JP2014139037A - 自動車の車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重量の増加を最小限に抑えながら、前面衝突の衝突荷重で前後フレームを確実に変形させて衝撃吸収性能を高める。
【解決手段】 フロントサイドフレーム前部14は、フレーム本体部35と、フレーム本体部35の前後方向外側から車幅方向外側に張り出す曲げ変形部36とを備える。曲げ変形部36は、フレーム本体部35から車幅方向外側に延びる上部横壁36aおよび下部横壁36bと、上部横壁36aおよび下部横壁36bの車幅方向外端間を接続する縦壁36cとを有して閉断面に構成され、上部横壁36aおよび下部横壁36bの前後方向長さは車幅方向外側から内側に向かって増加するので、衝突荷重が入力したとき、その衝突荷重を曲げ変形部36を介してフレーム本体部35の車幅方向外壁35bに伝達し、フレーム本体部35の前後方向中間部に車幅方向内向きの荷重F3を加えて曲げ変形させることで、フロントサイドフレーム前部14による衝撃吸収効果を高めることができる。
【選択図】 図12

Description

本発明は、車体前部あるいは車体後部に配置されて前後方向に延びる前後フレームを備える自動車の車体構造に関する。
左右一対のサイドビーム(フロントサイドフレーム)の前後方向中間部の車幅方向外側面から斜め前方に斜方向ビームを延出し、この斜方向ビームの前端を左右一対のサイドビームの前端間を接続するバンパービームの後面に隙間を介して対向させ、前面衝突の衝突荷重をバンパービームから斜方向ビームを介してサイドビームに前後方向中間部に伝達することで、サイドビームを前後方向中間部において車幅方向内側に曲げ変形させ、衝突反力を序盤に大きくして中盤以降に小さくして乗員が受ける減速度を好適に低減するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2000−053022号公報
しかしながら、上記従来のものは、衝突荷重がバンパービームから斜方向ビームの前端に伝達されたとき、斜方向ビームがサイドビームとの接続部において車幅方向外側に折れてしまい、バンパービームからの衝突荷重をサイドビームに効率的に伝達することが困難であった。これを防止するには、斜方向ビーム自体を強固な部材とし、かつ斜方向ビームをサイドビームに強固に接続する必要があり、そのために重量が増加する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、重量の増加を最小限に抑えながら、前後方向の衝突荷重で前後フレームを確実に変形させて衝撃吸収性能を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車体前部あるいは車体後部に配置されて前後方向に延びる前後フレームを備える自動車の車体構造であって、前記前後フレームは多角形断面を有するフレーム本体部と、前記フレーム本体部の前後方向外側から車幅方向外側に張り出す曲げ変形部とを備え、前記曲げ変形部は、前記フレーム本体部から車幅方向外側に延びる上部横壁および下部横壁と、前記上部横壁および前記下部横壁の車幅方向外端間を接続する縦壁とを有して閉断面に構成され、前記上部横壁および前記下部横壁の前後方向長さは車幅方向外側から内側に向かって増加することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記上部横壁および前記下部横壁の車幅方向内端は前記フレーム本体部の稜線に接続することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記フレーム本体部および前記曲げ変形部の内部は水平壁により上下に区画されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記フレーム本体部の水平壁の数は前記曲げ変形部の水平壁の数よりも多いことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、二つの閉断面部を有する軽金属の押し出し材の一方の閉断面部で前記フレーム本体部を構成し、他方の閉断面部の一部を切除して前記曲げ変形部を構成することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項5の構成に加えて、前記押し出し材は少なくとも一つの直線よりなる切断線に沿って切除されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記前後フレームの前後方向外端に衝撃吸収部材を介してバンパービームの車幅方向外端が接続され、前記衝撃吸収部材は車幅方向内側から外側に向かって前後方向長さが減少することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、前記衝撃吸収部材は、車幅方向に離間して前後方向に延びる溝状の凹部よりなる主衝撃吸収部および副衝撃吸収部を一体に備え、前記副衝撃吸収部の板厚を前記主衝撃吸収部の板厚よりも小さく設定したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項9に記載された発明によれば、請求項1〜請求項8の何れか1項の構成に加えて、少なくとも車幅方向に配向された連続繊維を補強材とするプリプレグから成形される前記バンパービームは、車幅方向に一定の高さを有するとともに、上壁、底壁および下壁が連続して前後方向外側に向けて開放する溝型断面部を備え、前記溝型断面部の上下方向幅を車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて広くするとともに、前記溝型断面部の前後方向深さを車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて浅くしたことを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造が提案される。
尚、実施の形態のフロントサイドフレーム前部14は本発明の前後フレームに対応し、実施の形態のバンパービームエクステンション18は本発明の衝撃吸収部材に対応し、実施の形態の第1副衝撃吸収部18bおよび第2副衝撃吸収部18cは本発明の副衝撃吸収部に対応し、実施の形態の第1〜第4プリプレグ58〜61は本発明のプリプレグに対応する。
請求項1の構成によれば、車体前部あるいは車体後部に配置されて前後方向に延びる前後フレームは、多角形断面を有するフレーム本体部と、フレーム本体部の前後方向外側から車幅方向外側に張り出す曲げ変形部とを備える。曲げ変形部は、フレーム本体部から車幅方向外側に延びる上部横壁および下部横壁と、上部横壁および下部横壁の車幅方向外端間を接続する縦壁とを有して閉断面に構成され、上部横壁および下部横壁の前後方向長さは車幅方向外側から内側に向かって増加するので、衝突荷重が前後フレームの前後方向外端に入力したとき、その衝突荷重を曲げ変形部を介してフレーム本体部の車幅方向外壁に伝達し、フレーム本体部の前後方向中間部に車幅方向内向きの荷重を加えて曲げ変形させることで、前後フレームによる衝撃吸収効果を高めることができる。
曲げ変形部は前後方向の全長に亙ってフレーム本体部に接続されるので、衝突荷重によりフレーム本体部に対して曲げ変形部が倒れることがなく、フレーム本体部に車幅方向内向きの荷重を確実に加えて曲げ変形させることができる。また曲げ変形部の上部横壁および下部横壁は衝突荷重を剪断方向に支持するので、その肉厚を低減して重量を削減することが可能であり、しかも縦壁で上部横壁および下部横壁を接続して閉断面を構成するので、曲げ変形部の面外変形を抑制して前記車幅方向内向きの荷重を充分に発生させることができる。
また請求項2の構成によれば、上部横壁および下部横壁の車幅方向内端はフレーム本体部の稜線に接続するので、曲げ変形部からフレーム本体部に車幅方向内向きの荷重を効果的に伝達し、フレーム本体部を確実に曲げ変形させることができる。
また請求項3の構成によれば、フレーム本体部および曲げ変形部の内部は水平壁により上下に区画されるので、重量の増加を最小限に抑えながら前後フレームの強度および剛性を更に高めることができる。特に、フレーム本体部の水平壁は曲げ変形荷重を増加させて衝撃吸収量を高める効果があり、曲げ変形部の水平壁は車幅方向内向きの荷重を増加させる効果がある。
また請求項4の構成によれば、フレーム本体部の水平壁の数は曲げ変形部の水平壁の数よりも多いので、フレーム本体部の強度および剛性を更に高めることができる。
また請求項5の構成によれば、二つの閉断面部を有する軽金属の押し出し材の一方の閉断面部でフレーム本体部を構成し、他方の閉断面部の一部を切除して曲げ変形部を構成するので、複雑な断面形状の前後フレームを容易かつ安価に製造することができるだけでなく、フレーム本体部の肉厚や曲げ変形部の肉厚を容易に変更することができる。
また請求項6の構成によれば、押し出し材は少なくとも一つの直線よりなる切断線に沿って切除されるので、切断加工が容易であるだけでなく、切断線を折れ線とすることで曲げ変形部の前後方向内端位置を容易に変更することができる。
また請求項7の構成によれば、前後フレームの前後方向外端に衝撃吸収部材を介してバンパービームの車幅方向外端が接続され、衝撃吸収部材は車幅方向内側から外側に向かって前後方向長さが減少するので、バンパービームに入力した衝突荷重により衝撃吸収部材が前後方向外側から内側に順次圧壊することで、前後フレームに対する衝突荷重の入力位置が車幅方向外側に移動する。その結果、衝突荷重の多くが車幅方向外側の曲げ変形部に伝達されるようになり、曲げ変形部を介してフレーム本体部に車幅方向内向きの荷重を効率的に作用させることができる。
また請求項8の構成によれば、衝撃吸収部材は、車幅方向に離間して前後方向に延びる溝状の凹部よりなる主衝撃吸収部および副衝撃吸収部を一体に備え、副衝撃吸収部の板厚を主衝撃吸収部の板厚よりも小さく設定したので、主衝撃吸収部を衝撃吸収能力が比較的に高いメインの衝撃吸収領域とし、副衝撃吸収部を衝撃吸収能力が比較的に低いサブの衝撃吸収領域とすることで、入力する衝突荷重の大きさの分布に応じてバンパービームエクステンションの衝撃吸収性能を最適化することができる。
また請求項9の構成によれば、少なくとも車幅方向に配向された連続繊維を補強材とするプリプレグから成形されるバンパービームは、車幅方向に一定の高さを有するとともに、上壁、底壁および下壁が連続して前後方向外側に向けて開放する溝型断面部を備え、溝型断面部の上下方向幅を車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて広くするとともに、溝型断面部の前後方向深さを車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて浅くしたので、車幅方向の各位置においてバンパービームの断面形状の上下方向への展開長さが一定になって長方形のプリプレグからバンパービームを成形することが可能となり、プリプレグの歩留りを向上させてコストダウンを図ることができる。更に、バンパービームの前後方向寸法が車幅方向両端部で小さくなるため、バンパービームの車幅方向両端部に丸みを持たせて美観を高めることができるだけでなく、狭い場所での旋回時にバンパービームの車幅方向両端部が障害物と接触し難くすることができる。
自動車の車体前部の斜視図。(第1の実施の形態) 図1の2方向矢視図。(第1の実施の形態) バンパービームの斜視図。(第1の実施の形態) 図3の4方向矢視図。(第1の実施の形態) 図4の5A−5A線および5B−5B線断面図。(第1の実施の形態) 図2の6部拡大図。(第1の実施の形態) 図6の7−7線断面図。(第1の実施の形態) 図6の8−8線断面図。(第1の実施の形態) バンパービームエクステンションの分解斜視図。(第1の実施の形態) バンパービームを成形する金型の縦断面図。(第1の実施の形態) 図10の11−11線断面図。(第1の実施の形態) フロントサイドフレーム前部の形状を示す図。(第1の実施の形態) フロントサイドフレーム前部の製造方法を示す図。(第1の実施の形態) フロントサイドフレーム前部の他の実施の形態を示す図。(第2の実施の形態) フロントサイドフレーム前部の更に他の実施の形態を示す図。(第3〜第7の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図13に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。尚、本明細書において、前後方向(衝突荷重の入力方向)、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1および図2に示すように、実施の形態の自動車の車体はCFRP(カーボン繊維強化樹脂)等のFRPでバスタブ状に一体成形したキャビン11を備えており、その前端から起立するダッシュパネル12の前面にアルミニウム合金でダイキャスト成形した左右一対のサスペンション支持部材13,13が固定される。サスペンション支持部材13,13は、図示せぬサスペンションダンパーの上端を支持するダンパーハウジング13a,13aと、ダンパーハウジング13a,13aの下部に接続されて前方に延びるフロントサイドフレーム後部13b,13bとを備えており、フロントサイドフレーム後部13b,13bの前端にアルミニウム合金の押し出し材で構成された左右一対のフロントサイドフレーム前部14,14が接続される。ダッシュパネル12の左右上部から前方に延びる左右一対のFRP製のアッパーメンバ15,15の前端に左右一対のFRP製のサイドメンバ16,16が接続される。
フロントサイドフレーム前部14,14の前端に正面視で矩形枠状に形成されたFRP製のフロントバルクヘッド17が固定されており、フロントバルクヘッド17の左右上部にサイドメンバ16,16の前端が接続される。フロントサイドフレーム前部14,14の前端に左右一対のFRP製のバンパービームエクステンション18,18が固定されており、そのバンパービームエクステンション18,18の前端に車幅方向に延びるFRP製のバンパービーム19が固定される。バンパービーム19の前面はバンパーフェイス20で覆われる。フロントバルクヘッド17、バンパービーム19および左右一対のバンパービームエクステンション18,18に囲まれた位置に、正面視で矩形枠状に形成されたFRP製のシュラウド21が配置されており、シュラウド21の内部にエンジン冷却用ラジエータ、空調用コンデンサ、バッテリ冷却用ラジエータ等の冷却系部品(不図示)が前後方向に重ね合わされて支持される。
図2、図12および図13に示すように、アルミニウム合金の押し出し材で構成されたフロントサイドフレーム前部14は、車幅方向内側の矩形状断面のフレーム本体部35と、車幅方向外側の矩形状断面の曲げ変形部36とを備える。フレーム本体部35は車幅方向内壁35aと、車幅方向外壁35bと、上壁35cと、下壁35dとを有して閉断面に構成される。曲げ変形部36は、フレーム本体部35の上壁35cおよび下壁35dから車幅方向外側に張り出す上部横壁36aおよび下部横壁36bと、上部横壁36aおよび下部横壁36bの車幅方向外端間を接続する縦壁36cとを備え、フレーム本体部35の車幅方向外壁35bと協働して閉断面に構成される。
フレーム本体部35および曲げ変形部36の前端は車幅方向に整列しているが、曲げ変形部36の後部は前方から後方に向けて車幅方向外側から車幅方向内側に傾斜する折れ線a,b,cによって切除されている。即ち、平面視で曲げ変形部36の前後方向の長さは、車幅方向外側から内側に向けて次第に増加する。このように、フロントサイドフレーム前部14は、一定断面を有する所定長さの押し出し材の一部を切除して製造されるので、複雑な断面形状のフロントサイドフレーム前部14を容易かつ安価に製造することができるだけでなく、フレーム本体部35の肉厚や曲げ変形部36の肉厚を容易に変更することができる。
次に、図3〜図7に基づいてバンパービーム19の構造を説明する。
FRP製のバンパービーム19は、後側の本体部31と前側の初期荷重吸収部32…とを備える。本体部31は上壁33a、下壁33bおよび底壁33cを有して前方に向けて開放する一対の溝型断面部33,33を備えており、下側の溝型断面部33の上部フランジ33dと上側の溝型断面部33の下部フランジ33eとは一体に連続して略W字状断面を形成する。溝型断面部33の内部には、鉛直方向に延びて上壁33a、下壁33bおよび底壁33cを接続する複数の縦リブ33f…が、バンパービーム19の長手方向に所定距離だけ離間して形成される。車幅方向両端の縦リブ33f…を除く残りの縦リブ33f…には、前方に向かって開放するU字状の切欠き33j…が形成される。
また上側の溝型断面部33の上部フランジ33dと、下側の溝型断面部33の下部フランジ33eとには、前方に向かって突出する複数のピン33g…が形成される。また各溝型断面部33の底壁33cの車幅方向両端部には、前方に向かって突出する複数の第1ボス33h…と、前方に向かって突出する複数の第2ボス33i…とが形成されており、相互に対向する第1、第2ボス33h…,33i…の内部には、前後方向を指向する締結カラー34…がインサートされる。
バンパービーム19は、車幅方向中央に位置する中央部31aと、中央部31aの両側に連なる一対の車体固定部31b,31bとを一体に備える。前記締結カラー34…は、各々の車体固定部31bに上下各3本ずつ設けられる。
中央部31aの全域において溝型断面部33の断面形状は車幅方向に概ね一定であるが、車体固定部31bでは溝型断面部33の断面形状が車幅方向に変化する(図5参照)。即ち、溝型断面部33のU字状の溝の上下方向幅Wは車幅方向外側に向かって次第に大きくなり、溝型断面部33のU字状の溝の前後方向深さDは車幅方向外側に向かって次第に小さくなる。その結果、バンパービーム19の本体部31の断面の展開長さ、つまり断面のW字形状を上下方向に引き伸ばした長さは、バンパービーム19の長手方向の全域に亙って略一定になる。
初期荷重吸収部32…はバンパービーム19の長手方向に3分割されており、各々が実質的に同じ構造を有している。各初期荷重吸収部32は、平坦な連結壁32aと、連結壁32aの前面に形成された複数の縦リブ32b…および複数の横リブ32c…とを備える。上下方向に延びる縦リブ32b…と左右方向に延びる横リブ32c…とは相互に格子状に交差する。連結壁32aの上縁および下縁には本体部31のピン33g…が嵌合可能なピン孔32d…が形成される。初期荷重吸収部32のピン孔32d…に本体部31のピン33g…を嵌合し、そのピン33g…を振動工具で溶融することで、本体部31に初期荷重吸収部32が結合される。
バンパービーム19の本体部31は以下のようにして製造される。図10および図11に示すように、バンパービーム19の本体部31をプレス成形する金型55は、本体部31の外表面を成形する凹状のキャビティ56aを有する雌型56と、本体部31の内表面を成形する凸状のコア57aを有する雄型57とからなり、キャビティ56aおよびコア57aにはリブやボスを成形する溝56b…,57b…が形成される。金型55を型開きした状態で、雌型56のキャビティ56aの上部に不連続繊維強化樹脂の第1プリプレグ58と、連続繊維強化樹脂の第2プリプレグ59および第3プリプレグ60と、不連続繊維強化樹脂の第4プリプレグ61とが予備加熱した状態で配置される。
第2、第3プリプレグ59,60はカーボンファイバーの連続繊維のUD(連続繊維を一方向に引き揃えたシート)を0°および90°の方向に2層に積層したものを補強材とし、第1、第4プリプレグ58,61はカーボンファイバーの不連続繊維のマットを補強材とするもので、それらに熱可塑性樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ポリプロピレン等)が含浸される。予備加熱した第1〜第4プリプレグ58〜61を積層状態で金型55内に挿入して加圧成形し、その後に冷却すると繊維強化樹脂製品が得られる。
雌型56に対して雄型57を下降させると、第2、第3プリプレグ59,60が雌型56のキャビティ56aと雄型57のコア57aとによってプレスされ、本体部31が成形される。このとき、不連続繊維を補強材とする第1、第4プリプレグ58,61は容易に変形可能であるため、第2、第3プリプレグ59,60と雌型56のキャビティ56aとによって挟まれた第1プリプレグ58はキャビティ56aの溝56b…内に流入し、本体部31の外表面の第2ボス33i…を同時に成形するとともに、本体部31の外表面の一部(溝型断面部33の底壁33cの後面)に沿って薄い膜状に積層される。同様に、第2、第3プリプレグ59,60と雄型57のコア57aとによって挟まれた第4プリプレグ61はコア57aの溝57b…内に流入し、本体部31の内表面の縦リブ33f…、ピン33g…および第1ボス33h…を同時に成形するとともに、本体部31の内表面の内表面に沿って薄い膜状に積層される。そして金型55から取り出した製品の外周の余剰部分を切断することで、本体部31を完成する。
このようにして成形されたバンパービーム19の本体部31の中央部31aの断面構造は、第2、第3プリプレグ59,60から成形された第1連続繊維強化樹脂層53Aおよび第2連続繊維強化樹脂層53Bを備え、その前面に第4プリプレグ61から成形された不連続繊維強化樹脂層54が積層され、その後面に第1プリプレグ58から成形された不連続繊維強化樹脂層54が積層されたものとなる(図5(A)参照)。
一方、バンパービーム19の本体部31の車体固定部31b,31bの断面構造は、第3プリプレグ60から成形される第2連続繊維強化樹脂層53Bを備えないため、第2プリプレグ59から成形された第1連続繊維強化樹脂層53Aの前面および後面に不連続繊維強化樹脂層54,54が積層されたものとなる(図5(B)参照)。
図3の円内に拡大して示すように、第1、第2連続繊維強化樹脂層53A,53Bの第1の連続繊維62…および第2の連続繊維63…のうち、第1の連続繊維62…は車幅方向に配向され、第2の連続繊維63…は前後方向ないし上下方向に配向される。また不連続繊維強化樹脂層54,54の不連続繊維64…はランダムに絡みあっている。
長い繊維のUDを補強材として有する連続繊維強化樹脂は比較的に強度が高くなるが、UDの変形量に限界があるために成形性は低くなり、細くて高いリブやピンを成形するのが困難である。一方、ランダムに絡み合った短い繊維を補強材として有する不連続繊維強化樹脂は比較的に強度が低くなるが、繊維が容易に変形するために成形性は高くなり、細くて高いリブやピンを成形するのが容易である。よって、連続繊維強化樹脂に不連続繊維強化樹脂を積層して本体部31を成形することで、本体部31の強度および成形性を両立させることができる。
次に、図6〜図9に基づいて、バンパービームエクステンション18の構造を説明する。
バンパービームエクステンション18は上部部材51および下部部材52を結合して構成される。バンパービームエクステンション18の上部部材51および下部部材52は略面対称な構造であるため、以下、上部部材51を代表として構造を説明する。
上部部材51は内側の連続繊維強化樹脂層53と、その両面に積層された不連続繊維強化樹脂層54,54とで構成される。かかる構造の上部部材51は、図10および図11で説明したバンパービーム19の本体部31と同様の方法でプレス成形される。
上部部材51は、本体部51aと、本体部51aの前縁から上方に折れ曲がる前部締結フランジ51bと、本体部51aの後縁から上方に折れ曲がる後部締結フランジ51cと、本体部51aの内面の車幅方向に離間した位置を前後方向に延びる4個の接合部51d〜51gとを備える。二つの接合部51d,51e間の内面には60°間隔で3方向に交差する第1補強リブ51h…が不連続繊維強化樹脂で形成され(図9の第1補強リブ52hと同じ形状・配置)、本体部51aの外表面には前後方向に延びて前部締結フランジ51bおよび後部締結フランジ51cを接続する6本の第2補強リブ51i…が同じく不連続繊維強化樹脂で形成される。また不連続繊維強化樹脂の前部締結フランジ51bには3個のナット65…がインサートされ、不連続繊維強化樹脂の後部締結フランジ51cには3個の締結孔51j…が形成される。
下部部材52は上述した上部部材51と実質的に面対称な同一形状であるため、上部部材51の各部の添え字と同じ添え字を、下部部材52の符号52に付すことで、その重複する説明を省略する。上部部材51および下部部材52の唯一の相違点は、下部部材52が4つの接合部52d〜52gから上向きに突出する複数のピン52k…を備えるのに対し、上部部材51は前記ピン52k…が嵌合可能な複数のピン孔51m…を備える点である(図9参照)。
図6および図8から明らかなように、バンパービームエクステンション18の主閉断面部22は、上部部材51および下部部材52の断面四角形の溝状をなす主衝撃吸収部18a,18aを上下に結合して構成され、またバンパービームエクステンション18の第1副閉断面部23および第2副閉断面部24は、上部部材51および下部部材52は断面円弧形の溝状をなす第1副衝撃吸収部18b,18bおよび第2副衝撃吸収部18c,18cを上下に結合して構成される。
図8および図9から明らかなように、バンパービームエクステンション18の主閉断面部22は、連続繊維強化樹脂層53の上下両面に不連続繊維強化樹脂層54,54を積層した3層構造であるが、バンパービームエクステンション18の第1副閉断面部23および第2副閉断面部24は、連続繊維強化樹脂層53の片面だけに不連続繊維強化樹脂層54を積層した2層構造である。従って、バンパービームエクステンション18の主閉断面部22(主衝撃吸収部18a)の板厚は、バンパービームエクステンション18の第1、第2副閉断面部23,24(第1、第2副衝撃吸収部18b,18C)の板厚よりも大きくなっている。
上記形状を有する上部部材51および下部部材52は、下部部材52のピン52k…を上部部材51のピン孔51m…に嵌合して接合部51d〜51g,52d〜52gどうしを相互に当接させた状態で、上部部材51側からピン52k…の先端を振動工具で溶融することで一体に結合される(図8参照)。この状態で上部部材51および下部部材52の後部締結フランジ51c,52cは上下方向に直線状に整列するが、上部部材51および下部部材52の前部締結フランジ51b,52bは先端側が前方に倒れるように傾斜している(図7参照)。
次に、図6〜図8に基づいてフロントサイドフレーム前部14およびバンパービーム19に対するバンパービームエクステンション18の取付構造を説明する。
フロントサイドフレーム前部14の前端に金属板よりなる取付プレート81が溶接され、バンパービームエクステンション18の後部締結フランジ51c,52cを前から後に貫通する6本のボルト83…がフロントバルクヘッド17を貫通して取付プレート81の後面に設けたウエルドナット84…に螺合することで、バンパービームエクステンション18およびフロントバルクヘッド17が取付プレート81に共締めされる。
またバンパービーム19の本体部31にインサートした締結カラー34…を前から後に貫通するボルト85…を、バンパービームエクステンション18の前部締結フランジ51b,52bにインサートしたナット65…に螺合することで、バンパービーム19がバンパービームエクステンション18,18の前端に締結される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
バンパービーム19が歩行者の脚部等に衝突して軽い衝突荷重が入力すると、初期荷重吸収部32…の縦リブ32b…および横リブ32c…が圧壊して衝撃吸収性能を発揮する。自動車との前面衝突等により大きな衝突荷重が入力すると、バンパービーム19の本体部31およびバンパービームエクステンション18が圧壊して衝撃吸収性能を発揮する。その際に、本体部31の溝型断面部33,33の前端に初期荷重吸収部材32…を結合して閉断面化したので、溝型断面部33,33を薄肉にして軽量化を図りながらバンパービーム19の曲げ強度を確保することができる。
バンパービーム19は車幅方向に一定の高さを有するので、ヘッドライト等の配置がバンパービーム19との干渉によって妨げられることがない。またバンパービーム19の本体部31の第1、第2連続繊維強化樹脂層53A,53Bは車幅方向に配向された第1の連続繊維62…を補強材として含むため(図3参照)、衝突荷重に対するバンパービーム19の強度を確保することができる。しかも第1、第2連続繊維強化樹脂層53A,53Bは、車幅方向に配向された第1の連続繊維62…に対して直交する方向に配向された第2の連続繊維63…を補強材として含むので(図3参照)、その第2の連続繊維63…によりバンパービーム19の曲げ強度を更に高めることができる。
またバンパービーム19の本体部31は上壁33a、底壁33cおよび下壁33bが連続して前方に向けて開放する上下2個の溝型断面部33,33を備え、各溝型断面部33の上下方向幅Wを車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて広くするとともに、各溝型断面部3の前後方向深さDを車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて浅くしたので(図5参照)、車幅方向の各位置において本体部31の断面形状の上下方向への展開長さが一定になって長方形の第2、第3プリプレグ59,60からバンパービーム19の本体部31を成形することが可能となり、第2、第3プリプレグ59,60の歩留りが向上させてコストダウンを図ることができる。
しかも第2の連続繊維63…を含むことで第1、第2連続繊維強化樹脂層53A,53Bは第1の連続繊維62…に対して直交する方向(上下方向および前後方向)に伸び難くなるが、溝型断面部33,33の上下方向幅Wおよび前後方向深さDを車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて広くて浅くしたことにより、金型55によるプレス成形時に第1、第2連続繊維強化樹脂層53A,53Bを上下方向および前後方向に引き伸ばす必要がなくなり、バンパービーム19の成形が容易になる。
更に、バンパービーム19の前後方向寸法が車幅方向両端部で小さくなるため、バンパービーム19の車幅方向両端部に丸みを持たせて美観を高めることができるだけでなく、狭い場所での旋回時にバンパービーム19の車幅方向両端部が障害物と接触し難くすることができる。
またバンパービームエクステンション18は車幅方向に離間して前後方向に延びる主衝撃吸収部18aおよび第1、第2副衝撃吸収部18b,18cを一体に備え、第1、第2副衝撃吸収部18b,18cの板厚は主衝撃吸収部18aの板厚よりも小さので、主衝撃吸収部18aを衝撃吸収能力が比較的に高いメインの衝撃吸収領域とし、第1、第2副衝撃吸収部18b,18cを衝撃吸収能力が比較的に低いサブの衝撃吸収領域とすることで、入力する衝突荷重の大きさの分布に応じてバンパービームエクステンション18の衝撃吸収性能を最適化することができる。またバンパービームエクステンション18をFRP製としたことで鋼板製のものよりも軽量であり、しかも第1、第2副衝撃吸収部18b,18cの板厚を小さくした分だけ更なる軽量化を図ることができる。
特に、バンパービームエクステンション18は、一対の主衝撃吸収部18aを結合して閉断面に構成した主閉断面部22と、一対の第1、第2副衝撃吸収部18b,18cを結合して閉断面に構成した第1、第2副閉断面部23,24とを備えるので、主衝撃吸収部18aおよび第1、第2副衝撃吸収部18b,18cを閉断面化して口開きを抑制することで衝撃吸収性能を高めることができる。
また主衝撃吸収部18aは連続繊維強化樹脂層の内表面および外両表面の両方に不連続繊維強化樹脂層を積層して構成され、第1、第2副衝撃吸収部18b,18cは連続繊維強化樹脂層の外表面だけに不連続繊維強化樹脂層を積層して構成されるので、第1、第2副衝撃吸収部18b,18cの板厚を主衝撃吸収部18aの板厚よりも小さく設定することが容易になる。
さて前面衝突の衝突荷重はバンパービーム19から左右のバンパービームエクステンション18,18を介して左右のフロントサイドフレーム前部14,14に伝達され、フロントサイドフレーム前部14,14が前部から後部に向かって順次圧壊するとともに、フロントサイドフレーム前部14,14のフレーム本体部35,35が曲げ変形部36,36の後端において車幅方向内側に折れ曲がることで、更なる衝撃吸収効果が発揮される(図12(B)参照)。
図12(B)に示すように、バンパービームエクステンション18の前後方向長さは、車幅方向内側から車幅方向外側に向かって次第に小さくなり、その前縁が車幅方向外側ほど前後方向後側に傾斜している。従って、バンパービームエクステンション18が圧壊を開始する前面衝突の初期には、衝突荷重F1の作用線がフロントサイドフレーム前部14のフレーム本体部35の軸線上に存在する。バンパービームエクステンション18の圧壊が進行する前面衝突の末期には、衝突荷重F2の作用線がフロントサイドフレーム前部14のフレーム本体部35から外れて車幅方向外側に移動する。
その結果、前記衝突荷重F2によって曲げ変形部36を後方に押されたフロントサイドフレーム前部14は、曲げ変形部36の後端部(図12(B)のA部)に車幅方向内向きの荷重F3が作用することで、曲げ変形部36がフレーム本体部35に対して車幅方向外側に折れ曲がるように曲げ変形し、更なる衝撃吸収効果を発揮することができる。
その際に、曲げ変形部36は前後方向の全長に亙ってフレーム本体部35に接続されるので、衝突荷重によりフレーム本体部35に対して曲げ変形部36が倒れることがなく、フレーム本体部35に車幅方向内向きの荷重F3を確実に加えて曲げ変形させることができる。また曲げ変形部36の上部横壁36aおよび下部横壁36bは衝突荷重を剪断方向に支持するので、その肉厚を低減して重量を削減することが可能であり、しかも縦壁36cで上部横壁36aおよび下部横壁36bを接続して閉断面を構成するので、曲げ変形部36の面外変形を抑制して前記車幅方向内向きの荷重F3を充分に発生させることができる。
また曲げ変形部36の上部横壁36aおよび下部横壁36bの車幅方向内端はフレーム本体部35の稜線d,d(図12(C)参照)に接続するので、曲げ変形部36からフレーム本体部35に車幅方向内向きの荷重F3を効果的に伝達し、フレーム本体部35を確実に曲げ変形させることができる。
また曲げ変形部36の後縁は折れ線よりなる切断線a,b,c(図12(B)参照)に沿って切除されるので、切断加工が容易であるだけでなく、切断線a,b,cを折れ線とすることで曲げ変形部36の後端部(図12(B)のA部)の位置を容易に変更することができる。
第2の実施の形態
次に、図14に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態のフロントサイドフレーム前部14は、フレーム本体部35の車幅方向内壁35aおよび車幅方向外壁35b間を水平方向に接続する上下2枚の水平壁35e,35eを備えるとともに、フレーム本体部35の車幅方向外壁35bおよび曲げ変形部36の縦壁36c間を水平方向に接続する1枚の水平壁36dを備える。
このように、フロントサイドフレーム前部14のフレーム本体部35および曲げ変形部36の内部を水平壁35e,35e,36dにより上下に区画したので、重量の増加を最小限に抑えながらフロントサイドフレーム前部14の強度および剛性を更に高めることができる。特に、フレーム本体部35の水平壁35e,35eは曲げ変形荷重を増加させて衝撃吸収量を高める効果があり、曲げ変形部36の水平壁36dは車幅方向内向きの荷重を増加させる効果がある。しかもフレーム本体部35の水平壁35e,35eの数は曲げ変形部36の水平壁36dの数よりも多いので、フレーム本体部35の強度および剛性を更に高めることができる。
第3の実施の形態
次に、図15に基づいて本発明の第3〜第7の実施の形態を説明する。
図15(A)に示す第3の実施の形態は、曲げ変形部36の上下方向高さをフレーム本体部35の上下方向高さよりも小さくし、曲げ変形部36の上部横壁36aおよび下部横壁36bをフレーム本体部35の稜線d,dではなく車幅方向外壁35bに接続したものである。これにより、フレーム本体部35の車幅方向外壁35bと、曲げ変形部36の上部横壁36aおよび下部横壁36bとの間に新たな稜線e,eを形成し、フロントサイドフレーム前部14の強度および剛性を更に高めることができる。
図15(B)に示す第4の実施の形態は、フレーム本体部35を六角形断面にすることで、新たに4本の稜線f…を形成したものであり、フロントサイドフレーム前部14の強度および剛性を更に高めることができる。
図15(C)に示す第5の実施の形態は、第3の実施の形態および第4の実施の形態を組み合わせたもので、新たに2本の稜線e,eおよび4本の稜線f…を形成してフロントサイドフレーム前部14の強度および剛性を更に高めることができる。
図15(D)に示す第6の実施の形態は、フレーム本体部35を十字状断面にすることで、新たに8本の稜線g…を形成したものであり、フロントサイドフレーム前部14の強度および剛性を更に高めることができる。
図14(E)に示す第7の実施の形態は、第5の実施の形態および第6の実施の形態を組み合わせたもので、新たに2本の稜線e,eおよび8本の稜線g…を形成してフロントサイドフレーム前部14の強度および剛性を更に高めることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の前後フレームはフロントサイドフレーム前部14に限定されず、車体前部あるいは車体後部に前後方向に配置されたフレームであれば良い。
また本発明の繊維強化樹脂は実施の形態のCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)に限定されず、グラスファイバー強化樹脂やアラミドファイバー強化樹脂等であっても良い。
14 フロントサイドフレーム前部(前後フレーム)
14′ 押し出し材
18 バンパービームエクステンション(衝撃吸収部材)
18a 主衝撃吸収部
18b 第1副衝撃吸収部(副衝撃吸収部)
18c 第2副衝撃吸収部(副衝撃吸収部)
19 バンパービーム
33 溝型断面部
33a 上壁
33b 下壁
33c 底壁
35 フレーム本体部
35e 水平壁
36 曲げ変形部
36a 上部横壁
36b 下部横壁
36c 縦壁
36d 水平壁
58 第1プリプレグ(プリプレグ)
59 第2プリプレグ(プリプレグ)
60 第3プリプレグ(プリプレグ)
61 第4プリプレグ(プリプレグ)
62 連続繊維
a 切断線
b 切断線
c 切断線
d 稜線

Claims (9)

  1. 車体前部あるいは車体後部に配置されて前後方向に延びる前後フレーム(14)を備える自動車の車体構造であって、
    前記前後フレーム(14)は多角形断面を有するフレーム本体部(35)と、前記フレーム本体部(35)の前後方向外側から車幅方向外側に張り出す曲げ変形部(36)とを備え、
    前記曲げ変形部(36)は、前記フレーム本体部(35)から車幅方向外側に延びる上部横壁(36a)および下部横壁(36b)と、前記上部横壁(36a)および前記下部横壁(36b)の車幅方向外端間を接続する縦壁(36c)とを有して閉断面に構成され、前記上部横壁(36a)および前記下部横壁(36b)の前後方向長さは車幅方向外側から内側に向かって増加することを特徴とする自動車の車体構造。
  2. 前記上部横壁(36a)および前記下部横壁(36b)の車幅方向内端は前記フレーム本体部(35)の稜線(d)に接続することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 前記フレーム本体部(35)および前記曲げ変形部(36)の内部は水平壁(35e,36d)により上下に区画されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の車体構造。
  4. 前記フレーム本体部(35)の水平壁(35e)の数は前記曲げ変形部(36)の水平壁(36d)の数よりも多いことを特徴とする、請求項3に記載の自動車の車体構造。
  5. 二つの閉断面部を有する軽金属の押し出し材(14′)の一方の閉断面部で前記フレーム本体部(35)を構成し、他方の閉断面部の一部を切除して前記曲げ変形部(36)を構成することを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  6. 前記押し出し材(14′)は少なくとも一つの直線よりなる切断線(a,b,c)に沿って切除されることを特徴とする、請求項5の自動車の車体構造。
  7. 前記前後フレーム(14)の前後方向外端に衝撃吸収部材(18)を介してバンパービーム(19)の車幅方向外端が接続され、前記衝撃吸収部材(18)は車幅方向内側から外側に向かって前後方向長さが減少することを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  8. 前記衝撃吸収部材(18)は、車幅方向に離間して前後方向に延びる溝状の凹部よりなる主衝撃吸収部(18a)および副衝撃吸収部(18b,18c)を一体に備え、前記副衝撃吸収部(18b,18c)の板厚を前記主衝撃吸収部(18a)の板厚よりも小さく設定したことを特徴とする、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  9. 少なくとも車幅方向に配向された連続繊維(62)を補強材とするプリプレグ(58〜60)から成形される前記バンパービーム(19)は、車幅方向に一定の高さを有するとともに、上壁(33a)、底壁(33c)および下壁(33b)が連続して前後方向外側に向けて開放する溝型断面部(33)を備え、前記溝型断面部(33)の上下方向幅を車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて広くするとともに、前記溝型断面部(33)の前後方向深さを車幅方向両端側で車幅方向中央側に比べて浅くしたことを特徴とする、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
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