JP2014135219A - リリーフ弁を有する燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】異物の逆流による弁への悪影響を抑制する。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池に供給される燃料ガスを貯蔵するガスタンクと、ガスタンクと燃料電池との間を結ぶガス供給管と、燃料電池からの排ガスを排出するガス排出管と、ガス供給管に設けられた減圧弁と、減圧弁と燃料電池との間に設けられたリリーフ弁と、リリーフ弁の排気口とガス排出管とを結ぶ排気チューブと、を備え、リリーフ弁は、弁口と排気口とを有するハウジングと、弁口に設けられた弁座と、弁体と、弁体が開く圧力を調節する圧力調節ネジと、を有し、リリーフ弁の圧力調節ネジと排気口との間、及び排気チューブに設けられた応力集中部とリリーフ弁との間、の少なくとも一方にガス透過膜が設けられている。
【選択図】図3

Description

この発明は、リリーフ弁を有する燃料電池システムに関し、異物の逆流による弁への悪影響を抑制する技術に関する。
燃料電池システムにおいて、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路にリリーフ弁が設けられ、リリーフ弁のガス放出側が希釈器に接続され、さらにガスが外気へ放出される燃料電池が知られている(特許文献1)。
特開2006−294341号公報
希釈器には、カソード排ガスも排出される。そして、カソード排ガスには、燃料電池の反応により生じた生成水も含まれる。リリーフ弁が開いていない場合には、燃料ガス供給路から希釈器へガスが流れず、逆に、水分などの異物が、リリーフ弁に逆流し、リリーフ弁に悪影響を与える虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、リリーフ弁を有する燃料電池システムが提供される。この燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池に供給される燃料ガスを貯蔵するガスタンクと、前記ガスタンクと前記燃料電池との間を結ぶガス供給管と、前記燃料電池からの排ガスを排出するガス排出管と、前記ガス供給管に設けられた減圧弁と、前記減圧弁と前記燃料電池との間に設けられたリリーフ弁と、前記リリーフ弁の排気口と前記ガス排出管とを結ぶ排気チューブと、を備え、前記リリーフ弁は、弁口と前記排気口とを有するハウジングと、弁口に設けられた弁座と、弁体と、前記弁体が開く圧力を調節する圧力調節ネジと、を有し、前記リリーフ弁の前記圧力調節ネジと前記排気口との間及び前記排気チューブに設けられた応力集中部と前記リリーフ弁との間の少なくとも一方にガス透過膜が設けられている。この形態の燃料電池システムによれば、ガス排出管から異物が混入しようとしても、排気チューブに設けられたガス透過膜によりあるいはリリーフ弁の圧力調節ネジと排気口との間に設けられたガス透過膜により、弁体と弁座との当接部分への異物の侵入を抑制することが可能となる。
なお、本発明は種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池システムの他、リリーフ弁等の形態で実現することができる。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムを示す説明図である。 本実施形態における車両停止時の動作を示す説明図である。 本実施形態で用いられるリリーフ弁を模式的に示す説明図である。 第2の実施形態にかかる燃料電池システムを示す説明図である。
第1の実施形態:
図1は、第1の実施形態にかかる燃料電池システム10を示す説明図である。本実施形態の燃料電池システムは、例えば車両の動力源として用いることが可能である。燃料電池システム10は、燃料電池100と、ガスタンク200と、コンプレッサ300と、希釈器270とを備える。燃料電池100は、水素と空気中の酸素とを反応させて電気エネルギーを発生させる電池である。本実施形態では、水素を「アノードガス」とも呼び空気を「カソードガス」とも呼ぶ。ガスタンク200は、燃料電池100に供給される水素を貯蔵するタンクである。燃料電池100とガスタンク200とは、アノードガス供給管210により接続されている。燃料電池100には、反応後のアノード排ガスを排出するアノードガス排気管250が設けられている。コンプレッサ300は、大気中の空気を集めて圧縮する。圧縮された空気は、カソードガス供給管310を介して燃料電池100に供給される。燃料電池100には、反応後のカソード排ガスを排気するためのカソードガス排気管350が設けられている。アノードガス排気管250及びカソードガス排気管には、希釈器270が設けられている。希釈器270は、アノード排ガス中の水素をカソード排ガスによって希釈する。
アノードガス供給管210には、ガスタンク200側から、減圧弁230、リリーフ弁400、遮断弁240が設けられている。減圧弁230は、ガスタンク200から供給される水素の圧力を調圧する。リリーフ弁400は、アノードガス供給管210内部の圧力が設定値以上に高くなった場合に開き、アノードガス供給管210内部の圧力が高くなりすぎないように調圧する。リリーフ弁400の出力ポートは、排気チューブ260を介して希釈器270に接続されている。なお、アノードガス供給管210のガスタンク200よりもさらに上流側には、ガスタンクにアノードガスを充填するためのアノードガス充填口220が設けられている。
図2は、本実施形態における車両停止時の動作を示す説明図である。図の横軸は時間であり、縦軸は、減圧弁230よりも下流側におけるアノードガス供給管210内部の圧力である。車両動作中の時は、減圧弁230は、減圧弁230よりも下流側におけるアノードガス供給管210内部の圧力が調圧弁調圧値上限よりも低くなるように調圧している。また、遮断弁240は開放されており、燃料電池100にアノードガスが供給される。車両が停止し、燃料電池100の動作が止められると、遮断弁が閉鎖され、アノードガス供給管210から燃料電池100へのアノードガスの供給が停止される。そのため、アノードガス供給管210内部の圧力が徐々に高くなっていく。アノードガス供給管210内部の圧力がリリーフ弁400の作動圧力以上となると、リリーフ弁400が開放し、アノードガス供給管210内部の圧力は、リリーフ弁400の作動圧力以上には上がらなくなる。
ところで、リリーフ弁400の出力ポートの下流には、希釈器270が設けられている。希釈器270には、カソードガス排気管350も接続されている。カソード排ガスには、燃料電池100の反応で生じた水分も含まれている。リリーフ弁400が作動していない場合には、水分などの異物が、希釈器270からリリーフ弁400に向かって排気チューブ260中を逆流する可能性があり、逆流した異物によりリリーフ弁400の作動不良がおこる虞がある。
図3は、本実施形態で用いられるリリーフ弁400を模式的に示す説明図である。リリーフ弁400は、ハウジング410と、ピストン420と、圧力調節ネジ430と、出力ポート440と、バネ450と、ガス透過膜460と、を備える。ハウジング410は、中空部411を有する部材であり、入力ポート412と、弁座413とを備える。入力ポート412は、「弁口」とも呼ぶ。中空部411の出力ポート440側の内壁には、雌ネジ414が切られている。ピストン420は、ハウジング410の中空部411に配置される部材である。ピストン420は、入力ポート412側に弁体421を備える。ピストン420の入力ポート412と反対側は、バネ450を収める凹部422が形成されている。圧力調節ネジ430は、ハウジング410の中空部411に配置される部材である。圧力調節ネジ430の外縁には雄ネジ431が切られておる。圧力調節ネジ430と、ピストン420の凹部422と、の間にバネ450が配置されている。バネ450の伸張力により、ピストン420の弁体421が弁座413に押しつけられる。圧力調節ネジ430を回転させることにより、ピストン420と圧力調節ネジ430との間隔を変えることが可能であり、弁体421が開弁する圧力を変えることが可能である。出力ポート440は、圧力調節ネジ430側にガス透過膜460を備える。ガス透過膜460は、出力ポート440側から異物がハウジング410の中空部411侵入するのを抑制する。出力ポート440は、外周部に雄ネジ441を有する部材であり、ハウジング410と出力ポート440とを容易に分離することが可能である。そのため、ガス透過膜460の交換が容易である。
本実施形態においては、出力ポート440の内径φBの大きさは、入力ポート412の内径φA以上の大きさであることが好ましい。減圧弁230が故障して大量のアノードガスが流れてきても、容易に排出することが可能となる。また、減圧弁230の故障時に、減圧弁230より下流側のアノードガス供給管210内部の圧力の上昇を抑制することが可能となる。
また、本実施形態においては、ガス透過膜460を備えているので、出力ポート440側からハウジング410の中空部411に異物が侵入するのを抑制することが可能となる。また、ガス透過膜460は、出力ポート440に取り付けられており、ハウジング410と出力ポート440とは容易に分離することが可能であるので、ガス透過膜460の交換が容易である。その結果、メンテナンス費用を削減することが可能となる。
第2の実施形態:
図4は、第2の実施形態にかかる燃料電池システム11を示す説明図である。第2の実施形態にかかる燃料電池システム11は、第1の実施形態にかかる燃料電池システム10と、排気チューブの構成が異なる。第1の実施形態の排気チューブ260は、リリーフ弁400と、希釈器270とを直結している。これに対し、第2の実施形態の排気チューブ280は、排気チューブ280の中間に応力集中部282が設けられている点、及び応力集中部282とリリーフ弁400との間にガス透過膜281を備える点が異なっている。ガス透過膜281は、希釈器270からリリーフ弁400に向かって水等の異物が侵入しようとするのを抑制する。応力集中部282は、希釈器270から排気チューブ280に水等の異物が侵入し、排気チューブ280に内圧が掛かった場合に、応力集中部282が変形することにより他の部分に応力が掛かることを防止する。このような応力集中部282を設けることによって、ガス透過膜に過度の応力が掛かって破損することを防止できる。なお、応力集中部282の位置は、排気チューブ280のちょうど真ん中でなくても良い
第2の実施形態では、希釈器270からリリーフ弁400に向かって異物が侵入しようとしても、ガス透過膜281により異物の侵入を抑制することが可能となる。また、異物はガス透過膜281で阻止できるため、リリーフ弁400に到達し難い。また、異物が侵入した場合、排気チューブ280とガス透過膜281を交換するだけで良く、リリーフ弁400を分解する必要がないため、メンテナンスが容易となる。
第1の実施形態のリリーフ弁400は、第1の実施形態のリリーフ弁400と同一の物でも良く、また、第1の実施形態のリリーフ弁400から、ガス透過膜460を除いたリリーフ弁であってもよい。第2の実施形態では、排気チューブ280上のガス透過膜281によって異物の侵入を抑制できるため、リリーフ弁400は、ガス透過膜460を備えなくても良い。
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10、11…燃料電池システム
100…燃料電池
200…ガスタンク
210…アノードガス供給管
220…アノードガス充填口
230…減圧弁
240…遮断弁
250…アノードガス排気管
260…排気チューブ
270…希釈器
280…排気チューブ
281…ガス透過膜
300…コンプレッサ
310…カソードガス供給管
350…カソードガス排気管
400…リリーフ弁
410…ハウジング
411…中空部
412…入力ポート
413…弁座
414…雌ネジ
420…ピストン
421…弁体
422…凹部
430…圧力調節ネジ
431…雄ネジ
440…出力ポート
441…雄ネジ
450…バネ
460…ガス透過膜
φA、φB…内径

Claims (1)

  1. リリーフ弁を有する燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に供給される燃料ガスを貯蔵するガスタンクと、
    前記ガスタンクと前記燃料電池との間を結ぶガス供給管と、
    前記燃料電池からの排ガスを排出するガス排出管と、
    前記ガス供給管に設けられた減圧弁と、
    前記減圧弁と前記燃料電池との間に設けられたリリーフ弁と、
    前記リリーフ弁の排気口と前記ガス排出管とを結ぶ排気チューブと、
    を備え、
    前記リリーフ弁は、
    弁口と前記排気口とを有するハウジングと、
    弁口に設けられた弁座と、
    弁体と、
    前記弁体が開く圧力を調節する圧力調節ネジと、
    を有し、
    前記リリーフ弁の前記圧力調節ネジと前記排気口との間、及び前記排気チューブに設けられた応力集中部と前記リリーフ弁との間、の少なくとも一方にガス透過膜が設けられている、リリーフ弁を有する燃料電池システム。
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