JP2014134470A - 壁面診断結果記録システム、壁面診断結果記録方法、及び壁面診断結果記録プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】壁面における診断対象部に対する診断結果を記録する壁面診断結果記録システムであって、カメラ3にて撮影した壁面画像であり、診断員による診断結果を示す診断結果情報が記録された診断対象部を少なくとも含む壁面画像を取得する壁面画像取得部11aと、壁面画像取得部11aにより取得した壁面画像の診断結果情報を解析し、当該診断結果情報が示す診断結果を特定する壁面画像解析部11bと、壁面画像解析部11bにより特定した診断結果を、壁面画像取得部11aにより取得した壁面画像における診断対象部の位置に対応付けてデータ記録部12に記録する対応付け部11cとを備える。
【選択図】図2
Description
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る壁面診断結果記録システム、壁面診断結果記録方法、及び壁面診断結果記録プログラムは、壁面における診断対象部に対する診断結果を記録するシステム、方法、及びプログラムである。
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、実施の形態1について説明する。本実施の形態1は、診断結果情報が、診断員により壁面に記された判別記号であり、壁面画像を正対化する手段が、レーザーポインタにより投光された目印に基づいて壁面画像を正対化する被投光壁面画像修正手段である形態である。
最初に、本実施の形態1に係る壁面診断結果記録システムを用いて壁面診断を行うための構成について説明する。図1は、壁面の診断を行う診断員を示す斜視図である。この図1に示すように、実施の形態1においては、まず、架台2に搭乗した診断員が打診棒4と筆記具とを所持した状態において壁面の診断を行う(後述する、診断結果情報記録作業)。そして、この架台2は、架台移動機構(図示省略)によって上下方向及び左右方向に移動可能となっている。ここで、この架台2は、カメラ3、レーザーポインタ5、及び記録端末1とを備えている。以下では、架台移動機構、架台2、カメラ3、打診棒4、及びレーザーポインタ5について説明した後、壁面診断結果記録システムとして機能する記録端末1の具体的な構成について詳細に説明する。
架台移動機構は、架台2を上下方向及び左右方向に移動可能とする架台移動手段である。この架台移動機構は、ワイヤー、昇降装置、レールを備えて構成されている。ワイヤーは、診断の対象となる建物の壁面の前方において、屋上等から地上等に架けて上下方向に沿って架設されており、このワイヤーに上述した架台2が設置されている。昇降装置は、建物の屋上に配置されており、ワイヤーの巻取り又は巻き出しを行う。このことによって、架台2が上下方向に沿って昇降可能となっている。レールは、建物の屋上において、壁面に沿った左右方向に敷設されており、このレールを昇降装置が移動することで、架台2が設置されたワイヤーが左右方向に沿って移動可能となっている。例えば、診断員は、架台2に設けられた座席2aに搭乗した状態において、昇降装置をリモコン等により操作することで、上下方向に沿って昇降可能かつ左右方向に沿って移動することができ、壁面の全面を移動することができる。この際の具体的な移動方向は任意であるが、本実施の形態においては、壁面を上から下に掛けて移動した後、左右のいずれか一方に移動し、壁面を下から上に掛けて移動し、左右の同じ方向に移動し、以降同様に、上下方向への移動と、左右方向への移動を繰り返すものとする。なお、これら上下方向及び左右方向への移動は、上述のように撮影範囲を相互に重複させるように行う。ここで、このように撮影範囲を相互に重複するように架台2を移動させる方法は任意であるが、本実施の形態では、リモコンは架台2を上下左右方向に移動させるためのスイッチをそれぞれ一つずつ備え、これらのいずれかのスイッチを診断員が押圧することによって、架台2は、定められた方向に一定距離だけ移動した後、自動的に停止する。この際における「一定距離」とは、移動前の撮影範囲と、移動後の撮影範囲とが、少なくとも相互に重複する範囲を有する距離であるものとして説明する。
架台2は、図1に示すように、診断員が搭乗するための座席2aと、後述するカメラ3を架台2に対して固定するためのカメラ固定台2bと、風などの影響によって架台2が揺れ動いてしまうことを防止するための架台揺動防止手段(図示省略)と、カメラ3の揺動を防止するためのカメラ揺動防止手段(図示省略)を備えて構成される。このうち、カメラ固定台2bは、座席2aの後方に設けられており、上下方向に沿って配置した棒状体の上端部に、他の棒状体を左右方向に沿って配置し、これらの棒状体同士を相互に接合することにより形成された、略T字形状の部材である。そして、このカメラ固定台2bにおける左右方向に沿って配置された棒状体の両側端には、後述するカメラ3が固定されている。また、架台揺動防止手段は、例えば、架台2と壁面との間に介在して架台2を壁面に真空吸着させることにより固定する吸盤や、架台2の背面に設けられて壁面から離れる方向に空気を排出する送風機であって、排出する空気の風圧によって架台2を壁面に押し当てる送風機などによって構成することができる。
カメラ3は、壁面画像を撮影する撮影手段である。このカメラ3としては、例えばCCDカメラの如き公知のカメラを使用することができる。なお、図1に示すように、このカメラ3は、上述したように、カメラ固定台2bの両側端に設置されており、この2つのカメラ3の其々は、撮影した壁面画像を、有線又は無線によって記録端末1に送信する。なお、「壁面画像」とは、静止画と動画の両方を含む概念であるが、以下では特記しない限り、壁面画像は静止画であるものとして説明する。なお、これら2つのカメラ3によって撮影することが可能な範囲を撮影範囲と必要に応じて称して説明する。
打診棒4は、診断員が壁面を打診する際に用いる打診手段である。打診手段の具体的な形状等については任意であるが、本実施の形態1では、打診棒4は、診断員が診断対象部を叩くためのハンマー等として形成され、診断員は、この打診棒4によって壁面を叩いた際に発せられる打診音に基づいて診断対象部の診断結果(例えば、亀裂、及び剥離等)を判定する。なお、その他の打診手段として、棒状体の先端部に小さな鉄球を付した公知の打診手段を用いても良い。
レーザーポインタ5は、壁面画像を正対化するための目印を壁面に投光するための投光手段である。このレーザーポインタ5としては、例えば半導体レーザーを利用した公知のレーザーポインタ5を使用することができる。レーザーポインタ5を設置する位置や数は任意であり、例えば、本実施の形態1では、架台2における、上述した2つのカメラ3のそれぞれの下方に固定的に設置されている。そして、各レーザーポインタ5からは2本のレーザーが照射されており、それぞれのレーザーは、カメラ3の撮影範囲の外枠の四隅の近傍の地点であり、かつカメラ3の撮影範囲に含まれる地点を照射する。なお、このレーザーポインタ5によりレーザーが照射された壁面の地点を、以下では必要に応じて照射点と称して説明する。
続いて、記録端末1の具体的な構成について説明する。この記録端末1は、壁面診断結果記録システムとして機能するものであって、例えばタブレットPCのような公知の情報端末として構成されている。図2は、本実施の形態1に係る記録端末1を例示するブロック図である。この記録端末1は、概略的に、制御部11、及びデータ記録部12を備えて構成される。以下では、記録端末1を構成するこれらの構成要素について具体的に説明する。
制御部11は、壁面診断結果記録システムを制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態1に係る壁面診断結果記録プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して壁面診断結果記録システムにインストールされることで、制御部11の各部を実質的に構成する。
データ記録部12は、壁面診断結果記録システムの動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、壁面診断結果記録システムとしてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
次に、このように構成される壁面診断結果記録システムによって実行される壁面診断結果記録処理について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る壁面診断結果記録処理のフローチャートである(以下の処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この壁面診断結果記録処理は、壁面に対する診断結果の記録を行うための処理であり、例えば壁面診断結果記録システムへの電源投入後に所定周期にて繰り返し実行される。以下の処理の説明において、制御主体を特記しない処理については、壁面診断結果記録システムの制御部11にて実行されるものとし、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、壁面診断結果記録システムのデータ記録部12に予め格納されており、あるいは、壁面診断結果記録システムのタッチパネルを介してユーザ等によって入力されるものとする。
この診断結果情報記録作業において、最初に、診断員が架台2の座席2aに搭乗し、打診棒4を用いて壁面の診断対象部を打診し、診断結果を判定する。そして、診断員は、所定の筆記具を用いて、判定した診断結果に応じた診断結果情報を診断対象部に記載する。なお、診断結果情報を記載する筆記具は任意であり、本実施の形態1ではチョークであるものとして説明する。
図3に戻り、次に、壁面診断結果記録処理について説明する。ここで、この壁面診断結果記録処理においては、診断員は架台2に搭乗しないものとして説明する。すなわち、診断員が、搭乗者のいない架台2を遠隔操作し、この架台2が壁面の上下左右方向に沿って移動するものとして説明する。
このように本実施の形態1によれば、診断員による診断結果を記録することが可能であるため、壁面への固定が不安定である打診用機械によって診断を行うことにより不正確な診断結果が判定されることがなく、打診用機械による診断結果を記録する場合と比べてより正確な診断結果を得ることが可能である。また診断員の打診や触診によって壁面の診断を行うことが可能であるため、ひび割れと浮きとの関連性、あるいは、シール切れとエフロレッセンスとの関連性のように診断員によらなければ診断を行うことが困難な壁面状態についても診断を行うことが可能となり、より詳細な診断を行うことが可能となる。また、診断結果を壁面画像における診断対象部の位置に対応付けて記録することが可能となり、従来のように、一度壁面に記載した診断結果を野帳に転記して記録する必要がないため、診断員の作業負荷の低減、壁面全体の診断時間の短縮、又は診断結果の正確性の向上を図ることが可能となる。
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態2は、診断結果情報が、診断員により壁面に貼付されたQRコード(登録商標)であり、壁面画像を正対化する手段が、壁面を構成するタイルの縦横比に基づいて壁面画像を正対化するタイル壁面画像修正手段である形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号を必要に応じて付して、その説明を省略する。
次に、本実施の形態2に係る壁面診断結果記録システムとして機能する記録端末20の構成について説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係る記録端末20を例示するブロック図である。この図8に示すように、本実施の形態2に係る制御部21は、タイル壁面画像修正部21dを備えており、データ記録部22は、判別記号テーブル22aを備えている。
次に、このように構成される壁面診断結果記録システムによって実行される壁面診断結果記録処理について説明する。なお、本実施の形態2のフローチャートは、実施の形態1のフローチャートと同様に構成することが可能であるため、以下では、実施の形態1と同様に、図3を参照にしつつ、本実施の形態2に係る壁面診断結果記録処理について説明する。なお、実施の形態1と同様に、最初に、壁面診断結果記録処理の前提として行う診断結果情報記録作業について説明し、その後に、壁面診断結果記録処理について説明する。
この診断結果情報記録作業において、最初に、診断員が架台2の座席2aに搭乗し、打診棒4を用いて壁面の診断対象部を打診し、診断結果を判定する。そして、診断員は、判定した診断結果に応じた診断結果情報を診断対象部に貼付する。
図3に戻り、壁面診断結果記録処理について説明する。まず、壁面診断結果記録処理が起動されると、壁面画像取得部11aは、カメラ3により撮影した壁面画像を取得する(SA1)。そして、タイル壁面画像修正部21dは、SA1において取得した壁面画像を正対化する(SA2)。
このように本実施の形態2によれば、壁面画像におけるタイルの縦横比が、壁面におけるタイルの縦横比と近似するように壁面画像を修正することによって、より実際の壁面と近似する縦横比を有する壁面画像を生成することが可能となり、診断対象部の位置を正確に特定することが可能な壁面画像を記録することが可能となる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
各実施の形態に示した特徴は、相互に入れ替えたり、一方の特徴を他方に追加してもよい。例えば、壁面画像を正対化する手段として、実施の形態1においては、実施の形態2のように、壁面を構成するタイルの縦横比に基づいて壁面画像を正対化するタイル壁面画像修正手段を採用してもよく、あるいは、実施の形態2においては、実施の形態1のように、レーザーポインタ5により投光された目印に基づいて壁面画像を正対化する被投光壁面画像修正手段を採用してもよい。
発明の詳細な説明や図面で説明した記録端末1、20、カメラ3、打診棒4、レーザーポインタ5、及び架台2の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。また、各部を構成する材料については、金属や樹脂を含む任意の材料を用いることができる。
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散や統合して構成できる。例えば、壁面診断結果記録システムの各構成要素を、分散配置した上でネットワークを介して相互に接続してもよい。
上記各実施の形態では、記録端末1、20はタブレットPCであるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、ノートPCやその他の携帯端末であっても良い。
上記各実施の形態では、壁面は、上下左右に沿って配置された複数のタイルによって構成されているものとして説明したが、例えば塗装仕上げが施された塗装面であるものとしても良い。この場合にも同様の構成により、塗装面の「汚損」、「剥離」、「亀裂」等の診断結果を記録することが可能である。
上記各実施の形態では、診断結果として「汚損」、「剥離」、「亀裂」を上げて説明したが、その他の診断結果を適宜設定することが可能である。また、診断結果としては、「汚損」、「剥離」、「亀裂」といった不具合の具体的な内容だけではなく、壁面の不具合の度合い(例えば「1」から「5」で段階的に表す)も同時に診断結果として記録しても良い。
上記実施の形態1では、レーザーポインタ5は壁面に4点の照射点を照射することとしたが、その他の数の照射点を照射することとしても良い。具体的には、レーザーポインタ5の照射点に基づいて壁面画像を修正するためには、少なくとも3点以上の照射点を照射することにより足りる。また、点として照射するのではなく、特定の形状の目印を壁面に照射しても良い。例えば、カメラ3により撮影される範囲を示す枠を線としてレーザーポインタ5により照射しても良い。このように、特定の形状の目印を壁面に照射することにより、壁面画像の目印の形状が、実際の壁面に照射された目印の形状と近似するように壁面画像を修正することにより、壁面画像を正対化することができる。
上記各実施の形態では、2つのカメラ3を設置するものとしたが、カメラ3の設置台数に限定はなく、1台のカメラ3のみを架台2に設置しても良い。また、3つ以上のカメラ3を架台2に設置しても良い。
また、上記各実施の形態では、最初に、2つのカメラ3により撮影された壁面画像同士を統合し、その後に、統合された壁面画像を、診断結果DB12bに記録された上下位置の壁面画像に対して統合するという統合の順序で説明したが、このような順序に限定されない。例えば、最初に2つのカメラ3により撮影された壁面画像同士を統合せずに、まずは、それぞれのカメラ3が上下方向に沿って移動することにより撮影された上下方向に沿った壁面画像を統合する。そして、このように統合された上下方向に沿った壁面画像同士を統合する、といった順序であっても良い。
本実施の形態では、まず、架台2に搭乗した診断員が壁面の診断を行って診断結果を診断対象部に記録し(診断結果情報記録作業)、次に、架台2に診断員が搭乗しない状態において架台2を上下左右に移動させて壁面の撮影を行うものとして説明したが、この診断結果情報記録作業と壁面の撮影とを同時に行うものとしても良い。具体的には、架台2に搭乗した診断員が診断結果情報記録作業を行いつつ、その診断結果情報記録作業の様子や壁面を、架台2に設置されたカメラ3により動画や静止画で撮影する(併せて音声を記録しても良い)。そして、架台2を壁面の上下左右に移動させることにより、壁面全体に対する診断結果情報記録作業と壁面の撮影とを同時に行うことが可能である。このように診断結果情報記録作業と壁面の撮影とを同時に行うことによって、壁面診断結果記録処理の所要時間を短縮することが可能である。また、カメラ3により診断結果情報記録作業の様子を動画や静止画で撮影した場合には、その動画や静止画に映し出された壁面の様子を視聴することにより診断員による診断に誤診が無かったか否かを確認することが可能である。また、カメラ3により診断結果情報記録作業の様子を動画で撮影すると共に、診断結果情報記録作業の音声を所定のマイク等により取得して記録した場合には、動画と併せて記録された打診音を聴取することにより、診断員による診断に誤診が無かったか否かを確認することが可能である。このように、記録された動画、静止画、又は音声を、診断が適切に行われたか否かの証拠として用いることが可能である。
上記各実施の形態では、架台2が動いて停止するごとに壁面画像を取得するものとして説明したが、例えば架台2の上下位置を常に測定し続け、この架台2の上下位置からカメラ3の撮影範囲を特定し、カメラ3の撮影範囲が、未取得の壁面画像を含む範囲を撮影すると判定した場合に、架台2の停止を待たずに壁面画像の取得を行っても良い。
上記各実施の形態では、架台移動機構の昇降装置は建物の屋上に配置されているものとして説明したが、昇降装置は、架台2に対して接続されているものであって、ワイヤーの巻取り又は巻き出しを行うことによって架台を上下方向に沿って昇降可能とするものであっても良い。また、架台を左右方向に移動させる方法は任意であり、上記各実施の形態では、建物の屋上において壁面に沿った左右方向に敷設されたレール上を昇降装置が移動することによって、架台2が左右方向に移動するものとして説明したが、このような構成に限定されない。例えば、レールを有さない構成であっても良い。このようなレールを有さない構成においては、ワイヤーを建物の屋上において固定し、ワイヤーの固定位置を左右いずれかの方向にずらすことにより、架台2を左右方向に移動させることが可能である。
上記各実施の形態では、診断員は上下方向に沿って昇降可能な架台2に搭乗した状態において、診断を行うものとして説明したが、架台2に搭乗しなくても診断員の手の届く範囲に診断対象部が位置するのであれば、診断員は架台2に搭乗する必要はない。
本実施の形態1では、架台2の上下方向の位置は、昇降装置におけるモーターの回転量を計測することによって特定し、架台2の左右方向の位置は、レールを移動する際の昇降装置の車輪の回転量を計測することによって特定するものとして説明したが、その他の方法により架台2の位置を特定しても良い。例えば、架台2を移動させるためのリモコンに設けられた上下左右の移動を行うための各スイッチが押圧された回数に基づいて架台2の位置を特定しても良い。
上記各実施の形態では、診断員による終了指示を取得した後に、壁面画像の解析、及び対応付け処理を行うものとして説明したが、これらの処理を行うタイミングは適宜変更することが可能である。例えば、壁面画像を診断結果DB12bに記録する度に(SA4、SA10)、逐次、診断結果DB12bに記録された壁面画像の解析、及び対応付け処理を行っても良い。また、このように逐次、壁面画像の解析、及び対応付け処理を行い、その度にディスプレイ(図示省略)上に表示する診断結果レポート6を更新していくことにより、診断結果レポート6の作成状況をリアルタイムで認識することが可能である。
上記実施の形態2では、予めQRコードが表示された複数のシールを用意し、そのシールを診断対象部に貼付するものとして説明したが、当該シールは診断結果に応じて逐次作成するものであっても良い。具体的には、診断員は公知のQRコード変換器を所持した状態において架台2に搭乗して診断対象部の診断を行い、その診断結果に応じた情報をQRコード変換器に入力する。そして、QRコード変換器は、その情報を示すQRコードを表面に表示したシールを作成し、診断員はこのようにして作成したシールを診断対象部に貼付する。このような構成によれば、診断対象部に関するより詳細な説明(例えば、亀裂の長さや深さ等)をQRコードとして表示することが可能であり、このQRコードを解析して(SA11)、対応付け処理(SA12)を行うことにより、より詳細な診断結果レポート6を作成することが可能である。
2 架台
2a 座席
2b カメラ固定台
3 カメラ
4 打診棒
5 レーザーポインタ
6 診断結果レポート
11、21 制御部
11a 壁面画像取得部
11b 壁面画像解析部
11c 対応付け部
11d 被投光壁面画像修正部
11e 統合部
12、22 データ記録部
12a、22a 判別記号テーブル
12b 診断結果DB
21d タイル壁面画像修正部
Claims (8)
- 壁面における診断対象部に対する診断結果を記録する壁面診断結果記録システムであって、
撮影手段にて撮影した壁面画像であり、診断員による前記診断結果を示す診断結果情報が記録された前記診断対象部を少なくとも含む壁面画像を取得する壁面画像取得手段と、
前記壁面画像取得手段により取得した前記壁面画像の前記診断結果情報を解析し、当該診断結果情報が示す前記診断結果を特定する壁面画像解析手段と、
前記壁面画像解析手段により特定した前記診断結果を、前記壁面画像取得手段により取得した前記壁面画像における前記診断対象部の位置に対応付けて所定の記録手段に記録する対応付け手段と、を備える、
壁面診断結果記録システム。 - 前記壁面画像取得手段は、前記壁面における互いに重複しない部分を少なくとも含む範囲を撮影する複数の前記撮影手段にて撮影した複数の壁面画像を取得し、
前記複数の壁面画像をモザイキングすることにより単一の壁面画像を生成する壁面画像統合手段を備える、
請求項1に記載の壁面診断結果記録システム。 - 前記壁面画像取得手段は、投光手段によって目印が投光された壁面を含む壁面画像を取得し、
前記壁面画像における目印の縦横比が、前記壁面における目印の縦横比と近似するように、前記壁面画像を修正する被投光壁面画像修正手段とを備える、
請求項1又は2に記載の壁面診断結果記録システム。 - 前記壁面画像取得手段は、前記壁面を構成する複数のタイルを含む前記壁面画像を取得し、
前記壁面画像における各タイルの縦横比が、前記壁面における各タイルの縦横比と近似するように、前記壁面画像を修正するタイル壁面画像修正手段とを備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の壁面診断結果記録システム。 - 前記診断結果情報は光学式マークである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の壁面診断結果記録システム。 - 前記記録手段に記録された診断結果に基づいて、壁面における不具合の種類毎の総量を導出する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の壁面診断結果記録システム。 - 壁面における診断対象部に対する診断結果を記録する壁面診断結果記録方法であって、
撮影手段にて撮影した壁面画像であり、診断員による前記診断結果を示す診断結果情報が記録された前記診断対象部を少なくとも含む壁面画像を取得する壁面画像取得ステップと、
前記壁面画像取得ステップにおいて取得した前記壁面画像の前記診断結果情報を解析し、当該診断結果情報が示す前記診断結果を特定する壁面画像解析ステップと、
前記壁面画像解析ステップにおいて特定した前記診断結果を、前記壁面画像取得ステップにおいて取得した前記壁面画像における前記診断対象部の位置に対応付けて所定の記録手段に記録する対応付けステップと、を含む、
壁面診断結果記録方法。 - 請求項7に記載の方法をコンピュータに実行させるための壁面診断結果記録プログラム。
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