JP2021083301A - 計算装置、計算方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】次区間の開始時に、蓄電装置に対して、次区間以降に生じる電力の過不足分を吸収するべき余力を確保する。【解決手段】電力系統1と連系し、蓄電装置15を備えたグリッドS1のエネルギーの利用効率を最適化する計算装置20であって、前記蓄電装置15の予測対象区間の最終充電状態の範囲を、次区間以降の電力の需給予測に基づいて決定し、前記予測対象区間の前記最適化計算にて、区間の最終充電状態が前記範囲と合致しているか否かを評価する。【選択図】図12

Description

本発明は、グリッドのエネルギーの利用効率を最適化する技術に関する。
化石燃料に対する依存の低減や環境問題の観点から、太陽光発電(PV:Photovoltaic)システムに代表される分散型電源の導入が進められている。PVシステムは太陽光発電パネルで発電された電力を、電力制御装置のインバータ回路を用いて、直流から交流に変換して出力している。
下記特許文献1には、電力貯蔵型太陽光発電システムにおいて、分散型電源の発電電力と電力貯蔵手段からの電力の両方の出力時に、受電電力検出手段によって検出された受電電力が所定の電力を下回らないように、第2の電力変換手段を制御する技術を開示している。これにより、電力貯蔵手段からの電力が電力系統に逆潮流することを防いでいる。
特許第4765162号公報
蓄電装置を備えたグリッドは、蓄電装置に十分な余力がある場合、電力の過不足分を充放電により吸収して補うことができる。余力とは、電力の余剰分を充電して蓄える場合、充電できる容量の空きである。電力の不足分を放電により補う場合、放電できる容量である。
グリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算を行う場合、当該区間の電力の需給予測だけで蓄電装置の充電状態を決定すると、次区間の開始時に、次区間以降で生じる電力の過不足分を吸収するべき余力を、蓄電装置に確保できない場合がある。
電力系統と連系し、蓄電装置を備えたグリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算装置であって、前記蓄電装置の予測対象区間の最終充電状態の範囲を、次区間以降の電力の需給予測に基づいて決定し、前記予測対象区間の前記最適化計算にて、区間の最終充電状態が前記範囲と合致しているか否かを評価する。
上記態様は、電力系統と連系し、蓄電装置を備えたグリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算方法に適用することが出来る。最適化計算を行うプログラムに適用することが出来る。
次区間の開始時において、蓄電装置に対して、次区間以降に生じる電力の過不足分を吸収するべき余力を確保することが出来る。
マイクログリッドのブロック図 マイクログリッドのブロック図 日射量と発電電力の相関特性を示すグラフ 発電電力の予測値と消費電力の予測値の推移を示すグラフ マイクログリッドの簡易的なブロック図 蓄電池の充電状態の推移を示すグラフ 蓄電池の充電状態の推移を示すグラフ 受電電力の候補数を示す図 受電電力の候補数を示す図 予測対象期間の分割例を示す図 各区間の電力の需給量を示すグラフ 算出処理のフローチャート 図10の一部を拡大した図 マイクログリッドのブロック図
電力系統と連系し、蓄電装置を備えたグリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算装置は、前記蓄電装置の予測対象区間の最終充電状態の範囲を、次区間以降の電力の需給予測に基づいて決定し、前記予測対象区間の前記最適化計算にて、区間の最終充電状態が前記範囲と合致しているか否かを評価する。
この構成では、区間の最終充電状態の範囲が、次区間以降の電力の需給予測に基づいて決定される。区間の最終充電状態は、次区間の開始充電状態であることから、区間の最終充電状態が、決定した範囲と合致するようにすることで、次区間の開始時に、蓄電装置に対して、次区間以降に生じる電力の過不足分を吸収するべき余力を確保することが出来る。
前記次区間以降の電力の需給予測に基づいて、前記次区間以降において電力の供給が需要を上回る第1期間の余剰電力量を算出し、前記区間の最終充電状態の上限値を、前記蓄電装置の使用範囲上限に対して、前記余剰電力量に相当する数値をマイナスした値に決定してもよい。この構成では、次区間の開始時点において、グリッドの余剰電力を充電する余力(容量の空き)を、蓄電装置に確保することが出来る。そのため、エネルギーのロスを抑えることが出来る。
前記次区間以降の電力の需給予測に基づいて、前記第1期間の最小余剰電力量を算出し、前記区間の最終充電状態の上限値を、前記蓄電装置の使用範囲上限に対して、前記最小余剰電力量に相当する数値をマイナスした値に決定してもよい。この構成では、次区間の開始時点において、少なくとも最小余剰電力量を充電する余力(容量の空き)を、蓄電装置に確保することが出来る。
前記次区間の開始から前記第1期間までの第2期間を対象として、電力の供給が需要を下回って電力が不足する不足電力量を算出し、前記区間の最終充電状態の下限値を、前記蓄電装置の使用範囲下限に対して、前記不足電力量に相当する数値をプラスした値に決定してもよい。この構成では、次区間の開始時点において、グリッドの不足電力を放電する余力を、蓄電装置に確保することが出来る。そのため、エネルギーを効率的に使用することが出来る。
前記次区間以降の電力の需給予測に基づいて、前記第2期間の最大不足電力量を算出し、前記区間の最終充電状態の下限値を、前記蓄電装置の使用範囲下限に対して、前記最大不足電力量に相当する数値をプラスした値に決定してもよい。この構成では、次区間の開始時点において、最大不足電力量を放電する余力を蓄電装置に確保することが出来る。
<実施形態1>
1.マイクログリッドS1の説明
マイクログリッドSは、電力系統1に連系する小規模電力系統であり、分散型電源、蓄電装置、負荷を少なくとも備える。電力系統1は、電力事業者のものでもよいし、大型パワーコンディショナの自立運転出力で成り立っている独立した電力系統でもよい。
図1は、マイクログリッドS1のブロック図である。マイクログリッドS1は、分散型電源である太陽光発電パネル10と、蓄電装置である蓄電池15と、電力制御装置であるパワーコンディショナ20と、負荷Lから構成されている。
パワーコンディショナ20は、第1コンバータ回路21と、第2コンバータ回路23と、DCリンク部25と、双方向インバータ回路31と、リレー37と、制御装置50と、直流電圧検出部27と、出力電流検出部33と、出力電圧検出部35と、を備えている。
第1コンバータ回路21には、太陽光発電パネル10が接続されている。第1コンバータ回路21は、DC/DCコンバータであり、太陽光発電パネル10の出力電圧(直流)を昇圧して出力する。第1コンバータ回路21はチョッパでもよい。
第2コンバータ回路23には、蓄電池15が接続されている。蓄電池15は、例えば、二次電池である。第2コンバータ回路23は、蓄電池15の放電と充電を行う双方向のDC/DCコンバータである。第2コンバータ回路23は双方向チョッパでもよい。
太陽光発電パネル10と蓄電池15は、第1コンバータ回路21と第2コンバータ回路23を介して、DCリンク部25に対して並列に接続されている。
DCリンク部25は、コンバータ回路の接続点24と双方向インバータ回路31の間に位置している。DCリンク部25には、電解コンデンサC1が設けられている。電解コンデンサC1は、DCリンク部25の電圧Vdcを安定させるために設けられている。
直流電圧検出部27は、DCリンク部25の電圧Vdcを検出する。直流電圧検出部27により検出されたDCリンク部25の電圧Vdcは、制御装置50に対して入力される。
双方向インバータ回路31は、DCをACに変換する逆変換(インバータ)と、ACをDCに変換する順変換(コンバータ)を選択的に行う、双方向の変換回路である。双方向インバータ回路31は、DCリンク部25に接続されており、逆変換動作時には、DCリンク部25より入力される直流電力を交流電力に変換して出力する。詳細には、双方向インバータ回路31には、太陽光発電パネル10の発電によりDCリンク部25において基準値より増加した電圧分に相当する電力が入力される。従って、基準値より増加した電圧分に相当する電力が、直流から交流に変換され、双方向インバータ回路31から出力される。
蓄電池15は、第2コンバータ回路23を介して、太陽光発電パネル10の余剰電力を蓄電することが出来る。蓄電池15は、太陽光発電パネル10の発電電力が不足している場合、第2コンバータ回路23を介して、放電して発電電力の不足を補うことが出来る。
双方向インバータ回路31は、リレー37を介して、系統電源2を交流電源とする電力系統1に接続されている。
リレー37は、電力系統1との連系用として設置されている。リレー37を閉じることで、マイクログリッドS1を電力系統1に連系させることが出来る。
出力電流検出部33は、双方向インバータ回路31の出力電流Iinvを検出する。出力電圧検出部35は、双方向インバータ回路31の出力側に位置しており、双方向インバータ回路31の出力電圧Vinvを検出する。
出力電流検出部33により検出された双方向インバータ回路31の出力電流Iinvと、出力電圧検出部35により検出された双方向インバータ回路31の出力電圧Vinvは、制御装置50に対して入力される。制御装置50は、双方向インバータ回路31の出力電流Iinvと出力電圧Vinvとに基づいて、双方向インバータ回路31の出力電力(有効電力)Pinvを算出する。出力電力Pinvは、逆変換時を「正」とし、順変換時を「負」とする。
双方向インバータ回路31と電力系統1とを接続する電力線(幹線)5には、分岐線4を介して、需要設備である負荷Lが接続されている。負荷Lに対して、パワーコンディショナ20と電力系統1の双方から電力を供給することが出来る。
受電点3は、電力系統1による電力の供給地点であり、図1に示すように、電力系統1と構内(マイクログリッドS1)との境界部分である。
電力系統1には、受電点3の電力検出用の計器として、外部トランスデューサ等の外部計測器40が設けられている。
外部計測器40は、受電電流検出部41と、系統電圧検出部43とを有している。外部計測器40は受電点3に対応して設置されており、受電電流検出部41は、受電点3の受電電流を検出する。系統電圧検出部43は電力系統1の系統電圧を検出する。
外部計測器40は、受電電流と系統電圧とに基づいて、受電電力(有効電力)PRCVを算出する。外部計測器40により検出された受電電力PRCVは、制御装置50に対して入力される。受電電力PRCVは、電力潮流(以下、単に潮流とする)の状態判定に使用することが出来る。外部計測器40は、受電点3の受電電力PRCVを計測する計測器である。
受電電力PRCVは、順潮流(図1:電力系統1からマイクログリッドS1に向かう電気の潮流)を「正」とし、逆潮流(図2:マイクログリッドS1から電力系統1に向かう電気の潮流)を「負」とする。
制御装置50は、CPU51とメモリ53を有する。メモリ53には、マイクログリッドS1の電力の需給予測を行うプログラムや、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率を最適化する最適化計算を実行するプログラムが記憶されている。制御装置50は、本発明の「計算装置」の一例である。
制御装置50は、双方向インバータ回路31に指令を与えることで、順変換動作、逆変換動作の切り換えを制御できる。双方向インバータ回路31の出力、つまり出力電力Pinvを制御できる。出力電力Pinvは、出力電流Iinvの調整により制御できる。
制御装置50は、第1コンバータ回路21の入り切りにより、DCリンク部25に対する太陽光発電パネル10の接続/非接続を制御できる。第2コンバータ回路23の入り切りにより、DCリンク部25に対する蓄電池15の接続/非接続を制御できる。制御装置50は、第2コンバータ回路23を介して、蓄電池15の充電と放電の切り換え制御できる。第2コンバータ回路23を介して、蓄電池15の充電電流と放電電流を制御できる。
2.マイクログリッドS1の発電予測と負荷予測
制御装置50は、太陽光発電パネル10の発電電力[kW]と、負荷Lの消費電力[kW]とを予測する。
太陽光発電パネル10の発電電力PPVは、図3に示すように、日射量Xと相関性がある。発電電力PPVの予測値は、ネットワークNWを介して、予測データ提供所70から入手することが出来る。予測データ提供所70は、パワーコンディショナ20のサプライヤによる提供所でもいいし、発電事業者の提供所でもよい。太陽光発電パネル10の発電電力PPVは、双方向インバータ回路31により交流に変換される。変換効率ηは、直流DCを交流ACに変換する時のインバータ回路31の変換効率である。
負荷Lの消費電力PLOADは、過去のデータから予測することができる。例えば、数日間の消費電力PLOADのデータを統計的に処理することで翌日の消費電力を予測することが出来る。
負荷Lの消費電力PLOADは、受電点3の受電電力PRCVと双方向インバータ回路31の出力電力Pinvとから求めることが出来る。順潮流(PRCV>0)の場合、負荷Lの消費電力PLOADは出力電力Pinvと受電電力PRCVの合計である。逆潮流(PRCV<0)の場合、負荷Lの消費電力PLOADは出力電力Pinvと受電電力PRCVの差である。
PLOAD=Pinv+PRCV (A)
図4は、マイクログリッドS1の発電予測と負荷予測の結果を示すグラフである。破線は、マイクログリッドS1の発電電力の予測値であり、実線はマイクログリッドS1の消費電力の予測値である。この例では、予測対象期間Tを1日として、発電予測と負荷予測を1時間ごとに行っており、予測値は、1時間ごとに値が変化するステップ状の波形である。マイクログリッドS1の発電予測と負荷予測は、制御装置50で行ってもよいし、別の装置で予測したデータを入手してもよい。
3.マイクログリッドのエネルギー効率を最適化する最適化計算
図5は、マイクログリッドS1の簡易的なブロック図である。
制御装置50は、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率を最適化する最適化計算を行う。最適化計算は、発電予測と負荷予測(図4)に基づいて、数式1の目的関数Fを最小とする受電電力PRCVの目標値(以下、受電電力の目標値PRCVref)の最適値を求めるものである。
数式1は、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率を評価するための目的関数である。
Figure 2021083301
目的関数Fの第1項と第2項は、蓄電池15の使用制限期間を評価する項である。第3項と第4項は、マイクログリッドS1の電気料金を評価する項である。
使用制限期間には、充電制限期間TMAXと放電制限期間TMINの2つの期間がある。充電制限期間TMAXは、充電が制限される期間であり、例えば、蓄電池15のSOCが使用範囲上限(満充電の場合)に位置する場合である。放電制限期間TMINは、放電が制限される期間であり、例えば、蓄電池15のSOCが使用範囲下限に位置する場合である。
この例では、k1>k2>k3>k4であり、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率の評価において、蓄電池15の使用制限期間の評価が優先される。k1=k2、k3=k4でもよい。
受電電力目標値PRCVrefを最適化する演算を行うにあたり、制約条件として、受電電力目標値PRCVrefの上限及び下限(数式2)と、蓄電池15の出力電力[kW]の上限及び下限(数式3)の2つの条件がある。
Figure 2021083301
Figure 2021083301
Figure 2021083301
SOC(State Of Charge)は蓄電池15の定格容量に対する充電量の比率である。SOCは、蓄電池15の「充電状態」の一例である。目的関数Fを計算するには蓄電池15のSOCの推定が必要である。以下に、蓄電池15のSOCと、受電電力PRCVtの推定値のシミュレート方法を説明する。
時間断面tにおける充電制限期間TMAXと放電制限期間TMINの算出方法について説明する。
<STEP1>
数式4と数式5から、時間断面tにおける蓄電池15の暫定出力電力予測値PBATtmptを算出する。
Figure 2021083301
Figure 2021083301
<STEP2>
数式6〜数式9より、時間断面tにおける蓄電池15の暫定充電状態予測値SOCtmp tを算出する。
(a)t=0の場合
Figure 2021083301
Figure 2021083301
(b)t≠0の場合
Figure 2021083301
Figure 2021083301
<STEP3>
時間断面tにおける上下限逸脱有無または上下限合致有無を判定し、蓄電池15の充電状態予測値SOCt、蓄電池の出力電力PBATt、充電制限期間TMAX、放電制限期間TMINを決定する。
(a)SOCtmpt≧SOCMAXの場合
Figure 2021083301
Figure 2021083301
(b)SOCtmpt≦SOCMINの場合
Figure 2021083301
Figure 2021083301
(c)SOCMIN<SOCtmpt<SOCMAXの場合
Figure 2021083301
Figure 2021083301
次に、数式16、17より、蓄電池15の充電量予測値WhBATtの初期値(t=0の場合)を求めることが出来る。
Figure 2021083301
Figure 2021083301
次に、数式18より各時間断面(t≠0の場合)について、蓄電池15の充電量予測値WhBATtを求めることが出来る。数式19より、蓄電池15のSOCの予測値SOCtを求めることが出来る。
Figure 2021083301
Figure 2021083301
時間断面tにおける受電電力予測値PRCVは、数式20、21より、算出することが出来る。
Figure 2021083301
Figure 2021083301
予測対象期間Tにおける受電電力ピーク予測値PPEAKは、数式22より、算出することが出来る。
Figure 2021083301
Figure 2021083301
数式4〜19より、発電電力予測値PPVt×ηと負荷Lの消費電力予測値PLOADtに対して、受電電力目標値PRCVreftが決まれば、蓄電池15のSOCtを推定することができる。
制御装置50は、各時間断面tにおいて、受電電力目標値PRCVreftを変数として、蓄電池15のSOCtを推定し、その結果から、目的関数Fの4つの項を計算する。
このような演算を、予測対象期間Tについて実行(予測対象期間Tが1日で、演算周期が1時間の場合、24サイクル分実行)する。そして、受電電力目標値PRCVreftの組み合わせのパターンについて、目的関数Fの値を比較することで、目的関数Fを最小とする受電電力目標値の組み合わせ、つまり、予測対象期間Tについて、各時間断面tの受電電力目標値PRCVreftを決定することが出来る。
図6、7は、横軸を時間[h]、左縦軸を電力[kW]、右縦軸をSOC[%]としたグラフである。Y1(太線)は受電電力[kW]の推移、Y2は発電電力[kW]の推移を示す。Y3は負荷の消費電力[kW]の推移、Y4は蓄電池の出力電力[kW]の推移、Y5(破線)は蓄電池15のSOC[%]の推移を示す。
図6は、受電電力目標値PRCVrefを経験則で決定した場合、図7は、受電電力目標値PRCVrefを目的関数Fに基づいて決定した場合である。
受電電力目標値PRCVrefを経験則で決めた場合(図6)、16時〜18時の時間帯において、蓄電池15のSOCが100[%]付近を維持している。そのため、16時〜18時の時間帯、蓄電池15は、充電の受け入れを制限する必要がある。
受電電力目標値PRCVrefを目的関数Fに基づいて決定した場合(図7)、蓄電池15のSOCは、SOC上限線Lim1(SOCMAX=100[%])と、SOC下限線Lim2(SOCMIN=10[%])に対して、余裕を持って推移しており、常に充電と放電の双方が可能な状態である。つまり、受電電力目標値PRCVrefを、経験則から決めた場合と比較すると、16時〜18時の時間帯(A部)について、SOCが低く抑えられており、この時間帯の充電が制限されない点が改善されている。
4.マイクログリッドの電力制御
制御装置50は、マイクログリッドS1の受電電力PRCVが、目的関数Fを用いて算出した受電電力目標値PRCVrefに追従するように、マイクログリッドS1の電力制御を行う。
例えば、受電点3は順潮流、インバータ回路31は逆変換動作時において、受電電力PRCVの計測値が受電電力目標値PRCVrefより低い場合、蓄電池15の出力電力を絞ることにより、受電電力PRCVの計測値と受電電力目標値PRCVrefとの差を小さくする。受電電力PRCVの計測値が受電電力目標値PRCVrefより高い場合、蓄電池15の出力電力を増加することにより、受電電力PRCVの計測値と受電電力目標値PRCVrefとの差を小さくする。
以上のように、受電電力PRCVの計測値と目標値との差に応じて、蓄電池15の出力調整を行うことにより、マイクログリッドS1の受電電力PRCVを、目的関数Fを用いた算出した受電電力目標値PRCVrefに追従させることが出来る。
5.計算負荷の低減手法
受電電力目標値PRCVrefの最適値を決定するには、予測対象期間Tの各時間断面tのそれぞれについて、受電電力目標値PRCVrefの候補数分だけ、蓄電池15のSOCなどを推定し、目的関数Fの各項を計算する必要がある。例えば、予測対象期間Tが1日で、時間断面数が24の場合、受電電力目標値PRCVrefを0〜10[kW]の範囲で、1[kW]刻みで変化させた場合、受電電力目標値PRCVrefの総候補数は、1124=9.85×1024個であり、総候補数に比例して、計算負荷は大きくなる。
以下の2つの方法を用いることで、最適化計算の計算負荷を小さくすることが出来る。
(A)受電電力目標値の変化幅の制約
(B)予測対象期間Tの分割
(A)について説明する。
受電電力PRCVの変化は、電力系統1の電力品質に影響を及ぼす可能性があるため、変化幅は極力小さいほうが望ましい。そこで、数式23に示すように、時間断面t当たりの受電電力目標値PRCVrefの変化幅に、制約を設ける。
Figure 2021083301
図8A、図8Bは、受電電力目標値PRCVreftの候補の組み合わせを示す図である。図8Aは受電電力目標値PRCVrefの変化幅に制約を設けない場合であり、図8Bは、受電電力目標値PRCVrefの変化幅の最大値を±2[kW]とした場合である。
時間断面t当たりの受電電力目標値PRCVrefの候補数は、受電電力目標値PRCVrefの変化幅に制約を設けない場合(図8Aの場合)、「11」である。一方、受電電力目標値PRCVrefの変化幅の最大値を±2[kW]とした場合(図8Bの場合)、「5」である。
このように受電電力目標値PRCVrefの変化幅に制約を設けることで、時間断面t当たりの受電電力目標値PRCVrefの候補数を削減することが出来、計算負荷を大幅に削減することが出来る。電力系統1への影響を小さくすることが出来、電気の品質維持が可能となる。
(B)について説明する。
B1.区間の分割
予測対象期間Tを複数の区間ΔTに分割する。そして、分割した各区間ΔTを、1つの予測対象期間として、制御装置50にて、マイクログリッドS1のエネルギー効率を最適化する最適化計算を行う。つまり、目的関数Fを用いて各時間断面tの受電電力目標値PRCVrefの最適値を決定する。
例えば、予測対象期間Tが1日の場合、図9に示すように、ΔT1〜ΔT4の4つの区間ΔTに分割する。そして、各区間ΔTを1つ予測対象期間として、制御装置50にて、目的関数Fを用いて、受電電力目標値PRCVrefの最適値を求める。
この場合、全予測対象期間Tの受電電力目標値PRCVrefは、最適値として決定された各区間ΔTの各時間断面tの受電電力目標値PRCVrefを、時系列に従って繋ぎ合わせたものとなる。
予測対象区間Tの分割により、全予測対象期間Tの受電電力目標値PRCVrefを、複数回に分けて計算することになる。そのため、1回当たりの受電電力目標値PRCVrefの候補の組み合わせが減少するため、計算負荷を大幅に削減することが出来る。
予測対象期間Tの分割数Nは、3分割など4以外でも勿論よい。各区分ΔTの時間断面数は、同じでもいいし、同じでなくてもよい。各区間ΔTは発電予測、負荷予測の周期よりも長くすることが好ましい。図9の例では、ΔT=6時間、発電予測、負荷予測の周期=1時間である。
B2.次区間開始時の蓄電池の余力確保
図10は、予測対象区間Tについて、電力の需給予測を示すグラフである。電力の需給予測は、太陽光発電パネル10の発電電力の予測値と、負荷Lの消費電力の予測値と、電力系統1からの受電電力目標値とから行うことが出来る。図10のY1は、受電電力目標値(最小)、Y2は発電電力予測値、Y3は消費電力の予測値を示している。
予測対象区間Tを分割して区間ΔTごとに最適化計算を行う場合、その区間ΔTn内の需給予測だけを考慮して計算を行うと、次区間ΔTn+1の開始時に、次区間ΔTn+1で電力の過不足分を吸収するべき余力を、蓄電池15に確保できない場合がある。そのため、当該区間ΔTnの最終時点で、次区間ΔTn+1の電力の需給予測を見越して、蓄電池15の余力をどのように確保べきか、課題がある。余力とは、電力の余剰分を充電して蓄える場合、充電できる容量の空きである。電力の不足分を放電により補う場合、放電できる容量である。
上記課題を解決するため、パワーコンディショナ20の制御装置50は、区間ΔTnの蓄電池15の最終SOCの範囲を、次区間ΔTn+1の電力の需給予測に基づいて算出する。
区間ΔTnの最終SOC=次区間ΔTn+1の開始SOCであることから、当該区間ΔTnの蓄電池15の最終SOCを算出した範囲と合致させることで、区間ΔTn+1の開始時点で、蓄電池15の余力を確保することが出来る。つまり、蓄電池15を、使用範囲上限SOCMAX及び使用範囲下限SOCMINに対して、余裕をもって運用することが可能となり、電力の過不足分を充放電により吸収して補うことができる。図11は、SOCの範囲を算出する算出処理のフローチャートである。
(S10)最終SOCの上限値SOCUPPERの算出
制御装置50は、区間ΔTnの蓄電池15の最終SOCの上限値SOCUPPERを、次区間ΔTn+1の余剰電力量WCから算出する。
余剰電力量WCは、次の区間ΔTn+1において、分散型電源である太陽光発電パネル10の発電電力予測値PPVtと負荷Lの消費電力予測値PLOADtの差が連続して正となる第1期間(図10のA1)について、余剰電力を積算した値である。
余剰電力は、発電電力PPVに対して、消費電力PLOADと受電電力PRCVの差を、加えた値である。余剰電力は、電力系統1から供給される受電電力PRCVの大きさに依存しており、受電電力PRCVが小さいほど、小さい。
蓄電池15が、少なくとも最小余剰電力量WCを充電できる余力がないと、エネルギーのロスが発生する。そのため、この例では、発電電力予測値PPVtと、消費電力予測値PLOADtと、最小受電電力目標値PRCVrefmin tに基づいて、次区間ΔTn+1の最小余剰電力量WCを算出する。
次区間ΔTn+1の最小受電電力目標値PRCVrefmin tは、区間ΔTnの最終受電電力予測値PRCV tendから、時間断面ごとに、(A)で設定した変化幅の最大分を減じることで求めることが出来る。
余剰電力量WCは、ΔTn+1とΔTn+2など、複数の区間に跨って算出してもよい(一例として、6〜8時間分あってもよい)。
第1期間A1の余剰電力量WCを充電できる空き容量を確保できるように、蓄電池15の使用範囲上限SOCMAXから余剰電力量WCに相当するSOCを減算した値が、区間ΔTnの蓄電池15の最終SOCの上限値SOCUPPERである。余剰電力量WCは、最小値でもいいし、それ以外でもよい。
図12において、「Lim1」は使用範囲上限SOCMAXを示し、「Lim3」は最終SOCの上限値SOCUPPERを示す。「Y5」は、蓄電池15のSOCである。使用範囲上限SOCMAXは、SOCの充電側の限界値(それ以上、充電できない値)である。
Figure 2021083301
マイクログリッドS1は、電力の需給バランスにより、電力が余剰となる場合だけでなく、不足する場合がある。蓄電池15の最終SOCが使用範囲下限SOCMIN近傍であった場合、次区間において、区間開始から電力が供給過多となる時間断面tcrossまでの放電に対応できない場合がある。そのため、制御装置50は、放電できる余力を残せるように最終SOCの下限値SOCLOWERを算出する。
(S20)最終SOCの下限値SOCLOWERの算出
区間ΔTnの蓄電池15の最終SOCの下限値SOCLOWERは、次区間ΔTn+1の開始から第1期間A2まで(供給過多となる時間断面tcrossまで)の第2期間A2を対象として、不足電力量WDを算出する。不足電力量WDは、上記の第2期間A2について、不足電力を積算した値である。
不足電力は、消費電力PLOADから発電電力PPVと受電電力PRCVを引いた値である。不足電力は、電力系統から供給される受電電力PRCVの大きさに依存しており、受電電力PRCVが小さいほど、大きい。
蓄電池15が最大不足電力量WDを放電できる余力が有れば、最小受電電力を維持することができ、エネルギーの利用効率が高い。そのため、この例では、発電電力予測値PPVtと、負荷Lの消費電力予測値PLOADtと、最小受電電力目標値PRCVrefmintに基づいて、次区間ΔTn+1の第2期間A2を対象として、最大不足電力WDを算出する。
蓄電池15の放電量が、不足電力量WDを超過すると逆潮流が発生することから、蓄電池15から系統に逆潮流してしまうことになるため、不足電力量WDを超過することは許容できない。
不足電力量WDを放電できる容量を確保できるように、蓄電池15の使用範囲下限SOCMINに、不足電力量WDに相当するSOCを加算した値が、区間ΔTnの最終SOCの下限値SOCLOWERである。不足電力量WDは、最大値でもいいし、それ以外でもよい。図12において、「Lim2」は、使用範囲下限SOCMINを示し、「Lim4」は最終SOCの下限値SOCLOWERを示す。Y5は、蓄電池15のSOCである。使用範囲下限SOCMINは、SOCの放電側の限界値(それ以上、放電できない値)である。
Figure 2021083301
(S30)逸脱時のペナルティ
以上により、区間ΔTnにおける蓄電池15の最終SOCについて、SOCLOWERを下限、SOCUPPERを上限とする範囲Z(図12参照)を求めることが出来る。
蓄電池15の最終SOCが、範囲Zから逸脱する場合、つまり合致しない場合は、ペナルティとして演算する。逸脱していない場合、つまり合致する場合は、ペナルティ無しとする。
Figure 2021083301
27式は、目的関数Fに対して、ぺナルティの評価項を4項目に追加した目的関数Eである。区間ΔTを1つ予測対象期間として、目的関数Eを用いて、受電電力目標値PRCVrefの最適値を演算する。
そして、各区間ΔTnについて、最適化計算を行う場合、区間ΔTnの蓄電池15の最終SOCを、次の分割区間ΔTn+1の蓄電池15の初期SOCINIとし、S10からS30のステップを、区間数だけ繰り返し実施する。そして、全区間完了にて、予測対象期間Tについて、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率を最適化する受電電力目標値PRCVrefの最適解を得ることができる。
目的関数Eにペナルティの評価項を加えることで、ペナルティの無い又は小さい解が最適解として得られるので、区間ΔTnの最終SOCが範囲Zと合致しないことを抑制することが出来る。
Figure 2021083301
ペナルティの重みを決める係数k5、k6と他の係数との大小関係は、k1>k2>k3>k4>k5>k6でもよい。k5>k6>k1>k2>k3>k4でもよい。2つの係数の大小関係は、k5>k6でもいいし、k5<k6でもよい。
6.効果
蓄電池15は、マイクログリッドS1の余剰電力を充電し、電力の不足時に放電することで、電力の不足を補う。蓄電池15の使用が制限される場合、余剰電力を貯めることが出来ずエネルギーのロスになることから、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率は低下する。
この構成では、目的関数Eや目的関数Fに基づいて、受電電力目標値PRCVreftの最適値を求めることで、蓄電池15の使用制限期間を最小とすることが出来る。そのため、蓄電池15の利用効率の観点から、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率を最適化することが出来る。
この構成では、予測対象期間Tを複数の区間ΔTに分割して、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率を最適化する最適化計算を行う。そのため、計算負荷を低減することが出来、最適解を算出するための時間を短縮できる。
この構成では、区間ΔTnの最終SOCの範囲Zが、次区間ΔTn+1以降の電力の需給予測に基づいて決定される。区間ΔTの最終SOCは、次区間ΔTn+1の開始SOCであることから、区間ΔTnの最終SOCを範囲Zと合致するようにすることで、次区間ΔTn+1の開始時に、次区間ΔTn+1以降の電力の過不足分を吸収するべき余力を、蓄電池15に確保することが出来る。
この構成では、次区間ΔTn+1以降の電力の需給予測に基づいて、電力の供給が需要を上回る第1期間A1の余剰電力量WCを算出する。そして、蓄電池15の当該区間ΔTnの最終SOCの上限値SOCUPPERを、使用範囲上限SOCMAXに対して、余剰電力量WCに相当するSOCをマイナスした値に決定する。この構成では、次区間ΔTn+1の開始時点において、マイクログリッドS1の余剰電力を充電する余力を、蓄電池15に確保することが出来る。そのため、エネルギーのロスを抑えることが出来る。
この構成では、次区間ΔTn+1の開始から第1期間A1までの第2期間A2を対象として、不足電力量WDを算出する。そして、蓄電池15の当該区間ΔTnの最終SOCの下限値SOCLOWERを、使用範囲下限SOCMINに対して、前記不足電力量WDに相当するSOCをプラスした値に決定する。この構成では、次区間ΔTn+1の開始時点において、マイクログリッドS1の不足電力を放電する余力を、蓄電池15に確保することが出来る。そのため、エネルギーを効率的に使用することが出来る。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、マイクログリッドS1の一例として、ライン状の電力線(幹線)5を持つグリッドを示したが、サークル状の電力線(幹線)をもつグリッドでもよい。図13に示す、マイクログリッドS2は、サークル状をした電力線100を有している。電力線100には、太陽光発電パネル110と風力発電機120が電力変換器115、125を介して接続されている。電力線100には、負荷130と、蓄電池140がそれぞれ接続されている。マイクログリッドS2の電力線100は、連系線105を介して、電力系統1に接続されている。
マイクログリッドS2は、制御装置150を有している。制御装置150は、予測対象期間Tを複数の区間に分割して、マイクログリッドS2のエネルギーの利用効率を最適化する最適化計算を行い、受電電力目標値PRCVrefの最適解を算出する。制御装置150は、受電点3の受電電力が、算出した受電電力目標値PRCVrefに追従するように、マイクログリッドS2の電力制御を行う。具体的には、受電点3に設けられた計器160の出力に基づいて、受電点3の受電電力PRCVをモニタする。そして、制御装置150は、受電電力目標値PRCVrefに対して差がある場合、電力変換器145を介して、蓄電池140を充電又は放電することにより、その差を小さくする。このようにすることで、受電電力PRCVを、算出した目標値PRCVrefに追従させることができ、マイクログリッドS2のエネルギーの利用効率を最適化することが出来る。制御装置150は、本発明の「計算装置」の一例である。
尚、分散型電源は、需要地に隣接して分散配置される小規模な発電設備全般の総称である。分散型電源は、太陽光発電パネル10や風力発電機120以外に、例えば、バイオマス発電装置などでもよい。分散型電源は、再生可能エネルギーを利用した電源でもいいし、化石燃料を利用した電源でもいい。
(2)実施形態1では、受電電力目標値を変数として、マイクログリッドS1のエネルギーの利用効率を最適化する計算を行った。蓄電池15のSOCを変数として、マイクログリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算を行ってもよい。本技術は、マイクログリッド(小規模電力系統)に限らず、別の電力系統と連係し、蓄電装置を備えたグリッド(電力系統)であれば、適用することが出来る。実施形態1では、蓄電装置として蓄電池15を例示したが、蓄電装置はキャパシタなどでもよい。
(3)実施形態1では、目的関数Fを、第1項から第4項の4つの項から構成し、それら4つの項に重み係数k1〜k4を乗じて加算する関数とした。実施形態1では、重み係数の大小関係を、k1>k2>k3>k4としたが、k3>k4>k1>k2でもよい。重み係数の大小関係を逆転させることで、マイクログリッドの電気料金を優先して評価することが出来るので、電気料金の観点から、マイクログリッドのエネルギーの利用効率を最適化することが出来る。目的関数Fは、蓄電池15の使用制限期間を評価する第1項と第2項だけでもいいし、マイクログリッドの電気料金を評価する第3項、第4項だけでもいい。目的関数Fは、マイクログリッドのエネルギーの利用効率を最適化する関数であれば、それ以外の関数でもよい。目的関数Eについても同様である。
(4)実施形態1では、マイクログリッドのエネルギーの利用効率を最適化する最適化計算を、パワーコンディショナ20の制御装置51で行った。計算主体は、パワーコンディショナ20に限らず、パワーコンディショナ20とは別に設けられた演算装置でもよい。
(5)実施形態1では、マイクログリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算を、目的関数E,Fを利用した計算例を示したが、例えば、AIを利用して算出してもよい。
(6)実施形態1では、区間ΔTnの最終SOCの上限値SOCUPPERと下限値SOCLOWERを求めた。例えば、次区間ΔTn+1において、第1期間A1以前に、電力が不足する第2期間A2が存在していない場合、第1期間A1の余剰電力量WCに基づいて最終SOCの上限値SOCUPPERを求め、最終SOCの下限値は使用範囲下限SOCMINとしてもよい。反対に、次区間ΔTn+1において、電力の不足する期間だけが存在している場合、不足電力量WDに基づいて最終SOCの下限値SOCLOWERを求め、最終SOCの上限値は使用範囲上限SOCMAXとしてもよい。
(7)実施形態1では、マイクログリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算において、蓄電池15のSOC[%]を評価した。SOC[%]に代えて、蓄電池15の残存容量[Ah]を評価してもよい。つまり、蓄電池15の予測対象区間ΔTnの最終残存容量の範囲を、次区間以降の電力の需給予測に基づいて決定し、予測対象区間ΔTnの最適化計算にて、区間ΔTnの最終残存容量が、決定した範囲と合致しているか否かを評価してもよい。SOC及び残存容量は、蓄電池の「充電状態」の一例である。
(8)実施形態1では、最適化計算の負荷を低減するため、予測対象期間Tを複数の区間に分割した。本技術は、予測対象期間を分割する、分割しないに限らず、任意の予測対象区間について、最適化計算を行う場合には、適用することが出来る。
1 電力系統
2 系統電源
3 受電点
10 太陽光発電パネル(本発明の「分散型電源」の一例)
15 蓄電装置
20 パワーコンディショナ(本発明の「計算装置」の一例)
21 第1コンバータ回路
23 第2コンバータ回路
31 インバータ回路
40 外部計測器
50 制御装置
S1、S2 マイクログリッド

Claims (6)

  1. 電力系統と連系し、蓄電装置を備えたグリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算装置であって、
    前記蓄電装置の予測対象区間の最終充電状態の範囲を、次区間以降の電力の需給予測に基づいて決定し、前記予測対象区間の前記最適化計算にて、区間の最終充電状態が前記範囲と合致しているか否かを評価する、計算装置。
  2. 請求項1に記載の計算装置であって、
    前記次区間以降の電力の需給予測に基づいて、前記次区間以降において電力の供給が需要を上回る第1期間の余剰電力量を算出し、
    前記区間の最終充電状態の上限値を、前記蓄電装置の使用範囲上限に対して、前記余剰電力量に相当する数値をマイナスした値に決定する計算装置。
  3. 請求項2に記載の計算装置であって、
    前記次区間以降の電力の需給予測に基づいて、前記第1期間の最小余剰電力量を算出し、
    前記区間の最終充電状態の上限値を、前記蓄電装置の使用範囲上限に対して、前記最小余剰電力量に相当する数値をマイナスした値に決定する計算装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の計算装置であって、
    前記次区間の開始から前記第1期間までの第2期間を対象として、電力の供給が需要を下回って電力が不足する不足電力量を算出し、
    前記区間の最終充電状態の下限値を、前記蓄電装置の使用範囲下限に対して、前記不足電力量に相当する数値をプラスした値に決定する計算装置。
  5. 請求項4に記載の計算装置であって、
    前記次区間以降の電力の需給予測に基づいて、前記第2期間の最大不足電力量を算出し、
    前記区間の最終充電状態の下限値を、前記蓄電装置の使用範囲下限に対して、前記最大不足電力量に相当する数値をプラスした値に決定する計算装置。
  6. 電力系統と連系し、蓄電装置を備えたグリッドのエネルギーの利用効率を最適化する計算方法であって、
    前記蓄電装置の予測対象区間の最終充電状態の範囲を、次区間以降の電力の需給予測に基づいて決定し、前記予測対象区間の前記最適化計算にて、区間の最終充電状態が前記範囲と合致しているか否かを評価する、計算方法。
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