JP2014140593A - 立体内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】3D画像を撮影するための撮影部とは別の2D画像を撮影するための撮影部を設けることなく、また、撮影部の大型化を招くことなく、ズーム倍率の変更が可能な3D画像を撮影することができると共に、広い視野範囲の2D画像を撮影することができる立体内視鏡装置を提供する。
【解決手段】立体内視鏡の先端部に配置された左右一対の視差画像を取得する撮影部50は、撮影光学系60として4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズに基づいて構成された第1レンズ群312〜第3レンズ群316からなるズーム部301と、その後段に配置された結像系の左右一対の第4レンズ群318R、318Lとを有する。標準ズーム時には、第2レンズ群314と第3レンズ群316が制御されてズーム倍率が変更され、画像シフト時には、第3レンズ群316と第4レンズ群318R、318Lが制御されて撮影部50の全体の視野範囲が左右方向に拡大される。
【選択図】 図6

Description

本発明は立体内視鏡装置に係り、特に体腔内に挿入される挿入部の先端部に設けられた撮影部によって視差画像を撮影し、体腔内の被観察部位の立体視画像(3D画像)を表示できるようにした立体内視鏡装置に関する。
立体内視鏡装置は、体腔内に挿入される内視鏡装置の挿入部の先端部に撮影光学系及び固体撮像素子を含む左右一対の撮影部(撮像手段)を備えており、それらの撮影部によって、被観察部位が撮影され、左右の視差画像が立体視用の立体画像(3D画像)として得られるようになっている。そして、その3D画像は、3D表示装置により3D表示されて観察者の右眼で右眼用の画像が観察され、観察者の左眼で左眼用の画像が観察されることによって、被観察部位が立体的に観察されるようになっている。
このような立体内視鏡装置において、特許文献1には、3D画像による被観察部位の観察のみでは、その周辺部の状況確認や処置具の位置確認等ができないことから、3D画像を撮影するための撮影部(ここでは3D撮影部という)の他に平面視用の広角の2D画像を撮影するための撮影部(ここでは2D撮影部という)を備えたものが開示されている。
また、特許文献1、2には、3D撮影部にズーム機能を備えたものが開示されている。
特開2003−334160号公報 特開2001−66513号公報
特許文献1によれば、病変部位の観察時や処置具による処置部位の処置時などに適した3D画像による精緻な観察と、内視鏡や処置具を処置部位等に誘導する際のオリエーティング時や処置状況の把握時などに適した2D画像による広い視野範囲での観察とが可能となる。
しかしながら、特許文献1では、3D撮影部とは別に2D撮影部を設けているため、構成部品数の多さ、組立ての難易度、精度管理等の点で多くの問題を有している。また、多くの光学要素を介しているため、画面が暗いなどの問題もある。
また、3D撮影部と2D撮影部とは、異なる視軸となるため、3D画像と2D画像とでは相互に視野中心のずれ、前後関係のずれが生じ、的確な位置関係を表示することができない。そのため、3D画像と2D画像を切り替えて表示する場合に感覚的に画面中心が移動するという不具合があり、判断ミスに繋がる可能性があった。
更に、従来のズーム機能を有する立体内視鏡装置では、一般に3D撮影部の左右個別のズーム光学系によって左右のズーム倍率を変更するようにしており、左右のズーム倍率に差が生じ易いなどの問題があった。
その点に関して、特許文献2では、左右の3D撮影部に共用される1つのズーム光学系を配置し、そのズーム光学系によって左右の3D撮影部のズーム倍率を同時に変更する構成が開示されている。
しかしながら、ズーム光学系によるズーム倍率の変更のみでは、より広い視野範囲の撮影に関する要望、特に、水平方向に単純に観察視野を移動させ、視野範囲を拡大したいという意図に対しては、ズーム光学系の倍率変化を大きくすることで対処するしかなく、そのために、ズーム光学系の大型化を招く。その一方で、内視鏡には大きさの制約があるため、ズーム光学系の倍率変化を大きくすることは困難であり、視野範囲を広くすることは容易ではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、3D画像を撮影するための撮影部とは別の2D画像を撮影するための撮影部を設けることなく、また、撮影部の大型化を招くことなく、ズーム倍率の変更が可能な3D画像を撮影することができると共に、広い視野範囲の2D画像を撮影することができる立体内視鏡装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る立体内視鏡装置は、少なくとも光軸方向に沿って移動可能に構成された変倍系レンズ群及び補正系レンズ群を含み、広角端から拡大端まで変倍可能なズーム光学系と、ズーム光学系の被写体側とは反対側に配置された左右一対の撮像素子との間にそれぞれ配置され、撮像素子にそれぞれ被写体像を結像させる左右一対の結像光学系とを備え、左右一対の撮像素子により立体視用の左右一対の視差画像を取得する立体内視鏡装置であって、変倍系レンズ群の移動に伴う焦点位置の変化を補正するために補正系レンズ群を移動させる手段であって、変倍系レンズ群が広角端にあるときの補正系レンズ群の本来の位置よりも光軸方向にシフトさせて視野範囲を左右方向に拡大させる第1の移動手段と、補正系レンズ群が本来の位置よりもシフトされたことに伴う焦点位置のずれを補正するために左右一対の結像光学系を光軸方向に移動させる第2の移動手段と、を備えている。
本態様によれば、ズーム光学系の変倍系レンズ群と補正系レンズ群によってズーム倍率の変更が可能な3D画像を撮影することができ、補正系レンズ群の本来の位置からのシフトによって左右一対の視差画像の各々の視野範囲を左右方向のシフトさせて全体の視野範囲を左右方向に拡大することができる。その際、左右一対の視差画像の視野範囲が重ならない領域の画像は広角の2D画像として撮影することができ、例えば、視野範囲が重なる領域の3D画像の左右両横に拡張して2D画像を表示することができる。
また、本態様によれば、3D画像を撮影するための撮影部とは別の広角の2D画像を撮影するための撮影部を設ける必要がないため、撮影部の大型化の生じない。
本発明の他の態様に係る立体内視鏡装置において、第1の移動手段は、補正系レンズ群の本来の位置に対するシフト量を可変するシフト量変更手段を有する態様とすることができる。本態様によれば、左右一対の視差画像の全体の視野範囲を左右方向に拡大させる程度を調整することができ、これ伴い、左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域、即ち、3D画像として表示できる視野範囲の大きさと、視野範囲が重ならない領域、即ち、2D画像として表示できる視野範囲の大きさを、状況に応じて調整することができる。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、第1の移動手段は、補正系レンズ群の本来の位置に対するシフト量を予め決められた固定値とする態様とすることができる。本態様のようにシフト量を可変できないようにした態様も可能である。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、ズーム光学系は、4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズにおける無焦点系のズーム光学系とすることができる。本態様において4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズにおける第1レンズ群〜第4レンズ群のうち、第1レンズ群〜第3レンズ群が無焦点系のズーム光学系を構成しており、そのうち、第2レンズ群と第3レンズ群が上記の変倍系レンズ群と補正系レンズ群に相当している。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、輻輳角を設定する前置レンズをズーム光学系の被写体側に備えた態様とすることができる。
本態様によれば、前置レンズにより輻輳角を設定するため、前置レンズより後段の左右の光学系の光軸を傾けて輻輳角を設定することが不要であり、内視鏡の狭い空間内に光学系を構成する上で有利となる。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域の画像を立体視用の3D画像として生成するとともに、視野範囲が重ならない領域の画像を3D画像の左右両側を拡張する平面視用の2D画像として生成する3D画像生成手段を備えた態様とすることができる。
本態様によれば、3D画像と2D画像とを同時に表示することが可能となり、3D画像による精緻な観察と2D画像による広い視野範囲の観察が可能となる。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、3D画像生成手段は、3D画像における2D画像との境界領域の画像の鮮明度を低下させる形態とすることができる。
本態様によれば、3D画像の左右両側を拡張して2D画像を表示した場合の3D画像と2D画像に境界領域における立体認識の破綻による違和感を低減することができる。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、左右一対の視差画像の全体の視野範囲の画像を平面視用の2D画像として生成する2D画像生成手段を備えた態様とすることができる。
本態様のように左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域の画像も2D画像として表示できるようにし、左右一対の視差画像の全体の視野範囲を2D画像としても表示できると有益である。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、2D画像生成手段は、左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域の画像を間引き処理によって立体視不能な3D画像として生成する態様とすることができる。
本態様は、左右一対の視差画像の全体の視野範囲を2D画像として表示する場合に、視野範囲が重なる領域の画像を2D画像として表示するための一形態であり、3D画像を表示する場合と変わりなく2D画像を表示することができる。
本発明の更に他の態様に係る立体内視鏡装置において、2D画像生成手段は、左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域の画像を合成処理によって2D画像として生成する態様とすることができる。
本態様は、左右一対の視差画像の全体の視野範囲を2D画像として表示する場合に、視野範囲が重なる領域の画像を2D画像として表示するための他の態様であり、上記態様と異なり、左右一対の視差画像を合成(又は融合)して2D画像を生成することもできる。
本発明によれば、3D画像を撮影するための撮影部とは別の2D画像を撮影するための撮影部を設けることなく、また、撮影部の大型化を招くことなく、ズーム倍率の変更が可能な3D画像を撮影することができると共に、広い視野範囲の2D画像を撮影することができる。
本発明が適用される立体内視鏡システムの外観の概略を示した全体構成図 立体内視鏡システムにおいて、内視鏡画像として3D画像や広角2D画像を表示する処理部に関連する構成を示したブロック図 内視鏡の先端部を先端面側から示した正面図 撮影部の視野範囲に関する説明に使用した図 撮影部により取得される視差画像とその表示形態を示した図 撮影部の撮影光学系の第1の実施の形態の構成を示したレンズ断面図 撮影光学系の第4レンズ群を基準位置に固定して状態において、ズームを広角端と拡大端に設定した場合の視野範囲の変化を示した図 撮影光学系の画像シフト時の状態を示したレンズ断面図 撮影光学系の画像シフト時の視野範囲を示した図 撮影光学系の制御する制御系の構成を示した図 撮影部の撮影光学系の第2の実施の形態の構成を示したレンズ断面図 第2の実施の形態の撮影光学系の画像シフト時の視野範囲を示した図 3D画像と2D画像の境界領域の鮮明度を低くする場合の処理の説明に使用した図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用される立体内視鏡システム(立体内視鏡装置)の外観の概略を示した全体構成図である。同図に示す立体内視鏡システム10は、立体視用の立体画像(3D画像)を撮影して表示することが可能なシステムである。撮影に関する構成及び処理以外については、3D画像ではなく通常の2D画像(平面視用の画像)を撮影し、表示する周知の内視鏡システムと大きく相違しない。以下では、主として撮影に関連する構成、処理について説明し、その他の構成、処理については周知の任意の内視鏡システムと同様に構成することが可能であるものとする。
同図に示すように本実施の形態の立体内視鏡システム10は、立体内視鏡12(以下、内視鏡12という。)、内視鏡12が接続されたプロセッサ装置14及び光源装置16と、プロセッサ装置14に接続された3D表示装置18などから構成される。
患者の体腔内には内視鏡12が挿入され、所望の被観察部位の3D画像を表示するための左右一対の視差画像(右画像及び左画像)が内視鏡12により撮影されるようになっている。被観察部位には、光源装置16から内視鏡12に供給される照明光が照射される。また、それらの視差画像は3D画像だけでなく広角の2D画像を表示するための画像としても使用される。
内視鏡12により撮影された視差画像は、プロセッサ装置14に取り込まれ、所要の処理が施されて、3D画像や2D画像を表示するための表示画像に成形される。そして、その表示画像が3D表示装置18に出力され、3D表示装置18に3D画像や2D画像が内視鏡画像として表示されるようになっている。施術者は3D表示装置18に表示された内視鏡画像を観察することによって、体腔内の被観察部位を立体的又は平面的に観察することができる。
図2は、上記立体内視鏡システム10において、内視鏡12により撮影した視差画像を3D表示装置18に内視鏡画像として表示するまでの処理部に関連する構成を示したブロック図である。
同図に示すように、内視鏡12は被観察部位を撮影して被観察部位の左右一対の視差画像を取り込む撮影部50を備え、その撮影部50は詳細を後述する左右一対の右撮影部50Rと左撮影部50Lを備えている。それらの右撮影部50Rと左撮影部50Lの各々は、不図示の撮影光学系、イメージセンサ70R、70L、アナログ信号処理部(AFE)80R、80L、送信部82R、82L等を備えている。
撮影部50により撮影される被観察部位からの被写体光は、右撮影部50Rと左撮影部50Lの各々の不図示の撮影光学系を介してイメージセンサ70R、70Lの受光面に光像(被写体像)として結像される。そして、それらの被写体像は左右一対の視差画像としてイメージセンサ70R、70Lにより撮像(光電変換)されて、撮像信号としてイメージセンサ70R、70Lの各々からアナログ信号処理部(AFE)80R、80Lに出力される。なお、右撮影部50Rにより取り込まれる視差画像を右画像、左撮影部50Lにより取り込まれる視差画像を左画像というものとする。
アナログ信号処理部(AFE)80R、80Lに入力された撮像信号は、相関二重サンプリング(CDS)、自動ゲイン(AGC)、及びアナログ/デジタル変換(A/D)等のアナログ信号処理が施された後、パラレルのデジタル信号としてAFE80R、80Lから送信部82R、82Lに出力される。
送信部82R、82Lに入力された撮像信号は、パラレル/シリアル変換処理等が施され、シリアルのデジタル信号として撮影部50R、50Lに接続されたケーブル(信号線)に送出される。そのケーブルは、挿入部20、操作部22、及び、ユニバーサルコード24の内部を挿通してプロセッサ装置14の受信部100に接続されており、ケーブルに送出された撮像信号は受信部100で受信される。
ここで、本実施の形態では、3D表示装置18に内視鏡画像を動画として表示するものとすると、イメージセンサ70R、70Lの各々において動画を構成するフレーム画像として右画像と左画像が連続的に撮像され、フレーム画像として順次撮像された右画像と左画像の撮像信号が、フレーム画像ごとにシリアルのデジタル信号として送信部82R、82Lの各々から受信部100に順次伝送される。3D表示装置18に内視鏡画像を静止画として表示する場合には、内視鏡12の操作部22又はプロセッサ装置14の操作部(不図示)における操作者のシャッタレリーズ操作に同期して静止画を構成する1フレーム分(1コマ分)の右画像と左画像が撮像され、それらの右画像と左画像の撮像信号が、シリアルのデジタル信号として送信部82R、82Lの各々から受信部100に伝送される。
なお、送信部82R、82Lから受信部100への撮像信号の伝送には、例えば、低電圧作動信号(LVDS)等によりデータ伝送を行う高速デジタル伝送技術を用いることが望ましい。また、右画像と左画像の撮像信号は異なる信号線により並列に伝送するようにしてもよいし、共通の信号線により交互に送信するようにしてもよい。
プロセッサ装置14は、内視鏡画像を表示するための処理部として、受信部100、画像処理部102、表示画像生成部104、表示制御部106等を備えている。
上記のように内視鏡12の撮影部50の送信部82R、82Lからシリアルのデジタル信号として伝送され、プロセッサ装置14の受信部100で受信された右画像と左画像の各々の撮像信号は、シリアル/パラレル変換処理等が施される。これによって、撮像信号が、送信部82R、82Lにおいて変換される前のパラレルのデジタル信号に復元されて受信部100から画像処理部102に出力される。
画像処理部102に入力された撮像信号は、色分離、色補間、ゲイン補正、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、輪郭強調処理、明度の調整処理などのデジタル画像処理が施される。これによって、右画像と左画像の各々の撮像信号が、表示等に適した画像データとして生成され、その画像データが画像処理部102から表示画像生成部104に取り込まれる。
なお、画像処理部102では、右画像と左画像の画像データが順次生成されて、その画像データが不図示のメモリに一次的に記憶されると共に最新の画像データに順次更新される。表示画像生成部104には、そのメモリから最新の画像データが順次取り込まれるようになっている。このようにして生成された右画像と左画像の画像データは3D表示装置18への表示に用いるだけでなく、ハードディスク、リムーバブルメディア等の記録媒体への記録等に用いることもできる。
表示画像生成部104は、画像処理部102により生成された右画像と左画像の画像データを取り込み、それらの画像データを用いて、3D表示装置18の画面上に内視鏡画像を表示する際の右眼用表示画像と左眼用表示画像の画像データを生成する。
右眼用表示画像と左眼用表示画像は、3D表示装置18の画面全体に表示される画像であり、各々、3D表示装置18の画面を観察する観察者が右眼のみで視認する画像と左眼のみで視認する画像を示す。画像処理部102から取得された右画像は、右眼用表示画像において、画面内での表示位置や大きさに対応した領域の画像を構成し、左画像は、左眼用表示画像において、画面内での表示位置や大きさに対応した領域の画像を構成する。また、右眼用表示画像と左眼用表示画像には患者情報や内視鏡12の状態情報等の他の情報(画像データや文字データ)も付加することができる。
表示画像生成部104により生成された右眼用表示画像と左眼用表示画像の画像データは、右画像と左画像の画像データの更新等と共に順次更新されて表示制御部106に出力される。
表示制御部106に入力された右眼用表示画像と左眼用表示画像の画像データは、右眼用表示画像と左眼用表示画像を3D表示装置18に表示させるための映像信号に成形され、その映像信号が表示制御部106から3D表示装置18に出力される。
これによって、3D表示装置18の画面には、表示制御部106からの映像信号にしたがった画像(映像)が表示され、表示画像生成部104により生成された右眼用表示画像が観察者の右眼によって、左眼用表示画像が観察者の左眼によって視認されるように表示される。そして、右眼用表示画像と左眼用表示画像の各々に含まれる右画像と左画像とによる内視鏡画像の表示とその更新によって、内視鏡画像が動画として表示されると共に、被観察部位の被写体の3D画像や2D画像が表示されるようになっている。
なお、3D表示装置18は、内視鏡12により取り込まれた右画像と左画像のうち、右画像を観察者の右眼のみで視認される右眼用表示画像内の画像として表示し、左画像を観察者の左眼のみで視認される左眼用表示画像内の画像として表示することによって、内視鏡12により撮影される被観察部位の被写体を3D画像として表示(3D表示)するものである。また、右画像と左画像のうちの一方のみに含まれる被写体の画像を例えば3D画像と同様に表示することによって、その被写体の画像は2D画像として表示される。
本実施の形態の3D表示装置18として、任意の3D表示装置を用いることができ、周知のものとして、例えば、1台のモニタの画面に右眼用表示画像と左眼用表示画像とを交互に表示し、これに同期して左右交互に開閉するシャッターメガネを介して右眼で右眼用表示画像を観察し左眼で左眼用表示画像を観察する方式(フレームシーケンシャル方式)のものや、1台のモニタの画面に右眼用表示画像と左眼用表示画像とを例えば走査線単位で交互に表示し、左右で偏光方向の異なる偏光フィルターメガネを介して右眼で右眼用表示画像を観察し左眼で左眼用表示画像を観察する方式(偏光方式)のものや、1台のモニタの画面に微細なレンズを並べて画面を見る角度によって異なる画像を表示できるようにしたものに右眼用表示画像と左眼用表示画像を表示し、裸眼でも右眼で右眼用表示画像を観察し左眼で左眼用表示画像を観察できるようにした方式(インテグラルイメージング方式)のものや、1台のモニタの画面に微細な縦縞状の遮光物を配置して画面を見る角度によって異なる画像を表示できるようにしたものに右眼用表示画像と左眼用表示画像を表示し、裸眼でも右眼で右眼用表示画像を観察し左眼で左眼用表示画像を観察できるようにした方式(視差バリア方式)のものを用いることができる。また、ヘッドマウントディスプレイのように右眼用と左眼用の2台のモニタの各々に右眼用表示画像と左眼用表示画像とを表示し、右眼で右眼用表示画像を観察し左眼で左眼用表示画像を観察する方式のもの等も用いることができる。更に、3D表示装置18として3D画像を表示するモニタとは別に2D画像を表示するモニタを備えていても良い。なお、本実施の形態では、1台のモニタを使用する3D表示装置18を想定する。
次に、図1の内視鏡12の構成について説明する。
内視鏡12は、患者(被検体)の体腔内に挿入可能な挿入部20と、施術者が把持して各種操作を行う操作部22と、内視鏡12をプロセッサ装置14及び光源装置16に接続するユニバーサルコード24とを備えている。
挿入部20は、長手方向の長手軸20aを中心軸として長尺状に形成され、長手軸20aに直交する断面において略円形となる外周面を有している。挿入部20は、先端部30、湾曲部32、及び軟性部34により構成されている。
先端部30は、挿入部20の先端に設けられており、長手軸20aに略直交する先端面30aを有している。この先端部30には、詳細を後述するように先端面30aに対して正面側に位置する体腔内の被観察部位を撮影する上述の撮影部50の構成部材や、撮影部50で撮影する被観察部位に光源装置16からの照明光を出射する照明部の構成部材等が硬質部材に収容されて保持されている。
湾曲部32は、先端部30の基端側に連設され、操作部22のアングルノブ40の回動操作によって上下左右方向に能動的に湾曲させることができるようになっている。この湾曲部32に対する湾曲操作によって体腔内での先端部30の向きを変更して先端部30の撮影部50で撮影等を行う被観察部位の方向を調整することができる。
軟性部34は、湾曲部32の基端側に連設されると共に操作部22の先端に連設され、湾曲部32の基端から操作部22の先端までの間を連結している。軟性部34は軟性で可撓性を有しており、この軟性部34が体腔内への挿入経路の形状等に応じて受動的に湾曲することによって、先端部30を体腔内の所期の位置に挿入配置することができるようになっている。軟性部34及び湾曲部32の内部には、先端部30の撮影部50や照明部に接続されるケーブル、ライトガイド等が挿通配置されている。
操作部22は、挿入部20の基端側に連設されており、操作部22には、上記のアングルノブ40や、送気・送水ボタン42等の内視鏡12の操作部材が設けられている。施術者は操作部22を把持して操作部22に設けられた操作部材を操作することによって内視鏡12の各種操作を行うことができるようになっている。
また、操作部22の先端側には、処置具挿入口44が設けられている。この処置具挿入口44は、挿入部20の内部を挿通する処置具チャンネル(管路)を通じて先端部30(後述の処置具導出口54)に連通している。したがって、処置具挿入口44から所望の処置具を挿入することによって、その処置具を先端部30の処置具導出口54から導出し、処置具の種類に対応した処置を体腔内の処置部位に施すことができるようになっている。
ユニバーサルコード24は、操作部22から延出されており、端部には複合タイプのコネクタ26が設けられている。ユニバーサルコード24は、そのコネクタ26によりプロセッサ装置14及び光源装置16に接続されるようになっている。
このユニバーサルコード24の内部には、先端部30の撮影部50や照明部から挿入部20及び操作部22の内部を挿通したケーブルやライトガイド等が挿通配置されており、撮影部50に接続されたケーブル(信号線)はコネクタ26を介してプロセッサ装置14に接続され、照明部に接続されたライトガイドはコネクタ26を介して光源装置16に接続されるようになっている。
これによって、上述のように先端部30の撮影部50で撮影された視差画像(右画像及び左画像)の撮像信号がケーブルを伝送してプロセッサ装置14に取り込まれると共に、光源装置16から出射された照明光がライトガイドを伝送して先端部30の照明部から出射されるようになっている。
図3は、内視鏡12の先端部30を先端面30a側から示した正面図である。同図に示すように、先端部30には、先端面30aの正面側の被観察部位を撮影する上述の撮影部50と、被観察部位を照明する照明光を出射する照明部52とが配設されている。
撮影部50は、左右に並設された一対の右撮影部50Rと左撮影部50Lとを有し、これらの右撮影部50Rと左撮影部50Lによって、体腔内の同一の被観察部位の被写体を異なる位置から撮影した視差を有する左右一対の右画像と左画像が撮影されるようになっている。
先端面30aには、右撮影部50Rと左撮影部50Lの各々に被観察部位の被写体からの光を取り込む前置レンズ310が配設され、照明部52から被観察部位に照明光を出射する照明窓94が配設されている。また、先端面30aには、挿入部20の処置具挿入口44から挿入されて処置具チャンネルを挿通した処置具を先端面30aから導出する処置具導出口54や、操作部22の送気・送水ボタン42の操作によって洗浄水や空気を前置レンズ310に向けて噴射する送気・送水ノズル56が設けられている。
次に、内視鏡12の撮影部50の視野範囲に関して説明する。
図4は、撮影部50の概略構成を用いて撮影部50の視野範囲に関して示した概念図である。
同図における撮影部50の構成は簡略化して示しており、紙面に垂直な中心面50aを対称面として左右対称に配置された右撮影部50Rと左撮影部50Lを有し、右撮影部50Rが、撮影光学系60Rとイメージセンサ70Rとから構成され、左撮影部50Lが撮影光学系60Lとイメージセンサ70Lとから構成された形態が示されている。なお、撮影部50の撮影光学系の構成については後述する。
同図において、右撮影部50Rが被写体を撮影する視野範囲がVFR、左撮影部50Lが被写体を撮影する視野範囲がVFLで示されている。これらの視野範囲VFRと視野範囲VFLは上記中心面50aに対して左右対称であり、中央部分において重なるようになっている。
視野範囲VFRと視野範囲VFLとを合わせた視野範囲VF、即ち、視野範囲VFRの右端から視野範囲VFLの左端までの視野範囲VFは、右撮影部50Rと左撮影部50Lのうちの少なくとも一方で撮影される撮影部50の全視野範囲VFを示している。
同図の基準面(観察設定面)RPは、上記中心面50aに対して直交する平面であり、例えば挿入部20の長手軸20aに対して直交している。そして、先端部30の先端面30aから所定距離Lの位置であって、右撮影部50R及び左撮影部50Lによりピントが合う距離に想定されている。
この基準面RPは、右撮影部50Rと左撮影部50Lの各々により撮像された右画像と左画像を3D表示装置18の画面に3D画像として表示した場合において、画面上の位置に存在すると認識される物点の位置を示している。即ち、基準面RP上の物点は、3D画像において画面上に存在するように表示される。なお、基準面RPの先端面30aからの距離Lは、一般的な内視鏡においてピント位置となる8cm〜10cmであることが望ましい。また、その基準面RPの前後1cm程度は被写界深度の範囲としてピントが合うことが望ましい。
その基準面RPにおいて、視野範囲VFRと視野範囲VFLとが重なる領域は、視野範囲VFRの左端からの視野範囲3DRと、視野範囲VFLの右端からの視野範囲3DLで示されている。また、基準面RPにおいて、視野範囲VFRと視野範囲VFLとが重ならない領域のうち、視野範囲VFRのみの領域は視野範囲VFRの右端からの視野範囲2DRで示され、視野範囲VFLのみの領域は視野範囲VFLの左端からの視野範囲2DLで示されている。
なお、以下において、視野範囲VFRを右全視野範囲VFR、視野範囲VFLを左全視野範囲VFL、視野範囲3DRを右3D視野範囲3DR、視野範囲3DLを左3D視野範囲3DLというものとし、基準面RPにおいて右全視野範囲VFRと左全視野範囲VFLが重なる視野範囲(即ち、右3D視野範囲3DRと左3D視野範囲3DLとを合せた視野範囲)を3D視野範囲3DR&3DLというものとする。また、視野範囲2DRを右2D視野範囲2DR、視野範囲2DLを左2D視野範囲2DLというものとする。
次に上記のように構成される撮影部50の視野範囲に対する視差画像(右画像及び左画像)の表示に関して説明する。
図5(A)、(B)は、右撮影部50Rと左撮影部50Lの各々により取り込まれる右画像IRと左画像ILの画像領域を示す。
同図(A)において、右撮影部50Rにより取り込まれる右画像IRの画像領域のうち、右3D視野範囲VFRの被写体が映り込む画像領域が右3D画像領域360Rとして示され、右2D視野範囲2DRの被写体が映り込む画像領域が右2D画像領域362Rとして示されている。
同様に同図(B)において、左撮影部50Lにより取り込まれる左画像ILの画像領域のうち、左3D視野範囲VFLの被写体が映り込む画像領域が左3D画像領域360Lとして示され、左2D視野範囲2DLの被写体が映り込む画像領域が左2D画像領域362Lとして示されている。
これらの右画像IR、左画像ILは、図2で示したようにプロセッサ装置14に画像データとして取り込まれ、プロセッサ装置14の表示画像生成部104により、右画像IRを含む右眼用表示画像と左画像ILを含む左眼用が像が生成され、それらの右眼用表示画像と左眼用表示画像が表示制御部106を介して3D表示装置18に出力される。
これによって、3D表示装置18には、内視鏡画像として、右撮影部50Rの右全視野範囲VFRの右画像IRが観察者の右眼のみで視認されるように表示され、左撮影部50Lの左全視野範囲VFLの左画像ILが左眼のみで視認されるように表示される。
また、表示画像生成部104において、右眼用表示画像内(3D表示装置18の画面内)における右画像IRの位置及び大きさと、左眼用表示画像内(3D表示装置18の画面内)における左画像ILの位置及び大きさとが調整され、図5(C)の内視鏡画像IR&ILのように、右画像IRにおける右3D視野範囲3DRの画像(右3D画像領域360Rの画像)と、左画像ILにおける左3D視野範囲3DLの画像(左3D画像領域360Lの画像)とが3D表示装置18の画面上において重なるように(重なる位置に視認されるように)表示される。
これによれば、内視鏡画像IR&ILは、3D視野範囲3DR&3DLの被写体が映り込む3D画像領域360(右画像領域360R及び左画像領域360L)の画像と、右2D視野範囲2DRの被写体が映り込む右2D画像領域362Rの画像と、左2D視野範囲2DLの被写体が映り込む左2D画像領域362Lの画像とから構成される。
そして、内視鏡画像IR&ILの全体の画像領域のうち、3D画像領域360に映り込む被写体の画像、即ち、3D視野範囲3DR&3DL(右3D視野範囲3DRと左3D視野範囲3DLの両方の視野範囲)に存在する被写体の画像は、観察者が立体視することができる3D画像として表示される。
即ち、3D視野範囲3DR&3DLに存在する被写体のうち、基準面RP上に存在する被写体は、3D表示装置18の画面上に存在する被写体として認識され、基準面RPよりも近い位置に存在する被写体は3D表示装置18の画面よりも近い位置に存在する被写体として認識され、基準面RPよりも遠い位置に存在する被写体は3D表示装置18の画面よりも遠い位置に存在する被写体として認識される。
一方、内視鏡画像IR&ILの全体の画像領域のうち、右2D画像領域362Rと左2D画像領域362Lに映り込む画像、即ち、右2D視野範囲2DR又は左2D視野範囲2DLに存在する被写体の画像は、観察者が右眼又は左眼のみで視認可能な2D画像として表示される。
これらの右2D画像領域362Rと左2D画像領域362Lの画像によって3D視野範囲3DR&3DLの3D画像よりも水平方向(左右方向)に広い視野範囲の被観察部位の様子を観察することができる。
次に、図5に示したように3D画像と2D画像とを融合した内視鏡画像IR&ILを生成することが可能で、かつ、ズーム機能を有する撮影部50(右撮影部50R及び左撮影部50L)の具体的構成について説明する。図6は、撮影部50の撮影光学系の第1の実施の形態の構成を示したレンズ断面図である。
同図に示す撮影光学系60は、右撮影部50Rの撮影光学系60R(右撮影光学系60Rという)と左撮影部50Lの撮影光学系60L(左撮影光学系60Lという)の両方を含む光学系を示し、全体として一眼における4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズに基づいて構成されている。
同図において、撮影光学系60を左右対称に分ける中心面50a(図4の中心面50aに相当)よりも図中上側(撮影光学系60の右側)の断面(上側断面)にズームを広角端に設定した状態、図中下側(撮影光学系60の左側)の断面(下側断面)にズームを望遠端(拡大端)に設定した状態が示されている。なお、撮影光学系60を上下対称に分ける対称面(紙面)と中心面50aとの交線を撮影光学系60の中心軸60a(観察方向を示す観察軸)とする。
同図に示すように、撮影光学系60は、右撮影光学系60Rと左撮影光学系60Lとに共用される共用部300と、右撮影光学系60Rと左撮影光学系60Lとに個別に設けられる分離部302とから構成されている。
共用部300は、4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズを構成する第1〜第4レンズ群のうちの第1レンズ群312、第2レンズ群314、及び、第3レンズ群316を有すると共に、第1レンズ群312よりも対物側となる位置に配置された前置レンズ310とを有している。
前置レンズ310は、撮影光学系60の最前部に配置されると共に、図2に示したように内視鏡12の先端部30の先端面30aに配置されており、被観察部位からの被写体光を先端部30内に取り込む先端面30aの開口を遮蔽している。
また、前置レンズ310は、凸レンズ(正の屈折力を有するレンズ)としての作用を有しており、右撮影部50Rの視野範囲(右全視野範囲VFR)の中心軸となる視軸(右視軸)304Rと、左撮影部50Lの視野範囲(左全視野範囲VFL)の中心軸となる視軸(左視軸)304Lとが交差するクロスポイント(交差点)が、観察面として設定した図4の基準面RP上の位置(基準面RPと中心軸60aとの交点の位置)となるように輻輳角(右視軸304Rと左視軸304Lとのなす角)を創生している。
ここで、前置レンズ310を配置しない場合には、左右の撮影光学系の光軸(視軸)を輻輳角に合せる必要がある。つまり、それらの撮影光学系の光軸を輻輳角に合せて傾け、更にそれらの光軸間の距離として必要な距離を確保して構成する必要がある。
一方、本実施の形態のように前置レンズ310を配置する場合には、輻輳角は前置レンズ310の設計によって決めることができる。そして、前置レンズ310の後段の左右の撮影光学系は、光軸間の距離のみを確保して例えば平行に配置することができる。
したがって、内視鏡12の挿入部20の先端部30のように狭い空間内に撮影光学系を構成する上で、左右の撮影光学系の光軸間の距離だけを保って設計し、輻輳角は前置レンズで設定することができるので非常に有利である。
第1レンズ群312は、正の屈折力を有する凸レンズであり、前置レンズ310の後部において、中心軸60aに沿った方向(前後方向)に移動可能に配置されている。なお、第1レンズ群312の光軸と中心軸60aとは一致しており、第1レンズ群312は光軸方向に移動する。
この第1レンズ群312は焦点系のレンズ群(フォーカスシングレンズ)であり、第1レンズ群312が前後方向に移動することによって焦点調整(フォーカシング)が行われるようになっている。
なお、第1レンズ群312は、同図では1枚の単体レンズとして示されているが、1枚又は複数枚の単体レンズを組み合わせて構成されたレンズ群を示す。第2レンズ群314、及び第3レンズ群316についても同様に1枚又は複数枚の単体レンズを組み合わせて構成されたレンズ群を示す。
第2レンズ群314は、負の屈折力を有する凹レンズであり、第1レンズ群312の後部において、前後方向に移動可能に配置されている。なお、第2レンズ群314の光軸と中心軸60aとは一致しており、第2レンズ群314は光軸方向に移動する。
この第2レンズ群314は、この第2レンズ群314は変倍系(バリエータ)のレンズ群(変倍系レンズ群)であり、第2レンズ群314が前後方向に移動することによって撮影光学系60R、60Lの焦点距離(ズーム倍率)が変更されるようになっている。
同図において、上側断面に示される広角端設定時の状態と、下側断面に示される拡大端設定時の状態とを比較して分るように、ズーム倍率を低くした(焦点距離を短くした)広角時ほど第2レンズ群314が前方の位置に設定されるようになっている。
第3レンズ群316は、正の屈折力を有する凸レンズであり、第2レンズ群314の後部において、前後方向に移動可能に配置されている。なお、第3レンズ群316の光軸と中心軸60aとは一致しており、第3レンズ群316は光軸方向に移動する。
この第3レンズ群316は補正系(コンペンセータ)のレンズ群(補正系レンズ群)であり、第2レンズ群314と所定の位置関係を有して第3レンズ群316が移動することによって第2レンズ群314の移動に伴う焦点位置の変化(ずれ)が補正されるようになっている。この第3レンズ群316は、第2レンズ群314の位置に応じて事前に決められた位置に非線形的に移動する。
これらの第1レンズ群312、第2レンズ群314、及び第3レンズ群316は、焦点を結ばない無焦点系(アフォーカル)のズーム光学系を構成し、そのアフォーカル倍率を変化させることで全体の焦点距離(ズーム倍率)を変化させる構成となっている。ここで、第1レンズ群312、第2レンズ群314、及び第3レンズ群316をズーム部301というものとする。
分離部302は、4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズを構成する第1〜第4レンズ群のうちの第4群レンズ群に相当する部分であり、第3レンズ群316の後部において並列に配置された左右一対の第4レンズ群318R、318Lを有している。なお、これらの第4レンズ群318R、318Lを個別に言う場合には、右撮影光学系60Rを構成する第4レンズ群318Rを右第4レンズ群318Rといい、左撮影光学系60Lを構成する第4レンズ群318Lを左第4レンズ群318Lというものとする。また、これらの第4レンズ群318R、318Lの各々は、同図では1枚の単体レンズとして示されているが、1枚又は複数枚の単体レンズを組み合わせて構成されたレンズ群を示す。
右第4レンズ群318Rと左第4レンズ群318Lは、結像系(マスターレンズ)のレンズ群(結像光学系)であり、正の屈折力を有している。また、右第4レンズ群318Rと左第4レンズ群318Lの特性は一致している。
これらの第4レンズ群318R、318Lによって、ズーム部301(第1レンズ群312、第2レンズ群314、及び第3レンズ群316)により形成された虚像が実像として、各々、右撮影部50Rのイメージセンサ70Rの受光面(撮像面)71Rと左撮影部50Lのイメージセンサ70Lの受光面71Lに結像されるようになっている。
また、ある物点を着目点として着目した場合に、その着目点から拡散されて前置レンズ310に入射した光線のうち、着目点からみて左側の角度範囲に拡散された光線が右第4レンズ群318Rを通過してその着目点の像点がイメージセンサ70Rの受光面71R上に形成される。一方、着目点から見て右側の角度範囲に拡散された光線が左第4レンズ群318Lを通過してその着目点の像点がイメージセンサ70Lの受光面71L上に形成されるようになっている。
したがって、被写体を左右両眼で観察した場合の各々の像がイメージセンサ70R、70Lの受光面71R、71Lに形成され、左右一対の視差画像がイメージセンサ70R、70Lにより撮像されるようになっている。
さらに、一般的な4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズでは、第4レンズ群は所定の基準位置に固定されているが、本実施の形態の第4レンズ群318R、318Lは前後方向に移動可能に配置されている。なお、第4レンズ群318R、318Lの各々の光軸は中心軸60aと平行であり、光軸方向に移動する。
詳細は後述するが、広角端設定時の状態において、第3レンズ群316をそのときの位置よりも前方の位置に設定することによって、右視軸304Rと左視軸304Lの交点であるクロスポイントの位置が基準面RPよりも遠い位置に変化する。これに伴い、右撮影部50Rの右全視野範囲VFRが左右方向の右側にシフトし、左撮影部50Lの左全視野範囲VFLが左右方向の左側にシフトする。即ち、右全視野範囲VFRと左全視野範囲VFLを合せた撮影部50の全視野範囲VFが左右方向に拡大され、図4に示したように3D画像が撮影される3D視野範囲3DR&3DLの左右両横に広角の2D画像が撮影される右2D視野範囲2DRと左2D視野範囲2DLが形成される。
一方、第3レンズ群316を広角端設定時の位置よりも前方の位置に設定すると、焦点位置にずれが生じるが、その焦点位置のずれは、第4レンズ群318R、318Lを移動させることによって補正する。
ここで、右第4レンズ群318Rと左第4レンズ群318Lとは、それらの光軸が左右に平行となるように配置されており、右第4レンズ群318Rの光軸上を通過する光線が、物点から前置レンズ310、第1レンズ群312、第2レンズ群314、及び、第3レンズ群316を通過する経路を右撮影部50Rの視野範囲(全視野範囲VFR)の中心となる右視軸304R(右撮影光学系60Rの光軸)とし、左第4レンズ群318Lの光軸上を通過する光線が、物点から前置レンズ、第1レンズ群312、第2レンズ群314、及び、第3レンズ群316を通過する経路を左撮影部50Lの視野範囲(全視野範囲VFL)の中心となる左視軸304L(左撮影光学系60Lの光軸)としている。
このとき、第4レンズ群318R、318Lを基準位置に設定した状態において、右視軸304Rと左視軸304Lとが、観察面とする基準面RP上の位置で交差するように(クロスポイントが基準面RP上となるように)、それらのなす角である輻輳角が前置レンズ310によって調整されている。
また、イメージセンサ70R、70Lの各々は、受光面71R、71Lの中心が右視軸304Rと左視軸304Lと交差する位置に配置されている。
図7は、撮影光学系60の第4レンズ群318R、318Lを基準位置に固定して状態において、ズームを広角端と拡大端に設定した場合の撮影部50の視野範囲の変化を示した図であり、図6と同様に撮影光学系60の上側断面に広角端設定時の状態、下側断面に拡大端設定時の状態が示されている。
同図において撮影光学系60の上側断面に示す広角端設定時の状態では、右撮影部50R(右撮影光学系60R)の視野範囲、即ち、右全視野範囲VFRは、VFR−Wとなる。左撮影部50L(左撮影光学系60L)の視野範囲、即ち、左全視野範囲VFLは、中心面50a(中心軸60a)に対して右全視野範囲VFR―Wと対称となるVFL―Wとなる。これらの右全視野範囲VFR―Wと左視野範囲VFL―Wは、クロスポイントCPが存在する基準面RPにおいて一致し、基準面RPにおけるそれらの視野範囲が撮影部50の全視野範囲VF−Wとして示されている。
また、同図において、広角端設定時のときの右視軸304Rと左視軸304Lとのなす角である輻輳角が角度αWで示されている。なお、クロスポイントCPは、基準面RPと中心軸60aとの交点の位置に存在する。
一方、同図において撮影光学系60の下側断面に示す拡大端設定時の状態では、左撮影部50Lの左全視野範囲VFLは、VFL―Wよりも角度範囲が狭いVFL−Tとなる。右撮影部50Rの右全視野範囲VFRは、中心面50a(中心軸60a)に対して左全視野範囲VFL―Tと対称となるVFR―Tとなる。これらの右全視野範囲VFR―Tと左視野範囲VFL―Tは、クロスポイントCPが存在する基準面RPにおいて一致し、基準面RPにおけるそれらの視野範囲が撮影部50の全視野範囲VF−Tとして示されている。
また、同図において、拡大端設定時のときの輻輳角が角度αTで示されており、拡大端設定時のときの輻輳角αTは、広角端設定時のときの輻輳角αWよりも大きい角度となる。
これによれば、第2レンズ群314を移動させてズームを広角端から拡大端まで移動させると共に、これに伴う焦点位置のずれを補正するように第3レンズ群316を移動させると、右全視野範囲VFRと左全視野範囲VFLが各々、視野範囲VFRーW、VFL―Wから視野範囲VFR―T、VFL―Tまで徐々に狭くなる。即ち、撮影部50の全視野範囲VFが、全視野範囲VF−Wから全視野範囲VF−Tまで徐々に狭くなる。
このとき、右全視野範囲VFRと左全視野範囲VFLとは基準面RPにおいて同じ範囲で重なっているため、右全視野範囲VFR全体が図4に示した右3D視野範囲3DRに相当し、左全視野範囲VFL全体が左3D視野範囲3DLに相当する。
したがって、撮影光学系60の第4レンズ群318R、318Lを基準位置に固定して状態においては、右撮影部50Rにより取得される右画像IRの画像領域全体が図5(A)に示した右3D画像領域360Rとなり、左撮影部50Lにより取得される左画像ILの画像領域全体が図5(B)に示した左3D画像領域360Lとなる。
そして、それらの右画像IRと左画像ILとを用いて、図5(C)の内視鏡画像IR&ILと同様に、右画像IRにおける右3D視野範囲3DRの画像(右3D画像領域360Rの画像)と、左画像ILにおける左3D視野範囲3DLの画像(左3D画像領域360Lの画像)とが3D表示装置18の画面上において重なるように表示することによって、右画像IRと左画像ILの画像全体が3D画像として表示される。
また、そのときの3D画像の画角がズーム倍率に応じて変化する。
このように、第4レンズ群318R、318Lを基準位置に固定した状態において、撮影光学系60の第2レンズ群314及び第3レンズ群316を移動させてズーム倍率を変化させる場合の通常のズームを“標準ズーム”というものとする。
一方、図8は、第3レンズ群316を標準ズームでの広角端設定時の位置から移動させることによって、撮影部50の全視野範囲VFを左右方向に拡大する画像シフト時の状態を示し、撮影光学系60の上側断面に画像シフト時の状態、下側断面に標準ズームでの広角端設定時の状態が示されている。
同図において下側断面に示す標準ズームでの広角端設定時の状態と比較して分るように、上側断面に示す画像シフト時の状態では、第2レンズ群314が、標準ズームでの広角端設定時の位置に設定される。
これに対して第3レンズ群316は、画像シフト時では標準ズームでの広角端設定時の位置よりも移動量Xa分だけ前方の位置に設定される。また、その第3レンズ群316の移動によって生じた焦点位置のずれを補正するように第4レンズ群318R、318Lも基準位置よりも移動量Xb分だけ前方の位置に設定される。
図9は、画像シフト時の撮影部50の視野範囲を示した図であり、図8と同様に撮影光学系60の上側断面に画像シフト時の状態、下側断面に標準ズームでの広角端設定時の状態が示されている。
同図において撮影光学系60の下側断面に示す標準ズームでの広角端設定時の状態では、左撮影部50L(左撮影光学系60L)の左全視野範囲VFLは、図7に示したのと同様に、VFL−Wとなる。右撮影部50R(右撮影光学系60R)の右全視野範囲VFRは、図7に示したのと同様に、中心面50a(中心軸60a)に対して左全視野範囲VFL―Wと対称となるVFR―Wとなる。このときの基準面RPにおける撮影部50の全視野範囲VFがVF−Wで示され、輻輳角が角度αWで示されている。
一方、同図において撮影光学系60の上側断面に示す画像シフト時の状態では、右撮影部50Rの右全視野範囲VFRは、VFR−Sとなる。左撮影部50Lの左全視野範囲VFLは、中心面50a(中心軸60a)に対して右全視野範囲VFR―Sと対称となるVFL―Sとなる。
これによれば、右全視野範囲VFR−Sは、右全視野範囲VFR―Wに対して全体的に右側(図中上側)にシフトしている。即ち、同図においては、第3レンズ群316を標準ズームでの広角端設定時の位置から画像シフト時の位置に移動させたことによって、右撮影部50Rの右視軸304Rの方向が中心軸60aと平行となる方向に変化している。その結果、右全視野範囲VFR−Sも全体的に右側にシフトしている。
同様に、左全視野範囲VFL−Sは、左全視野範囲VFL−Wに対して全体的に左側(図中下側)にシフトしている。即ち、同図においては、第3レンズ群316を標準ズームでの広角端設定時の位置から画像シフト時の位置に移動させたことによって、左撮影部50Lの左視軸304Lの方向が中心軸60aと平行となる方向に変化している。これは、右撮影部50Rの右視軸304Rとも平行となり、輻輳角が0度となることを意味する。その結果、左全視野範囲VFLーSも全体的に左側にシフトしている。
このように右全視野範囲VFR―Sと左全視野範囲VFL―Sが左右方向の互いに離間する方向にシフトすることによって、右撮影部50Rと左撮影部50Lによって撮影される基準面RPにおける撮影部50の全視野範囲VFがVF−Sとなり、標準ズームでの広角端設定時の撮影部50の全視野範囲VF−Wよりも左右方向に拡大される。
そして、図4に示した視野範囲と同様に、右全視野範囲VFR−Sと左全視野範囲VFL−Sとが重なる右3D視野範囲3DR−Sと左3D視野範囲3DL−S(3D視野範囲3DR&3DL−S)が形成され、右全視野範囲VFR−Sと左全視野範囲VFL−Sとが重ならない右2D視野範囲2DR−Sと左2D視野範囲2DL−Sとが形成される。
したがって、画角シフト時においては、右撮影部50Rにより取得される右画像IRの画像領域が、図5(A)に示したように右3D視野範囲3DR−Sの被写体が映り込む右3D画像領域360Rと右2D視野範囲2DR−Sの被写体が映り込む右2D画像領域362Rとにより構成されるようになる。また、左撮影部50Lにより取得される左画像ILの画像領域が、図5(B)に示したように左3D視野範囲3DL−Sの被写体が映り込む左3D画像領域360Lと左2D視野範囲2DL−Sの被写体が映り込む左2D画像領域362Lとにより構成されるようになる。
そして、それらの右画像IRと左画像ILとを用いて、図5(C)の内視鏡画像IR&ILと同様に、右画像IRにおける右3D画像領域360Rの画像と、左画像ILにおける左3D画像領域360Lの画像とが3D表示装置18の画面上において重なるように右画像IR及び左画像ILを表示することによって、3D視野範囲3DR&3DL−Sの3D画像と、右2D視野範囲2DR−S及び左2D視野範囲2DL−Sの2D画像を融合した内視鏡画像IR&ILが表示される。これによって、標準ズーム時の広角端設定時よりも更に左右方向に広い視野範囲を観察することができるようになる。
なお、右全視野範囲VFR―Sと左全視野範囲VFL―Sの左右方向へのシフト量は、第3レンズ群316の標準ズームでの広角端設定時の位置からの移動量Xaの大きさによって変化させることができる。傾向として移動量Xaを大きくするほど、シフト量を大きくすることができる。
即ち、移動量Xaを大きくする程、基準面RPにおいて右視野範囲VFR(VFR−S)と左視野範囲VFL(VFL−S)とが重なる3D視野範囲3DR&3DLを減少させ、右視野範囲VFR(VFR−S)と左視野範囲VFL(VFL−S)とが重ならない右2D視野範囲2DRと左2D視野範囲2DLを大きくし、撮影部50の全視野範囲VFを左右方向に広くすることができる。
このときの第4レンズ群318R、318Lの移動量Xbは、第3レンズ群316の移動量Xaの大きさに応じて変更される。
次に、上記撮影光学系60を制御する制御系の構成について図10を用いて説明する。
同図において、内視鏡12の先端部30に搭載された撮影部50には、上記の撮影光学系60が設けられている。同図には撮影光学系60の中心軸60a方向に移動可能に配置された第1レンズ群312、第2レンズ群314、第3レンズ群316、及び、第4レンズ群318R、318Lが示されており、各々、各モータ552、554、556、558R、558Lに不図示の動力伝達機構によって連結されている。これによって、第1レンズ群312、第2レンズ群314、第3レンズ群316、及び、第4レンズ群318R、318Lが各モータ552、554、556、558R、558Lの動力によって電動で中心軸60a方向に移動するようになっている。各モータ552、554、556、558R、558Lは、先端部30に搭載された駆動部560から与えられる電圧信号によって駆動されるようになっている。
一方、プロセッサ装置14は、操作者が各種情報を入力する操作部562(プロセッサ装置14に接続されるキーボード等の入力装置も含む)を備えており、その操作部562によって、操作者が、撮影光学系60の焦点(フォーカス)位置を指定する指示情報、標準ズームのモードか画像シフトのモードかを指定する指示情報、標準ズームにおけるズーム倍率を指定する指示情報、画像シフトにおけるシフト量を指定する指示情報等の入力を行うことができるようになっている。なお、このような指示情報の入力は、プロセッサ装置14においてではなく、内視鏡12の操作部22において行えるようにしてもよい。
操作部562から入力された指示情報は、プロセッサ装置14の制御部564によって読み取られ、その指示情報に基づいて第1レンズ群312〜第4レンズ群318R、318Lの各々を設定すべき指示位置が決定され、決定された指示位置への移動を指示する制御信号が制御部564から内視鏡12の上記駆動部560に送信されるようになっている。
駆動部560は、制御部564から与えられた制御信号に基づいて、第1レンズ群312〜第4レンズ群318R、318Lが指示位置に移動するように各モータ552、554、556、558R、558Lを駆動する。
これによって、第1レンズ群312は、操作者によって指定された焦点位置に対応する位置となるように制御される。
第2レンズ群314〜第4レンズ群318R、318Lは、操作者によって指定されて設定されたモードが標準ズームと画像シフトのいずれのモードかによって異なる制御が行われる。
標準ズームのモード時では、第2レンズ群314は、操作者によって指定されたズーム倍率に対応する位置となるように制御され、第3レンズ群316は、第2レンズ群314の位置に対応して事前に決められた位置(焦点位置のずれを補正する位置)となるように制御される。第4レンズ群318R、318Lは、事前に決められた基準位置に設定される。
一方、画像シフトのモード時においては、第2レンズ群314は、標準ズームでの広角端設定時の位置となるように制御され、第3レンズ群316は、操作者によって指定されたシフト量に対応した移動量Xa分だけ標準ズームでの広角端設定時の位置よりも前方の位置となるように制御される。
第4レンズ群318R、318Lは、第3レンズ群316の移動量Xaに対応して事前に決められた移動量Xb分だけ基準位置(標準ズームでの固定位置)よりも前方の位置となるように制御される。
以上により、撮影光学系60の標準ズームの制御と画像シフトの制御とが操作者の操作にしたがって行われるようになる。
なお、画像シフトのモード時において、図5(A)のように右撮影部50Rによって得られた右画像IRにおける右3D画像領域360Rと図5(B)のように左撮影部50Lによって得られた左画像ILにおける左3D画像領域360Lの大きさが、第3レンズ群316の移動量Xaの大きさによって変動する。
したがって、右画像IRと左画像ILとを用いて3D表示装置18に図5(C)のように内視鏡画像IR&ILを表示する場合に、3D画像として表示する3D画像領域360の大きさ(幅)、即ち、右画像IRの右画像領域360Rと左画像ILの左画像領域360Lとして認識する画像領域の大きさ(横幅)を第3レンズ群316の移動量Xaの大きさによって変更する必要がある。
そこで、第3レンズ群316の移動量Xaに対する右3D画像領域360R及び左3D画像領域360Lの大きさ(横幅)に関するデータを事前に生成し、内視鏡画像IR&ILを生成する表示画像生成部104(図2参照)において、そのデータを参照できるように記憶手段に記憶させておく。その記憶手段は、プロセッサ装置14に内蔵された記憶媒体であってもよいし、プロセッサ装置14に着脱可能な記憶媒体であってもよい。また、内視鏡12に内蔵された記憶媒体であってもよい。
そして、表示画像生成部104において内視鏡画像IR&ILを生成する際に、第3レンズ群316の移動量Xaの情報を取得すると共に、記憶手段に記憶されたデータを参照するようにし、第3レンズ群316の移動量Xaに応じて右画像IRにおける右3D画像領域360Rと左画像ILにおける左3D画像領域360Lとして認識する画像領域の大きさ(横幅)を変更するものとすればよい。第3レンズ群316の移動量Xaの情報の取得は、第3レンズ群316の移動量Xaを検出する位置検出手段からの情報、図10における制御部564からの情報(第3レンズ群316を制御している位置の情報)、又は、操作部562から入力された指示情報(第3レンズ群316の位置を指示する情報)等の取得によって行うことができる。
また、画像シフトのモード時において、第3レンズ群316の移動量Xaは、連続的な値に変更できるようにしてもよいし、離散的な値に変更できるようにしてもよい。また、第3レンズ群316の移動量Xaは上記のように変更できるものではなく、1つの値(固定値)のみ取り得るものとし、画像シフトのモードが選択されたときに移動量Xaがその固定値となる位置に第3レンズ群316を設定し、第4レンズ群318R、318Lを、その移動量Xaに対応する移動量Xbとなる位置に設定するようにしてもよい。
また、画像シフトのモード時において、第2レンズ群314を標準ズームでの広角端設定時(ズーム倍率が最小の時)の位置に設定し、第3レンズ群316を標準ズームでの広角端設定時の位置を基準位置として、その基準位置から移動量Xa分だけ移動させるようにしたが、画像シフトのモード時における第2レンズ群314の設定位置と、第3レンズ群316の基準位置は、必ずしも広角端設定時の位置でなくてもよく、他のズーム倍率の設定時の位置としてもよい。
以上、図6等に示した第1の実施の形態の撮影光学系60は、ズーム部301の第1レンズ群312、第2レンズ群314、及び、第3レンズ群316を、凸型(正の屈折力)のレンズ群、凹型(負の屈折力)のレンズ群、凸型(正の屈折力)のレンズ群により構成した4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズに基づくものとしている。しかしながら、これに限らず、同様の4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズに基づく撮影光学系60の第2の実施の形態として、ズーム部の第1レンズ群、第2レンズ群、及び、第3レンズ群を、凹型のレンズ群、凸型のレンズ群、凹型のレンズ群により構成したものであってもよい。
図11は、撮影部50の撮影光学系60の第2の実施の形態の構成を示したレンズ断面図である。なお、本第2の実施の形態については、ズーム部の第1レンズ群、第2レンズ群、及び、第3レンズ群が凹型か凸型かで相違する点以外は、図6に示した第1の実施の形態と同様の構成を有し、また、上述の標準ズームと画像シフトに関する駆動や制御も第1の実施の形態と同様に行われるため、説明を一部省略する。
同図において、中心面50aよりも下側断面に標準ズーム時においてズームを広角端に設定した状態、上側断面に画像シフト時の状態が示されている。
同図に示すように、撮影光学系60は、右撮影光学系60Rと左撮影光学系60Lとに共用される共用部400と、右撮影光学系60Rと左撮影光学系60Lとに個別に設けられる分離部402とから構成されている。
共用部400は、4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズを構成する第1〜第4レンズ群のうちのズーム部401を構成する第1レンズ群412、第2レンズ群414、及び、第3レンズ群416を有すると共に、第1レンズ群412よりも対物側となる位置に配置された前置レンズ410とを有している。
前置レンズ410は、第1の実施の形態の前置レンズ310と同様の構成、作用を有しており、右撮影部50Rの右全視野範囲VFRの中心軸となる右視軸404Rと、左撮影部50Lの左全視野範囲VFLの中心軸となる左視軸304Lとがなす輻輳角を創生している。
第1レンズ群412は、焦点系のレンズ群(フォーカスシングレンズ)であり、負の屈折力を有する凹レンズとして構成されている。この第1レンズ群412が前後方向に移動することによって焦点調整(フォーカシング)が行われる。なお、第1レンズ群412は、同図では1枚の単体レンズとして示されているが、1枚又は複数枚の単体レンズを組み合わせて構成されたレンズ群を示す。第2レンズ群414、及び第3レンズ群416についても同様に1枚又は複数枚の単体レンズを組み合わせて構成されたレンズ群を示す。
第2レンズ群414は、変倍系(バリエータ)のレンズ群であり、負の屈折力を有する凹レンズとして構成されている。この第2レンズ群314は第2レンズ群314が前後方向に移動することによって撮影光学系60R、60Lの焦点距離(ズーム倍率)が変更される。標準ズームでのズーム倍率を低くした(焦点距離を短くした)広角時ほど第2レンズ群414が後方の位置に設定される。
第3レンズ群416は、補正系(コンペンセータ)のレンズ群であり、正の屈折力を有する凸レンズである。この第3レンズ群416は第2レンズ群414と所定の位置関係を有して第3レンズ群416が移動することによって第2レンズ群414の移動に伴う焦点位置のずれが補正される。
分離部402には、第1の実施の形態と同様に左右一対の右第4レンズ群418Rと左第4レンズ群418Lが配置されている。これらの第4レンズ群418R、418Lの各々は、同図では1枚の単体レンズとして示されているが、1枚又は複数枚の単体レンズを組み合わせて構成されたレンズ群を示す。
第4レンズ群418R、418Lは、結像系(マスターレンズ)のレンズ群であり、正の屈折力を有した凸レンズとして構成されている。また、右第4レンズ群418Rと左第4レンズ群418Lの特性は一致している。これらの第4レンズ群318R、318Lによって、ズーム部401(第1レンズ群412、第2レンズ群414、及び第3レンズ群416からなるズーム光学系)により形成された虚像が実像として、各々、右撮影部50Rのイメージセンサ70Rの受光面71Rと左撮影部50Lのイメージセンサ70Lの受光面71Lに結像される。
標準ズーム時では、図6の第1の実施の形態と同様に、同図の上側断面のように第4レンズ群418R、418Lが所定の基準位置に固定される。そして、第2レンズ群414が中心軸60a方向に移動することによってズーム倍率が変更され、第2レンズ群414が移動することによって生じる焦点位置のずれが第3レンズ群416が移動することによって補正される。
一方、画像シフト時では、第1の実施の形態と同様に、同図の上側断面のように第3レンズ群416が標準ズームでの広角端設定時の位置よりも前方の位置に設定され、第4レンズ群418R、418Lが基準位置よりも前方の位置に設定される。第2レンズ群414は広角端の位置に設定される。
これによって、右視軸404Rと左視軸404Lの方向が中心軸60aと平行となる方向に変化して右撮影部50Rの視野範囲(右全視野範囲VFR)と左撮影部50Lの視野範囲(左全視野範囲VFL)が左右方向の互いに離間する方向にシフトする。したがって、右全視野範囲VFRと左全視野範囲VFLを合せた撮影部50の全視野範囲VFが、標準ズームでの広角端設定時よりも左右方向に拡大される。
図12は、第2の実施の形態の撮影光学系60における画像シフト時の視野範囲を示した図であり、図11と同様に撮影光学系60の上側断面に画像シフト時の状態、下側断面に標準ズームでの広角端設定時の状態が示されている。
同図において撮影光学系60の下側断面に示す標準ズームでの広角端設定時の状態では、左撮影部50L(左撮影光学系60L)の左全視野範囲VFLは、VFL−Wとなる。右撮影部50R(右撮影光学系60R)の右全視野範囲VFRは、図7に示したのと同様に、中心面50a(中心軸60a)に対して左全視野範囲VFL―Wと対称となるVFR―Wとなる。このときの基準面RPにおける撮影部50の全視野範囲VFがVF−Wで示され、輻輳角が角度αWで示されている。なお、標準ズーム時においてズーム倍率を変更した場合には、第1の実施の形態と同様に基準面RPにおいて右全視野範囲VFRと左全視野範囲VFLが略一致した範囲でその大きさが変化する。
一方、同図において撮影光学系60の上側断面に示す画像シフト時の状態では、右撮影部50Rの右全視野範囲VFRは、VFR−Sとなる。左撮影部50Lの左全視野範囲VFLは、中心面50a(中心軸60a)に対して右全視野範囲VFR―Sと対称となるVFL―Sとなる。
これによれば、標準ズーム時及び画像シフト時における撮影部50の視野範囲の構成は図9に示した第1の実施の形態における撮影部50の視野範囲と一致している。したがって、第1の実施の形態と同様に、画像シフト時には、右撮影部50Rと左撮影部50Lによって撮影される撮影部50の全視野範囲VF(VF−S)が標準ズームでの広角端設定時の撮影部50の全視野範囲VF−Wよりも左右方向に拡大される。
そして、右全視野範囲VFR−Sと左全視野範囲VFL−Sとが重なる右3D視野範囲3DR−Sと左3D視野範囲3DL−S(3D視野範囲3DR&3DL−S)が形成され、右全視野範囲VFR−Sと左全視野範囲VFL−Sとが重ならない右2D視野範囲2DR−Sと左2D視野範囲2DL−Sとが形成される。
したがって、第1の実施の形態と同様に、画像シフト時には、図5(C)の内視鏡画像IR&ILのように3D画像と2D画像とを融合して視野範囲を左右方向に拡大した内視鏡画像を3D表示装置18に表示することができる。
以上の撮影光学系60の第1の実施の形態及び第2の実施の形態は、いずれも4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズを基本的構成とするものであるが、同様の構成の光学補正式ズームレンズを基本的構成として撮影光学系60を構成することもできる。
光学補正式ズームレンズを基本的構成として撮影光学系60を構成した場合、標準ズーム時(標準ズームのモード時)では、補正系の第3レンズ群の位置を固定して、変倍系の第2レンズ群のみを移動させ、焦点位置のずれが許容できる位置に第2レンズ群を設定してズーム倍率を変更する。例えば、焦点位置のずれが生じない広角端の位置と拡大端の位置との2位置のみで第2レンズ群を設定できるものとしても良い。
一方、画像シフト時には、機械補正式ズームレンズを基本的構成とする図6や図11に示した実施の形態と同様に、第2レンズ群を広角端の位置に設定し、第3レンズ群と第4レンズ群(右第4レンズ群及び左第4レンズ群)を移動させることで、撮影部50の全視野範囲VFを標準ズームでの広角端設定時よりも左右方向に拡大することができる。
以上、上記第1及び第2の実施の形態では、画像シフト時において第3レンズ群(図6の第3レンズ群316、図11の第3レンズ群416)の全体を移動させるようにしたが、第3レンズ群を構成する光学要素の一部のみを移動させるようにしてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態のズーム部(図6のズーム部301、図11のズーム部401)の構成、即ち、ズーム光学系の構成として、標準ズームのみで使用する場合(通常のズームレンズとして使用する場合)に一体として移動するレンズ群の数が3つ(第1レンズ群〜第3レンズ群)のものを示したが、ズーム部の構成はこれに限らず、本発明は、任意の数のレンズ群により構成される例えば無焦点系(アフォーカル)のズーム光学系に対して適用できる。
ズーム部が任意の数のレンズ群で構成されているとした場合に、標準ズーム時には、通常のズームレンズとして使用する場合と同様に所定(1又は複数)のレンズ群を移動させてズーム倍率を変更する。
画像シフト時には、ズーム部に含まれるレンズ群を所定のズーム倍率に設定した状態(例えばズーム倍率が最小となる状態)に設定すると共に、例えば、被写体光が射出されるズーム部の射出部の近傍の光学要素、即ち、ズーム部の最後段のレンズ群の全体又は一部の光学要素を、そのときの設定位置を基準位置として基準位置から所定移動量分だけ光軸方向に移動させた位置に設定する。これによって、撮影部の左右一対の右全視野範囲VFRと左全視野範囲VFLを左右方向の互いに反対向きとなる方向にシフトさせる。
そして、その光学要素の移動による焦点位置のずれを上記実施の形態と同様に第4レンズ群を基準位置から所定移動量分だけ光軸方向に移動させた位置に設定することによって補正するように制御すればよい。
また、上記実施の形態の撮影光学系60では、最前部に前置レンズを備えた構成としたが、前置レンズは必ずしも必要ではない。前置レンズの代りに焦点系の第1レンズ群を移動させて基準面RPに合焦させることで、前置レンズの機能を第1レンズ群が代替できる。
また、上記実施の形態における内視鏡画像の表示形態では、画像シフト時において、撮影部50により取り込んだ右画像IRと左画像ILとを用いて図5(C)のように3D画像と2D画像とを融合した内視鏡画像IR&ILを表示するものとしたが、内視鏡画像の表示形態はこれに限らない。以下に示す内視鏡画像の表示形態に関する処理は、図2に示したプロセッサ装置14における表示画像生成部104の処理によって対応することができる。
例えば、図5(C)において3D画像領域360(3D視野範囲3DR&3DL)のみの画像(右画像IRの右3D画像領域360Rと左画像ILの左3D画像領域360Lの画像)を3D表示装置18に3D画像のみの内視鏡画像として表示してもよい。
そして、3D表示装置18の画面において、その3D画像のみの内視鏡画像(又は3D画像と2D画像を融合した内視鏡画像)に対して、所定の操作により切り替え可能に、又は、並列して、3D画像領域360(3D視野範囲3DR&3DL)の画像とその両横の右2D画像領域362R(右2D視野範囲2DR)の画像と左2D画像領域362L(左2D視野範囲2DL)の画像とを含めた全体画像(内視鏡12の全視野範囲VFの全体画像)を2D画像のみの内視鏡画像として表示してもよい。
3D画像領域360の3D画像を2D画像として表示する形態として、右画像IRの右3D画像領域360Rの画像と左画像ILの左3D画像領域360Lの画像を間引き処理して解像度を低下させて3D画像として認識できないようにする(立体視不能な3D画像とする)形態や、右3D画像領域360Rの画像と左3D画像領域360Lの画像のうちのいずれか一方の画像のみを3D画像領域360の画像として表示する形態や、右3D画像領域360Rの画像と左3D画像領域360Lの画像とを合成、又は、融合した2D画像(合成処理した2D画像)を生成して3D画像領域360の画像として表示する形態などを採用することができる。右3D画像領域360Rの画像と左3D画像領域360Lの画像とを合成(融合)した2D画像として、例えば、それらの画像を重ね合わせた画像(平均した画像)を生成する形態が考えられる。
なお、3D表示装置18に2D画像を表示する場合に、右眼用表示画像と左眼用表示画像の両方に同一の2D画像を表示してもよいし、いずれか一方のみに2D画像を表示してもよい。内視鏡12の全視野範囲VFの全体画像を2D画像のみの内視鏡画像として表示する場合における右画像IRの右2D画像領域362Rの2D画像と左画像ILの左2D画像領域362Lの2D画像についても同様である。また図5(C)のように3D画像と2D画像とを融合した内視鏡画像IR&ILを表示する場合についても同様である。また、2D画像のみの内視鏡画像は、3D画像を表示するモニタとは別の2D表示用のモニタに表示するようにしてもよい。
また、図5(C)等のように3D画像と2D画像とを融合した内視鏡画像IR&ILや、上記のように3D画像のみの内視鏡画像や2D画像のみの内視鏡画像を表示する場合に、それらの全体を画面内に表示するのではなく、一部の領域の画像のみを切り出して表示するようにしてもよい。例えば、画面上において内視鏡画像を表示する表示エリアの縦横比(横幅/縦幅の値とする)が、内視鏡画像よりも大きい場合、表示エリアの横幅と内視鏡画像の横幅が一致するようにし、表示エリア外となる内視鏡画像の上下の一部の領域の画像を非表示とするようにしてもよい。
さらに、内視鏡12の操作部22やプロセッサ装置14の操作部562での所定の操作によって観察者等が画面に表示する内視鏡画像を拡大、縮小できるようにしてもよく、その場合に内視鏡画像の一部が表示エリア外となる場合には、内視鏡画像の一部の領域の画像を切り出して表示エリアに表示させるようにすればよい。このとき内視鏡画像から切り出して表示エリアに表示する画像領域を操作者がスクロール操作等によって変更できるようにしてもよい。
また、図5(C)等のように3D画像と2D画像とを融合した内視鏡画像IR&ILを表示する場合に、3D画像領域360と右2D画像領域362Rとの境界領域、及び、3D画像領域360と左2D画像領域362Lとの境界領域において、立体認識の破綻が生じる。この破綻を低減するため、それらの境界領域の画像に間引き処理などを施し、3D画像から2D画像への急激な飛躍を軽減するようにすると好適である。
たとえば、図13(A)に示すよう右画像IRの右3D画像領域360Rの左端側の境界領域620Rと、同図(B)に示すように左画像ILの左3D画像領域360Lの右端側の境界領域620Lの画像に対して間引き処理又はぼかし処理などを施して境界領域620R、620Lの画像の鮮明度を低下させる処理を施して、同図(C)のように内視鏡画像IR&ILを表示する。その場合に、右画像IRの境界領域620Rと左画像ILの境界領域620Lの画像に対して間引き処理やぼかし処理などにより鮮明度を低下させる効果を一様に与えるようにしてもよいし、境界に近づく程(右画像IRの境界領域620Rの画像に対しては左端に近づく程、左画像ILの境界領域620Lの画像に対しては右端に近づく程)、間引き処理やぼかし処理などによる鮮明度を低下させる効果を徐々に強くするようにしてもよい。
なお、右画像IRの境界領域620Rと共に、または、その境界領域620Rの代わりに、左画像ILの左3D画像領域360Lの左端側の境界領域に鮮明度を低下させる処理を施し、左画像ILの境界領域620Lと共に、または、その境界領域620Lの代りに、右画像IRの右3D画像領域360Rの右端側の境界領域に鮮明度を低下させる処理を施してもよい。また、本処理は、3D画像のみの内視鏡画像を表示する場合にも同様に適用することができる。
また、上記実施の形態では、軟性の内視鏡12に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、硬性の内視鏡等のように内視鏡の種類にかかわらずに適用できる。
10…立体内視鏡システム、12…立体内視鏡(内視鏡)、14…プロセッサ装置、16…光源、18…3D表示装置、20…挿入部、22…操作部、24…ユニバーサルコード、30…先端部、30a…先端面、32…湾曲部、34…軟性部、50…撮影部、50R…右撮影部、50L…左撮影部、52…照明部、60…撮影光学系、60a…中心軸、60R…右撮影光学系、60L…左撮影光学系、70R、70L…イメージセンサ、71R、71L…受光面(撮像面)、80R、80L…アナログ信号処理部(AFE)、82R、82L…送信部、100…受信部、102…画像処理部、104…表示画像生成部、106…表示制御部、150…3D画像&広角2D画像表示エリア、160…3D画像表示エリア、170…広角2D画像表示エリア、200R、200L…処理部、202R、202L…駆動部、300、400…共用部、301、401…ズーム部、302、402…分離部、304R、404R…右視軸、304L、404L…左視軸、310、410…前置レンズ、312、412…第1レンズ群、314、414…第2レンズ群、316、416…第3レンズ群、318R、418R…右第4レンズ群、318L、418L…左第4レンズ群、560…駆動部、562…操作部、564…制御部、RP…基準面、VF…全視野範囲、VFR…右全視野範囲、VFL…左全視野範囲、3DR…右3D視野範囲、3DL…左3D視野範囲、3DR&3DL…3D視野範囲、2DR…右2D視野範囲、2DL…左2D視野範囲

Claims (10)

  1. 少なくとも光軸方向に沿って移動可能に構成された変倍系レンズ群及び補正系レンズ群を含み、広角端から拡大端まで変倍可能なズーム光学系と、前記ズーム光学系の被写体側とは反対側に配置された左右一対の撮像素子との間にそれぞれ配置され、撮像素子にそれぞれ被写体像を結像させる左右一対の結像光学系とを備え、前記左右一対の撮像素子により立体視用の左右一対の視差画像を取得する立体内視鏡装置であって、
    前記変倍系レンズ群の移動に伴う焦点位置の変化を補正するために前記補正系レンズ群を移動させる手段であって、前記変倍系レンズ群が広角端にあるときの前記補正系レンズ群の本来の位置よりも光軸方向にシフトさせて視野範囲を左右方向に拡大させる第1の移動手段と、
    前記補正系レンズ群が本来の位置よりもシフトされたことに伴う焦点位置のずれを補正するために前記左右一対の結像光学系を光軸方向に移動させる第2の移動手段と、
    を備えた立体内視鏡装置。
  2. 前記第1の移動手段は、前記補正系レンズ群の本来の位置に対するシフト量を可変するシフト量変更手段を有する請求項1に記載の立体内視鏡装置。
  3. 前記第1の移動手段は、前記補正系レンズ群の本来の位置に対するシフト量を予め決められた固定値とする請求項1に記載の立体内視鏡装置。
  4. 前記ズーム光学系は、4群ズーム方式の機械補正式ズームレンズにおける無焦点系のズーム光学系である請求項1、2、又は3に記載の立体内視鏡装置。
  5. 輻輳角を設定する前置レンズを前記ズーム光学系の被写体側に備えた請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の立体内視鏡装置。
  6. 前記左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域の画像を立体視用の3D画像として生成するとともに、視野範囲が重ならない領域の画像を前記3D画像の左右両側を拡張する平面視用の2D画像として生成する3D画像生成手段を備えた請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の立体内視鏡装置。
  7. 前記3D画像生成手段は、前記3D画像における前記2D画像との境界領域の画像の鮮明度を低下させる請求項6に記載の立体内視鏡装置。
  8. 前記左右一対の視差画像の全体の視野範囲の画像を平面視用の2D画像として生成する2D画像生成手段を備えた請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載の立体内視鏡装置。
  9. 前記2D画像生成手段は、前記左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域の画像を間引き処理によって立体視不能な3D画像として生成する請求項8に記載の立体内視鏡装置。
  10. 前記2D画像生成手段は、前記左右一対の視差画像の視野範囲が重なる領域の画像を合成処理によって2D画像として生成する請求項8に記載の立体内視鏡装置。
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