にブロードで弱い発光バンドが現れ、その裾は630nm付近まで伸びていた。
一方、図27に示す、層L1の成長温度が900℃であるサンプルS4−2のPLスペクトルには、MQWの鋭い発光ピーク(405nm)のみが観察された。図28に示す、層L1の成長温度が800℃であるサンプルS4−3のPLスペクトルも同様で、MQWの鋭い発光ピーク(409nm)のみが観察された。また、サンプルS4−2およびS4−3では、PLスペクトル強度がサンプルS4−1よりも高くなった。
2.4 まとめ
以上の結果から、成長主面がm面に対してc軸方向にオフ角を有するGaN基板上に成長させたSQWおよびMQWの品質を良好なものとするには、GaN基板とSQWまたはMQWとの間に成長させる窒化物半導体層の成長温度を、m面ジャスト基板を用いた場合の最適温度よりも低くすることが望ましいことがわかる。
3.LEDチップの作製および評価
成長主面がm面に対してc軸方向に−5度のオフ角を有する小面積基板S3上に、表11に示す層L1〜L5、MQWおよび層L6〜L8を、L1、L2、L3、L4、L5、MQW、L6、L7、L8の順にエピタキシャル成長させて、LED構造を備えるエピタキシャルウェハを作製した。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表11に示す通りである。MQWは7つのバリア層と6つの
ウェル層とが交互に積み重なった6QW構造で、最上部はバリア層とした。ウェル層のInGaN組成は発光ピーク波長が400〜405nmの範囲内となるように調整した。
上記エピタキシャルウェハの表面(InGaNコンタクト層L8の表面)に、透光性オーミック電極としてITO膜を形成した。このITO膜をフォトリソグラフィおよびエッチングの技法を用いて所定形状にパターニングした後、その一部上にメタル製のp側電極を形成した。
次いで、エピタキシャル層の表面側からRIE加工を行うことにより部分的に露出させたGaN:Si層L2の表面にメタル製のn側電極を形成した。
n側電極の形成後、エピタキシャル層を形成した側のウェハ表面(メタル製の電極表面を除く)を、SiOからなる絶縁保護膜で被覆したたうえで、ダイヤモンドスクライバを用いてウェハを分断することにより、発光ピーク波長を404nmに有する500μm角のLEDチップを得た。
こうして得たLEDチップの平面図および断面図をそれぞれ図29(a)および(b)に模式的に示す。
上記手順にて作製したLEDチップに順方向電流350mAを印加したときの光出力を、積分球を用いて測定したところ408mWであった。この値は、Al0.1Ga0.9N層L3を成長させなかったこと以外は同様にして作製したLEDチップの出力よりも大きかった。
参考のために、m面ジャスト基板S1を用いたLEDチップを作製し評価した結果を以下に記す。
基板S1上に、表12に示す層L1〜L5、MQWおよび層L6〜L8を、L1、L2、L3、L4、L5、MQW、L6、L7、L8の順にエピタキシャル成長させて、LED構造を備えるエピタキシャルウェハを作製した。各層の組成、膜厚および成長条件(成長温度、キャリアガス、NH/TMGモル比)は表10に示す通りとした。層L1およびL2の成長温度は1020℃または900℃とした。MQWは7つのバリア層と6つのウェル層とが交互に積み重なった6QW構造で、最上部はバリア層とした。ウェル層のInGaN組成は発光ピーク波長が400〜405nmの範囲内となるように調整した。
得られたエピタキシャルウェハを加工して、上記例と同様のサイズおよび構造を有するLEDチップを得た。順方向電流350mAを印加したときの光出力を、積分球を用いて測定したところ、層L1およびL2の成長温度を1020℃としたLEDチップ(発光ピーク波長401nm)では434mWであったのに対し、これらの層の成長温度を900℃としたLEDチップ(発光ピーク波長405nm)では322mWであった。
本発明は、上記実験で用いた方法やサンプルの構造によって何らの限定を受けるものではない。また、本発明は本明細書に明示的または黙示的に記載された実施形態に限定されるものではない。

Claims (9)

  1. 成長主面を有する窒化物半導体基板の該成長主面上にInを含む量子井戸構造の活性層を成長させる第1ステップを有し、
    前記成長主面はm面に対して絶対値1〜10度のオフ角を有する面であり、
    前記第1ステップの前に前記窒化物半導体基板上に成長させる窒化物半導体層の成長温度を950℃以下とする、
    窒化物系発光ダイオードの製造方法。
  2. 前記成長主面がm面に対してc軸方向に負のオフ角を有する面である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記成長主面がm面に対してc軸方向に−1〜−10度のオフ角を有する面である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記成長主面がm面に対してc軸方向に−2〜−6度のオフ角を有する面である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記成長主面がm面に対してc軸方向に−4.5〜−5.5度のオフ角を有する面である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記第1ステップの前に前記窒化物半導体基板上に成長させる窒化物半導体層の成長温度を800〜900℃とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記活性層を700〜850℃で成長させる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記第1ステップの前に前記窒化物半導体基板上にAlGaNを成長させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記AlGaNを前記活性層よりも高温で成長させる、請求項8に記載の製造方法。
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