JP2014134382A - トルク検出装置 - Google Patents

トルク検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014134382A
JP2014134382A JP2011103700A JP2011103700A JP2014134382A JP 2014134382 A JP2014134382 A JP 2014134382A JP 2011103700 A JP2011103700 A JP 2011103700A JP 2011103700 A JP2011103700 A JP 2011103700A JP 2014134382 A JP2014134382 A JP 2014134382A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
torque
magnetic field
torsion bar
input shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011103700A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuo Nakamura
徳男 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2011103700A priority Critical patent/JP2014134382A/ja
Priority to PCT/JP2012/053470 priority patent/WO2012153554A1/ja
Publication of JP2014134382A publication Critical patent/JP2014134382A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/08Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque
    • B62D6/10Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque characterised by means for sensing or determining torque
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L3/00Measuring torque, work, mechanical power, or mechanical efficiency, in general
    • G01L3/02Rotary-transmission dynamometers
    • G01L3/04Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft
    • G01L3/10Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft involving electric or magnetic means for indicating
    • G01L3/101Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft involving electric or magnetic means for indicating involving magnetic or electromagnetic means
    • G01L3/104Rotary-transmission dynamometers wherein the torque-transmitting element comprises a torsionally-flexible shaft involving electric or magnetic means for indicating involving magnetic or electromagnetic means involving permanent magnets
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L5/00Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes
    • G01L5/22Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes for measuring the force applied to control members, e.g. control members of vehicles, triggers
    • G01L5/221Apparatus for, or methods of, measuring force, work, mechanical power, or torque, specially adapted for specific purposes for measuring the force applied to control members, e.g. control members of vehicles, triggers to steering wheels, e.g. for power assisted steering

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、小型かつ低価格に優れると共に高精度にトルクを検出するトルク検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】力が作用する入力軸2と、弾性変形するトーションバー4と、トーションバー4を介して入力軸2に連結される出力軸3とを同軸に配置し、入力軸2と出力軸3との対向する端部のそれぞれに第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bを設置し、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bの間に生じる磁界内に磁気検知部6を設置し、磁界の変化を磁気検知部6が検知することで、トーションバー4に生じるトルクを検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、トーションバーを介して連結される入力軸と出力軸とを有する回転体に生じるトルクを検出するトルク検出装置に関する。
自動車の操舵を補助する機構として電動パワーステアリング装置が普及している。この電動パワーステアリング装置は、トルク検出装置がステアリングシャフトに生じるトルクを検出し、この検出されたトルクに応じて電動モータにより補助力を加え操舵を補助している。
特許文献1に開示されるトルク検出装置101は、本願の図10に示すように、トーションバーとしての外軸102と同心的に配置される内軸103とを備え、外軸102と内軸103との一方の端部にトルクが作用し、外軸102と内軸103との他方の端部でトルクを検出する。
内軸103がトルクの作用する第一接続部分109で外軸102に堅固に固定され、外軸102及び内軸103の前記他方の端部にそれぞれ第二の信号発生部材(磁気発生部)106と第一の信号発生部材(磁気発生部)105が設置され、それぞれの一つの定置に第二の信号検出部材(磁気検知部)108と第一の信号検出部材(磁気検知部)107とが設置されている。
特許文献2に開示されるトルク検出装置201は、本願の図11に示すように、トルクが付与される入力軸202とトーションバー204を介して同軸に配置される出力軸203を備える。
第一の被検知板(磁気発生部)205が入力軸202の外周面に偏心的に設置され、第一の被検知板205に対向して第一の磁気センサ(磁気検知部)207が設置される。第二の被検知板(磁気発生部)206が、出力軸203の外周面に偏心的に設置され、第二の被検知板206に対向して第二の磁気センサ(磁気検知部)208が設置される。そして、第一の磁気センサ207と第二の磁気センサ208との出力の差に基づいて入力軸202に付与される回転トルクを検出する。
特表2003−515735号公報 特開2000−356559号公報
特許文献1に開示されるトルク検出装置101は、トーションバーとしての外軸102と外軸102に同心的に配置される内軸103とを備える二重構造であり、その構造が複雑であるためにコストが高いと共に、二重構造のために内軸103に直交する方向の径が大きくなり小型化が困難であった。
また、外軸102の他方の端部の領域において、第二の信号検出部材(磁気検知部)108が軸中心に配置され、内軸103に略直交する方向において第二の信号検出部材108の外側に第二の信号発生部材(磁気発生部)106が同心的に配置されているため、内軸103に直交する方向の径が大きくなり小型化が困難であった。
また、外軸102の外周に第二接続部分110が形成され、カイドロッド111が第二接続部分110に連結されて、外軸102の外周に設置されている。そして、回転運動が第二接続部分110からカイドロッド111に伝達される。このように、カイドロッド111が外軸102の外周に設置される構造のために、その構造が複雑であると共に、内軸103に直交する方向の径が大きくなり小型化が困難であった。
特許文献2に開示されるトルク検出装置201は、入力軸202と出力軸203とが同軸に配置され、入力軸202に第一の被検知板(磁気発生部)205及び出力軸203に第二の被検知板(磁気発生部)206が、それぞれ入力軸202及び出力軸203の外周面に偏心して取り付けられる複雑な構造である。そして、第一の被検知板205に対向して第一の磁気センサ(磁気検知部)207及び第二の被検知板206に対向して第二の磁気センサ(磁気検知部)208が、第一の被検知板205及び第二の被検知板206の外側に設置されている。
そのため、特許文献2に開示されるトルク検出装置201は、入力軸202及び出力軸203に直交する方向の径が大きくなり小型化が困難であると共に、コストが高かった。
特許文献1においては、二つの磁気発生部105、106のそれぞれに対向して磁気検知部107、108を別々に設置する。そして、二つの磁気検知部107、108が計測した回転角度の差からトルクを検出している。同じように、特許文献2においても、二つの磁気発生部205、206のそれぞれに対向して磁気検知部207、208を別々に設置する。そして、二つの磁気検知部207、208が計測した回転角度の差からトルクを検出している。
そのため、磁気発生部と磁気検知部の組み合わせを二つ設置することが必要であり、設置コストが増大すると共に、この二つの設置に伴う二つの誤差がトルクの検出値に生じることになり、検出精度が劣っていた。
また、全周360°回転角度の内の数度の角度差からトルクを検出するため、検出精度が劣っていた。
自動車には安全性、省エネ性、快適性等が求められ、自動車の電子化が進展している。このため、自動車電装部品には、各種センサ、前記各種センサからの出力をデジタル信号に変換するA/D変換回路、また、電子制御を行うマイコン等と多数の電子部品が搭載されている。
このため、省スペース化が必須であり、前記各種センサを含めた電子部品の小型化が要求されている。また、自動車コストの数十%を電子部品が占めると言われる状況では、前記各種センサを含めた電子部品の低価格化が求められている。
本発明は、このような課題を顧みてなされたものであり、小型かつ低価格に優れると共にトルクを高精度に検出するトルク検出装置を提供することを目的とする。
力が作用する入力軸と、弾性変形するトーションバーと前記トーションバーを介して前記入力軸に連結される出力軸とを有し、前記入力軸と前記トーションバーと前記出力軸とは一体的に回転可能に設けられ、前記入力軸と前記出力軸との対向する端部のそれぞれに磁気発生部が設置され、二つの前記磁気発生部の間に生じる磁界内に磁気検知部が設置され、前記磁界の変化を前記磁気検知部が検知することで、前記トーションバーに生じるトルクを検出することを特徴とする。
前記磁気発生部が前記入力軸と前記出力軸との対向する端部のそれぞれに設置され、前記磁気検知部が二つの前記磁気発生部の間に生じる磁界内に設置されるので、二つの前記磁気発生部と磁気検知部とは軸方向に直列に設置される。このため、前記入力軸と前記出力軸とに直交する径の大きさが抑制され、小型化に優れる。
また、前記入力軸と前記出力軸とが前記トーションバーを介して配置され、それぞれの対向する端部に磁気発生部を設置し、二つの前記磁気発生部の間に生じる磁界内に前記磁気検知部を設置する単純な構造であるので、低価格化に優れる。
また、トルクによって前記トーションバーが捩れ、二つの前記磁気発生部が捩れた状態で回転し、前記捩れに応じて磁界は連続的に変化する。この磁界の連続的な変化を前記磁気検知部が検知することで、トルクが検出される。このような態様で磁界の連続的な変化のみに応じてトルクを検出するため、高精度にトルクを検出することが可能である。
よって、本発明によれば、小型かつ低価格に優れると共に高精度にトルクを検出するトルク検出装置を提供することができる。
前記入力軸、前記トーションバー及び前記出力軸が、同軸に配置されることが好ましい。
前記入力軸、前記トーションバー及び前記出力軸が同軸に配置されることは、前記同軸に直交する方向の径を抑制できるので、トルク検出装置の小型化に優れる。
二つの前記磁気発生部が前記入力軸と前記出力軸との対向する端部の前記同軸に直交する面のそれぞれに同心状に配列される複数の磁石部材からなることが好ましい。
二つの前記磁気発生部が前記入力軸と前記出力軸との対向する端部の前記同軸に直交する面内に配置されるので、前記入力軸と前記出力軸とに直交する径の大きさが抑制される。よって、小型化に優れる。また、同心状に配列される二つの前記複数の磁石部材が対向して配置されるので、その間に均一な強い磁界が生まれる、よって、高精度にトルクを検出することができる。
二つの前記磁気発生部が前記入力軸と前記出力軸との対向する外周面端部のそれぞれに同心状に配列される複数の磁石部材からなることが好ましい。
二つの前記磁気発生部が前記入力軸と前記出力軸との対向する外周面端部に配置されることで、二つの前記磁気発生部と前記磁気検知部とが軸方向に直列に配置されるので、前記入力軸と前記出力軸とに直交する径の大きさが抑制される。よって、小型化に優れる。また、同心状に配列される二つの前記複数の磁石部材が対向して配置されるので、その間に均一な強い磁界が生まれる。よって、高精度にトルクを検出することができる。
二つの前記複数の磁石部材が同数であり、且つ二つの前記複数の磁石部材の全てが略同形状であることが好ましい。
このような態様であれば、二つの前記複数の磁石部材の配列の中心を結んだ軸に対し、対称的な磁場分布を得ることができる。よって、二つの前記複数の磁石部材の配列の中心を結んだ軸と同軸である前記トーションバーの捩れに応じて、磁界は安定的に連続的な変化をする。
前記磁気検知部が二つの磁気センサからなり、前記二つの磁気センサが前記磁石部材の磁極長の略半分である間隔に配置されることが好ましい。
トルクが生じることで前記トーションバーが捩れ、二つの前記複数の磁石部材が互いに捩れた状態で回転することで磁界の方向が変化する。二つの前記磁気センサが軸の回転方向に前記磁石部材の磁極長の半分である間隔に配置されると、二つの前記磁気センサは前記磁界の変化を互いに90°の位相差で検知する。その結果、トルクに応じる振幅で振動する正弦波信号と余弦波信号とが得られ、両信号の二乗和を算出することでトルクを検出することができる。
前記磁気センサが複数のGMR素子からなることが好ましい。
このような態様であれば、トルクを高感度に検出することが可能である。
トルクがゼロの際に、対向する二つの前記磁気発生部が互いにN磁極とS磁極とを対向するように配置され、対向する前記N磁極と前記S磁極とが形成する磁界の方向が、前記複数のGMR素子の位置で前記複数のGMR素子の感度軸と同じ方向になるように、前記複数のGMR素子の感度軸が設定されていることが好ましい。
対向する二つの前記磁気発生部の間に形成される磁界の方向と前記複数のGMR素子の感度軸の方向とを一致させることで、トルクを高感度に検出することが可能となる。
前記複数のGMR素子が、磁化方向が固定される固定磁性層と、外部磁界によって磁化方向が変動する自由磁性層と、前記固定磁性層と前記自由磁性層との間に位置する非磁性導電層とを有し、前記固定磁性層の固定磁化方向が感度軸方向である素子部を備え、前記素子部には、前記素子部の素子幅方向に直交する素子長さ方向の途中位置及び両端部に、膜厚方向に向けて凹部が形成され、この凹部内に永久磁石層が設けられ、前記素子部と前記永久磁石層とで素子連設体が構成され、前記感度軸方向が前記素子幅方向であり、外部磁界がゼロの際に前記永久磁石層によって前記自由磁性層の磁化方向が前記素子長さ方向に向けられ、前記複数の前記素子連設体が前記素子幅方向に間隔を空けて並設され、隣接する前記素子連設体の前記素子長さ方向の端部同士が接続されてミアンダ状を成していることが好ましい。
このような態様であれば、外部磁界がゼロの際に前記複数のGMR素子の抵抗値が略中央値となり、外部磁界の変化に応じ前記中央値を中心に出力されるので、線形性の良い出力を得ることが可能となる。また、前記素子部を複数の帯状の長尺パターンが折り返してなるミアンダ形状にすることで、トルクを高感度に検出することが可能となる。
前記複数のGMR素子が、前記感度軸方向に直交する磁界を遮蔽する構造を有することが好ましい。
前記入力軸と前記出力軸との対向する面にそれぞれ配列される前記複数の磁石部材の近傍には、磁極間に円弧状の形状をした前記感度軸方向に略直交する磁力線が分布している。この磁力線はトルク検出に用いられず、この磁力線はノイズとして働く。よって、前記感度軸方向に直交する磁界を遮蔽する構造を有することは、S/N比の大きい出力が得られると共に、前記入力軸と前記出力軸との間隔を短くできるので小型化に優れる。
二つの前記磁気センサと前記磁気センサの出力を二乗する二つの二乗アンプと二つの前記二乗アンプの出力を加算する加算アンプとを有し、二つの前記磁気発生部の間に生じる磁界内に設置される二つの前記磁気センサがそれぞれに二つの前記GMR素子と二つの抵抗素子とでブリッジ回路を形成してなり、前記トーションバーにトルクが生じると前記磁界が変化し、この前記磁界の変化による二つの前記磁気センサの出力がそれぞれに各前記二乗アンプによって二乗され、二つの前記二乗アンプの出力が前記加算アンプにより加算された値によって、前記トーションバーに生じるトルクを検出することが好ましい。
このような態様であれば、トルクに応じてほぼ同じ振幅で振動する余弦波信号と正弦波信号とが二つの前記磁気センサから出力され、この二つの信号がそれぞれに各前記二乗アンプによって二乗され、二つの前記二乗アンプの出力が前記加算アンプにより加算されることで、前記振幅の二乗値が得られる。そして、この二乗値によって前記トーションバーに生じるトルクを求めることができる。
本発明によれば、小型かつ低価格に優れると共に高精度にトルクを検出するトルク検出装置を提供することができる。
第一の実施形態であるトルク検出装置の断面略図を示す。 第一の実施形態である磁気発生部の平面略図を示す。 第一の実施形態である磁気発生部と磁気検知部の概略説明図を示す。 第一の実施形態である磁気検知部の電気回路の概略説明図を示す。 第一の実施形態である電動パワーステアリング装置に搭載されるトルク検出装置の説明図を示す。 第一の実施形態であるGMR素子の断面略図である。 第二の実施形態である感度軸に直交する磁界を遮蔽する構造を有するGMRセンサの平面略図である。 磁石の周囲に分布する磁力線の模式図である。 第三の実施形態であるトルク検出装置の断面略図を示す。 特許文献1に開示されるトルク検出装置の断面略図を示す。 特許文献2に開示されるトルク検出装置の断面略図を示す。
<第一の実施形態>
第一の実施形態について、図1から図6の図面に基づいて説明する。図5に示すように、トルク検出装置1は、自動車の電動パワーステアリング装置に搭載されて用いられる。ステアリングホイール13の操舵によりステアリングシャフト14に生じるトルクをトルク検出装置1が検出し、その出力であるトルク信号が制御器17に送信される。次に、制御器17が、前記トルク信号と車速とに応じて電動モータ16を制御することで、減速ギア15を介してステアリングシャフト14に操舵補助力が加えられる。
本実施形態では、トルク検出装置1は電動パワーステアリング装置に搭載されて用いられるが、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、各種機器の関節軸、特に、ロボットの指関節、または、電動アシスト自転車及び電動工具類等のトルク検知に応用することができる。
トルク検出装置1は、ステアリングシャフト14を介してステアリングホイール13に接続される入力軸2と、ピニオンギア18に接続される出力軸3を有する。入力軸2と出力軸3とは、ベアリング10を介して軸周りに回転自在に筐体12に支持され、筐体12は自動車の構成部材に固定されている。
入力軸2と出力軸3とは、同軸に配置され、弾性変形するトーションバー4を介して連結されている。ステアリングホイール13の操舵力はステアリングシャフト14を介して入力軸2に作用し、トーションバー4を介して出力軸3に作用する。そして、ピニオンギア18、ラックギア19を介して車輪20に作用するが、車輪20と路面との摩擦等の反発力がある際には、出力軸3の回転が入力軸2の回転に遅れ始め、トーションバー4に捩れが発生する。
図2に第一の実施形態である磁気発生部5(5a、5b)の平面略図を示す。本実施形態では、磁気発生部5は、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとによって構成される。この図2aと図2bは、それぞれ、トーションバー4側から第一の磁気発生部5aまたは第二の磁気発生部5bを見た際の平面略図である。ただし、トーションバー4は断面で図示している。図2に示すように、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとは、八個の略円弧状の磁石部材7が同心的に配列されている。図3に第一の実施形態である磁気発生部5と磁気検知部6の概略説明図を示す。図3aに示すように、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとは共に、複数の磁石部材7のN極からS極への向きがトーションバー4の長手方向に一致し、同一の磁気発生部5(5a、5b)内の隣接する磁石部材7の磁極が交互にN極とS極とが繰り返すように配列されている。また、磁気検知部6は、二つのGMRセンサ9によって構成されている。
特許文献1では、図10に示すように、第二の信号検出部材108を中心にして、内軸103に略直交する方向において第二の信号検出部材108の外側に第二の信号発生部材106が同心的に配置されている。また、特許文献2では、図11に示すように、第一の磁気センサ207と第二の磁気センサ208とが、トーションバー204に略直交する方向において第一の被検知板205と第二の被検知板206との外側に同心的に配置されている。よって、特許文献1と特許文献2とは、内軸103またはトーションバー204に直交する方向の径が大きくなり小型化が困難であった。
ところが、本実施形態は、図2、図3に示すように、入力軸2、第一の磁気発生部5a、トーションバー4、第二の磁気発生部5b、出力軸3及び二つのGMRセンサ9は、軸方向(図2のX方向)に配置されている。そして、二つのGMRセンサ9は、トーションバー4に略直交する方向において、第一の磁気発生部5a及び第二の磁気発生部5bと同一半径近傍に重なり合っている。また、第一の磁気発生部5a、第二の磁気発生部5b及び二つのGMRセンサ9が、それぞれ入力軸2及び出力軸3の外周面より内側に配置されている。よって、特許文献1及び特許文献2に比べて、トーションバー4に直交する方向の径を小さくできるので小型化に優れる。
本実施形態では、八個の略円弧状の磁石部材7を同心的に配列したが、これに限定されるものではない。任意の個数で、且つ任意の形状である複数の磁石部材7を配列することが可能であるが、最低二個の磁石部材7があればトルクを検出することができる。磁石部材7の材料として、フェライト磁石、希土類磁石、金属磁石及び焼結磁石等を用いることができる。また、ゴム磁石、プラスチック磁石、ボンド磁石等を用いることもできる。また、磁石部材7を複数設けずに、一つの磁石部材を軸方向(図2のX方向)に交互に着磁することによって、交互にN極とS極とを繰り返すように配列する磁気発生部5を得ることもできる。
本実施形態では、磁気検知部6は二個のGMRセンサ9によって構成される。図3a及び図3b(二つのGMRセンサ9近傍の拡大図)に示すように、二つのGMRセンサ9が軸中心から略同距離にあり第一の円周51の線上に配置されている。そして、二つのGMRセンサ9の同等な点(例えば、中心点等)を隔てる第一の円周51の線上の距離8aは、第一の円周51を第一の磁気発生部5aの表面にトーションバー4の長手方向(図2のX方向)に平行移動した第二の円周52の線上での磁極長の略半分8に等しく設定されている。
図4に第一の実施形態である磁気検知部6の電気回路の概略説明図を示す。図4に示すように、二つのGMRセンサ9は、それぞれ二つのGMR素子9aと二つの抵抗素子9bとでブリッジ回路を形成してなる。
図6に第一の実施形態であるGMR素子の断面略図を示す。GMR素子9aは、図6に示すように、磁化方向が固定される固定磁性層9fと、外部磁界を受けて磁化方向が変動する自由磁性層9hと、固定磁性層9fと自由磁性層9hとの間に位置する非磁性導電層9gを含むように形成され、自由磁性層9hに凹部が設けられて永久磁石層9iが形成されている。また、図示していないが、自由磁性層9hの長さ方向(図6のY方向)の両端部にも永久磁石層9iが形成されている。そして、外部磁界がゼロの際に永久磁石層9iによって自由磁性層9hの磁化方向は自由磁性層9hの長さ方向(図6のY方向)に向けられている。また、固定磁性層9fの固定磁化方向は自由磁性層9hの長さ方向に直交する素子幅方向(図6のX方向)に向けられている。
また、GMR素子9aは、固定磁性層9f、非磁性導電層9g及び自由磁性層9hを有する素子部と永久磁石層9iとで素子連設体に構成される。そして、図7に示すように、複数の素子連設体が素子幅方向(図7のX方向)に間隔を空けて並設され、隣接する素子連設体の素子長さ方向(図7のY方向)の端部同士が接続されてミアンダ状を成している。また、永久磁石層9iが、素子連設体の長さ方向(図7のY方向)の途中位置と両端部とに設けられている。そして、感度軸方向9dは素子幅方向(図7のX方向)に向けられている。永久磁石層の磁化方向9kは素子長さ方向(図7のY方向)に着磁されており、外部磁界がゼロの際には永久磁石層9iの磁界によって自由磁性層9hの磁化方向も素子長さ方向(図7のY方向)に向いている。
図7では、GMR素子9aの素子連設体は3本であり、1本の素子連設体に設けられた永久磁石層9iの数は4個であるが、これに限定されるものではなく、前記の数は任意に設けることができる。また、パターン形状も目的に応じて任意に設けることが可能である。
そして、二つのGMRセンサ9は、図3に示すように、感度軸方向9dがトーションバー4の長手方向に平行にして第二の磁気発生部5bから第一の磁気発生部5aに向けられるように配置されている。よって、この方向が二つのGMRセンサ9の感度軸方向9dであり、二つのGMRセンサ9は、外部磁界が感度軸方向9dへ余弦された値に比例する信号を出力する。
入力軸2に作用する操舵力と出力軸3に作用する反発力とにより生じるトルクに応じてトーションバー4が捩れると、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとが捩れた状態で回転する。この捩れた状態での回転によって、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとの対向する磁極が捩れた状態で回転するので、この磁極間の磁界の方向も回転する。よって、二つのGMRセンサ9の出力は、この回転する磁極間の磁界の感度軸方向9dへの余弦された値に比例する信号で表わされる。
この際、二つのGMRセンサ9は、磁極長の略半分8に等しい線上の距離8aを隔てて配置されている。この磁極長の略半分8は、磁石部材7の磁極配列周期の1/4周期に相当するので、二つのGMRセンサ9から出力される二つの信号は、互いに位相が1/4周期(90°)ずれている。よって、一方のGMRセンサ9の出力を、回転する磁極間の磁界の感度軸方向への余弦された値に比例する信号、即ち、余弦波信号で表わす際は、三角関数の関係から、他方のGMRセンサ9の出力は、回転する磁極間の磁界の感度軸方向9dへの正弦された値に比例する、即ち、正弦波信号で表わせる。
トルクに応じてトーションバー4が捩れると、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとが捩れた状態で回転する。この捩れによって、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとの対向するN極とS極とが斜めにずれるので、このN極とS極との間の磁界の方向も斜めになる。よって、トルクに応じて斜めになった磁界が、二つのGMRセンサ9の回りを回転するので、二つのGMRセンサ9の出力は、斜めになった磁界の感度軸方向9dへの余弦値に応じた、即ち、トルクに応じた振幅を持つ余弦波信号または正弦波信号で表わせる。
本実施形態では、同じ形状をした第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとを、異なる極を対向させて同軸に配置している。そのため、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとの間の磁界は、前記同軸に対称的に分布し、図8bに示すように、トルクが無い際には、対向する磁極間の中央部近傍に感度軸方向9dに平行な直線状の磁力線がほぼ均一に分布している領域を持ち、強く且つ安定的に形成される。また、トルクによって第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとが捩れた状態で回転すると、磁力線は斜めに傾斜しトルクに応じて安定的に連続的な変化をする。
本実施形態では、安定的に連続的な変化をする磁界によってトルクを検出するので、高精度なトルク検出が可能となる。
複数の磁石を同心的に配列し、前記磁石に対抗して磁気検知部を配置する。そして、回転により前記磁気検知部を通過した磁石の数から回転角度を求める方法が、一般的に用いられている。この方法で計測した回転角度からトルクを検出すると、磁石の大きさによって検出精度が制限される。ところが、本実施形態では、連続的に変化する磁界からトルクを検出するので、検出精度に優れる。
また、直線状の磁力線がほぼ均一に分布している領域にGMRセンサ9を設置すれば、設置精度が軽減されると共にトルク検出感度ばらつきを小さく抑えることができる。よって、製造及び検査の負荷が軽減され低価格となると共に品質も向上する。また、この直線状の磁力線の方向に感度軸方向を一致させると、強い磁界の変化を検知することができるので、高感度なトルク検出が可能となる。
ところが、特許文献1及び特許文献2においては、同一の磁石のN極からS極に向かう磁力線の分布中に磁気検知部107、108、207、208を設置して磁界を検知している。この磁力線は、図8aに示すように円弧状の形状をしており、磁気検知部107、108、207、208を設置する位置により磁界の強さ及び方向が変化し易い。よって、磁気検知部107、108、207、208の設置精度が厳しいと共にトルク検出感度ばらつきが大きかった。よって、コストが高いと共に品質も良くなかった。
本実施形態において、トーションバー4が大きく捩れて、磁極の配置の一周期を超えて捩れた状態で回転すると、一周期前の捩れた状態と磁極の状態が同じになるため、磁極間の距離は元に戻ったと誤認する。これにより正確なトルク検出ができなくなる。よって、想定される最大トルクに対してトーションバー4の捩れが磁極の配列の一周期を超えないように、磁極長、トーションバー4の長さ、径及び弾性率等を設定している。
二つのGMRセンサ9は、パッケージに実装されて筐体12に固定されている。図4に示すように、二つのGMRセンサ9は、それぞれ二つのGMR素子9aと二つの抵抗素子9bとでブリッジ回路を形成してなる。また、前記ブリッジ回路は、半導体プロセス技術によって、同時に同一の基板上に多数に形成される。よって、ブリッジ回路を構成する二つのGMR素子9aは、同じ仕様で隣接して形成されるので、ほぼ同じ特性を示す。このことは、抵抗素子9bにおいても同じである。よって、二つのGMRセンサ9は、(1)式に示すように、それぞれにトルクによって生じる捩れに応じてほぼ同じ振幅(A)で振動する余弦波信号と正弦波信号とを出力する。この二つの信号は、それぞれ二乗アンプ21で二乗されて、加算アンプ22で加算される。正弦波信号の二乗と余弦波信号の二乗との和は1である。よって、加算アンプ22からは、トルクに応じる振幅(A)の二乗の値が出力される。ただし、θは回転角度である。
よって、あらかじめトルクの値とトルクに応じる振幅の二乗の値の関係を求めて置けば、トルク検出装置1は、この関係を使ってトーションバー4に生じるトルクを検出することが可能となる。この際に、所定のトルクを加えて、二つの二乗アンプ21の出力の振幅がそれぞれ所定の値になるように補正することも可能である。このような補正をすることで、トルク検出装置1の検出精度を向上させることができる。
特許文献1では、第一の信号発生部材105と第二の信号発生部材106とのそれぞれの回転角度を、第一の信号検出部材107と第二の信号検出部材108とで計測し、それぞれの回転角度の差から相対的な回転角度を算出し、この相対的な回転角度に応じてトルクを検出している。
特許文献2では、入力軸202の外周面に偏心して取り付けられた第一の被検知板205と出力軸203の外周面に偏心して取り付けられた第二の被検知板206を、それぞれに対向して配置された第一の磁気センサ207と第二の磁気センサ208との出力差によって、入力軸202と出力軸203との回転位相差が求められ、この回転位相差からトルクが検出される。
特許文献1においては、二つの磁気発生部105、106のそれぞれに対向して磁気検知部107、108を別々に設置する。そして、二つの磁気検知部107、108が計測した回転角度の差からトルクを検出している。特許文献2においても、二つの磁気発生部205、206のそれぞれに対向して磁気検知部207、208を別々に設置する。そして、二つの磁気検知部207、208からの出力差からトルクを検出している。
そのため、磁気発生部と磁気検知部の組み合わせを二つ設置することが必要であり、この二つの設置に伴う二つの誤差がトルクの検出値に生じることになる。また、磁気検知部を設置する位置の磁力線は円弧状の形状をしており、この二つの設置に伴う二つの誤差の値は大きい。
ところが、本実施形態では、二つのGMRセンサ9が磁極長の略半分8の間隔を隔てて実装されたパッケージを、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとの間の中央部近傍に設置する。この中央部近傍の磁力線は、直線状でほぼ均一に分布している。そのため、このパッケージ設置に伴う誤差は非常に小さい。よって、二つのGMRセンサ9を磁極長の略半分8の間隔に隔ててパッケージに実装する誤差のみが、有効な誤差として残る。
このように、磁気発生部に対して磁気検知部を設置することに伴う誤差は、特許文献1及び特許文献2に開示されたトルク検出装置101、201に比べて、本実施形態のトルク検出装置1は小さい。よって、本実施形態によれば、高精度にトルクを検出することが可能である。
特許文献1に開示される、二つの磁気検知部107、108が計測した回転角度の差からトルクを検出する方式では、一般的にtan-1θの計算が行われる。例えば、(2)式によって回転角度の差(θ)を計算することが必要である。ここで、sinθとcosθとは、トルク検出装置の検出信号である。よって、回転角度を計算することなくトルクを検出する本実施形態に比べて、特許文献1に開示される方式は複雑な電子回路が必要となる。
特許文献2に開示される回転位相差からトルクを検出する方式では、操舵角度(軸の回転角度)がある程度に大きくなければ、出力である回転位相差を検出することができない。よって、検出できるトルクの大きさが制限される。
特許文献1に開示されるトルク検出装置101は、図10に示すように、トーションバーとしての外軸102と、外軸102に同心的に配置される内軸103とから構成される二重構造のために、その構造が複雑であるためにコストが高かった。また、特許文献2に開示されるトルク検出装置201は、図11に示すように、トーションバー204が入力軸202及び出力軸203の内部に挿入された二重構造、且つ第一の被検知板205と第二の被検知板206とが、それぞれ入力軸202または出力軸203に偏心して取り付けられる複雑な構造であるためにコストが高かった。
ところが、本実施形態は、図1、図3に示すように、入力軸2、第一の磁気発生部5a、トーションバー4、第二の磁気発生部5b、出力軸3及び二つのGMRセンサ9が軸方向(図1のX方向)に配置されている単純な構造であるので、特許文献1及び特許文献2に比べて価格を低く抑えることができる。
特許文献1及び特許文献2に開示されるトルク検出装置101、201では、それぞれ内軸103と外軸102との回転角度を計測し、または入力軸202と出力軸203との回転位相差が計測され、それぞれにトルクを検出している。
このような検出方法では、回転角度の最大値が360゜であることから、トルク検出装置101、201の検知部分の構造やトルクを算出する演算方法等を、最大値の回転角度である360゜まで設定することが必要である。
ところが、トーションバー4に生じるトルクによる回転角度は、5゜程度であり、大きくても10゜以下である。このような小さな回転角度を360゜の広いレンジで検出するために、特許文献1及び特許文献2に開示されるトルク検出装置101、201は、検出精度が劣っていた。
ところが、本実施形態では、想定される最大トルクによってトーションバー4の捩れが磁極の配列の一周期を超えないように設定している。そして、本実施形態では、図2に示すように、磁気発生部5を八個の磁石部材7で構成しているので、一周期は90゜である。よって、トーションバー4に生じるトルクによる5゜程度の回転角度を、90゜である適切なレンジで検出している。よって、本実施形態によれば、トルクを高精度に検出することができる。
また、本実施形態では、回転角度によらずにトルクを検出する。よって、検出するトルクの大きさに応じて、磁気発生部5の磁極長を適切に設定し、自由に測定のレンジを設定することが可能である。よって、どのようなトルクの大きさに対しても適切に対応して、トルクを高精度に検出することが可能である。
本実施形態では、磁気検知部6を二つのGMRセンサ9を用いて構成したが、これに限定されるものではない。ホール素子、MI素子(マグネトインピーダンス素子)、AMR素子(異方性磁気抵抗効果素子)等からなるセンサによっても構成可能である。
<第二の実施形態>
図7に第二の実施形態である感度軸に直交する磁界を遮蔽する構造を有するGMRセンサの平面略図を示す。図7に示すように、本実施形態であるGMRセンサは、複数の帯状の長尺パターン(ストライプ)が折り返してなるミアンダ形状の平面構造を有する、二つのGMR素子9a及び二つの抵抗素子9bによってブリッジ回路を形成してなる。そして、感度軸方向9dがGMR素子9aの長さ方向に直交する素子部幅方向(図7のX方向)に向けられている。
GMR素子9aの長さ方向(図7のY方向)の両側に、非接触に長さ方向(図7のY方向)に帯状の長尺パターンである遮蔽膜9cが設けられている。この遮蔽膜9cは、軟磁性膜からなり、長さ方向(図7のY方向)の磁界成分を遮蔽する効果を発揮する。よって、長さ方向に直交する方向(図7のX方向)の磁界成分、即ち感度軸方向9dに平行な磁界成分のみが、GMR素子9aが占める領域に進入することができる。また、遮蔽膜9cは、感度軸方向9dに平行な磁界成分を増幅する効果を発揮するので、トルクを検出する感度も向上する。
第一の実施形態と第二の実施形態との違いは、この遮蔽膜9cの有無のみであり、その他は基本的に同じである。
本実施形態では、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとの対抗する磁極のほぼ中央に二つのGMRセンサ9を設置して、この位置での磁界の変化を検知してトルクを検出する。この位置の近傍には、図8bに示すように、トルクの無い際に磁力線(磁界)が感度軸方向9dに対し平行に直線状に分布し、トルクが生じると磁力線(磁界)は感度軸方向9dに対して傾斜を始め変化する。また、第一の磁気発生部5aや第二の磁気発生部5bの近傍には、図8aに示すような感度軸方向9dに略直交する磁力線(磁界)がある。この磁力線(磁界)は、トルクが生じると感度軸方向9dに略直交するままに、その方向が変化する。この磁力線(磁界)はトルク検出には用いられなくノイズ成分として働くが、遮蔽膜9cによって遮蔽される。
また、遮蔽膜9cは周辺部品等からの漏洩磁場も遮断するので、これらに起因するノイズ成分も低減される。
よって、本実施形態によれば、ノイズ成分の磁界を遮蔽し、感度軸方向9dの磁界成分を増幅するので、S/N比が良好な出力を得ることができる。
また、第一の磁気発生部5aや第二の磁気発生部5bの近傍の感度軸方向9dに略直交する磁界が遮蔽されているので、第一の磁気発生部5aと第二の磁気発生部5bとの間隔を短くしても、S/N比が劣化することが低減される。よって、本実施形態によれば、この方向(図1のX方向)の小型化に優れる。
遮蔽膜9cを構成する軟磁性膜は、NiFe、CoFe、CoFeSiBやCoZrNb等で形成することができる。
<第三の実施形態>
図9に第三の実施形態であるトルク検出装置の断面略図を示す。第三の実施形態では、図9に示すように、磁気発生部5が、入力軸2と出力軸3との対向する外周面端部のそれぞれに同心状に配列される複数の磁石部材7からなる。そして、二つの磁気発生部5の間に生じる磁界内に磁気検知部6が設置される。このように、入力軸2、磁気発生部5(5a)、トーションバー4、磁気検知部6、磁気発生部5(5b)及び出力軸3が、直列、即ち同軸状に配置されるので、トーションバー4の長手方向(図9のX方向)に直交する方向の径を小さくできる。
また、入力軸2と出力軸3と対向する面のそれぞれに磁気発生部5を設ける第一の実施形態に対して、第二の実施形態は、入力軸2と出力軸3との対向する外周面端部に磁気発生部5を設けるので、相対的にトーションバー4を短くできる。よって、第一の実施形態に比べ、トーションバー4の長手方向(図9のX方向)の寸法を小さくできる。
第一の実施形態と第三の実施形態の違いは、磁気発生部5が設置された位置のみであり、その他は基本的に同じである。
1、101、201 トルク検出装置
2、202 入力軸
3、203 出力軸
4、204 トーションバー
5 磁気発生部
5a 第一の磁気発生部
5b 第二の磁気発生部
6 磁気検知部
7 磁石部材
8 磁極長の略半分
8a 線上の距離
9 GMRセンサ
9a GMR素子
9b 抵抗素子
9c 遮蔽膜
9d 感度軸方向
9e 磁界の方向
9f 固定磁性層
9g 非磁性導電層
9h 自由磁性層
9i 永久磁石層
9k 永久磁石層の磁化方向
10 ベアリング
11 ネジ
12 筐体
13 ステアリングホイール
14 ステアリングシャフト
15 減速ギア
16 電動モータ
17 制御器
18 ピニオンギア
19 ラックギア
20 車輪
21 二乗アンプ
22 加算アンプ
51 第一の円周
52 第二の円周
102 外軸
103 内軸
105 第一の信号発生部材(磁気発生部)
106 第二の信号発生部材(磁気発生部)
107 第一の信号検出部材(磁気検知部)
108 第二の信号検出部材(磁気検知部)
109 第一接続部分
110 第二接続部分
111 カイドロッド
205 第一の被検知板(磁気発生部)
206 第二の被検知板(磁気発生部)
207 第一の磁気センサ(磁気検知部)
208 第二の磁気センサ(磁気検知部)

Claims (11)

  1. 力が作用する入力軸と、
    弾性変形するトーションバーと
    前記トーションバーを介して前記入力軸に連結される出力軸と、
    を有し、
    前記入力軸と前記トーションバーと前記出力軸とは一体的に回転可能に設けられ、
    前記入力軸と前記出力軸との対向する端部のそれぞれに磁気発生部が設置され、
    二つの前記磁気発生部の間に生じる磁界内に磁気検知部が設置され、
    前記磁界の変化を前記磁気検知部が検知することで、前記トーションバーに生じるトルクを検出することを特徴とするトルク検出装置。
  2. 前記入力軸、前記トーションバー及び前記出力軸が、同軸に配置されることを特徴とする請求項1に記載のトルク検出装置。
  3. 二つの前記磁気発生部が前記入力軸と前記出力軸との対向する端部の前記同軸に直交する面のそれぞれに同心状に配列される複数の磁石部材からなることを特徴とする請求項2に記載のトルク検出装置。
  4. 二つの前記磁気発生部が前記入力軸と前記出力軸との対向する外周面端部のそれぞれに同心状に配列される複数の磁石部材からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトルク検出装置。
  5. 二つの前記複数の磁石部材が同数であり、且つ二つの前記複数の磁石部材の全てが略同形状であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のトルク検出装置。
  6. 前記磁気検知部が二つの磁気センサからなり、前記二つの磁気センサが前記磁石部材の磁極長の略半分である間隔に配置されることを特徴とする請求項5に記載のトルク検出装置。
  7. 前記磁気センサが複数のGMR素子からなることを特徴とする請求項6に記載のトルク検出装置。
  8. トルクがゼロの際に、対向する二つの前記磁気発生部が互いにN磁極とS磁極とを対向するように配置され、対向する前記N磁極と前記S磁極とが形成する磁界の方向が、前記複数のGMR素子の位置で前記複数のGMR素子の感度軸と同じ方向になるように、前記複数のGMR素子の感度軸が設定されていることを特徴とする請求項7に記載のトルク検出装置
  9. 前記複数のGMR素子が、磁化方向が固定される固定磁性層と、外部磁界によって磁化方向が変動する自由磁性層と、前記固定磁性層と前記自由磁性層との間に位置する非磁性導電層とを有し、前記固定磁性層の固定磁化方向が感度軸方向である素子部を備え、前記素子部には、前記素子部の素子幅方向に直交する素子長さ方向の途中位置及び両端部に、膜厚方向に向けて凹部が形成され、この凹部内に永久磁石層が設けられ、前記素子部と前記永久磁石層とで素子連設体が構成され、前記感度軸方向が前記素子幅方向であり、外部磁界がゼロの際に前記永久磁石層によって前記自由磁性層の磁化方向が前記素子長さ方向に向けられ、前記複数の前記素子連設体が前記素子幅方向に間隔を空けて並設され、隣接する前記素子連設体の前記素子長さ方向の端部同士が接続されてミアンダ状を成していることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のトルク検出装置。
  10. 前記複数のGMR素子が、前記感度軸方向に直交する磁界を遮蔽する構造を有することを特徴とする請求項9に記載のトルク検出装置。
  11. 二つの前記磁気センサと、
    前記磁気センサの出力を二乗する二つの二乗アンプと、
    二つの前記二乗アンプの出力を加算する加算アンプと、
    を有し、
    二つの前記磁気発生部の間に生じる磁界内に設置される二つの前記磁気センサがそれぞれに二つの前記GMR素子と二つの抵抗素子とでブリッジ回路を形成してなり、前記トーションバーにトルクが生じると前記磁界が変化し、この前記磁界の変化による二つの前記磁気センサの出力がそれぞれに各前記二乗アンプによって二乗され、二つの前記二乗アンプの出力が前記加算アンプにより加算された値によって、前記トーションバーに生じるトルクを検出することを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか一項に記載のトルク検出装置。
JP2011103700A 2011-05-06 2011-05-06 トルク検出装置 Withdrawn JP2014134382A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011103700A JP2014134382A (ja) 2011-05-06 2011-05-06 トルク検出装置
PCT/JP2012/053470 WO2012153554A1 (ja) 2011-05-06 2012-02-15 トルク検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011103700A JP2014134382A (ja) 2011-05-06 2011-05-06 トルク検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014134382A true JP2014134382A (ja) 2014-07-24

Family

ID=47139040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011103700A Withdrawn JP2014134382A (ja) 2011-05-06 2011-05-06 トルク検出装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2014134382A (ja)
WO (1) WO2012153554A1 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3742243A (en) * 1971-09-27 1973-06-26 Veeder Industries Inc Pulse generator
FR2661246B1 (fr) * 1990-04-20 1994-08-05 Roulements Soc Nouvelle Dispositif de mesure d'un couple sur un arbre.
JP2004061149A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Hitachi Ltd トルクセンサ及びこれを用いた電動パワーステアリング装置
JP2008232981A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Jtekt Corp トルクセンサ及び電動パワーステアリング装置
US8222897B2 (en) * 2007-06-12 2012-07-17 Jentek Sensors, Inc. Test circuit with sense elements having associated and unassociated primary windings
JP5210983B2 (ja) * 2009-06-26 2013-06-12 アルプス電気株式会社 地磁気センサ
JP5469937B2 (ja) * 2009-07-09 2014-04-16 株式会社ショーワ 相対角度検出装置及びパワーステアリング装置
JP5220792B2 (ja) * 2010-03-30 2013-06-26 株式会社ホンダロック トルクセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012153554A1 (ja) 2012-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101939623B (zh) 旋转角度检测装置、旋转机及旋转角度检测方法
JP5752322B2 (ja) 磁気式位置検出装置
US8659289B2 (en) Rotating field sensor
EP2284495B1 (en) Magnetic sensor
US10690515B2 (en) Dual Z-axis magnetoresistive angle sensor
US8604780B2 (en) Rotating field sensor
US9506738B2 (en) Rotation detector
US10545032B2 (en) Angle sensor and angle sensor system
CN104487807A (zh) 用于活动件的冗余绝对位置确定的设备和方法
JP5062454B2 (ja) 磁気センサ
US12007294B2 (en) Operation processing apparatus, angle sensor and power steering apparatus
US9400166B2 (en) Sensor arrangement
JP2020153806A (ja) 回転角度検出装置
US20220196434A1 (en) Aparatuses and methods for position detection
JP2014066561A (ja) 回転角度・トルク検出装置
JP5170457B2 (ja) 角度検出装置
WO2012153554A1 (ja) トルク検出装置
JP5062453B2 (ja) 磁気センサ
JP2014065367A (ja) 回転角度・トルク検出装置
JP6784283B2 (ja) 角度センサシステム
JP5071742B2 (ja) トルク検出装置
JP2018200284A (ja) 検出装置および検出システム
JP2011038917A (ja) トルクセンサ及びトルク検出方法
JP2004150812A (ja) トルクセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140805