JP2014135693A - 画像形成システム、画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

画像形成システム、画像処理装置および画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スキャナ等を使わないキャリブレーション精度の低い画像形成装置に対して、経時的な画像出力特性を調整して狙い通りに画像を形成する。
【解決手段】プリンタ1001〜1003は、中間転写ベルト上の面積階調パターン検知によるキャリブレーション(IBACC)を実行し、MFP1004〜1006は、記録紙に画像形成したテストパターンのスキャナ読取値を用いたキャリブレーション(ACC)とIBACCを実行する。サーバ装置1000は、ネットワークを介して接続された全てのMFPで実行されたIBACC実行結果とACC実行結果をモニタし、実行結果を解析することにより、プリンタのIBACC実行結果を補正し、プリンタ1001〜1003に送信する。
【選択図】図10

Description

本発明は、キャリブレーションを実施する画像形成システム、画像処理装置および画像処理方法に関する。
カラープリンタなどの画像形成装置が長時間使用され続けると、用紙に形成される画像の濃度が変化してくるため、それを適切な濃度に補正する処理が行われる。この処理は一般にキャリブレーションと称されており、濃度が一様なパッチ画像を用紙や感光体或いは中間転写体などにいくつか形成し、これらパッチ画像の濃度を測定してその目標値と比較し、その比較結果に基づいて、画像を形成するための各種条件や出力γ変換特性を調整する。
例えば、特許文献1では、ネットワークを介して接続された複数の処理システムのうち、出力装置に応じた色変換処理を行うカラープルーフが生成できる少なくとも1つをセンターとし、色再現の変化を示すキャリブレーション情報を送信する機能を有した出力装置から送られてくるキャリブレーション情報を取得して、出力装置に対応する色変換情報を修正している。
しかし、実際に記録紙に画像形成されたテストパターンをスキャナ等で測定して出力γ変換特性等を調整するキャリブレーションに比べて、中間転写ベルト上のトナー量等の検知結果を用いる自動階調補正は、画像形成条件によっては中間転写以降の画像形成システムのバラツキ等により、検出した前記トナー量と実際に記録紙に画像形成された出力濃度との相関が低くなる場合があり、キャリブレーションの精度が低いという問題があった。
本発明は上記した課題に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、スキャナ等を使わないキャリブレーション精度の低い画像形成装置に対して、経時的な画像出力特性を調整して狙い通りに画像を形成する画像形成システム、画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
本発明は、複数の画像形成装置およびサーバ装置がネットワークを介して接続され、前記画像形成装置の画像出力特性を管理する画像形成システムにおいて、前記各画像形成装置の画像出力条件を検出する検出手段と、前記画像出力条件を参照して、複数のキャリブレーション機能を有する画像形成装置において同時に実施した複数のキャリブレーション結果を検出し、前記複数のキャリブレーション対象の履歴情報を生成する生成手段と、前記画像出力条件を参照して、単一のキャリブレーション機能を有する第1の画像形成装置において実施されたキャリブレーション結果、または複数のキャリブレーション機能を有する第2の画像形成装置において所定精度に満たないキャリブレーション機能により実施されたキャリブレーション結果を、前記履歴情報を参照して調整し、前記第1または第2の画像形成装置の画像出力特性を調整する調整手段を備えることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、スキャナ等を使わないキャリブレーション精度の低い画像形成装置に対して、経時的な画像出力特性を調整して狙い通りに画像を形成することができる。
本発明の自動階調補正が適用される画像形成装置を示す。 プロセスカートリッジ内の構成を示す。 画像形成装置に適用される制御部の構成を示す。 画像濃度検知に用いられるパッチパターン(基準トナー像)を説明する図である。 パッチパターン(基準トナー像)の形成条件を満たすための感光体の配置構成を示す。 中間転写ベルトの振動やうねりを防止するための構成を説明する図である。 画像情報検知における制御部の処理フローチャートを示す。 パッチパターン(基準トナー像)の変形例を説明する図である。 中間転写ベルト上でのトナーパッチ(基準トナー像)の作成状態を説明する図である。 本発明の画像形成システムの全体の構成を示す。 MFPの全体の構成を示す。 画像データ処理装置の構成を示す。 画像データ処理装置の構成を示す。 スキャナ読み取り値を用いたキャリブレーション方法を説明する図である。 スキャナ読み取り値を用いたキャリブレーションにおけるrawγ特性の算出方法を説明する図である。 スキャナ読み取り値を用いたキャリブレーションにおけるベースγ制御点の算出方法を説明する図である。 γテーブルの作成法を説明する図である。 IBACCパターン基準読み取り値の3次スプライン補間値の算出方法を説明する図である。 IBACCパターン基準読み取り参照点の算出方法を説明する図である。 IBACCパターン読み取り値変動特性の算出方法を説明する図である。 逆引rawγ読み取り参照点の算出方法を説明する図である。 逆引rawγ出力参照点の算出方法を説明する図である。 逆引rawγ特性の算出方法を説明する図である。 IBACCパターン読み取り変動値の算出方法を説明する図である。 予測rawγ特性の算出方法を説明する図である。 仮想ベースγ制御点の算出方法を説明する図である。 制御点差分データの算出方法を説明する図である。 IBACC特性合成用γ制御点の算出方法を説明する図である。 IBACCγ特性合成を説明する図である。 キャリブレーション対象の履歴情報を説明する図である。
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。本発明は、ネットワークを介して接続された複数のキャリブレーション機能を有する上位機種における複数のキャリブレーション履歴(例えば、同時に実施したスキャナ読取値を用いたキャリブレーション情報と中間転写ベルト上のトナー量検出値を用いる自動階調補正結果の関係)を参照して、スキャナ等を使わないキャリブレーション精度の低い(所定精度に満たない)下位機種のキャリブレーション結果(例えば、中間転写ベルト上のトナー量検出値による自動階調補正結果)を補正する。
図1は、トナー量検出値(画像情報検知結果)を用いた本発明の自動階調補正が適用される画像形成装置を示す。図1に示す画像形成装置100は、複数色の画像形成が可能なカラープリンタを示している。なお、画像形成装置としてプリンタに限らず、複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機さらにはこれら各機能を複合させた装置を含むもので、図10に示す画像形成システムにおけるネットワークを介して接続された全てのプリンタ(プリンタ1001〜1003)とMFP(MFP1004〜1006)がこの機能を有し、中間転写ベルト上のトナー量が検出可能になっている。
図1において、画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkを並設したタンデム構造が採用されている。
図1に示す構成の画像形成装置100は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに形成された可視像が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに対峙しながら矢印A1方向に移動可能な無端ベルトが用いられる中間転写体(以下、中間転写ベルトという)11に対して1次転写工程を実行してそれぞれの画像が重畳転写され、その後、記録シートなどが用いられる転写紙Sに対して2次転写工程を実行することで一括転写されるようになっている。
各感光体ドラムの周囲には、感光体ドラムの回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。図2において、イエロー画像形成を行う感光体ドラム20Yを対象として説明すると、感光体ドラム20Yの回転方向に沿って画像形成処理を行う帯電装置30Y、現像装置40Y、1次転写ローラ12Yおよびクリーニング装置50Yが配置されている。
帯電後に行われる書き込みは、後述する光走査装置8が用いられる。なお、感光体ドラム12Yには、これに対向してクリーニング装置50Yによる残留トナーの除去後に除電を行う除電装置(図示されず)も設けられている。
図2に示す構成において、感光体ドラム20Yおよびこれに対峙する帯電装置30Y、現像スリーブ40Y1を備えた現像装置40Yおよびクリーニング装置50Yは、プロセスカートリッジに纏めて収納されており、プロセスカートリッジは画像形成装置100に対して着脱可能に設けられることにより一括して消耗部品を交換できる構成とされている。なお、図2において符号Lは、書き込み装置8から出射される書き込みレーザ光を示している。
図1において、中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに形成された可視像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに対向して配設された1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bkによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkは、A1方向の上流側からこの順で並んでいる。各感光体ドラム感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションを構成するプロセスカートリッジに備えられている。
画像形成装置100は、色毎の画像形成処理を行う4つの作像ステーションと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkの上方に対向して配設されると共に中間転写ベルト11及び1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bkを備えた転写ベルトユニット10と、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11に従動し、連れ回りする2次転写手段としての転写ローラである2次転写ローラ5と、中間転写ベルト11に対向して配設され中間転写ベルト11上をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置13と、これら4つの画像ステーションの下方に対向して配設された光書き込み装置としての光走査装置8とを有している。
本実施例における光走査装置8は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、ミラーおよび回転多面鏡などを装備しており、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに対して色毎に対応した書き込み光L(図2においては、イエロー画像形成用のプロセスカートリッジを対象として符号を付けているが、その他の画像ステーションに用いられるプロセスカートリッジも同様である)を出射して感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkに静電潜像を形成する構成を採る。
画像形成装置100には、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkと中間転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙Sを積載した給紙カセットを有するシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sを、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkと中間転写ベルト11との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとが設けられている。
画像形成装置100には、トナー像が転写された転写紙Sにトナー像を定着させるための熱ローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、定着済みの転写紙Sを画像形成装置100の本体外部に排出する排紙ローラ7と、画像形成装置100の本体上部に配設され排出ローラ7により画像形成装置100の本体外部に排出された転写紙Sを積載する排紙トレイ17と、排紙トレイ17の下側に位置し、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9Bkとが備えられている。
転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bkの他に、中間転写ベルト11が掛け回されている2次転写バックアップローラ72、クリーニングバックアップローラ73およびテンションローラ74を有している。
2次転写バックアップローラ72は、2次転写ローラ5と共に中間転写ベルト11を挟持することにより2次転写ニップを構成するために用いられる。クリーニングバックアップローラ73およびテンションローラ74は、中間転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、このため、これらローラには、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。
このような転写ベルトユニット10と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12Bkと、2次転写ローラ5と、クリーニング装置13とで転写装置71が構成されている。
シート給送装置61は、画像形成装置100の本体下部に配設されており、最上位の転写紙Sの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ3を有しており、給送ローラ3が反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
定着装置6は、熱源を内部に有する定着ローラ62と、定着ローラ62に圧接された加圧ローラ63とを有しており、トナー像を担持した転写紙Sを定着ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着部に通すことで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を転写紙Sの表面に定着するようになっている。
転写装置71に装備されているクリーニング装置13は、詳細な図示を省略するが、中間転写ベルト11に対向して当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有しており、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、中間転写ベルト11をクリーニングするようになっている。クリーニング装置13は、また中間転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。
以上のような構成を備えた画像形成装置100は、図3に示す制御部110によって作動制御される。図3は、画像形成装置100に適用される制御部110の構成を示す。図3において、制御部110は、画像形成に係るシーケンスプログラムの実行および演算処理を行うCPU110Aと、データの保存部である不揮発性メモリを用いたRAM110Bとを備えたマイクロコンピュータで構成され、図示しないインターフェースを介した入出力部には、トナー像形成部として用いられる現像装置40Y、40M、40C、40Bkそして、光走査装置8、給紙装置61、レジストローラ4、転写装置10、反射型フォトセンサ111が接続されている。
反射型フォトセンサ111は、転写装置10における2次転写バックアップローラ72と対峙する位置に配置されて中間転写ベルト11からの光反射率に応じた信号を出力できる構成を備えており、拡散光検出器あるいは正反射光検出器のうちで、中間転写ベルト11の表面での反射光量と後述する基準パターン像からの反射光量との差を十分な出力値として得ることができるものが用いられ、本実施例では、カラートナーの高濃度部を検知可能な利点とする拡散型が用いられる。
制御部110は、図示しない主電源の投入時や所定時間経過した後の待機時、所定枚数以上のプリントを出力した後の待機時など、所定のタイミングで各現像装置での像形成性能、つまり、画像濃度などの作像性能を試験するように構成されている。具体的には、この所定のタイミングが到来すると、まず、感光体ドラム12Y、12M、12C、12Bkを回転させながら一様に帯電させる。この帯電については、通常のプリント時における一様な帯電(例えば−700V)とは異なり、その電位を徐々に大きくしていくようにする。そして、光走査装置8からのレーザ光Lの走査により基準パターン像用の静電潜像を形成しながら、現像装置40Y、40M、40C、40Bkによる可視像処理、つまり現像を行う。
この現像により各色のバイアス現像パターン像、いわゆるパッチパターンが感光体ドラム12Y、12M、12C、12Bk上に形成される。なお、現像の際、制御部110は、それぞれの現像装置における現像スリーブ(図3においてイエロー画像を対象として符号40Y1で示した部材)に印加される現像バイアスの値も徐々に高くしていくように制御する。
これら各色の基準パターン像は、中間転写ベルト12上に重なり合わずに並ぶように転写される。この転写により、中間転写ベルト11上には各色の基準パターン像によって構成されるパターンブロックが形成される。
基準パターン像(トナー像)は、図4に示す手順で形成される。図4は、画像濃度検知に用いられるパッチパターン(基準トナー像)を説明する図である。なお、図4においては、便宜上、黒画像を意味する符号として、図1に示した符号Bkに代えて、符号kを表記する。
本実施例における画像形成装置100において、例えば、各基準像は縦15mm×横15mmの大きさで、5mmの間隙を介して形成される。この設定例によると、中間転写ベルト11上の基準パターン像Py、Pc、Pm、Pkが占有する長さはそれぞれL2=75mmとなる。
基準パターン像Py、Pc、Pm、Pkは、プリントプロセス時に形成される各色のトナー像とは異なり、上記中間転写ベルト11上に重なり合わずに並ぶように転写される。このような転写手順により、中間転写ベルト11上には各色の基準パターン像Py、Pc、Pm、Pkによって構成される1つのパターンブロックが形成される。
上記パターンブロックは、色同士で重なり合わないようにして転写される必要があるので、転写ベルト11の長手方向に並置されている感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkの配置構成は図5に示す構成を採る。
図5は、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkの設置ピッチを示す。図5に示すように、感光体ドラム20Y、20M、20C、20Bkは、例えば、それぞれL1=100mmに設定している。従って、本実施例では、基準パターン像Py、Pc、Pm、Pkの占有長さ(L3)を75mmとしているので、基準パターン像同士の形成ピッチは、感光体ドラムの設置ピッチよりも短い。この結果、基準パターン像Py、Pc、Pm、Pkは、それぞれの端部が互いに重なり合わないようにして転写されることになる。また、最終色の基準パターン像を形成する感光体ドラム20Bkの中心から中間転写ベルト11が掛け回されているテンションローラ74での展開位置までの距離(L2)と展開位置から2次転写ローラ5、換言すれば、2次転写バックアップローラ72における2次転写ニップ部までの距離(L2)は、L2=75mmとなる。
従って、基準パターン像Py、Pc、Pm、Pkの長さL2がそれぞれ75mmであるので、基準パターン像同士の形成ピッチは感光体ドラムの設置ピッチ、換言すれば、1次転写位置と2次転写位置との間の距離よりも短い。この結果、基準パターン像Py、Pc、Pm、Pkは、それぞれの端部が互いに重なり合わないようにして転写される。
図4で説明したパターンブロック中の各基準パターン像は、中間転写ベルト11の無端移動に伴い反射型フォトセンサ111との対向位置を通過する際に、その光反射光量が検知され、電気信号として制御部110に出力される。制御部110は、反射型フォトセンサ111から順次出力されるデータに基づき各基準パターン像の光反射率を演算し、濃度パターンデータとしてRAM110Bに格納していく。反射型フォトセンサ111との対向位置を通過した上記パターンブロックは、クリーニング装置13によってクリーニングされる。
制御部110では、パターンブロックとして形成されている基準パターン像の検知に際して、2次転写ローラ5の接離動作を制御する。つまり、2次転写ローラ5は、基準パターン像の検知に際し、中間転写ベルト11から離間される一方、中間転写ベルト11への再接触時期として、基準パターン像の最終色を対象とするものが2次転写ローラ5を通過した後ではなく、反射型フォトセンサ111を通過した後を設定されている。
中間転写ベルト11は、2次転写ローラ5の接離時の衝撃を受けて振動し、うねりを生じる。このため、2次転写ローラ5を通過した時点を2次転写ローラ5の再接触時期とした場合、2次転写ローラ5の後方に配置されている反射型フォトセンサ111と対面した中間転写ベルト11は、振動やうねりを生じた状態が継続される。
反射型フォトセンサ111による検知誤差に関しては、パターンブロックが2次転写ローラ5を通過した時点よりも反射型フォトセンサ111を通過した時点の方が小さく、これにより、パターンブロック内での基準パターン像の濃度検知の精度を高めることができる。
ところで、反射型フォトセンサ111の配置位置を通過した時点で2次転写ローラ5を再接触させることにより、前述したように検知精度を高めることができる。また、検知時間を短縮するため、反射型フォトセンサ111の配置位置を通過した時点を基準として、2次転写ローラ5の再接触を行う関係上、検知時間の短縮を実現するには両者間での中間転写ベルト11の移動時間を短縮する必要がある。
そこで、反射型フォトセンサ111と2次転写ローラ5とをできるだけ近づけて、中間転写ベルト11が両者間を移動する時間を短縮するようになっている。
ところで、両者間での中間転写ベルト11の移動距離を短くするには反射型フォトセンサ111の配置位置を2次転写ローラ5の前方に設定することも考えられるが、この場合には、両者間を近づけることで比較的短い距離内に各色に対応した基準パターン像(基準トナー像)を形成することが困難となり、しかも、2次転写ローラ5が離間する際の衝撃の影響が中間転写ベルト11に及ぶことから反射型フォトセンサ111での検知誤差も顕著となる。
このため、上述したように2次転写ローラ5の接離に際して発生する中間転写ベルト11の振動やうねりの影響を受けないようにするには、基準パターン像が反射型フォトセンサ111を通過した時点に2次転写ローラ5の再接触を行わせることが最も好ましいことになる。基準パターン像を有するパターンブロックが2次転写位置を通過する前の時期に、2次転写ローラ5が中間転写ベルト11から離間する。パターンブロックの基準パターン像は図4に示したように、中間転写ベルト11の移動方向に沿って並べられているので4色の基準パターン像が順次、反射型フォトセンサ111の位置を通過する。
中間転写ベルト11に2次転写ローラ5が再接触したときには、反射型フォトセンサ111による検知が完了しているので、中間転写ベルト11での振動やうねりの影響を受けることをなく、検知誤差の発生を抑制して制御精度を高めることができる。
中間転写ベルト11に生じる振動やうねりは、中間転写ベルト11の展張部分で発生しやすい。従って、反射型フォトセンサ111の配置位置も中間転写ベルト11における展張部分以外であることが望ましい。
図6は、中間転写ベルトの振動やうねりを防止するための構成を説明する図である。図6に示すように、中間転写ベルト11に対して接離可能に設けられている2次転写ローラ5に対峙して設けられている2次転写バックアップローラ72に対して、中間転写ベルト11の移動方向で当接および離間する位置をA点およびB点とした場合、中間転写ベルト11が2次転写バックアップローラ72に対する巻き付け角(A点〜B点)を90°以上のうちの100°に設定している。
そして、反射型フォトセンサ111の中心位置として、B点に対して2次転写バックアップローラ72の半径(r)に相当する距離を加減した(B+r、B−r)の範囲内に位置決めするようにしている。このような反射型フォトセンサ111の位置決めは、中間転写ベルト11においてB点から展張部分の距離が長くなるほど中間転写ベルト11での振動やうねりが大きくなり、検知誤差が大きくなるのを防止するためである。
中間転写ベルト11の振動やうねりは、中間転写ベルト11の巻き付け曲率により変化し、巻き付けられたローラの半径に逆比例することから、半径の小さいローラほどベルトの離間点(B点)から近い位置での振動やうねりが大きくなる。このため、B点よりも前方に配置した場合には、ローラの曲率が存在することで反射型フォトセンサ111の取り付け誤差が大きくなることが原因して検知誤差が高くなる。
そこで、中間転写ベルト11の移動方向において(B−r)の位置から(B+r)の位置に反射型フォトセンサ111の中心を位置決めすることで検知誤差を10%以下に保つことができ、この結果として、検知誤差を小さくして画像情報に対する制御精度を高めることができる。
以上のような構成を用いて制御部110は、2次転写ローラ5の再接触時期を規定する。この時期設定に関しては、図7に示すフローチャートに基づき説明する。
図7において、画像形成動作が指令されると、画像形成プロセスにおける2次転写工程実施のために2次転写ローラ5が中間転写ベルト11に当接され(ST1)、画像形成処理が実行される(ST2)。
画像形成処理の経過において、例えば、画像形成回数などをパラメータとして画像情報に基づくプロセス制御タイミングであるかどうかが判別され(ST3)、該当時期である場合には基準トナー像(図8では、検知パターンと表記してある)が作成される(ST4)。
この場合のプロセス制御は、画像濃度などの作像性能を適正化する制御である。基準トナー像の作成順序に基づきパターンブロック内での先頭の基準トナー像が2次転写前の所定位置に達したかどうかが判別され(ST5)、達した場合には、2次転写ローラ5が中間転写ベルト11から離間され(ST6)、この状態で反射型フォトセンサ111により全ての色の基準トナー像が検知される(ST7)。
ステップST7における検知結果に基づき制御部110は、プロセス制御を実行し(ST8)、制御が完了すると2次転写ローラ5が中間転写ベルト11に再接触される(ST9)。2次転写ローラ5の再接触時期は、前述したように、反射型フォトセンサ111を全ての色の基準トナー像が通過した直後とされている。
一方、ステップST3においてプロセス制御の実行タイミングでない場合には、2次転写ローラ5がクリーニングされる(ST10)。このクリーニング処理では、2次転写ローラ5に対して転写工程時とは逆の電界を付与して2次転写ローラ5に付着しているトナーを中間転写ベルト11側に転移させ、中間転写ベルト11のクリーニング装置13により転移したトナーを除去する。2次転写ローラ5が中間転写ベルト11に接触すると、引き続き画像の有無が判別され(ST11)、画像形成が行われない場合には2次転写ローラ5が中間転写ベルト11から離間されて待機状態となる(ST12)。
図8は、パッチパターンに相当する基準パターン像および反射型フォトセンサ111の配置構成を説明する図である。図8において、基準パターン像は、中間転写ベルト11の移動方向と直交する方向に相当するベルトの駆動軸方向に沿って複数並設されており、これら各基準パターン像の位置に対応させて反射型フォトセンサ111が配置されている。
各基準パターン像は、図4と同様の占有スペース内に配置され、さらに、画像濃度情報とは別の情報としての画像位置情報などを表示する基準パターン像も併せて形成するようになっている。これにより、限られたスペース(L2)内に多くの画像情報を形成して検知対象とすることができるので、他の位置に形成する場合と違って、これら各画像情報を纏めて光学検知することができる。
この結果、多くの画像情報を検知する際の待機時間を少なくすることができる。このような基準パターン像が形成される場合を対象として画像情報の検知を行う場合には、同様にプロセス制御開始タイミングにおいて2次転写ローラ5が中間転写ベルト11から離間される一方、再接触時期としては、基準パターン像を有するパターンブロックが反射型フォトセンサ111を通過した直後に設定されている。
図6と同様に、2次転写ローラ5の再接触時期が、従来の場合と違って反射型フォトセンサ111の位置をパターンブロックが通過した直後となるようにずらされている。つまり、基準トナー像を有するパターンブロックが2次転写位置を通過する前の時期t(a)に2次転写ローラ5が中間転写ベルト11から離間し、パターンブロック内の基準トナー像は図8に示したように、中間転写ベルト11の駆動軸方向に沿って並べられているので4色の基準トナー像が同時に反射型フォトセンサ111の位置を通過する。
従来の再接触時期では、2次転写ローラ5が再接触した時点で未だ基準トナー像の検知が終了していないことから、2次転写ローラ5の再接触により発生する中間転写ベルト11の振動やうねりにより検知誤差が顕著となるが、本実施例においては、中間転写ベルト11に2次転写ローラ5が再接触したときには反射型フォトセンサ111による検知が完了しているので、中間転写ベルト11での振動やうねりの影響を受けることをなくして検知誤差の発生を抑制してプロセス制御の精度を高めることができる。
基準トナー像として、図8において中央部に示すように、一つの色の画像を対象として階調性を異ならせた複数の基準トナー像を形成した場合、例えば、色毎で4階調の基準トナー像を形成する場合には、その全長が図4に示した場合と違って4倍以上となり、最終色の1次転写位置と2次転写位置との間の距離(図5において符号L2で示す距離)よりもパターンブロックの長さが長くなってしまう。従って、最初の色の基準パターン像が2次転写位置の前に達した時点で2次転写ローラ5を離間させた場合には、その他の色の基準パターン像が作像中あるいは転写中であることがある。
画像形成に連続して基準パターン像を形成する場合、各基準パターン像の作成タイミングを画像形成に対して一様とすると、2次転写ローラ5が離間した時点で、未だマゼンタにおける2つめの基準トナー像が書込過程に相当しており、この結果、マゼンタを対象とする基準トナー像が完全に作成されていないことになり、結果としてマゼンタを対象とする画像情報を正確に検知することができない。このときに生じる中間転写ベルト11での色毎の基準パターン像の位置関係は、図9に示すとおりである。
図9においては、未だ、マゼンタの画像作成中であるにも拘わらず、2次転写ローラ5の位置に先行して作成された画像が到達するのに合わせて2次転写ローラ5が中間転写ベルト11から離間しており、中間転写ベルト11に発生する振動やうねりによりマゼンタの基準トナー像が正常に形成できないことがわかる。
このような不具合を解消するために、図7に示したステップST7における基準トナー像の形成過程において、基準トナー像の全てが、2次転写ローラ5の離間時期と書込、現像および転写の各工程の実行時期とが対応しない、つまり、2次転写ローラ5の離間時期に書き込み、現像および転写の各工程が実行されていないようにできるタイミングを設定して基準トナー像を形成するようになっている。
一方、離間している2次転写ローラ5を中間転写ベルト11に再接触させるタイミングは、図6と同様に、基準パターン像の全てが反射型フォトセンサ111を通過した直後に設定され、中間転写ベルトの発生による振動やうねりの影響による検知精度の悪化を防止するようになっている。また、基準トナー像の作成時期に2次転写ローラ5の離間時期が含まれると、上述したように、適正な基準トナー像を形成することができなくなるのを防止する方法として、階調毎の基準トナー像のうちで2次転写ローラ5の離間時期に対応する色の基準トナー像に対する作像タイミングである書き込みタイミングをずらして2次転写ローラ5の離間時期に一致させないようにしている。
書き込み時期のずらしに対応して現像工程もずらしており、作像プロセスのいずれにおいても2次転写ローラ5による中間転写ベルト11での振動やうねりの影響を受けないようにしている。
図11は、本実施例におけるデジタル複合機(MFP)の全体構成を示す。本実施例において、図10に示す画像形成システムにおけるネットワークを介して接続されたMFP(MFP1004〜1006)が図11に該当する。
読取り装置201は、CCD光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータと、それら駆動回路を具備し、セットされた原稿をスキャンすることで得る原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。
画像データ処理装置202は、読取り装置201からのデジタル画像データに対し、予め定めた特性に統一する処理を施して出力する。図12は、画像データ処理装置202の詳細な構成を示す。図12において、スキャナ補正処理部300は、図11の読取り装置201からのデジタル画像データに対し、シェーディング等、読取り装置(スキャナ)の機構上(照度歪み等)発生する読取りムラ等を補正する。フィルタ処理部302は、スキャナのMTF特性を補正し、モアレを防止するために、読取画像の周波数特性を変えて、画像を鮮明にし、また滑らかにする。基本的に、スキャナ特性を補正するγ変換部301と色変換部303の処理によって、特性が統一された画像データはMFP内部に蓄積され、その後再利用する場合に、出力先の特性に適する画像信号に変換するが、その詳細は後述する。
また、像域分離部305は、原稿の持つ特徴的なエリアを抽出する。たとえば、一般的な印刷によって形成されている網点部の抽出、文字などのエッジ部の抽出、その画像データの有彩/無彩の判定、背景画像が白であるかの白背景の判定などを行い、分離デコード部306は、像域分離部305からの像域分離信号を、図11の画像データ処理装置204における後段の処理に必要な情報量にデコードして出力する。
例えば、像域分離部305からの以下に示すような7ビットの像域分離信号から、
CH2:文字なか(1)/非文字なか(0)
CHR:文字/(1)/非文字(0)
HT :高線数網点(1)/非高線数網点(0)
CW :有彩(1)/非有彩<無彩>(0)
WS :白地(1)/非白地(0)
LHT:低線数網点(1)/非低線数網点(0)
T:追跡パターン(1)/非追跡パターン(0)
{黒文字、色文字、文字なか、網点上文字、高線数網点、低線数網点、写真、追跡パターン}の各状態を3ビット、あるいは、{黒文字、色文字、文字なか、非文字}の各状態を2ビットで表現できるようにデコードされる。
バス制御装置203は、本デジタル画像処理装置内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置で、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施例では、画像データ処理装置202、画像データ処理装置204、CPU206とはPCI−Expressバス、HDDとはATAバスで接続し、ASIC化している。
画像データ処理部204は、画像データ処理装置202で予め定めた特性を統一されたデジタル画像データと付帯情報(本実施例ではデコードされた像域分離信号)に対し、ユーザーから指定される出力先に適した画像処理を施し出力する。その詳細は後述する。
HDD205は、デスクトップパソコンにも使用されている電子データを保存するための大型の記憶装置で、本デジタル画像処理装置内では主にデジタル画像データおよびデジタル画像データの付帯情報を蓄積する。また本実施例ではIDEを拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用する。
CPU206は、本デジタル画像処理装置を制御するマイクロプロセッサである。本実施例では、CPUコア単体に+αの機能を追加したIntegrated CPU(汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったバス接続機能がインテグレートされたCPU)を使用する。メモリ207は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や、接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータを記憶し、CPU206が本デジタル画像処理装置の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPU206には高速処理を求められるため、通常起動時にROMに記憶されたブートプログラムによりシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ207に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施例ではDIMMを使用する。
プロッタI/F装置208は、CPU206にインテグレートされた汎用規格I/F経由で送られてくるCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、プロッタ装置209の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。本実施例で使用している汎用規格I/FはPCI−Expressバスである。プロッタ装置209はCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザービームを用いた電子写真プロセスを使って、転写紙に受け取った画像データを出力する。
S.B.213は、South Bridgeと呼ばれる汎用の電子デバイスである。主にPCI−ExpressとISAブリッジを含むCPUシステムを構築する際に使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、本実施例ではROMとの間をブリッジしている。
ROM214は、CPU206が本デジタル画像処理装置の制御を行う際のプログラム(含むブート)が格納されるメモリである。操作表示装置210は、本デジタル画像処理装置とユーザーのインターフェースを行う部分で、LCD(液晶表示装置)とキースイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザーからのキースイッチ入力を検知する。本実施例ではPCI−Expressバスを介してCPU206と接続する。回線I/F装置211はPCI−Expressバスと電話回線を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は電話回線を介して各種データのやり取りを行うことが可能になる。FAX215は通常のファクシミリで、電話回線を介して本デジタル画像処理装置と画像データの授受を行う。外部I/F装置212は、PCI−Expressバスと外部装置を接続する装置で、この装置により本デジタル画像処理装置は外部装置と各種データのやり取りを行うことが可能になる。本実施例ではその接続I/Fにネットワーク(イーサネット)を使用する。すなわち本デジタル画像処理装置は外部I/F装置212を介してネットワークに接続している。PC216は、パーソナルコンピュータで、パーソナルコンピュータにインストールされたアプリケーションソフトやドライバを介して、ユーザーは本デジタル画像処理装置に対して各種制御や画像データの入出力を行う。
なお、画像データ処理装置202や外部I/F装置212から送られる特性が統一された画像データや像域分離信号等の付帯情報は、全てCPU206において、符号化されてからHDD205に蓄積され、画像データ処理装置204以降で処理する際には、復号して変換処理が実施される。ここで、特性が統一された画像データ(RGB)は非可逆なJPEG符号化等で高い圧縮率で、像域分離信号等の付帯情報は可逆なK8符号化等で処理を行うことで、画質劣化を最小限に抑えている。
(コピー動作)
ユーザーは原稿を読取り装置201にセットし、操作表示装置210を用いて所望する画質モード等を設定し、コピーの開始を入力する。操作表示装置210はユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU206に通知される。CPU206はコピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行う。
読取り装置201で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、画像データ処理装置202では、設定された画質モードに関係なく、前述した図12のスキャナ補正処理部300、γ変換部301、フィルタ処理部302、色変換部303を経て、sRGBやROMM−RGBのように予め特性が定められたRGB信号に統一され、バス制御装置203に送られる。
また、画像データ処理装置202の像域分離部305において生成した7ビットの像域分離信号を、分離デコード306は、設定された画質モードに応じて、画像データ処理装置204における後段の処理に必要な情報にデコードして出力する。例えば、像域分離部305から出力される以下に示すような7ビットの像域分離信号を、
CH2:文字なか(1)/非文字なか(0)
CHR:文字/(1)/非文字(0)
HT :高線数網点(1)/非高線数網点(0)
CW :有彩(1)/非有彩<無彩>(0)
WS :白地(1)/非白地(0)
LHT:低線数網点(1)/非低線数網点(0)
T:追跡パターン(1)/非追跡パターン(0)
分離デコード306は、設定された画質モードに応じて、以下に示すような2ビットの属性情報(像域分離信号)にデコードする。
文字原稿モード:黒文字、色文字、文字なか、非文字
文字写真混在原稿モード:文字/非文字、有彩/無彩
写真原稿モード:有彩/無彩、白地/非白地
複写原稿モード:黒文字、色文字、白地、非文字
バス制御装置203は画像データ処理装置202からの統一RGB画像データと設定された画像モードに応じて属性の異なる属性情報(像域分離信号)を受け取ると、CPU206を介して符号化してから、メモリ207、HDD205に蓄積する。
次に、メモリ207、HDD205に蓄積されたRGB画像データおよび画素毎の属性情報は、CPU206で復号された後、バス制御装置203を介して、画像データ処理装置204に送られる。画像データ処理装置204は、受け取ったRGB画像データおよび画素毎の属性情報に基づいて、プロッタ出力用のCMYK画像データに変換し出力する。バス制御装置203は画像データ処理装置204からのCMYK画像データを受け取ると、CPU206を介してメモリ207に蓄積する。
次に、メモリ207に蓄積されたCMYK画像データは、CPU206及びプロッタI/F装置208を介して、プロッタ装置209に送られる。プロッタ装置209は受け取ったCMYK画像データを転写紙に出力し、原稿のコピーが生成される。
図13は、画像データ処理装置204の構成を示し、この時の動作を説明する。フィルタ処理部400は、統一RGB画像データの鮮鋭性を、プロッタ装置209に出力する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には設定された画質モードに応じてデコードされた属性情報(像域分離信号)に従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば、文字原稿モードでは文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、写真モードでは滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。
色変換部401は、各8ビットの統一RGBデータを受け取るとプロッタ装置用の色空間であるCMYK各8ビットに変換する。このときにも設定された画質モード情報に応じてデコードされた属性情報(像域分離信号)に従って最適な色調整を実施する。
変倍処理部403は、CMYK画像データのサイズ(解像度)を、プロッタ装置209の再現性能に従ってサイズ(解像度)変換を行う。本実施例ではプロッタ装置209の性能が600dpi出力であるため、特に変換は行わない。プリンタγ補正部404は、予めCPU206において生成され、プロッタ出力用に設定されたCMYK用のエッジ用γテーブル、非エッジ用γテーブルを用いて、CMYK版毎のテーブル変換を実施してγ補正を実施する。このγテーブルの設定については、キャリブレーション動作で詳細に説明する。
階調処理部405では、プリンタγ補正部404からのCMYK各8ビットを受け取るとプロッタ装置209の階調処理能力に従った階調数に変換処理する。本実施例ではCMYK各2ビットに疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて変換する。
(ファックス送信動作)
ユーザーは原稿を読取り装置201にセットし、操作表示装置210を用いて所望するモード等を設定し、ファックスの開始を入力する。操作表示装置210はユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU206に通知される。
CPU206は、ファックス送信開始の制御コマンドデータに従って、ファックス送信動作プロセスのプログラムを実行し、ファックス送信動作に必要な設定や動作を順に行う。
読取り装置201で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、画像データ処理装置202で予め定めた特性に統一されたRGB値に変換され、バス制御装置203に送られる。バス制御装置203は画像データ処理装置202からのRGB画像データを受け取ると、CPU206を介してメモリ207に蓄積する。
次に、メモリ207に蓄積された統一RGB画像データは、CPU206及びバス制御装置203を介して、画像データ処理装置204に送られる。画像データ処理装置204は受け取った統一RGB画像データを、ファックス送信用のモノクロ2値の画像データに変換し出力する。バス制御装置203は、画像データ処理装置204からのモノクロ2値画像データを受け取ると、CPU206を介してメモリ207に蓄積する。
次に、メモリ207に蓄積されたモノクロ2値画像データは、CPU206を介して、回線I/F装置211に送られる。回線I/F装置211は、受け取ったモノクロ2値画像データを、回線を介して接続したFAX215に送信する。
(スキャナ配信動作)
ユーザーは原稿を読取り装置201にセットし、操作表示装置210を用いて所望するモード等を設定し、ファックスの開始を入力する。操作表示装置210はユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU206に通知される。CPU206はスキャナ配信開始の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信動作プロセスのプログラムを実行し、スキャナは配信動作に必要な設定や動作を順に行う。
読取り装置201で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、画像データ処理装置202で予め定めた特性に統一されたRGB値に変換され、バス制御装置203に送られる。バス制御装置203は画像データ処理装置202からの統一RGB画像データを受け取ると、CPU206を介してメモリ207に蓄積する。
次に、メモリ207に蓄積されたRGB画像データは、CPU206及びバス制御装置203を介して、画像データ処理装置204に送られる。画像データ処理装置204は、受け取ったRGB画像データを、sRGBのようなスキャナ配信用の画像データに変換し出力する(RGB多値、グレースケール、モノクロ2値等)。バス制御装置203は、画像データ処理装置204からの画像データを受け取ると、CPU206を介してメモリ207に蓄積する。
次に、メモリ207に蓄積された画像データは、CPU206を介して、外部I/F装置212に送られる。外部I/F装置212は受け取った画像データを、ネットワークを介して接続したPC216に送信する。
次に、本実施例において、原稿をスキャンした画像データをデジタル画像処理装置内に蓄積・保存し、その後、蓄積・保存した画像データを再利用する場合の動作を説明する。
(コピー動作+HDDへの蓄積・保存動作)
ユーザーは原稿を読取り装置201にセットし、操作表示装置210を用いて所望する画質モード等を設定し、コピーの開始を入力する。操作表示装置210はユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU206に通知される。CPU206はコピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を順に行う。
読取り装置201で原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットのデジタル画像データは、画像データ処理装置202では、設定された画質モードに関係なく、前述した図12のスキャナ補正処理部300、γ変換部301、フィルタ処理部302、色変換部303を経て、sRGBやROMM−RGBのように予め特性が定められたRGB信号に統一され、バス制御装置203に送られる。
スキャナ補正処理部300は、図11の読取り装置201からのデジタル画像データに対し、シェーディング等、読取り装置(スキャナ)の機構上(照度歪み等)発生する読取りムラ等を補正する。
γ変換部301は、読取り装置201から受け取ったRGB画像データのγ特性を予め定められた特性(例えば、1/2.2乗)になるように変換する。フィルタ処理部302はRGB画像データの鮮鋭性を予め定めた特性に統一する。例えば、基準チャートをスキャンしたときに、線数毎に対して、設定された画質モード毎に予め定めたMTF特性値になるように変換する。その際、像域分離部305において生成した像域分離信号に基づくパラメータを用いて処理を行う。
色変換部303は、sRGBやopRGBのように予め定めた特性のRGB画像データ値に変換する。変倍処理部304はRGB画像データのサイズ(解像度)を予め定めた特性に統一する。本実施例ではサイズ(解像度)を600dpiに変換している。また、画像データ処理装置202の像域分離部305において生成した7ビットの像域分離信号を、分離デコード306は、設定された画質モードに応じて、画像データ処理装置202における後段の処理に必要な情報にデコードして出力する。
例えば、像域分離部305から出力される以下に示すような7ビットの像域分離信号を、
CH2:文字なか(1)/非文字なか(0)
CHR:文字/(1)/非文字(0)
HT :高線数網点(1)/非高線数網点(0)
CW :有彩(1)/非有彩<無彩>(0)
WS :白地(1)/非白地(0)
LHT:低線数網点(1)/非低線数網点(0)
T:追跡パターン(1)/非追跡パターン(0)
分離デコード306は、設定された画質モードに応じて、以下に示すような2ビットの属性情報(像域分離信号)にデコードする。
文字原稿モード:黒文字、色文字、文字なか、非文字
文字写真混在原稿モード:文字/非文字、有彩/無彩
写真原稿モード:有彩/無彩、白地/非白地
複写原稿モード:黒文字、色文字、白地、非文字
バス制御装置203は、画像データ処理装置202からの統一RGB画像データと設定された画像モードに応じて属性の異なる属性情報(像域分離信号)を受け取ると、CPU206を介して符号化してから、メモリ207に蓄積する。
メモリ207に蓄積した統一RGB画像データは、CPU206及びバス制御装置203を介して、HDD205に送信され、HDD205内に画像入力条件(この場合、スキャナ入力や画質モード等)と共に蓄積・保存される。その後、前述のようにメモリ207の統一RGB画像データは、画像データ処理装置204が、スキャナ読取り画像であると、入力の際に設定された画質モードを解釈して、プロッタ装置209に適した出力信号に変換してから、プロッタ装置209に出力され、原稿のコピーが生成される。
ここで、図13に示す画像データ処理装置204を参照して、この時の動作を説明する。フィルタ処理部400は、統一RGB画像データの鮮鋭性を、プロッタ装置209に出力する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には、設定された画質モードに応じてデコードされた属性情報(像域分離信号)に従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば、文字原稿モードでは文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、写真モードでは滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。
色変換部401は、各8ビットの統一RGBデータを受け取るとプロッタ装置用の色空間であるCMYK各8ビットに変換する。このときにも設定された画質モード情報に応じてデコードされた属性情報(像域分離信号)に従って最適な色調整を実施する。
変倍処理部403は、CMYK画像データのサイズ(解像度)を、プロッタ装置209の再現性能に従ってサイズ(解像度)変換を行う。本実施例ではプロッタ装置209の性能が600dpi出力であるため、特に変換は行わない。プリンタγ補正部404は、予めCPU206において生成され、プロッタ出力用に設定されたCMYK用のエッジ用γテーブル、非エッジ用γテーブルを用いて、CMYK版毎のテーブル変換を実施してγ補正を実施する。階調処理部405では、CMYK各8ビットを受け取るとプロッタ装置209の階調処理能力に従った階調数変換処理を行う。
また、画像蓄積時における別の動作として、CPU206は、メモリ207やHDD205の使用率を検出して、デコードされた属性情報を変更後に符号化して蓄積することもできる。例えば、HDD205の使用率が規定値を超えている状態で画像が入力された場合、CPU206は、分離デコード306からの属性情報(像域分離信号)の一部を破棄(例えば、下位ビットの全画素に0を設定)してから符号化して蓄積する。この条件で動作した場合、例えば、設定された画質モードに応じて、以下に示すような属性情報(像域分離信号)に解釈される。
(プリンタ動作+HDDへの蓄積・保存動作)
ユーザーは、PC216上でDTP(Desk Top Publishing)のアプリケーションソフトウエアを動作させて、各種の文章や図形の作成および編集を行い、所望するプリンタ出力モード等を設定し、プリントの開始を指示する。PC216では、作成/編集された文書や図形を、ページ記述言語(PDL)で記述されたコマンドやデータ等の情報に変換してから、PDLデータを翻訳し、ラスタ画像データに変換するラスタイメージ処理(RIP)を行い、外部I/F装置212を介して、CPU206に送られる。
本実施例では、ラスタイメージ処理(RIP)の際、予め定めた特性の統一RGB画像データに変換すると同時に、以下に示す4ビットの属性情報も発生させる。
CHR:文字・線画(1)/非文字・線画(0)
CW :有彩(1)/非有彩<無彩>(0)
WS :白地(1)/非白地(0)
HS:飽和色(1)/非飽和色(0)
さらに、設定されたプリンタ出力モードに応じて、以下に示す2ビットの属性情報にデコードしてから、外部I/F装置212を介して、CPU206に送る。
一般文書出力:イメージ以外の無彩色、イメージ以外の有彩色、イメージ、白地
グラフィック出力:無彩色、有彩色、白地、飽和色
写真画像出力:白地/非白地
CPU206は、画像データ処理装置202からの統一RGB画像データと設定された画像出力モードに応じて属性の異なる属性情報を受け取ると、CPU206を介して符号化してから、メモリ207に蓄積する。メモリ207に蓄積した統一RGB画像データは、CPU206及びバス制御装置203を介して、HDD205に送信され、HDD205内に画像入力条件(この場合、プリンタ出力や画像出力モード等)と共に蓄積・保存される。
その後、前述のようにメモリ207の統一RGB画像データは、画像データ処理装置204が、プリンタ出力画像であると、入力の際に設定された画像出力モードを解釈して、プロッタ装置209に適した出力信号に変換してから、プロッタ装置209に出力され、プリンタ出力画像が生成される。
色変換部401では、各8ビットの統一RGBデータを受け取るとプロッタ装置用の色空間であるCMYK各8ビットに変換する。このときにも、設定された画質モード情報に応じてデコードされた属性情報に従った最適な色調整を実施する。変倍処理部403は、CMYK画像データのサイズ(解像度)を、プロッタ装置209の再現性能に従ってサイズ(解像度)変換を行う。本実施例ではプロッタ装置209の性能が600dpi出力であるため、特に変換は行わない。
プリンタγ補正部404は、予めCPU206において生成され、プロッタ出力用に設定されたCMYK用のエッジ用γテーブル、非エッジ用γテーブルを用いて、CMYK版毎のテーブル変換を実施してγ補正を実施する。階調処理部405では、CMYK各8ビットを受け取るとプロッタ装置209の階調処理能力と設定された画質モード情報に応じてデコードされた属性情報に最適な階調数の変換処理を行う。
また、画像蓄積時における別の動作として、CPU206は、メモリ207やHDD205の使用率を検出して、デコードされた属性情報を変更後に符号化して蓄積することもできる。
次に、HDD205内に蓄積・保存した画像データを再利用する動作を説明する。
(ファックス送信動作)
ユーザーは、コピー動作させた時にHDD205内に蓄積した画像データに対し、操作表示装置210を用いて、所望するモード等を設定し、ファックス送信の開始を入力する。操作表示装置210は、ユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU206に通知される。
CPU206は、ファックス送信開始の制御コマンドデータに従って、ファックス送信動作プロセスのプログラムを実行し、ファックス送信動作に必要な設定や動作を順に行う。
バス制御装置203はHDD205内に蓄積されているRGB画像データを、CPUを介してメモリ207に出力する。その後、前述のようにメモリ207のRGB画像データは、画像データ処理装置204を介して回線I/F装置211に出力され、FAX送信が行われる。図13に示す画像データ処理装置204を参照して、この時の動作を説明する。
フィルタ処理部400は、RGB画像データの鮮鋭性を、FAX送信する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には所望するモード情報に従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば、文字モードでは文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、写真モードでは滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。
色変換部401は、RGB各8ビットのデータを受け取るとFAX装置で一般的な単色(モノクロ)8ビットに変換する。変倍処理部403はモノクロ画像データのサイズ(解像度)を、FAX装置で送受されるサイズ(解像度)変換を行う。本実施例では、主走査:200dpi×副走査:100dpiに変換した。
プリンタγ補正部404は、予めCPU206が設定したFAX送信用のγテーブルを用いて、γ補正を実施する。階調処理部405では、モノクロ8ビットを受け取るとFAX装置で送受される階調処理能力に従った階調数変換処理を行う。本実施例では疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて2値に階調数を変換している。
(スキャナ配信動作)
ユーザーは、コピー動作させた時にHDD205内に蓄積した画像データに対し、操作表示装置210を用いて、所望するモード等を設定し、スキャナ配信の開始を入力する。操作表示装置210は、ユーザーから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し発行する。発行された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU206に通知される。
CPU206はスキャナ配信開始の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信動作プロセスのプログラムを実行し、スキャナ配信動作に必要な設定や動作を順に行う。
バス制御装置203は、HDD205内に蓄積されているRGB画像データを、CPU206を介してメモリ207に出力する。その後、前述のようにメモリ207のRGB画像データは、画像データ処理装置204を介して外部I/F装置211に出力され、スキャナ配信が行われる。図13に示す画像データ処理装置204を参照して、この時の動作を説明する。
フィルタ処理部400はRGB画像データの鮮鋭性を、スキャナ配信する場合の再現性が良くなるように補正する。具体的には所望するモード情報に従って鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば、文字モードでは文字をハッキリ/クッキリとするために鮮鋭化処理を施し、写真モードでは滑らかに階調性を表現するため平滑化処理を施す。
色変換部401は、RGB各8ビットのデータを受け取ると指定される色空間に変換する。本実施例では、スキャナ配信で一般的なsRGB色空間に各色8ビットで変換した。変倍処理部403はsRGB画像データのサイズ(解像度)を、指定されたスキャナ配信で送受されるサイズ(解像度)変換を行う。本実施例では主走査:200dpi×副走査:200dpiに変換した。
プリンタγ補正部404は、予めCPU206が設定した、配信用のγテーブルを用いて、γ補正を実施する。階調処理部405では、指定されたスキャナ配信で送受される階調処理能力に従った階調数の変換処理を行う。本実施例ではRGB各8bitの16万色が指定されたものとして、階調処理は特に実施しない。
これらより、本デジタル画像処理装置(MFP)内に蓄積・保存したデータに対し、入力時と異なる出力先を所望した場合に、通常動作時(最初から出力先を指定したときの動作)となんら画像品質が変ることなく出力先の変更が可能となり、著しく再利用性が向上している。
(MFP機におけるキャリブレーション動作)
次に、MFPにおいて、実際に記録紙に画像形成したテストパターンのスキャナ読取値を用いたキャリブレーション(ACC)について説明する。この機能は、図10に示す画像形成システムにおけるネットワークを介して接続されたMFP(MFP1004〜1006)で実施可能で、実際に記録紙に画像形成されたテストパターンをスキャナで読み取って、出力γ変換特性を調整することで、長時間使用による画像形成装置の画像出力濃度に変化があっても、適切な狙いの出力濃度に補正することができ、出力画像の色再現性が保持される。
MFPにおけるスキャナ読取値を用いたキャリブレーション(ACC)動作の場合、図13におけるフィルタ処理部400、色変換部401は、特に変換は行わない。
パターン発生部404は、予め設定された図14に示すようなキャリブレーション用の読み取りパターンを出力する。変倍処理部403はCMYK画像データのサイズ(解像度)を、プロッタ装置209の再現性能に従ってサイズ(解像度)変換を行う。本実施例ではプロッタ装置209の性能が600dpi出力であるため、特に変換は行わない。
キャリブレーション動作の際、プリンタγ補正部404は、特にγ変換は実施せず(γスルー出力)、プロッタエンジンの特性を補正することなく出力する。階調処理部405では、CMYK各8ビットと属性情報を受け取ると、2ビットの属性情報に応じてプロッタ装置209の階調処理能力に従った階調数の変換処理を行う。
階調数が変換された画像データは、図11のプロッタ装置209で画像を形成し、キャリブレーション用の出力パターンとして出力され、読取り装置201はセットされたこの原稿をスキャンすることで得る原稿の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。
画像データ処理装置202は、読取り装置201からのデジタル画像データに対し、他の動作と同様に予め定めた特性に統一する処理を施して、統一RGBとして出力する。画像データ処理装置202で得られた補正後のキャリブレーション(ACC)読取り値を図15に示すように並べる。ここでは、統一RGBを出力としたが、読取り装置201の補正を施さない読取値(読取領域内のRGB各値の平均値)でも構わない。
CPU206は、CMYK毎に、以下に示すような統一RGB値で設定されたキャリブレーション(ACC)ターゲットを取得し、図16に示すように並べる。
・コピーモードACC ターゲットデータ
<RGB_K>1020,956,883,791,692,593,489,407,333,255,195,144,113,84,60,43,31,
<RGB_C>1020,968,909,843,771,691,596,511,443,377,310,250,193,149,109,83,69,
<RGB_M>1020,985,945,900,846,763,667,581,502,425,355,291,231,186,141,103,86,
<RGB_Y>1020,996,969,920,865,804,738,675,618,557,496,446,395,359,328,300,286,
・コピーモードACC LDデータ
<LD> 0,16,32,48,64,80,96,112,128,144,160,176,192,208,224,240,255,
・コピーモードACC 高濃度補正
<FLAG_K>ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,
<FLAG_C>ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,
<FLAG_M>ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,
<FLAG_Y>ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,ON,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,OFF,
この高濃度部補正パラメータより、ACC追従性OFF地点を取得し、また、ACC読取りデータより実機のトップ濃度(ディジタル値)を読み取り、ここで、
ACCターゲット(255のデータ)=W
ACC読取りデータ(255のデータ)=X
ACC追従性開始点のターゲット=Y
補正するターゲット=N
補正後のターゲット=Z
とすると、高濃度部の補正値は以下のようになる。
・追従性が”ON”の場合
Z=N
・追従性が”OFF”の場合
Z=(Y−N)*(Y−X)/(Y−W)+Y ただし、Y=Wの時は Z=Y
ここで、得られた値を図16に示すように並べる。
なお、ここで説明した高濃度部補正パラメータは、図11における操作表示装置210においてオペレータが設定した画像出力モードに応じて切り換えるため、高濃度部側の追従性が異なる。例えば、写真出力モードが設定された場合は、高濃度部の階調性を重視した色再現になるように、追従性OFFの階調レベルが増え、逆に文字再現を重視した出力モードが選択された場合は、追従性OFFの階調レベルが減少するようなパラメータ設定となる。
また、CPU206は、キャリブレーション(ACC)読取り値から地肌部(1段目)の読取り値(B_Det)を、それぞれ取得し、地肌データ(B_Det)とACCターゲット地肌部(Acc_T1)のデータの差分を取り、各ACC読み取り値の補正値(Cng_Acc_Tn)を求める。
Cng_Acc_Tn=(B_Det−Acc_T1)*Acc_U_Crct/100
nは、図14に示す段数(1〜17段)である。
各ACC読取り値(Acc_Sn)に補正値を加算して補正を行う。補正は全てのACC読み取り値に対して行う。
Acc_Sn’=Acc_Sn+Cng_Acc_Tn
高濃度部の補正まで行ったACCターゲットを用いて制御点入力パラメータから以下のステップを用いてターゲットデータを求める。
ステップ1
制御点入力パラメータがLDデータのどの点と点の間にあるのかを見つける。
制御点入力パラメータ:An(nは何番目の制御点入力パラメータかを示す)
LDデータ :Ldn(nは何番目のLDデータかを示す)
制御点入力パラメータ:Anに対して、LDデータの関係は以下のようになる。
Ldn−1<An≦Ldn
ただし、Ldn=0の場合は、Ldn−1≦An≦Ldnとなる。
ステップ2
Ldn−1とLdnに対するターゲットデータから直線補間の式を求め、制御点入力パラメータからターゲットデータを求める。
ターゲットデータ:Acc_Tn(nは何番目のLDデータに対するターゲットデータかを示す)
補間後のターゲットデータ:Acc_Tn’(nは何番目の制御点入力パラメータかを示す)
ターゲットデータをAcc_Tnとしたとき、制御点入力パラメータに対するターゲットデータは以下のようになる。
Acc_Tn’=((Acc_Tn−Acc_Tn−1)/(Ldn−Ldn−1))*(An−Ldn)+Acc_Tn
ステップ3
以上のステップを制御点入力パラメータ繰り返し、ターゲットデータを求める。
ステップ4
前述のACCターゲットを用いて制御点入力パラメータから以下のステップを用いてターゲットデータを求める。ステップ3で求めたターゲットデータがACC読み取り値のどの点と点の間にあるのかを見つける。
ターゲットデータ:Acc_Tn’(nは何番目の制御点入力パラメータかを示す)
ACC読み取り値:Acc_Sm’(mは何番目のACC読み取り値かを示す)
ターゲットデータ:Acc_Tn’に対して、ACC読み取り値の関係は以下のようになる。
Acc_Sm’−1<Acc_Tn’≦ Acc_Sm’
Acc_Sm’=0の場合は、Acc_Sm’−1≦a≦Acc_Sm’となる。
Acc_Sn’−1とAcc_Sm’に対するACC出力パターンから直線補間の式を求め、ターゲットデータからACC出力パターンデータを求める。
ACC出力パターンデータ :Acc_Pm (mは何番目のACC出力パターンに対するパターンを示す)
補間後のACC出力パターンデータ :Acc_Pm’
ACC出力パターンをAcc_Pmとしたとき制御点入力パラメータに対するターゲットデータは以下のようになる。
Acc_Pm’=((Acc_Pm−Acc_Pm’−1)/(Acc_Sm’−Acc_Sm’−1))*(Acc_Tn’−Acc_Sm’)+Acc_Pm
以上をAcc_Sm’のm回繰り返し、ターゲットデータを求める。図16は、以上のベースγ制御点パラメータ算出方法を示す。
このように算出したAccPm’が制御点出力パラメータとなるため、最終的なベースγ制御点パラメータは、
(制御点入力パラメータ、制御点出力パラメータ)=(Am,AccPm’) となる。
本実施例では、以上のベースγ制御点パラメータの算出およびγテーブルの設定は、図11におけるCPU206で実施される。このプロッタ出力特性を狙いの特性に補正するγテーブルは、図13のプリンタγ補正部404に設定され、CMYK用のエッジ用γテーブル、非エッジ用γテーブルを用いて、CMYK版毎のテーブル変換を実施してγ補正を行う。
ここで、図13のプリンタγ補正部404に設定されるγテーブルは、CMYK版毎の入力値0〜255に対するルックアップテーブル(0〜255の出力値)であり、図11におけるCPU206が、隣接するベースγ制御点の間を3次のスプライン曲線で補間することで、入力値0〜255に対するルックアップテーブルを作成する。
図17の境界条件を満たす一般的に知られている3次の補間式を用いて、プリンタγ補正部404に設定するγテーブルを求める。
(MFP機における中間転写ベルト上の面積階調パターン検知によるキャリブレーション動作)
中間転写ベルト上の面積階調パターン検知によるキャリブレーション(Intermediate transfer Belt type of inner ACC:IBACC)は、電位制御(ベタ濃度制御)で補正しきれない濃度変動を、前述した画像濃度検知結果として検出し、画像処理のパラメータ(本実施例では、図13のプリンタγ補正部404)へフィードバックすることで補正を行い、画像品質(階調特性)を維持することを目的とした機能である。
スキャナユニット(図11における読取り装置201)を備えたMFPでは、濃度安定化を図る機能として、MFPにおけるキャリブレーション動作として前述したベースγ制御ACC(以下、本実施例ではACCと省略する)がある。MFP機における中間転写ベルト上の面積階調パターン検知によるキャリブレーション機能(以下、通常のACCと区別するためIBACCという略称を用いる)は、ACCにて生成したγテーブルを補正するACCの補助的な機能として位置付けている。従って、ACC実行時は、後述するプロセス制御時に実行されるIBACCによるベースγテーブルの補正は無効としている。
本実施例において、IBACCによるベースγテーブル補正の有効/無効を判断する制御因子として、IBACC特性合成有効フラグ、及び、IBACCパターン基準読取値を用いる。
IBACC特性合成有効フラグの値がFalseである場合、画像設計者によりIBACC特性の合成を無効としていることを表すため、IBACC特性合成用γ制御点としてリニア特性(IBACC特性合成用γ制御点=制御点入力)を図11におけるCPU206のNVRAMに保存し、制御を終了する(IBACC特性合成用γ制御点をリニアにすることで、IBACC特性のベースγテーブルを合成したとしても、実質的にIBACC特性は反映されない)。
IBACCパターン基準読取値がNG値(ALL0)である場合、ACC実施時のプロコン/IBACCパターン読取/ACCが異常であることを表すため、IBACC特性合成用γ制御点としてリニア特性(IBACC特性合成用γ制御点=制御点入力)をNVRAM保存し、制御を終了する(IBACC特性合成用γ制御点をリニアにすることで、IBACC特性のベースγテーブルを合成したとしても、実質的にIBACC特性は反映されない)。
IBACCパターン基準読取値がNG値(ALL0)ではない場合、ACC実施時のプロコン/IBACC読取/ACCが正常であることを表すため、以下の処理に進む。
・IBACCパターン読取値変動特性の算出
IBACCパターン読取値変動特性は、逆引rawγ特性から予測rawγ特性を算出する際に用いられる。逆引rawγ特性、及び、予測rawγ特性は、基準rawγ特性と同様にACC出力パッチ数分の特性点がある。従ってIBACCパターン読取値変動特性も、ACC出力パッチ数分の特性点を持つ必要がある。
ACCパターン出力値に対応するIBACCパターン基準読取値(IBACCパターン基準読取参照点)を以下の手順で算出する。
<IBACCパターン基準読取参照点算出:ステップ11>
IBACCパターン出力値:IBAccPatOut[IPNUM]、IBACCパターン基準読取値:IBAccPatBaseIn[IPNUM]、及びACCパターン出力値:AccPatOut[APNUM]を用いて、IBACCパターン基準読取参照点:IBAccPatBaseInRef[APNUM]を算出する。
算出には下記境界条件、及び例外条件を満たした3次スプライン補間式を適用する。ACCパターン出力値に隣接する2つのIBACCパターン出力値を探索し、隣接するIBACCパターン出力値に対応するIBACCパターン基準読取値を3次スプライン補間し、IBACCパターン基準読取参照点を求める。境界条件に使用する変数、IBACCパターン出力値、IBACCパターン基準読取値、及び、3次スプライン補間値の関係を、図18、図19に示す。
変数
・IBACCパターン出力値:xt(tはt番目のIBACCパターン出力値であることを表す)
・IBACCパターン基準読取値:yt(tはt番目のIBACCパターン基準読取値であることを表す)
・3次スプライン補間関数:St(tは区間[xt,xt+1]を補間する関数であることを表す)
境界条件
(1)St(xt+1)=St(xt+1=yt+1 (t=0,1,2,・・・,IPNUM)
(2)St’(xt+1)=St+1’(xt+1)(t=0,1,2,・・・,IPNUM)
(3)St’’(xt+1)=St+1’’(xt+1)(t=0,1,2,・・・,IPNUM)
(4)S0(x0)=y0
(5)SIPNUM(xIPNUM+1)=yIPNUM+1
(6)S0’’(x0)=SIPNUM’’(xIPNUM+1)=0
例外条件
St(xt)<0ならば、St(xt)=0に補正する。
St(xt)>255ならば、St(xt)=255に補正する。
・IBACCパターン読取値変動特性
以上のように算出したIBACCパターン基準読取参照点に対応するIBACCパターン出力値(IBACCパターン読取値変動特性)を算出する。
<IBACCパターン現在出力参照点算出:ステップ21>
IBACCパターン出力値:IBAccPatOut[IPNUM]、IBACCパターン現在読取値:IBAccPatCurrIn[IPNUM]、及び、ステップ11で算出したIBACCパターン基準読取参照点:IBAccPatBaseInRef[APNUM]用いて、IBACCパターン読取値変動特性:IBAccPatVarChar[APNUM]を算出する。
算出はステップ11と同様の手順により、IBACCパターン現在読取値、IBACCパターン出力値を3次スプライン補間し、IBACCパターン読取値変動特性を求める。各変数、及び、3次スプライン補間値の関係を図20に示す。
・逆引rawγ特性の算出
本制御仕様における最終的なアウトプットであるIBACC特性合成用γ制御点は、「仮に現時点でACCを実行した場合に、得られるはずのrawγ特性」を予測し、予測したrawγ特性(予測rawγ)に応じて算出する制御点である。ただし、予測の基準となる基準rawγ特性が図11のCPU206のメモリに保存されていないので、画像設計パラメータにより再現した基準rawγ特性(逆引rawγ特性)を算出する必要がある。
以下の手順で、基準ベースγ制御点入力パラメータに対応するACCターゲット濃度(逆引rawγ読取参照点)を算出する。
<IBACCパターン基準読取参照点算出:ステップ11>
LDデータ:LD[LDNUM]、及びACCターゲット濃度:AccTgtOut[LDNUM]、及び基準ベースγ制御点入力パラメータBaseGammaCPIn[CPNUM]を用いて、逆引rawγ読取参照点:InvRawGammaRefIn[CPNUM]を算出する。
基準ベースγ制御点入力パラメータに隣接する2つのLDデータを探索し、隣接するLDデータに対応するACCターゲット濃度を線形補間し、逆引rawγ読取参照点を算出する。逆引rawγ読取参照点の算出法を図21に示す。基準ベースγ制御点と、前項にて算出した逆引rawγ読取参照点から、逆引rawγ特性を算出する。
<逆引rawγ特性算出:ステップ31>
基準ベースγ制御点:BaseGammaCPOut[CPNUM]を、逆引rawγ出力参照点:InvRawGammaRefOut[CPNUM]として保持する。逆引rawγ出力参照点の算出法を図22に示す。
<逆引rawγ特性算出:ステップ32>
ステップ31で算出した逆引rawγ出力参照点:InvRawGammaRefOut[CPNUM]、前項にて算出した逆引rawγ読取参照点:InvRawGammaRefIn[CPNUM]、及びACCパターン出力値:AccPatOut[ACCPAT]を用いて、逆引rawγ特性:InvRawGamma[APNUM]を算出する。
ACCパターン出力値に隣接する2つの逆引rawγ出力参照点を探索し、隣接する逆引rawγ出力参照点に対応する逆引rawγ読取参照点を線形補間し、図23に示すように逆引rawγ特性を算出する。
・予測rawγ特性の算出
予測rawγ特性は、「仮に現時点でACCを実行した場合に、得られるはずのrawγ特性」を予測した特性値であり、仮想ベースγ制御点を算出する際に用いられる。以下の手順で、逆引rawγ特性をIBACCパターン読取値変動特性に応じて補正し、予測rawγ特性を算出する。
<予測rawγ特性:ステップ41>
図24に示すように、IBACCパターン読取値変動特性:IBAccPatVarChar[APNUM]から、IBACCパターン読取値変動値:IBAccPatVarCharVal[APNUM]を算出する。
<予測rawγ特性:ステップ42>
ステップ41で算出したIBACCパターン読取値変動値:IBAccPatVarCharVal[APNUM]、予測反映係数:ExpMulCoef[APNUM]、及び逆引rawγ特性InvRawGamma[APNUM]から、図25に示すように、予測rawγ特性:ExpRawGamma[APNUM]を算出する。
・IBACC特性合成用γ制御点の算出
予測rawγ特性をACCターゲット特性へ補正するために、仮想ベースγ制御点を算出する。
仮想ベースγ制御点算出手順は、図26に示すように、MFP機におけるキャリブレーション動作の説明で前述した基準ベースγ制御点生成フロー「制御点データ取得」以降と同一の処理手順を取る。基準ベースγ制御点の値を、仮想ベースγ制御点の値へ補正するために、以下の手順に従いIBACC特性合成用γ制御点を算出する。
<IBACC特性合成用γ制御点:ステップ51>
基準ベースγ制御点:BaseGammaCPOut[CPNUM]、仮想ベースγ制御点:VBaseGammaCPOut[CPNUM]から、図27に示すように、制御点差分データ:GammaCPDiff[CPNUM]を算出する。
<IBACC特性合成用γ制御点:ステップ52>
ステップ51で算出した制御点差分データ:GammaCPDiff[CPNUM]、IBACC特性合成係数:SynGammaCPCoef[CPNUM]、及び、基準ベースγ制御点入力パラメータ:BaseGammaCPIn[CPNUM]から、図28に示すように、IBACC特性合成用γ制御点:SynGammaCPOut[CPNUM]を算出する。
・IBACC特性合成用γ制御点の保存
補正対象機が図10におけるMFP機の場合、以上の手順で算出したIBACC特性合成用γ制御点を、図11におけるCPU206内のメモリに保存する。
・IBACC特性ベースγ制御点のIBACC特性合成
図29に示すように、以下の手順でベースγ制御点にIBACCγ特性を合成する。
for(i=0;i<num;i++){
cpy[i]=cpy[i]+(ibcpy[i]−cpx[i]);

ただし、上記において、
cpy[i]>255のとき、cpy[i]=255
cpy[i]<0のとき、cpy[i]=0
num:有効な制御点の数
cpx[ ],cpy[ ]:有効な制御点の座標(入力値の小さい順に代入されている)
ibcpy[ ]:有効なIBACC特性合成用γ制御点の座標(入力値の小さい順に代入されている)
となる。
本実施例では、以上のIBACC特性を反映したγテーブルの設定も、ベースγ制御点パラメータからγテーブルを設定したように、図11におけるCPU206で実施される。
このプロッタ出力特性を狙いの特性に補正するγテーブルは、図13のプリンタγ補正部404に設定され、CMYK用のエッジ用γテーブル、非エッジ用γテーブルを用いて、CMYK版毎のテーブル変換を実施してγ補正を行う。
ここで、図13のプリンタγ補正部404に設定されるγテーブルは、CMYK版毎の入力値0〜255に対するルックアップテーブル(0〜255の出力値)であり、図11におけるCPU206が、隣接する前述のIBACC特性を反映したベースγ制御点の間を3次のスプライン曲線で補間することで、入力値0〜255に対するルックアップテーブルを作成する。
図17の境界条件を満たす一般的に知られている3次の補間式を用いて、プリンタγ補正部404に設定するγテーブルを求める。
(画像形成システムにおけるサーバ装置の動作)
図10に示す画像形成システムにおいて、ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置の画像出力特性を管理するサーバ装置(画像処理装置)1000の動作について説明する。
サーバ装置1000は、接続された各画像形成装置の機器構成および作像エンジン制御条件(画像出力条件)を検出する検出部と、画像出力条件を参照して、複数のキャリブレーション機能を備えた画像形成装置において同時に実施した複数のキャリブレーション結果を検出し、画像出力条件毎に同時に実施された複数のキャリブレーション対象の履歴情報を生成する生成部と、画像出力条件を参照して、単一のキャリブレーション機能のみを有する画像形成装置(第1の画像形成装置)において実施されたキャリブレーション結果、または、複数のキャリブレーション機能を有する画像形成装置(第2の画像形成装置)において事前に設定された補正精度の劣るキャリブレーション方式で実施されたキャリブレーション結果を、画像出力条件に応じたキャリブレーション履歴情報を用いて調整し、第1または第2の画像形成装置の画像出力特性を調整する調整部を含んで構成されている。
サーバ装置1000は、図10におけるネットワークを介して接続された全てのプリンタ(プリンタ1001〜1003)とMFP(MFP1004〜1006)で実施された中間転写ベルト上の面積階調パターン検知によるキャリブレーション(IBACC)動作と、MFP(MFP1004〜1006)で実際に記録紙に画像形成したテストパターンのスキャナ読取値を用いたキャリブレーション(ACC)動作をモニタする。
サーバ装置1000は、画像形成システムのキャリブレーション情報として、MFP(MFP1004〜1006)におけるキャリブレーション動作で前述したACC実行時に検出されるACCパターン出力値に対するACC読取値(図15参照)と、ACC実行(ACCパターン出力)前に実施されるIBACC動作時に検出されるMFP機における中間転写ベルト上の面積階調パターン検知によるキャリブレーション動作で前述したIBACCパターン基準読取参照点(図19参照)、および、その差分値を、画像出力条件毎に同時に実施された複数のキャリブレーション対象のキャリブレーション履歴情報として検出し、例えば、図30に示すように、画像形成するプロセスカートリッジ(Type)や記録媒体情報のような画像出力条件毎に保存する。
つまり、ACC実行(ACCパターン出力)前のプロコン(ACC実行前)実施時に連動してIBACCを動作させるため、中間転写ベルト上のトナー量等の検知結果(本実施例におけるIBACCパターン基準読取値)と、その時の記録紙に画像形成された出力濃度に相当するACCパターン出力値に対するACC読取値との関係が、前述のACCパターン出力値という共通の入力値を介したIBACCパターン基準読取参照点とACCパターン読取値として、画像出力条件毎に保存されることになる。
一方、複数のキャリブレーション機能を有するMFP機におけるACC動作と、IBACC動作の関係は、通常のスキャナ等を用いたACC機能の方が補正精度に対する信頼性が高く、ACC実行(ACCパターン出力)前にプロコン(ACC実行前)を実施するため、ACC実行時にIBACC合成用γ制御点(差分データ)をスルー(差分値0)とし、ACC実行時のIBACCパターン基準読取値やIBACCパターン基準読取参照点を基準とした出力γ補正を実施している。MFP機におけるIBACCは、ACCにより生成したγテーブルを補正するACCの補助的な機能である。
(プリンタにおけるキャリブレーション動作)
次に、ACC機能を持たないプリンタ(単一のキャリブレーション機能のみを有するプリンタ)におけるIBACCについて説明する。なお、単一のキャリブレーション機能のみを有するプリンタの他に、複数のキャリブレーション機能を有し、所定精度に満たないキャリブレーションを実施する画像形成装置にも同様に、以下の処理が適用される。
本実施例において、図10に示す画像形成システムにおけるネットワークを介して接続されたプリンタ(プリンタ1001〜1003)が該当する。画像形成装置は、デジタル複合機(MFP)と同様、画像形成装置100を共通とし、画像データ処理機能は、デジタル複合機(MFP)におけるプリンタ動作に準じるものとし、画像蓄積や統一RGBデータへの変換は行わない。すなわち、図13に示す画像データ処理装置204の色変換部401において、各8ビットの標準RGBデータであるsRGBデータを受け取ると、プロッタ装置用の色空間であるCMYK各8ビットに変換する。このとき、設定された画質モード情報に応じてデコードされた属性情報に従った最適な色調整を実施し、プリント出力される。
図13に示す画像データ処理装置204のプリンタγ補正部404は、予めCPU206により生成され、プリンタ出力用に設定されたCMYK用の文字部用γテーブル、写真部用γテーブルを用いて、CMYK版毎のテーブル変換を実施してγ補正を実施する。
このγテーブルの設定は、IBACCをベースにしたものとなるが、ここでは画像形成システムにおけるサーバ装置1000により生成した複数のキャリブレーション対象の履歴情報を用いて、中間転写ベルト上のトナー量等の検知結果(本実施例におけるIBACCパターン基準読取値)から算出したIBACCパターン基準読取参照点を補正する。
具体的には、ACCパターン出力値に対応するIBACCパターン基準読取値(IBACCパターン基準読取参照点)の算出と同様で、以下の手順となる。
<IBACCパターン基準読取参照点算出:ステップ11>
IBACCパターン出力値:IBAccPatOut[IPNUM]、IBACCパターン基準読取値:IBAccPatBaseIn[IPNUM]、及びACCパターン出力値:AccPatOut[APNUM]を用いて、IBACCパターン基準読取参照点:IBAccPatBaseInRef[APNUM]を算出する。
算出には下記境界条件、及び例外条件を満たした3次スプライン補間式を適用する。ACCパターン出力値に隣接する2つのIBACCパターン出力値を探索し、隣接するIBACCパターン出力値に対応するIBACCパターン基準読取値を3次スプライン補間し、IBACCパターン基準読取参照点を求める。境界条件に使用する変数、IBACCパターン出力値、IBACCパターン基準読取値、及び、3次スプライン補間値の関係を、図18、図19に示す。
変数
・IBACCパターン出力値:xt(tはt番目のIBACCパターン出力値であることを表す。)
・IBACCパターン基準読取値:yt(tはt番目のIBACCパターン基準読取値であることを表す。)
・3次スプライン補間関数:St(tは区間[xt,xt+1]を補間する関数であることを表す。)
境界条件
(1)St(xt+1)=St(xt+1=yt+1 (t=0,1,2,・・・,IPNUM)
(2)St’(xt+1)=St+1’(xt+1)(t=0,1,2,・・・,IPNUM)
(3)St’’(xt+1)=St+1’’(xt+1)(t=0,1,2,・・・,IPNUM)
(4)S0(x0)=y0
(5)SIPNUM(xIPNUM+1)=yIPNUM+1
(6)S0’’(x0)=SIPNUM’’(xIPNUM+1)=0
例外条件
St(xt)<0ならば、St(xt)=0に補正する。
St(xt)>255ならば、St(xt)=255に補正する。
このようにして(ACCパターン出力レベル毎に)算出したIBACCパターン基準読取参照点に、画像形成システムにおけるサーバ装置の動作で前述した以下に示す差分情報:
(ACCパターン読取値)−(IBACCパターン基準読取参照点)
を加算することで、ACC機能を持たないプリンタにおける仮想のACCパターン読取値を推定する。この際、キャリブレーション履歴情報に対応する差分情報は、画像出力条件毎の平均値を用いる。
本実施例では、図30に示す同じプロセスカートリッジ(Type)および記録紙の組み合わせ毎にACCパターン出力レベル毎の差分情報の平均値を算出して、プリンタ(画像形成装置)で検出したIBACC読取データ(IBACCパターン基準読取参照点)に加算する。
ただし、前述した画像出力条件毎の差分情報の分散(標準偏差σ)が予めACCパターン出力レベル毎に設定した値より大きい場合や、画像出力条件毎の差分情報の数(N)が予めACCパターン出力レベル毎に設定した値に満たない場合は、予め設定したACCパターン出力レベル毎のIBACCパターン基準読取補正値(初期値)を加算して、仮想のACCパターン読取値を算出する。
このようにして求めた仮想のACCパターン読取値からプリンタγ補正テーブルを算出する手順は、MFP機におけるキャリブレーション動作で前述した手順と同様となる。
以上説明したように、本発明では、画像形成条件によっては中間転写以降の画像形成システムのバラツキ等により、検出したトナー量と実際に記録紙に画像形成された出力濃度との相関が低くなる中間転写ベルト上のトナー量等の検知結果を用いる自動階調補正のキャリブレーション精度を高め、ユーザーの手を煩わせることなく、経時的な画像出力特性を調整して狙い通りに画像を形成することができる。
また、共通のプロッタ出力に関わるγ補正テーブルを形成する代表制御点を複数のキャリブレーション対象としているので、画像形成システムにおいて少ない情報のハンドリングで、効率的に各画像形成装置の経時的な画像出力特性を高精度に調整(補正)して狙い通りに画像を形成することができる。
また、画像出力条件として少なくとも記録媒体情報を含み、画像出力条件毎に代表制御点の平均出力値を基準に画像出力特性を調整しているので、記録紙にトナー像を転写する前のトナー濃度検知結果に基づいて、実際に記録紙に画像形成された出力濃度との相関が高い各画像形成装置の経時的な画像出力特性を高精度に調整して狙い通りに画像を形成することができる。
また、画像出力条件毎の代表制御点における出力値のバラツキを判定し、予め設定された基準値を超えた場合、画像出力条件とキャリブレーション履歴情報に応じた調整を実施しないので、記録紙にトナー像を転写する前のトナー濃度検知結果にバラツキがあっても、異常なく画像を形成することができる。
また、画像出力条件毎の代表制御点における出力値のバラツキを判定し、予め設定された基準値を超えた場合、キャリブレーション対象としているプロッタ出力に関わるγ補正テーブルのターゲット出力特性を変更しているので、画像形成装置の出力濃度のバラツキが大きい画像出力条件であっても、バラツキの最悪条件に見合った出力画像を形成することができる。
さらに、濃度レベル毎に代表制御点の平均出力値を基準に画像出力特性を調整しているので、画像形成システムにおいてネットワークを介して接続されている画像形成装置の数が多くなくても、様々な画像出力条件に対して、効率的に各画像形成装置の経時的な画像出力特性を高精度に調整して狙い通りに画像を形成することができる。
1000 サーバ装置
1001〜1003 プリンタ
1004〜1006 MFP
特許3724566号公報

Claims (9)

  1. 複数の画像形成装置およびサーバ装置がネットワークを介して接続され、前記画像形成装置の画像出力特性を管理する画像形成システムにおいて、前記各画像形成装置の画像出力条件を検出する検出手段と、前記画像出力条件を参照して、複数のキャリブレーション機能を有する画像形成装置において同時に実施した複数のキャリブレーション結果を検出し、前記複数のキャリブレーション対象の履歴情報を生成する生成手段と、前記画像出力条件を参照して、単一のキャリブレーション機能を有する第1の画像形成装置において実施されたキャリブレーション結果、または複数のキャリブレーション機能を有する第2の画像形成装置において所定精度に満たないキャリブレーション機能により実施されたキャリブレーション結果を、前記履歴情報を参照して調整し、前記第1または第2の画像形成装置の画像出力特性を調整する調整手段を備えることを特徴とする画像形成システム。
  2. 前記複数のキャリブレーション機能は、記録紙に画像を形成したテストパターンの読取値に基づく方式と、記録紙にトナー像を転写する前のトナー濃度の検知結果に基づく方式を含み、前記調整手段は、前記記録紙にトナー像を転写する前のトナー濃度の検知結果に基づくキャリブレーション結果を、前記履歴情報に基づいて調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
  3. 前記複数のキャリブレーション対象は、プロッタ出力特性に関わるγ補正テーブルを形成する制御点であることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
  4. 前記画像出力条件は記録媒体情報を含み、前記調整手段は、前記画像出力条件に応じた前記制御点の平均出力値を基準に調整することを特徴とする請求項1または3記載の画像形成システム。
  5. 前記生成手段は、前記画像出力条件に応じた前記制御点における出力値のバラツキを判定し、所定の基準値を超えた場合、前記調整手段は、前記履歴情報を参照した調整を実施しないことを特徴とする請求項1または4記載の画像形成システム。
  6. 前記生成手段は、前記画像出力条件に応じた前記制御点における出力値のバラツキを判定し、所定の基準値を超えた場合、キャリブレーション対象のプロッタ出力特性に関わるγ補正テーブルのターゲット出力特性を変更することを特徴とする請求項1または4記載の画像形成システム。
  7. 前記調整手段は、濃度レベルに応じた制御点の平均出力値を基準に調整することを特徴とする請求項4または5記載の画像形成システム。
  8. ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置の画像出力特性を管理する画像処理装置において、前記各画像形成装置の画像出力条件を検出する検出手段と、前記画像出力条件を参照して、複数のキャリブレーション機能を有する画像形成装置において同時に実施した複数のキャリブレーション結果を検出し、前記複数のキャリブレーション対象の履歴情報を生成する生成手段と、前記画像出力条件を参照して、単一のキャリブレーション機能を有する第1の画像形成装置において実施されたキャリブレーション結果、または複数のキャリブレーション機能を有する第2の画像形成装置において所定精度に満たないキャリブレーション機能により実施されたキャリブレーション結果を、前記履歴情報を参照して調整し、前記第1または第2の画像形成装置の画像出力特性を調整する調整手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  9. ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置の画像出力特性を管理する画像処理方法において、前記各画像形成装置の画像出力条件を検出する検出工程と、前記画像出力条件を参照して、複数のキャリブレーション機能を有する画像形成装置において同時に実施した複数のキャリブレーション結果を検出し、前記複数のキャリブレーション対象の履歴情報を生成する生成工程と、前記画像出力条件を参照して、単一のキャリブレーション機能を有する第1の画像形成装置において実施されたキャリブレーション結果、または複数のキャリブレーション機能を有する第2の画像形成装置において所定精度に満たないキャリブレーション機能により実施されたキャリブレーション結果を、前記履歴情報を参照して調整し、前記第1または第2の画像形成装置の画像出力特性を調整する調整工程を備えることを特徴とする画像処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11561496B1 (en) 2022-01-07 2023-01-24 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Image forming apparatus

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