JP2014142137A - 積層型熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 両端に一対の第1、第2連通孔1,2を有する細長いプレートを積層してなる積層型熱交換器で、配管の取付位置に制約があるものであって、その流路抵抗を減少させるとともに、流路長を長くして熱交換性能を向上させること。
【解決手段】 積層方向の端から半分までの各エレメント5として、補助孔付きエレメント10を用いる。この補助孔付きエレメント10は、一対の補助孔付きプレート3aからなり、その各補助孔付きプレート3aは、第1の連通孔1の周りが浅いカップ状に形成され、その第1端部連通孔1に隣接し、仕切部16を介して補助連通孔9が設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、一対の細長い皿状プレートを組合わせてエレメントを構成し、各エレメントを積層した積層型熱交換器に関し、特に、その熱交換器に取り付ける配管位置の制約が厳しいものに関する。
細長い皿状プレートの両端部に一対の連通孔を形成し、上下一対のプレートを逆向きに重ね合わせてエレメントを構成した空冷オイルクーラ等の熱交換器が知られている。
このタイプの積層型熱交換器は、そのエレメントの長手方向両端部に出入口パイプを一対設け、一方のパイプからオイル等の第1流体を流入し、そのオイル等が入口側連通孔を介して各エレメントに供給され、他方側の連通孔からそのオイル等を流出させる。そして、エレメントの外面側に第2流体として冷却風等を流通させ、両流体間に熱交換を行なうものである。
積層型熱交換器において、その熱交換器の設置される位置で、そのエレメントの長手方向の一端のみに配管取付スペースが存在する場合がある。このような場合、図8に示すごとく、熱交換器の端板4の表面に偏平なバイパスプレート17を配置し、入口パイプからそのバイパスプレート17を介して各エレメント5に第1流体7を供給し、各エレメント5内を矢印のごとく流通させ、出口パイプからそれを流出させることが考えられる。この場合、各エレメント5には、入口パイプからの第1流体7が分流して流れる。
ところが、入口パイプからバイパスプレート17には、各エレメントの合計量のオイル等が流通するため、バイパスプレート17内の圧力損失が上昇する。特に、第1流体7としてオイル等の粘性の高いもの流通するときは、その圧力損失に耐えるより大きな加圧ポンプを必要とする欠点がある。又、第1流体の流路長を長くして、熱交換を促進させることが要求させる場合がある。
そこで、本発明はこれらの問題を解決することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、外周が互いに整合し、長手方向の両端にそれぞれ一対の第1端部連通孔(1)および第2端部連通孔(2)を有し、少なくとも一方が皿状に形成された一対のプレート(3)によりエレメント(5)を構成し、
複数のエレメント(5)がフィン(6)を介して積層されて、互いにろう付け固定され、前記各端部連通孔(1)(2)を介して第1流体(7)が各エレメント(5)の内部に流出入し、エレメント(5)の外面側に第2流体(8)が流通する積層型熱交換器において、
前記積層された方向の端から半分迄の各エレメント(5)は、一方の前記第1端部連通孔(1)に隣接し且つ、その第1端部連通孔(1)から独立して、前記各プレート(3)の長手方向の中心側に補助連通孔(9)が貫通された補助孔付きエレメント(10)を構成し、
前記積層方向の端に位置する補助孔付きエレメント(10)の第1端部連通孔(1)と補助連通孔(9)に、前記第1流体(7)の一対の出入口パイプ(11)(12)が取付けられ、
第1流体(7)が、前記第2端部連通孔(2)を介して、各補助孔付きエレメント(10)と、それ以外の各エレメント(5)とをUターンするように流通することを特徴とする積層型熱交換器である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の積層型熱交換器において、
前記補助孔付きエレメント(10)は、一対の補助孔付きプレート(3a)からなり、その補助孔付きプレート(3a)はその一方の第1端部連通孔(1)の回りが浅いカップ状に形成され、その第1端部連通孔(1)に隣接し、そのプレート(3a)の長手方向の中心側に、仕切部(16)を介して補助連通孔(9)が設けられ、その補助連通孔(9)と他方の前記第2連通孔(2)との間が凹陥されて、そこに第1流体(7)の第1偏平流路(18)が形成される積層型熱交換器である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の積層型熱交換器において、
隣接する各エレメントの各連通孔(1)(2)(9)間が短管(13)で連結された積層型熱交換器である。
本発明の積層型熱交換器は、端から半分の各エレメント5を、補助連通孔9が貫通された補助孔付きエレメント10とし、第1流体7が、第2端部連通孔2を介して、各エレメント5とをUターンするように形成したものである。そのため、幅の狭いエレメントの積層体からなる積層型熱交換器において、冷媒の流路長を長くとり、冷媒との熱交換を促進できる。それと共に、一対の出入口パイプ11、12をエレメント5の長手方向の一端側に近接して並列し、配管をコンパクトにまとめることができる。さらには、熱交換器全体を省スペースでコンパクトにすることができる。
請求項2に記載の発明のように、補助孔付きエレメント10として、一対の補助孔付きプレート3aを用い、その補助孔付きプレート3aは、一方の第1端部連通孔1の回りを浅いカップ状に形成し、その第1端部連通孔1に隣接し、その長手方向の中心側に、仕切部16を介して補助連通孔9を設け、その補助連通孔9と他方の前記第2連通孔2との間を凹陥して、そこに第1流体7の第1偏平流路18が形成されるようにすることができる。この場合には、プレートの成形が容易で、組立て易くろう付けの信頼性の高い熱交換器を提供できる。
請求項3に記載の発明のように、隣接する各エレメントの各連通孔1,2,9間を短管13で連結した場合には、各エレメント10間を広くして、そこに伝熱面積な大きなフィン6を配置できる。それにより、熱交換を促進できる。
本発明の積層型熱交換器の斜視図。 同分解斜視図。 図1のIII−III矢視断面図。 本発明の積層型熱交換器のエレメントを構成する補助孔付きプレート3aの平面図。 図4のV−V矢視断面図。 図2の上から3段目の補助孔付きエレメント10の下側の第2補助プレート3bの平面図。 図2の下段部(4段〜6段)のエレメント5のプレート3の平面図。 本発明に比較される積層型熱交換器の縦断面図。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
この積層型熱交換器は、一対のプレート3によりエレメント5を構成し、複数のエレメント5がフィン6を介して積層されたものである。各エレメント5を構成するプレート3は、図2に示すごとく、この例では一対の皿状に形成された細長いものであり、その長手方向両端に第1端部連通孔1および第2端部連通孔2が穿設されている。そして、この例では、上下方向に6つのエレメント5が配置され、積層方向の上部側の3つのエレメント5には、図2〜図5に示す如く、一対の補助孔付きプレート3aをプレート3として用いる。その一対の補助孔付きプレート3aを重ね合わせて補助孔付きエレメント10を構成する。
この補助孔付きプレート3aは、外周に小フランジ部が環状に形成され、第1端部連通孔1の周りが浅いカップ状に形成されている。そして、その第1端部連通孔1に隣接し、プレート3aの長手方向中心側に仕切部16を介して、補助連通孔9が設けられている。この仕切部16は外周の小フランジと同一高さにある。そして、その補助連通孔9と第2端部連通孔2との間が凹陥されて、そこに第1流体7の第1偏平流路18が形成される。なお、図3において、上から3段目の補助孔付きエレメント10の下側プレートは、図6に示す第2補助プレート3bが用いられる。この第2補助プレート3bには、図4に示す補助連通孔9が存在しない。
次に、図3において、下部側の3つのエレメント5には、図7に示すプレート3が使用される。このプレート3には、一対の第1端部連通孔1、第2端部連通孔2のみが穿設され、それらの間が、偏平な皿状に凹陥され、そこに第2偏平流路19が形成される。そして、一対のプレート3によりエレメント5を形成する。なお、図3において最下端のエレメント5の下側プレートは第1端部連通孔1、第2端部連通孔2を有しない。
このようにしてなる各プレート3、3a、3bは、図2に示すごとく積層され、その最上段には端板14が配置される。そして、端板14と補助孔付きエレメント10との間および各補助孔付きエレメント10間並びに各エレメント5間には短管13およびフィン6が介装される。なお、各補助孔付きプレート3a、第2補助プレート3b、プレート3の各連通孔の孔縁部は外側に僅かにバーリング加工されて突出し、その外周に短管13の開口が嵌着される。そして、互いに積層される各部品の少なくとも一方にはろう材が被覆または載置される。また、端板14の長手方向一端部には出入口パイプ11、12が並列される。一方の出入口パイプ11は、エレメント10の補助孔付きプレート3aの補助連通孔9に連通し、他方の出入口パイプ12は、補助孔付きエレメント10の第1端部連通孔1に連通する。
(作用)
図3に示すごとく、一方の出入口パイプ11からオイル等の第1流体7が流入し、それがこの例では上側の三つの補助孔付きエレメント10に、それぞれ3等分されて分流し、第1偏平流路18を流通した後、右側の第2端部連通孔2よりUターンし、下側の3つのエレメント5を右端から第2偏平流路19を左端に流通し、それらが合流して出入口パイプ12から流出する。そして、各エレメント5、10の外側およびフィン6に冷却風等の第2流体8が図1のごとく流通し、第2流体8と第1流体7との間に熱交換が行なわれるものである。
このとき、一方の出入口パイプ11から流入する第1流体7は、上部の各補助孔付きエレメント10においても、下部の各エレメント5においても、それぞれエレメントの数だけ等分に分流して流通する。そのため、図8の例に比べて、その第1流体7の流通にともなう圧力損失を低下させることができる。それとともに、第1流体7の全体の流路長が長くなり、その分だけ熱交換が促進される。
1 第1端部連通孔
2 第2端部連通孔
3 プレート
3a 補助孔付きプレート
3b 第2補助プレート
5 エレメント
6 フィン
7 第1流体
8 第2流体
9 補助連通孔
10 補助孔付きエレメント
11 出入口パイプ
12 出入口パイプ
13 短管
14 端板
16 仕切部
17 バイパスプレート
18 第1偏平流路
19 第2偏平流路

Claims (3)

  1. 外周が互いに整合し、長手方向の両端にそれぞれ一対の第1端部連通孔(1)および第2端部連通孔(2)を有し、少なくとも一方が皿状に形成された一対のプレート(3)によりエレメント(5)を構成し、
    複数のエレメント(5)がフィン(6)を介して積層されて、互いにろう付け固定され、前記各端部連通孔(1)(2)を介して第1流体(7)が各エレメント(5)の内部に流出入し、エレメント(5)の外面側に第2流体(8)が流通する積層型熱交換器において、
    前記積層された方向の端から半分迄の各エレメント(5)は、一方の前記第1端部連通孔(1)に隣接し且つ、その第1端部連通孔(1)から独立して、前記各プレート(3)の長手方向の中心側に補助連通孔(9)が貫通された補助孔付きエレメント(10)を構成し、
    前記積層方向の端に位置する補助孔付きエレメント(10)の第1端部連通孔(1)と補助連通孔(9)に、前記第1流体(7)の一対の出入口パイプ(11)(12)が取付けられ、
    第1流体(7)が、前記第2端部連通孔(2)を介して、各補助孔付きエレメント(10)と、それ以外の各エレメント(5)とをUターンするように流通することを特徴とする積層型熱交換器。
  2. 請求項1に記載の積層型熱交換器において、
    前記補助孔付きエレメント(10)は、一対の補助孔付きプレート(3a)からなり、その補助孔付きプレート(3a)はその一方の第1端部連通孔(1)の回りが浅いカップ状に形成され、その第1端部連通孔(1)に隣接し、そのプレート(3a)の長手方向の中心側に、仕切部(16)を介して補助連通孔(9)が設けられ、その補助連通孔(9)と他方の前記第2連通孔(2)との間が凹陥されて、そこに第1流体(7)の第1偏平流路(18)が形成される積層型熱交換器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の積層型熱交換器において、
    隣接する各エレメントの各連通孔(1)(2)(9)間が短管(13)で連結された積層型熱交換器。
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