JP2014138477A - 直流配電システム、システム管理装置、コンピュータプログラム及び電力需給の制御方法 - Google Patents

直流配電システム、システム管理装置、コンピュータプログラム及び電力需給の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 直流配電線の電圧を確実に安定化できる直流配電システムを提供する。
【解決手段】 直流配電線1にそれぞれ繋がる発電装置用変換装置2、蓄電装置用変換装置3及び交流電力系統用変換装置13が、第1〜第3の電力制御を独立して行う。
第1の電力制御:直流配電線1に供給する電力が、直流配電線1のVdc目標値(特高)に対応する電力目標値となるように、発電装置用変換装置2が行う電力制御
第2の電力制御:直流配電線1に供給する電力又は直流配電線1から供給される電力が、直流配電線1のVdc目標値(標準)に対応する電力目標値となるように、交流電力系統用変換装置13が行う電力制御
第3の電力制御:直流配電線1に供給する電力又は直流配電線から供給される電力が、直流配電線1のVdc目標値(高)又はVdc目標値(低)に対応する電力目標値となるように、蓄電装置用変換装置3が行う電力制御
【選択図】 図1

Description

本発明は、直流配電線を通じて直流電力を配電する直流配電システムと、このシステムに用いるシステム管理装置、コンピュータプログラム及び電力需給の制御方法に関する。
現在、商用電源としては交流電源が使用されているが、交流から直流に変換する際のエネルギーロスを抑制するため、各種の電気製品に直流で電力を配電する直流配電システムが既に導入されている(特許文献1参照)。
また、地球温暖化対策として自然エネルギーの活用が要望されており、太陽光発電が家庭に普及しつつある。従って、太陽光発電で得た直流電力を蓄電池に蓄え、その電力を直接電気製品に供給する直流配電システムも利用されている。
特開2003−204682号公報
上記従来の直流配電システムでは、一部の発電装置がダウンしたり負荷が急増したりすると、直流配電線の電圧が規定値よりも大きく低下し、負荷装置に電力を安定的に供給できないという問題がある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、直流配電線の電圧を確実に安定化できる直流配電システム等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の直流配電システムは、発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、を備えている。
その上で、本発明の直流配電システムでは、前記発電装置用変換装置、交流電力系統用変換装置及び蓄電装置用変換装置が、Vdc目標値(特高)>Vdc目標値(高)>Vdc目標値(標準)>Vdc目標値(低)の関係にある、前記直流配電線についてのそれらの設定電圧を用いて、下記に定義する第1〜第3の電力制御をそれぞれ独立して行うことを特徴とする。
第1の電力制御:直流配電線に供給する電力が、直流配電線のVdc目標値(特高)に対応する電力目標値となるように、発電装置用変換装置が行う電力制御
第2の電力制御:直流配電線に供給する電力又は直流配電線から供給される電力が、直流配電線のVdc目標値(標準)に対応する電力目標値となるように、交流電力系統用変換装置が行う電力制御
第3の電力制御:直流配電線に供給する電力又は直流配電線から供給される電力が、直流配電線のVdc目標値(高)又はVdc目標値(低)に対応する電力目標値となるように、蓄電装置用変換装置が行う電力制御
本発明の直流配電システムによれば、上記第1〜第2の電力制御がそれぞれ独立して行われるので、第2の電力制御が成功している電力需給状況においては、直流配電線の電圧(以下、「Vdc」ともいう。)がVdc目標値(標準)(例えば、定格電圧)に維持され、Vdc目標値(特高)とVdcの差分が小さくならない。
このため、発電装置用変換装置が行う第1の電力制御に必要な直流配電線への入力電力が大きくなり、発電装置用変換装置が発電電力の最大可能値を直流配電線に入力する。
一方、交流電力系統用変換装置による第2の電力制御が失敗しても、蓄電装置用変換装置による第3の電力制御が成功している電力需給状況においては、VdcがVdc目標値(高)又はVdc目標値(低)に維持され、Vdc目標値(特高)とVdcの差分が小さくならない。
従って、この場合も、発電装置用変換装置が行う第1の電力制御に必要な直流配電線への入力電力が大きくなり、発電装置用変換装置が発電電力の最大可能値を直流配電線に入力する。
第2及び第3の電力制御が失敗して、Vdcが上昇した場合には、Vdc目標値(特高)とVdcの差分が小さくなるが、この場合は、発電装置用変換装置による第1の電力制御が奏功して、VdcがVdc目標値(特高)を超えないように維持される。
このように、本発明の直流配電システムによれば、各変換装置が独立して行う3つの電力制御によって、Vdcを所定範囲内に維持できるので、通信遅延や通信異常によって制御不能になる心配がなく、直流配電線の電圧を確実に安定化できる。
(2) 本発明の直流配電システムにおいて、Vdc目標値(高)及びVdc目標値(低)は、Vdc目標値(標準)に対する差分が、前記第2の電力制御の許容誤差と前記第3の電力制御の許容誤差の合計以上となる値に設定されていることが好ましい。
その理由は、上記差分が上記合計未満であると、第2の電力制御と第3の電力制御の双方が動作する電圧の重複範囲が生じ、Vdcがその重複範囲に入った場合に双方の電力制御が競合し、Vdcを却って安定化できなくなるおそれがあるからである。
(3) 本発明の直流配電システムにおいて、前記直流配電線の電圧が、前記第2の電力制御におけるVdc目標値(標準)からの許容誤差の範囲内である場合は、前記蓄電装置用変換装置は、前記第3の電力制御を行わずに、下記に定義する蓄電量制御を行うことが好ましい。
蓄電量制御:直流配電線に供給する電力又は直流配電線から供給される電力が、蓄電装置の蓄電量の目標値に対応する電力目標値となるように、蓄電装置用変換装置が行う電力制御
この場合、交流電力系統用変換装置が第2の電力制御を行っている間は、蓄電装置用変換装置が上記蓄電量制御を行うので、蓄電装置の充電電力をシステム内の負荷電力として利用できるとともに、蓄電装置の放電電力をシステム内の発電電力として利用できる。
このため、システム内の電力需給制御の対象機器として蓄電装置を機能させることができ、電力需給制御のための対象機器を増加させることができる。
(4) 本発明の直流配電システムにおいて、前記発電装置用変換装置は、Vdc目標値(特高)に対応する電力目標値が、前記発電装置が発電し得る最大電力を超える場合には、その最大電力を前記第1の電力制御の目標値とすることが好ましい。
その理由は、上記電力目標値を発電装置が発電し得る最大電力を超える値に設定しても、発電装置がその値を出力することができず、第1の電力制御を適切に行うことができないからである。
(5) 本発明の直流配電システムにおいて、前記交流電力系統用変換装置は、Vdc目標値(標準)に対応する電力目標値が、前記直流配電線から自装置に出力可能な最大電力であるPo最大可能値を超える場合には、そのPo最大可能値を前記第2の電力制御の目標値とすることが好ましい。
その理由は、上記電力目標値を交流電力系統用変換装置のPo最大可能値を超える値に設定しても、交流電力系統に逆潮流させることができず、第2の電力制御を適切に行うことができないからである。
(6) また、前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置がある場合には、前記交流電力系統用変換装置は、例えば、下記のPsb最大可能値と下記のPals小計値を加算することにより、自装置についての前記Po最大可能値を算出することにすればよい。
Psb最大可能値:交流電力系統が逆潮流可能な最大の逆潮流電力
Pals小計値:自装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
このようにすれば、上記系統配下の交流負荷装置がある場合でも、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値を正確に算出することができる。
(7) 本発明の直流配電システムにおいて、前記交流電力系統用変換装置は、Vdc目標値(標準)に対応する電力目標値が、自装置から前記直流配電線に入力可能な最大電力であるPi最大可能値を超える場合には、そのPi最大可能値を前記第2の電力制御の目標値とすることが好ましい。
その理由は、上記電力目標値を交流電力系統用変換装置のPi最大可能値を超える値に設定しても、交流電力系統からの順潮流で賄うことができず、第2の電力制御を適切に行うことができないからである。
(8) また、前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置がある場合には、前記交流電力系統用変換装置は、例えば、下記のPsf最大可能値から下記のPals小計値を減算することにより、自装置についての前記Pi最大可能値を算出ことにすればよい。
Psf最大可能値:交流電力系統が順潮流可能な最大の順潮流電力
Pals小計値:自装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
このようにすれば、上記系統配下の交流負荷装置がある場合でも、交流電力系統用変換装置のPi最大可能値を正確に算出することができる。
(9) 本発明の直流配電システムにおいて、前記交流電力系統用変換装置は、前記第2の電力制御の制御対象である電圧値と電力値につき、それらの値の交流周期毎の平均値を用いることが好ましい。
その理由は、制御対象を交流周期毎の平均値とすれば、直流配電線の電圧に生じるリプルを抑制することがなくなり、そのリプルの抑制する場合に問題となる交流電力系統側の電流歪みを伴わずに、第2の電力制御を行えるようになるからである。
(10) 従って、本発明の直流配電システムでは、前記直流配電線の電圧に生じ得るリプルが前記標準値に所定割合(例えば、0.01〜0.03の範囲から任意に選択した割合)を乗算した許容範囲内に収まるように、前記直流配電線側のコンデンサの静電容量の総計値が定められていることが好ましい。
(11) また、この場合、前記交流電力系統用変換装置ついてのコンデンサの静電容量の調整により、前記直流配電線側におけるコンデンサの静電容量の総計値を定めることにすれば、発電装置用変換装置などのその他の変換装置についてのコンデンサの静電容量を考慮する必要がなくなる。
このため、静電容量の総計値をすべての変換装置を考慮して全体的に設計する場合に比べて、システムの設計が容易になるという利点がある。
なお、本発明の直流配電システムにおいて、前記蓄電装置には、レドックスフロー電池が含まれることが好ましい。
かかる蓄電装置は、その他の蓄電装置に比べて、充放電の繰り返しによる寿命の低下が少なく、高出力特性及び高速応答性に優れているので、第2の電力制御に伴う電力変動に高速に追従でき、寿命の低下も少ないので、本発明の直流配電システムに好適ものと言える。
(12)(18) 本発明の直流配電システムにおいて、システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置を更に備えている場合には、前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となるか或いは前記交流電力系統用変換装置のPio最大可能値がPdcnp総計値未満となり、かつ、前記直流配電線の電圧が前記第3の電力制御で許容される第3の所定範囲外となった場合に、その電圧が当該第3の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第1の需給制御を行うことが好ましい。
Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
Pdcnp総計値:Pdcn総計値又はPdcp総計値
Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
Pio最大可能値:Pi最大可能値又はPo最大可能値
本発明の直流配電システムによれば、システム管理装置が、上記第1の需給制御を行うので、第2の電力制御と第3の電力制御の双方が失敗している場合に、第3の電力制御が成功するように、Pdcp総計値又はPdcn総計値のいずれかが削減され、Vdcが第3の所定範囲内に維持される。
このように、本発明の直流配電システムによれば、Pdcp総計値又はPdcn総計値の削減によってVdcを維持するので、各変換装置の電力制御のみに頼る場合に比べて、直流配電線の電圧をより確実に前記第3の所定範囲内に収まるようにすることができる。
(13)(19) 本発明の直流配電システムにおいて、第1の需給制御は、直流配電線の電圧そのものに基づいて、Pdcp総計値やPdcn総計値を削減するか否かを決定するのではなく、蓄電装置用変換装置及び交流電力系統用変換装置に対する出力電力や同装置からの入力電力に基づいて、その削減を行うか否かを決定する制御であってもよい。
すなわち、前記システム管理装置は、前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となるか或いは前記交流電力系統用変換装置のPio最大可能値がPdcnp総計値未満となった場合に、前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減するものであってもよい。
その理由は、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値+蓄電装置用変換装置のPo最大可能値<Pdcp総計値の場合は、Vdcが第3の所定範囲から上昇して外れる要因となり、交流電力系統用変換装置のPi最大可能値+蓄電装置用変換装置のPi最大可能値<Pdcn総計値の場合は、Vdcが第3の所定範囲から下降して外れる要因となるので、上記の電力基準で行う第1の需給制御は、上述の(12)に記載の電圧基準で行う第1の需給制御と実質的に同じ制御となるからである。
なお、後述の実施形態では、直流配電線に複数の同種の「変換装置」が接続される場合を想定して、同種の変換装置の「Po最大可能値」の総計値及び「Pi最大可能値」の総計値を、「Po最大可能値総計値」及び「Pi最大可能値総計値」ということがある。
もっとも、特許請求の範囲と本明細書の(課題を解決するための手段)欄では、同種の変換装置が1台でも複数台でも、「総計値」を付けずに「Po最大可能値」及び「Pi最大可能値」というものとする。
(14)(20) 他の観点から見た本発明の直流配電システムは、前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となるか或いは前記交流電力系統用変換装置のPio最大可能値がPdcnp総計値未満となった場合に、前記システム管理装置が、前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計からPdcp総計値を引いた差分が第1閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計からPdcn総計値を引いた差分が第2閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第2の需給制御を行うことを特徴とする。
本発明の直流配電システムによれば、システム管理装置が、上記第2の需給制御を行うので、第1及び第2閾値分のマージンを持って、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値+蓄電装置用変換装置のPo最大可能値>Pdcp総計値で、かつ、交流電力系統用変換装置のPi最大可能値+蓄電装置用変換装置のPi最大可能値>Pdcn総計値となる電力需給状態が維持される。
このため、直流配電線における過剰電力又は不足電力を、交流電力系統への逆潮流電力及び蓄電装置への充電電力、又は、交流電力系統からの順潮流電力及び蓄電装置からの放電電力で確実に賄えるようになり、直流配電線の電圧をより確実に前記第3の所定範囲内に収まるようにすることができる。
(15)(21) 本発明の直流配電システムにおいて、前記システム管理装置は、前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となった場合に、その電圧が当該第2の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第3の需給制御を行うことが好ましい。
本発明の直流配電システムによれば、システム管理装置が、上記第3の需給制御を行うので、第2の電力制御が失敗している場合に、当該第2の電力制御が成功するように、Pdcp総計値又はPdcn総計値のいずれかが削減され、Vdcが第2の所定範囲内に維持される。
このように、本発明の直流配電システムによれば、Pdcp総計値又はPdcn総計値の削減によって直流配電線の電圧を維持するので、各変換装置の電力制御のみに頼る場合に比べて、直流配電線の電圧をより確実に前記第2の所定範囲内に収まるようにすることができる。
(16)(22) 本発明の直流配電システムにおいて、第3の需給制御は、直流配電線の電圧そのものに基づいて、Pdcp総計値やPdcn総計値を削減するか否かを決定するのではなく、交流電力系統用変換装置に対する出力電力や同装置からの入力電力に基づいて、その削減を行うか否かを決定する制御であってもよい。
すなわち、前記システム管理装置は、前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値がPdcp総計値以上となるように当該Pdcp総計値を削減し、前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値がPdcn総計値以上となるように当該Pdcn総計値を削減するものであってもよい。
その理由は、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値<Pdcp総計値の場合は、Vdcが第2の所定範囲から上昇して外れる要因となり、交流電力系統用変換装置のPi最大可能値<Pdcn総計値の場合は、Vdcが第2の所定範囲から下降して外れる要因となるので、上記の電力基準で行う第3の需給制御は、上述の(15)に記載の電圧基準で行う第3の需給制御と実質的に同じ制御となるからである。
(17)(23) 他の観点から見た本発明の直流配電システムは、前記システム管理装置が、前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるように当該Pdcp総計値を削減し、前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるように当該Pdcn総計値を削減する第4の需給制御を行うことを特徴とする。
本発明の直流配電システムによれば、システム管理装置が、上記第4の需給制御を行うので、第3及び第4閾値分のマージンを持って、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値>Pdcp総計値で、かつ、交流電力系統用変換装置のPi最大可能値>Pdcn総計値となる電力需給状態が維持される。
このため、直流配電線における過剰電力又は不足電力を、交流電力系統への逆潮流電力又は交流電力系統からの順潮流電力で確実に賄えるようになり、直流配電線の電圧をより確実に前記第2の所定範囲内に収まるようにすることができる。
(24)〜(27) 本発明の直流配電システムにおいて、前記システム管理装置は、前記第1の需給制御と前記第2の需給制御と前記第3の需給制御と前記第4の需給制御を任意に組み合わせて実行可能であってもよい。この場合、前記第1の需給制御、前記第2の需給制御、前記第3の需給制御、前記第4の需給制御の順に行うことが好ましい。
その理由は、第1の需給制御は、直流配電線の電圧が前記第3の電力制御で許容される第3の所定範囲から外れた場合に行う事後的な制御であるのに対し、第2の需給制御は、マージンを考慮してPdcnp総計値を予め削減する予防的な制御であるから、前者を先に行う方が、直流配電線の電圧をより確実に前記第3の所定範囲内に収まるようにすることができるからである。
また、第3の需給制御は、直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲から外れた場合に行う事後的な制御であるのに対し、第4の需給制御は、マージンを考慮してPdcnp総計値を予め削減する予防的な制御であるから、前者を先に行う方が、直流配電線の電圧をより確実に前記第2の所定範囲内に収まるようにすることができるからである。
さらに、第1の需給制御と第2の需給制御は、前記第2の電力制御が失敗し直流配電線の電圧が前記第2の所定範囲外になっている場合に、直流配電線の電圧がより確実に前記第3の所定範囲内に収まるようにする制御であるのに対し、第3の需給制御と第4の需給制御は、直流配電線の電圧がより確実に前記第2の所定範囲内に収まるようにする制御であるから、前者を先に行う方が、直流配電線の電圧をより確実に前記第2の所定範囲内に収まるようにすることができるからである。
(28) 本発明の直流配電システムにおいて、前記Pdcp総計値の削減は、例えば、予め定められたPdcp削減用の優先順位に従って、システム内の負荷電力を増やすか発電電力を減らすことによって行うことができる。
また、前記Pdcn総計値の削減は、例えば、予め定められたPdcn削減用の優先順位に従って、システム内の負荷電力を減らすか発電電力を増やすことによって行うことができる。
より具体的には、前記システム管理装置が、負荷電力を増やす機器及び操作と、発電電力を減らす機器及び操作とを、所定の優先順位で並べたPdcp総計値削減リストと、負荷電力を減らす機器及び操作と、発電電力を増やす機器及び操作とを、所定の優先順位で並べたPdcn総計値削減リストとを有する場合には、前記リストに記された前記操作をその優先順位に従って行うことにより、前記Pdcp総計値又は前記Pdcn総計値を削減することができる。
(29) この場合、前記システム管理装置は、前記Pdcp総計値削減リストに従って前記操作を行う前に、既に行われている前記Pdcn総計値削減リストに従った前記操作の解除を行い、前記Pdcn総計値削減リストに従って前記操作を行う前に、既に行われている前記Pdcp総計値削減リストに従った前記操作の解除を行うことが好ましい。
その理由は、Pdcp総計値削減リストとPdcn総計値削減リストは、直流配電線の電力について逆の効果を与えるリストであるから、一方のリストに従う今回の操作を行う前に、他方のリストに従った過去の操作を解除すれば、一方のリストに従う今回の操作を行う前に一定の削減効果が得られ、今回の操作をのみを行う場合に比べて、Pdcp総計値又はPdcn総計値をより効率的に削減できるからである。
(30) 本発明の直流配電システムにおいて、前記Pdcp総計値の削減の場合には、自然エネルギーを利用する前記発電装置とそれ以外の前記発電装置のうち、後者の発電電力を減らす前記優先順位の方が、前者の発電電力を減らす前記優先順位よりも高く設定され、不要不急の前記負荷装置とそれ以外の前記負荷装置のうち、後者の負荷電力を増やす前記優先順位の方が、前者の負荷電力を増やす前記優先順位よりも高く設定されていることが好ましい。
その理由は、発電電力を減らしてPdcp総計値(直流配電線における過剰電力)を削減する場合は、自然エネルギーを利用しない発電電力を優先的に減らした方が、環境保護の観点から好ましいからである。
また、負荷電力を増やしてPdcp総計値(直流配電線における過剰電力)を削減する場合は、不要不急ではない負荷装置の負荷電力を優先的に増やした方が、ユーザーの利便性が向上する可能性が高いからである。
(31) また、本発明の直流配電システムにおいて、前記Pdcn総計値の削減の場合には、自然エネルギーを利用する前記発電装置とそれ以外の前記発電装置のうち、前者の発電電力を増やす前記優先順位の方が、後者の発電電力を増やす前記優先順位よりも高く設定され、不要不急の前記負荷装置とそれ以外の前記負荷装置のうち、前者の負荷電力を減らす前記優先順位の方が、後者の負荷電力を減らす前記優先順位よりも高く設定されていることが好ましい。
その理由は、発電電力を増やしてPdcn総計値(直流配電線における不足電力)を削減する場合は、自然エネルギーを利用する発電電力を優先的に増やした方が、環境保護の観点から好ましいからである。
また、負荷電力を減らしてPdcn総計値(直流配電線における不足電力)を削減する場合は、不要不急の負荷装置の負荷電力を優先的に減らした方が、ユーザーの利便性に余り影響せずに負荷電力を減らせるからである。
(32) 本発明の直流配電システムにおいて、前記直流配電線の電圧が、前記第2の電力制御におけるVdc目標値(標準)からの許容誤差の範囲内である場合に、前記蓄電装置用変換装置が、前記第3の電力制御を行わずに、前記蓄電量制御を行う場合は、蓄電装置の充電電力をシステム内の負荷電力として利用できるとともに、蓄電装置の放電電力をシステム内の発電電力として利用できる。この場合に、前記Pdcp総計値を削減する場合には、システム内の負荷電力に相当する前記蓄電装置の充電電力を増やす前記優先順位の方が、システム内の発電電力に相当する前記蓄電装置の放電電力を減らす前記優先順位よりも高く設定されていることが好ましい。
この場合、Pdcp総計値(直流配電線における過剰電力)を削減する場合に、蓄電装置の充電電力を増やす処理が優先的に行われるので、直流配電線の過剰電力を蓄電装置への充電に有効利用することができる。
(33) 同様に、本発明の直流配電システムにおいて、前記Pdcn総計値を削減する場合には、システム内の発電電力に相当する前記蓄電装置の放電電力を増やす前記優先順位の方が、システム内の負荷電力に相当する前記蓄電装置の充電電力を減らす前記優先順位よりも高く設定されていることが好ましい。
この場合、Pdcn総計値(直流配電線における不足電力)を削減する場合に、蓄電装置の放電電力を増やす処理が優先的に行われるので、直流配電線の不足電力を蓄電装置からの放電によって有効に対処することができる。
(34) 本発明の直流配電システムにおいて、前記蓄電装置用変換装置又は前記システム管理装置は、前記蓄電装置に関するパラメータを下記の通り定義した場合において、Ibd最大値と(Eb−Vb最小値)/Rbのうちの小さい方の値に基づいて、前記蓄電装置用変換装置についての前記Pi最大可能値を求めることが好ましい。
Vb:蓄電装置の端子電圧
Eb:蓄電装置の内部起電力
Rb:蓄電装置の内部抵抗
Ibd:蓄電装置の放電電流
かかる算出方法を採用すれば、蓄電装置のEbに応じて変動する当該蓄電装置用変換装置のPi最大可能値を正確に求めることができ、当該蓄電装置用変換装置は当該Pi最大可能値に基づいて行う第3の電力制御を正確に行うことができ、当該システム管理装置は当該Pi最大可能値に基づいて行う第1及び第2の需給制御を正確に行うことができる。
(35) また、前記蓄電装置用変換装置又は前記システム管理装置は、Eb/2RbがIbd最大値及び(Eb−Vb最小値)/Rbよりも小さい場合は、Eb/2Rbの値に基づいて、前記蓄電装置用変換装置についての前記Pi最大可能値を求めることが好ましい。
かかる算出方法を採用すれば、蓄電装置のEbに応じて変動する当該蓄電装置用変換装置のPi最大可能値をより正確に求めることができ、当該蓄電装置用変換装置は当該Pi最大可能値に基づいて行う第3の電力制御を正確に行うことができ、当該システム管理装置は当該Pi最大可能値に基づいて行う第1及び第2の需給制御を更に正確に行うことができる。
(36) 本発明の直流配電システムにおいて、前記蓄電装置用変換装置又は前記システム管理装置は、更に前記蓄電装置の充電電流をIbcとした場合に、Ibc最大値と(Vb最大値−Eb)/Rbのうちの小さい方の値に基づいて、前記蓄電装置用変換装置についてのPo最大可能値を求めることが好ましい。
かかる算出方法を採用すれば、蓄電装置のEbに応じて変動する当該蓄電装置用変換装置のPo最大可能値を正確に求めることができ、当該蓄電装置用変換装置は当該Po最大可能値に基づいて行う第3の電力制御を正確に行うことができ、当該システム管理装置は当該Po最大可能値に基づいて行う第1及び第2の需給制御を正確に行うことができる。
(37) 本発明の直流配電システムにおいて、前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置を、更に備えている場合には、前記システム管理装置は、例えば、下記のPsb最大可能値と下記のPals小計値を加算して、前記交流電力系統用変換装置についての前記Po最大可能値を算出することにすればよい。
Psb最大可能値:交流電力系統が逆潮流可能な最大の逆潮流電力
Pals小計値:交流電力系統用変換装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
このようにすれば、上記系統配下の交流負荷装置がある場合でも、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値を正確に算出することができる。
(38) 本発明の直流配電システムにおいて、前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置を、更に備えている場合には、前記システム管理装置は、下記のPsf最大可能値から下記のPals小計値を減算して、前記交流電力系統用変換装置についての前記Pi最大可能値を算出することが好ましい。
Psf最大可能値:交流電力系統が順潮流可能な最大の順潮流電力
Pals小計値:交流電力系統用変換装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
このようにすれば、上記系統配下の交流負荷装置がある場合でも、交流電力系統用変換装置のPi最大可能値を正確に算出することができる。
(39) そして、上記系統配下の交流負荷装置を備える直流配電システムの場合には、前記システム管理装置は、前記Pdcp総計値及びPdcn総計値の代わりに、下記のPdcpPals総計値及びPdcnPals総計値を用い、前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値及びPi最大可能値の代わりに、当該交流電力系統用変換装置の下記のPoPals最大可能値及びPiPals最大可能値を用いて、前記第1〜第4の需給制御を行うことが好ましい。
PdcpPals総計値:Pdcp総計値−Pals総計値
PdcnPals総計値:Pdcn総計値+Pals総計値
PoPals最大可能値:Po最大可能値−Pals小計値(≒Psb最大可能値)
PiPals最大可能値:Pi最大可能値+Pals小計値(≒Psf最大可能値)
Pals総計値:すべての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
このようにすれば、交流電力系統から直接的に電力供給を受ける系統配下の交流負荷装置や分岐装置についても、Pdcp総計値やPdcn総計値の削減対象に含めることができるので、第1〜第4の需給制御をより確実に行えるという利点がある。
(40)〜(45) 本発明のシステム管理装置は、上述の(12)〜(39)に記載した直流配電システムに用いるシステム管理装置である。
従って、本発明のシステム管理装置は、上述の(12)〜(39)に記載した直流配電システムと同様の作用効果を奏する。
(40) 具体的には、本発明のシステム管理装置は、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっており、かつ、蓄電装置用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を前記所定範囲から外れた他の所定範囲に維持する電力制御においても、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記他の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第1の需給制御を行うことを特徴とする。
(41) 本発明のシステム管理装置は、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第1の需給制御を行うことを特徴とする。
(42) 本発明のシステム管理装置は、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計からPdcp総計値を引いた差分が第1閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計からPdcn総計値を引いた差分が第2閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第2の需給制御を行うことを特徴とする。
(43) 本発明のシステム管理装置は、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第3の需給制御を行うことを特徴とする。
(44) また、本発明のシステム管理装置は、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
交流電力系統用変換装置のPo最大可能値がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第3の需給制御を行うことを特徴とする。
(45) 更に、本発明のシステム管理装置は、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
交流電力系統用変換装置のPo最大可能値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第4の需給制御を行うことを特徴とする。
(46)〜(51) 本発明のコンピュータプログラムは、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行う装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、上述の(12)〜(39)に記載した制御を実現するものである。
従って、本発明のコンピュータプログラムは、上述の(12)〜(39)に記載した直流配電システムと同様の作用効果を奏する。
(46) 具体的には、本発明のコンピュータプログラムは、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっており、かつ、蓄電装置用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を前記所定範囲から外れた他の所定範囲に維持する電力制御においても、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲外となっているか否かを判定するステップと、
その判定結果が肯定的である場合に、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減するステップと、を含むことを特徴とする。
(47) 本発明のコンピュータプログラムは、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっていることを条件として、
前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減するステップと、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減するステップと、を含むことを特徴とする。
(48) 本発明のコンピュータプログラムは、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっていることを条件として、
前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計からPdcp総計値を引いた差分が第1閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減するステップと、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計からPdcn総計値を引いた差分が第2閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減するステップと、を含むことを特徴とする。
(49) 本発明のコンピュータプログラムは、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっているか否かを判定するステップと、
その判定結果が肯定的である場合に、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減するステップと、を含むことを特徴とする。
(50) また、本発明のコンピュータプログラムは、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減するステップと、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減するステップと、を含むことを特徴とする。
(51) 更に、本発明のコンピュータプログラムは、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減するステップと、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減するステップと、を含むことを特徴とする。
(52)〜(57) 本発明の電力需給の制御方法は、直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応する電力需給の制御方法であって、上述の(12)〜(39)に記載した直流配電システムにて行われる電力需給の制御方法である。
従って、本発明の電力需給の制御方法は、上述の(12)〜(39)に記載した直流配電システムと同様の作用効果を奏する。
(52) 具体的には、本発明の電力需給の制御方法は、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっており、かつ、蓄電装置用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を前記所定範囲から外れた他の所定範囲に維持する電力制御においても、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記他の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減することを特徴とする。
(53) 本発明の電力需給の制御方法は、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減することを特徴とする。
(54) 本発明の電力需給の制御方法は、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計からPdcp総計値を引いた差分が第1閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計からPdcn総計値を引いた差分が第2閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減することを特徴とする。
(55) 本発明の電力需給の制御方法は、交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減することを特徴とする。
(56) また、本発明の電力需給の制御方法は、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減することを特徴とする。
(57) 更に、本発明の電力需給の制御方法は、交流電力系統用変換装置のPo最大可能値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減することを特徴とする。
以上の通り、本発明によれば、直流配電線の電圧を確実に安定化することができる。
本発明の実施形態に係る直流配電システムの全体構成図である。 発電装置用DC/DC変換装置の機能ブロック図である。 蓄電装置用DC/DC変換装置の機能ブロック図である。 交流電力系統用DC/AC変換装置の機能ブロック図である。 直流負荷装置用DC/DC変換装置の機能ブロック図である。 交流負荷装置用DC/AC変換装置の機能ブロック図である。 直流負荷装置用分岐装置又は系統非配下の交流負荷装置用分岐装置の機能ブロック図である。 直流負荷装置又は系統非配下の交流負荷装置の機能ブロック図である。 系統配下の交流負荷装置用分岐装置の機能ブロック図である。 系統配下の交流負荷装置の機能ブロック図である。 交流電力系統用DC/AC変換装置の配下の電力需給状況を示す説明図である。 Psfb最大可能値の場合の交流電力系統用DC/AC変換装置の配下の電力需給状況を示す説明図である。 交流負荷装置用DC/AC変換装置の前後段における電力、電流及び電圧の変化を示すグラフである。 電力過剰状態のVdcの時間的変化の一例を示すグラフである。 電力不足状態のVdcの時間的変化の一例を示すグラフである。 図14の状態1における電力需給状況を示す説明図である。 図14の状態2における電力需給状況を示す説明図である。 図14の状態3−1における電力需給状況を示す説明図である。 図14の状態4における電力需給状況を示す説明図である。 図14の状態5における電力需給状況を示す説明図である。 図14の状態3−2における電力需給状況を示す説明図である。 図14の状態6における電力需給状況を示す説明図である。 図15の状態7における電力需給状況を示す説明図である。 図15の状態8における電力需給状況を示す説明図である。 図15の状態9−1における電力需給状況を示す説明図である。 図15の状態10における電力需給状況を示す説明図である。 図15の状態9−2における電力需給状況を示す説明図である。 図15の状態11における電力需給状況を示す説明図である。 蓄電装置の充電時におけるVdc制御のチャタリングの説明図である。 蓄電装置の充電時におけるVdc制御のチャタリングの説明図である。 蓄電装置の放電時におけるVdc制御のチャタリングの説明図である。 蓄電装置の放電時におけるVdc制御のチャタリングの説明図である。 システム管理装置による電力需給制御のフローチャートである。 第1の需給制御の具体例を示すフローチャートである。 第2の需給制御の具体例を示すフローチャートである。 第3の需給制御の具体例を示すフローチャートである。 第4の需給制御の具体例を示すフローチャートである。 PdcpPals総計値削減リストの一例を示す表である。 PdcnPals総計値削減リストの一例を示す表である。 PdcpPals総計値の削減処理(RDp)の具体例を示すフローチャートである。 PdcnPals総計値の削減処理(RDn)の具体例を示すフローチャートである。 PdcpPals総計値削減リストの現在行の「操作実施」(DLp)の具体例を示すフローチャートである。 PdcpPals総計値削減リストの現在行の「操作解除」(CLp)の具体例を示すフローチャートである。 PdcnPals総計値削減リストの現在行の「操作実施」(DLn)の具体例を示すフローチャートである。 PdcnPals総計値削減リストの現在行の「操作解除」(CLn)の具体例を示すフローチャートである。 PdcpPals総計値の削減の実行例を示す説明図である。 PdcnPals総計値の削減の実行例を示す説明図である。 蓄電装置の放電時における等価回路の説明図である。 上段の図は、放電時におけるIbdとVbの関係を示すグラフであり、下段の図は、放電時におけるIbdとPbdの関係を示すグラフである。 蓄電装置用DC/DC変換装置のPi最大可能値の算出処理を示すフローチャートである。 蓄電装置の充電時における等価回路の説明図である。 充電時におけるIbcとVbの関係を示すグラフである。 蓄電装置用DC/DC変換装置のPo最大可能値の算出処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る直流配電システムの全体構成図である。
本実施形態の直流配電システムは、発電電力や商用電力を比較的狭い範囲に直流配電する小規模な電力系統システムよりなり、図1に示すように、直流配電線1、DC/DC変換装置2〜4、DC/AC変換装置5,13、発電装置6、蓄電装置7、分岐装置8,9,15、直流負荷装置10、交流負荷装置11,16、交流電力系統14及びシステム管理装置12を備えている。
本明細書では、図1中で参照符号「2,3,4,5,13」を付した各々の「変換装置」については、その参照符号のみで識別する場合(例えば、「変換装置2」など)もあるし、次のように、各々の変換装置2,3,4,5,13の用途を接頭語に付して称呼する場合もある。
2:「発電装置用DC/DC変換装置2」或いは「発電装置用変換装置2」
3:「蓄電装置用DC/DC変換装置3」或いは「蓄電装置用変換装置3」
4:「直流負荷装置用DC/DC変換装置4」或いは「直流負荷装置用変換装置4」
5:「交流負荷装置用DC/AC変換装置5」或いは「交流負荷装置用変換装置5」
13:「交流電力系統用DC/AC変換装置13」或いは「交流電力系統用変換装置13」
また、図1中で参照符号「8,9,15」を付した各々の「分岐装置」についても、その参照符号のみで識別する場合(例えば、「分岐装置8」など)もあるし、次のように、各々の分岐装置8,9,15の用途を接頭語に付して称呼する場合もある。
8:「直流負荷装置用分岐装置8」
9:「交流負荷装置用分岐装置9」
15:「交流負荷装置用分岐装置15」
更に、交流電力系統14と直流配電線1を介さないで直接的に繋がる、系統配下の分岐装置15と交流負荷装置16については、「系統配下」の分岐装置15及び「系統配下」の交流負荷装置16ということがある。
同様に、交流電力系統14と直流配電線1を介して間接的に繋がる、系統配下ではない分岐装置9と交流負荷装置11については、「系統非配下」の分岐装置9及び「系統非配下」の交流負荷装置11ということがある。
システムに含まれる各装置のうち、発電装置6は、自然エネルギーを利用した発電装置や電力需給制御用の発電装置よりなる。
前者の例としては、太陽光発電機や風力発電機等がある。後者の例としては、電力不足時に電力需給制御の手段としても利用できる、燃料電池や内燃機関発電機等がある。なお、発電装置6が交流出力である場合は、発電装置用DC/DC変換装置2に繋げるための整流器が内部に含まれる。
発電装置6は、発電装置用DC/DC変換装置2を介して直流配電線1に接続されている。
発電装置用DC/DC変換装置2は、片方向の昇圧チョッパ回路を含む。昇圧チョッパ回路は、発電装置6の出力電圧(例えば、DC80〜300V)を昇圧して直流配電線1に電力を供給する。
蓄電装置7は、例えば、レドックスフロー電池、鉛電池、Liイオン電池、NAS電池、NI−Cd電池、Ni−MH電池、電気二重層キャパシタ、Liイオンキャパシタ等よりなる。
これらに例示する蓄電装置のうち、特にレドックスフロー電池は、充放電の繰り返しによる寿命の低下が少なく、高出力特性及び高速応答性に優れているので、蓄電装置用DC/DC変換装置3が行う後述の第2の電力制御に伴う電力変動に高速に追従でき、寿命の低下も少ないので、本実施形態の直流配電システムに好適である。
蓄電装置7は、蓄電装置用DC/DC変換装置3を介して直流配電線1に接続されている。
蓄電装置用DC/DC変換装置3は、例えば、双方向昇降圧チョッパ回路を含む。昇降圧チョッパ回路は、蓄電装置7の放電時においては、その出力電圧を昇圧して直流配電線1に電力を供給するとともに、蓄電装置7の充電時においては、直流配電線1の出力電圧を降圧して蓄電装置7に電力を供給する。
交流電力系統14は、例えば50〜60Hzの交流の商用電力が外部から供給される、交流分電盤よりなる。
交流電力系統14は、交流電力系統用DC/AC変換装置13を介して直流配電線1に接続されている。交流電力系統用DC/AC変換装置13は、例えば、双方向インバータ回路を含む。双方向インバータ回路は、交流電力系統14の順潮流時においては、その出力電圧を昇圧して直流配電線1に電力を供給するとともに、交流電力系統14の逆潮流時においては、直流配電線1の出力電圧を降圧して交流電力系統14に電力を供給する。
直流負荷装置10と交流負荷装置11,16は、例えば、一般に使用される家電製品などの通常の負荷装置や電力需給制御用の負荷装置よりなる。
後者の例としては、電気温水器、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)等があり、これらの負荷装置の場合は、電力過剰時に電力需給制御の手段としても利用される。
直流負荷装置用分岐装置8は、例えば、分電盤やテーブルタップ等よりなる。図1の例では分岐装置8が多段接続されているが、一段構成でもよく、分岐装置8なしで直流負荷装置10を直接直流負荷装置用DC/DC変換装置4に接続してもよい。
直流負荷装置10は、分岐装置8を介して或いは直接直流負荷装置用DC/DC変換装置4に接続されている。直流負荷装置用DC/DC変換装置4は、片方向降圧チョッパ回路を含む。降圧チョッパ回路は、直流配電線1の出力電圧を降圧して直流負荷装置10に印加する。直流負荷装置10の定格電圧は、例えば、DC12V、24V、48V及び300Vなど様々である。
交流負荷装置用分岐装置9,15は、例えば、単相100V、単相200V、三相200Vなどの複数のものを採用し得る。図1の例では分岐装置9,15も多段接続されているが、一段構成でもよく、分岐装置9,15なしで交流負荷装置11,16を直接DC/AC変換装置5,13に接続してもよい。
交流負荷装置11,16は、分岐装置9,15を介して或いは直接DC/AC変換装置5,13に接続されている。
交流負荷装置用DC/AC変換装置5は、片方向インバータ回路を含む。片方向インバータ回路は、直流配電線1の直流電力を交流電力に変換して交流負荷装置11に供給する。
本実施形態の直流配電線1は、定格電圧がDC360Vで運用されるものである。各変換装置2〜5,13の直流配電線1側には、それぞれコンデンサが設けられており、直流配電線1側における静電容量は概ねそれらのコンデンサの総計値になる。各変換装置2〜5,13当たりの静電容量は、例えば3mF程度である。
〔システム管理装置〕
本実施形態のシステム管理装置12は、変換装置2〜5,13のすべてと情報交換を行う通信機能を有しており、変換装置2〜5,13から取得した情報に基づいてシステム内の電力需給制御を行う。
また、システム管理装置12は、発電装置6、分岐装置8,9,15又は負荷装置10,11,16が電力制御可能な装置である場合は、システム内の電力需給制御のためにそれらの一部又は全部と情報交換を行う。
更に、システム管理装置12は、交流電力系統14とも通信により情報交換を行うことができる。
この場合、システム管理装置12と交流電力系統14は、直接通信により情報交換を行ってもよいし、交流電力系統用DC/AC変換装置13を介した通信により情報交換を行ってもよい。
すなわち、システム管理装置12と情報交換が可能な装置は、通信、電力測定、電力制御等を行うことができ、システム管理装置12による電力需給制御の実行手段として機能する。
なお、システム管理装置12との間の通信方式としては、例えば、イーサネット(登録商標)、無線LAN、PLC(Power Line Communication)などの有線又は無線通信が用いられる。
システム管理装置12は、電力需給制御に必要な情報として、発電装置用DC/DC変換装置2から直流配電線1への入力電力Pi、直流配電線1から直流負荷装置用DC/DC変換装置4、交流負荷装置用DC/AC変換装置5への出力電力Po、直流配電線1と蓄電装置用DC/DC変換装置3との入出力電力Pio、直流配電線1と交流電力系統用DC/AC変換装置13との入出力電力Pio、系統配下の交流負荷装置16の負荷電力Po(=Pals)などを取得する。
システム管理装置12は、発電装置用DC/DC変換装置2から取得した入力電力Piの総計値と、直流負荷装置用DC/DC変換装置4、交流負荷装置用DC/AC変換装置5から取得した出力電力Poの総計値との偏差が所定範囲内となるように、発電装置6の発電量を発電装置用DC/DC変換装置2に調整させたり、負荷装置10,11,16、分岐装置8,9,15、直流負荷装置用DC/DC変換装置4又は交流負荷装置用DC/AC変換装置5を解並列したり、負荷装置10,11,16に負荷電力を調整させたりして、システム内の電力需給をバランスさせる電力需給制御を行うが、この制御の詳細については後述する。
〔蓄電装置用DC/DC変換装置の電力制御〕
本実施形態の蓄電装置用DC/DC変換装置3は、直流配電線1に対する電力制御として、次の「Wb制御」と「Vdc制御」の双方を実行可能である。
Wb制御:蓄電装置7の蓄電量(=Wb)が所定のWb目標値となるようにPioを制御する電力制御
Vdc制御:直流配電線1の電圧(=Vdc)が所定の目標値(本実施形態では、Vdc目標値(高)又はVdc目標値(低))となるようにPioを制御する電力制御
また、本実施形態では、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御が成功しているVdcの電圧範囲では「Wb制御」を行い、それが失敗している電圧範囲で「Vdc制御」を行うものとする。
このため、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、「Wb制御」と「Vdc制御」を同時並行で行うことはなく、時間的にはそれら制御のいずれか一方を行う。
また、蓄電装置用DC/DC変換装置3が行う「Wb制御」において、蓄電量を増加させるために、直流配電線1から蓄電装置7に充電している場合には、その蓄電装置7はシステム内の「負荷装置」と見なすことができる。
逆に、蓄電装置用DC/DC変換装置3が行う「Wb制御」において、蓄電量を減少させるために、直流配電線1に蓄電装置7から放電している場合には、その蓄電装置7はシステム内の「発電装置」と見なすことができる。
〔パラメータの定義〕
発電装置用DC/DC変換装置2、蓄電装置用DC/DC変換装置3及び交流電力系統用DC/AC変換装置13が独立して行う電力制御の説明に先立ち、その説明に必要となるパラメータの定義を機器ごとに纏めて説明する。
(1) 直流配電線1に関するパラメータ
Vdc:直流配電線1の電圧である。
Idci:直流配電線1に入力する電流である。
Idco:直流配電線1から出力する電流である。
Idcio:Idci又はIdcoのことである。
Pi:直流配電線1に入力する電力である。
Po:直流配電線1から出力する電力である。
Pio:Pi又はPoのことである。
Pdcn総計値:直流配電線1の「不足」電力であり、この電力は次の式で表される。
Pdcn総計値= 直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
+交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Wb制御時」のPo総計値
−発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
−蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Wb制御時」のPi総計値
すなわち、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御が成功しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Wb制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio総計値を算入し、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御がが失敗しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Vdc制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio総計値を算入しない。
なお、
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Vdc制御時」のPi総計値
≦ 交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Vdc制御時」のPi最大可能値総計値
である場合には、次の式が成立する。
Pdcn総計値
= 交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Vdc制御時」のPi総計値
すなわち、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御が成功しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Wb制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値を算入せず、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御がが失敗しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Vdc制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値を算入する。
もっとも、上記式は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値に関する関係式であるから、Ts(交流の周期)毎の平均値を前提としたものになる。
Pdcp総計値:直流配電線の「過剰」電力であり、この電力は次の式で表される。
Pdcp総計値= 発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Wb制御時」のPi総計値
−直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
−交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
−蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Wb制御時」のPo総計値
すなわち、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御が成功しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Wb制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio総計値を算入し、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御がが失敗しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Vdc制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio総計値を算入しない。
Pdcp総計値は、上記不足電力と符号が逆になる。すなわち、Pdcp総計値=−Pdcn総計値である。
なお、
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Vdc制御時」のPo総計値
≦ 交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Vdc制御時」のPo最大可能値総計値
である場合には、次の式が成立する。
Pdcp総計値
= 交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Vdc制御時」のPo総計値
すなわち、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御が成功しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Wb制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値を算入せず、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御がが失敗しているVdcの電圧範囲で蓄電装置用DC/DC変換装置3が「Vdc制御」を行っている場合は蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値を算入する。
もっとも、上記式は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値に関する関係式であるから、Ts(交流の周期)毎の平均値を前提としたものになる。
Pdcnp総計値:Pdcn総計値又はPdcp総計値のことである。
Cdc:各変換装置の直流配電線1側のコンデンサの静電容量である。
Cdc総計値:Cdcの総計値である。直流配電線1の静電容量と概ね同じになる。
(2) 発電装置6に関するパラメータ
Pg:発電装置6の発電電力である。
Pgから変換によるわずかな損失を差し引くと、発電装置用DC/DC変換装置2のPiになり、Pgと発電装置用DC/DC変換装置2のPiはほぼ等しい。
Pg最大可能値:発電装置6が発電可能な最大の発電電力である。
発電装置用DC/DC変換装置2の制御により、実際の発電電力PgはPg最大可能値以下になり、実際の発電装置用DC/DC変換装置2のPiも発電装置用DC/DC変換装置2のPi最大可能値以下になる。
Pg最大可能値は天候等の状況に応じて変動し得る。
Pg最大可能値から変換によるわずかな損失を差し引くと、発電装置用DC/DC変換装置2のPi最大可能値になり、Pg最大可能値と発電装置用DC/DC変換装置2のPi最大可能値はほぼ等しい。
Vg:発電装置6の端子電圧である。
Ig:発電装置6の出力電流である。
(3) 蓄電装置7に関するパラメータ
Pbd:蓄電装置7の放電電力である。
Pbdから変換によるわずかな損失を差し引くと、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPiになり、Pbdと蓄電装置用DC/DC変換装置3のPiはほぼ等しい。
Pbd最大可能値:蓄電装置7が放電可能な最大の放電電力である。
蓄電装置用DC/DC変換装置3の制御により、実際の放電電力PbdはPbd最大可能値以下になり、実際の蓄電装置用DC/DC変換装置3のPiも蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値以下になる。
Pbd最大可能値は蓄電装置7の内部起電力に応じて変動し得る。蓄電装置7の内部起電力は、蓄電装置7の蓄電量にほぼ比例して増減するので、Pbd最大可能値は蓄電装置7の蓄電量に応じて変動し得る。
Pbd最大可能値から変換によるわずかな損失を差し引くと、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値になり、Pbd最大可能値と蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値はほぼ等しい。
Pbc:蓄電装置7の充電電力である。
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPoから変換によるわずかな損失を差し引くと、Pbcになり、Pbcと蓄電装置用DC/DC変換装置3のPoはほぼ等しい。
Pbc最大可能値:蓄電装置7が充電可能な最大の充電電力である。
蓄電装置用DC/DC変換装置3の制御により、実際の充電電力PbcはPbc最大可能値以下になり、実際の蓄電装置用DC/DC変換装置3のPoも蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値以下になる。
Pbc最大可能値は蓄電装置7の内部起電力に応じて変動し得る。蓄電装置7の内部起電力は、蓄電装置7の蓄電量にほぼ比例して増減するので、Pbc最大可能値は蓄電装置7の蓄電量に応じて変動し得る。
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値から変換によるわずかな損失を差し引くと、Pbc最大可能値になり、Pbc最大可能値と蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値はほぼ等しい。
Pbdc:Pbd又はPbcのことである。
Pbdcは、変換によるわずかな損失を除くと、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPioになり、Pbdcと蓄電装置用DC/DC変換装置3のPioはほぼ等しい。
Vb:蓄電装置7の端子電圧である。
Eb:蓄電装置7の内部起電力である。
Wb:蓄電装置7の蓄電量である。
Rb:蓄電装置7の内部抵抗である。
Ibd:蓄電装置7の放電電流である。
Ibc:蓄電装置7の充電電流である。
Ibdc:Ibd又はIbcのことである。
(4) 直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8に関するパラメータ
Pdl:直流負荷装置10の負荷電力である。
また、直流負荷装置用分岐装置8の分岐側では分岐配下のすべての直流負荷装置10の負荷電力の合計値になり、直流負荷装置用分岐装置8の非分岐側では当該分岐装置8配下のすべての直流負荷装置10の負荷電力の合計値になる。
直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPoから変換によるわずかな損失を差し引くと、当該DC/DC変換装置4に直接接続する直流負荷装置10のPdl又は当該DC/DC変換装置4に直接接続する直流負荷装置用分岐装置8の非分岐側のPdlすなわち当該分岐装置8配下のすべての直流負荷装置10のPdlの合計値になり、当該直流負荷装置10のPdl又は当該直流負荷装置用分岐装置8の非分岐側のPdlと当該DC/DC変換装置4のPoはほぼ等しい。
また、直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPoから変換によるわずかな損失を差し引くと、当該DC/DC変換装置4の配下のすべての直流負荷装置10のPdlの合計値になり、当該合計値と当該DC/DC変換装置4のPoはほぼ等しい。
このように、直流負荷装置用DC/DC変換装置4の配下では直流負荷装置用分岐装置8がツリー状に接続され末端が直流負荷装置10になっており、当該DC/DC変換装置4のPoは当該分岐装置8及び当該直流負荷装置10のPdlとして分配されていく。
つまり、直流負荷装置用分岐装置8及び直流負荷装置10の各所でのPdlは当該分岐装置8及び当該直流負荷装置10を配下とする直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPoの一部分を構成し、Poと同等の概念として扱うことができる。
Po:Pdlと同義。上記のようなことから、Pdlと同じ意味でPoという用語を使うことがある。
Vdl:直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8の端子電圧である。
Idl:直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8の負荷電流である。
(5) 系統非配下の交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9に関するパラメータ
Pal:系統非配下の交流負荷装置11の負荷電力である。
また、系統非配下の交流負荷装置用分岐装置9の分岐側では分岐配下のすべての交流負荷装置11の負荷電力の合計値になり、系統非配下の交流負荷装置用分岐装置9の非分岐側では当該分岐装置9配下のすべての交流負荷装置11の負荷電力の合計値になる。
交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPoから変換によるわずかな損失を差し引くと、当該DC/AC変換装置5に直接接続する交流負荷装置11のPal又は当該DC/AC変換装置5に直接接続する交流負荷装置用分岐装置9の非分岐側のPalすなわち当該分岐装置9配下のすべての交流負荷装置11のPalの合計値になり、当該交流負荷装置11のPal又は当該分岐装置9の非分岐側のPalと当該DC/AC変換装置5のPoはほぼ等しい。
また、交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPoから変換によるわずかな損失を差し引くと、当該DC/AC変換装置5の配下のすべての交流負荷装置11のPalの合計値になり、当該合計値と当該DC/AC変換装置5のPoはほぼ等しい。
このように、交流負荷装置用DC/AC変換装置5の配下では交流負荷装置用分岐装置9がツリー状に接続され末端が交流負荷装置11になっており、当該DC/AC変換装置5のPoは当該分岐装置9及び当該交流負荷装置11のPalとして分配されていく。
つまり、交流負荷装置用分岐装置9及び交流負荷装置11の各所でのPalは当該分岐装置9及び当該交流負荷装置11を配下とする交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPoの一部分を構成し、Poと同等の概念として扱うことができる。
Po:Palと同義。上記のようなことから、Palと同じ意味でPoという用語を使うことがある。
Val:系統非配下の交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9の端子電圧である。
Ial:系統非配下の交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9の負荷電流である。
(6) 系統配下の交流負荷装置16又は交流負荷装置用分岐装置15に関するパラメータ
Pals:系統配下の交流負荷装置16の負荷電力である。
また、系統配下の交流負荷装置用分岐装置15の分岐側では分岐配下のすべての交流負荷装置16の負荷電力の合計値になり、系統配下の交流負荷装置用分岐装置15の非分岐側では当該分岐装置15配下のすべての交流負荷装置16の負荷電力の合計値になる。
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPoから変換によるわずかな損失を差し引くと、交流電力系統14との潮流電力が0の場合には、当該DC/AC変換装置13に直接接続する交流負荷装置16のPals又は当該DC/AC変換装置13に直接接続する交流負荷装置用分岐装置15の非分岐側のPalsすなわち当該分岐装置15配下のすべての交流負荷装置16のPalsの合計値になり、当該交流負荷装置16のPals又は当該分岐装置15の非分岐側のPalsと当該DC/AC変換装置13のPoはほぼ等しい。
また、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPoから変換によるわずかな損失を差し引くと、交流電力系統14との潮流電力が0の場合には、当該DC/AC変換装置13の配下のすべての交流負荷装置16のPalsの合計値になり、当該合計値と当該DC/AC変換装置13のPoはほぼ等しい。
このように、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下では交流負荷装置用分岐装置15がツリー状に接続され末端が交流負荷装置16になっており、当該DC/AC変換装置13のPoは、交流電力系統14との潮流電力分を除くと、当該分岐装置15及び当該交流負荷装置16のPalsとして分配されていく。
つまり、交流負荷装置用分岐装置15及び交流負荷装置16の各所でのPalsは当該分岐装置15及び当該交流負荷装置16を配下とする交流負荷装置用DC/AC変換装置13のPoの一部分を構成し、Poと同等の概念として扱うことができる。
Po:Palsと同義。上記のようなことから、Palsと同じ意味でPoという用語を使うことがある。
Vals:系統配下の交流負荷装置16又は交流負荷装置用分岐装置15の端子電圧である。
Ials:系統配下の交流負荷装置16又は交流負荷装置用分岐装置15の負荷電流である。
Pals小計値:着目する1つの交流電力系統用DC/AC変換装置13についての、系統配下のすべての交流負荷装置16の負荷電力Palsの合計値である。
Pals総計値:システム内のすべての交流電力系統用DC/AC変換装置13についての、系統配下のすべての交流負荷装置16の負荷電力Palsの合計値のことである。
従って、Pals総計値=Σ(Pals小計値)であり、交流電力系統用DC/AC変換装置13が1つだけ存在するシステムでは、Pals総計値=Pals小計値となる。
なお、Pals小計値の算出方法については、後述する。
(7) 交流電力系統14に関するパラメータ
Psf:交流電力系統14の順潮流電力である。
Psb:交流電力系統14の逆潮流電力である。
Psfb:Psf又はPsbのことである。
Psf最大可能値:交流電力系統14が「順潮流」可能な最大の順潮流電力である。
Psb最大可能値:交流電力系統14が「逆潮流」可能な最大の逆潮流電力である。
なお、Psf最大可能値とPsb最大可能値については、後述する。
Vs:交流電力系統14の端子電圧である。
Isf:交流電力系統14の順潮流電流である。
Isb:交流電力系統14の逆潮流電流である。
Isfb:Isf又はIsbのことである。
fs:交流の周波数である。
Ts:交流の周期である。従って、Ts=1/fsである。
〔Pals小計値の算出方法〕
本実施形態のシステム管理装置12は、系統配下の交流負荷装置16の「Pals小計値」を、以下のいずれかの算出方法1,2によって取得する。
なお、交流電力系統用DC/AC変換装置13が複数ある場合は、システム管理装置12は、各変換装置13についての「Pals小計値」をそれぞれ算出し、得られたPals小計値を合計して「Pals総計値」を算出する。
算出方法1:
システム管理装置12は、系統配下の分岐装置15又は交流負荷装置16との通信が可能な場合は、それらの装置15,16との通信によって取得した各装置15,16のPalsを重複が無いように合計することにより、Pals小計値を算出する。
例えば、交流電力系統用DC/AC変換装置13に直接接続する交流負荷装置16のPals又は当該DC/AC変換装置13に直接接続する交流負荷装置用分岐装置15の非分岐側のPalsであれば、当該PalsがPals小計値になる。また、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下のすべての交流負荷装置16のPalsを合計するとPals小計値になる。
さらに、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下で交流負荷装置用分岐装置15及び交流負荷装置16が構成するツリーを横断するように切断しその切断箇所のPalsを合計するとPals小計値になる。
算出方法2:
そうでない場合、すなわち、システム管理装置12が系統配下の分岐装置15や交流負荷装置16と通信できない場合は、システム管理装置12は、交流電力系統14から直接または交流電力系統用DC/AC変換装置13を介してPsfbを取得するともに、その変換装置13から当該変換装置13のPioを取得し、これらの値から、例えば次のようにしてPals小計値を算出する。
図11は、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下の電力需給状況を示す説明図である。以下、図11を参照しつつ、算出方法2を説明する。
Psf≧0(順潮流)でかつPi≧0場合(図11の上段図)
この場合、(Psf−Pi)から、変換によるわずかな損失を差し引くと、Pals小計値になり、両者はほぼ等しい。従って、システム管理装置12は、次の式によってPals小計値を求める。
Pals小計値≒Psf−Pi
Psf≧0(順潮流)でかつPo≧0の場合(図11の中段図)
この場合、(Po+Psf)から、変換によるわずかな損失を差し引くと、Pals小計値になり、両者はほぼ等しい。従って、システム管理装置12は、次の式によってPals小計値を求める。
Pals小計値≒Po+Psf
Psb≧0(逆潮流)でかつPo≧0の場合(図11の下段図)
この場合、(Po−Psb)から、変換によるわずかな損失を差し引くと、Pals小計値になり、両者はほぼ等しい。従って、システム管理装置12は、次の式によってPals小計値を求める。
Pals小計値≒Po−Psb
なお、本実施形態では、交流電力系統用DC/AC変換装置13は、自装置の配下の交流負荷装置16についてのPals小計値を、システム管理装置12から通信により取得するか、上記の算出方法1,2のいずれかの方法で取得することができる。
すなわち、交流電力系統用DC/AC変換装置13は、系統配下の分岐装置15又は交流負荷装置16との通信が可能な場合は、それらの装置15,16との通信によって取得した各装置15,16のPalsを重複が無いように合計することにより、Pals小計値を算出する。
例えば、当該DC/AC変換装置13に直接接続する系統配下の交流負荷装置16のPals又は当該DC/AC変換装置13に直接接続する系統配下の交流負荷装置用分岐装置15の非分岐側のPalsであれば、当該PalsがPals小計値になる。
また、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下のすべての交流負荷装置16のPalsを合計するとPals小計値になる。
さらに、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下で交流負荷装置用分岐装置15及び交流負荷装置16が構成するツリーを横断するように切断しその切断箇所のPalsを合計するとPals小計値になる(算出方法1)。
また、交流電力系統用DC/AC変換装置13は、系統配下の分岐装置15や交流負荷装置16と通信できない場合は、交流電力系統14から直接またはシステム管理装置12を介してPsfbを取得するともに、自身のPioから、上記算出方法2のようにしてPals小計値を算出する。
〔Psf最大可能値とPsb最大可能値〕
図12は、Psfb最大可能値、Pals小計値、および、Pio最大可能値の関係を示す説明図である。
Pals小計値は、交流負荷装置16の動作によってのみ決まり、DC/AC変換装置13は制御することはできないので、DC/AC変換装置13のPio最大可能値は、交流電力系統14のPsfb最大可能値にPals小計値を考慮して算出する必要がある。
ここでは、交流電力系統14に基づく電力を問題にしているので、PsfbはTs毎の平均値を前提としている。従って、Psfb最大可能値、DC/AC変換装置13のPi最大可能値及びPo最小可能値に関する関係式も、Ts毎の平均値を前提としている。
図12の上段図は、Psf≧0(順潮流)であり、かつ、Psf最大可能値≧Pals小計値である場合の電力需給状況を示している。
図12の上段図に示すように、Psf最大可能値≧Pals小計値の場合には、Pals小計値を考慮すると、交流電力系統14からDC/AC変換装置13に入力可能な最大電力は(Psf最大可能値−Pals小計値)になり、DC/AC変換装置13の制御により、実際の(Psf−Pals小計値)は(Psf最大可能値−Pals小計値)以下になり、実際のDC/AC変換装置13のPiも当該変換装置13のPi最大可能値以下になる。
また、この場合、(Psf最大可能値−Pals小計値)から、変換によるわずかな損失を差し引くと、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値になり、両者はほぼ等しい。従って、次の式が成立する。
Psf最大可能値−Pals小計値≒変換装置13のPi最大可能値
図12の中段図は、Psf≧0(順潮流)であり、かつ、Psf最大可能値≦Pals小計値である場合の電力需給状況を示している。
図12の中段図に示すように、Psf最大可能値≦Pals小計値の場合には、Pals小計値を考慮すると、交流電力系統14からDC/AC変換装置13に電力を入力するどころか、DC/AC変換装置13から(Pals小計値−Psf最大可能値)の電力を出力しなければならなくなり、DC/AC変換装置13の制御により、実際の(Pals小計値−Psf)は、(Pals小計値−Psf最大可能値)以上になり、実際のDC/AC変換装置13のPoも当該変換装置13のPo最小可能値以上になる。
また、この場合、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最小可能値から、変換によるわずかな損失を差し引くと、(Pals小計値−Psf最大可能値)になり、両者はほぼ等しい。
この場合、便宜上、Piに負値を認め、Po=−Pi、Po最小可能値=−Pi最大可能値と表現すると、Pi≦Pi最大可能値にならなければならないという関係は、Piが負値であれば−Pi=Po≧−Pi最大可能値=Po最小可能値にならなければならないという関係になり、Psf最大可能値≦Pals小計値の場合も、Psf最大可能値≧Pals小計値の場合と同様のPsf最大可能値、Pals小計値、および、Pi最大可能値の関係式で表現できる。
すなわち、「DC/AC変換装置13の制御により、実際の(Psf−Pals小計値)は(Psf最大可能値−Pals小計値)以下になり、実際のDC/AC変換装置13のPiも当該変換装置13のPi最大可能値以下になる。」という表現において、各数値が負値の場合それを正値にすると、「DC/AC変換装置13の制御により、実際の(Pals小計値−Psf)は(Pals小計値−Psf最大可能値)以上になり、実際のDC/AC変換装置13の−Pi=Poも当該変換装置13の−Pi最大可能値=Po最小可能値以上になる。」となる。
また、「(Psf最大可能値−Pals小計値)から、変換によるわずかな損失を差し引くと、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値になり、両者はほぼ等しい。」という表現において、各数値が負値の場合それを正値にすると、「交流電力系統用DC/AC変換装置13の−Pi最大可能値=Po最小可能値から、変換によるわずかな損失を差し引くと、(Pals小計値−Psf最大可能値)になり、両者はほぼ等しい。」となる。
さらに、「Psf最大可能値−Pals小計値≒変換装置13のPi最大可能値」という表現において、各数値が負値の場合それを正値にすると、「Pals小計値−Psf最大可能値≒変換装置13の−Pi最大可能値=Po最小可能値」となる。
なお、「Psf最大可能値」は、交流電力系統14の電力需給状況に応じて変動する場合があるが、その変動が生じるときは、交流電力系統14から直接またはDC/AC変換装置13を介して、システム管理装置12に予め通知される。
図12の下段図は、Psb≧0(逆潮流)である場合の電力需給状況を示している。
図12の下段図に示すように、この場合には、Pals小計値を考慮すると、DC/AC変換装置13から交流電力系統14に出力可能な最大電力は(Psb最大可能値+Pals小計値)になり、DC/AC変換装置13の制御により、実際の(Psb+Pals小計値)は(Psb最大可能値+Pals小計値)以下になり、実際のDC/AC変換装置13のPoも当該装置13のPo最大可能値以下になる。
また、この場合、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値から、変換によるわずかな損失を差し引くと、(Psb最大可能値+Pals小計値)になり、両者はほぼ等しい。従って、次の式が成立する。
Psb最大可能値+Pals小計値≒変換装置13のPo最大可能値
なお、「Psb最大可能値」も、交流電力系統14の電力需給状況に応じて変動する場合があるが、かかる変動が生じるときは、交流電力系統14から直接またはDC/AC変換装置13を介して、システム管理装置12に予め通知される。
〔Vdcのリプルについて〕
図13は、交流電力系統用DC/AC変換装置13の前後段における電力、電流及び電圧の変化を示すグラフである。
すなわち、図13の左側は、変換装置13の交流電力系統14側における電力、電流及び電圧の変化を示すグラフであり、図13の右側は、変換装置13の直流配電線1側における電力、電流及び電圧の変化を示すグラフである。
図13に示すように、Psfb(t)は、交流なので2fsの周波数で脈動し、それにほぼ等しいPio(t)も2fsの周波数で脈動する。
Pio(t)=Pio(1+cos(4π・fs・t))
ここで、Pio(t)=Vdc(t)×Idcio(t)であり、Vdc(t)はほぼ直流であるから、Idcio(t)も2fsの周波数で脈動する。
Idcio(t)=(Pio/Vdc)(1+cos(4π・fs・t))
また、直流配電線1は、電気回路的には、各変換装置2〜5,13の直流配電線1側のコンデンサの総体であって、その静電容量は、概ねその総計値であるCdc総計値になる。
従って、Vdc(t)とIdcio(t)との間には次の微分方程式が成立し、直流配電線1のVdc(t)は、交流電力系統14の交流の周波数fsとして、2fsの周波数で脈動する成分(リプル)が生じることになる。
Idcio(t)=定数+Cdc総計値×ΔVdc(t)/Δt
このため、Vdc(t)のリプルを抑制しようとすると、交流電力系統14の電流Isfb(t)が歪み、交流電力系統14と系統連系できなくなる。
ここで、リプル波高値を「Vdcr」(ただし、Vdc>>Vdcr)とし、
Vdc(t)=Vdc+Vdcr・sin(4π・fs・t)とおき、上記の微分方程式に代入すると、
Idcio(t)
=定数+4π・fs・Cdc総計値・Vdcr・cos(4π・fs・t)となる。
上記2つのIdcio(t)の式の比較から、Pio/Vdc=4π・fs・Cdc総計値・Vdcrとなり、
Vdcr=Pio/(4π・fs・Cdc総計値・Vdc)となる。
また、交流電力系統用DC/AC変換装置13が複数ある場合には、交流電力系統14の位相が同期して、すべての交流電力系統用DC/AC変換装置13がPio定格値で運転している時にVdcrが最大となり、その最大値は次の式となる。
Vdcr最大値
=交流電力系統用DC/AC変換装置13のPio定格値総計値/(4π・fs・Cdc総計値・Vdc目標値(標準))
なお、上記の説明では、高調波は無視している。
また、上記の説明では、簡単のため、交流電力系統用DC/AC変換装置13直下の分岐装置15がない場合を想定したが、当該変換装置13の交流電力系統14側の電流波形に関する動作は、その分岐装置15が存在する場合も同様である。
〔変換装置での電力制御の基本方針〕
本実施形態では、発電装置用変換装置2、交流電力系統用変換装置13及び蓄電装置用変換装置3がそれぞれ次の第1〜第3の電力制御を互いに独立して行うことにより、直流配電線1の電圧Vdcをその上限値以下でかつその下限値以上の範囲内となるように維持する。なお、Vdc定格値=360V、Vdc上限値=390V、Vdc下限値=330Vであるとする。
また、下記において、「Vdc目標値(特高)」は、例えばVdc上限値−許容誤差δ1(図14及び図15参照)であり、δ1=5Vとすると、Vdc目標値(特高)は385Vとなる。
更に、「Vdc目標値(標準)」は、例えばVdc定格値(=360V)であり、これには許容誤差±δ2(図14及び図15参照)が認められるものとする。ここでは、δ2=10Vであるとする。
また、「Vdc目標値(高)」は、Vdc目標値(標準)に許容誤差δ2を加えた値の「Vdc閾値(高)」に、許容誤差δ3(図14及び図15参照)を加えた値であり、「Vdc目標値(低)」は、Vdc目標値(標準)から許容誤差δ2を引いた値の「Vdc閾値(低)」から、許容誤差δ3(図14及び図15参照)を引いた値である。ここで、δ3=5Vであるとすると、Vdc閾値(高)=370V、Vdc目標値(高)=375V、Vdc閾値(低)=350V、Vdc目標値(低)=345Vとなる。
なお、Vdc目標値(低)から許容誤差δ3を引いた値はVdc下限値(=330V)より大きい必要があるが、この値は340Vとなり条件を満足している。
(第1の電力制御):以下、「第1のVdc制御」ともいう。
発電装置用DC/DC変換装置2は、直流配電線1のVdcが「Vdc目標値(特高)」(以下、「Vdch」ともいう。)になるように電力制御を行う。
(第2の電力制御):以下、「第2のVdc制御」ともいう。
交流電力系統用DC/AC変換装置13は、直流配電線1のVdcのTs毎の平均値が「Vdc目標値(標準)」(以下、「Vdcm」ともいう。)になるように電力制御を行う。
(第3の電力制御):以下、「第3のVdc制御」ともいう。
蓄電装置用DC/DC変換装置3は、直流配電線1のVdcのTs毎の平均値<Vdc閾値(低)の場合に、Vdcが「Vdc目標値(低)」(以下、「Vdcl」ともいう。)になるように電力制御を行う。
蓄電装置用DC/DC変換装置3は、直流配電線1のVdcのTs毎の平均値>Vdc閾値(高)の場合に、Vdcが「Vdc目標値(高)」(以下、「Vdcu」ともいう。)になるように電力制御を行う。
ただし、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、Vdc閾値(低)≦直流配電線1のVdcのTs毎の平均値≦Vdc閾値(高)が成立する場合、すなわち、第2のVdc制御による電圧範囲が維持されている場合には、上記第3のVdc制御を行わず、蓄電装置7の蓄電量Wbを、システム管理装置12等によって予め設定されたWb目標値にする電力制御であるWb制御を行う。
なお、本実施形態では、Vdc目標値(低)の付近で第2のVdc制御と第3のVdc制御が繰り返されるチャタリング(図29及び図30参照)を防止するため、VdcのTs毎の平均値がVdc閾値(低)を下回った時点から一定期間が経過してから、VdcをVdc目標値(低)になるように電力制御する第3のVdc制御を行うが、これについては後述する。
同様に、本実施形態では、Vdc目標値(高)の付近で第2のVdc制御と第3のVdc制御が繰り返されるチャタリング(図31及び図32)を防止するため、VdcのTs毎の平均値がVdc閾値(高)を超えた時点から一定期間が経過してから、VdcがVdc目標値(高)になるように電力制御する第3のVdc制御を行うが、これについても後述する。
本実施形態では、第2の電力制御の制御対象を、Vdcそのもの(瞬時値)ではなく、VdcのTs毎の平均値とすることにより、Vdcのリプルを抑制しない電力制御を採用している。従って、Vdcr最大値≦Vdc目標値(標準)×0.01程度となるように、直流配電線1側のCdc総計値が設計されている。
もっとも、リプルの許容範囲を求めるためにVdc目標値(標準)に乗算する所定割合は、概ね0.01〜0.03の範囲から選択すればよい。
この場合、例えば、Cdc総計値を交流電力系統用DC/AC変換装置13だけで実現するという考え方を採用するならば、各々の交流電力系統用DC/AC変換装置13を下式のように設計すればよい。
各DC/AC変換装置13のCdc/Pio定格値
≧1/(4π・fs・Vdc目標値(標準)・(Vdc目標値(標準)×約0.01))
すなわち、
各DC/AC変換装置13のCdc/Pio定格値
≧1/(4π・fs・Vdc目標値(標準)・×約0.01)
また、本実施形態では、上記の通り「Vdc目標値(標準)」はVdc定格値とする。
ただし、Vdc目標値(標準)−交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御の許容誤差δ2−Vdcr最大値≧Vdc下限値であることが必要である。これを満足しない場合は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御の許容誤差δ2またはVdcr最大値をより小さく設定する必要がある。
更に、本実施形態では、Vdc目標値(特高)=Vdc上限値−発電装置用DC/DC変換装置2のVdc制御の許容誤差δ1とする。ただし、ある程度の余裕を持たせるため、次の不等式を満足する必要がある。
Vdc目標値(標準)+許容誤差δ2+Vdcr最大値<Vdc目標値(特高)
これを、満足しない場合は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御の許容誤差δ2またはVdcr最大値を、より小さく設定する必要がある。
なお、一例として、Vdc定格値=360V、Vdc上限値=390V、Vdc下限値=330V、δ1=5V、δ2=10Vとすると、Vdc目標値(特高)は385Vとなり、Vdc目標値(標準)は360Vとなり、Vdcr最大値は360V×0.01=3.6Vとなる。
この場合、Vdc目標値(標準)+δ2+Vdcr最大値<Vdc目標値(特高)未満となり、Vdc目標値(標準)−δ2−Vdcr最大値>Vdc下限値となる。
また、このVdcr最大値を満足するようにするために、Cdc総計値を交流電力系統用DC/AC変換装置13だけで実現するという考え方を採用するならば、各々の交流電力系統用DC/AC変換装置13のCdc/Pio定格値は、fs≧50Hzとして、1.23mF/kW以上とすればよい。
〔発電装置用DC/DC変換装置の機能構成〕
図2は、発電装置用DC/DC変換装置2の機能ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の発電装置用DC/DC変換装置2は、図示左から順に、送受信部21、測定部22、記憶部23、Pi算出部24、最小値選択部25、Pi制御部26、PWM回路27及び昇圧チョッパ回路28を有する。
送受信部21は、システム管理装置12と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部22は、発電装置6側の電流Ig及び電圧Vgと、直流配電線1側の電流Idci及び電圧Vdcとを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部23は、送受信部21を介してシステム管理装置12から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部21は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部22から取得したVdc及びPi(=Vdc×Idci)の値をシステム管理装置12に送信する。また、測定部22は、Vdcの値を後段のPi算出部24に渡し、Vdc、Pi、Vg及びIgの測定値を後段のPi制御部26に渡す。
記憶部23は、システム管理装置12から通知されたVdchとPi制限値を記憶し、記憶したVdchをPi算出部24に渡し、Pi制限値を最小値選択部25に渡す。
Pi算出部24は、測定部22から入力されるVdcの値が、記憶部23から取得したVdch(高めの目標値)となる電力制御を行うのに必要なPiをPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出結果を最小値選択部25に出力する。
最小値選択部25は、Pi算出部24が算出したPiと記憶部23から入力されたPi制限値のうちから最小値を選択し、選択した最小値を「Pi目標値」として、Pi制御部26に出力する。
Pi制御部26は、測定部22から入力されたPiの値が、Pi目標値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出値をPWM回路27に出力する。
ただし、Pi制御部26は、Pi目標値がPi最大可能値を超える場合には、測定部22から入力されたPiの値が、Pi最大可能値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出する。
そして、PWM回路27は、上記のように算出されたデューティー比にて昇圧チョッパ回路28のトランジスタをスイッチングする。
これにより、直流配電線1に入力される電力Piが、Pi制限値の範囲内で、VdcがVdchとなる電力値か、或いは、最大の発電電力であるPg最大可能値から変換によるわずかな損失を差し引いたPi最大可能値のいずれか小さい方の電力値となるように制御されることになる。
〔蓄電装置用DC/DC変換装置の機能構成〕
図3は、蓄電装置用DC/DC変換装置3の機能ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態の蓄電装置用DC/DC変換装置3は、図示左から順に、送受信部31、測定部32、記憶部33、Pio算出部34、最小値選択部35、Pio制御部36、PWM回路37及び昇降圧チョッパ回路38を有する。
送受信部31は、システム管理装置12と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部32は、蓄電装置7側の電流Ibdc及び電圧Vbと、直流配電線1側の電流Idcio及び電圧Vdcとを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部33は、送受信部31を介してシステム管理装置12から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部31は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部32から取得したVdc、Pio(=Vdc×Idcio)及びEbの値をシステム管理装置12に送信する。
また、測定部32は、VdcとEbの値を後段のPio算出部34に渡し、Vdc、Pio、Vb、Eb及びIbdcの値を後段のPio制御部36に渡す。
記憶部33は、システム管理装置12から通知された次のパラメータXを記憶する。
X:Vdc目標値(高)(=Vdcu)とVdc目標値(低)(=Vdcl)
Wb目標値
Vdc閾値(高)とVdc閾値(低)
Eb最大値とEb最小値
Wb制御時のPio制限値
記憶部33は、記憶した上記パラメータXのうち、Wb制御時のPio制限値以外のもの(図3では「パラメータY」として表示)を後段のPio算出部34に渡し、Wb制御時のPio制限値については後段の最小値選択部35に渡す。
Pio算出部34は、測定部32から入力されるVdcのTs毎の平均値<Vdc閾値(低)の場合は、VdcがVdc目標値(低)となる電力制御を行うのに必要なPioをPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出結果を「Pio目標値」としてPio制御部36に出力する。
また、Pio算出部34は、測定部32から入力されるVdcのTs毎の平均値>Vdc閾値(高)の場合は、VdcがVdc目標値(高)となる電力制御を行うのに必要なPioをPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出結果を「Pio目標値」としてPio制御部36に出力する。
Pio算出部34は、測定部32から入力されるVdcのTs毎の平均値が、Vdc閾値(低)≦VdcのTs毎の平均値≦Vdc閾値(高)の範囲である場合には、Wb=100×(Eb−Eb最小値)/(Eb最大値−Eb最小値)(%)が、Wb目標値となる電力制御を行うのに必要なPioをPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出結果を最小値選択部35に渡す。
最小値選択部35は、記憶部33から入力されたWb制御時のPio制限値と、Pio算出部34から入力されたPio(WbがWb目標値になるのに必要なPio)とを比較し、その小さい方を「Pio目標値」としてPio制御部36に出力する。
以上の制御内容から明らかな通り、Pio算出部34がPio制御部36に出力する「Pio目標値」は、VdcがVdcl又はVdcuになるように電力制御する「Vdc制御」のためのPioの目標値である。また、最小値選択部35がPio制御部36に出力する「Pio目標値」は、WbがWb目標値となるように電力制御する「Wb制御」のためのPioの目標値である。
そして、Vdcの範囲に応じて、上記2つのPio目標値のうちのいずれか一方がPio制御部36に出力される。
Pio制御部36は、測定部32から入力されたPioの値が、Pio目標値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出値をPWM回路37に出力する。
ただし、Pio制御部36は、Pio目標値がPio最大可能値を超える場合には、測定部32から入力されたPioの値が、Pio最大可能値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出する。
そして、PWM回路37は、上記のように算出されたデューティー比にて昇降圧チョッパ回路38のトランジスタをスイッチングする。
これにより、Vdc制御が行われるVdcの範囲では、直流配電線1に入力される電力Piが、VdcがVdcmとなる電力か、或いは、最大の放電電力であるPbd最大可能値から変換によるわずかな損失を差し引いたPi最大可能値とのいずれか小さい方の電力値となるか、直流配電線1から出力される電力Poが、VdcがVdcmとなる電力か、或いは、最大の充電電力であるPbc最大可能値に変換によるわずかな損失を加えたPo最大可能値とのいずれか小さい方の電力値となるように制御されることになる。
〔交流電力系統用DC/AC変換装置の機能構成〕
図4は、交流電力系統用DC/AC変換装置13の機能ブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の交流電力系統用DC/AC変換装置13は、図示左から順に、送受信部131、測定部132、記憶部133、Pio算出部134、Pio制御部136、PWM回路137及び双方向インバータ回路138を有する。
送受信部131は、システム管理装置12、交流電力系統14或いは配下の分岐装置15又は交流負荷装置16と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部132は、交流電力系統14側の電流Isfb及び電圧Vsと、直流配電線1側の電流Idcio及び電圧Vdcとを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部133は、送受信部131を介してシステム管理装置12から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部131は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部132から取得したVdc、Pio(=Vdc×Idcio)の値をシステム管理装置12に送信する。また、測定部132は、Vdcの値を後段のPio算出部134に渡し、Vdc、Pio、Vs及びIsfbの値を後段のPio制御部136に渡す。
記憶部133は、システム管理装置12から通知されたVdcmを記憶し、記憶したVdcmをPio算出部134に渡す。
また、記憶部133は、Psfb最大可能値、Pals小計値、Po(=Pals)またはPsfbの取得要求を、それらのパラメータを有する装置に通知し、要求に応じて通知されたパラメータを記憶する。
例えば、記憶部133が、取得要求をシステム管理装置12に送信する場合には、システム管理装置12は、交流電力系統14から取得したPsfb最大可能値と、分岐装置15及び交流負荷装置16から収集したPo(=Pals)を基に算出したPals小計値または交流電力系統14から取得したPsfbとを記憶部133に通知する。
また、記憶部133が、取得要求を交流電力系統14に送信する場合には、交流電力系統14は、自身が保持しているPsfb最大可能値とPsfbとを記憶部133に通知する。
更に、記憶部133が、取得要求を配下の分岐装置15や交流負荷装置16に送信する場合には、それらの各装置15,16が自身で保持しているそれぞれのPo(=Pals)の値を記憶部133に通知する。
また、記憶部133は、システム管理装置12その他の装置から通知されたPsfb最大可能値と、Pals小計値、Po(=Pals)またはPsfbとを、後段のPio制御部136に渡す。
Pio算出部134は、測定部132から入力されるVdcのTs毎の平均値が、記憶部133から取得したVdcm(標準の目標値)となる電力制御を行うのに必要なPioのTs毎の平均値をPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出結果を「Pio目標値」としてPio制御部136に出力する。
Pio制御部136は、測定部132から入力されたPioのTs毎の平均値が、Pio目標値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出値をPWM回路137に出力する。
ただし、Pio制御部136は、Pio目標値がPio最大可能値を超える場合には、測定部132から入力されたPioのTs毎の平均値が、Pio最大可能値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出する。
また、Pio制御部136は、Pi最大可能値≦0の場合には、Pi目標値≧0又はPo目標値≦−Pi最大可能値であることを条件として、PoのTs毎の平均値が−Pi最大可能値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出値をPWM回路137に出力する。
ここで、Pio制御部136は、「Po最大可能値」については、(Psb最大可能値+Pals小計値)に対して、変換によるわずかな損失を加えることによって算出する。すなわち、Pio制御部136は、次式によってPo最大可能値を算出する。
Po最大可能値=Psb最大可能値+Pals小計値+変換によるわずかな損失
なお、上記の式において、「変換によるわずかな損失」は、交流電力系統用DC/AC変換装置13の内部構成によって定まる所定値に設定しておけばよい(以下、同様)。
また、Pio制御部136は、「Pi最大可能値」については、(Psf最大可能値−Pals小計値)から、変換によるわずかな損失を差し引くことによって算出する。すなわち、Pio制御部136は、次式によってPi最大可能値を算出する。
Pi最大可能値=Psf最大可能値−Pals小計値−変換によるわずかな損失
なお、Pals小計値がシステム管理装置12から得られていないか分岐装置15及び交流負荷装置16から取得したPo(=Pals)を基に算出できていない場合は、Pio制御部136は、交流電力系統14の潮流状態と自装置の電力状態に応じて、次の算出方法によってPals小計値を算出する。
Psf≧0(順潮流)でかつPi≧0の場合:
(Psf−Pi)から変換によるわずかな損失を差し引いた値を、Pals小計値とする。すなわち、Pals小計値≒Psf−Piとする。
Psf≧0(順潮流)でかつPo≧0の場合:
(Po+Psf)から、変換によるわずかな損失を差し引いた値を、Pals小計値とする。すなわち、Pals小計値≒Po+Psfとする。
Psb≧0(逆潮流)でかつPo≧0の場合:
(Po−Psb)から変換によるわずかな損失を差し引いた値を、Pals小計値する。すなわち、Pals小計値≒Po−Psbとする。
そして、PWM回路137は、上記のように算出されたデューティー比にて双方向インバータ回路138のトランジスタをスイッチングする。
これにより、直流配電線1に入力される電力Piが、VdcのTs毎の平均値がVdcmとなる電力か、或いは、DC/AC変換装置13から入力可能なPi最大可能値とのいずれか小さい方の電力値となるか、直流配電線1から出力される電力Poが、VdcのTs毎の平均値がVdcmとなる電力か、或いは、DC/AC変換装置13に出力可能なPo最大可能値とのいずれか小さい方の電力値となるように制御されることになる。
〔直流負荷装置用DC/DC変換装置の機能構成〕
図5は、直流負荷装置用DC/DC変換装置4の機能ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態の直流負荷装置用DC/DC変換装置4は、図示左から順に、送受信部41、測定部42、記憶部43、解並列制御部44、Vdl制御部45、PWM回路46及び降圧チョッパ回路47を有する。
送受信部41は、システム管理装置12と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部42は、直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8側の電流Idl及び電圧Vdlと、直流配電線1側の電流Idco及び電圧Vdcとを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部43は、送受信部41を介してシステム管理装置12から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部41は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部42から取得したVdc及びPo(=Vdc×Idco)の値をシステム管理装置12に送信する。また、測定部42は、Poの値を後段の解並列制御部44に渡し、Vdl及びIdlの測定値を後段のVdl制御部45に渡す。
記憶部43は、システム管理装置12から通知されたVdl目標値とPo制限値を記憶し、記憶したVdl目標値をVdl制御部45に渡し、Po制限値を解並列制御部44に渡す。また、送受信部41は、システム管理装置12から受信した解列要求又は並列要求を解並列制御部44に渡す。
Vdl制御部45は、測定部42から入力されるVdlの値が、記憶部43から取得したVdl目標値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出値をPWM回路46に出力する。
そして、PWM回路46は、上記のように算出されたデューティー比にて降圧チョッパ回路47のトランジスタをスイッチングする。これにより、直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8の端子電圧が、Vdl目標値となるように制御されることになる。
解並列制御部44は、システム管理装置12から解列要求があった場合には、直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8を直流配電線1から解列させ、並列要求があった場合には、直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8を直流配電線1に並列させる。
また、解並列制御部44は、測定部42から入力されるPoの値が、記憶部43から取得したPo制限値より大きい場合には、直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8を直流配電線1から解列させ、等しいか小さい場合には、直流負荷装置10又は直流負荷装置用分岐装置8を直流配電線1に並列させる。
〔交流負荷装置用DC/AC変換装置の機能構成〕
図6は、交流負荷装置用DC/AC変換装置5の機能ブロック図である。
図6に示すように、本実施形態の交流負荷装置用DC/AC変換装置5は、図示左から順に、送受信部51、測定部52、記憶部53、解並列制御部54、Val制御部55、PWM回路56及びインバータ回路57を有する。
送受信部51は、システム管理装置12と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部52は、交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9側の電流Ial及び電圧Valと、直流配電線1側の電流Idco及び電圧Vdcとを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部53は、送受信部51を介してシステム管理装置12から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部51は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部52から取得したVdc及びPo(=Vdc×Idco)の値をシステム管理装置12に送信する。また、測定部52は、Poの値を後段の解並列制御部54に渡し、Val及びIalの測定値を後段のVal制御部55に渡す。
記憶部53は、システム管理装置12から通知されたVal目標値とPo制限値を記憶し、記憶したVal目標値をVal制御部55に渡し、Po制限値を解並列制御部54に渡す。また、送受信部51は、システム管理装置12から受信した解列要求又は並列要求を解並列制御部54に渡す。
Val制御部55は、測定部52から入力されるValの値が、記憶部53から取得したVal目標値となるのに必要なデューティー比をPI制御(比例積分制御)によって算出し、その算出値をPWM回路56に出力する。
そして、PWM回路56は、上記のように算出されたデューティー比にてインバータ回路57のトランジスタをスイッチングする。これにより、交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9の端子電圧が、Val目標値となるように制御されることになる。
解並列制御部54は、システム管理装置12から解列要求があった場合には、交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9を直流配電線1から解列させ、並列要求があった場合には、交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9を直流配電線1に並列させる。
また、解並列制御部54は、測定部52から入力されるPoの値が、記憶部53から取得したPo制限値より大きい場合には、交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9を直流配電線1から解列させ、等しいか小さい場合には、交流負荷装置11又は交流負荷装置用分岐装置9を直流配電線1に並列させる。
〔直流負荷装置用分岐装置又は系統非配下の交流負荷装置用分岐装置の機能構成〕
図7は、直流負荷装置用分岐装置8又は系統非配下の交流負荷装置用分岐装置9の機能ブロック図である。
図7に示すように、本実施形態の直流負荷装置用分岐装置8又は系統非配下の交流負荷装置用分岐装置9は、図示左から順に、送受信部81、測定部82、記憶部83及び分岐毎の解並列制御部84を有する。
送受信部81は、システム管理装置12と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部82は、負荷装置10,11又は分岐装置8,9側の分岐毎の電流Idl又はIal及び電圧Vdl又はValを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部83は、送受信部81を介してシステム管理装置12から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部81は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部82から取得した分岐毎のPo(=Pdl=Vdl×Idl又は=Pal=Val×Ial)の値や非分岐側のPo(=Pdl=Vdl×Idl又は=Pal=Val×Ial)の値をシステム管理装置12に送信する。また、測定部82は、分岐毎のPoの値を後段の分岐毎の解並列制御部84に渡す。
記憶部83は、システム管理装置12から通知された分岐毎のPo制限値を記憶し、記憶した分岐毎のPo制限値を分岐毎の解並列制御部84に渡す。また、送受信部81は、システム管理装置12から受信した分岐毎の解列要求又は分岐毎の並列要求を分岐毎の解並列制御部84に渡す。
分岐毎の解並列制御部84は、システム管理装置12から分岐毎の解列要求があった場合には、分岐に接続する負荷装置10,11又は分岐装置8,9を変換装置4,5又は分岐装置8,9から解列させ、分岐毎の並列要求があった場合には、分岐に接続する負荷装置10,11又は分岐装置8,9を変換装置4,5又は分岐装置8,9に並列させる。
また、分岐毎の解並列制御部84は、測定部82から入力される分岐毎のPoの値が、記憶部83から取得した分岐毎のPo制限値より大きい場合には、分岐に接続する負荷装置10,11又は分岐装置8,9を変換装置4,5又は分岐装置8,9から解列させ、等しいか小さい場合には、分岐に接続する負荷装置10,11又は分岐装置8,9を変換装置4,5又は分岐装置8,9に並列させる。
〔直流負荷装置又は系統非配下の交流負荷装置の機能構成〕
図8は、直流負荷装置10又は系統非配下の交流負荷装置11の機能ブロック図である。
図8に示すように、本実施形態の直流負荷装置10又は系統非配下の交流負荷装置11は、図示左から順に、送受信部101、測定部102、記憶部103、解並列制御部104及びPo制御部105を有する。
送受信部101は、システム管理装置12と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部102は、分岐装置8,9又は変換装置4,5側の電流Idl又はIal及び電圧Vdl又はValを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部103は、送受信部101を介してシステム管理装置12から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部101は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部102から取得したPo(=Pdl=Vdl×Idl又は=Pal=Val×Ial)の値をシステム管理装置12に送信する。また、測定部102は、Poの値を後段の解並列制御部104及び後段のPo制御部105に渡す。
記憶部103は、システム管理装置12から通知されたPo制限値を記憶し、記憶したPo制限値を解並列制御部104及びPo制御部105に渡す。また、送受信部101は、システム管理装置12から受信した解列要求又は並列要求を解並列制御部104に渡す。
Po制御部105は、測定部102から入力されるPoの値が、記憶部103から取得したPo制限値以下となるように、負荷を制御する。
解並列制御部104は、システム管理装置12から解列要求があった場合には、分岐装置8,9又は変換装置4,5から解列し、並列要求があった場合には、分岐装置8,9又は変換装置4,5に並列する。
また、解並列制御部104は、測定部102から入力されるPoの値が、記憶部103から取得したPo制限値より大きい場合には、分岐装置8,9又は変換装置4,5から解列し、等しいか小さい場合には、分岐装置8,9又は変換装置4,5に並列する。
なお、Po制御部105と解並列制御部104は、両方が必須ではなく、どちらか片方があるだけでもよい。
〔系統配下の交流負荷装置用分岐装置の機能構成〕
図9は、系統配下の交流負荷装置用分岐装置15の機能ブロック図である。
図9に示すように、本実施形態の系統配下の交流負荷装置用分岐装置15は、図示左から順に、送受信部151、測定部152、記憶部153及び分岐毎の解並列制御部154を有する。
送受信部151は、システム管理装置12又は交流電力系統用DC/AC変換装置13と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部152は、交流負荷装置16又は分岐装置15側の分岐毎の電流Ials及び電圧Valsを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部153は、送受信部151を介してシステム管理装置12等から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部151は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部152から取得した分岐毎のPo(=Pals=Vals×Ials)の値や非分岐側のPo(=Pals=Vals×Ials)の値を、システム管理装置12に送信する。また、測定部152は、分岐毎のPoの値を後段の分岐毎の解並列制御部154に渡す。
記憶部153は、システム管理装置12から通知された分岐毎のPo制限値を記憶し、記憶した分岐毎のPo制限値を分岐毎の解並列制御部154に渡す。
また、送受信部151は、システム管理装置12から受信した分岐毎の解列要求又は分岐毎の並列要求を分岐毎の解並列制御部154に渡す。
分岐毎の解並列制御部154は、システム管理装置12から分岐毎の解列要求があった場合には、分岐に接続する交流負荷装置16又は分岐装置15を変換装置13又は分岐装置15から解列させ、分岐毎の並列要求があった場合には、分岐に接続する交流負荷装置16又は分岐装置15を変換装置13又は分岐装置15に並列させる。
また、分岐毎の解並列制御部154は、測定部152から入力される分岐毎のPoの値が、記憶部153から取得した分岐毎のPo制限値より大きい場合には、分岐に接続する交流負荷装置16又は分岐装置15を変換装置13又は分岐装置15から解列させ、等しいか小さい場合には、分岐に接続する交流負荷装置16又は分岐装置15を変換装置13又は分岐装置15に並列させる。
〔系統配下の交流負荷装置の機能構成〕
図10は、系統配下の交流負荷装置16の機能ブロック図である。
図10に示すように、本実施形態の系統配下の交流負荷装置16は、図示左から順に、送受信部161、測定部162、記憶部163、解並列制御部164及びPo制御部165を有する。
送受信部161は、システム管理装置12又は交流電力系統用DC/AC変換装置13と通信を行う通信インタフェースよりなり、測定部162は、分岐装置15又は変換装置13側の電流Ials及び電圧Valsを測定するセンサ類を有する。
また、記憶部163は、送受信部161を介してシステム管理装置12等から通知される設定値を記憶するメモリよりなる。
送受信部161は、システム管理装置12からの取得要求に応じて、測定部162から取得したPo(=Pals=Vals×Ials)の値を、システム管理装置12に送信する。また、測定部162は、Poの値を後段の解並列制御部164及び後段のPo制御部165に渡す。
記憶部163は、システム管理装置12から通知されたPo制限値を記憶し、記憶したPo制限値を解並列制御部164及びPo制御部165に渡す。また、送受信部161は、システム管理装置12から受信した解列要求又は並列要求を解並列制御部164に渡す。
Po制御部165は、測定部162から入力されるPoの値が、記憶部163から取得したPo制限値以下となるように、負荷を制御する。
解並列制御部164は、システム管理装置12から解列要求があった場合には、分岐装置15又は変換装置13から解列し、並列要求があった場合には、分岐装置15又は変換装置13に並列する。
また、解並列制御部164は、測定部162から入力されるPoの値が、記憶部163から取得したPo制限値より大きい場合には、分岐装置15又は変換装置13から解列し、等しいか小さい場合には、分岐装置15又は変換装置13に並列する。
なお、Po制御部165と解並列制御部164は、両方が必須ではなく、どちらか片方があるだけでもよい。
〔電力需給状況ごとのVdcの変化〕
図14及び図15は、Vdcの時間的変化の一例を示すグラフであり、図14はPdcp総計値≧0の場合(電力過剰状態の場合)、図15はPdcn総計値≧0の場合(電力不足状態の場合)を示している。
また、図16〜図22は、図14の状態1〜状態6におけるシステムの電力需給状況を示す説明図であり、図23〜図28は、図15の状態7〜状態11におけるシステムの電力需給状況を示す説明図である。以下、これらの図を参照しつつ、各状態1〜11での電力需給状況を説明する。
(状態1)
図16は、図14の状態1における電力需給状況を示す説明図である。
なお、図16の左図は、蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Wb制御」により、システム全体として蓄電装置7の充電電力が放電電力を上回っている場合を示し、図16の右図は、その「Wb制御」により、システム全体として蓄電装置7の放電電力が充電電力を上回っている場合を示している。
図16の状態1は、次の不等式と等式を満足しており、Pdcp総計値≧0の場合(電力過剰状態の場合)に、VdcのTs毎の平均値をVdc目標値(標準)にする交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御(第2のVdc制御)が成功している場合の電力需給状況である。
Pdcp総計値≧0
Pdcp総計値≦交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値=Pdcp総計値
この場合、Vdc閾値(低)≦VdcのTs毎の平均値≦Vdc閾値(高)であるから、蓄電装置用DC/DC変換装置3はWb制御を行っている。従って、Pdcp総計値は次式となる。
Pdcp総計値= 発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
−直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
−交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
−蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
図16に示すように、状態1では、直流配電線1に対する(発電電力+放電電力)が(負荷電力+充電電力)を上回っているが、交流電力系統用DC/AC変換装置13による第2のVdc制御の結果、その過剰電力が交流電力系統14に逆潮流される。
また、この場合、VdcのTs毎の平均値がVdc目標値(標準)に維持され、(Vdc目標値(特高)−VdcのTs毎の平均値)が小さくならない。このため、発電装置用DC/DC変換装置2によるVdcをVdc目標値(特高)にする第1のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力される。
(状態2)
図17は、図14の状態2における電力需給状況を示す説明図である。
図17の状態2は、次の不等式と等式を満足しており、前記状態1で満足すべき不等式(Pdcp総計値≦交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値)を満足しなくなり、前記状態1での前記第2のVdc制御が失敗しかけている場合の電力需給状況である。
Pdcp総計値>交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値の総計値
図17に示すように、状態2では、直流配電線1に対する(発電電力+放電電力)が(負荷電力+充電電力)を上回っており、交流電力系統用DC/AC変換装置13の第2のVdc制御の結果、その過剰電力が交流電力系統14に逆潮流されているが、それでも処理しきれない過剰電力が直流配電線1に供給され、これにより、Vdcが上昇し続ける。
(状態3−1)
図18は、図14の状態3−1における電力需給状況を示す説明図である。
なお、図14中の「状態3−1」と「状態3−2」は、VdcがVdc目標値(高)に維持されている点で共通するが、状態3−1は、直流配電線1の電力が過剰気味で、過剰電力が蓄電装置7に充電されており(Po総計値>0)、いずれは状態4に遷移し得るVdcの安定状態を示しており、状態3−2は、直流配電線1の電力が状態3−1と比較して不足気味で、不足電力が蓄電装置7から放電されており(Pi総計値>0)、いずれは状態6に遷移し得るVdcの安定状態を示している。
図18の状態3−1は、次の不等式と等式を満足しており、Pdcp総計値≧0の場合(電力過剰状態の場合)に、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御(第2のVdc制御)は失敗しているが、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御(第3のVdc制御)が成功している場合の電力需給状況である。
Pdcp総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値>0
Pdcp総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値
≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
=Pdcp総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値
この場合、Vdc>Vdc閾値(高)なので、蓄電装置用DC/DC変換装置3の制御は、Wb制御ではなく第3のVdc制御である。従って、Pdcp総計値は次式となる。
Pdcp総計値= 発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
−直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
−交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
状態3−1では、第3のVdc制御によってVdcがVdc目標値(高)に維持され、(Vdc目標値(標準)−Vdc)の値が負でその絶対値が小さくならない。
このため、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdcのTs毎の平均値をVdc目標値(標準)にする第2のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPoが大きくなり、Po最大可能値が直流配電線1から出力されて交流電力系統14に逆潮流する。
また、図18に示すように、状態3−1では、発電電力が(負荷電力+逆潮流電力)を上回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その過剰電力が蓄電装置7に充電される。
更に、状態3−1では、VdcがVdc目標値(高)に維持され、(Vdc目標値(特高)−Vdc)が小さくならない。このため、発電装置用DC/DC変換装置2によるVdcをVdc目標値(特高)にする第1のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力される。
(状態4)
図19は、図14の状態4における電力需給状況を示す説明図である。
図19の状態4は、次の不等式と等式を満足しており、前記状態3−1で満足すべき不等式(Pdcp総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値)を満足しなくなり、前記状態3−1での前記第3のVdc制御が失敗しがけている場合の電力需給状況である。
Pdcp総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値
>蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
=当該変換装置3のPo最大可能値の総計値
図19に示すように、状態4では、発電電力が(負荷電力+逆潮流電力)を上回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その過剰電力が蓄電装置7に充電されているが、それでも処理しきれない過剰電力が直流配電線1に供給され、これにより、Vdcが上昇し続ける。
(状態5)
図20は、図14の状態5における電力需給状況を示す説明図である。
図20の状態5は、次の等式を満足しており、Pdcp総計値≧0の場合(電力過剰状態の場合)、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御(第2のVdc制御)が失敗しており、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御(第3のVdc制御)も失敗しているが、発電装置用DC/DC変換装置2のVdc制御(第1のVdc制御)が成功している場合の電力需給状況である。
Pdcp総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値−蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値=0
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
=当該変換装置3のPo最大可能値総計値
この場合、Vdc>Vdc閾値(高)なので、蓄電装置用DC/DC変換装置3の制御は、Wb制御ではなく第3のVdc制御である。従って、Pdcp総計値は次式となる。
Pdcp総計値= 発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
−直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
−交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
状態5では、第1のVdc制御によってVdcがVdc目標値(特高)に維持され、(Vdc目標値(標準)−Vdc)の値が負でその絶対値が小さくならない。
このため、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdcのTs毎の平均値をVdc目標値(標準)にする第2のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPoが大きくなり、Po最大可能値が直流配電線1から出力されて交流電力系統14に逆潮流する。
同様に、蓄電装置用DC/DC変換装置3によるVdcをVdc目標値(高)にする第3のVdc制御においても、PI制御のI制御の効果によって必要なPoが大きくなり、Po最大可能値が直流配電線1から出力されて蓄電装置7に充電される。
図20に示すように、状態5では、発電電力が(負荷電力+逆潮流電力)を上回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その過剰電力が蓄電装置7に充電されているが、それでも処理しきれない過剰電力によりVdcが上昇しても、発電装置用DC/DC変換装置2の第1のVdc制御の結果、蓄電装置用DC/DC変換装置3では処理しきれなった過剰電力分の発電電力が抑制される。
(状態3−2)
図21は、図14の状態3−2における電力需給状況を示す説明図である。
なお、前述の通り、状態3−2は、VdcがVdc目標値(高)で安定しているが、蓄電装置7から放電されており(Pi総計値>0)、状態3−1(図18)よりも直流配電線1の電力が不足気味の状態である。
また、図21の左図は、Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)の場合を示し、図21の右図は、Pdcn総計値≧0(電力不足状態)の場合を示している。
状態3−1(図18)は、Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)に対し、交流電力系統用DC/AC変換装置13の第2のVdc制御の結果、Po最大可能値が交流電力系統14に逆潮流され、さらに、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、蓄電装置7が充電されており、非常に電力が過剰な状態である。
図21の左図は、Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)に対し、交流電力系統用DC/AC変換装置13の動作は変わらないが、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、蓄電装置7から放電されており、この充電から放電への変化の分だけ、Pdcp総計値≧0であっても、状態3−1(図18)よりも電力過剰状態が緩和された状態である。
図21の右図は、Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)が解消されPdcn総計値≧0(電力不足状態)になり、交流電力系統用DC/AC変換装置13の動作も変わらずPo最大可能値が交流電力系統14に逆潮流され電力不足状態を助長しているが、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その不足電力が蓄電装置7から放電されている状態である。
つまり、状態3−1(図18)から、電力過剰状態がさらに進めば状態4(図14)を経て状態5(図15)になるが、逆に電力過剰状態が緩和されれば図21の左図を経て図21の右図になる。
図21の状態3−2は、次の不等式と等式を満足しており、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御(第2のVdc制御)は失敗しているが、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御(第3のVdc制御)が成功している場合の電力需給状況である。
Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値−Pdcp総計値>0
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値−Pdcp総計値
≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
=交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値−Pdcp総計値
Pdcn総計値≧0(電力不足状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値+Pdcn総計値>0
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値+Pdcn総計値
≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
=交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値+Pdcn総計値
この場合、Vdc>Vdc閾値(高)なので、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、Wb制御ではなく第3のVdc制御を行う。従って、Pdcp総計値とPdcn総計値は、それぞれ次式となる。
Pdcp総計値= 発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
−直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
−交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
Pdcn総計値= 直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
+交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
−発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
状態3−2においても、第3のVdc制御によってVdcがVdc目標値(高)に維持され、(Vdc目標値(標準)−Vdc)が負でその絶対値が小さくならない。
このため、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdcのTs毎の平均値をVdc目標値(標準)にする第2のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPoが大きくなり、Po最大可能値が直流配電線1から出力されて交流電力系統14に逆潮流する。
もっとも、図21に示すように、状態3−2では、発電電力が(負荷電力+逆潮流電力)を下回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その不足電力が蓄電装置7から放電される。
更に、状態3−2においても、VdcがVdc目標値(高)に維持され、(Vdc目標値(特高)−Vdc)が小さくならない。このため、発電装置用DC/DC変換装置2によるVdcをVdc目標値(特高)にする第1のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力される。
(状態6)
図22は、図14の状態6における電力需給状況を示す説明図である。
図22の状態6は、次の不等式と等式を満足しており、前記状態3−2で満足すべき不等式(交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値−Pdcp総計値≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値、または、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値+Pdcn総計値≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値)を満足しなくなり、交流電力系統14にPo最大可能値総計値を逆潮流させるべく、蓄電装置7からPi最大可能値総計値を放電しても電力不足になり、前記状態3−2での前記第3のVdc制御が失敗した場合の電力需給状況である。
Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値−Pdcp総計値
>蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
=当該変換装置3のPi最大可能値総計値
Pdcn総計値≧0(電力不足状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo最大可能値総計値+Pdcn総計値
>蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値
=当該変換装置13のPo最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
=当該変換装置3のPi最大可能値総計値
図22に示すように、状態6では、発電電力が(負荷電力+逆潮流電力)を下回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その不足電力が蓄電装置7から放電されているが、それでも処理しきれない不足電力が直流配電線1に発生し、これにより、Vdcが下降し続ける。
なお、状態6からVdcが更に下降し、Vdc≦Vdc閾値(高)になると、第2のVdc制御により、VdcがVdc目標値(標準)にて安定する状態1に戻る。
(状態7)
図23は、図15の状態7における電力需給状況を示す説明図である。
なお、図23の左図は、蓄電装置用DC/DC変換装置3の「Wb制御」により、システム全体として蓄電装置7の放電電力が充電電力を上回っている場合を示し、図23の右図は、その「Wb制御」により、システム全体として蓄電装置7の充電電力が放電電力を上回っている場合を示している。
図23の状態7は、次の不等式と等式を満足しており、Pdcn総計値≧0の場合(電力不足状態の場合)に、VdcのTs毎の平均値をVdc目標値(標準)にする交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御(第2のVdc制御)が成功している場合の電力需給状況である。
Pdcn総計値≧0(電力不足状態)
Pdcn総計値≦交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値=Pdcn総計値
この場合、Vdc閾値(低)≦VdcのTs毎の平均値≦Vdc閾値(高)であるから、蓄電装置用DC/DC変換装置3はWb制御を行っている。従って、Pdcn総計値は次式となる。
Pdcn総計値= 直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
+交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
−発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
−蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
図23に示すように、状態7では、直流配電線1に対する(発電電力+放電電力)が(負荷電力+充電電力)を下回っているが、交流電力系統用DC/AC変換装置13による第2のVdc制御の結果、その不足電力が交流電力系統14から順潮流される。
また、この場合、VdcのTs毎の平均値がVdc目標値(標準)に維持され、(Vdc目標値(特高)−VdcのTs毎の平均値)が小さくならない。このため、発電装置用DC/DC変換装置2によるVdcをVdc目標値(特高)にする第1のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力される。
(状態8)
図24は、図15の状態8における電力需給状況を示す説明図である。
図24の状態8では、次の不等式と等式を満足しており、前記状態7で満足すべき不等式(Pdcn総計値≦交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値)を満足しなくなり、前記状態7での前記第2のVdc制御が失敗しかけている場合の電力需給状況である。
Pdcn総計値>交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
=当該変換装置13のPi最大可能値の総計値
図24に示すように、状態8では、直流配電線1に対する(発電電力+放電電力)が(負荷電力+充電電力)を下回っており、交流電力系統用DC/AC変換装置13の第2のVdc制御の結果、その不足電力が交流電力系統14から順潮流されているが、それでも処理しきれない不足電力が直流配電線1に生じており、これにより、Vdcが下降し続ける。
(状態9−1)
図25は、図15の状態9−1における電力需給状況を示す説明図である。
なお、図15中の「状態9−1」と「状態9−2」は、VdcがVdc目標値(低)に維持されている点で共通するが、状態9−1は、直流配電線1の電力が不足気味で、不足電力が蓄電装置7から放電されており(Pi総計値>0)、いずれは状態10に遷移し得るVdcの安定状態を示し、状態9−2は、直流配電線1の電力が状態9−1と比較して過剰気味で、過剰電力が蓄電装置7に充電されており(Po総計値>0)、いずれは状態11に遷移し得るVdcの安定状態を示している。
図25の状態9−1は、次の不等式と等式を満足しており、Pdcn総計値≧0の場合(電力不足状態の場合)に、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御(第2のVdc制御)は失敗しているが、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御(第3のVdc制御)が成功している場合の電力需給状況である。
Pdcn総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値>0
Pdcn総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値
≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
=当該変換装置13のPi最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
=Pdcn総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値
この場合、Vdc<Vdc閾値(低)なので、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、Wb制御ではなく第3のVdc制御を行う。従って、Pdcn総計値は次式となる。
Pdcn総計値= 直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
+交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
−発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
状態9−1では、第3のVdc制御によってVdcがVdc目標値(低)に維持され、(Vdc目標値(標準)−Vdc)の値が正でその絶対値が小さくならない。
このため、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdcのTs毎の平均値をVdc目標値(標準)にする第2のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力されて交流電力系統14から順潮流する。
また、図25に示すように、状態9−1では、(発電電力+順潮流電力)が負荷電力を下回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その不足電力が蓄電装置7から放電される。
更に、状態9−1では、VdcがVdc目標値(低)に維持され、(Vdc目標値(特高)−Vdc)が小さくならない。このため、発電装置用DC/DC変換装置2によるVdcをVdc目標値(特高)にする第1のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力される。
(状態10)
図26は、図15の状態10における電力需給状況を示す説明図である。
図26の状態10は、次の不等式と等式を満足しており、前記状態9−1で満足すべき不等式(Pdcn総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値)を満足しなくなり、前記状態9−1での前記3のVdc制御が失敗している場合の電力需給状況である。
(状態10)
Pdcn総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値
>蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
=当該変換装置13のPi最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
=当該変換装置3のPi最大可能値の総計値
図26に示すように、状態10では、(発電電力+順潮流電力)が負荷電力を下回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その不足電力が蓄電装置7から放電されているが、それでも処理しきれない不足電力が直流配電線1に生じ、これにより、Vdcが下降し続ける。
なお、状態10において、Vdcが下降すると、(Vdc目標値(特高)−Vdc)が大きくなるため、発電装置用DC/DC変換装置2がVdcをVdc目標値(特高)にする第1のVdc制御のために必要なPiも大きくなり、Pi最大可能値を超えたまま、Pi最大可能値を直流配電線1へ入力するように電力制御が行われる。従って、この場合、VdcはVdc目標値(特高)にも維持されない。
(状態9−2)
図27は、図15の状態9−2における電力需給状況を示す説明図である。
なお、前述の通り、状態9−2は、VdcがVdc目標値(低)で安定しているが、蓄電装置7に充電しており(Po総計値>0)、状態9−1(図25)よりも直流配電線1の電力が過剰気味の状態である。
また、図27の左図は、Pdcn総計値≧0(電力不足状態)の場合を示し、図27の右図は、Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)の場合を示している。
状態9−1(図25)は、Pdcn総計値≧0(電力不足状態)に対し、交流電力系統用DC/AC変換装置13の第2のVdc制御の結果、Pi最大可能値が交流電力系統14から順潮流され、かつ、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、蓄電装置7から放電されており、非常に電力が不足した状態である。
図27の左図は、Pdcn総計値≧0(電力不足状態)に対し、交流電力系統用DC/AC変換装置13の動作は変わらないが、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、蓄電装置7に充電されており、この放電から充電への変化の分だけ、Pdcn総計値≧0であっても、状態9−1(図25)よりも電力不足状態が緩和された状態である。
図27の右図は、Pdcn総計値≧0(電力不足状態)が解消されPdcp総計値≧0(電力過剰状態)になり、交流電力系統用DC/AC変換装置13の動作も変わらずPi最大可能値を交流電力系統14から順潮流し電力過剰状態を助長しているが、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その過剰電力が蓄電装置7に充電されている状態である。
つまり、状態9−1(図25)から、電力不足状態がさらに進めば状態10(図26)になるが、逆に電力不足状態が緩和されれば図27の左図を経て図27の右図になる。
図27の状態9−2は、次の不等式と等式を満足しており、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御(第2のVdc制御)は失敗しているが、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御(第3のVdc制御)が成功している場合の電力需給状況である。
Pdcn総計値≧0(電力不足状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値−Pdcn総計値>0
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値−Pdcn総計値
≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
=当該変換装置13のPi最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
=交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値−Pdcn総計値
Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値+Pdcp総計値>0
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値+Pdcp総計値
≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
=当該変換装置13のPi最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
=交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値+Pdcp総計値
この場合、Vdc<Vdc閾値(低)なので、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、Wb制御ではなく第3のVdc制御を行う。従って、Pdcp総計値とPdcn総計値は、それぞれ次式となる。
Pdcp総計値= 発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
−直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
−交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
Pdcn総計値= 直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
+交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
−発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
状態9−2においても、第3のVdc制御によってVdcがVdc目標値(低)に維持され、(Vdc目標値(標準)−Vdc)が正でその絶対値が小さくならない。
このため、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdcのTs毎の平均値をVdc目標値(標準)にする第2のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力されて交流電力系統14から順潮流する。
もっとも、図27に示すように、状態9−2では、(発電電力+順潮流電力)が負荷電力を上回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その過剰電力が蓄電装置7に充電される。
更に、状態9−2においても、VdcがVdc目標値(低)に維持され、(Vdc目標値(特高)−Vdc)が小さくならない。このため、発電装置用DC/DC変換装置2によるVdcをVdc目標値(特高)にする第1のVdc制御において、PI制御のI制御の効果によって必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値が直流配電線1に入力される。
(状態11)
図28は、図15の状態11における電力需給状況を示す説明図である。
図28の状態11は、次の不等式と等式を満足しており、前記状態9−2で満足すべき不等式(交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値−Pdcn総計値≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値、または、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値+Pdcp総計値≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値)を満足しなくなり、交流電力系統14からPi最大可能値総計値を順潮流させるべく、蓄電装置7にPo最大可能値総計値を充電しても電力過剰になり、前記状態9−2での前記第3のVdc制御が失敗した場合の電力需給状況である。
Pdcn総計値≧0(電力不足状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値−Pdcn総計値
>蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
=当該変換装置13のPi最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
=当該変換装置3のPo最大可能値総計値
Pdcp総計値≧0(電力過剰状態)の場合
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi最大可能値総計値+Pdcp総計値
>蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値
=当該変換装置13のPi最大可能値総計値
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
=当該変換装置3のPo最大可能値総計値
図28に示すように、状態11では、(発電電力+順潮流電力)が負荷電力を上回っており、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御の結果、その過剰電力が蓄電装置7に充電されているが、それでも処理しきれない過剰電力が直流配電線1に供給され、これにより、Vdcが上昇し続ける。
なお、状態11からVdcが更に上昇し、Vdc≧Vdc閾値(低)になると、第2のVdc制御により、VdcがVdc目標値(標準)にて安定する状態7に戻る。
〔Vdc制御のチャタリング防止〕
図29及び図30は、Pdcn総計値≧0の場合のVdc制御のチャタリングの説明図であり、図29(a)→図29(b)→図30(c)→図30(d)の順で、電力需給状態が進行するとする。
図29(a)では、蓄電装置用DC/DC変換装置3のWb制御により、(Po総計値−Pi総計値)≒Po最大可能値総計値となり(蓄電装置7への充電がほぼ最大)、その結果Pdcn総計値が大きくなり、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPi総計値≒Pi最大可能値総計値となっている(交流電力系統14からの順潮流がほぼ最大)場合を想定している。
この場合にPdcn総計値が微増すると、交流電力系統14からの順潮流はほぼ最大なので、微増した不足電力が交流電力系統14から順潮流されえず、交流電力系統用DC/AC変換装置13の第2のVdc制御が失敗しVdcが下降し始める(図29(b))。
やがて、VdcのTs毎の平均値<Vdc閾値(低)になると、蓄電装置用DC/DC変換装置3が、Wb制御をやめ、第3のVdc制御を開始する(図30(c))。元々、蓄電装置7への充電がほぼ最大なので、当該第3のVdc制御では、当該DC/DC変換装置3のPo総計値=Po最大可能値総計値−前記微増した不足電力となり、VdcがVdc目標値(低)に維持される。
次にPdcn総計値が微減し過剰電力が増加すると、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値が直ぐにPo最大可能値総計値に達し、それを超える過剰電力が蓄電装置7に充電され得ず、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御が失敗し、Vdcが上昇し始める(図30(d))。
やがて、VdcのTs毎の平均値≧Vdc閾値(低)になると、蓄電装置用DC/DC変換装置3が、第3のVdc制御をやめ、Wb制御を開始し、図29(a)の状態に戻り、同様のことが繰り返されることになる。
そこで、本実施形態では、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、VdcのTs毎の平均値がVdc閾値(低)以上になった時点から、予め定めた一定期間が経過した後に、Wb制御を開始する。
このようにすれば、図30(d)の状態から図29(a)の状態に戻る前に、当該一定期間は、蓄電装置用DC/DC変換装置3のWb制御により(Po総計値−Pi総計値)≒Po最大可能値総計値となる(蓄電装置7への充電がほぼ最大)ことが無くなり、上記のチャタリングを防止することができる。
図31及び図32は、Pdcp総計値≧0の場合のVdc制御のチャタリングの説明図であり、図31(a)→図31(b)→図32(c)→図32(d)の順で、電力需給状態が進行するとする。
図31(a)では、蓄電装置用DC/DC変換装置3のWb制御により、(Pi総計値−Po総計値)≒Pi最大可能値総計値となり(蓄電装置7からの放電がほぼ最大)、その結果Pdcp総計値が大きくなり、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPo総計値≒Po最大可能値総計値となっている(交流電力系統14への逆潮流がほぼ最大)場合を想定している。
この場合にPdcp総計値が微増すると、交流電力系統14への逆潮流はほぼ最大なので、微増した過剰電力が交流電力系統14に逆潮流されえず、交流電力系統用DC/AC変換装置13の第2のVdc制御が失敗しVdcが上昇し始める(図31(b))。
やがて、VdcのTs毎の平均値>Vdc閾値(高)になると、蓄電装置用DC/DC変換装置3が、Wb制御をやめ、第3のVdc制御を開始する(図32(c))。元々、蓄電装置7からの放電がほぼ最大なので、当該第3のVdc制御では、当該DC/DC変換装置3のPi総計値=Pi最大可能値総計値−前記微増した過剰電力となり、VdcがVdc目標値(高)に維持される。
次にPdcp総計値が微減し不足電力が増加すると、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値が直ぐにPi最大可能値総計値に達し、それを超える不足電力が蓄電装置7から放電され得ず、蓄電装置用DC/DC変換装置3の第3のVdc制御が失敗し、Vdcが下降し始める(図32(d))。
やがて、VdcのTs毎の平均値≦Vdc閾値(高)になると、蓄電装置用DC/DC変換装置3が、第3のVdc制御をやめ、Wb制御を開始し、図31(a)の状態に戻り、同様のことが繰り返されることになる。
そこで、本実施形態では、蓄電装置用DC/DC変換装置3は、VdcのTs毎の平均値がVdc閾値(高)以下になった時点から、予め定めた一定期間が経過した後に、Wb制御を開始する。
このようにすれば、図32(d)の状態から図31(a)の状態に戻る前に、当該一定期間は、蓄電装置用DC/DC変換装置3のWb制御により(Pi総計値−Po総計値)≒Pi最大可能値総計値となる(蓄電装置7からの放電がほぼ最大)ことが無くなり、上記のチャタリングを防止することができる。
〔Vdc制御の効果〕
以上の通り、本実施形態の直流配電システムによれば、第1〜第3のVdc制御が互いに独立して行われるので、交流電力系統用変換装置13による第2のVdc制御が成功している電力需給状況においては、VdcのTs毎の平均値がVdcmに維持されて(Vdch−Vdc)が小さくならない。
また、交流電力系統用変換装置13による第2のVdc制御が失敗しても、蓄電装置用変換装置3による第3のVdc制御が成功している電力需給状況においては、VdcがVdcu又はVdclに維持されて、(Vdch−Vdcu)又は(Vdch−Vdcl)が小さくならない。
このため、発電装置用変換装置2による第1のVdc制御に必要なPiが大きくなり、発電装置用変換装置2がPi最大可能値を直流配電線1に入力する。
一方、交流電力系統用変換装置13による第2のVdc制御が失敗し、VdcがVdcmに維持されなくなり、Vdc閾値(高)を上回るかVdc閾値(低)を下回るかした場合には、蓄電装置用変換装置3によるVdcをVdcu又はVdclにする第3のVdc制御が奏功し、VdcがVdcu又はVdclに維持される。
更に、蓄電装置用変換装置3による第3のVdc制御も失敗し、VdcがVdcuに維持されなくなりかつVdcが上昇した場合には、(Vdch−Vdc)が小さくなる。この場合は、発電装置用変換装置2によるVdcをVdchにする第1のVdc制御が奏功し、VdcがVdchを超えないように維持される。
このように、本実施形態の直流配電システムによれば、各変換装置2,3,13が独立して行う第1〜第3のVdc制御によってVdcを所定範囲内に維持できるので、通信遅延や通信異常による制御不能の心配がなく、Vdcを所定範囲に維持する制御を確実に行うことができる。
また、電力制御を行う変換装置2,3,13を複数採用する直流配電システムの場合、蓄電装置用変換装置3のVdc閾値(高)、Vdc目標値(高)(Vdcu)を、この順に、交流電力系統用変換装置13のVdc目標値(Vdcm)よりも高めに、蓄電装置用変換装置3のVdc閾値(低)、Vdc目標値(低)(Vdcl)を、この順に、交流電力系統用変換装置13のVdc目標値(Vdcm)よりも低めに設定し、更に、発電装置用変換装置2のVdc目標値(Vdch)を交流電力系統用変換装置13のVdc目標値(Vdcm)や蓄電装置用変換装置3のVdc目標値(Vdcu)よりも高めに設定するだけで実装でき、直流配電線1の電圧Vdcを所定範囲に制御可能なシステムを簡単に構築できるという利点もある。
更に、本実施形態の直流配電システムでは、発電装置用変換装置2による第1のVdc制御において、Vdchに対応する電力目標値が、発電装置6が発電し得る最大電力Pgを超える場合には、その最大電力Pgが電力制御の目標値に設定されるので、電力目標値が発電装置6の最大電力Pgを超える値に設定されることによって、第1のVdc制御が実行不能となるのを未然に防止することができる。
なお、Vdc目標値(特高)(Vdch)が大きく、Vdc目標値(標準)(Vdcm)+許容誤差δ2の差が大きいほど、VdcがVdc目標値(特高)になるように制御を行うために必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値を直流配電線1へ入力する制御の効率(Pi=Pi最大可能値となる確率)が向上する。
同様に、Vdc目標値(特高)(Vdch)が大きく、Vdc目標値(高)(Vdcu)+許容誤差δ3の差が大きいほど、VdcがVdc目標値(特高)になるように制御を行うために必要なPiが大きくなり、Pi最大可能値を直流配電線1へ入力する制御の効率(Pi=Pi最大可能値となる確率)が向上する。
また、本実施形態の直流配電システムでは、交流電力系統用変換装置13による第2のVdc制御において、Vdcmに対応する電力目標値が、直流配電線1から自装置13に出力可能な最大電力であるPo最大可能値を超える場合には、そのPo最大可能値が電力制御の目標値に設定されるので、電力目標値がPo最大可能値を超える値に設定されることによって、第2のVdc制御が実行不能となるのを未然にすることができる。
同様に、本実施形態の直流配電システムでは、交流電力系統用変換装置13による第2のVdc制御において、Vdcmに対応する電力目標値が、自装置13から直流配電線1に入力可能な最大電力であるPi最大可能値を超える場合には、そのPi最大可能値が電力制御の目標値に設定されるので、電力目標値がPi最大可能値を超える値に設定されることによって、第2のVdc制御が実行不能となるのを未然にすることができる。
更に、本実施形態の直流配電システムでは、交流電力系統変換装置13による第2のVdc制御において、制御対象をVdcそのものではなく、VdcのTs毎の平均値としている。
このため、VdcそのものをVdc目標値(標準)となるように制御する場合に問題となる、交流電力系統14側での電流(Isfb)の歪みを招来させることなく、第2のVdc制御を行えるという利点がある。
また、本実施形態の直流配電システムでは、蓄電装置用変換装置3による第3のVdc制御において、Vdcu又はVdclに対応する電力目標値が、直流配電線1から自装置13に出力可能な最大電力であるPo最大可能値を超える場合には、そのPo最大可能値が電力制御の目標値に設定されるので、電力目標値がPo最大可能値を超える値に設定されることによって、第3のVdc制御が実行不能となるのを未然にすることができる。
同様に、本実施形態の直流配電システムでは、蓄電装置用変換装置3による第3のVdc制御において、Vdcu又はVdclに対応する電力目標値が、自装置3から直流配電線1に入力可能な最大電力であるPi最大可能値を超える場合には、そのPi最大可能値が電力制御の目標値に設定されるので、電力目標値がPi最大可能値を超える値に設定されることによって、第3のVdc制御が実行不能となるのを未然にすることができる。
本実施形態の直流配電システムでは、Vdc制御の主担当を交流電力系統用変換装置13としている。すなわち、VdcをVdc目標値(標準)にする第2のVdc制御を交流電力系統用変換装置13に担当させ、蓄電装置用変換装置3は、第2のVdc制御が成功しているVdcの平常範囲(Vdc閾値(低)≦VdcのTs毎の平均値≦Vdc閾値(高)のとき)では、非常時に備えてWb制御を行い、第2のVdc制御が失敗する平常範囲以外で第3のVdc制御を行う。
このように、Vdc制御の主担当を交流電力系統用変換装置13とする理由は、入出力可能な電力量が、交流電力系統14に場合は基本的に無限であるのに対して、蓄電装置7の場合は有限であるため、交流電力系統用変換装置13の方が、Vdc制御の継続に限界がないからである。
これに対し、蓄電装置用変換装置3によるWb制御は、例えば、交流電力系統14の時間帯別電力料金、停電や電力入出力制限の予定等に基づいて、Wb目標値のスケジュールを作成し、それに基づいて行えばよい。
ところで、蓄電装置7は、一般に、充放電を頻繁に繰り返すと寿命が低下するという特質がある。
この点、本実施形態では、第2のVdc制御が成功している平常時は蓄電装置用変換装置3がWb制御を行い、蓄電装置7は、Wb目標値に向かって充電又は放電のみを行うだけである。従って、蓄電装置用変換装置3が常に第3のVdc制御を行う場合に比べて、蓄電装置7が充放電をそれほど頻繁に繰り返さず、蓄電装置7の長寿命化を図れる。
〔システム管理装置による電力需給制御の概要〕
図33は、システム管理装置12による電力需給制御のフローチャートである。
システム管理装置12(以下、単に「管理装置12」ともいう。)による電力需給制御は、システム内の各装置に対する電力需給を変更する制御であり、図33に示す第1〜第4の需給制御よりなる。管理装置12は、これらの需給制御を、数秒〜数分の一定周期で実施する。なお、電力需給制御に用いる電力値、電圧値や電流値などの測定値は、1回目以後は周期ごとの平均値が採用される。
図33のフローチャートでは、システム管理装置12は、第2の需給制御と第3の需給制御の間で、「VdcをVdc目標値(標準)にする必要があるか」否かを判定し、その判定結果が肯定的である場合に第3及び第4の需給制御を実行し、その判定結果が否定的である場合は、第1及び第2の需給制御のみを繰り返す。
システム管理装置12は、CPU等よりなる制御部と、メモリやHDDその他の記憶媒体を含む記憶部と、各種装置と通信する通信部とを有し、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを制御部が読み出して実行することにより、第1及び第2の需給制御を実現する。
また、記憶部には、第1及び第2の需給制御に必要となる所定の削減リスト(図38及び図39参照)が記録されている。
第1及び第2の需給制御は、蓄電装置用DC/DC変換装置3によるVdc制御(第3のVdc制御)の成立をサポートするために、システム内の電力需給状況を変更する制御である。
すなわち、第1及び第2の需給制御は、蓄電装置用DC/DC変換装置3によるVdc制御が成功するための前提となる後述の「必要条件1」を満足させるため、PdcnpPals総計値(PdcpPals総計値又はPdcnPals総計値)を削減する電力需給制御である。
第3及び第4の需給制御は、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御(第2のVdc制御)の成立をサポートするために、システム内の電力需給状況を変更する制御である。
すなわち、第3及び第4の需給制御は、交流電力系統用DC/AC変換装置13によるVdc制御が成功するための前提となる後述の「必要条件2」を成立させるため、PdcnpPals総計値(PdcpPals総計値又はPdcnPals総計値)を削減する電力需給制御である。
(電力総計値の置き換え処理)
ここで、需給制御による削減対象を、「Pdcnp総計値」ではなく、「PdcpnPals総計値」としているのは、本実施形態では、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下の交流負荷装置16についても負荷電力の削減対象に含めるからである。
すなわち、本実施形態の電力需給制御では、図1中の系統配下の交流負荷装置16の接続ポイントを、交流電力系統14の系列から外れた交流負荷装置用DC/AC変換装置5の接続ポイントSP(図1参照)に入れ替える、演算上での仮想的な移行を行う。
具体的な処理としては、次のような総計値の置き換えを行う。
Pdcn総計値(=変換装置4のPo総計値+変換装置5のPo総計値−変換装置2のPi総計値)→「Pdcn総計値+Pals総計値」に置き換える。
Pdcp総計値(=変換装置2のPi総計値−変換装置4のPo総計値−変換装置5のPo総計値)→「Pdcp総計値−Pals総計値」に置き換える。
着目する変換装置13のPi(=Psf−Pals小計値−変換によるわずかな損失)→当該変換装置13のPi+Pals小計値(=Psf−変換によるわずかな損失)に置き換える。
着目する変換装置13のPo(=Psb+Pals小計値+変換によるわずかな損失)→当該変換装置13のPo−Pals小計値(=Psb+変換によるわずかな損失)に置き換える。
(用語の定義の追加)
上記の電力値の置き換えに伴い、以下の説明では次のパラメータの定義を追加する。
PdcnPals総計値:「Pdcn総計値+Pals総計値」である。
PdcpPals総計値:「Pdcp総計値−Pals総計値」である。
PdcnpPals総計値:PdcnPals総計値又はPdcpPals総計値のことである。
PiPals:「Pi+Pals小計値」である。
なお、Psfから、変換によるわずかな損失を差し引くと、PiPalsになり、両者はほぼ等しい。
PiPals最大可能値:「Pi最大可能値+Pals小計値」である。
なお、Psf最大可能値から、変換によるわずかな損失を差し引くと、PiPals最大可能値になり、両者はほぼ等しい。
PoPals:「Po−Pals小計値」である。
なお、PoPalsから、変換によるわずかな損失を差し引くと、Psbになり、両者はほぼ等しい。
PoPals最大可能値:「Po最大可能値−Pals小計値」である。
なお、PoPals最大可能値から、変換によるわずかな損失を差し引くと、Psb最大可能値になり、両者はほぼ等しい。
PioPals:PiPals又はPoPalsのことである。
PioPals最大可能値:PiPals最大可能値又はPoPals最大可能値のことである。
(必要条件1)
必要条件1は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が失敗している場合に、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御を成功させるための条件である。Pals総計値を考慮した場合の必要条件1は、次の通りである。
PdcnpPals総計値
−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値
≦蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値総計値
この必要条件1が成立する場合には、次の式が成立する。
蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio総計値
=PdcnpPals総計値
−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値
また、この場合、Vdc<Vdc閾値(低)またはVdc>Vdc閾値(高)であるから、次の式が成立する。
PdcnPals総計値=−PdcpPals総計値
= 直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
+交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
−発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
+Pals総計値
なお、これらの関係式は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPio最大可能値に関する関係式なので、Ts毎の平均値を前提としている。
「第1の需給制御」は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御に加えて、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御が失敗している場合に行われる、いわば「事後的」な制御である。
変換装置13のVdc制御に加えて変換装置3のVdc制御が失敗している場合とは、VdcのTs毎の平均値が、変換装置13による第2のVdc制御の許容誤差δ2から外れており、かつ、変換装置3による第3のVdc制御の許容誤差δ3からも外れている場合のことであり、例えば、図14の「状態4」及び「状態5」や図15の「状態10」がその場合に相当する。
第1の需給制御では、PdcnpPals総計値削減量目標値=PdcnpPals総計値×dfとし、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御が成功するまで、その目標値分だけPdcnpPals総計値の削減を繰り返す。「df」は削減率であり、例えば0.1である。
ここで、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御が失敗している場合は、システム内の発電電力や負荷電力が抑制されている場合がある。
例えば、PdcpPals総計値≧0の場合には、発電装置用DC/DC変換装置2のVdc制御の結果、発電電力が抑制される。また、PdcnPals総計値≧0の場合には、Vdcの低下による直流負荷装置用DC/DC変換装置4及び交流負荷装置用DC/AC変換装置5が停止する結果、負荷電力が抑制される。
従って、PdcnpPals総計値を削減すると、発電電力や負荷電力の抑制が変化し、PdcnpPals総計値削減量目標値を1回で正確に推定できない。
そこで、第1の需給制御では、固定値の削減率を掛けて求めたPdcnpPals総計値削減量目標値を、第3のVdc制御が成功するまで現状のPdcnpPals総計値から繰り返し減算することにより、第3のVdc制御を成立させるようにしている。
「第2の需給制御」は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が失敗しているが、蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御が成功している場合に行われる、いわば「予防的」な制御である。
変換装置13のVdc制御が失敗しているが、変換装置3のVdc制御が成功している場合とは、VdcのTs毎の平均値が、変換装置13による第2のVdc制御の許容誤差δ2から外れているが、変換装置3による第3のVdc制御の許容誤差δ3の範囲内にある場合のことであり、例えば、図14の「状態3−1」及び「状態3−2」や図15の「状態9−1」や「状態9−2」がその場合に相当する。
第2の需給制御では、PdcnpPals総計値削減量目標値=PdcnpPals総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値−蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値総計値/sfとして、予めPdcnpPals総計値を削減しておく。ここで、「sf」は安全率であり、例えばsf=1.1である。
すなわち、この場合、削減後のPdcnpPals総計値は次式によって算出される。
削減後のPdcnpPals総計値
−交流電力系統用DC/AC変換装置のPioPals最大可能値総計値
= PdcnpPals総計値
−交流電力系統用DC/AC変換装置のPioPals最大可能値総計値
−PdcnpPals総計値削減量目標値
= 蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値総計値/sf
なお、PdcnpPals総計値削減量目標値<0となった場合は削減が過剰となるため、その場合は、過剰なPdcnpPals総計値の削減を解除する(図40のステップST14とその下のサブルーチンCLp(図43)、及び図41のステップST24とその下のサブルーチンCLn(図45)参照)。
第2の需給制御を別の観点から説明すると、次の通りである。
すなわち、上記式の通り、「削減後のPdcnpPals総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置のPioPals最大可能値総計値」は「蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値総計値」に1/sf(sf>1)を掛けた値であるから、これを換言すると、PdcnpPals総計値の最大の削減量はPio最大可能値総計値×(1−1/sf)となる。
従って、Pio最大可能値総計値×(1−1/sf)=閾値Thと置き換えれば、第2の需給制御は、(交流電力系統用DC/AC変換装置のPioPals最大可能値総計値+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値総計値−PdcnpPals総計値)が閾値Th以上となるように、PdcnpPals総計値を削減することと等価である。
これをPoとPiに分けて述べると、第2の需給制御は、(交流電力系統用DC/AC変換装置のPioPals最大可能値総計値+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値−PdcpPals総計値)が第1閾値Th1以上となるように、PdcpPals総計値を削減し、(交流電力系統用DC/AC変換装置のPioPals最大可能値総計値+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値−PdcnPals総計値)が第2閾値Th2以上となるように、PdcnPals総計値を削減する制御ということになる。
或いは、Pio最大可能値総計値×1/sf=閾値Thhと置き換えれば、第2の需給制御は、PdcnpPals総計値が閾値Thh以下となるように、PdcnpPals総計値を削減することと等価である。
これをPoとPiに分けて述べると、第2の需給制御は、PdcpPals総計値が第1閾値Thh1以下となるように、PdcpPals総計値を削減し、PdcnPals総計値が第2閾値Thh2以下となるように、PdcnPals総計値を削減する制御ということになる。
なお、本実施形態では、第1及び第2閾値Th1,Th2に、いずれも安全率(=Pio最大可能値総計値×(1−1/sf))を適用するが、これらの閾値Th1,Th2に異なる安全率sf1,sf2を適用することにしてもよい。
また、第1及び第2閾値Thh1,Thh2に安全率(=Pio最大可能値総計値×1/sf)を適用する場合も、これらの閾値Thh1,Thh2に異なる安全率sf1,sf2を適用することにしてもよい。
(必要条件2)
必要条件2は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御を成功させるための条件である。Pals総計値を考慮した場合の必要条件2は、次の通りである。
PdcnpPals総計値
≦交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値
この必要条件2が成立する場合には、次の式が成立する。
交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値
=PdcnpPals総計値
また、この場合、Vdc閾値(低)≦Vdc≦Vdc閾値(高)であるから、次の式が成立する。
PdcnPals総計値=−PdcpPals総計値
= 直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo総計値
+交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo総計値
+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo総計値
−発電装置用DC/DC変換装置2のPi総計値
−蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi総計値
+Pals総計値
なお、これらの関係式は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPio最大可能値に関する関係式なので、Ts毎の平均値を前提としている。
「第3の需給制御」は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が失敗している場合に行われる、いわば「事後的」な制御である。
変換装置13のVdc制御が失敗している場合とは、VdcのTs毎の平均値が、変換装置13による第2のVdc制御の許容誤差δ2から外れている場合のことであり、例えば、図14の「状態1」以外や図15の「状態7」以外がその場合に相当する。
第3の需給制御では、PdcnpPals総計値削減量目標値=PdcnpPals総計値×dfとし、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が成功するまで、その目標値分だけPdcnpPals総計値の削減を繰り返す。「df」は削減率であり、例えば0.1である。
ここで、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が失敗している場合は、システム内の発電電力や負荷電力が抑制されている場合がある。
例えば、PdcpPals総計値≧0の場合には、発電装置用DC/DC変換装置2のVdc制御の結果、発電電力が抑制される。また、PdcnPals総計値≧0の場合には、Vdcの低下による直流負荷装置用DC/DC変換装置4及び交流負荷装置用DC/AC変換装置5が停止する結果、負荷電力が抑制される。
従って、PdcnpPals総計値を削減すると、発電電力や負荷電力の抑制が変化し、PdcnpPals総計値削減量目標値を1回で正確に推定できない。
そこで、第3の需給制御では、固定値の削減率を掛けて求めたPdcnpPals総計値削減量目標値を、第2のVdc制御が成功するまで現状のPdcnpPals総計値から繰り返し減算することにより、第2のVdc制御を成立させるようにしている。
「第4の需給制御」は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が成功している場合に行われる、いわば「予防的」な制御である。
変換装置13のVdc制御が成功している場合とは、VdcのTs毎の平均値が、変換装置13による第2のVdc制御の許容誤差δ2から外れている場合のことであり、例えば、図14の「状態1」や図15の「状態7」がその場合に相当する。
第4の需給制御では、PdcnpPals総計値削減量目標値=PdcnpPals総計値−交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値/sfとして、予めPdcnpPals総計値を削減しておく。ここで、「sf」は安全率であり、例えばsf=1.1である。
すなわち、この場合、削減後のPdcnpPals総計値は次式によって算出される。
削減後のPdcnpPals総計値
=PdcnpPals総計値−PdcnpPals総計値削減量目標値
=交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値/sf
なお、PdcnpPals総計値削減量目標値<0となった場合は削減が過剰となるため、その場合は、過剰なPdcnpPals総計値の削減を解除する(図40のステップST14とその下のサブルーチンCLp(図43)、及び図41のステップST24とその下のサブルーチンCLn(図45)参照)。
第4の需給制御を別の観点から説明すると、次の通りである。
すなわち、上記式の通り、「削減後のPdcnpPals総計値」は「PioPals最大可能値総計値」に1/sf(sf>1)を掛けた値であるから、これを換言すると、PdcnpPals総計値の最大の削減量はPioPals最大可能値総計値×(1−1/sf)となる。
従って、PioPals最大可能値総計値×(1−1/sf)=閾値Thと置き換えれば、第4の需給制御は、(PioPals最大可能値総計値−PdcnpPals総計値)が閾値Th以上となるように、PdcnpPals総計値を削減することと等価である。
これをPoとPiに分けて述べると、第4の需給制御は、(PoPals最大可能値総計値−PdcpPals総計値)が第3閾値Th3以上となるように、PdcnPals総計値を削減し、(PiPals最大可能値総計値−PdcnPals総計値)が第4閾値Th4以上となるように、PdcnPals総計値を削減する制御ということになる。
或いは、PioPals最大可能値総計値×1/sf=閾値Thhと置き換えれば、第4の需給制御は、PdcnpPals総計値が閾値Thh以下となるように、PdcnpPals総計値を削減することと等価である。
これをPoとPiに分けて述べると、第4の需給制御は、PdcpPals総計値が第3閾値Thh3以下となるように、PdcnPals総計値を削減し、PdcnPals総計値が第4閾値Thh4以下となるように、PdcnPals総計値を削減する制御ということになる。
なお、本実施形態では、第3及び第4閾値Th3,Th4に、いずれも安全率(=PioPals最大可能値総計値×(1−1/sf))を適用するが、これらの閾値Th3,Th4に異なる安全率sf3,sf4を適用することにしてもよい。
また、第3及び第4閾値Thh3,Thh4に安全率(=PioPals最大可能値総計値×1/sf)を適用する場合も、これらの閾値Thh3,Thh4に異なる安全率sf3,sf4を適用することにしてもよい。
(電力需給制御に用いる測定値等)
システム管理装置12は、通信により、変換装置2,3,4,5,13、分岐装置8,9,15、負荷装置10,11,16、交流電力系統14及び発電装置6などと情報交換を行い、その情報交換で得られた測定値に基づいて、上述の第1及び第2の需給制御を行う。
システム管理装置12が電力需給制御に用いる測定値及び算出値を纏めると、次の通りである。
・任意の変換装置2,3,4,5,13のVdc測定値
・直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo測定値
・交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo測定値
・発電装置用DC/DC変換装置2のPi測定値
・蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio測定値
・交流電力系統用DC/AC変換装置13配下のPals小計値。この算出は前記のとおりであるが、そのため、交流負荷装置16のPo(=Pals)の測定値、交流負荷装置用分岐装置15の非分岐側のPo(=Pals)の測定値や分岐毎のPo(=Pals)の測定値、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPio測定値、交流電力系統14のPsfb測定値などを用いる。
・PdcnPals総計値=−PdcpPals総計値
これは、第2のVdc制御の成功如何に応じて、それぞれ次式で算出される。
1)交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が失敗している場合
PdcnPals総計値=−PdcpPals総計値
= Σ(直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo測定値)
+Σ(交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo測定値)
−Σ(発電装置用DC/DC変換装置2のPi測定値)
+Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13配下のPals小計値)
2)交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御が成功している場合
PdcnPals総計値=−PdcpPals総計値
= Σ(直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo測定値)
+Σ(交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo測定値)
+Σ(蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo測定値)
−Σ(発電装置用DC/DC変換装置2のPi測定値)
−Σ(蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi測定値)
+Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13配下のPals小計値)
・蓄電装置用DC/DC変換装置3のEb測定値
・蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値総計値
= Σ(蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値)
なお、各々の蓄電装置用DC/DC変換装置3のPio最大可能値は、当該変換装置3のEb測定値から算出する。
・交流電力系統14のPsfb最大可能値
・交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値総計値
=Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13のPioPals最大可能値)
なお、各々の交流電力系統用DC/AC変換装置13のPiPals最大可能値は、Psf最大可能値から、変換によるわずかな損失を差し引いて算出し、PoPals最大可能値は、Psb最大可能値に、変換によるわずかな損失を加えて算出する。
システム管理装置12は、PdcnpPals総計値を削減する場合、「Pio制限値」、「解列要求」及び「並列要求」のうちの少なくとも1つの命令を、該当する装置に送信する。
具体的には、管理装置12は、PdcnpPals総計値を削減する場合、発電装置用DC/DC変換装置2及び発電装置6の少なくとも1つに、「Pi制限値」を送信する。
或いは、管理装置12は、PdcnpPals総計値を削減する場合、直流負荷装置用DC/DC変換装置4、直流負荷装置用分岐装置8、直流負荷装置10、交流負荷装置用DC/AC変換装置5、交流負荷装置用分岐装置9、交流負荷装置11、交流電力系統14系列の分岐装置15、及び、その系列の交流負荷装置16の少なくとも1つに、Po制限値、解列要求又は並列要求を送信する。
〔PdcnpPals総計値の削減処理に用いるリスト〕
システム管理装置12は、「PdcpPals総計値削減リスト」(図38上段のリスト)と「PdcnPals総計値削減リスト」(図39上段のリスト)とを予め記憶装置に記憶している。管理装置12は、これらのリストに従ってPdcnpPals総計値の削減を行う。
図38上段の「PdcpPals総計値削減リスト」は、直流配電線1の「過剰電力緩和」のためのものである。
図38下段の操作表に示すように、PdcpPals総計値削減リストの対象には、自然エネルギー発電装置用DC/DC変換装置2と自然エネルギー発電装置6が含まれる。システム管理装置12は、これらの装置に対してPi制限値を送信することにより、平常値(最大)から非常限界値(最小)までの範囲で、発電電力の制限値を削減する。
また、PdcpPals総計値削減リストの対象には、更に、直流負荷装置用DC/DC変換装置4、直流負荷装置用分岐装置8の分岐、電力需給制御用直流負荷装置10、交流負荷装置用DC/AC変換装置5、交流負荷装置用分岐装置9,15の分岐、電力需給制御用交流負荷装置11,16が含まれる。
システム管理装置12は、これらの装置に対してPo制限値または並列要求を送信することにより、平常値(最小)から非常限界値(最大)までの範囲で、負荷電力の制限値を拡大する。
更に、PdcpPals総計値削減リストの対象には、蓄電装置用DC/DC変換装置3が含まれる。システム管理装置12は、その変換装置3に対してWb制御時のPi制限値を送信することにより、平常値(最大)から非常限界値(最小)までの範囲で、放電電力の制限値を削減する。
図38の削減リストにおいて、「現在行」は操作対象となっている行を示す。従って、現在行より前の行の場合は、操作が実施済みであるため、現在値=非常限界値となる。また、現在行の場合は、操作が未実施の時は、現在値=平常値となり、実施中の場合は、現在値=平常値と非常限界値の間の値となる。
更に、現在行より後の行の場合は、操作が未実施であるため、現在値=平常値となる。なお、初期値=0は、PdcpPals総計値の削減処理を全く実施していないこと、すなわち、1行目が未実施であることを意味する。
PdcpPals総計値削減リストの各行番号に列挙された機器及び操作は、負荷電力を増やす機器及び操作と、発電電力を減らす機器及び操作とを、PdcpPalsの削減の観点から有利と考えられる優先順位で並べられている。
例えば、図38のリストでは、行番号1の「DC電源タップ」や行番号2の「モバイル機器充電用DC/DC」は、今回の制御のために使用制限が可能な負荷電力であるから、これらの負荷電力を手始めに増やす操作を行うことが好ましい。
そこで、PdcpPals総計値削減リストを用いた削減処理の操作(操作実施)は、行番号の1行目から順に昇順で行われる。
すなわち、システム管理装置12は、PdcpPals総計値削減リストの操作実施の場合は、リストの「現在行」の「操作」の欄に記載の動作を行うことにより、現在行の現在値を非常限界値に置き換える処理(並列要求送信の場合)、或いは、その現在値を非常限界値以内の範囲の値に置き換える処理(Po制限値送信またはPi制限値送信の場合)を行う。
逆に、PdcpPals総計値リストを用いた削減処理を解除する操作(操作解除)は、行番号の最後から順に降順で行われる。
すなわち、システム管理装置12は、PdcpPals総計値削減リストの操作解除の場合は、リストの「現在行」の「操作」の欄に記載の動作の解除を行うことにより、現在行の現在値を平常値に戻す処理(並列要求送信の場合)、或いは、その現在値を平常値以内の値に置き換える処理(Po制限値送信またはPi制限値送信の場合)を行う。
図39上段の「PdcnPals総計値削減リスト」は、直流配電線1の「不足電力緩和」のためのものである。
図39下段の操作表に示すように、PdcnPals総計値削減リストの対象には、電力需給制御用発電装置用DC/DC変換装置2と電力需給制御用発電装置6が含まれる。システム管理装置12は、これらの装置に対して、Pi制限値を送信することにより、平常値(最小)から非常限界値(最大)までの範囲で、発電電力の制限値を拡大する。
また、PdcnPals総計値削減リストの対象には、更に、直流負荷装置用DC/DC変換装置4、直流負荷装置用分岐装置8の分岐、通常の直流負荷装置10、交流負荷装置用DC/AC変換装置5、交流負荷装置用分岐装置9,15の分岐、通常の交流負荷装置11,16が含まれる。
システム管理装置12は、これらの装置に対してPo制限値または解列要求を送信することにより、平常値(最大)から非常限界値(最小)までの範囲で、負荷電力の制限値を削減する。
更に、PdcnPals総計値削減リストの対象には、蓄電装置用DC/DC変換装置3が含まれる。システム管理装置12は、その変換装置3に対してWb制御時のPo制限値を送信することにより、平常値(最大)から非常限界値(最小)までの範囲で、充電電力の制限値を削減する。
PdcnPals総計値削減リストの各行番号に列挙された機器及び操作は、負荷電力を減らす機器及び操作と、発電電力を増やす機器及び操作とを、PdcnPalsの削減の観点から有利と考えられる優先順位で並べられている。
例えば、図24のリストでは、行番号1の「蓄電装置用DC/DC」は、今回の制御のために使用制限が可能な充電電力であるから、この充電電力を手始めに減らす操作を行うことが好ましい。
従って、PdcnPals総計値削減リストを用いた削減処理の操作(操作実施)と、その削減処理の解除(操作解除)は、PdcpPals総計値削減リストを用いたそれと同様であり、操作実施の場合は1行目から昇順に行われ、操作解除の場合は、最終行から降順に行われる。
〔第1の需給制御〕
図34は、第1の需給制御の具体例を示すフローチャートである。
図34に示すように、第1の需給制御を行う場合、システム管理装置12は、まず、現時点の直流配電線1のVdc(任意の変換装置2,3,4,5,13のVdc測定値)を読み込むとともに(ステップS1)、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)を算出する(ステップS2)。
なお、第1の需給制御では、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)の算出式は、次の通りである。
PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)
=+Σ(直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo測定値)
+Σ(交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo測定値)
−Σ(発電装置用DC/DC変換装置2のPi測定値)
+Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13配下のPals小計値)
次に、管理装置12は、PdcnpPals総計値のうちいずれが正数であるかを判定し(ステップS3)、PdcpPals総計値≧0の場合は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS4)。
VdcのTs毎の平均値
>Vdc目標値(高)
+蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御の許容誤差δ3
管理装置12は、ステップS4の上記不等式が成り立たない場合は、処理を終了し、成り立つ場合は、その時のPdcpPals総計値に削減率dfを乗算してPdcpPals総計値削減量目標値を算出し、処理をPdcpPals総計値の削減のためのサブルーチンRDp(図40のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDpが終了した後は、管理装置12は処理をステップS1の前に戻す。
また、管理装置12は、PdcnPals総計値≧0の場合は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS6)。
VdcのTs毎の平均値
<Vdc目標値(低)
−蓄電装置用DC/DC変換装置3のVdc制御の許容誤差δ3
管理装置12は、ステップS6の上記不等式が成り立たない場合は、処理を終了し、成り立つ場合は、その時のPdcnPals総計値に削減率dfを乗算してPdcnPals総計値削減量目標値を算出し、処理をPdcnPals総計値の削減のためのサブルーチンRDn(図41のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDnが終了した後は、管理装置12は処理をステップS1の前に戻す。
〔第2の需給制御〕
図35は、第2の需給制御の具体例を示すフローチャートである。
図35に示すように、第2の需給制御を行う場合、システム管理装置12は、まず、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)を算出する(ステップS11)。
なお、第2の需給制御では、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)の算出式は、次の通りである。
PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)
=+Σ(直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo測定値)
+Σ(交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo測定値)
−Σ(発電装置用DC/DC変換装置2のPi測定値)
+Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13配下のPals小計値)
次に、管理装置12は、PdcnpPals総計値のうちいずれが正数であるかを判定し(ステップS12)、PdcpPals総計値≧0の場合は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPoPals最大可能値総計値を算出するとともに(ステップS13)、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値を算出する(ステップS14)。
その後、管理装置12は、その時のPdcpPals総計値から、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPoPals最大可能値総計値と、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値総計値を安全率sfで除算した値とを減算することにより、PdcpPals総計値削減量目標値を算出し(ステップS15)、処理をPdcpPals総計値の削減のためのサブルーチンRDp(図40のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDpが終了した後は、管理装置12は処理を終了させる。
また、管理装置12は、PdcnPals総計値≧0の場合は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPiPals最大可能値総計値を算出するとともに(ステップS16)、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値を算出する(ステップS17)。
その後、管理装置12は、その時のPdcnPals総計値から、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPiPals最大可能値総計値と、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値総計値を安全率sfで除算した値とを減算することにより、PdcnPals総計値削減量目標値を算出し(ステップS18)、処理をPdcnPals総計値の削減のためのサブルーチンRDn(図41のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDnが終了した後は、管理装置12は処理を終了させる。
〔第3の需給制御〕
図36は、第3の需給制御の具体例を示すフローチャートである。
図36に示すように、第3の需給制御を行う場合、システム管理装置12は、まず、現時点の直流配電線1のVdc(任意の変換装置2,3,4,5,13でのVdc測定値)を読み込むとともに(ステップS21)、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)を算出する(ステップS22)。
なお、第3の需給制御では、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)の算出式は、次の通りである。
PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)
=+Σ(直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo測定値)
+Σ(交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo測定値)
−Σ(発電装置用DC/DC変換装置2のPi測定値)
+Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13配下のPals小計値)
次に、管理装置12は、PdcnpPals総計値のうちいずれが正数であるかを判定し(ステップS23)、PdcpPals総計値≧0の場合は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS24)。
VdcのTs毎の平均値
>Vdc目標値(標準)
+交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御の許容誤差δ2
管理装置12は、ステップS24の上記不等式が成り立たない場合は、処理を終了し、成り立つ場合は、その時のPdcpPals総計値に削減率dfを乗算してPdcpPals総計値削減量目標値を算出し、処理をPdcpPals総計値の削減のためのサブルーチンRDp(図40のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDpが終了した後は、管理装置12は処理をステップS21の前に戻す。
また、管理装置12は、PdcnPals総計値≧0の場合は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS26)。
VdcのTs毎の平均値
<Vdc目標値(標準)
−交流電力系統用DC/AC変換装置13のVdc制御の許容誤差δ2
管理装置12は、ステップS26の上記不等式が成り立たない場合は、処理を終了し、成り立つ場合は、その時のPdcnPals総計値に削減率dfを乗算してPdcnPals総計値削減量目標値を算出し、処理をPdcnPals総計値の削減のためのサブルーチンRDn(図41のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDnが終了した後は、管理装置12は処理をステップS21の前に戻す。
〔第4の需給制御〕
図37は、第4の需給制御の具体例を示すフローチャートである。
図37に示すように、第4の需給制御を行う場合、システム管理装置12は、まず、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)を算出する(ステップS31)。
なお、第4の需給制御では、PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)の算出式は、次の通りである。
PdcnPals総計値(=−PdcpPals総計値)
=+Σ(直流負荷装置用DC/DC変換装置4のPo測定値)
+Σ(交流負荷装置用DC/AC変換装置5のPo測定値)
+Σ(蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo測定値)
−Σ(発電装置用DC/DC変換装置2のPi測定値)
−Σ(蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi測定値)
+Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13配下のPals小計値)
次に、管理装置12は、PdcnpPals総計値のうちいずれが正数であるかを判定し(ステップS32)、PdcpPals総計値≧0の場合は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPoPals最大可能値総計値を算出する(ステップS33)。
その後、管理装置12は、その時のPdcpPals総計値から、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPoPals最大可能値総計値を安全率sfで除算した値を減算することにより、PdcpPals総計値削減量目標値を算出し(ステップS34)、処理をPdcpPals総計値の削減のためのサブルーチンRDp(図40のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDpが終了した後は、管理装置12は処理を終了させる。
また、管理装置12は、PdcnPals総計値≧0の場合は、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPiPals最大可能値総計値を算出する(ステップS35)。
その後、管理装置12は、その時のPdcnPals総計値から、交流電力系統用DC/AC変換装置13のPiPals最大可能値総計値を安全率sfで除算した値を減算することにより、PdcnPals総計値削減量目標値を算出し(ステップS36)、処理をPdcnPals総計値の削減のためのサブルーチンRDn(図41のフローチャート)に移行させる。
なお、上記サブルーチンRDnが終了した後は、管理装置12は処理を終了させる。
〔PdcpPals総計値の削減処理〕
図40は、PdcpPals総計値の削減処理の具体例を示すフローチャートである。
図40に示すように、PdcpPals総計値の削減処理のサブルーチンRDpでは、管理装置12は、まず、PdcpPals総計値削減量目標値が正数であるか否か判定する(ステップST11)。
ステップST11の判定結果が肯定的である場合、すなわち、PdcpPals総計値削減量目標値が正数である場合は、直流配電線1における過剰電力の緩和が必要である。
そこで、管理装置12は、ステップST12の判定が否定的になるまでサブルーチンCLnを繰り返すループ処理を行ったあと、ステップST13の判定が否定的になるまでサブルーチンDLpを繰り返すループ処理を行って、処理を終了する。
すなわち、管理装置12は、PdcpPals総計値削減量目標値>0でかつPdcnPals総計値削減リストの現在行>0である間(ステップST12でYes)は、PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLn:図45)を実行し、ステップST12の判定結果が否定的になると、処理をステップST13に移行する。
この場合のサブルーチンCLnは、既に行われた過去の不足電力緩和の操作を解除するための処理である。この処理には、例えば、過去に行われた蓄電装置7のWb制御時の充電電力制限値の削減を解除したり、過去に行われた電力需給制御用発電装置6の発電電力制限値の拡大を解除したり、過去に行われた通常の負荷装置10,11,16の負荷電力制限値の削減を解除したりする処理が含まれる。
また、管理装置12は、PdcpPals総計値削減量目標値>0である間(ステップST13でYes)は、PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作実施(サブルーチンDLp:図42)を実行し、ステップST13の判定結果が否定的になると、処理を終了する。
この場合のサブルーチンDLpは、過剰電力緩和のための処理である。この処理には、例えば、蓄電装置7のWb制御時の放電電力制限値を削減したり、自然エネルギー発電装置6の発電電力制限値を削減したり、電力需給制御用負荷装置10,11,16の負荷電力制限値を拡大したりする処理が含まれる。
ステップST11の判定結果が否定的である場合、すなわち、PdcpPals総計値削減量目標値が負数である場合は、直流配電線1における過剰電力の度合いが低下しており、過剰電力を緩和する必要がない。
そこで、管理装置12は、ステップST14の判定が否定的になるまでサブルーチンCLpを繰り返すループ処理を行って、処理を終了する。
すなわち、管理装置12は、PdcpPals総計値削減量目標値<0でかつPdcpPals総計値削減リストの現在行>0である間(ステップST14でYes)は、PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLp:図43)を実行し、ステップST14の判定結果が否定的になると、処理を終了する。
この場合のサブルーチンCLpは、サブルーチンDLpで行われた過剰電力緩和の操作の行き過ぎを解除するための処理である。
この処理には、例えば、過去に行われた蓄電装置7のWb制御時の放電電力制限値の削減を解除したり、過去に行われた自然エネルギー発電装置6の発電電力制限値の削減を解除したり、過去に行われた電力需給制御用負荷装置10,11,16の負荷電力制限値の拡大を解除したりする処理が含まれる。
〔PdcnPals総計値の削減処理〕
図41は、PdcnPals総計値の削減処理の具体例を示すフローチャートである。
図41に示すように、PdcnPals総計値の削減処理のサブルーチンRDnでは、管理装置12は、まず、PdcnPals総計値削減量目標値が正数であるか否か判定する(ステップST21)。
ステップST21の判定結果が肯定的である場合、すなわち、PdcnPals総計値削減量目標値が正数である場合は、直流配電線1における不足電力の緩和が必要である。
そこで、管理装置12は、ステップST22の判定が否定的になるまでサブルーチンCLpを繰り返すループ処理を行ったあと、ステップST23の判定が否定的になるまでサブルーチンDLnを繰り返すループ処理を行って、処理を終了する。
すなわち、管理装置12は、PdcnPals総計値削減量目標値>0でかつPdcpPals総計値削減リストの現在行>0である間(ステップST22でYes)は、PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLp:図43)を実行し、ステップST22の判定結果が否定的になると、処理をステップST23に移行する。
この場合のサブルーチンCLpは、既に行われた過去の過剰電力緩和の操作を解除するための処理である。この処理には、例えば、過去に行われた蓄電装置7のWb制御時の放電電力制限値の削減を解除したり、過去に行われた自然エネルギー発電装置6の発電電力制限値の削減を解除したり、過去に行われた電力需給制御用負荷装置10,11,16の負荷電力制限値の拡大を解除したりする処理が含まれる。
また、管理装置12は、PdcnPals総計値削減量目標値>0である間(ステップST23でYes)は、PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作実施(サブルーチンDLn:図44)を実行し、ステップST23の判定結果が否定的になると、処理を終了する。
この場合のサブルーチンDLnは、不足電力緩和のための処理である。この処理には、例えば、蓄電装置7のWb制御時の充電電力制限値を削減したり、電力需給制御用発電装置6の発電電力制限値を拡大したり、通常の負荷装置10,11,16の負荷電力制限値を削減したりする処理が含まれる。
ステップST21の判定結果が否定的である場合、すなわち、PdcnPals総計値削減量目標値が負数である場合は、直流配電線1における不足電力の度合いが低下しており、不足電力を緩和する必要がない。
そこで、管理装置12は、ステップST24の判定が否定的になるまでサブルーチンCLnを繰り返すループ処理を行って、処理を終了する。
すなわち、管理装置12は、PdcnPals総計値削減量目標値<0でかつPdcnPals総計値削減リストの現在行>0である間(ステップST24でYes)は、PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLn:図45)を実行し、ステップST24の判定結果が否定的になると、処理を終了する。
この場合のサブルーチンCLnは、サブルーチンDLnで行われた不足電力緩和の操作の行き過ぎを解除するための処理である。この処理には、例えば、過去に行われた蓄電装置7のWb制御時の充電電力制限値の削減を解除したり、過去に行われた電力需給制御用発電装置6の発電電力制限値の拡大を解除したり、過去に行われた通常の負荷装置10,11,16の負荷電力制限値の削減を解除したりする処理が含まれる。
〔PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作実施(サブルーチンDLp)〕
図42は、PdcpPals総計値削減リストの現在行の「操作実施」(サブルーチンDLp)の具体例を示すフローチャートである。
図42に示すように、サブルーチンDLpにおいて、システム管理装置12は、まず、PdcpPals総計値削減リスト(図38)の現在行が「0」か否かを判定する(ステップS101)。
管理装置12は、現在行が0の場合はリストの現在行を「1」に設定して(ステップS102)、リストの1行目の操作内容を判定し(ステップS103)、現在行が「0」でない場合は、その現在行の操作内容を判定する(ステップS103)。
ステップS103の判定において、現在行の操作内容が「並列要求送信」の場合は、管理装置12は、その操作内容(すなわち「並列要求送信」)を実施する(ステップS104)。これは、現在行の「Po制限値非常限界値(最大)」を送信値としてPo制限値を送信する操作を実施するのと同等の効果がある。これにより、電力需給制御用負荷装置10,11,16が並列され、そこでのPo制限値が非常限界値(最大)となる。
次に、管理装置12は、PdcpPals総計値削減量目標値を、現状の値から(送信相当値にあたる現在行の「Po制限値非常限界値(最大)」−現在行の「Po制限値現在値」)を引いた値に置き換え(ステップS105)、現在行の「Po制限値現在値」を送信相当値にあたる現在行の「Po制限値非常限界値(最大)」に置き換える(ステップS106)。
その後、管理装置12は、PdcpPals総計値削減リストの現在行を1つインクリメントして(ステップS107)、処理を終了する。
ステップS103の判定において、現在行の操作内容が「Po制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS108)。
PdcpPals総計値削減量目標値
>現在行の「Po制限値非常限界値(最大)」−現在行の「Po制限値現在値」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS108の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Po制限値の非常限界値(最大)」を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実施する(ステップS109)。
かかるステップS109を行った後は、管理装置12は、ステップS105〜ステップS107までの処理を行う。
一方、ステップS108の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」にPdcpPals総計値削減量目標値を加えた値を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実行する(ステップS110)。
その後、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」を送信値である(現在行の「Po制限値現在値」にPdcpPals総計値削減量目標値を加えた値)に置き換え(ステップS111)、PdcpPals総計値削減量目標値を「0」にして(ステップS112)、処理を終了する。
ステップS103の判定において、現在行の操作内容が「Pi制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS113)。
PdcpPals総計値削減量目標値
>現在行の「Pi制限値現在値」−現在行の「Pi制限値非常限界値(最小)」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS113の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値の非常限界値(最小)」を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実施する(ステップS114)。
かかるステップS114を行った後は、管理装置12は、PdcpPals総計値削減量目標値を、現状の値から(現在行の「Pi制限値現在値」−送信値である現在行の「Pi制限値の非常限界値(最小)」)を引いた値に置き換え(ステップS115)、現在行の「Pi制限値現在値を送信値である現在行の「Pi制限値の非常限界値(最小)」に置き換える(ステップS116)。
その後、管理装置12は、PdcpPals総計値削減リストの現在行を1つインクリメントして(ステップS117)、処理を終了する。
一方、ステップS113の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」からPdcpPals総計値削減量目標値を引いた値を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実行する(ステップS118)。
その後、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」を送信値である(現在行の「Pi制限値現在値」からPdcpPals総計値削減量目標値を引いた値)に置き換え(ステップS119)、PdcpPals総計値削減量目標値を「0」にして(ステップS120)、処理を終了する。
〔PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLp)〕
図43は、PdcpPals総計値削減リストの現在行の「操作解除」(サブルーチンCLp)の具体例を示すフローチャートである。
PdcpPals総計値の削減処理(サブルーチンRDp:図40)において、ステップST11の判定結果が否定的である場合、すなわち、「PdcpPals総計値削減量目標値」が負数である場合は、「−PdcpPals総計値削減量目標値」だけ過剰電力緩和が行過ぎた状態であり、それを解除するため、ステップST14の判定が否定的になるまでサブルーチンCLpを繰り返す。従って、この場合のサブルーチンCLpでは、「−PdcpPals総計値削減量目標値」を「拡大目標値」として、PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作内容の解除を実施する。
一方、PdcnPals総計値の削減処理(サブルーチンRDn:図41)において、ステップST21の判定結果が肯定的である場合、すなわち、「PdcnPals総計値削減量目標値」が正数である場合は、まず、既に行われた過去の過剰電力緩和の操作を解除するため、ステップST22の判定が否定的になるまでサブルーチンCLpを繰り返す。従って、この場合のサブルーチンCLpでは、「PdcnPals総計値削減量目標値」を「拡大目標値」として、PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作内容の解除を実施する。
図43に示すように、サブルーチンCLpにおいて、システム管理装置12は、まず、PdcpPals総計値削減リスト(図38)の現在行における操作内容を判定する(ステップS201)。
ステップS201の判定において、現在行の操作内容が「並列要求送信」の場合は、管理装置12は、その操作内容の解除(すなわち「解列要求送信」)を実施する(ステップS202)。これは、現在行の「Po制限値平常値(最小)」を送信値としてPo制限値を送信する操作を実施するのと同等の効果がある。これにより、電力需給制御用負荷装置10,11,16が解列され、そこでのPo制限値が平常値(最小)となる。
次に、管理装置12は、拡大目標値を、現状の値から(現在行の「Po制限値現在値」−送信相当値にあたる現在行の「Po制限値平常値(最小)」)を引いた値に置き換え(ステップS203)、現在行の「Po制限値現在値」を送信相当値にあたる現在行の「Po制限値平常値(最小)」に置き換える(ステップS204)。
その後、管理装置12は、PdcpPals総計値削減リストの現在行を1つデクリメントして(ステップS205)、処理を終了する。
ステップS201の判定において、現在行の操作内容が「Po制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS206)。
拡大目標値>現在行の「Po制限値現在値」−現在行の「Po制限値平常値(最小)」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減の解除を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減の解除を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS206の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、Po制限値の平常値(最小)を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実施する(ステップS207)。
かかるステップS207を行った後は、管理装置12は、ステップS203〜ステップS205までの処理を行う。
一方、ステップS206の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」から拡大目標値を引いた値を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実行する(ステップS208)。
その後、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」を送信値である(現在行の「Po制限値現在値」から拡大目標値を引いた値)に置き換え(ステップS209)、拡大目標値を「0」にして(ステップS210)、処理を終了する。
ステップS201の判定において、現在行の操作内容が「Pi制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS211)。
拡大目標値>現在行の「Pi制限値平常値(最大)」−現在行の「Pi制限値現在値」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減の解除を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減の解除を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS211の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値の平常値(最大)」を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実施する(ステップS212)。
かかるステップS212を行った後は、管理装置12は、拡大目標値を、現状の値から(送信値である現在行の「Pi制限値の平常値(最大)」−現在行の「Pi制限値現在値」)を引いた値に置き換え(ステップS213)、現在行の「Pi制限値現在値」を送信値である現在行の「Pi制限値の平常値(最大)」に置き換える(ステップS214)。
その後、管理装置12は、PdcpPals総計値削減リストの現在行を1つデクリメントして(ステップS215)、処理を終了する。
一方、ステップS211の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」に拡大目標値を加えた値を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実行する(ステップS216)。
その後、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」を送信値である(現在行の「Pi制限値現在値」に拡大目標値を加えた値)に置き換え(ステップS217)、拡大目標値を「0」にして(ステップS218)、処理を終了する。
〔PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作実施(サブルーチンDLn)〕
図44は、PdcnPals総計値削減リストの現在行の「操作実施」(サブルーチンDLn)の具体例を示すフローチャートである。
図44に示すように、サブルーチンDLnにおいて、システム管理装置12は、まず、PdcnPals総計値削減リスト(図39)の現在行が「0」か否かを判定する(ステップS301)。
管理装置12は、現在行が0の場合はリストの現在行を「1」に設定して(ステップS302)、リストの1行目の操作内容を判定し(ステップS303)、現在行が0でない場合は、その現在行の操作内容を判定する(ステップS303)。
ステップS303の判定において、現在行の操作内容が「解列要求送信」の場合は、管理装置12は、その操作内容(すなわち「解列要求送信」)を実施する(ステップS304)。これは、現在行の「Po制限値非常限界値(最小)」を送信値としてPo制限値を送信する操作を実施するのと同等の効果がある。これにより、通常の負荷装置10,11,16が解列され、そこでのPo制限値が非常限界値(最小)となる。
次に、管理装置12は、PdcnPals総計値削減量目標値を、現状の値から(現在行の「Po制限値現在値」−送信相当値にあたる現在行の「Po制限値非常限界値(最小)」)を引いた値に置き換え(ステップS305)、現在行の「Po制限値現在値」を送信相当値にあたる現在行の「Po制限値非常限界値(最小)」に置き換える(ステップS306)。
その後、管理装置12は、PdcnPals総計値削減リストの現在行を1つインクリメントして(ステップS307)、処理を終了する。
ステップS303の判定において、現在行の操作内容が「Po制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS308)。
PdcnPals総計値削減量目標値
>現在行の「Po制限値現在値」−現在行の「Po制限値非常限界値(最小)」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS308の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Po制限値の非常限界値(最小)」を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実施する(ステップS309)。
かかるステップS309を行った後は、管理装置12は、ステップS305〜ステップS307までの処理を行う。
一方、ステップS308の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」からPdcnPals総計値削減量目標値を引いた値を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実行する(ステップS310)。
その後、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」を送信値である(現在行の「Po制限値現在値」からPdcnPals総計値削減量目標値を引いた値)に置き換え(ステップS311)、PdcnPals総計値削減量目標値を「0」にして(ステップS312)、処理を終了する。
ステップS303の判定において、現在行の操作内容が「Pi制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS313)。
PdcnPals総計値削減量目標値
>現在行の「Pi制限値非常限界値(最大)」−現在行の「Pi制限値現在値」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS313の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値の非常限界値(最大)」を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実施する(ステップS314)。
かかるステップS314を行った後は、管理装置12は、PdcnPals総計値削減量目標値を、現状の値から(送信値である現在行の「Pi制限値の非常限界値(最大)」−現在行の「Pi制限値現在値」)を引いた値に置き換え(ステップS315)、現在行の「Pi制限値現在値」を送信値である現在行の「Pi制限値の非常限界値(最大)」に置き換える(ステップS316)。
その後、管理装置12は、PdcnPals総計値削減リストの現在行を1つインクリメントして(ステップS317)、処理を終了する。
一方、ステップS313の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」にPdcnPals総計値削減量目標値を加えた値を送信値として、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実行する(ステップS318)。
その後、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」を送信値である(現在行の「Pi制限値現在値」にPdcnPals総計値削減量目標値を加えた値)に置き換え(ステップS319)、PdcnPals総計値削減量目標値を「0」にして(ステップS320)、処理を終了する。
〔PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLn)〕
図45は、PdcnPals総計値削減リストの現在行の「操作解除」(サブルーチンCLn)の具体例を示すフローチャートである。
PdcnPals総計値の削減処理(サブルーチンRDn:図41)において、ステップST21の判定結果が否定的である場合、すなわち、「PdcnPals総計値削減量目標値」が負数である場合は、「−PdcnPals総計値削減量目標値」だけ不足電力緩和が行過ぎた状態であり、それを解除するため、ステップST24の判定が否定的になるまでサブルーチンCLnを繰り返す。従って、この場合のサブルーチンCLnでは、「−PdcnPals総計値削減量目標値」を「拡大目標値」として、PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作内容の解除を実施する。
一方、PdcpPals総計値の削減処理(サブルーチンRDp:図40)において、ステップST11の判定結果が肯定的である場合、すなわち、「PdcpPals総計値削減量目標値」が正数である場合は、まず、既に行われた過去の不足電力緩和の操作を解除するため、ステップST12の判定が否定的になるまでサブルーチンCLnを繰り返す。従って、この場合のサブルーチンCLnでは、「PdcpPals総計値削減量目標値」を「拡大目標値」として、PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作内容の解除を実施する。
図45に示すように、サブルーチンCLnにおいて、システム管理装置12は、まず、PdcnPals総計値削減リスト(図39)の現在行における操作内容を判定する(ステップS401)。
ステップS401の判定において、現在行の操作内容が「解列要求送信」の場合は、管理装置12は、その操作内容の解除(すなわち「並列要求送信」)を実施する(ステップS402)。これは、現在行の「Po制限値平常値(最大)」を送信値としてPo制限値を送信する操作を実施するのと同等の効果がある。これにより、通常の負荷装置10,11,16が並列され、そこでのPo制限値が平常値(最大)となる。
次に、管理装置12は、拡大目標値を、現状の値から(送信相当値にあたる現在行の「Po制限値平常値(最大)」−現在行の「Po制限値現在値」)を引いた値に置き換え(ステップS403)、現在行の「Po制限値現在値」を送信相当値にあたる現在行の「Po制限値平常値(最大)」に置き換える(ステップS404)。
その後、管理装置12は、PdcnPals総計値削減リストの現在行を1つデクリメントして(ステップS405)、処理を終了する。
ステップS201の判定において、現在行の操作内容が「Po制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS406)。
拡大目標値>現在行の「Po制限値平常値(最大)」−現在行の「Po制限値現在値」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減の解除を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減の解除を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS406の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、Po制限値の平常値(最大)を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実施する(ステップS407)。
かかるステップS407を行った後は、管理装置12は、ステップS403〜ステップS405までの処理を行う。
一方、ステップS406の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」に拡大目標値を加えた値を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Po制限値送信」)を実行する(ステップS408)。
その後、管理装置12は、現在行の「Po制限値現在値」を送信値である(現在行の「Po制限値現在値」に拡大目標値を加えた値)に置き換え(ステップS409)、拡大目標値を「0」にして(ステップS410)、処理を終了する。
ステップS401の判定において、現在行の操作内容が「Pi制限値送信」の場合は、管理装置12は、次の不等式が成立するか否かを判定する(ステップS411)。
拡大目標値>現在行の「Pi制限値現在値」−現在行の「Pi制限値平常値(最小)」
上記不等式が成立する場合は、現在行による削減の解除を最大限に行っても目標値を達成できず、成立しない場合は、現在行による削減の解除を最大限までの範囲で行えば目標値を達成できる。
そこで、ステップS411の判定結果が肯定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値の平常値(最小)」を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実施する(ステップS412)。
かかるステップS412を行った後は、管理装置12は、拡大目標値を、現状の値から(現在行の「Pi制限値現在値」−送信値である現在行の「Pi制限値の平常値(最小)」)を引いた値に置き換え(ステップS413)、現在行の「Pi制限値現在値」を送信値である現在行の「Pi制限値の平常値(最小)」に置き換える(ステップS414)。
その後、管理装置12は、PdcnPals総計値削減リストの現在行を1つデクリメントして(ステップS415)、処理を終了する。
一方、ステップS411の判定結果が否定的である場合は、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」から拡大目標値を引いた値を送信値として(すなわち削減の解除)、現在行の操作内容(すなわち「Pi制限値送信」)を実行する(ステップS416)。
その後、管理装置12は、現在行の「Pi制限値現在値」を送信値である(現在行の「Pi制限値現在値」から拡大目標値を引いた値)に置き換え(ステップS417)、拡大目標値を「0」にして(ステップS418)、処理を終了する。
〔PdcpPals総計値の削減の実行例〕
図46は、PdcpPals総計値の削減の実行例を示す説明図である。
前述の通り、PdcpPals総計値の削減処理のサブルーチンRDp(図40)において、直流配電線1での過剰電力の緩和が必要な場合(ステップST11でYesの場合)には、管理装置12は、PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLn:図45)を実行してから(ただし、当該リストの現在行>0が条件)、PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作実施(サブルーチンDLp:図42)を実行する。
図46の説明図を用いて上記の処理を換言すると、管理装置12は、まず矢印A1に示すように、PdcnPals総計値削減リストの最終行(図例では行番号=9)から順に、現在値を非常限界値から平常値にする操作解除を降順で行っていく。
その後、管理装置12は、矢印A2に示すように、PdcpPals総計値削減リストの先頭行(行番号=1)から順に、現在値を平常値から非常限界値にする操作実施を昇順で行っていく。
ここで、PdcpPals総計値削減リストでは、行番号=1〜6までの対象機器には、ユーザーにとって特に必須とは言えないいわゆる「不要不急」の負荷装置が選択され、その後の行番号7の対象機器には、Wb制御時の放電により発電装置として機能する蓄電装置用DC/DC変換装置3が選択され、その後の行番号8及び9の対象機器には、自然エネルギー発電装置(図例では、太陽光発電と風力発電)が選択されている。
また、PdcnPals総計値削減リストでは、行番号=1の対象機器には、Wb制御時の充電により負荷装置として機能する蓄電装置用DC/DC変換装置3が選択され、その後の行番号=2及び3の対象機器には、自然エネルギー発電装置以外の発電装置(図例では、ガス発電とディーゼル発電)が選択され、その後の行番号4〜9の対象機器には、不要不急ではない通常の負荷装置が選択されている。
従って、両リストの行番号に従って、図46の矢印A1→矢印A2の順でPdcpPals総計値の削減が実行されると、システム内の各対象機器に対して、次の優先順位a1)〜a6)にて処理が実行されることになる。
a1)今回の制御のために使用を制限していた通常の負荷装置(PdcnPals総計値削減リストの行番号=9〜4まで)の負荷電力を増やす。
a2)自然エネルギー発電装置以外の発電装置(PdcnPals総計値削減リストの行番号=3〜2まで)の発電電力を減らす。
a3)蓄電装置(PdcnPals総計値削減リストの行番号=1)の充電電力の制限を解除する。従って、充電電力を増やす。
a4)不要不急の負荷装置(PdcpPals総計値削減リストの行番号=1〜6まで)の負荷電力を増やす。
a5)蓄電装置(PdcpPals総計値削減リストの行番号=7)の放電電力を制限する。従って、放電電力を減らす。
a6)自然エネルギー発電装置(PdcpPals総計値削減リストの行番号=8〜9まで)の発電電力を減らす。
このように、本実施形態では、自然エネルギー発電装置以外の発電装置の発電電力を減らす優先順位(a2)が、自然エネルギー発電装置の発電電力を減らす優先順位(a6)よりも高いので、発電電力を減らしてPdcpPals総計値(直流配電線1における過剰電力)を削減する場合に、自然エネルギーを利用しない発電電力が優先的に減らされることになる。従って、環境保護の観点から好ましい優先順位となっている。
また、不要不急でない通常の負荷装置の負荷電力を増やす優先順位(a1)が、不要不急の負荷電力を増やす優先順位(a4)よりも高いので、負荷電力を増やしてPdcpPals総計値(直流配電線1における過剰電力)を削減する場合に、不要不急ではない通常の負荷装置の負荷電力が優先的に増やされる。従って、ユーザーの利便性を向上することができる優先順位となっている。
更に、蓄電装置の充電電力を増やす優先順位(a3)が、蓄電装置の放電電力を減らす優先順位(a5)よりも高いので、PdcpPals総計値(直流配電線1における過剰電力)を削減する場合に、蓄電装置の充電電力を増やす処理が優先的に行われる。従って、直流配電線1の過剰電力を蓄電装置への充電に有効利用するのに適した優先順位となったいる。
〔PdcnPals総計値の削減の実行例〕
図47は、PdcnPals総計値の削減の実行例を示す説明図である。
前述の通り、PdcnPals総計値の削減処理のサブルーチンRDn(図41)において、直流配電線1での不足電力の緩和が必要な場合(ステップST21でYesの場合)には、管理装置12は、PdcpPals総計値削減リストの現在行の操作解除(サブルーチンCLp:図43)を実行してから(ただし、当該リストの現在行>0が条件)、PdcnPals総計値削減リストの現在行の操作実施(サブルーチンDLn:図44)を実行する。
図47の説明図を用いて上記の処理を換言すると、管理装置12は、まず矢印A3に示すように、PdcpPals総計値削減リストの最終行(図例では行番号=9)から順に、現在値を非常限界値から平常値にする操作解除を降順で行っていく。
その後、管理装置12は、矢印A4に示すように、PdcnPals総計値削減リストの先頭行(行番号=1)から順に、現在値を平常値から非常限界値にする操作実施を昇順で行っていく。
従って、両リストの行番号に従って、図47の矢印A3→矢印A4の順でPdcnPals総計値の削減を実行すると、システム内の各対象機器に対して、次の優先順位b1)〜b6)にて処理が実行されることになる。
b1)今回の制御のために発電を制限していた自然エネルギー発電装置(PdcpPals総計値削減リストの行番号=9〜8まで)の発電電力を増やす。
b2)蓄電装置(PdcpPals総計値削減リストの行番号=7)の放電電力の制限を解除する。従って、放電電力を増やす。
b3)不要不急の負荷装置(PdcpPals総計値削減リストの行番号=6〜1まで)の負荷電力を減らす。
b4)蓄電装置(PdcnPals総計値削減リストの行番号=1)の充電電力を制限する。従って、充電電力を減らす。
b5)自然エネルギー発電装置以外の発電装置(PdcnPals総計値削減リストの行番号=2〜3まで)の発電電力を増やす。
b6)b3)以外の通常の負荷装置(PdcnPals総計値削減リストの行番号=4〜9まで)の負荷電力を減らす。
このように、本実施形態では、自然エネルギー発電装置の発電電力を増やす優先順位(b1)が、自然エネルギー発電装置以外の発電装置の発電電力を増やす優先順位(b5)よりも高いので、発電電力を増やしてPdcnPals総計値(直流配電線1における不足電力)を削減する場合に、自然エネルギーを利用した発電電力が優先的に増やされることになる。従って、環境保護の観点から好ましい優先順位となっている。
また、不要不急の負荷装置の負荷電力を減らす優先順位(b3)が、不要不急ではない通常の負荷電力を増やす優先順位(b6)よりも高いので、負荷電力を減らしてPdcnPals総計値(直流配電線1における不足電力)を削減する場合に、不要不急の負荷装置の負荷電力が優先的に減らされる。従って、ユーザーの利便性に余り影響を与えないで負荷電力を減らすことができる優先順位となっている。
更に、蓄電装置の放電電力を増やす優先順位(b2)が、蓄電装置の充電電力を減らす優先順位(b4)よりも高いので、PdcnPals総計値(直流配電線1における不足電力)を削減する場合に、蓄電装置の放電電力を増やす処理が優先的に行われる。従って、直流配電線1の不足電力を蓄電装置からの放電によって対処するのに適した優先順位となっている。
〔Pi最大可能値の算出処理〕
図48は、蓄電装置7の放電時における等価回路の説明図である。また、図49の上段の図は、放電時におけるIbdとVbの関係を示すグラフであり、下段の図は、放電時におけるIbdとPbdの関係を示すグラフである。
図48に示すように、蓄電装置7の内部起電力をEb、内部抵抗をRbとすると、放電時の電力Pbdは、Pbd=Ibd×(Eb−Rb×Ibd)となり、電圧Vbは、Vb=Eb−Rb×Ibdとなる。
また、図48において、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値は、Pbd最大可能値から、変換によるわずかな損失を差し引くことで算出することができる。
図49の上段のグラフに示すように、蓄電装置7では、通常、Ebの値に応じてVbの動作線が上下に複数表れる。その複数の動作線は、Vb最小値〜Vb最大値でかつIbd最大値以下となる範囲(図示の破線で囲まれた長方形範囲)内で動作する。
従って、Ebの値によっては、Ibdが最大になるポイントが、Vbd最小値の時のIbdであったり、Ibd最大値であったりする。
通常は、PbdがIbdに比例して大きくなる範囲で使用するので、Ibdが最大になるポイントが、Pbdが最大になるポイントになる。
すなわち、図49の下段のグラフで、通常は、Pbd極大値の時のIbdの左側に、Ibd最大値やVbd最小値の時のIbdがある(Pbd極大値の時のIbdの右側では、負荷の抵抗の大きさがRbより小さくなり、負荷の消費電力よりRbによる損失が大きくなり、効率が非常に悪い。)。
しかし、理論的には、Ibd最大値やVbd最小値の時のIbdが、Pbd極大値の時のIbdの右側にあってもよいので、その場合には、Pbdが最大となるポイントが、Pbd極大値の時のIbd(=Eb/2Rb)となる。
なお、Eb<Eb最小値の場合は、Wb<0%となり、蓄電量不足で放電できず、Pbd最大可能値=0になる。従って、Pi最大可能値=0となる。
図50は、蓄電装置7の上記の特性を考慮した、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値の算出処理を示すフローチャートである。
図50に示すように、管理装置12は、まず、Eb<Eb最小値であるか否かを判定し(ステップST101)、その判定結果が肯定的である場合は、Pi最大可能値=0にして処理を終了し(ステップST102)、その判定結果が否定的である場合は、Ibd最大値、(Eb−Vb最小値)/Rb及びEb/2Rbの3つの値のうちで、どれか最小値であるかを判定する(ステップST103)。
上記判定の結果、Ibd最大値が最小である場合は、管理装置12は、Pi最大可能値を次式によって算出する(ステップST104)。
Pi最大可能値= Ibd最大値×(Eb−Rb×Ibd最大値)
−変換によるわずかな損失
なお、上記の式において、「変換によるわずかな損失」は変換装置3の内部構成によって定まる所定値に設定すればよい(以下、同様)。
上記判定の結果、(Eb−Vb最小値)/Rbが最小である場合は、管理装置12は、Pi最大可能値を次式によって算出する(ステップST105)。
Pi最大可能値=(Eb−Vb最小値)/Rb×Vb最小値
−変換によるわずかな損失
上記判定の結果、Eb/2Rbが最小である場合は、管理装置12は、Pi最大可能値を次式によって算出する(ステップST106)。
Pi最大可能値=Eb2/4Rb−変換によるわずかな損失
なお、図50に示す、蓄電装置用DC/DC変換装置3についてのPi最大可能値の算出処理は、当該変換装置3自身が行うことにしてもよい。
〔Po最大可能値の算出処理〕
図51は、蓄電装置7の充電時における等価回路の説明図である。また、図52は、充電時におけるIbcとVbの関係を示すグラフである。
図51に示すように、蓄電装置7の内部起電力をEb、内部抵抗をRbとすると、充電時の電力Pbcは、Pbc=Ibc×(Eb+Rb×Ibc)となり、電圧Vbは、Vb=Eb+Rb×Ibcとなる。
また、図51において、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値は、Pbc最大可能値に、変換によるわずかな損失を加えることで算出することができる。
図52のグラフに示すように、蓄電装置7では、通常、Ebの値に応じてVbの動作線が上下に複数表れる。その複数の動作線は、Vb最小値〜Vb最大値でかつIbc最大値以下となる範囲(図示の破線で囲まれた長方形範囲)内で動作する。
従って、Ebの値によっては、Ibcが最大になるポイントが、Vb最大値の時のIbcであったり、Ibc最大値であったりする。
PbcはIbcに比例して大きくなるので、Ibcが最大になるポイントが、Pbcが最大になるポイントになる。
なお、Eb>Eb最大値の場合は、Wb>100%となり、蓄電量過剰で充電できず、Pbc最大可能値=0になる。従ってPo最大可能値=0となる。
図53は、蓄電装置7の上記の特性を考慮した、蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値の算出処理を示すフローチャートである。
図53に示すように、管理装置12は、まず、Eb>Eb最大値であるか否かを判定し(ステップST201)、その判定結果が肯定的である場合は、Po最大可能値=0にして処理を終了し(ステップST202)、その判定結果が否定的である場合は、Ibc最大値及び(Vb最大値−Eb)/Rbのどちらが最小値であるかを判定する(ステップST203)。
上記判定の結果、Ibc最大値が最小である場合は、管理装置12は、Po最大可能値を次式によって算出する(ステップST204)。
Po最大可能値= Ibc最大値×(Eb+Rb×Ibc最大値)
+変換によるわずかな損失
上記判定の結果、(Vb最大値−Eb)/Rbが最小である場合は、管理装置12は、Po最大可能値を次式によって算出する(ステップST205)。
Po最大可能値=(Vb最大値−Eb)/Rb×Vb最大値
+変換によるわずかな損失
なお、図55に示す、蓄電装置用DC/DC変換装置3についてのPo最大可能値の算出処理は、当該変換装置3自身が行うことにしてもよい。
〔電力需給制御の効果〕
以上の通り、本実施形態の直流配電システムによれば、システム管理装置12が、第1の需給制御(図34参照)を行うので、直流配電線1に対する過剰電力又は不足電力により、VdcがVdc目標値(高)+許容誤差δ3より上昇したり、Vdc目標値(低)−許容誤差δ3より下降したりすると、PdcpPals総計値又はPdcnPals総計値が削減され、VdcがVdc目標値(高)±許容誤差δ3又はVdc目標値(低)±許容誤差δ3の所定範囲内に戻される。
従って、交流電力系統用DC/AC変換装置13による第2のVdc制御が失敗している場合に、蓄電装置用DC/DC変換装置3による第3のVdc制御の失敗を短時間に止め、VdcをVdc目標値(高)又はVdc目標値(低)に維持することができる。
また、本実施形態の直流配電システムによれば、システム管理装置12が、蓄電装置用DC/DC変換装置3による第3のVdc制御が成功している場合でも、第2の需給制御(図35参照)を行うので、第1及び第2閾値Th1,Th2分のマージンを持って、変換装置13のPoPals最大可能値+変換装置3のPo最大可能値>PdcpPals総計値で、かつ、変換装置13のPiPals最大可能値+変換装置3のPi最大可能値>PdcnPals総計値の電力需給状態が維持される。
このため、直流配電線1における過剰電力PdcpPals又は不足電力PdcnPalsを、交流電力系統14への逆潮流電力及び蓄電装置7への充電電力、又は、交流電力系統からの順潮流電力及び蓄電装置7からの放電電力で確実に賄えるようになり、直流配電線1の電圧をより確実に安定化することができる。
本実施形態の直流配電システムによれば、システム管理装置12が、第3の需給制御(図36参照)を行うので、直流配電線1に対する過剰電力又は不足電力により、VdcがVdc目標値(標準)±許容誤差δ2の所定範囲外に上昇又は下降しても、PdcpPals総計値又はPdcnPals総計値が削減され、VdcがVdc目標値(標準)±許容誤差δ2の所定範囲内に戻される。
従って、交流電力系統用DC/AC変換装置13による第2のVdc制御の失敗を短時間に止め、VdcをVdc目標値(標準)に維持することができる。
また、本実施形態の直流配電システムによれば、システム管理装置12が、第2のVdc制御が成功している場合でも、第4の需給制御(図37参照)を行うので、第3及び第4閾値Th3,Th4分のマージンを持って、PoPals最大可能値>PdcpPals総計値でかつPiPals最大可能値>PdcnPals総計値の電力需給状態が維持される。
このため、直流配電線1における過剰電力PdcpPals又は不足電力PdcnPalsを、交流電力系統14への逆潮流電力又は交流電力系統14からの順潮流電力で確実に賄えるようになり、直流配電線1の電圧Vdcをより確実に安定化することができる。
〔その他の変形例〕
上述の実施形態は例示であって本発明の権利範囲を制限するものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内のすべての変更が本発明に含まれる。
例えば、上述の実施形態では、第1及び第3の需給制御において、直流配電線1の電圧Vdcに基づいて、PdcpPals総計値やPdcnPals総計値を削減するか否かを決定しているが(図34のステップS4,S6及び図36のステップS24,S26)、交流電力系統用変換装置13や蓄電装置用変換装置3についてのPioに基づいて、それらの削減を行うか否かを決定することにしてもよい。
すなわち、第1の需給制御は、Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13のPoPals最大可能値+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPo最大可能値)がPdcpPals総計値より小さい場合は、そのΣの総計値がPdcpPals総計値以上となるように当該PdcpPals総計値を削減し、Σ(交流電力系統用DC/AC変換装置13のPiPals最大可能値+蓄電装置用DC/DC変換装置3のPi最大可能値)がPdcnPals総計値より小さい場合は、そのΣの総計値がPdcnPals総計値以上となるように当該PdcnPals総計値を削減するものであってもよい。
同様に、第3の需給制御は、PoPals最大可能値総計値がPdcpPals総計値より小さい場合は、PoPals最大可能値総計値がPdcpPals総計値以上となるように当該PdcpPals総計値を削減し、PiPals最大可能値総計値がPdcnPals総計値より小さい場合は、PiPals最大可能値総計値がPdcnPals総計値以上となるように当該PdcnPals総計値を削減するものであってもよい。
また、上述の実施形態において、システム管理装置12は、第1〜第4の需給制御を実施可能となっているが、第1及び第2の需給制御のうちのいずれか一方のみを行ったり、第3及び第4の需給制御のうちのいずれか一方のみを行ったりするものであってもよい。
更に、上述の実施形態では、各変換装置2,3,13が第1〜第3のVdc制御を行い、システム管理装置12が第1〜第4の需給制御の双方を行うシステムを例示したが、Vdc制御のみを行うことにしてもよい。
上述の実施形態では、系統配下の交流負荷装置16を有するシステム構成であるため、着目する交流電力系統用DC/AC変換装置13のPio最大可能値を、負荷電力Palsの変動を考慮して、Po最大可能値≒Psb最大可能値+Pals小計値、Pi最大可能値≒Psf最大可能値−Pals小計値として算出している(算出主体は、システム管理装置12又は交流電力系統用DC/AC変換装置13)。
もっとも、本発明の直流配電システムは、系統配下の交流負荷装置16を有しないシステム構成であってもよく、この場合には、Po最大可能値≒Psb最大可能値、Pi最大可能値≒Psf最大可能値となる。
また、上述の実施形態では、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下の交流負荷装置16の負荷電力Palsを、直流配電線1における過剰電力Pdcp又は不足電力Pdcnの削減対象に含めるため、Pdcnp総計値を、これにPals総計値を考慮したPdcnpPals総計値に置き換えるなどの置き換え処理を行っている。
従って、系統配下の交流負荷装置16が存在しない場合や、その交流負荷装置16の負荷電力を削減対象としない場合は、その置き換え処理を行わずに、Pdcp総計値やPdcn総計値を削減する需給制御を行えばよい。
このような系統配下交流負荷装置16の負荷電力Palsを削減対象としない需給制御は、具体的には、図34〜図45までに含まれるフローチャートから、「Pals」の用語を省いた処理内容によって実現できる。
例えば、負荷電力Palsを削減対象としない第3の需給制御は、直流配電線1の電圧VdcがVdc目標値(標準)から所定範囲外となった場合に、その電圧が所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する制御となる。
また、この場合の第3の需給制御は、Po最大可能値総計値がPdcp総計値より小さい場合は、Po最大可能値総計値がPdcp総計値以上となるように当該Pdcp総計値を削減し、Pi最大可能値総計値がPdcn総計値より小さい場合は、Pi最大可能値総計値がPdcn総計値以上となるように当該Pdcn総計値を削減する処理であってもよい。
同様に、負荷電力Palsを削減対象としない第4の需給制御は、Po最大可能値総計値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるようにPdcp総計値を削減し、Pi最大可能値総計値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるようにPdcn総計値を削減する処理となる。
上述の実施形態では、系統配下の交流負荷装置16を有するシステム構成であるため、着目する交流電力系統用DC/AC変換装置13のPio最大可能値を、負荷電力Palsの変動を考慮して、Po最大可能値≒Psb最大可能値+Pals小計値、Pi最大可能値≒Psf最大可能値−Pals小計値として算出している(算出主体は、システム管理装置12又は交流電力系統用DC/AC変換装置13)。
もっとも、本発明の直流配電システムは、Pals小計値の変動を逐一には考慮せず、その代わりに、Pals小計値の「下限値(=0)」と「上限値」を考慮するようにしてもよい。
この場合には、Po最大可能値≒Psb最大可能値+Pals小計値の下限値=Psb最大可能値、Pi最大可能値≒Psf最大可能値−Pals小計値の上限値となる。なお、Pals小計値の上限値は、Psf最大可能値以下の値である。
交流電力系統用DC/AC変換装置13は、自装置の配下の交流負荷装置16についてのPals小計値の上限値を、システム管理装置12から通信により取得する。
また、交流電力系統用DC/AC変換装置13に直接接続する交流負荷装置16は、Pals小計値の上限値を、システム管理装置12から通信により取得し、PoがPals小計値の上限値を超えないように動作してもよいし、Pals小計値の上限値を、当該交流負荷装置16のPoの最大可能値以上に定めることにより、当該交流負荷装置16のPoがPals小計値の上限値を超えることがないようにしてもよい。
同様に、交流電力系統用DC/AC変換装置13に直接接続する交流負荷装置用分岐装置15は、Pals小計値の上限値を、システム管理装置12から通信により取得し、非分岐側のPoがPals小計値の上限値を超えないように動作してもよいし、Pals小計値の上限値を、当該分岐装置15の非分岐側のPoの最大可能値以上に定めることにより、当該分岐装置15の非分岐側のPoがPals小計値の上限値を超えることがないようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下の交流負荷装置16の負荷電力Palsを、直流配電線1における過剰電力Pdcp又は不足電力Pdcnの削減対象に含めるため、Pdcnp総計値を、これにPals総計値を考慮したPdcnpPals総計値に置き換えるなどの置き換え処理を行っている。
Pals小計値の変動を逐一には考慮せず、代わりにPals小計値の下限値(=0)と上限値を考慮するような場合には、交流電力系統用DC/AC変換装置13の配下の交流負荷装置16の負荷電力Palsを、直流配電線1における過剰電力Pdcp又は不足電力Pdcnの削減対象に含めることができないため、上記の置き換え処理を行わずに、Pdcp総計値やPdcn総計値を削減する需給制御を行えばよい。
このような系統配下の交流負荷装置16の負荷電力Palsを削減対象としない需給制御は、具体的には、図34〜図45までに含まれるフローチャートから、「Pals」の用語を省いた処理内容によって実現できる。
この場合、第3の需給制御は、直流配電線1の電圧VdcがVdc目標値(標準)から所定範囲外となった場合に、その電圧が所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する制御となる。
また、第3の需給制御は、Po最大可能値総計値がPdcp総計値より小さい場合は、Po最大可能値総計値がPdcp総計値以上となるように当該Pdcp総計値を削減し、Pi最大可能値総計値がPdcn総計値より小さい場合は、Pi最大可能値総計値がPdcn総計値以上となるように当該Pdcn総計値を削減する処理であってもよい。
更に、第4の需給制御は、Po最大可能値総計値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるようにPdcp総計値を削減し、Pi最大可能値総計値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるようにPdcn総計値を削減する処理となる。
1 直流配電線
2 発電装置用DC/DC変換装置(発電装置用変換装置)
4 直流負荷装置用DC/DC変換装置(直流負荷装置用変換装置)
5 交流負荷装置用DC/AC変換装置(交流負荷装置用変換装置)
6 発電装置
7 蓄電装置
8 直流負荷装置用分岐装置
9 系統非配下の交流負荷装置用分岐装置
10 直流負荷装置
11 系統非配下の交流負荷装置
12 システム管理装置
13 交流電力系統用DC/AC変換装置(交流電力系統用変換装置)
14 交流電力系統
15 系統配下の交流負荷装置用分岐装置
16 系統配下の交流負荷装置

Claims (46)

  1. 発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、
    蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、
    交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、
    前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、を備えており、
    前記発電装置用変換装置、交流電力系統用変換装置及び蓄電装置用変換装置が、Vdc目標値(特高)>Vdc目標値(高)>Vdc目標値(標準)>Vdc目標値(低)の関係にある、前記直流配電線についてのそれらの設定電圧を用いて、下記に定義する第1〜第3の電力制御をそれぞれ独立して行うことを特徴とする直流配電システム。
    第1の電力制御:直流配電線に供給する電力が、直流配電線のVdc目標値(特高)に対応する電力目標値となるように、発電装置用変換装置が行う電力制御
    第2の電力制御:直流配電線に供給する電力又は直流配電線から供給される電力が、直流配電線のVdc目標値(標準)に対応する電力目標値となるように、交流電力系統用変換装置が行う電力制御
    第3の電力制御:直流配電線に供給する電力又は直流配電線から供給される電力が、直流配電線のVdc目標値(高)又はVdc目標値(低)に対応する電力目標値となるように、蓄電装置用変換装置が行う電力制御
  2. Vdc目標値(高)及びVdc目標値(低)は、Vdc目標値(標準)に対する差分が、前記第2の電力制御の許容誤差と前記第3の電力制御の許容誤差の合計以上となる値に設定されている請求項1に記載の直流配電システム。
  3. 前記直流配電線の電圧が、前記第2の電力制御におけるVdc目標値(標準)からの許容誤差の範囲内である場合は、前記蓄電装置用変換装置は、前記第3の電力制御を行わずに、下記に定義する蓄電量制御を行う請求項1又は2に記載の直流配電システム。
    蓄電量制御:直流配電線に供給する電力又は直流配電線から供給される電力が、蓄電装置の蓄電量の目標値に対応する電力目標値となるように、蓄電装置用変換装置が行う電力制御
  4. 前記発電装置用変換装置は、Vdc目標値(特高)に対応する電力目標値が、前記発電装置が発電し得る最大電力を超える場合には、その最大電力を前記第1の電力制御の目標値とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  5. 前記交流電力系統用変換装置は、Vdc目標値(標準)に対応する電力目標値が、前記直流配電線から自装置に出力可能な最大電力であるPo最大可能値を超える場合には、そのPo最大可能値を前記第2の電力制御の目標値とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  6. 前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置を、更に備えている場合には、
    前記交流電力系統用変換装置は、下記のPsb最大可能値と下記のPals小計値を加算して、自装置についての前記Po最大可能値を算出する請求項5に記載の直流配電システム。
    Psb最大可能値:交流電力系統が逆潮流可能な最大の逆潮流電力
    Pals小計値:自装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
  7. 前記交流電力系統用変換装置は、Vdc目標値(標準)に対応する電力目標値が、自装置から前記直流配電線に入力可能な最大電力であるPi最大可能値を超える場合には、そのPi最大可能値を前記第2の電力制御の目標値とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  8. 前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置を、更に備えている場合には、
    前記交流電力系統用変換装置は、下記のPsf最大可能値から下記のPals小計値を減算して、自装置についての前記Pi最大可能値を算出する請求項7に記載の直流配電システム。
    Psf最大可能値:交流電力系統が順潮流可能な最大の順潮流電力
    Pals小計値:自装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
  9. 前記交流電力系統用変換装置は、前記第2の電力制御の制御対象である電圧値と電力値につき、それらの値の交流周期毎の平均値を用いる請求項1〜8のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  10. 前記直流配電線の電圧に生じ得るリプルの最大値がVdc目標値(標準)に所定割合を乗算した許容範囲内に収まるように、前記直流配電線側におけるコンデンサの静電容量の総計値が定められている請求項9に記載の直流配電システム。
  11. 前記交流電力系統用変換装置ついてのコンデンサの静電容量の調整により、前記直流配電線側におけるコンデンサの静電容量の総計値が定められている請求項10に記載の直流配電システム。
  12. システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置を更に備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となるか或いは前記交流電力系統用変換装置のPio最大可能値がPdcnp総計値未満となり、かつ、前記直流配電線の電圧が前記第3の電力制御で許容される第3の所定範囲外となった場合に、その電圧が当該第3の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第1の需給制御を行う請求項1〜11のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Pdcnp総計値:Pdcn総計値又はPdcp総計値
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
    Pio最大可能値:Pi最大可能値又はPo最大可能値
  13. システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置を更に備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となるか或いは前記交流電力系統用変換装置のPio最大可能値がPdcnp総計値未満となった場合に、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第1の需給制御を行う請求項1〜11のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Pdcnp総計値:Pdcn総計値又はPdcp総計値
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
    Pio最大可能値:Pi最大可能値又はPo最大可能値
  14. システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置を更に備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となるか或いは前記交流電力系統用変換装置のPio最大可能値がPdcnp総計値未満となった場合に、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計からPdcp総計値を引いた差分が第1閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計からPdcn総計値を引いた差分が第2閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第2の需給制御を行う請求項1〜13のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Pdcnp総計値:Pdcn総計値又はPdcp総計値
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
    Pio最大可能値:Pi最大可能値又はPo最大可能値
  15. システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置を更に備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記直流配電線の電圧が前記第2の電力制御で許容される第2の所定範囲外となった場合に、その電圧が当該第2の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第3の需給制御を行う請求項1〜14のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
  16. システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置を更に備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第3の需給制御を行う請求項1〜14のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  17. システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置を更に備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第4の需給制御を行う請求項1〜16のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  18. 発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、
    蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、
    交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、
    前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、
    システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置と、を備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっており、かつ、前記蓄電装置用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を前記所定範囲から外れた他の所定範囲に維持する電力制御においても、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記他の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第1の需給制御を行うことを特徴とする直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
  19. 発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、
    蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、
    交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、
    前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、
    システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置と、を備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第1の需給制御を行うことを特徴とする直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  20. 発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、
    蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、
    交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、
    前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、
    システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置と、を備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計からPdcp総計値を引いた差分が第1閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計からPdcn総計値を引いた差分が第2閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第2の需給制御を行うことを特徴とする直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  21. 発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、
    蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、
    交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、
    前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、
    システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置と、を備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第3の需給制御を行うことを特徴とする直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
  22. 発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、
    蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、
    交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、
    前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、
    システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置と、を備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第3の需給制御を行うことを特徴とする直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  23. 発電装置からの電力を電圧変換して直流配電線に供給する発電装置用変換装置と、
    蓄電装置からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記蓄電装置に供給する蓄電装置用変換装置と、
    交流電力系統からの電力を電圧変換して前記直流配電線に供給するか、或いは、前記直流配電線からの電力を電圧変換して前記交流電力系統に供給する交流電力系統用変換装置と、
    前記直流配電線からの電力を電圧変換して負荷装置に供給する負荷装置用変換装置と、
    システム内の電力需給制御が可能なシステム管理装置と、を備えており、
    前記システム管理装置は、下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第4の需給制御を行うことを特徴とする直流配電システム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  24. 前記システム管理装置は、
    更に請求項14又は20に記載の第2の需給制御を実行可能であり、前記第1の需給制御を行ってから前記第2の需給制御を行う請求項12,13,18又は19に記載の直流配電システム。
  25. 前記システム管理装置は、
    更に請求項17又は23に記載の第4の需給制御を実行可能であり、前記第3の需給制御を行ってから前記第4の需給制御を行う請求項15,16,21又は22に記載の直流配電システム。
  26. 前記システム管理装置は、
    更に請求項14又は20に記載の第2の需給制御及び請求項15,16,21又は22に記載の第3の需給制御を実行可能であり、前記第1の需給制御、前記第2の需給制御、前記第3の需給制御の順に実施する請求項12,13,18又は19に記載の直流配電システム。
  27. 前記システム管理装置は、
    更に請求項14又は20に記載の第2の需給制御及び請求項15,16,21又は22に記載の第3の需給制御及び請求項17又は23に記載の第4の需給制御を実行可能であり、前記第1の需給制御、前記第2の需給制御、前記第3の需給制御、前記第4の需給制御の順に実施する請求項12,13,18又は19に記載の直流配電システム。
  28. 前記システム管理装置は、
    負荷電力を増やす機器及び操作と、発電電力を減らす機器及び操作とを、所定の優先順位で並べたPdcp総計値削減リストと、
    負荷電力を減らす機器及び操作と、発電電力を増やす機器及び操作とを、所定の優先順位で並べたPdcn総計値削減リストとを有し、
    前記リストに記された前記操作をその優先順位に従って行うことにより、前記Pdcp総計値又は前記Pdcn総計値を削減する請求項12〜27のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  29. 前記システム管理装置は、
    前記Pdcp総計値削減リストに従って前記操作を行う前に、既に行われている前記Pdcn総計値削減リストに従った前記操作の解除を行い、
    前記Pdcn総計値削減リストに従って前記操作を行う前に、既に行われている前記Pdcp総計値削減リストに従った前記操作の解除を行う請求項28に記載の直流配電システム。
  30. 前記Pdcp総計値の削減の場合には、
    自然エネルギーを利用する前記発電装置とそれ以外の前記発電装置のうち、後者の発電電力を減らす前記優先順位の方が、前者の発電電力を減らす前記優先順位よりも高く設定され、
    不要不急の前記負荷装置とそれ以外の前記負荷装置のうち、後者の負荷電力を増やす前記優先順位の方が、前者の負荷電力を増やす前記優先順位よりも高く設定されている請求項28又は29に記載の直流配電システム。
  31. 前記Pdcn総計値の削減の場合には、
    自然エネルギーを利用する前記発電装置とそれ以外の前記発電装置のうち、前者の発電電力を増やす前記優先順位の方が、後者の発電電力を増やす前記優先順位よりも高く設定され、
    不要不急の前記負荷装置とそれ以外の前記負荷装置のうち、前者の負荷電力を減らす前記優先順位の方が、後者の負荷電力を減らす前記優先順位よりも高く設定されている請求項28〜30のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  32. 前記Pdcp総計値の削減は、予め定められたPdcp削減用の優先順位に従って、システム内の負荷電力を増やすか発電電力を減らすことであり、
    システム内の負荷電力に相当する前記蓄電装置の充電電力を増やす前記優先順位の方が、システム内の発電電力に相当する前記蓄電装置の放電電力を減らす前記優先順位よりも高く設定されている請求項12〜31のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  33. 前記Pdcn総計値の削減は、予め定められたPdcn削減用の優先順位に従って、システム内の負荷電力を減らすか発電電力を増やすことであり、
    システム内の発電電力に相当する前記蓄電装置の放電電力を増やす前記優先順位の方が、システム内の負荷電力に相当する前記蓄電装置の充電電力を減らす前記優先順位よりも高く設定されている請求項12〜32のいずれか1項に記載の直流配電システム。
  34. 前記蓄電装置用変換装置又は前記システム管理装置は、
    前記蓄電装置に関するパラメータを下記の通り定義した場合において、
    Ibd最大値と(Eb−Vb最小値)/Rbのうちの小さい方の値に基づいて、前記蓄電装置用変換装置についての前記Pi最大可能値を求める請求項12〜33のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Vb:蓄電装置の端子電圧
    Eb:蓄電装置の内部起電力
    Rb:蓄電装置の内部抵抗
    Ibd:蓄電装置の放電電流
  35. 前記蓄電装置用変換装置又は前記システム管理装置は、
    Eb/2RbがIbd最大値及び(Eb−Vb最小値)/Rbよりも小さい場合は、Eb/2Rbの値に基づいて、前記蓄電装置用変換装置についての前記Pi最大可能値を求める請求項34に記載の直流配電システム。
  36. 前記蓄電装置用変換装置又は前記システム管理装置は、
    前記蓄電装置に関するパラメータを下記の通り定義した場合において、
    Ibc最大値と(Vb最大値−Eb)/Rbのうちの小さい方の値に基づいて、前記蓄電装置用変換装置についての前記Po最大可能値を求める請求項12〜35のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Vb:蓄電装置の端子電圧
    Eb:蓄電装置の内部起電力
    Rb:蓄電装置の内部抵抗
    Ibc:蓄電装置の充電電流
  37. 前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置を、更に備えている場合には、
    前記システム管理装置は、下記のPsb最大可能値と下記のPals小計値を加算して、前記交流電力系統用変換装置についての前記Po最大可能値を算出する請求項12〜36のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Psb最大可能値:交流電力系統が逆潮流可能な最大の逆潮流電力
    Pals小計値:交流電力系統用変換装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
  38. 前記直流配電線を介さずに前記交流電力系統から直接的に電力供給される系統配下の交流負荷装置を、更に備えている場合には、
    前記システム管理装置は、下記のPsf最大可能値から下記のPals小計値を減算して、前記交流電力系統用変換装置についての前記Pi最大可能値を算出する請求項12〜37のいずれか1項に記載の直流配電システム。
    Psf最大可能値:交流電力系統が順潮流可能な最大の順潮流電力
    Pals小計値:交流電力系統用変換装置についての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
  39. 前記システム管理装置は、前記Pdcp総計値及びPdcn総計値の代わりに、下記のPdcpPals総計値及びPdcnPals総計値を用い、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値及びPi最大可能値の代わりに、当該交流電力系統用変換装置の下記のPoPals最大可能値及びPiPals最大可能値を用いて、前記第1〜第4の需給制御を行う請求項37又は38に記載の直流配電システム。
    PdcpPals総計値:Pdcp総計値−Pals総計値
    PdcnPals総計値:Pdcn総計値+Pals総計値
    PoPals最大可能値:Po最大可能値−Pals小計値(≒Psb最大可能値)
    PiPals最大可能値:Pi最大可能値+Pals小計値(≒Psf最大可能値)
    Pals総計値:すべての系統配下の交流負荷装置の負荷電力の合計値
  40. 直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
    下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっており、かつ、蓄電装置用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を前記所定範囲から外れた他の所定範囲に維持する電力制御においても、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記他の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第1の需給制御を行うことを特徴とするシステム管理装置。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
  41. 直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
    下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第1の需給制御を行うことを特徴とするシステム管理装置。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  42. 直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
    下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、
    前記交流電力系統用変換装置のPo最大可能値と蓄電装置用変換装置のPo最大可能値の合計からPdcp総計値を引いた差分が第1閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値と前記蓄電装置用変換装置のPi最大可能値の合計からPdcn総計値を引いた差分が第2閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第2の需給制御を行うことを特徴とするシステム管理装置。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  43. 直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
    下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっている場合に、その電圧が前記所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減する第3の需給制御を行うことを特徴とするシステム管理装置。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
  44. 直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
    下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    交流電力系統用変換装置のPo最大可能値がPdcp総計値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値がPdcn総計値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第3の需給制御を行うことを特徴とするシステム管理装置。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  45. 直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行うシステム管理装置であって、
    下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    交流電力系統用変換装置のPo最大可能値からPdcp総計値を引いた差分が第3閾値以上となるように、当該Pdcp総計値を削減し、
    前記交流電力系統用変換装置のPi最大可能値からPdcn総計値を引いた差分が第4閾値以上となるように、当該Pdcn総計値を削減する第4の需給制御を行うことを特徴とするシステム管理装置。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
    Po最大可能値:直流配電線から特定の変換装置に出力可能な最大電力
    Pi最大可能値:特定の変換装置から直流配電線に入力可能な最大電力
  46. 直流配電線における電力の過剰又は不足を、交流電力系統の逆潮流又は順潮流と蓄電装置の充電又は放電により対応可能である、直流配電システム内の電力需給制御を行う装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    下記の通りにパラメータを定義した場合において、
    交流電力系統用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を所定範囲に維持する電力制御において、前記直流配電線の電圧が前記所定範囲外となっており、かつ、蓄電装置用変換装置が行う前記直流配電線の電圧を前記所定範囲から外れた他の所定範囲に維持する電力制御においても、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲外となっているか否かを判定するステップと、
    その判定結果が肯定的である場合に、前記直流配電線の電圧が前記他の所定範囲内に収まるように、Pdcp総計値又はPdcn総計値を削減するステップと、を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
    Pdcp総計値:直流配電線における過剰電力
    Pdcn総計値:直流配電線における不足電力
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