JP2014141010A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

印刷装置および印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014141010A
JP2014141010A JP2013010350A JP2013010350A JP2014141010A JP 2014141010 A JP2014141010 A JP 2014141010A JP 2013010350 A JP2013010350 A JP 2013010350A JP 2013010350 A JP2013010350 A JP 2013010350A JP 2014141010 A JP2014141010 A JP 2014141010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
printing
image quality
printing apparatus
print medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013010350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6141030B2 (ja
JP2014141010A5 (ja
Inventor
Makoto Torigoe
真 鳥越
Takeshi Yazawa
剛 矢澤
Hinako Oshiro
日奈子 尾城
Kei Yoshizawa
慧 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2013010350A priority Critical patent/JP6141030B2/ja
Priority to US14/153,340 priority patent/US20140205813A1/en
Publication of JP2014141010A publication Critical patent/JP2014141010A/ja
Publication of JP2014141010A5 publication Critical patent/JP2014141010A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6141030B2 publication Critical patent/JP6141030B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B44DECORATIVE ARTS
    • B44FSPECIAL DESIGNS OR PICTURES
    • B44F11/00Designs imitating artistic work
    • B44F11/02Imitation of pictures, e.g. oil paintings
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/46Colour picture communication systems
    • H04N1/54Conversion of colour picture signals to a plurality of signals some of which represent particular mixed colours, e.g. for textile printing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24479Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.] including variation in thickness
    • Y10T428/24612Composite web or sheet

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Color, Gradation (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】不定形で微小な部分の光沢度の差異などを適正に再現することが可能な印刷装置または印刷方法を提供する。
【解決手段】印刷装置は、画像データに基づいて印刷媒体に有色材料を付与するための第1の分布データを生成すると共に、画像データに基づいて前記印刷媒体に前記画質制御材を付与するための第2の分布データを生成する。印刷装置の印刷部は、生成された第1の分布データに基いて有色材料を印刷媒体に付与した後、第2の分布データに基いて画質制御材を印刷媒体に付与するよう制御される。
【選択図】図23

Description

本発明は、有色材料によって記録された画像の光沢を制御することを可能とする印刷装置および印刷方法に関する。
近年のインクジェットプリンタをはじめとする印刷装置では、写真や絵画などの芸術作品をより忠実に再現するために高画質化が求められ、しかも、絵画の複製印刷においては、その風合いまでも再現することが求められている。油絵などキャンバス地に描かれた絵画を複製印刷する場合、現在では、原画を写真撮影してそれを光沢紙やアート紙などに、インクジェットプリンタで高画質印刷することが行われている。こうした高画質印刷では、キャンバス地の僅かな凹凸なども再現し、より作品に近い風合いを再現する要請がある。
一方インクジェットプリンタにおいては、光沢度の違いを利用して、同一印刷媒体中に光沢度の高い領域と光沢度の低い領域とを混在させて、特殊な効果を演出した画像を印刷するという技術も提案されている。例えば、記録媒体の全面に光沢度の高い状態で印刷されている写真画像の中の一部の領域に、光沢度の低い状態で文字画像などを印刷した印刷物が提案されている。この印刷物は、見る角度を変えるとあたかも文字が浮かび上がるように見える効果があるため、カタログやグラフィックアート向けの「装飾印刷」などの用途に用いることができる。このような用途への適用を可能とする手段として、特許文献1には、無色透明な画質向上液を用い、その画質向上液を付与する際の印刷ヘッドの走査回数や各走査の間引きデータを変更することで光沢度を制御することが開示されている。これによれば、簡易な構成で印刷物内に複数段階の光沢感を与えることができる。
またその装飾印刷については、電子写真方式において、ユーザがクリアトナーでパターン形成したい画像をスキャナで読み込ませ、その画像と一致するオブジェクトに透明トナーを付与するという技術が特許文献2に開示されている。
一般に、キャンバス地に描かれた絵画を記録装置で印刷する場合には、デジタルカメラなどの撮像装置で実際の絵画を撮像し、得られた画像データに基づいて印刷装置により印刷媒体上に印刷を行う。このとき、撮像された画像では、キャンバス地特有の凹凸が明暗で再現されるため、印刷装置で印刷された画像においてもキャンバス地の凹凸は明暗で再現される。印刷物上の明暗は、有色インクの色彩や濃度によって表現することも可能であるが、印刷物における光沢度を制御することで、より優れた再現性を実現することができる。例えば、実際のキャンバス地では凹凸の凸の部分は比較的平坦であるため光沢度が高く、凹の部分はさらに細かい凹凸が存在するため光沢度が低い。したがって、この光沢度の違いを、特許文献1または2に開示されている技術などを用いて再現できれば、キャンバス地の凹凸などによる風合いも再現することができる。
特許第4040417号公報 特開2009−267610号公報
しかしながら、上記特許文献に開示の技術は、いずれも、文字や図形などのような比較的指定し易く大きな領域の光沢度を制御するものに適しており、キャンバス地の風合いを再現するには適していない。すなわち、キャンバス地の凹凸形状が画像全面にわたって不定型である上に、微小かつ複雑な形状をしている。このため、画像のオブジェクト情報として光沢度を高める部分(凸部)を、特許文献1および2のようにユーザが指定することは極めて困難であり、事実上、実施不可能であるという問題がある。
本発明は、定形で微小な部分の光沢度の差異などを適正に再現することが可能な印刷装置または印刷方法の提供を目的とする。
本発明の第1の形態は、有色材料と、画像の光沢度を制御するための画質制御材とを印刷媒体に付与することが可能な印刷部を備えた印刷装置であって、画像データに基づいて前記印刷媒体に前記有色材料を付与するための第1の分布データを生成する第1の分布データ生成手段と、前記画像データに基づいて前記印刷媒体に前記画質制御材を付与するための第2の分布データ生成手段と、前記第1の分布データに基いて前記有色材料を前記印刷媒体に付与した後、前記第2の分布データに基いて前記画質制御材を前記印刷媒体に付与するよう前記印刷部を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、不定形で微小な部分の光沢度の差異などを適正に再現することが可能になる。このため、複製印刷などにおいては作品の風合いをより適正に再現することが可能になり、印刷物の品位向上を図ることができる。
光沢度およびヘイズを説明するための図である。 有色インクおよび画質向上液による印刷媒体上でのドット形成状態と光沢度および写像性との関係を説明するための図である。 図2におけるドット形成状態と写像性および光沢度との関係を説明するための図である。 第1の実施形態で適用するインクジェット印刷装置の外観斜視図である。 インクジェット印刷装置における本体部の内部構成を示す斜視図である。 第1の実施形態における印刷ヘッドに設けられた6色の有色インクを吐出するノズル列と無色透明な画質向上液を吐出するノズル列の配置を示す図である。 第1の実施形態におけるインクジェット印刷装置の制御系の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるインクジェット印刷装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるインクジェット記録装置で用いるドットパターンの例を示す図である。 マルチパス印刷で用いるマスクパターンを示す図である。 図10のマスクパターンを用いたマルチパス印刷処理を示す図である。 第1の実施形態で用いる特徴的なマスクパターンを示す図である。 画質向上液の装飾印刷における使用方法および装飾効果を示す図である。 第1の実施形態で用いる装飾印刷用の画質向上液で用いるマスクパターンを示す図である。 第1の実施形態の印刷ヘッドにより有色インクと画質向上液とを印刷媒体に付与する方法を示す図である。 第1の実施形態において装飾効果を得るために印刷媒体上にどのように画質向上液のドットを形成するかを説明するための図である。 図16におけるドット形成状態と写像性及び光沢度との関係を説明するための図である。 第1の実施形態において有色インクおよび光沢制御のための画質向上液のマスクパターンと、装飾印刷のための画質向上液のマスクパターンが、マルチパス印刷において使用される様子を示す図である。 光沢制御用の画質向上液と装飾印刷用の画質向上液が印刷媒体上で形成される様子を示す模式図である。 本発明の実施形態で用いる8種類のインクの調製を説明する図である。 キャンバス地に描かれた絵画を撮像した画像の例を示す図である。 本発明の実施形態において図21に示す画像のY成分の中から所定の閾値周波数よりも高い高周波成分のみを抽出した画像を示す図である。 キャンバス地の凹部と凸部を判別するための判別方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態において有色インクおよび光沢制御のための画質向上液のマスクパターンと、装飾印刷のための画質向上液のマスクパターンが、マルチパス印刷において使用される様子を示す図である。 第2の実施形態において光沢制御用の画質向上液と装飾印刷用の画質向上液が印刷媒体上で形成される様子を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[光沢度と写像性の評価方法]
まず、本発明の実施形態において、印刷画像の光沢均一性を評価するための基準となる印刷物表面の光沢度と写像性について説明する。
印刷媒体や画像の光沢感を評価する指標には、光沢度と写像性がある。以下、光沢感の評価方法、および光沢度と写像性の関係を説明する。
図1(a)〜(d)は、検出器により検出される印刷物表面からの反射光と、光沢度およびヘイズの関係を説明するための図である。
図1(a)に示すように、20°鏡面光沢度(以下、光沢度と称す)およびヘイズは、印刷物表面で反射した反射光を検出器によって検出することによりそれらの値を求めることができる。なお、検出器としては、例えば、BYK−Gardner社製のB−4632(日本名;マイクロ−ヘイズ プラス)を用いる。反射光は、その正反射光の軸を中心にある角度で分布している。図1(d)に示すように、光沢度は、例えば検出器中心の開口幅1.8°で検出されるものであり、ヘイズは、その外側の例えば±2.7°までの範囲で検出されるものである。
すなわち、反射光が観察される場合、その分布の中心軸をなす正反射光の入射光に対する反射率が光沢度と定義される。この光沢度が大きいほど観測者は光沢感があると感じる。また、反射光の分布において正反射光の近傍に生じている散乱光を測定したものがヘイズもしくはヘイズ値と定義される。このヘイズ値が高い場合には、光沢度が高いても観測者には白っぽくくすんで見えることとなる。なお、上記検出器により測定される光沢度およびヘイズの単位は無次元で、光沢度はJIS規格のK5600に、ヘイズはISO規格のDIS13803に準拠している。
写像性は、例えば、JIS H8686『アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性測定方法』やJIS K7105『プラスチックの光学的特性試験方法』を用いて測定され、記録媒体に映り込んだ像の鮮明さを表す。例えば、記録媒体に映り込んだ照明像がぼやけている場合は、写像性の値が低くなる。写像性を測定する装置としては、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機株式会社製)や、写像性測定装置GP−1S(株式会社オプテック製)がJIS規格に準拠したもので市販されている。
図2(b)および(c)は、印刷画像の表面の粗さに応じて反射光の量や向きが異なることを示す図である。この図1に示されるように、一般に、表面が粗くなるほど反射光が拡散し正反射光の量が減るため、写像性と光沢度がより小さく測定される。以下、本実施形態では、目標の写像性に対して、測定した写像性の測定値が小さいことを、写像性が低いと記載する。また、目標の光沢度に対して、測定した光沢度の測定値が小さいことを、光沢度が低いと記載する。
[ドット形成状態と光沢度・写像性の関係]
顔料インクを用いた印刷画像の光沢を一様化するためには、顔料系の有色インク(有色材料)の印刷デューティ、すなわちドットの密度に応じて、無色透明な画質向上液と顔料インクとが互いに混合された状態にする必要がある。
図2(a)〜(f)は、印刷媒体上でのドット形成状態と光沢度・写像性との関係を説明するための図である。図2(a)〜(c)は、有色インクのドットのみがドット密度に応じて印刷媒体の表面上に形成された状態を示し、図2(d)〜(f)は図2(a)〜(c)の状態に対して、画質向上液を付与した状態を示している。
図2(a)は有色インクのドット密度が比較的少ないハイライト部のドット形成状態を示している。この時、印刷物の表面の光沢度(ここでの光沢度とは、JISで定義されている20°鏡面光沢度を指す。詳細は第1の実施形態において後述する。)は、印刷媒体自体の光沢度の寄与率が大きくなる。一般的には印刷媒体自体の光沢度よりも顔料系有色インクの光沢度の方が高い。このためハイライト部では図2(d)に示すように、有色インクのドットが付与されていない部分に画質向上液を付与することによって、中間調部やシャドー部などとの光沢度の差を小さくする必要がある。なお、この技術については、特許文献1にも開示されている。
一方、図2(b)に示す中間調部においては、有色インクのドット密度が比較的多く、印刷媒体表面上で占める有色インクのドットの割合が多い状態である。このとき印刷物表面の光沢度は、顔料系有色インクの高い光沢度によって、印刷物の表面全体が非常に高い光沢度となる。特に顔料濃度の低い、いわゆる淡インク系で図2(b)の状態を形成した場合、20°鏡面光沢度で100を超える状態となる。この光沢度は、印刷物として見るとぎらぎらとした光沢が高すぎる印象を受け、あまり好ましくない。本発明者が被験者テストを行い、最適な20°鏡面光沢度を調べたところ、60から80の間の光沢度が好ましいと認識される結果が得られた。
しかしながら、有色インクの上に全体的に画質向上液を付与したとしても、画質向上液そのものの鏡面光沢度は有色インクとあまり変わらないため、高すぎる光沢度を下げることができない。そこで、図2(e)に示すように、有色インクと画質向上液をある程度混同させてドットを形成させ、印刷物の表面(印刷面)に凹凸を持たせることで高すぎる鏡面光沢度を抑制することが可能となる。このような印刷面の処理を実施した場合、光沢度を決めるもう1つの要素である写像性(印刷面に対して像がどれだけ鮮明に写り込むか)にも影響が及び、若干写像性が低下することとなる。しかし、他の階調とのバランスをとることで全体の光沢の均一化を図ることができる。
さらに図2(c)にシャドー部における有色インクのドット形成状態を示す。図示のように、有色インクドット同士が重なった部分においては、顔料インクの色材や分散樹脂等の固形分量が多くなるために、表層が印刷媒体の表面から盛り上がった状態となり、全体に凹凸が発生する。このとき印刷面の写像性は前述のよう若干低くなるが、鏡面光沢度が高くなり過ぎるのを抑えることができ、20°鏡面光沢度は前述の好ましい値である60から80程度となる。従って、図2(c)においては、画質向上液によって光沢度を制御する必要はなくなり、図2(f)は、図2(c)と全く同じになる。
以上の図2の(a)から(f)の光沢性(20°鏡面光沢度と写像性)の関係をまとめて図3に示す。
[装置構成]
図4は本実施形態で適用する印刷装置としてのインクジェット印刷装置200を示す外観斜視図であり、図5はインクジェット印刷装置200における本体部IP1の内部構成を示す斜視図である。
本実施形態におけるインクジェット印刷装置200では、給紙トレイ12に積層された印刷媒体が、図4の矢印Zで示す方向に一枚ずつ本体部201の内方へと給送される。その後、印刷媒体は、本体部201にて間欠的に搬送されつつ画像の印刷が行われ、排紙トレイ23へと排紙される。
ここで、本体部IP1の構成および記録動作をより詳細に説明する。図5において、キャリッジ5に搭載された印刷部としての印刷ヘッド1は、矢印X1、X2方向にガイドレール4に沿って往復移動しながらノズルからインクを吐出し、記録媒体S2上に画像を形成する。印刷ヘッド1は、例えば、互いに異なった色のインクを吐出する複数のノズル列と、画質向上液を吐出するノズル列とを有している。本実施形態では、後述する6色の有色インク、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)それぞれに対応する複数のノズル列を備える。この他、本実施形態では、無色透明な画質向上液(CL)を吐出するためのノズル列も有している。これら各色のインクと画質向上液は、それぞれインクタンク(不図示)に貯留され、各インクタンクから印刷ヘッド1の各ノズル列にインクが供給される。印刷ヘッド1に設けられた6色の有色インクを吐出するノズル列と、無色透明な画質向上液を吐出するノズル列の配置を図6に示す。
本実施形態では、不図示のインクタンクと印刷ヘッド1とが一体となってヘッドカートリッジ6を構成しており、このヘッドカートリッジ6がキャリッジ5に搭載される構成となっている。また、キャリッジモータ11の駆動力をタイミングベルト17によってキャリッジ5に伝えることにより、ガイド軸3とガイドレール4に沿って、キャリッジ5を矢印X1,X2方向(主走査方向)に往復移動させる。このキャリッジ5の移動位置は、キャリッジ5に設けられたエンコーダセンサ21が、キャリッジの移動方向に沿って備えられたリニアスケール19を読み取ることにより検出される。
印刷すべき印刷媒体S2が給紙トレイ12より本体部IP1へと送給されると、搬送ローラ16とピンチローラ15によってさらにプラテン2まで搬送される。次に、キャリッジ5がX1方向に移動すると共に印刷ヘッドからインクが吐出されることによって一走査分の印刷が行われると、搬送モータ13の駆動力によってリニアホイール20を介して搬送ローラ16が回転する。これにより、印刷媒体S2が副走査方向である矢印W方向に所定量搬送される。その後、キャリッジ5がX2方向に走査しながら、印刷媒体S2に対し次の一走査分の印刷が行なわれる。キャリッジ5の移動経路におけるホームポジションには図5に示すように、ヘッドキャップ10と回復ユニット14が備えられ、必要に応じて間欠的に印刷ヘッド1の回復処理を行う。以上の動作を繰り返すことにより、記録媒体の1枚分の記録が終了すると、記録媒体は排紙され、1枚分の記録が完了する。
図7は、本実施形態におけるインクジェット印刷装置(以下、単に記録装置ともいう)の制御系の構成を示すブロック図である。記録装置の装置本体210には、コントローラ100が設けられている。このコントローラ100は記録装置の各部の制御を行う主制御部であり、例えばマイクロ・コンピュータ形態のASIC101、ROM103、RAM105などを有する。ROM103は、ドット配置パターン、マスクパターン、その他の固定データを格納している。RAM105は、画像データを展開する領域や作業用の領域等を有している。ASIC101は、ROM103からプログラムを読み出し、画像データを印刷媒体へ記録するまでの一連の処理を実行する。
ホスト装置110は、後述する画像データの供給源(印刷すべき画像のデータの作成、処理等を行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部等の形態であってもよい)である。画像データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100と送受信される。
ヘッド・ドライバ140は、プリント・データ等に応じて印刷ヘッド1を駆動するドライバである。モータ・ドライバ150はキャリッジモータ11を駆動するドライバであり、モータ・ドライバ160は搬送モータ13を駆動するドライバである。
[インク構成]
次に、本実施形態のインクジェット印刷装置で使用される顔料色材を含む有色インク(以下インクともいう)と無色透明で光沢制御に用いる画質向上液について説明する。
まず、インクを構成する各成分について説明する。
(水性媒体)
本発明で使用するインクには、水および水溶性有機溶剤を含有する水性媒体を用いることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として3.0質量%以上50.0質量%以下とすることが好ましい。また、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として50.0質量%以上95.0質量%以下とすることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
・メタノール、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、ブタノール、ブタンジオール、ペンタノール、ペンタンジオール、ヘキサノール、ヘキサンジオール、等の炭素数1〜6のアルキルアルコール類
・ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類
・アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類
・テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類
・ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の平均分子量200、300、400、600、及び1,000等のポリアルキレングリコール類
・エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレン基を持つアルキレングリコール類
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート
・グリセリン
・エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類
・N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
また、水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。
(顔料)
顔料は、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上15.0質量%以下とすることが好ましい。
ブラックインクは、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックを顔料として用いることが好ましい。具体的には、例えば、以下の市販品等を用いることができる。
・レイヴァン:7000、5750、5250、5000ULTRA、3500、2000、1500、1250、1200、1190ULTRA−II、1170、1255(以上、コロンビア製)
・ブラックパールズL、リーガル:330R、400R、660R、モウグルL、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000、ヴァルカンXC−72R(以上、キャボット製)
・カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製)
・No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MX100(以上、三菱化学製)
また、本発明の実施形態のために新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではなく、従来のカーボンブラックを何れも用いることができる。又、カーボンブラックに限定されず、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子や、チタンブラック等を顔料として用いてもよい。
有機顔料は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
・トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッド等の水不溶性アゾ顔料
・リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料
・キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料
・ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料
・イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料
・ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料
・ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料
・インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料。フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等
なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、例えば、以下のものを用いることができる。
・C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185等
・C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等
・C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192等
・C.I.ピグメントレッド:215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等
・C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等
・C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等
・C.I.ピグメントグリーン:7、36等
・C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等
なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(分散剤)
上記のような顔料を水性媒体に分散するための分散剤は、水溶性を有する樹脂であれば何れも使用することができる。特に、分散剤の重量平均分子量が1,000以上30,000以下、さらには3,000以上15,000以下のものが好ましい。インク中の分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上5.0質量%以下とすることが好ましい。
分散剤は、具体的には、例えば、次のものを用いることができる。スチレン、ビニルナフタレン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、またはこれらの誘導体等を単量体とするポリマー。なお、ポリマーを構成する単量体のうち1つ以上は親水性単量体であることが好ましく、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等を用いても良い。また、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂を用いることもできる。これらの樹脂は、塩基を溶解した水溶液に可溶である、すなわち、アルカリ可溶型であることが好ましい。
(界面活性剤)
インクセットを構成するインクの表面張力を調整するためには、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤等の界面活性剤を用いることが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール類、アセチレングリコール化合物、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物等を用いることができる。
(その他の成分)
インクセットを構成するインクは、前述の成分の他に、保湿性維持のために、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタン等の保湿性固形分を含有してもよい。インク中の保湿性固形分の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上20.0質量%以下、更には3.0質量%以上10.0質量%以下とすることが好ましい。また、インクセットを構成するインクは、前述の成分以外にも、必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、及び蒸発促進剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
次に、本実施形態で用いるインクをより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記の実施形態によって限定されるものではない。なお、文中「部」、及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[顔料分散液1〜4の調製]
以下に示す手順により、顔料分散液1〜4を調製した。なお、以下の記載において、分散剤とは、酸価200、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、10質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた水溶液のことである。
(C.I.ピグメントレッド122を含む顔料分散液1の調製)
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。さらに、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液1を得る。
(C.I.ピグメントブルー15:3を含む顔料分散液2の調製)
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて5時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。さらに、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液2を得る。
(C.I.ピグメントイエロー74を含む顔料分散液3の調製)
顔料(C.I.ピグメントイエロー74)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて1時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。さらに、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液3を得る。
(C.I.ピグメントブラック7を含む顔料分散液4の調製)
カーボンブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散する。なお、分散する際の周速は、顔料分散液1を調製する際の2倍とした。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去する。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液4を得る。
(インクの調製)
図20に示した各成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、インク1〜6を調製する。
次に、本実施形態で用いる光沢を制御するための無色透明な画質向上液を説明する。
(画質向上液の調整)
ラジカル開始剤を用いた溶液重合法により合成したスチレン(St)−アクリル酸(AA)共重合体A(St/AA=70/30(質量%)、分子量:10500、実測酸価:203)を用いて、下記組成の液体組成物Aを作成する。なお、塩基性物質としては水酸化カリウムを用い、液体組成物のpHが8.0となるように添加量は調整する。
・スチレン−アクリル酸共重合体X2部
・グリセリン 7部
・ジエチレングリコール 5部
・水 86部
上記調整により得られる画質向上液は、光沢を制御するための液である。なお、同様の効果が得られる限り、画質向上液は上記の例に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明に係る印刷装置の第1の実施形態を、インクジェット印刷装置を例に採り詳細に説明する。
図8は本実施形態におけるインクジェット印刷装置の画像処理部の構成を示すブロック図である。
まず、有色インクと光沢を制御する無色透明の画質向上液を印刷媒体に付与するための画像データを生成する処理(第1の分布データ処理)のフローについて説明する。図8に示すホスト装置であるPC110からは、アプリケーション901によってR、G、B(レッド、グリーン、ブルー)それぞれの色に対応する8bitの画像信号(合計24bitの信号)がデジタル画像データ(第1の分布データ)として出力される。このRGBの画像データは色処理部902に入力される。色処理部902では、RGBからインクジェット印刷装置で使用する有色インク色のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタ(以下、C、M、Y、K、LC、LMと略する)の信号に変換する。さらに色処理部902では、RGBの画像データから、光沢を制御するための無色透明の画質向上液CLに変換する。これらの出力信号は階調性を確保するため、各色12bit、計84bitの信号となる。
ハーフトーン処理部903では、入力された各色12bit(=4096値)の多値信号に対して、誤差拡散等の擬似中間調処理(ハーフトーニング処理)を行い、それによって多値信号を4096値よりも少ないN値のデータに変換する。ここで、N値とは、3〜16値程度の各色2〜4bitの値である。本実施形態では多値ハーフトーニングで説明をするが、これに限るものではなく、2値ハーフトーニングでも良い。
本実施形態では、図8に示すハーフトーニング処理部903で行なわれる処理までがPC(ホスト装置)110上で行なわれる。そして、ハーフトーニング処理以降の処理は、記録装置本体で行われる。そのため、PCにおいてハーフトーニング処理されたN値のデータが第1プリントバッファ905に格納される。
ドットパターン展開部907では、第1プリントバッファ905から出力されたN値のデータに対応するN種類の階調のドットパターンを展開する。このドットパターンの例を図9に示す。図9は、入力される5値のデータを、2×2画素のドットパターンに展開した例を示している。図中、黒で塗りつぶされた画素はドットが印刷される画素(以下、この画素を印刷画素と称す)を、白の画素はドットが印刷されない画素(以下、この画素を非印刷画素と称す)をそれぞれ示している。
マスク処理部909は、画像データを間引いて複数の画像データに分割するためのマスク処理を行う。すなわち、同一の画像形成領域に対して印刷ヘッドを複数回走査させて画像を完成させるマルチパス印刷において、同一の画像形成領域に対する画像データを、所定の間引きマスクパターンを用いて各走査回数分の画像データに分割する。
ここで、一般的な間引きマスクパターン(以下、単にマスクパターンと称す)を、図10を参照しつつ説明する。図10に示すマスクパターンは、同一の画像形成領域に対して4回の走査を行うことにより画像を完成させる4パス用マスクパターンMPの例を示している。このマスクパターンMPは各々の走査(パスともいう)においてドットを印刷する画素を黒ドットで表し、ドットを印刷しない画素を白抜きで表している。ここに示すマスクパターンMPでは、ドットが形成される画素はランダムに配置されるようになっている。
印刷ヘッドの一回の走査によって印刷される画像形成領域の縦横のサイズは768画素×768画素である。図10において縦方向(W方向)は印刷ヘッドのノズル列方向、横方向(X方向)は印刷ヘッドが走査する主走査方向を表す。縦方向のサイズ768画素は印刷ヘッドのノズル数(768ノズル)と対応している。図10の破線で示すように縦方向768画素を1/4の192画素に分割した際に、それぞれ1〜4パスのマスクパターンとなり、かつこれら1〜4パスのマスクパターンはそれぞれ補間関係にある。本例では1〜4パスのマスクパターンはそれぞれ、印刷ドットを形成させる比率(デューティ)が略同一となっている。ここで、印刷デューティとは、印刷媒体の一定の記録領域内に設定される画素数と、記録領域内に印刷されるドット数の割合を意味する。したがって、全ての画素に1つのドットが形成された場合、つまり、画素の数とドットの数が等しい場合を100%の印刷率(印刷デューティ)という。本実施形態では、前述のように各パスに対応したマスクパターンが、略同一の印刷比率であるため、各マスクパターンは約25%の印刷デューティを有するものとなっている。
図11に、図10のマスクパターンを用いたマルチパス印刷処理を示す。図中、1201から1204は同一の印刷ヘッドを示しており、マルチパス印刷において印刷ヘッドと印刷媒体との相対位置が走査毎に変化する様子を表している。なお、図11では図示を簡略化するため1色の印刷ヘッドのみを示している。4パスのマルチパス印刷を行う際、印刷媒体は不図示の搬送機構によってW方向へ、印刷ヘッドのノズル配列長の1/4の距離(192画素に相当する距離)毎に間欠的に搬送されて印刷ヘッドに対する相対位置が変化して行く。
ここで、本実施形態で用いる特徴的なマスクパターンについて図12を用いて説明する。図12の一般的な4パスマスクパターンと異なるのは、1パス目と2パス目に対応する部分のみ印刷ドットが存在し、3パス目と4パス目には全く印刷ドットが存在しないことである。すなわち実質的には2パスのマルチパスで画像を印刷していることとなり、1パス目と2パス目のそれぞれの領域に対する印刷デューティは、約50%となっている。このように、1パス目と2パス目に対応する部分にのみ印刷ドットが存在するマスクパターンは、有色インクC、M、Y、K、LC、LMと、画質向上液CLの計7種類の色の印刷に適用される。前述の(ドット形成状態と光沢度・写像性の関係)の箇所でも述べた通り、全ての階調の領域において光沢度を均一化させるためには、有色インクと画質向上液とは同じ走査で印刷する必要がある。つまり、光沢度を画像全体において均一化するためには、有色インクを付与するためのデータと画質向上液を付与するためのデータの何れにおいても図12に示すタイプのマスクパターンを用いる。
有色インクは図8のマスク処理部909で画像データの間引き処理が行われた後、912の有色インク用の印刷ヘッドに間引き処理された後の画像データ(間引き画像データ)が送られ、そのデータに基いて印刷ヘッドが駆動される。なお、上記の色処理部902、ハーフトーン処理部903、プリントバッファ905、ドットパターン展開部907、マスク処理部909によって第1の分布データ生成手段を構成している。
次に、画像の装飾効果を得るために画像向上液を印刷媒体に付与するための画像データ(第2の分布データ)を生成する処理(第2の分布データ生成処理)について述べる。
図13(a)において、1401は印刷媒体を示し、1402は印刷媒体の中の画像領域を示す。この画像領域1402の中に有色インクが付与される。さらに1403に示す文字「ABC」は、有色インクによって印刷された画像領域に画質向上液によって装飾印刷された文字を表す。このように、有色インクで印刷された箇所に画質向上液を付与することで光沢度が変化し文字が浮き出るような効果が得られる。
画質向上液を装飾インクとして印刷媒体に付与するため、画質向上液CLを印刷ヘッドから吐出させるための画像データを生成する処理を、図8を参照しつつ説明する。アプリケーション901からは、例えば、図13(a)に示す装飾印刷1403を施すべく、画質向上液CLを吐出するための画像データ1404が図13(b)に示すように生成される。この画像データ1404は、ユーザがアプリケーション901の持つ機能を用いて、画質向上液CLのみを付与するために生成された画像データであり、有色インクを吐出するための通常の画像データとは別に生成される多値データである。色処理部902から出力される有色インクの画像データや光沢度の均一化を図るための光沢制御に用いる画質向上液の画像データは階調性を考慮して12bitとしているが、装飾印刷のための画質向上液の画像データは階調性をそれほど必要としない。したがって、装飾印刷のための画質向上液の画像データは、8bitのデータ、すなわち256階調を表すデータとする。ハーフトーニング処理部904では入力された装飾印刷用の画質向上液の多値データをハーフトーニング処理して256値よりも少ないM値のデータに変換する。
ハーフとーニング処理部904から出力されたM値のデータは、装置本体201に設けられた第2プリントバッファ906へと送られた後、ドットパターン展開部908に展開される。なお、この処理は、有色インクと光沢制御のための画質向上液に関するデータ処理と同様であるため、詳細説明は省く。
ドットパターン展開部908に展開された画像データは、マスク処理部910においてマスク処理(間引き処理)される。ここで用いる装飾印刷用画質向上液に用いるマスクパターンについて図14を用いて説明する。図14に示すマスクパターンは、前述の有色インクと光沢制御のための画質向上液で用いるマスクパターン(図12参照)を上下反転した形となっている。このマスクパターンは、3パス目と4パス目にあたる部分のみ印刷ドットが存在し、1パス目と2パス目には全く印刷ドットが存在しないマスクパターンとなっている。
マスク処理部909で用いられる図12の有色インク用マスクパターン、およびマスク処理部910で用いられる図14の装飾印刷用マスクパターンが、それぞれマルチパス印刷でどのように用いられるかを、図18を用いて説明する。
図18(a)、(b)の2101から2104は、同一の印刷ヘッドを示しており、マルチパス印刷において印刷ヘッドと印刷媒体との相対位置が走査毎に変化する様子を表している。なお、図18では図示を簡略化するため1色の印刷ヘッドのみを示している。
図18に示すように、4パスのマルチパス印刷を行う際、印刷媒体は不図示の搬送機構によってW方向へ、印刷ヘッドのノズル配列長の1/4の距離毎に間欠的に搬送され、印刷ヘッドに対する相対位置が変化して行く。ここで、図20の(a)は図14の有色インク用マスクパターンを用いたマルチパス印刷を、図18の(b)は図15の装飾印刷用マスクパターンを用いたマルチパス印刷をそれぞれ示す。図18(a)に示すように、前半のN+1パスとN+2パスの2つのパスで画像の形成が行なわれ、図20(b)に示すように、後半のN+3パスとN+4パスの2つのパスで画像の形成(画質向上液の付与)が行なわれる。
合成部911では、マスク処理部909で間引いた光沢制御のための画像データと、マスク処理部910で間引いた装飾印刷のための画像データとを合成する。間引き処理に使用するマスクパターンは図12および図14に示すように非印刷ドットが存在するパス領域のデータが互いに排他的になっている。このため、合成部911では、各画像データの各ビットデータについて論理和処理(OR処理)を行なう。合成部911で合成された画像データは、画質向上液用ヘッド913に送られ、ヘッドが駆動される。なお、上記のハーフトーン処理部904、プリントバッファ906、ドットパターン展開部908、マスク処理部910によって第2の分布データ生成手段を構成している。
次に、上述の図8に示すデータ処理によって生成された画像データに基づき、有色インクと画質向上液とが、実際に、印刷媒体に対してどのように付与されるかを説明する。
図15において、1601は印刷媒体を示している。また、1602は有色インク用印刷ヘッドを、1603は画質向上液用印刷ヘッドをそれぞれ示している。両印刷ヘッド1602,1603は、図15に示すように印刷ヘッド1602、1603が往復移動する主走査方向(矢印X方向)に沿って並設されている。また、1604は有色インクを吐出する印刷ヘッド1602の使用領域および画像の光沢制御のために画質向上液を吐出する印刷ヘッド1603の使用領域を示している。この使用領域1604に位置する両印刷ヘッド1602、1603それぞれのノズルにより、有色インクと画質向上液とを印刷媒体に同時に付与する同時印刷により画像が形成される。
また、図15において、1605は装飾印刷のために画質向上液を吐出する印刷ヘッドの使用領域を示している。この使用領域では、有色インクを吐出する印刷ヘッド1602の使用領域1604によって形成された画像に対して画質向上液が後から付与される、後がけ印刷が行われる。
次に、上記の同時印刷および後がけ印刷の実施工程を、図19の模式図に基いて説明する。
まず、有色インクと画質向上液とが同時に付与される同時印刷の実施工程を説明する。図19において、N+1の印刷パスでは、有色インクおよび光沢制御用の画質向上液を付与するための画像データが、それぞれ50%デューティのマスクパターン2201によって間引かれ、その間引き画像データに基づいて間引き画像2206が形成される。この後、N+2の印刷パスにおいては、有色インクおよび光沢制御用の画質向上液の画像データが、印刷デューティ50%のマスクパターン2202によって間引かれ、その間引き画像データに基づき間引き画像2207が形成される。マスクパターン2201とマスクパターン2202とは相補的な関係にあるため、両マスクパターンに基いて形成された間引き画像2206と2207も相補的な関係となる。
M+2の印刷パスの後、M+3の印刷パスおよびM+4の印刷パスが順時行われる。これらの印刷パスでは、有色インクおよび光沢制御用の画質向上液の画像データが、それぞれ印刷デューティ0%(間引きデューティ100%)のマスクパターン2203および2204によって間引かれる。このため、印刷媒体には2208、2209に示すように色インクおよび画質向上液は全く付与されない。以上により、印刷媒体の印刷領域2205には、画像2206、2207、2208、2209を重ね合わせた画像、すなわち、間引き画像2206と2207とを重ね合わせた画像2219が形成される。
一方、画質向上液は、上記のN+1の印刷パス〜N+4の印刷パスにおいて次のように印刷媒体に付与される。まず、N+1およびN+2の印刷パスでは、装飾印刷用の画質向上液を付与するための画像データが印刷デューティ0%(間引きデューティ100%)のマスクパターン2210および2211によって間引かれる。このため、印刷媒体には2215および2216に示すように装飾印刷用の画質向上液は、全く付与されない。
次に、N+3およびN+4の印刷パスでは、装飾印刷用の画質向上液を付与するための画像データが印刷デューティ50%(間引きデューティ50%)のマスクパターン2212および2213によって間引かれる。これにより、N+3の印刷パスとN+4の印刷パスとにおいて50%間引かれた画像2217と2218とがそれぞれ印刷される。したがって、印刷媒体の印刷領域2214には、画像2215、2216、2217、2218を重ね合わせた画像、すなわち、間引き画像2217と2218とを重ね合わせた画像2220が形成される。さらに、画像2219と画像2220の画像データは、図9の合成部911で合成されるため、最終的に2221のような画像が印刷結果として得られる。この場合、画像2219が印刷媒体上に先行して形成され、画像2220が画像2219よりも後に印刷される。このため、画像2221における「ABC」で表した装飾印刷の画質向上液の下にも、画像2219の形成 時に付与された光沢制御用の画質向上液が存在している。
ここで、装飾効果を得るために印刷媒体上にどのように画質向上液のドットを形成するかを、図16を用いて説明する。
図16(a)〜(c)は、前述の(ドット形成状態と光沢度・写像性との関係)を説明するために用いた図2と同様、有色インクのドットのみがドット密度に応じて印刷媒体上に形成される様子を示している。また、図16(d)〜(f)は、図16(a)〜(c)に示すドット形成状態において、光沢制御用の画質向上液および、装飾印刷のための画質向上液を付与した様子を示している。図16(d)〜(f)における範囲Sは、装飾印刷用の画質向上液のドットを形成する箇所を示し、範囲S以外の箇所は装飾印刷用の画質向上液のドットを形成しない箇所を示す。
また、図16(d)に示すハイライト部は、装飾印刷を行わない箇所(図16(d)に示した範囲S以外の箇所)には、既に光沢を均一化するために画質向上液が付与されている。このため、装飾印刷を行う箇所(図16(d)に示した範囲S)にさらに多くの画質向上液を付与しても光沢度は均一化せず、逆に表面形状が荒れてしまう。このため、ハイライト部では装飾印刷を行う箇所には画質向上液を付与しない。
さらに、図16(b)に示す中間調部、図16(c)に示すシャドー部はいずれも有色インクのドットに対して、装飾印刷を行う箇所(図16(b)、(c)に示した範囲S)の上層に、装飾印刷用の画質向上液のドットが形成される。この状態を図17(e)、(f)に示す。
このようなドット形成状態にすることで、印刷物の表面形状をあまり変化させずに、光沢度の差異を出すことが可能になる。すなわち、有色インクの色材そのものが持つ高い光沢度の領域と、それよりも低い光沢度を有する画質向上液に被覆された領域とで、光沢度の差が発生するため、所望の装飾印刷の効果が得られる。
ここで、図16の(a)〜(f)のドット形成状態における光沢度と写像性の関係を図17に示す。図17に示すように、装飾部では光沢度が低い状態となり、非装飾部では光沢度が高い状態(中程度の状態)となる。このように印刷物の中に光沢度の異なる部分を形成し、これが人間の目に認識されることにより、印刷物内に色相の違いとは異なる光学的装飾効果が得られる。
次に、上記のような装飾印刷の効果を応用、発展させることによって、キャンバス地に描かれた絵画の複製印刷物の風合いを向上させる技術について説明する。
キャンバス地に描かれた絵画を撮影した画像の一例を、図21に示す。図示のように、比較的大きなサイズまで拡大された絵柄が描かれている下地の全面には、キャンバス特有の凹凸のパターンが明暗のパターンとして存在する。キャンバス地は、その凸部が比較的平坦なため光沢性が高く、凹部はさらに微小な凹凸があるため光沢性が低い。従って本実施形態では、上記の装飾印刷技術を用いて、凹部を装飾部、凸部を非装飾部とし、装飾部には画質向上液を付与し、非装飾部には画質向上液を付与しないようにし、これによってキャンバス地の凹凸の風合いを向上させるようになっている。以下、このキャンバス地の凹凸に応じた画質向上液の付与制御についてより詳細に説明する。
図23は、キャンバス地の凹部と凸部を判別するための判別方法を示すフローチャートであり、このフローチャートに基づく制御は、図7に示すホスト装置101で行われる。
まず、キャンバス地に描かれた絵画を撮影して得た画像を構成する全画素のRGBの値を示すデータ2501を、YCbCrの各要素の値(要素値)を示すデータに変換する(ステップ2502)。
このRGB→YCbCrの変換は以下の式で示される。
ここでYは明るさ、Cbはブルー度合い、Crはレッド度合いを示す値になる。
次に、上記のように全画素の値(画素値)がYCbCrデータに変換された画像データ2503のY成分に対して空間周波数解析を行う(ステップ2504)。この後、ステップ2505では、Y成分の中から所定の閾値周波数よりも高い高周波成分のみを抽出する。すなわち、明るさ成分Yの中から、高周波成分のみの画像2506が得られる。この画像2506は例えば図22に示すような画像となる。この画像2506では明るさ成分Yの高周波成分のみが抽出されているので、比較的大きなサイズの絵柄はほとんど消失して、キャンバス地のパターンのみが残ることとなる。
この後ステップ2507では、明るさ成分であるY成分が所定の条件を満たしているか否かの判定を行ない、その判定結果に基いて当該Y成分を含んだ画素を装飾部または非装飾部として設定する。すなわち、予め定めた閾値(Y閾値)と、画像2506の各画素のY成分の値とを比較し、Y成分の値がY閾値より大きい(すなわち明るい)場合には、その画素を非装飾部として設定する(ステップ2508)。また、各画素のY成分がY閾値より小さい(すなわち暗い)場合には、その画素を装飾部として設定する(ステップ2509)。そして、ここで設定された装飾部と非装飾部とに基いて画質向上液を塗布するか否かを示す画質向上液用の画像データを生成する。
以上のように本実施形態では、画像の中の空間周波数の高い部分を抽出してキャンバス地の凹凸部分を抽出し、明るい部分である凸部には画質向上液を付与せず、暗い部分である凹部には光沢度を低下させるために画質向上液を付与する。その結果、キャンバス地に描かれた絵画の風合いを、印刷画像においてより適正に再現することが可能となり、高品位な印刷画像を提供することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態では、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液(画質向上材)によるマルチパス印刷におけるパス数と、装飾印刷用の画質向上液によるマルチパス印刷におけるパス数と、を異ならせている。
上記の第1の実施形態では、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液による第1のマルチパス印刷も、装飾用印刷用の画質向上液による第2のマルチパス印刷も、それぞれ2パスで行われ、合計4パスで形成すべき画像を完成させている。しかしながら、有色インクによる2パスでの印刷では、インクジェット印刷装置の本体部の機構部における部品のばらつきや搬送動作における搬送精度のばらつき等によって、インクの着弾位置のずれ(ドットの形成位置のずれ)が発生するおそれがある。そのような着弾位置のずれは、局所的な濃度変動となってスジやムラといった画像弊害を発生させるおそれがある。その回避手段としては、有色インクによるマルチパスの記録を3パスや4パスに増やすことが最も効果的であるが、パス数の増加は記録速度の低下を招く。一方、画質向上液のような無色透明のインクのマルチパス印刷においては、画質向上液の着弾位置のずれは、有色インクで発生するような画像濃度の変動としては認識されない。そのため、画質向上液に関しては、有色インクのマルチパス記録のパス数に比較して少ないパス数でも画像弊害が起りにくい。
そこで、この第2の実施形態では、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液によるマルチパス記録のパス数を4、装飾印刷用の画質向上液によるマルチパス記録のパス数を2として、合計6パスとした。
図24(a)に有色インクおよび光沢均一化用のマスクパターン、図24(b)に装飾印刷用マスクパターンを示す。各々のマスクパターンの縦方向のサイズは、印刷ヘッドのノズル数768に対応した768画素であり、合計6パスの印刷であるため、各パスは128画素に分割されている。これは、ノズル数として128ノズルに対応する。
図25を用いて、この第2の実施形態において有色インクおよび画質向上液がどのように付与されるかについて説明する。上記第1の実施形態に用いた図15と同様の働きをするものについての説明は省略する。図25において、2004は有色インク用の印刷ヘッドの使用領域および光沢均一化のために使用される画質向上液用の使用領域を示している。前述のように、本使用領域2004は1パス目から4パス目までの計4パスの記録において使用されるため、副走査方向における記録幅は、128画素×4=512画素となる。これは、ノズル数として512ノズルに対応する。
また、2005は装飾印刷のために使用される画質向上液用の印刷ヘッドの使用領域を示している。前述のように、本使用領域2005は5パス目および6パス目の計2パスの記録において使用されるため、副走査方向における記録幅は、128画素×2=256画素となる。これは、ノズル数として256ノズルに対応する。上記第1の実施形態では、装飾印刷および光沢均一化のために使用されるノズル数は同一であったが、この第2の実施形態では装飾印刷のために使用されるノズル数は、光沢均一化のために使用されるノズル数よりも多い。このように、この実施形態においては、光沢均一化のために使用される、画質向上液を吐出可能なノズルの数は、装飾印刷のために使用される画質向上液を吐出可能なノズル数以上である。また、光沢均一化のために使用される、画質向上液を吐出可能な前記ノズルの数と、有色インクを吐出可能なノズルの数とは同一である。
以上説明したように、この第2の実施形態によれば、有色インクによる第1のマルチパス記録のパス数を増加することにより、インクジェット印刷装置の本体部の機構部のばらつきによって発生する有色インクの着弾誤差に起因する濃度変動を回避することができる。また、一方で装飾印刷用の画質向上液によるマルチパス記録のパス数を減らすことにより、装飾印刷のための画質向上液を後がけ印刷する機能を有しながら、印刷速度の低下を最低限に抑えることが可能になる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、インクジェット記録装置に、光沢性を制御する画質向上液(透明インク)を用いた場合を説明したが、本発明は、電子写真方式の印刷装置にも適用可能である。すなわち、電子写真方式の印刷装置に、有色トナーと透明トナーとを搭載し、画質制御材料として透明トナーを印刷媒体に付与させるようにすれば、インクジェット記録装置を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
また上記実施形態では、画像の明るさ成分を抽出するために、RGB信号をYCbCr信号に変換したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記変換以外の他の公知の変換を用いることが可能である。
また、キャンバス地に描かれた絵画に限らず、地紋を有する媒体に描かれた絵画などの作品の複製印刷をする場合にも、空間周波数の高い地紋に沿って画像の光沢度を制御することにより、絵画の風合いを再現することができる。独特の印刷効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施例においては、キャンバス地に描かれた絵画の複製印刷において、キャンバス地の微小な凹凸の凸部にのみ部分的に光沢性を持たせることにより、絵画の風合いをより適正に再現することが可能になる。

Claims (9)

  1. 有色材料と、画像の光沢度を制御するための画質制御材料とを印刷媒体に付与することが可能な印刷部を備えた印刷装置であって、
    画像データに基づいて前記印刷媒体に前記有色材料を付与するための第1の分布データを生成する第1の分布データ生成手段と、
    前記画像データに基づいて前記印刷媒体に前記画質制御材料を付与するための第2の分布データ生成手段と、
    前記第1の分布データに基いて前記有色材料を前記印刷媒体に付与した後、前記第2の分布データに基いて前記画質制御材料を前記印刷媒体に付与するよう前記印刷部を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記画像データは、複数の画素によって構成されるデジタル画像の各画素の値を表すデータであり、前記各画素の値は3つの要素値から構成されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第2の分布データ生成手段は、前記3つの要素値、または該3つの要素値から求めた3つの他の要素値の中の少なくとも1つの要素値について空間周波数解析を行い、前記少なくとも1つの要素値が所定の閾値周波数より高い周波成分のみからなる画像を抽出し、当該抽出した画像の中で前記少なくとも1つの要素が所定の条件になっている部分のみに前記画質制御材料を形成するためのデータを、前記第2の分布データとして生成することを請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷装置は、印刷部からインクを前記印刷媒体に吐出して画像を形成するインクジェット印刷装置であり、前記有色材料は有色インク、前記画質制御材料は透明インクであることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  5. 前記印刷装置は、トナーを印刷媒体に付与する印刷部を備えた電子写真方式の印刷装置であり、前記有色材料は有色トナー、画質制御材料は透明トナーであることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  6. 前記デジタル画像データの各画素の値を構成する3つの要素値は、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)それぞれの階調を表す値であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  7. 前記有色材料は、少なくともC(シアン)の色材、M(マゼンタ)の色材、Y(イエロー)の色材を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  8. 前記有色材料は、少なくとも、K(ブラック)の色材を含むことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  9. 有色材料と、画像の光沢度を制御するための画質制御材料とを印刷媒体に付与する印刷方法であって、
    画像データに基づいて前記印刷媒体に前記有色材料を付与するための第1の分布データを生成する第1の分布データ生成工程と、
    前記画像データに基づいて前記印刷媒体に前記画質制御材料を付与するための第2の分布データ生成工程と、
    前記第1の分布データに基いて前記有色材料を前記印刷媒体に付与した後、前記第2の分布データに基いて前記画質制御材料を前記印刷媒体に付与するよう前記印刷部を制御する制御工程と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
JP2013010350A 2013-01-23 2013-01-23 画像処理装置および画像処理方法 Active JP6141030B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013010350A JP6141030B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 画像処理装置および画像処理方法
US14/153,340 US20140205813A1 (en) 2013-01-23 2014-01-13 Image processing apparatus and image processing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013010350A JP6141030B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 画像処理装置および画像処理方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014141010A true JP2014141010A (ja) 2014-08-07
JP2014141010A5 JP2014141010A5 (ja) 2016-03-10
JP6141030B2 JP6141030B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=51207913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013010350A Active JP6141030B2 (ja) 2013-01-23 2013-01-23 画像処理装置および画像処理方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20140205813A1 (ja)
JP (1) JP6141030B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111372851A (zh) * 2018-08-16 2020-07-03 乐天株式会社 无人航空器控制系统、无人航空器控制方法、及程序

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6355419B2 (ja) * 2014-05-14 2018-07-11 キヤノン株式会社 画像処理装置及び画像処理方法
JP6622458B2 (ja) * 2014-12-16 2019-12-18 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
WO2016121346A1 (en) * 2015-01-30 2016-08-04 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus, image processing method, and appearance reproduction apparatus
US9286554B1 (en) * 2015-04-01 2016-03-15 Xerox Corporation System and method for halftone printing in a three-dimensional object printer

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181743A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Fuji Photo Film Co Ltd ハードコピー作成方法
JP2006157162A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Ricoh Co Ltd 彩度調整装置、画像形成装置、彩度調整方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
JP2008304225A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Topcon Corp 絵画表面計測装置及びその計測方法
JP2010130405A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Seiko Epson Corp 印刷制御装置及びそれを備える印刷制御システム
JP2011056870A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Fujifilm Corp 画像形成装置、プログラム、及び方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7527345B2 (en) * 2003-06-16 2009-05-05 Seiko Epson Corporation Print controller, method and program for print control, color conversion table, and method for determining ink quantity
US7639892B2 (en) * 2004-07-26 2009-12-29 Sheraizin Semion M Adaptive image improvement

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181743A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Fuji Photo Film Co Ltd ハードコピー作成方法
JP2006157162A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Ricoh Co Ltd 彩度調整装置、画像形成装置、彩度調整方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
JP2008304225A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Topcon Corp 絵画表面計測装置及びその計測方法
JP2010130405A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Seiko Epson Corp 印刷制御装置及びそれを備える印刷制御システム
JP2011056870A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Fujifilm Corp 画像形成装置、プログラム、及び方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111372851A (zh) * 2018-08-16 2020-07-03 乐天株式会社 无人航空器控制系统、无人航空器控制方法、及程序
CN111372851B (zh) * 2018-08-16 2023-11-21 乐天集团股份有限公司 无人航空器控制系统、无人航空器控制方法、及可读存储媒体

Also Published As

Publication number Publication date
US20140205813A1 (en) 2014-07-24
JP6141030B2 (ja) 2017-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5539120B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5620702B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
JP5539118B2 (ja) インクジェット記録装置
JP5901200B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法および記録物
JP5539122B2 (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JP5539117B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP5943698B2 (ja) 画像処理装置
JP5988679B2 (ja) 画像処理装置、インクジェット記録装置および画像処理方法
JP5539119B2 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、およびインクジェット記録方法
JP5618496B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP6141030B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP5988909B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP2012051199A (ja) インクジェット記録装置
JP5988680B2 (ja) 画像処理装置およびインクジェット記録方法
US9007653B2 (en) Image processing apparatus and image processing method for printing an image using colored ink and clear liquid
JP6141124B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録システム
JP5859059B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170502

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6141030

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151