JP2014142064A - 電磁流体バルブ - Google Patents

Abstract

【課題】電磁流体バルブ内において、流体渦の発生を抑制し、バルブ内部の不安定な流れを抑制する構造を提供する。
【解決手段】ハウジング部分１０、２０を介して流れる圧力媒体の通過流量を調整するための電磁流体バルブであって、ハウジング部分１０、２０は、圧力媒体のための互いに対向して存在する少なくとも２つの入口開口１２、２２と少なくとも１つの出口開口Ａとを有し、かつ入口開口１２、２２と出口開口Ａとの間に位置づけられるチャネルＫは、圧力媒体の通過流量を調整するために軸方向へ動作可能なスライド３０によって開閉されることが可能であり、ピン５０は、流体バルブの中心軸Ｘを中心として前記チャネルＫへと突き出し、ピン５０には、フローガイドのために、少なくとも略円錐、角錐または双曲線設計である外部輪郭が装備され、圧力媒体はピン５０の外部輪郭に当たり、出口開口Ａ方向へ迂回される。
【選択図】図１

Description

本発明は電磁流体バルブに関し、具体的には、特許請求項１の前提部分に記載されている、ハウジング部分を介して流れる圧力媒体の通過流量を調整するための比例バルブに関する。

アクティブに調整されることが可能である車両用ダンパシステムは既知であって、このダンパシステムは、原則として、可変開口断面の原理に従って動作する。このタイプのダンパは、液圧比例バルブを介して対応するショックアブソーバ特性値を設定し、かつ異なる運転状況に合わせて、例えば路面またはクライアントからの異なる要求に対して適合化されることが可能である。電磁コイルにより動かされる可動スライドを用いて、比例バルブは、ダンパ内の流体の通過流量を絶えず制御する。オイルが流れるその断面は、電磁比例バルブへの電流印加に依存して変えられる。これにより、通過流量の増加に伴って減少するプロファイルを有するはずの圧力損失に変化が生じる。この目的に沿って、断面を変えるバルブスライドに加わる最終的な流れ力は、開口方向へ可能な限り小さく保たれなければならないが、これは、そうでなければ、バルブスライドが十分な断面を開かず、その結果、流量の増加に伴って圧力損失が増大するプロファイルを有することに起因する。

汎用タイプを形成する比例バルブは、例えば独国特許出願公開第１０２００７００５４６６号明細書から知られていて、この比例バルブのバルブスライドは、バルブを電磁作動するための電磁電機子へ直に接続される。ハウジング内の、バルブ入口をバルブ出口へ接続している通路の断面は、バルブスライド上に設けられる制御エッジによって絶えず変えられる。この比例バルブにおいて、バルブスライドはアウタスライドとして構成され、かつバルブハウジングの入口側へ固定される管状スライドガイド上へ取り付けられて案内される。したがって、前記バルブスライドは、まずは電磁電機子を介して、かつ第２に、前記管状スライドガイドを介して取り付けられる。バルブスライドがこのように二重に取り付けられる結果として、関連コンポーネントは高い製造精度を満たさなければならず、これもまた、高い製造コストに繋がる。

この既知の電磁流体バルブでは、ハウジング内に、複数の半径方向の入口開口が設けられる場合が多い。圧力媒体は、前記半径方向の入口開口を介して電磁流体バルブのハウジング内部へ案内され、かつここで、チャネルを介して少なくとも１つの出口開口へ案内される。圧力媒体の通過流量の調整は、適切な可動スライドによって、可動スライドが入口開口を多かれ少なかれ閉鎖し、これによりチャネル内の圧力媒体の流れを絞ることにより行われる。

半径方向の入口開口の複数使用では、電磁流体バルブのハウジング内部における圧力媒体が合流してそこで渦巻くことになる点が問題である。このタイプの不安定な流れ状態、換言すれば、流体が流れるバルブ内での乱流から層流への変化は、結果的に流れ力が変動することから問題である。

独国特許出願公開第１０２００７００５４６６号明細書

本発明は、このタイプの変動する流れ力を回避し、または少なくとも低減し、かつ最初から、電磁流体バルブのハウジングへは圧力媒体の層流しか生じないことを保証する、という目的を有する。

この目的は、請求項１に記載されている特徴を有する電磁流体バルブによって達成される。

従属請求項の主題は、本発明を展開することにある。

本発明は、特殊な外部輪郭を有するピンをハウジングの流路へ挿入することを略基礎とし、このピンによって、入口開口を介して供給される圧力媒体は、出口開口の方向へと的を絞って迂回される。

次の唯一の図は、このタイプの電磁流体バルブの例示的な一実施形態を示す断面図である。

図１は、電磁流体バルブが、複数の半径方向の入口開口１２を有する外側のハウジング部分１０を有することを示している。

電磁流体バルブの、具体的には電磁比例バルブの基本構造は当業者には容易に明らかであることから、以下、本事例において本発明を理解するために不可欠であるコンポーネントについてのみ記述する。

図１が示すように、電磁流体バルブは、複数の半径方向の入口開口１２を有する外側のハウジング部分１０を有する。ここでは、圧力媒体の入口がＺで示されている。前記ハウジング部分１０の内側には、さらなるハウジング部分２０が座され、このさらなるハウジング部分２０も同様に、第１のハウジング部分１０の上述の入口開口１２に対応する入口開口２２を有する。前記第２のハウジング部分２０の内部には可動スライド３０が座され、第２のハウジング部分２０の入口開口２２は、この可動スライド３０を介して大なり小なり閉鎖されることが可能である。図示されているこの例示的な実施形態において、内側のスライドとして構成されるスライド３０はそのための穴３２を有し、これらの穴は、入口開口２２を通過して軸方向へ押しやられることが可能である。穴３２の代わりに、スライド３０が図１より幾分短いものであって、入口開口２２をその端側の前端で大なり小なり閉鎖することも即可能である。

スライド３０は、コイル１４へ電流が印加されることにより、電磁石を介して、それ自体既知の方法で動かされる。ハウジング１０の内部には、このためにポールコア１６も設けられる。

同様に、図１が示すように、電磁流体バルブは、圧力媒体の出口Ａ（右側に示されている）を有する。入口開口１２、２２と、この出口との間にはチャネルＫが位置づけられ、圧力媒体は、このチャネルＫを介して案内される。

入口１２、２２から出口Ａへと的が絞られた圧力媒体の流れガイドを発生させるために、ハウジング１０内には、中心軸Ｘを中心として特殊な外部輪郭を有するピン５０が設けられる。ピン５０は、出口開口Ａとは反対向きのその端側５２が上述の開口１２、２２および穴３２を完全に超えて突き出し、かつその端側５２に、スライド３０の内径に少なくとも略一致する外径を少なくとも略有する。ピン５０の外部輪郭は、穴１２、２２の領域内に、入口１２、２２から出口Ａへの圧力媒体の的を絞られた迂回が生じるように設計される。この目的に沿って、外部輪郭は、開口１２、２２の領域内では少なくとも略円錐、角錐または双曲線設計である。したがって、チャネルガイドＫにより図示されているように、圧力媒体は、開口１２、２２から右へ出口開口Ａ方向へと的を絞って迂回される。

したがって、例えばこのタイプのピン５０が設けられなければ発生すると思われる圧力媒体の渦巻きは回避される。ピン５０が存在しなければ、互いに対向して存在する開口１２、２２によって、圧力媒体は確実に圧力媒体自体に突き当たることになる。単に円筒形の外部輪郭を有するだけのピン５０が設けられたとしても、圧力媒体は、入口方向とは反対式に前記ピンに当たることになる。したがって、円筒形の外周を有するピンによっても同様に、圧力媒体の的を絞ったフローガイドは不可能であると思われる。

図示されているこの例示的な実施形態において、ハウジング１０の右側部分には、ダンパエレメント６０も位置づけられる。ピン５０は、前記ダンパエレメント６０へ固定式に接続され、例えば、ねじ６２によって固定式にねじ止めされる。図示されているように、ダンパエレメント６０の左に示されている部分において、ピンは、少なくとも略断面がダブルコーンとして、または単一の双曲面として構成される。

１０ 第１のハウジング部分
１２ 開口
１４ コイル
１６ ポールコア
２０ 第２のハウジング部分
２２ 開口
３０ スライド
３２ 穴
５０ ピン
５２ 端側
６０ ダンパエレメント
６２ ねじ
Ｋ チャネル
Ａ 出口
Ｚ 入口
Ｘ 軸

Claims (6)

1. ハウジング部分（１０、２０）を介して流れる圧力媒体の通過流量を調整するための電磁流体バルブであって、前記ハウジング部分（１０、２０）は、前記圧力媒体のための互いに対向して存在する少なくとも２つの入口開口（１２、２２）と少なくとも１つの出口開口（Ａ）とを有し、かつ前記入口開口（１２、２２）と前記出口開口（Ａ）との間に位置づけられるチャネル（Ｋ）は、前記圧力媒体の前記通過流量を調整するために軸方向へ動作可能なスライド（３０）によって多かれ少なかれ閉鎖されることが可能であり、ピン（５０）は、前記流体バルブの中心軸（Ｘ）を中心として前記チャネル（Ｋ）へと突き出し、
   前記ピン（５０）には、フローガイドのために、少なくとも略円錐、角錐少なくともまたは双曲線設計である外部輪郭が装備され、その結果、前記入口開口（１２、２２）から流れる前記圧力媒体は前記ピン（５０）の前記外部輪郭に当たり、かつ好ましくは、前記少なくとも１つの出口開口（Ａ）方向へ迂回されることを特徴とする電磁流体バルブ。
2. 前記ピン（５０）は、ダブルコーンまたは単一の双曲面の形式である外部輪郭を少なくとも略有することを特徴とする、請求項１に記載の電磁流体バルブ。
3. 前記ピン（５０）は、ダンパエレメント（６０）へ固定式に接続される、好ましくはねじ止めされることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の電磁流体バルブ。
4. 前記スライド（３０）は内側のスライドとして構成されることを特徴とする、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の電磁流体バルブ。
5. 前記ピン（５０）は、前記入口開口（１２、２２）を完全に超えて軸方向へ突き出すことを特徴とする、請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の電磁流体バルブ。
6. 前記出口開口（Ａ）とは反対側に面する前記ピン（５０）の端面（５２）は、前記可動スライド（３０）の内径に少なくとも略一致する直径を有することを特徴とする、請求項５に記載の電磁流体バルブ。

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