JP2014135873A - 二次電池管理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池に、補機バッテリを充電するための電圧変換器が接続された場合であっても、補機バッテリの過放電等を招くこと無く、電流センサのオフセット補正を実行することが可能な二次電池管理装置を提供する。
【解決手段】二次電池管理装置は、モータジェネレータ14が停止したときに、DC−DCコンバータ22が稼働中であると、補機バッテリ26の劣化等の問題を生じることなく、DC−DCコンバータ22を停止させることが可能な状況であるかを判定する。そして、停止可能な状況と判定したときに、DC−DCコンバータ22の動作を停止させる。すると、二次電池16から、モータジェネレータ14や、DC−DCコンバータ22に電流が流れなくなるので、電流センサ18のオフセット補正のための補正値を精度良く算出することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池に流れる電流を検出する電流センサの検出値から、二次電池の残存容量(SOC:State Of Charge)を精度良く算出することが可能な二次電池管理装置に関する。
例えば、特許文献1には、二次電池用の電流センサ補正方法について開示されている。この特許文献1の電流センサ補正方法によれば、電動機の運転状態が、出力状態又は発電状態から停止状態へと切り換えられると、電流センサの補正処理が実行される。この電流センサの補正処理では、電流センサの出力が、電流が流れていないときの出力である検出基準値に一致するように、検出基準値を補正する。このようにして、電流オフセットによる電流検出誤差を低減し、検出電流に基づいて、二次電池の残存容量を精度良く算出できるようにしている。
特開2004−226154号公報
ここで、車両によっては、二次電池が、電動機によって充放電されるばかりでなく、他の負荷へ電源供給する場合もある。例えば、二次電池にDC−DCコンバータ(電圧変換器)が接続され、このDC−DCコンバータにより降圧された電圧が、補機バッテリの充電のために利用される場合がある。なお、補機バッテリは、エンジン冷却水を循環させる冷却水ポンプ、二次電池用の冷却ファン、ラジエータ用の冷却ファンなど様々なモータを有する機器を含む、車両に搭載された各種の電気機器の電源として用いられるものである。このような構成においては、二次電池からDC−DCコンバータへの通電は、電動機の運転状態が停止状態へと切り換えられたか否かによらず、実行される。
従って、二次電池に電動機以外の負荷であるDC−DCコンバータが接続された場合には、電動機が運転中から運転停止となったことを検出するだけでは、電流センサのオフセット補正を実行することは困難である。また、電動機の運転状態が停止状態となったときに、DC−DCコンバータを強制的に停止させ、電流センサに流れる電流をゼロにするようにすることにも問題がある。つまり、DC−DCコンバータは、補機バッテリを充電する役割を担っているため、無闇にその動作を停止させると、補機バッテリの過放電や、電圧低下による各種の電気機器の誤動作を招く虞がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、二次電池に、補機バッテリを充電するための電圧変換器が接続された場合であっても、補機バッテリの過放電等を招くこと無く、電流センサのオフセット補正を実行することが可能な二次電池管理装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明による二次電池管理装置は、
車両の走行駆動源として働く電動機の機能と、発電機の機能とを兼ね備えたモータジェネレータ(14)と、
モータジェネレータが電動機として機能する際に蓄えた電力を放電し、発電機として機能する際に充電される二次電池(16)と、
二次電池の放電又は充電によって、当該二次電池を流れる電流の電流値を検出する電流センサ(18)と、
車両に搭載された電気機器である補機系負荷(28,38)に対して電源を供給する補機バッテリ(26)と、
補機バッテリの充電のため、二次電池の電圧を降圧して補機バッテリに印加する電圧変換器(22)と、
モータジェネレータが停止したときに、電圧変換器の動作を停止させることが可能か否か判定する判定手段(24、S140,S150)と、
判定手段が電圧変換器の動作を停止させることが可能と判定した場合に、電圧変換器の動作を停止させて、二次電池を流れる電流をゼロとする動作停止手段(24、S170)と、
モータジェネレータが停止し、かつ動作停止手段が電圧変換器の動作を停止させ、二次電池を流れる電流がゼロであるときに、電流センサの出力値に基づいて、当該電流センサのオフセット補正値を算出するオフセット補正値算出手段(24,S180)と、
オフセット補正値により補正した電流センサの出力値を用いて、二次電池の残存容量を算出する残存容量算出手段(24)と、を備えることを特徴とする。
このように、本発明による二次電池管理装置は、モータジェネレータが停止したときに、電圧変換器の動作を停止させることが可能か否かを判定する判定手段を有している。そして、判定手段によって停止可能と判定されたときに、動作停止手段が、電圧変換器の動作を停止させる。換言すれば、補機バッテリの過放電等を招く虞が有る場合には、判定手段により停止可能とは判定されず、その場合電圧変換器の動作は停止されない。
そして、動作停止手段により電圧変換器の動作が停止されたときには、モータジェネレータも停止しているので、二次電池を流れる電流がゼロとなる。そのため、電流センサのオフセット補正のための補正値を精度良く算出することが可能となる。従って、このオフセット補正値により補正された電流センサの出力値から二次電池の残存容量を精度良く算出することができる。
なお、例えば、判定手段は、補機バッテリの残存容量が所定の閾値以上である場合に、電圧変換器の動作を停止させることが可能であると判定することができる。補機バッテリの残存容量が十分であれば、一時的に、電圧変換器による充電が停止されても、補機バッテリの過放電等を招く虞は生じないためである。
また、判定手段は、補機バッテリの残存容量が所定の閾値未満であっても、補機系負荷が動作を停止している場合には、電圧変換器の動作を停止させるようにすることも可能である。この場合、補機系負荷が停止しているので、補機バッテリからの放電量は十分に抑制され、補機バッテリの過放電等が生じる虞も小さいためである。
そして、補機バッテリの残存容量が所定の閾値未満であり、かつ補機系負荷が動作を停止している場合に、電圧変換器の動作を停止するときには、補機系負荷の起動を禁止することが望ましい。電圧変換器の停止中に補機系負荷が起動された場合、補機バッテリに蓄電されている電力が急激に消費され、過放電などが生じる虞があるためである。
なお、このように停止されていることを電圧変換器の動作停止の条件としたり、その起動を禁止したりする補機系負荷は、起動時に、定常電流よりも大きな突入電流が生じるモータを有するものであることが好ましい。このような補機系負荷は、概して、その運転による電力消費量が大きく、さらに、起動時に大きな電流が補機バッテリから放電されるためである。換言すれば、その他の、消費電力が小さい、例えばECUなどの補機系負荷は、動作中であるか否かによらず、電圧変換器の動作を停止させても良い。
上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本発明の範囲を制限することを意図したものではない。また、上述した特徴以外の本発明の特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
二次電池管理装置を、ハイブリッド車両に搭載された二次電池の残存容量を管理するために適用した場合の構成を示す構成図である。 第1実施形態による、電流センサのオフセット補正処理を示すフローチャートである。 図2のフローチャートにおける、オフセット補正値の更新処理の詳細を示すフローチャートである。 第2実施形態による、電流センサのオフセット補正処理を示すフローチャートである。 電流センサの出力特性について説明するための説明図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による二次電池管理装置に関して、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の二次電池管理装置を、ハイブリッド車両に搭載された二次電池の残存容量を管理するために適用した場合の構成を示すものである。ただし、本発明による二次電池管理装置は、モータのみを有する電動車両に搭載された二次電池の残存容量を管理するために適用することも可能である。
図1に示すように、ハイブリッド車両は、走行駆動源として、エンジン10と、エンジン10の出力軸上に配設されたモータジェネレータ(MG)14とを有する。なお、12は、エンジンの回転数と出力軸の回転数との比を可変するための変速機である。
モータジェネレータ14の動作は、インバータ20によって制御される。つまり、インバータ20によって、モータジェネレータ14が正のトルクを発生するように駆動されると、モータジェネレータ14は、車両に搭載された二次電池(高圧バッテリ)16から電源供給を受けて電動機として動作し、エンジン10の駆動力をアシストすることが可能となる。また、車両が減速するときに、インバータ20によって、モータジェネレータ14が負のトルクを発生するように駆動されると、モータジェネレータ14は、車輪側からの回転駆動により発電機として動作し、二次電池16を充電することが可能となる。インバータ20がいずれの態様でモータジェネレータ14を駆動するかは、ECU24によって制御される。ただし、ECU24とは別のECUが、インバータ20の制御を行うようにしても良い。
なお、エンジン10とモータジェネレータ14との間にクラッチを設けて、エンジン10とモータジェネレータ14を切り離すことができるようにすれば、モータジェネレータ14の駆動力のみにて車両を走行させるようにすることも可能となる。また、ハイブリッドシステムとして、いわゆるパラレル方式による構成を備える例について簡単に説明したが、その他の方式(スプリット方式、シリーズ・パラレル方式など)によるハイブリッドシステムを用いることも可能である。
二次電池16は、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン電池などからなる。上述したように、二次電池16は、モータジェネレータ14への電源供給のために放電されたり、モータジェネレータ14によって充電されたりする。二次電池16が充放電されるとき、二次電池16を流れる電流を検出するための電流センサ18が設けられている。この電流センサ18の検出出力は、ECU24に入力される。
また、二次電池16は、電圧変換器であるDC−DCコンバータ22を介して、補機バッテリ26に接続されている。DC−DCコンバータ22は、二次電池16が発生する高電圧を降圧して、補機バッテリ26、モータ系負荷28、その他の負荷38に供給する。その結果、降圧された電圧により、補機バッテリ26が充電されたり、モータ系負荷28及びその他の負荷38が駆動されたりする。このように、DC−DCコンバータ22が動作しているときにも、二次電池16から放電電流が流れる。なお、DC−DCコンバータ22による電圧変換動作は、ECU24からの停止命令によって停止され、その停止命令の解除によって再開されるように構成されている。
モータ系負荷28としては、インバータ20を冷却するための冷却水を循環させるためのインバータ冷却ウオーターポンプ(W/P)30、エンジン10を冷却するための冷却水を循環させるためのエンジン冷却ウオーターポンプ(W/P)32、二次電池に冷却風を送風する二次電池冷却ファン34、及びラジエータに冷却風を送風するラジエータファン36などがある。これらのモータ系負荷28は、図示しないモータによって駆動される。このようなモータ系負荷28は、概して、駆動時の電力消費量が大きく、さらに、起動時に大きな電流(突入電流)が流れる。なお、モータを有さない負荷であっても、消費電力が大きい負荷や、突入電流が発生する負荷は、モータ系負荷28に分類されても良い。
また、その他の負荷38としては、例えば、各種の車載機器を制御するためのECU(ECU−A40、ECU−B42)などがある。このようなその他の負荷38は、モータ系負荷28よりも消費電力が小さく、稼働していても、補機バッテリ26の残留容量に対する影響が小さい。
ECU24は、二次電池16の耐久性の向上などを目的として、二次電池16の残存容量(SOC:State Of Charge)を適正な範囲(例えば40%〜80%)に管理するものである。そのため、ECU24は、電流センサ18によって検出される電流(二次電池16が充電されるときの充電電流及び放電されるときの放電電流)に基づいて、二次電池16の残存容量を算出する。そして、この算出した残存容量が適正範囲に収まるように、インバータ20を制御する。例えば、残存容量が適正範囲を超えそうな場合には、減速時であっても、モータジェネレータ14による二次電池16の充電を停止させたり、逆に残存容量が適正範囲を下回りそうな場合には、モータジェネレータ14の電動機としての動作を停止させたりする。
ここで、電流センサ18に関して、初期的に、実際の出力値と望ましい出力値との差に基づき、オフセット及びゲイン(出力の傾き)の補正値が算出され、その補正値がECU24に記憶されている。従って、ECU24は、その補正値を用いて、電流センサ18の出力値を、記憶した補正値を用いて補正することにより、正しい電流値が算出できるようになっている。
しかしながら、電流センサ18は、比較的大きな温度特性を有している。そのため、初期的に補正値を算出しても、使用環境の温度などに依存して、オフセットが変動してしまうことがある。この場合、電流センサ18の出力値には検出誤差が含まれるので、その出力値から、二次電池16の残存容量を精度良く算出することができず、ひいては、その残存容量を適正範囲に管理することが困難になってしまう。
そのため、本実施形態の二次電池管理装置では、定期的に、電流センサ18のオフセットを補正するための処理を実行する。この電流センサ18のオフセット補正処理について、図2のフローチャートに基づいて説明する。なお、図2のフローチャートに示す処理は、車両において、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)がオンされたときに開始される。
まず、ステップS100では、二次電池16に接続された高圧系負荷である、インバータ20及びDC−DCコンバータ22が停止しており、二次電池16に流れる電流がゼロであるときに、電流センサ18の出力値から初期補正値を用いて算出される電流値がゼロとなるように、オフセット補正値を設定する。このように、車両の運転が開始される毎に、オフセット補正値を設定することにより、環境温度の変化が生じても、電流センサ18の出力値から正しい電流値が算出できるようにしている。
ただし、車両が運転を開始した後において、エンジン10や二次電池16の発熱や、天候、時間帯などの変化によって、電流センサ18の環境温度が変化する場合がある。そのため、ステップS110以降の処理を実行することにより、車両の運転開始後においても、電流センサ18の通電電流をゼロとすることが可能で、電流センサ18のオフセット補正を行い得る状況であると判定されたときには、オフセット補正値の更新処理を実行する。
ステップS110では、各種のセンサや、制御装置などから、各種の情報を取り込む。取り込まれる情報には、モータジェネレータ14の回転数や、車両の停止を判定できる運転速度など、モータジェネレータ14が停止している(回転数=0)状態を判定できる情報が含まれる。その他にも、DC−DCコンバータ22が稼働中であるか否かに関する情報、補機バッテリ26の電圧などの補機バッテリ26の残存容量を示す情報、モータ系負荷28の稼働状況を示す情報などが含まれる。
ステップS120では、ステップS110にて取り込んだ情報に基づいて、車両が停止して、モータジェネレータ14が停止中であるか(回転数=0)どうかを判定する。モータジェネレータ14が停止していれば、モータジェネレータ14によって二次電池16の充放電は行われていないとみなせるので、ステップS130の処理に進む。一方、モータジェネレータ14が停止していないときには、原則として、二次電池16の充放電が行われるため、二次電池16の通電電流はゼロとはならない。そのため、ステップS110の処理に戻る。
ステップS130では、DC−DCコンバータ22が稼働中であるか否かを判定する。なお、DC−DCコンバータ22は、車両の運転が開始された後は、原則として、稼働状態に置かれる。ただし、例えば、モータ系負荷28が停止されており、補機バッテリ26の残存容量が所定値を超え、満充電に近くなった場合などには、停止されることがある。このようなDC−DCコンバータ22の制御は、ECU24又はECU24とは別のECUによって行われる。DC−DCコンバータ22が停止している場合には、二次電池16からDC−DCコンバータ22に通電される電流もゼロとなっている。そのため、ステップS130において、DC−DCコンバータ22が稼働中ではないと判定されるとステップS170の処理に進む。一方、DC−DCコンバータ22が稼働中であると判定されるとステップS140の処理に進む。
ステップS140では、補機バッテリ26の残存容量が閾値以下であるか否かを判定する。ここで、補機バッテリ26として鉛蓄電池を用いる場合、残存容量が所定値(例えば、70%程度)以下となるとサルフェーション(白色硫酸鉛化)が発生し、劣化が進む。このため、閾値として、サルフェーションの発生し始める残存容量の値に、電流センサ18のオフセット補正のためにDC−DCコンバータ22を停止する期間において、ポンプ系負荷28及びその他の負荷38によって消費される電力分を上乗せした値を用いる。この際、閾値は、全ての負荷が稼働した場合を想定した一定値でも良いし、稼働している負荷に応じた可変値であっても良い。また、鉛蓄電池以外の種類の蓄電池を用いる場合であっても、同様に、その蓄電池の劣化が生じ得る残留容量を基準として、閾値を決定すれば良い。
補機バッテリ26の残存容量が閾値を超えていると判定された場合、電流センサ18のオフセット補正のためにDC−DCコンバータ22を一時的に停止しても、補機バッテリ26の劣化等の問題が発生することはない。そのため、ステップS140において、補機バッテリ26の残留容量が閾値を超えていると判定された場合、ステップS170の処理に進む。一方、補機バッテリ26の残留容量が閾値以下と判定された場合、ステップS150の処理に進む。
ステップS150では、モータ系負荷28が稼働中であるか否かを判定する。消費電力の大きなモータ系負荷28が停止されている場合、DC−DCコンバータ22を停止しても、補機バッテリ26の残留容量が極端に低下することはないと考えられる。ただし、DC−DCコンバータ22を停止している期間に、モータ系負荷28の起動要求が生じて、モータ系負荷28が起動されてしまうと、突入電流により大きな電流が二次電池16から放電される虞がある。そのため、ステップS160では、モータ系負荷28(正しくは、その制御装置)に対して、オフセット処理期間中、起動を禁止するための起動禁止命令を送信する。
そして、ステップS170において、DC−DCコンバータ22に停止命令を送信する。この停止命令により、DC−DCコンバータ22が稼働中であるときには、稼働状態から停止状態に移行する。また、DC−DCコンバータ22が停止中であるときには、少なくとも停止命令が解除されるまで、停止状態が維持される。
ステップS170の処理が完了した時点で、モータジェネレータ14及びDC−DCコンバータ22は停止した状態となっており、電流センサ18に流れる電流はゼロとなっている。すなわち、電流センサ18のオフセット補正処理を実行可能な状況である。そのため、ステップS180においてオフセット補正値の更新処理を実行する。このオフセット補正値の更新処理について、後に、図3のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS180のオフセット補正値の更新処理が終了すると、ステップS190において、モータ系負荷28に対する起動禁止命令、及びDC−DCコンバータ22に対する停止命令を解除する。
次に、オフセット補正値の更新処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS200では、通電電流がゼロである電流センサ18の出力値に基づいて、オフセット補正値を算出する。続く、ステップS210では、算出したオフセット補正値が所定の許容範囲内に収まっているか否かを判定する。この判定処理において、所定の許容範囲内に収まっていると判定されると、ステップS220に進み、オフセット補正値を、新たに算出したオフセット補正値に更新する。一方、所定の許容範囲内に収まっていないと判定される、ステップS230に進み、電流センサ18になんらからのエラーが発生したことを、ECU24のメモリに記憶する。
以上のように、本実施形態による二次電池管理装置は、モータジェネレータ14が停止したときに、DC−DCコンバータ22が稼働中であると、補機バッテリ26の劣化等の問題を生じることなく、DC−DCコンバータ22を停止させることが可能な状況であるかを判定する。そして、停止可能な状況と判定したときに、DC−DCコンバータ22の動作を停止させる。すると、二次電池16から、モータジェネレータ14や、DC−DCコンバータ22に電流が流れなくなるので、電流センサ18のオフセット補正のための補正値を精度良く算出することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による二次電池管理装置について説明する。なお、本実施形態による二次電池管理装置は、第1実施形態の二次電池管理装置と同様に構成されるため、構成に関する説明は省略する。
本実施形態による二次電池管理装置では、電流センサ18のオフセット補正値の更新処理を行う条件として、図4のフローチャートのステップS125に示すように、モータジェネレータ14が停止する(回転数=0)直前に、二次電池16からモータジェネレータ14に流れる放電電流、もしくは、モータジェネレータ14から二次電池16に流れる充電電流が所定の閾値を超えていないことを追加したものである。
ここで、図5に示すように、電流センサ18は、放電電流もしくは充電電流が、所定の閾値を超えるまで増大し、その増大した電流値から電流ゼロとなる場合、出力値がゼロとはならない特性を有している。すなわち、放電電流が閾値を超え、その状態から電流ゼロに変化した場合には、放電側ヒスとして示すように、電流センサ18は、ある程度の放電電流に対応する出力値を示す。また、充電電流が閾値を超え、その状態から電流ゼロに変化した場合には、充電側ヒスとして示すように、電流センサ18は、ある程度の充電電流に対応する出力値を示す。
そのため、本実施形態では、電流センサ18が放電側ヒスや充電側ヒスに対応する出力値を示すときに、オフセット補正値の更新処理を行わないようにするために、図5のフローチャートのステップS125の処理を追加したのである。これにより、一時的に発生する放電側ヒスや充電側ヒスに基づいて、オフセット補正値を更新してしまうことを防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、高圧系負荷として、二次電池16に、モータジェネレータ14とDC−DCコンバータ22との2つの負荷を接続する例について説明した。しかしながら、その他の高圧系負荷、例えば、車両に搭載されるエアコンの圧縮機を駆動するモータをインバータを関して二次電池16に接続するようにしても良い。この場合、モータジェネレータ14だけでなく、付加された高圧系負荷が稼働中ではないときに、DC−DCコンバータの動作を停止可能な状況であるかどうかを判定するようにすれば良い。
また、上述した実施形態では、ステップS150の処理において、モータ系負荷28が稼働中である場合、DC−DCコンバータ22を停止させないようにしている。しかしながら、稼働中のモータ系負荷28がある場合、さらに、そのモータ系負荷28を停止可能であるか否かを判定し、停止可能であれば、モータ系負荷28を停止させた上で、DC−DCコンバータ22を停止させるようにしても良い。
例えば、インバータ冷却W/P30やエンジン冷却W/P32が稼働中である場合には、インバータやエンジンの温度、外気温度などから、それらのW/Pを停止しても、インバータやエンジンの温度が所定の上限温度を超えないと予想される場合には、それらのモータ系負荷28を停止させても良い。
14 モータジェネレータ
16 二次電池
18 電流センサ
20 インバータ
22 DC−DCコンバータ
24 ECU
26 補機バッテリ
28 モータ系負荷
38 その他の負荷

Claims (7)

  1. 車両の走行駆動源として働く電動機の機能と、発電機の機能とを兼ね備えたモータジェネレータ(14)と、
    前記モータジェネレータが電動機として機能する際に蓄えた電力を放電し、発電機として機能する際に充電される二次電池(16)と、
    前記二次電池の放電又は充電によって、当該二次電池を流れる電流の電流値を検出する電流センサ(18)と、
    車両に搭載された電気機器である補機系負荷(28,38)に対して電源を供給する補機バッテリ(26)と、
    前記補機バッテリの充電のため、前記二次電池の電圧を降圧して前記補機バッテリに印加する電圧変換器(22)と、
    前記モータジェネレータが停止したときに、前記電圧変換器の動作を停止させることが可能か否か判定する判定手段(24、S140,S150)と、
    前記判定手段が前記電圧変換器の動作を停止させることが可能と判定した場合に、前記電圧変換器の動作を停止させて、前記二次電池を流れる電流をゼロとする動作停止手段(24、S170)と、
    前記モータジェネレータが停止し、かつ前記動作停止手段が前記電圧変換器の動作を停止させ、前記二次電池を流れる電流がゼロであるときに、前記電流センサの出力値に基づいて、当該電流センサのオフセット補正値を算出するオフセット補正値算出手段(24,S180)と、
    前記オフセット補正値により補正した前記電流センサの出力値を用いて、前記二次電池の残存容量を算出する残存容量算出手段(24)と、を備えることを特徴とする二次電池管理装置。
  2. 前記判定手段は、前記補機バッテリの残存容量を検出する検出手段を備え、前記補機バッテリの残存容量が所定の閾値以上である場合に、前記電圧変換器の動作を停止させることが可能であると判定することを特徴とする請求項1に記載の二次電池管理装置。
  3. 前記判定手段は、前記補機バッテリの残存容量を検出する検出手段を備え、前記補機バッテリの残存容量が所定の閾値未満であっても、前記補機系負荷が動作を停止している場合には、前記電圧変換器の動作を停止させることが可能と判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池管理装置。
  4. 前記動作停止手段が、前記電圧変換器の動作を停止させている間、前記補機系負荷の起動を禁止する起動禁止手段(24、S160)を備えることを特徴とする請求項3に記載の二次電池管理装置。
  5. 前記補機系負荷(38)は、起動時に、定常電流よりも大きな突入電流が生じるモータを有するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の二次電池管理装置。
  6. 前記オフセット補正値算出手段は、前記モータジェネレータが停止する直前に、前記二次電池を流れる電流の電流値が閾値を超えている場合、オフセット補正値の算出を行わないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の二次電池管理装置。
  7. 前記判定手段は、前記二次電池に前記モータジェネレータ及び前記電圧変換器以外の高圧系負荷が接続されている場合、その高圧系負荷が稼働中ではないことも条件として、前記電圧変換器の動作を停止させることが可能か否かを判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の二次電池管理装置。
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