JP2014134786A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】錐体視と桿体視との違いによる解像度の影響を補正して、良好に見える画質を提供する。
【解決手段】眼の特性として、暗い時には、眼の解像度が下がる。これは、眼の中心部においては錐体細胞がほとんどであり、桿体細胞がまばらであることに起因している。表示パネル96の縁には、照度センサ92が備えられており、環境照度をセンシングすることができる。解像感補正回路94は、ガンマ系画質調整回路91から出力される画像データ及び照度センサ92から出力される照度から視野内平均輝度を算出し、算出した視野内平均輝度に基づいて、適切な解像感補正を行う。解像感補正回路94は、視野内の輝度を算出し、算出した視野内の輝度に応じて、画像データに対して輪郭強調処理を施す。
【選択図】図9

Description

本発明は、錐体視と桿体視との違いを考慮した画質調整を行う技術に関するものである。
従来より、暗い環境において、ディスプレイやプロジェクタスクリーンを見る場合には、表示装置の輝度を落として、眩しすぎないようにすることが一般的に行なわれている。また、ディスプレイの表示モードを変更することによって、シネマモードと称する、輝度が低く、色温度の低い、低コントラストの表示も行なわれている。また、シネマモードにおいては、解像感を低くするために、輪郭強調をソフトに調整することも行なわれている。
これらの補正処理は、目の特性に応じて眩しすぎないようにしたり、コンテンツの作成された色温度に合わせたりするために行なわれている。また、明るいところで見ても、はっきりと見えるようにするための補正処理が行なわれている。
ここで、目の特性として、明るさに応じて、錐体細胞と桿体細胞との2つの視細胞の働いている比率が変わることがわかっている。明るい所では、錐体細胞が主に働き、暗い所では桿体細胞が主に働いている。この変化をプルキニエ遷移という。
錐体細胞は、RGB三色を認識することができるのに対し、桿体細胞は、モノクロしか認識することができず、また、感度の中心となる周波数が異なっている。つまり、暗い所で桿体視の割合が増えると、プルキニエ遷移により、色の濃さや色温度が異なって見える。
そこで、特許文献1、2及び3には、プルキニエ遷移に応じて、色温度や色の濃さを補正する技術が開示されている。即ち、特許文献1、2及び3には、環境輝度及びAPLがあるレベルより低いときに、色温度を上げるとともに、色の濃さを増すように画像処理を施す技術が開示されている。ここでAPLとは、Average Picture Levelの略であり、フレーム1枚の画像データの階調数を平均した値である。
また、他の眼の特性として、暗い時には、眼の解像度が下がるということがいわれている。これは、眼の中心部においては錐体細胞がほとんどであり、桿体細胞がまばらであることに起因している。特許文献4には、特に明るい環境で見るときに輪郭強調を強く行う技術が開示されている。また、特許文献5には、視聴距離が短くなるに従って、輪郭強調を弱くする技術が開示されている。
特開2006−285063号公報 特開2007−248936号公報 特開2007−248935号公報 特開2010−26139号公報 特開2011−150127号公報
しかしながら、シネマモードによる暗所の雰囲気を出す画作りは、環境光や画像の明るさに関係なく行なわれるため、視聴しているときの眼の特性に十分対応することができない。また、上記したように、錐体細胞に対する桿体細胞の違いは、プルキニエ遷移とされている色への影響だけではなく、解像度も異なって見える。特許文献1、2又は3に開示される技術では、色を補正したり、ゲイン強度を制限したりしてはいるが、解像度そのものを補正することができないため、不十分な画質となる。
外部環境が暗いときには、中心部における視細胞の数の違いによって、眼の解像度が下がることが分かっている。暗いときには解像度が低く見えるが、特許文献4及び5に開示される技術では、このように解像度が低くなることに対して、十分な画質を確保することについては考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、錐体視と桿体視との違いによる解像度の影響を補正して、良好に見える画質を提供することにある。
本発明の画像処理装置は、画像データを入力する入力手段と、視野内の輝度を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記視野内の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理を施す処理手段とを有することを特徴とする。
本発明の画像処理装置における他の態様は、画像データを入力する入力手段と、視野内の輝度を算出する第1の算出手段と、前記画像データから撮影時の輝度を算出する第2の算出手段と、前記第1の算出手段により算出された前記視野内の輝度、及び、前記第2の算出手段により算出された前記撮影時の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理または輪郭をぼかす処理を施す処理手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、上述した画像処理装置によって実行される画像処理方法、及び、当該画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、錐体視と桿体視との違いによる解像度の影響を補正して、良好に見える画質を提供することが可能となる。
視野角毎の視覚細胞の密度を示す図である。 周囲の状況における明るさとそのときの視覚との関係を示す図である。 視野内平均輝度に対する錐体細胞と桿体細胞との動作範囲を示す図である。 視野内平均輝度に対する錐体細胞と桿体細胞との合成視の感度に及ぼす比率を示す図である。 錐体細胞と桿体細胞との合成視による解像感劣化及び解像感修復を説明するための図である。 2次元ガウスフィルタの例を示す図である。 視野内平均輝度に対応する解像感補正係数を示す図である。 画面縁照度と平均階調とから視野内平均輝度を計算した結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態における解像感補正回路の詳細な構成を示す図である。 視野内平均輝度に対する錐体細胞と桿体細胞との合成視の感度に及ぼす比率を示す図である。 視野内平均輝度に対応する解像感補正係数を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る画質調整装置の構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態における解像感補正回路の詳細な構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、撮影時想定輝度と視野内平均輝度から補正係数を算出により決定する方法を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態における解像感補正回路の詳細な構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態における解像感補正回路の詳細な構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態を示し、撮影時部分領域想定輝度と視野内平均輝度からダイナミック補正係数を算出により決定する方法を説明するための図である。
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、環境輝度による人間の視覚特性による解像感の変異について説明する。解像度を感じる視覚特性上の条件として、視細胞の密度を考える。特に、表示画面を見ている視野角内の視細胞密度として、視野中心部の密度が重要になる。例えば、大画面TVを見ているときの視野角は最大30度ぐらいであるが、それは画面全体の概要をつかむために全体をぼやけた状態で見ているだけであり、文字や細かい部分のデティールを見るためには、非常に狭い領域を注視して見ている。この注視している領域における、錐体細胞と桿体細胞との比率が、解像感を決めるパラメータとして重要な指標になる。注視している領域の範囲を決めるための一つの指標として、CIECAM(国際照明委員会規格)においては、狭視野条件として2度視野を用い、広視野条件として4度視野を用いていることが挙げられている。従って、本発明の実施形態においては、注視している範囲の視野として、広視野条件の4度の視野範囲を使用することにする。
図1は、視野角毎の視覚細胞の密度を示す図である。図1の横軸は、視野の中心部からの角度を示し、左が耳側であり、右が鼻側であり、縦軸は視細胞の1mm2内の数を示している。図1において、11は中心から耳側へ2度の角度における補助線であり、12は中心から鼻側へ2度の角度における補助線である。
補助線11と補助線12とに挟まれた区域において、錐体細胞の数の最大値は、角度0のところで約150000であり、錐体細胞の数の最小値は、補助線12との交点のところで約30000である。また、補助線11と補助線12とに挟まれた区域において、桿体細胞の数の最大値は、補助線11との交点のところで約60000であり、桿体細胞の数の最小値は、角度0のところで約6000である。よって、角度0のところでは、錐体細胞/桿体細胞比は、150000/6000=25であり、角度2度のところでは、錐体細胞/桿体細胞比は、30000/60000=1/2である。
このように比率の幅が広いが、本実施形態では、角度0から±2度の範囲における、錐体細胞と桿体細胞との比率の中間値として、錐体細胞/桿体細胞比=4としておく。錐体細胞と桿体細胞との比率が4であって暗いときには、桿体視となるため、明るいときの錐体視と比較して、解像度が最大4倍程度下がってしまうことになるとして、以下のように解像感補正が実施される。
次に、図2及び図3を参照しながら、どの程度の明るさにより、錐体視と桿体視とが切り替わるかについて説明する。図2は、周囲の状況における明るさとそのときの視覚との関係を示す図である。図2において、横軸は周辺照度を示し、縦軸は暗所視から明所視への切り替わりを示している。
図2は、照度が10の8乗に変わることに対して、明所視として、主に錐体細胞が働いている照度が10Lux以上であり、薄明視として、錐体細胞と桿体細胞との両方が働いている照度が0.01〜10Luxであり、暗所視として、桿体細胞のみ働いているのが0.01Lux以下であることを示している。
図3は、視野内平均輝度に対する錐体細胞と桿体細胞との動作範囲を示す図である。図3において、縦軸は、視野内平均輝度である。視覚による輝度検知範囲、即ち、眼のダイナミックレンジは、10の6乗から10乗といわれている。これに対して、リビングでTVを視聴しているときの視野内平均輝度の範囲は、数カンデラから数百カンデラの間にある。シアタールームにてプロジェクタを見ているときの視野内輝度の範囲は、0.数カンデラから数十カンデラの間にある。
ここで、図2に示す照度から図3に示す輝度へ置き換えを行う際に、眼の順応の影響を考慮する必要がある。つまり、表示装置を見ているときには、周囲を0.01Luxとしたとしても、表示装置が光っているため、表示装置が一瞬消えたとしても、暗順応がそれほど低いところまで順応していかないということである。よって、錐体細胞が働く輝度範囲は0.1カンデラ以上であり、桿体細胞が主に働く輝度範囲は10カンデラ以下である。0.1カンデラから10カンデラの領域では、両方の視細胞が飽和せずに働いているものとする。
錐体視から桿体視へは、スイッチのように切り替わるのではなく、錐体細胞と桿体細胞との合成視からなる合成的な感度で見えている。眼の順応が終了した時点で、視野内平均輝度が約1Cd/m2のときに、錐体細胞及び桿体細胞の感度に及ぼす比率が約1:1、およそ半分ずつであるといわれている。シアタールームにおいては、錐体視と桿体視とを合成した領域で視聴することになるため、両方の眼の感度を合成した解像度で視聴していることになる。
図4は、視野内平均輝度に対する錐体細胞と桿体細胞との合成視の感度に及ぼす比率を示す図である。図4において、横軸は、視野内平均輝度であり、縦軸は、合成視の感度に及ぼす桿体細胞の比率である。また、図4において、41は、視野内平均輝度が0.1Cd/m2から10Cd/m2までにおける、合成視の感度に及ぼす桿体細胞の比率である。42は、視野内平均輝度が0.1Cd/m2以下における、合成視の感度に及ぼす桿体細胞の比率である。43は、視野内平均輝度が10Cd/m2以上における、合成視の感度に及ぼす桿体細胞の比率である。これらの関係を式で表すと、視野内平均輝度=k(Cd/m2)とし、合成視の感度に及ぼす桿体細胞の比率=sとすると、
k<0.1の範囲で、s=1
0.1<k<10の範囲で、s=1−0.5*log k
k>10の範囲で、s=0
となる。
次に、桿体視によって、視覚解像度の低下による映像の見え方に劣化が生じた際、どのように映像が見えているかを示すとともに、視覚解像度の低下による映像の見え方の劣化(解像感劣化)に対し、どのようにすれば、解像感を回復することができるかについて説明する。ここでは、視野内平均輝度が1Cd/m2のとき、即ち、錐体細胞と桿体細胞とが半分ずつの合成視である場合の輪郭強調による解像感修復について説明する。
図5は、錐体細胞と桿体細胞との合成視による解像感劣化及び解像感修復を説明するための図である。図5において、横軸は横方向の視野の角度を示し、縦軸は画素単位の輝度を示している。また、図5において、51は、元画像データの錐体視による見え方を示している。52は、元画像データの桿体視による見え方を示している。53は、元画像データの錐体細胞と桿体細胞との合成視の見え方を示している。54は、輪郭強調画像データの錐体視による見え方を示している。55は、輪郭強調画像データの桿体視による見え方を示している。56は、輪郭強調画像データの錐体細胞と桿体細胞との合成視の見え方を示している。
錐体細胞は解像度が高いため、十分に近いところから表示を見ている際には、51に示すように、元画像データにおける画素毎の輝度そのものが捉えられている。これに対し、桿体細胞は解像度が低いため、十分に近いところから表示を見ているときにも、52に示すように、元画像データにおけるいくつかの画素を平均した輝度が捉えられている。従って、錐体細胞と桿体細胞との合成視は、53に示すようになり、元画像データの輪郭が不明瞭になってしまう。
次に、元画像データに輪郭強調処理を施した輪郭強調画像データを表示してみる。上記と同様に、錐体細胞は解像度が高いため、54に示すように、輪郭強調画像データにおける画素毎の輝度そのものが捉えられている。一方、桿体細胞は解像度が低いため、55に示すように、輪郭強調画像データのいくつかの画素を平均した輝度が捉えられている。錐体細胞と桿体細胞との合成視は、56に示すようになる。56は、53に示すようにぼやけておらず、輪郭が元画像データに近いところまで回復している。図5に示すように、元画像データの輪郭を際立たせることにより、解像感劣化を修復することができる。
ここで、輪郭を際立たせる処理の一例として、アンシャープマスクと称される画像処理方法について説明する。ボケ画像データを生成するためのアンシャープマスクについて、様々なLPF(ローパスフィルタ)を適用することができる。本実施形態では、最も一般的なLPFであるところの2次元ガウスフィルタを用いた例について示す。
2次元ガウスフィルタは、x,yの2次元において、以下の式で与えられる。
F(x,y) = e**( - (x**2 + y**2) / 2* σ**2 ) / 2*π * σ**2
ここでσの値として、通常0.3〜2程度が使用される。本実施形態では、σ=1.0のとき、各項の合計値=1.0であるため、合計値が元画像データと変化せず都合がよいし、フィルタの範囲も、5*5の範囲にほぼ収まり、回路的にも好適であるため、σ=1.0を使用することにする。
図6は、上記式において、σ=1とした場合の2次元ガウスフィルタを示す図である。即ち、図6は、ボケ画像データを生成するためのLPFの一例であるところの、σ=1の2次元ガウスフィルタを示している。図6の中央が注目画素に対する係数であり、縦横方向に±2の位置までの画素に対しての係数が示されている。この5×5の係数全てを合計すると、1.00にならず0.96になるが、それは、小数点以下2桁までで四捨五入したためであり、実際は1になる。元画像データを図6の2次元ガウスフィルタに通すと、ボケ画像データが得られる。
次に、元画像データをMとし、ボケ画像データをBとし、差分画像データをDとすると、差分画像データDは、次の式で得られる。
D=M−B
また、輪郭強調画像データをRとし、差分画像データDの係数をAとすると、輪郭強調画像データRは、次の式で得られる。
R=M+A*D
本実施形態では、錐体細胞と桿体細胞との合成視によって解像感が減少した割合に応じて、差分画像データDの係数Aを変化させることにより、輪郭強調の度合いを変化させ、補正を行うことにする。以下、この係数Aを解像感補正係数Aと称す。
錐体視しているときは、輪郭強調による補正を行わなくてもよいため、解像感補正係数A=0とすればよい。一方、桿体視しているときは、4分の1の解像度になったことによるボケ分を打ち消すだけ、輪郭強調を行う必要がある。そのためには、ボケ画像データを、桿体視によってぼけた画像データとほぼ同じ画像データになるようにぼけさせればよい。
図6に示す2次元ガウスフィルタは、中央値が0.16であり、その他の画素の合計が0.8になっているため、中央値に対するその他の合計値は5倍になっている。4分の1の解像度によるボケは、4×4のエリアの合計であるため、16画素の平均である。従って、中央に対してその他の画素が15倍になるようにすればよい。そのためには、解像感補正係数Aを3として、その他の画素の合計値の比率5倍に3をかけて、15倍となるようにすればよいことになる。
図7は、視野内平均輝度に対応する解像感補正係数を示す図である。図7において、横軸は、視野内平均輝度であり、縦軸は、解像感補正係数である。また、図7において、71は、視野内平均輝度に対して必要される解像感補正係数を示すグラフである。上述したように、解像感補正係数は、視野内平均輝度に対して、0から3まで制御すればよい。即ち、図5を用いて説明したような解像度劣化を補正するには、アンシャープマスクを用いて、解像感補正係数Aを0から3まで制御すればよい。
視野内平均輝度は、以下の式で求めることができる。
視野内平均輝度=環境平均輝度(1−画面視野率)+画面内平均輝度*画面視野率
また、画面外の壁面等から視野に入る環境光の輝度は、以下の式で求められる。
環境平均輝度=画面縁の照度/π*壁面反射率
画面縁の照度は、表示装置の画面の縁に取り付けられた照度計により測定される。壁面反射率は、白壁ならば0.8とし、その他の壁であれば0.5程度に設定するのが適当である。実際の環境における値を設定されない場合は、初期値として0.6程度にするのが適当である。
また、環境平均輝度の変化に応じてすぐに画質(解像度)に反映させると、画質が短時間に急激に変化し見づらいものになるため、10秒程度の時間平均値とするのが有効である。
次に、画面視野率の求め方について説明する。下記の文献には、視野角10度のときに、画面視野率、即ち、画面の視野に占める割合は57%であるとしている。この画面視野率は、画面を注視している場合の値であるため、画面を注視していない場合は、上記画面視野率を半分程度に落とすのが妥当であると思われる。そうすれば、外の照度の影響を0.7程度、画面内APLの影響を0.3程度とするのが適当であろう。
<文献>
Herbert Grosskopf: Der Einfluss der Heligkeit-sempfindung die Bildubertragung Fernseheu, Rundfunktechnische Mitteilungen,Jg 7,Nr.4,(1963) 205-223 である。
なお、上記文献を日本語訳した文献は、NII-Electronic Library Service: The Institute of Image Information and Televison Engineers 第19巻 第5号 55−56、である。
視野の中に占める表示装置の画角が不明な場合、画面内の影響である画面視野率が0.3から0.7の間で任意に指定される。本実施形態では、中庸的な仮値として画面視野率を0.4とする。
次に、画面内平均輝度、即ち、APLの求め方について説明する。画面内平均輝度は、次の式で与えられる。
画面内平均輝度=全画素のリニア階調値の平均/フル階調値*ピーク輝度
また、画面内平均輝度の変化にすぐに応じて画質(解像感)に反映させると、画質が短時間に急激に変化し見づらいものになるため、10秒程度の時間平均値とするのが有効である。
図8は、画面縁照度と平均階調とから視野内平均輝度を計算した結果を示す図である。図8においては、壁面反射率を0.6、画面視野率を0.4、表示装置のピーク輝度を100Cd/m2であることを前提としている。画面縁照度は、1から1000Luxまで値をとり、平均階調は4から255階調までの値をとる。例えば、暗室に相当する1Lux環境において、平均階調が16の、真黒に近い画像データである場合の視野内平均輝度は、0.21Cd/m2ということになる。反対に、リビングに相当する100Lux環境において、平均階調が128の、明るめの画像データである場合の視野内平均輝度は、20.24Cd/m2ということになる。
図8の例では、画面縁照度が100Lux以下の環境において、平均階調が140以下の画像データを表示しているときに、視野内平均輝度が10Cd/m2以下に相当する。所定の輝度領域である10Cd/m2以下の輝度領域において、本実施形態による解像感補正が作用して輪郭強調が増し、画質が向上をすることになる。
図8の表及び図7のグラフを用いれば、画面縁照度を測定した値と、入力画像データの画面内平均輝度(APL)とから、アンシャープマスク処理に使用すべき解像感補正係数Aが求められる。例えば、上記例の暗室として、環境照度が1Luxであり、入力画像データの画面内平均輝度が16であるとき、図8に示すように、視野内平均輝度が0.21Cd/m2となり、図7に示すように、解像感補正係数Aは1.8となる。上述したリビングの例では、視野内平均輝度は20.24Cd/m2であるため、図7に示すように、解像感補正係数Aは0(補正なし)となる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る表示装置の構成について説明する。図9は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。なお、本実施形態に係る表示装置は、画像処理装置の例である。
図9において、91は、入力画像データに対してガンマ系における拡大縮小等の画質補正を行うガンマ系画質調整回路である。92は、照度センサである。93は、ガンマ系画質調整回路91から出力された画像データの階調をリニア系に変換する逆ガンマ変換を行う逆ガンマ変換回路である。94は、逆ガンマ変換回路93から出力された画像データに対して、視野内平均輝度に応じて解像感の補正を行う解像感補正回路である。95は、解像感補正回路94から出力された画像データから表示パネル駆動信号に変換するパネルドライバである。96は、パネルドライバ95から出力される表示パネル駆動信号に基づいて画像データを表示する表示パネルである。なお、上記入力画像データは、外部入力やチューナで受信した信号をデコードすることによって得られることが一般的であるため、図9では、画像入力部のブロックの記載を省略している。
表示パネル96の縁には、照度センサ92が備えられており、環境照度をセンシングすることができる。解像感補正回路94は、ガンマ系画質調整回路91から出力される画像データ及び照度センサ92から出力される照度から視野内平均輝度を算出し、算出した視野内平均輝度に基づいて、適切な解像感補正を行う。
解像感補正回路94にて解像感補正が施された画像データは、パネルドライバ95により表示パネル96が駆動されることにより、表示パネル96上に表示される。表示パネル96は、自発光のものであればそのまま見え、液晶パネルのときはバックライト光によって見えるようになり、プロジェクタの場合は、ランプやLEDによって見えるようになる。
図10は、本発明の第1の実施形態における解像感補正回路94の詳細な構成を示す図である。図10において、101は、照度センサ92から入力される照度を用いて、環境平均輝度を計算する環境平均輝度計算部である。102は、逆ガンマ変換回路93から入力される画像データから画面内平均輝度を計算する時間平均APL計算部である。103は、視野内平均輝度を計算する視野内平均輝度計算部である。104は、解像感補正係数を決定する補正係数決定部である。105は、輪郭強調処理の一例であるアンシャープマスク処理を行うアンシャープマスク処理部である。
環境平均輝度計算部101は、図8を用いて説明した方法により、照度センサ92から入力される照度に基づいて、時間平均で視野内の環境平均輝度を計算する。時間平均APL計算部102は、図8を用いて説明した方法により、入力画像データから時間平均で視野内の画面内平均輝度を計算する。視野内平均輝度計算部103は、図8を用いて説明した方法により、環境平均輝度、画面内平均輝度及び画角比率想定値を用いて、時間平均の視野内平均輝度を生成する。補正係数決定部104は、図7を用いて説明した方法により、時間平均の視野内平均輝度から解像感補正係数を計算して決定する。アンシャープマスク処理部105は、図6に示した2次元ガウスフィルタと解像感補正係数とを用いて、上記した計算式と等価な回路によって画像処理を行う。なお、図10に示した各構成は、不図示のCPUがROM等の記録媒体から必要なデータ及びプログラムを読み出して実行することにより実現する構成でもよいし、ハードウェアで実装される構成であってもよい。
ボケ画像データBは、元画像データMを図6に示す2次元ガウスフィルタに通したものである。即ち、アンシャープマスクである差分画像データDは、D=M−Bで得られる。輪郭強調画像データRは、補正係数決定部104で決定された解像感補正係数Aによって、R=M+A*Dで得られる。
視野内平均輝度の低下に伴い、解像感補正を輪郭強調処理が強まる方向にかけるためには、解像感補正係数を大きくすることによって、輪郭強調が増加する。例えば、解像感補正係数が1である場合、R=2*M−Bである。そのため、元画像データとボケ画像データとの比は、1:0.5となり、5割程度の中ぐらいの輪郭強調になる。これに対して、解像感補正係数が3である場合、R=4*M−3Bである。そのため、元画像データとボケ画像データとの比は、1:0.75となり、7.5割程度の強い輪郭強調になる。
図4では、0.1〜10Cd/m2の間で桿体細胞と錐体細胞との比率が線形に変わる例について示した。これに対し、図11は、0.1Cd/m2や10Cd/m2において桿体細胞と錐体細胞との比率が曲線状に変化する例について示している。即ち、図11の例では、視野内平均輝度が0.01から100Cd/m2までの範囲で、合成視の感度に及ぼす桿体細胞の比率111が曲線状に変化している。
また、図1の例では、桿体細胞密度を錐体細胞密度の4分の1とし、補正解像度を最大4倍としたが、4倍に限ることはなく、1.5〜10倍程度の値でもよい。例えば、桿体細胞の錐体細胞に対する補正解像度比率を3倍として、図11に示したようなカーブの値をテーブル化した、合成視の感度に及ぼす桿体細胞の比率を用いれば、第1の実施形態よりも緩やかな、解像感補正のカーブが得られる。この場合における視野内平均輝度に対応する解像感補正係数を図12に示す。図12の例では、視野内平均輝度に対応する解像感補正係数121が曲線状になる。解像感補正係数に対する補正方法は、図7の例と同様であるため、説明を省略する。
ここで、例えば、画面が小さい表示装置の例を考える。画面サイズが30インチ以下等の画面が小さなテレビにおいては、視野内に占める画面の輝度の影響が少なく、環境照度の影響がほとんどを占める。この場合、入力画像データから画面内平均輝度を求めなくてもよく、照度計から環境平均輝度を求めて、視野内平均輝度としてもよい。この場合、時間平均APL計算部102が不要になる。
また、プロジェクタの例を考える。プロジェクタで画像データを表示する場合、投影されるコンテンツの種類に応じて選択される投影モードを使用して、環境照度を推定することができる。映画を見るときは、通常暗い部屋で見ることが多く、PCから入力される画像データを見るときは、それほど暗くない会議室で見ることが多い。
そこで、例えば、映画を投影するときに使用されるシネマモードであれば、環境照度を10Lux等とおく。そして、PCから入力される画像データを表示する際に使用される会議モードやパワーモード(プロジェクタによって呼び名が異なる)であれば、環境照度を100Lux等とおくとよい。また、使用者が直接的に環境照度を指定しても勿論よい。この場合、照度センサ92及び環境平均輝度計算部101が不要になる。即ち、照度センサ92を搭載する必要がないため、コストダウンを図ることができる。
また、上記実施形態においては、解像感を補正する方法として、アンシャープマスクを使う方法を用い、アンシャープマスクを作るためのLPFとして、2次元ガウスフィルタを用いた。LPFは、2次元ガウスフィルタに限ることはなく、平均値フィルタを用いても、同様の効果が得られる。但し、このようにLPFの特性を変えた場合、当然ながら解像感補正係数は変化する。
また、アンシャープマスク以外の輪郭強調手段を用いることも勿論可能である。例えば、元画像データからその2次微分を引くことによって得られるラプラシアンフィルタ等を用いても、同様の効果が得られる。
なお、本発明の適用対象は表示装置に限定されない。例えば、撮像装置や画像記録装置と表示装置との間に配置される画質調整装置にも適用可能である。図13は、本発明の第2の実施形態に係る画質調整装置の構成を示す図である。図13において、132は照度センサである。133は逆ガンマ変換回路である。134は視野内輝度に応じて画像データの解像感を補正する解像感補正回路である。135はガンマ変換回路である。なお、本実施形態に係る画質調整装置は、画像処理装置の例である。
本実施形態に係る画質調整装置に入力される入力画像データは、通常、ガンマ2.2がかかっているガンマ系の画像データであるため、逆ガンマ変換回路133により、リニア系の階調を持つ画像データに変換される。照度センサ132は、環境照度をセンシングする。解像感補正回路134は、逆ガンマ変換回路133から入力される画像データと照度センサ132から入力される照度とに基づいて、視野内平均輝度を計算し、計算した視野内平均輝度に基づいて適切な解像感補正を行う。ガンマ変換回路135は、解像感補正回路134により解像感補正が施された画像データをガンマ系の階調に戻して出力画像データを生成し、表示装置に対して出力する。なお、第2の実施形態における解像感補正回路134の詳細な構成は、図10に示した構成と同様であるため、説明を省略する。
上述した第1の実施形態においては、視聴時の視野内平均輝度によって、視覚特性の変化に合わせて解像感を変える例を示したが、次に、本発明の第3の実施形態として、撮影時の平均輝度と視聴時の平均輝度の違いによって、視覚特性に合わせて解像感を変える例を示す。
第3の実施形態に係る画像処理装置は、例えば、図9に示す第1の実施形態に係る表示装置の構成と同様の構成を採る。
図14は、本発明の第3の実施形態における解像感補正回路94の詳細な構成を示す図である。
図14において、図10に示す構成と同様の構成(101〜103)については同じ符号を付しており、その説明は省略する。141は、撮影時想定輝度計算部、142は、補正係数決定部、143は、アンシャープ補正処理を行なうアンシャープ補正処理部である。なお、第3の実施形態において、図14に示す視野内平均輝度計算部103は第1の算出手段を構成し、撮影時想定輝度計算部141は第2の算出手段を構成する。
アンシャープ補正処理部143において画像をぼかす部分の処理としては、図6で示した2次元ガウスフィルタを使用できる。
第1の実施形態と同様に、アンシャープマスクである差分画像データDは、D=M−Bで得られる。輪郭強調画像データR'は、補正係数決定部142で決定された解像感補正係数Aによって、R'=M+A*Dで得られる。第1の実施形態においては、輪郭強調をするために係数Aは正の数であったのに対し、第3の実施形態においては、補正係数Aは、輪郭強調する時に正の数とし、輪郭をぼかす時に負の数を使用する。
例えば、解像感補正係数Aが−0.2である場合、R'=0.8*M+0.2*Bとなる。そのため、元画像データとボケ画像データとの比は、1:0.25となり、4分の1程度ボケた画像になる。これに対して、解像感補正係数Aが−0.5である場合、R'=0.5*M+0.5*Bとなる。そのため、元画像データとボケ画像データとの比は、1:1となり、半分程度ボケた画像になる。
撮影時想定輝度計算部141は、時間平均APL値から、表示している画像の想定輝度を得るものとする。なお、表示画像がExif情報などの撮影時の情報を持っていれば、当該情報を用いることで撮影時の平均輝度が計算できるので、この場合を後述する第4の実施形態において説明する。一方、放送番組などでは撮影時の情報が得られないので、APL値を用いて、撮影時の平均輝度を推測するものである。
例えば、撮影時想定輝度値を以下の式で表すものとする。
撮影時想定輝度値=C*(APL*階調数)
Cは定数であり、例として10Bit階調数に対してC=1(Cd/m2)とおけば、10Bit階調数の想定輝度値が得られる。
例えば、APL=0.2の時であれば、10Bit階調数=1024、想定輝度値は200Cd/m2となる。これは明るい室内または薄ぐらい屋外の輝度に相当するレベルである。この想定輝度値は、あくまで予想輝度であり、撮影現場の状況を正確に示したものではないが、映像の傾向的なものを示しており、今回の補正に使うには十分なものである。さらに、定数Cを0.3〜3.0の範囲で振ることにより、もっと合わせこむこともできる。また、10Bitではなく8Bit階調数であれば、Cは4倍の値(1〜10程度)になり、12Bit階調数であれば、Cは4分の1倍の値(0.1〜1程度)になる。
次に、撮影時想定輝度と視野内平均輝度を用いて、補正係数を計算により決定する方法を説明する。
図15は、本発明の第3の実施形態を示し、撮影時想定輝度と視野内平均輝度から補正係数を算出により決定する方法を説明するための図である。図15の横軸は視野内平均輝度を示し、縦軸は補正係数を示す。図15に示された4本のグラフは、撮影時想定輝度の違いによるものである。図15の151〜154は、撮影時想定輝度がそれぞれ、10Cd/m2以上、1Cd/m2、0.1Cd/m2、0.1Cd/m2未満の場合を示すグラフである。155は、補正係数範囲を示すものである。例えば、視野内平均輝度が30Cd/m2の時には、撮影時想定輝度の変化に応じて、補正係数が−0.6から0までの間で変化することを示している。
このように、撮影時想定輝度と視野内平均輝度の違いに対応して生ずる解像度の視覚特性の変化に応じて、輪郭を強調する度合い及びぼかす度合いを連続的に変化させることによって補正を行なうことができる。
本実施形態では、明るい画像を暗い環境で見ている時だけでなく、様々な明るさの環境で様々な明るさの画像を見ている時にも、自動的に解像感を補正することができるので、常に自然な雰囲気のある画像を視聴することができる。
次に、撮影時の平均輝度値を撮影パラメータに係る撮影情報によって計算する場合について、本発明の第4の実施形態として示す。ここで、撮影情報は、時間平均APL計算部102やアンシャープ補正処理部143に入力される画像データに付随する情報である。
撮影時の撮影パラメータとしては、ISO感度、絞り、シャッタースピード、NDフィルタ倍数の各パラメータが分かれば、撮影時の平均的な輝度が計算できる。
CIPA DC−X004規格によれば、絞り値をF、露光時間をT(s)、輝度値をD(Cd/m2)とした時、像面露光量Hm(Lx・s)は、以下の(1)式で与えられる(**は乗数)。
Hm=0.65*D*T/ F**2 ・・・(1)
また、感度Sは、以下の(2)式で与えられる。
S=10/Hm ・・・(2)
(1)式より、輝度値Dを求める式に変形すると、以下の(3)式のようになる。
D=Hm* F**2 /0.65*T ・・・(3)
(3)式に(2)式を代入すると、以下の(4)式となる。
D=10* F**2 /(0.65*T*S) ・・・(4)
さらに、NDフィルタ倍数をU倍とすれば、以下の(5)式となる。
D=U*10* F**2 /(0.65*T*S) ・・・(5)
例えば撮影パラメータ値を、ISO感度値が400で、絞り値が4、露出時間が250分の1秒、フィルタ倍率が1とすれば、適正露出部の輝度(適正露出輝度)は、154Cd/m2となる。
第4の実施形態では、こうして求めた適正露出輝度値を使って、さらに画像のAPL値によって、撮影時の画面内平均輝度値を推測する。
適正露出輝度値は、ガンマ2.2における中央値0.5と考えられるので、リニア系に直すと、0.2の位置である。よって、撮影時平均輝度値は、以下の(6)式となる。
撮影時平均輝度値=D*APL/0.2 ・・・(6)
第4の実施形態に係る画像処理装置は、例えば、図9に示す第1の実施形態に係る表示装置の構成と同様の構成を採る。
図16は、本発明の第4の実施形態における解像感補正回路94の詳細な構成を示す図である。
図16において、図10及び図14に示す構成と同様の構成(101〜103、142〜143)については同じ符号を付しており、その説明は省略する。161は、撮影パラメータに係る撮影情報による適正露出部の輝度(適正露出輝度)を計算する適正露出輝度計算部であり、162は、撮影時の平均輝度を計算する撮影時平均輝度計算部である。
適正露出輝度計算部161においては、撮影情報である、絞り値F、露出時間T、ISO感度値Sから、上記した(5)式であるD=U*10* F**2 /(0.65*T*S)によって、適正露出輝度値Dを求める。
次に、撮影時平均輝度計算部162においては、適正露出輝度値Dと画像のAPL値によって、上記した(6)式である撮影時平均輝度値=D*APL/0.2によって、撮影時平均輝度値を求める。
その他の構成部の動作は基本的に図14に示す場合と同じであるが、補正係数決定部142では、図14における撮影時想定輝度値の代わりに、撮影時平均輝度値を用いて、補正係数を計算により決定することになる。
第3の実施形態ではAPLだけを用いて撮影時平均輝度を推定したが、第4の実施形態では、撮影パラメータに係る撮影情報を使うことにより、より正確な撮影時平均輝度を用いて、補正量の指標となる補正係数を決定することが可能である。
次に、本発明の第5の実施形態として、表示画像の部分領域ごとに解像感を調整することによって、より視覚特性の補正を細かく行ない、自然な表示を行なう例を示す。
第5の実施形態に係る画像処理装置は、例えば、図9に示す第1の実施形態に係る表示装置の構成と同様の構成を採る。
図17は、本発明の第5の実施形態における解像感補正回路94の詳細な構成を示す図である。
図17において、図10及び図14に示す構成と同様の構成(101〜103、143)については同じ符号を付しており、その説明は省略する。171は、注目画素周辺の部分領域の平均階調を計算する部分領域平均階調計算部、172は、撮影時の部分領域における想定輝度(平均輝度)を計算する撮影時部分領域想定輝度計算部、173は、ダイナミックな補正係数を計算により決定するダイナミック補正係数決定部である。
本実施形態においては、部分領域平均階調計算部171は、入力画像において現在処理している注目画素付近の部分領域、例えば注目画素を中心とした9×9画素の領域の平均階調を計算する。これは、9×9の平均値フィルタを用いることで可能である。あるいは、画像の階調分布により領域分割を行ない、その領域ごとに平均階調を求めてもよい。
次に、撮影時部分領域想定輝度計算部172は、部分領域平均階調値と時間平均APL計算部102の出力から、撮影時の部分領域における想定輝度を計算する。画面全体の撮影時想定輝度は、第3の実施形態と同じく、撮影時想定輝度値=C*(APL*階調数)として、例えば、C=1とおき、APL=0.2の時であれば、10Bit階調数=1024、想定輝度は200Cd/m2となる。本実施形態では、部分領域平均階調計算部171の出力である部分領域平均階調値をこれに乗算する。例えば、部分領域平均階調値が1024階調分の100階調であれば、撮影時部分領域想定輝度値は、200Cd/m2*100/1024≒20Cd/m2となる。
ちなみに本実施形態においても、第4の実施形態のように撮影データが存在し撮影時平均輝度を求められるなら、それに部分領域平均階調値をかけることで、撮影時部分領域平均輝度が求められ、より正確な補正が可能である。
ダイナミック補正係数決定部173では、第1〜第4の実施形態が表示画像1枚ごとに補正係数を決定していたのに対して、注目画素または部分領域ごとに補正係数を計算して決定するものである。このダイナミック補正係数の算出方法は図18を用いて説明する。
アンシャープ補正処理部143では、ダイナミック補正係数を用いて、注目画素ごとあるいは部分領域ごとに、アンシャープ補正処理を行なう。アンシャープ補正処理の内容は、画素ごとにダイナミックであることを除けば、第3の実施形態と同じであるので説明を省略する。
図18は、本発明の第5の実施形態を示し、撮影時部分領域想定輝度と視野内平均輝度からダイナミック補正係数を算出により決定する方法を説明するための図である。図18の横軸は撮影時部分領域想定輝度を示し、縦軸は補正係数(ダイナミック補正係数)を示す。図18に示された4本のグラフは、視野内平均輝度の違いによるものである。図18の181〜184は、視野内平均輝度がそれぞれ、10Cd/m2以上、1Cd/m2、0.1Cd/m2、0.1Cd/m2未満の場合を示すグラフである。
例えば、視野内平均輝度が1Cd/m2であるグラフ182では、画像内の注目画素に対し撮影時部分領域想定輝度の値によって、補正係数が+1から−0.4の幅でダイナミックに変化する。なお、上記4本のグラフ以外の視野内平均輝度である時は、その視野内平均輝度と同じ撮影時想定輝度値であるところで横軸を交差するようにグラフをシフトして用いればよい。
このように、撮影時部分領域想定輝度と視野内平均輝度の違いに対応する解像度の視覚特性の変化に応じて、輪郭を強調する度合い及びぼかす度合いを部分領域ごとに変化させることによって補正を行なうことができる。
本実施形態では、明るい画像を暗い環境で見ている時だけでなく、様々な明るさの環境で様々な画像を見ている時にも、部分領域ごとの明るさによって細やかに補正処理を行なえるので、より自然な雰囲気のある画像を視聴することができる。
上述した実施形態においては、視野内における周囲環境の照度や表示装置の画面の輝度に応じて、画像データの解像感を補正することにより、錐体視と桿体視との違いによる解像度の影響を補正して、良好に見える画質を得ることが可能となる。つまり、本発明の実施形態によれば、暗い所や暗い画を見るときに生じる、桿体視による解像感の低下の影響のない画像データを視聴することができる。従って、明るいところや暗いところにて、明るい画像や暗い画像を見たとしても、同等の解像感を感じるように見えるようになる。
なお、上述した実施形態では、視野内における周囲環境の照度及び表示装置の画面の輝度に基づいて視野内平均輝度を求めているが、周囲環境の照度及び表示装置の画面の輝度のうちの何れか一方に基づいて、視野内平均輝度を求めるようにしてもよい。このように構成しても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
91:ガンマ系画質調整回路、92、132:照度センサ、93、133:逆ガンマ変換回路、94、134:解像感補正回路、95:パネルドライバ、96:表示パネル、101:環境平均輝度計算部、102:時間平均APL計算部、103:視野内平均輝度計算部、104:補正係数決定部、105:アンシャープマスク処理部

Claims (17)

  1. 画像データを入力する入力手段と、
    視野内の輝度を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記視野内の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理を施す処理手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記処理手段は、前記視野内の輝度に応じて、前記画像データの解像感を補正するための補正係数を決定し、前記補正係数に基づいて、前記画像データに対して前記輪郭強調処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記算出手段は、前記視野内における周囲環境の照度、及び、前記視野内における表示装置の画面の輝度のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、前記視野内の輝度を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記視野内の輝度が所定の輝度領域にある場合、前記処理手段は、前記視野内の輝度に応じて、前記画像データに対して前記輪郭強調処理を施すことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記所定の輝度領域は、10Cd/m2以下の輝度領域であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記処理手段は、アンシャープマスク処理により、前記画像データに対して前記輪郭強調処理を施すことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. 画像処理装置によって実行される画像処理方法であって、
    画像データを入力する入力ステップと、
    視野内の輝度を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにより算出された前記視野内の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理を施す処理ステップと
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  8. 画像データを入力する入力ステップと、
    視野内の輝度を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにより算出された前記視野内の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理を施す処理ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 画像データを入力する入力手段と、
    視野内の輝度を算出する第1の算出手段と、
    前記画像データから撮影時の輝度を算出する第2の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出された前記視野内の輝度、及び、前記第2の算出手段により算出された前記撮影時の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理または輪郭をぼかす処理を施す処理手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  10. 前記第2の算出手段は、前記画像データに付随する撮影情報を用いて前記撮影時の輝度を算出することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記処理手段は、前記画像データの部分領域の階調値に応じて、前記画像データの解像感を補正するための補正係数を決定し、前記補正係数に基づいて、前記画像データに対して前記輪郭強調処理または前記輪郭をぼかす処理を施すことを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1の算出手段は、前記視野内における周囲環境の照度、及び、前記視野内における表示装置の画面の輝度のうちの少なくとも何れか一方に基づいて、前記視野内の輝度を算出することを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記視野内の輝度が所定の輝度領域にある場合、前記処理手段は、前記視野内の輝度に応じて、前記画像データに対して前記輪郭強調処理を施すことを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記所定の輝度領域は、10Cd/m2以下の輝度領域であることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記処理手段は、アンシャープマスク処理により、前記画像データに対して前記輪郭強調処理を施すことを特徴とする請求項9乃至14の何れか1項に記載の画像処理装置。
  16. 画像処理装置によって実行される画像処理方法であって、
    画像データを入力する入力ステップと、
    視野内の輝度を算出する第1の算出ステップと、
    前記画像データから撮影時の輝度を算出する第2の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップにより算出された前記視野内の輝度、及び、前記第2の算出ステップにより算出された前記撮影時の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理または輪郭をぼかす処理を施す処理ステップと
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  17. 画像データを入力する入力ステップと、
    視野内の輝度を算出する第1の算出ステップと、
    前記画像データから撮影時の輝度を算出する第2の算出ステップと、
    前記第1の算出ステップにより算出された前記視野内の輝度、及び、前記第2の算出ステップにより算出された前記撮影時の輝度に応じて、前記画像データに対して輪郭強調処理または輪郭をぼかす処理を施す処理ステップと
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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