JP2014134126A - 電磁弁駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁弁駆動装置のエネルギ効率を良くする。
【解決手段】コンデンサの充電電圧が電源電圧よりも高い所定電圧となるように、コンデンサを充電する充電手段と、電磁弁のコイルに電流を流すための通電経路におけるコイルよりも上流側に、前記コンデンサを接続させる放電スイッチと、放電スイッチをオンしてコンデンサから前記コイルに放電させることにより、前記コイルに電磁弁の弁体を速やかに動かすためのピーク電流を流すピーク電流供給手段と、を備えた電磁弁駆動装置において、ピーク電流供給手段は、電磁弁の駆動開始時から目標時間Tpが経過したときに、前記コイルに流れる電流がピーク電流の目標最大値Ipに達するように、放電スイッチをオン/オフさせる。コイル電流が目標最大値Ipになるまでのピーク電流期間を目標時間Tpにすることができ、そのピーク電流期間が短すぎることによる電気エネルギの損失を防ぐことができる。
【選択図】図3
【解決手段】コンデンサの充電電圧が電源電圧よりも高い所定電圧となるように、コンデンサを充電する充電手段と、電磁弁のコイルに電流を流すための通電経路におけるコイルよりも上流側に、前記コンデンサを接続させる放電スイッチと、放電スイッチをオンしてコンデンサから前記コイルに放電させることにより、前記コイルに電磁弁の弁体を速やかに動かすためのピーク電流を流すピーク電流供給手段と、を備えた電磁弁駆動装置において、ピーク電流供給手段は、電磁弁の駆動開始時から目標時間Tpが経過したときに、前記コイルに流れる電流がピーク電流の目標最大値Ipに達するように、放電スイッチをオン/オフさせる。コイル電流が目標最大値Ipになるまでのピーク電流期間を目標時間Tpにすることができ、そのピーク電流期間が短すぎることによる電気エネルギの損失を防ぐことができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、電磁弁を駆動する装置に関し、特に、コンデンサに充電した高電圧のエネルギを電磁弁のコイルに放電して、その電磁弁の作動応答性を向上させようにした電磁弁駆動装置に関する。
例えば内燃機関の各気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)としては、コイルへの通電により弁体がリフトして開弁する電磁弁が使用されている。
このような電磁弁の駆動装置としては、電源電圧よりも高い電圧を生成してコンデンサを充電する昇圧回路と、電磁弁のコイルの上流側に上記コンデンサを接続させる放電スイッチとを備えたものがある。
このような電磁弁の駆動装置としては、電源電圧よりも高い電圧を生成してコンデンサを充電する昇圧回路と、電磁弁のコイルの上流側に上記コンデンサを接続させる放電スイッチとを備えたものがある。
この種の電磁弁駆動装置では、電磁弁の駆動期間における初期に、放電スイッチをオンしてコンデンサからコイルに放電させることにより、電磁弁の弁体を速やかに動かす(リフトさせる)ためのピーク電流をコイルに流す。そして、コイルに流れる電流(以下、コイル電流ともいう)がピーク電流の目標最大値(ピーク値)に達すると、放電スイッチをオフし、その後は、駆動期間が終了するまで、電源電圧からコイルに一定電流を流して電磁弁を開弁状態に保持する(例えば、特許文献1参照)。
従来の電磁弁駆動装置では、電磁弁の駆動開始時からコイル電流が目標最大値となるまでの間、放電スイッチをオンし続けるようになっている。このため、電磁弁の駆動開始時からコイル電流が目標最大値に達するまでの期間(以下、ピーク電流期間という)は、コンデンサの電圧(以下、コンデンサ電圧ともいう)が高いほど短くなる。
ここで、ピーク電流期間が短くなりすぎると、電磁弁の弁体の移動速度は期待するほど大きくならなくなる。重い物を一気に動かそうとしても動かしにくいからであり、この傾向は、弁体の質量が大きいほど顕著である。そして、ピーク電流期間が短すぎる場合、ピーク電流によって発生した磁力が、弁体のリフト運動に十分に使用されず、電磁弁の内部にて熱に変換されてしまうことから、コンデンサからの電気エネルギの損失が大きくなってしまう。このような損失のことを、駆動初期の損失という。
このため、ピーク電流期間が短くなりすぎる場合、コンデンサには、電磁弁の弁体をリフトさせるのに使用されるエネルギに加え、駆動初期の損失分だけ余計にエネルギを蓄える必要が生じ、その結果、静電容量の大きなコンデンサが必要になってしまう。
特に、コンデンサの電気エネルギを、駆動対象の電磁弁とは別の電気負荷(例えば他の用途の電磁弁)の駆動にも使用し、且つ、その電気負荷の駆動に必要な電圧V1が、駆動対象の電磁弁を駆動するのに最適な電圧V2よりも高い場合、コンデンサ電圧は、電圧V1と電圧V2とのうち、高い方の電圧V1に設定されることとなる。その場合、駆動対象の電磁弁に関しては、コンデンサ電圧が最適な電圧V1よりも高くなることから、ピーク電流期間が短くなりすぎて駆動初期の損失が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、エネルギ効率を良くすることができる電磁弁駆動装置の提供を目的としている。
本発明の電磁弁駆動装置は、コンデンサの充電電圧が電源電圧よりも高い所定電圧となるように、該コンデンサを充電する充電手段と、電磁弁のコイルに電流を流すための通電経路における該コイルよりも上流側に、前記コンデンサを接続させる放電スイッチと、放電スイッチをオンしてコンデンサからコイルに放電させることにより、該コイルに電磁弁の弁体を速やかに動かすためのピーク電流を流すピーク電流供給手段と、を備える。
そして、ピーク電流供給手段は、電磁弁の駆動開始時から目標時間が経過したときに、コイルに流れる電流(コイル電流)がピーク電流の目標最大値に達するように、放電スイッチをオン/オフさせる。
このため、電磁弁の駆動開始時からコイル電流が目標最大値になるまでのピーク電流期間を、目標時間にすることができ、そのピーク電流期間が短すぎることによる電気エネルギの損失(前述した駆動初期の損失)を防ぐことができる。よって、エネルギ効率を良くすることができる。
以下に、本発明の電磁弁駆動装置が適用された実施形態の燃料噴射制御装置について、図面を用い説明する。尚、本実施形態の燃料噴射制御装置は、車両に搭載された多気筒(この例では4気筒)ディーゼルエンジンの各気筒#1〜#4に燃料を噴射供給する4個の電磁ソレノイド式インジェクタ(以下、電磁弁という)を駆動するものであり、その各電磁弁のコイルへの通電開始タイミング及び通電時間を制御することにより、各気筒#1〜#4への燃料噴射タイミング及び燃料噴射量を制御する。また、本実施形態において、スイッチとして使用しているスイッチング素子は、例えばMOSFETであるが、バイポーラトランジスタやIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等の他種類のスイッチング素子でも良い。
図1に示すように、燃料噴射制御装置31は、駆動対象である電磁弁41のコイル41aの一端(上流側)が接続される端子CMと、コイル41aの他端(下流側)が接続される端子INJと、端子INJに一方の出力端子が接続されたスイッチング素子である気筒選択スイッチT10と、気筒選択スイッチT10の他方の出力端子とグランドラインとの間に接続された電流検出用の抵抗R10と、を備える。
電磁弁41は、常閉式の電磁弁である。電磁弁41では、コイル41aに通電されると、図示しない弁体(いわゆるノズルニードル)が開弁位置に移動し(換言すれば、リフトし)、燃料噴射が行われる。また、コイル41aの通電が遮断されると、弁体が元の閉弁位置に戻り、燃料噴射が停止される。
尚、図1では、4個の電磁弁41のうち、第n気筒#n(nは1〜4の何れか)に対応する1つの電磁弁41だけを示しており、以下では、その1つの電磁弁41の駆動に関して説明する。実際には、端子CMは、各気筒の電磁弁41について共通の端子となっており、その端子CMに、各電磁弁41のコイル41aがそれぞれ接続されている。また、端子INJ及び気筒選択スイッチT10は、各電磁弁41について(換言すれば、各気筒について)それぞれ備えられている。気筒選択スイッチT10は、駆動対象の電磁弁41(換言すれば、噴射対象の気筒)を選択するためのスイッチング素子である。
更に、燃料噴射制御装置31は、電源電圧としての車載バッテリの電圧(バッテリ電圧)VBが供給される電源ラインLpに一方の出力端子が接続されたスイッチング素子である定電流スイッチT11と、定電流スイッチT11の他方の出力端子にアノードが接続され、カソードが上記端子CMに接続された逆流防止用のダイオードD11と、アノードがグランドラインに接続され、カソードが端子CMに接続された電流還流用のダイオードD12と、昇圧回路33とを備える。
ダイオードD12は、気筒選択スイッチT10がオンされている状態で定電流スイッチT11がオンからオフされた時に、コイル41aに電流を還流させる。
昇圧回路33は、コンデンサC0と、インダクタL0と、スイッチング素子である昇圧スイッチT0と、逆流防止用のダイオードD0と、電流検出用の抵抗R0と、昇圧スイッチT0を駆動する充電制御回路35とを備える。
昇圧回路33は、コンデンサC0と、インダクタL0と、スイッチング素子である昇圧スイッチT0と、逆流防止用のダイオードD0と、電流検出用の抵抗R0と、昇圧スイッチT0を駆動する充電制御回路35とを備える。
コンデンサC0は、電磁弁41の弁体を開弁方向へ速やかに動かす(リフトさせる)ためのピーク電流を、コイル41aに流すための電気エネルギを蓄積する。インダクタL0は、それの一端が電源ラインLpに接続され、他端が昇圧スイッチT0の一方の出力端子に接続されている。抵抗R0は、昇圧スイッチT0の他方の出力端子とグランドラインとの間に接続されている。インダクタL0と昇圧スイッチT0との接続点に、ダイオードD0を介してコンデンサC0の一端(正極側)が接続され、コンデンサC0の他端(負極側)は、昇圧スイッチT0と抵抗R0との接続点に接続されている。
このような昇圧回路33においては、昇圧スイッチT0がオン/オフされると、インダクタL0と昇圧スイッチT0との接続点に、バッテリ電圧VBよりも高いフライバック電圧(逆起電圧)が発生し、そのフライバック電圧によりダイオードD0を通じてコンデンサC0が充電される。このため、コンデンサC0はバッテリ電圧VBよりも高い電圧で充電される。
そして、充電制御回路35は、昇圧スイッチT0をオン/オフさせるが、その際に、コンデンサC0の正極側の電圧(以下、コンデンサ電圧という)VCをモニタすると共に、コンデンサC0の充電電流を抵抗R0に生じる電圧によりモニタして、コンデンサC0が効率の良い周期で充電されるように昇圧スイッチT0をオン/オフさせる。また、充電制御回路35は、コンデンサ電圧VCが予め設定された目標電圧(>VB)になると、昇圧スイッチT0をオフのままにして、コンデンサC0の充電を止める。このため、コンデンサC0は、それの充電電圧であるコンデンサ電圧VCが目標電圧となるように充電される。
また更に、燃料噴射制御装置31は、コンデンサC0の正極側を端子CMに接続させるスイッチング素子である放電スイッチT12と、アノードが端子INJに接続され、カソードがコンデンサC0の正極側に接続されたエネルギ回収用のダイオードD13と、気筒選択スイッチT10、定電流スイッチT11及び放電スイッチT12を制御することで、コイル41aに流す電流を制御する駆動制御回路37と、マイコン(マイクロコンピュータ)39とを備えている。
マイコン39は、プログラムを実行するCPU61、プログラムや固定のデータ等が記憶されたROM62、CPU61による演算結果等が記憶されるRAM63等を備えている。
そして、マイコン39は、エンジン回転数Ne、アクセル開度ACC、エンジン水温THWなど、各種センサにて検出されるエンジンの運転情報に基づいて、気筒毎に噴射指令信号を生成して駆動制御回路37に出力する。噴射指令信号は、その信号のレベルがハイの間だけ電磁弁41のコイル41aに通電する(つまり、電磁弁41を開弁させる)、という意味を持っている。このため、マイコン39は、エンジンの運転情報に基づいて、気筒毎に、電磁弁41のコイル41aへの通電期間を設定し、その通電期間だけ、該当する気筒の噴射指令信号をハイにしていると言える。
次に、燃料噴射制御装置31が電磁弁41のコイル41aに流す電流(即ち、電磁弁41の駆動電流)と、電磁弁41の動作状態との関係について説明する。
図2における1段目及び2段目に示すように、燃料噴射制御装置31は、電磁弁41の弁体を開弁位置までリフトさせるリフト期間(引き上げ期間)の初期にて、コンデンサC0からコイル41aに放電することにより、コイル41aに他の期間よりも大きなピーク電流を流す。そして、リフト期間において、コイル41aに流れる電流(以下、コイル電流という)がピーク電流の目標最大値Ipに達した後は、更に確実な開弁を実現するため、電磁弁41の開弁保持に最低限必要な電磁力よりも大きい電磁力を発生させるための一定電流であるピックアップ電流を、コイル41aにバッテリ電圧VBを用いて流す。
図2における1段目及び2段目に示すように、燃料噴射制御装置31は、電磁弁41の弁体を開弁位置までリフトさせるリフト期間(引き上げ期間)の初期にて、コンデンサC0からコイル41aに放電することにより、コイル41aに他の期間よりも大きなピーク電流を流す。そして、リフト期間において、コイル41aに流れる電流(以下、コイル電流という)がピーク電流の目標最大値Ipに達した後は、更に確実な開弁を実現するため、電磁弁41の開弁保持に最低限必要な電磁力よりも大きい電磁力を発生させるための一定電流であるピックアップ電流を、コイル41aにバッテリ電圧VBを用いて流す。
そして、燃料噴射制御装置31は、リフト期間が終了した後の開弁保持期間では、電磁弁41の開弁保持に最低限必要な電磁力を発生させるための一定電流であるホールド電流(<ピックアップ電流)を、コイル41aにバッテリ電圧VBを用いて流す。
また、燃料噴射制御装置31は、電磁弁41からの燃料噴射を停止する際には、コイル41aへの電流供給を停止して、電磁弁41を閉弁させる。コイル41aへの電流供給を停止してから電磁弁41が閉弁するまでの期間が、閉弁期間となる。
次に、駆動制御回路37の動作について、図2と図3を用い説明する。尚、ここでは、第n気筒#nの電磁弁41について説明するが、他の気筒の電磁弁41についても同様である。また、燃料噴射の開始前において、コンデンサ電圧VCは目標電圧になっている。
図2に示すように、マイコン39から駆動制御回路37への、第n気筒#nの噴射指令信号がローからハイになると、駆動制御回路37は、第n気筒#nに対応する気筒選択スイッチT10をオンさせる。更に、駆動制御回路37は、後述するピーク電流供給処理を行うことにより、放電スイッチT12を例えば図3に例示するように一定の周期Tsでオン/オフさせると共に、少なくとも放電スイッチT12をオフさせているときには、定電流スイッチT11をオンさせて、端子CMにバッテリ電圧VBを供給する。尚、本実施形態では、図2及び図3に示すように、放電スイッチT12をオン/オフさせている期間中、定電流スイッチT11をオンしたままにするが、定電流スイッチT11は、放電スイッチT12のオン/オフと反対の状態にオン/オフさせても良い。
すると、放電スイッチT12のオン時には、コンデンサC0からコイル41aに放電される。つまり、「コンデンサC0→放電スイッチT12→コイル41a→気筒選択スイッチT10→抵抗R10→グランドライン」の経路で電流が流れる。このようなコンデンサC0の放電に際し、高電位となる端子CM側から電源ラインLp側への回り込みは、ダイオードD11によって防止される。このため、定電流スイッチT11をオンしたままにしても問題はない。また、放電スイッチT12がオンしているときに、定電流スイッチT11がオンしていても、コンデンサ電圧VCの方がバッテリ電圧VBより高いため、コイル41aにはコンデンサC0の方から電流が流れる。
一方、放電スイッチT12のオフ時には、バッテリ電圧VB(電源ラインLp)から定電流スイッチT11を介してコイル41aに電流が流れる。つまり、「電源ラインLp→定電流スイッチT11→ダイオードD11→コイル41a→気筒選択スイッチT10→抵抗R10→グランドライン」の経路で電流が流れる。
このため、コイル電流は、図3における例えば実線で示すように増加していく。コイル電流は、放電スイッチT12のオン期間では、コンデンサ電圧VCに応じた傾き(Aon)で増加し、放電スイッチT12のオフ期間では、バッテリ電圧VBに応じた傾き(Aoff)で増加する。
また、駆動制御回路37は、電磁弁41の駆動開始時(換言すれば、コイル41aへの通電開始時)から、コイル41aにピーク電流を供給する期間(ピーク電流期間)の目標時間Tpが経過したときに、コイル電流がピーク電流の目標最大値Ipに達するように、放電スイッチT12をオン/オフさせる。このことについては、後で説明する。
そして、駆動制御回路37は、コイル電流を抵抗R10に生じる電圧により検出し、コイル電流が目標最大値Ipになったと判定すると、放電スイッチT12のオン/オフ制御を終了して、放電スイッチT12をオフしたままにすると共に、定電流スイッチT11もオフさせる。この時点で、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過していることとなる。
本実施形態において、電磁弁41の駆動開始時からコイル電流が目標最大値Ipに達するまでの期間は、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過するまでの期間でもあり、その期間が、コイル41aにピーク電流を供給するピーク電流期間である。尚、図3において、点線の波形は、比較例であり、コイル電流が目標最大値Ipに達するまで放電スイッチT12をオンさせ続けた場合のコイル電流の波形である。
そして、駆動制御回路37は、コイル電流が目標最大値Ipに達した後は、電磁弁41の駆動開始時からリフト期間の長さである一定時間Tfが経過する時点(つまり、リフト期間の終了時)まで、抵抗R10に生じる電圧により検出されるコイル電流が目標最大値Ipよりも小さい一定のピックアップ電流となるように、定電流スイッチT11のオン/オフ制御を行う。
具体的に説明すると、駆動制御回路37は、コイル41aにピックアップ電流を流すための定電流制御として、「コイル電流がピックアップ電流制御の下側閾値puL以下になると定電流スイッチT11をオンさせ、コイル電流がピックアップ電流制御の上側閾値puH以上になると定電流スイッチT11をオフさせる」という制御を行う。下側閾値puLと、上側閾値puHと、目標最大値Ipとの関係は、「puL<puH<Ip」である。
このため、コイル電流が目標最大値Ipから低下して下側閾値puL以下になると、以後は、定電流スイッチT11のオン/オフが繰り返されて、コイル電流の平均値が、上側閾値puHと下側閾値puLとの間のピックアップ電流に制御される。
尚、このような定電流制御において、定電流スイッチT11のオン時には、ピーク電流期間における放電スイッチT12のオフ時と同様に、バッテリ電圧VB(電源ラインLp)からコイル41aに電流が流れる。また、定電流スイッチT11のオフ時には、コイル41aに、グランドライン側からダイオードD12を介して電流が流れる(還流する)。
更に、駆動制御回路37は、電磁弁41の駆動開始時から上記一定時間Tfが経過した後は(つまり、リフト期間が終了した後は)、抵抗R10に生じる電圧により検出されるコイル電流がピックアップ電流よりも小さい一定のホールド電流となるように、定電流スイッチT11のオン/オフ制御を行う。
具体的に説明すると、駆動制御回路37は、コイル41aにホールド電流を流すための定電流制御として、「コイル電流がホールド電流制御の下側閾値hdL以下になると定電流スイッチT11をオンさせ、コイル電流がホールド電流制御の上側閾値hdH以上になると定電流スイッチT11をオフさせる」という制御を行う。下側閾値hdLは、ピックアップ電流制御の下側閾値puLより小さく、上側閾値hdHも、ピックアップ電流制御の上側閾値puHより小さい。
このため、リフト期間が終了した後は、コイル電流の平均値が、上側閾値hdHと下側閾値hdLとの間のホールド電流(<ピックアップ電流)に制御される。
その後、マイコン39からの第n気筒#nの噴射指令信号がハイからローになると、駆動制御回路37は、第n気筒#nに対応する気筒選択スイッチT10をオフさせると共に、定電流スイッチT11のオン/オフ制御(即ち、定電流制御)を終了して、定電流スイッチT11もオフ状態に保持する。すると、コイル41aへの通電が停止して電磁弁41が閉弁し、その電磁弁41による燃料噴射が終了される。
その後、マイコン39からの第n気筒#nの噴射指令信号がハイからローになると、駆動制御回路37は、第n気筒#nに対応する気筒選択スイッチT10をオフさせると共に、定電流スイッチT11のオン/オフ制御(即ち、定電流制御)を終了して、定電流スイッチT11もオフ状態に保持する。すると、コイル41aへの通電が停止して電磁弁41が閉弁し、その電磁弁41による燃料噴射が終了される。
リフト期間の終了時から噴射指令信号がローになるまでの期間が、コイル41aにホールド電流を流す開弁保持期間となる。噴射指令信号のハイ時間が上記一定時間Tfよりも短い場合には、開弁保持期間はなくなり、ピックアップ電流の供給期間中にコイル41aへの通電が停止されることとなる。
また、噴射指令信号がローになって、気筒選択スイッチT10及び定電流スイッチT11がオフされると、コイル41aにフライバックエネルギが発生するが、そのフライバックエネルギは、エネルギ回収経路をなすダイオードD13を通じて、コンデンサC0へ電流の形で回収される。
次に、ピーク電流期間において、放電スイッチT12をオン/オフさせる理由について説明する。
電磁弁41のコイル41aにピーク電流を供給する方式として、電磁弁41の駆動開始時からコイル電流が目標最大値Ipに達するまで放電スイッチT12をオンし続ける方式、を採用したと仮定する。この方式を、連続放電方式という。
電磁弁41のコイル41aにピーク電流を供給する方式として、電磁弁41の駆動開始時からコイル電流が目標最大値Ipに達するまで放電スイッチT12をオンし続ける方式、を採用したと仮定する。この方式を、連続放電方式という。
連続放電方式の場合、コイル電流が目標最大値Ipに達するまでのピーク電流期間は、コンデンサ電圧VCに依存し、コンデンサ電圧VCが高くなるほど短くなる。
ここで、図4において、実線は、ピーク電流期間が最適長の場合を示し、一点鎖線は、ピーク電流期間が最適長よりも長い場合を示し、二点鎖線は、ピーク電流期間が最適長よりも短い場合を示している。
ここで、図4において、実線は、ピーク電流期間が最適長の場合を示し、一点鎖線は、ピーク電流期間が最適長よりも長い場合を示し、二点鎖線は、ピーク電流期間が最適長よりも短い場合を示している。
また、図4の最上段において、点線で示す波形は、図4の二段目にて二点鎖線で示すピーク電流を電磁弁41のコイル41aに流した場合(即ち、ピーク電流期間が最適長よりも短い場合)の、リフト量変化の期待値を示しているが、その場合の実際のリフト量変化は、図4の最上段における二点鎖線のようになる。
つまり、ピーク電流期間が短くなりすぎると(即ち、最適長よりも短くなると)、電磁弁41の弁体の移動速度は期待するほど大きくならなくなる。重い物を一気に動かそうとしても動かしにくいからである。そして、ピーク電流期間が短すぎる場合、ピーク電流によって発生した磁力が、弁体のリフト運動に十分に使用されず、電磁弁41の内部にて熱に変換されてしまうことから、コンデンサC0からの電気エネルギの損失が大きくなってしまう。この損失が、駆動初期の損失である。
このため、ピーク電流期間が短くなりすぎる場合、図4の最下段に示すように、コンデンサC0には、電磁弁41の弁体をリフトさせるのに使用されるエネルギに加え、駆動初期の損失分だけ余計にエネルギを蓄える必要が生じ、その結果、コンデンサC0として、静電容量の大きなものが必要になってしまう。
また、本実施形態の電磁弁41では、連続放電方式で駆動する場合のコンデンサ電圧VCの最適値(即ち、連続放電方式でピーク電流期間が最適長になるコンデンサ電圧VC)が、例えば50Vである。しかし、本実施形態の燃料噴射制御装置31において、実際のコンデンサ電圧VCは、電磁弁41を連続放電方式で駆動する場合の最適値(50V)よりも高い目標電圧(例えば60V)に制御される。
本実施形態の燃料噴射制御装置31では、コンデンサC0の電気エネルギが、電磁弁41とは別の電気負荷を駆動するためにも使用されるからである。その別の電気負荷とは、例えば、他の用途の電磁弁であり、更に具体的には、例えば、燃料タンク内の燃料を高圧にしてコモンレールに圧送する燃料ポンプの燃料吐出量を制御するための電磁弁(以下、ポンプ用電磁弁という)である。
図1において、符号「T22」を付したスイッチは、オンすることでコンデンサC0からポンプ用電磁弁51のコイル51aに放電させるスイッチである。そして、ポンプ用電磁弁51のコイル51aには、連続放電方式によってピーク電流が供給されるようになっており、ポンプ用電磁弁51を駆動することにおいて最適なコンデンサ電圧VCが、例えば上記60Vである。
このため、電磁弁41のコイル41aに対しても連続放電方式でピーク電流を供給すると、ピーク電流期間が短くなりすぎて駆動初期の損失が大きくなってしまう。
そこで、本実施形態の燃料噴射制御装置31では、電磁弁41のピーク電流期間において、放電スイッチT12をオン/オフさせる方式を採ることにより、ピーク電流期間が短くなりすぎることを防止し、延いては、駆動初期の損失が大きくなってしまうことを防止している。
そこで、本実施形態の燃料噴射制御装置31では、電磁弁41のピーク電流期間において、放電スイッチT12をオン/オフさせる方式を採ることにより、ピーク電流期間が短くなりすぎることを防止し、延いては、駆動初期の損失が大きくなってしまうことを防止している。
次に、電磁弁41のコイル41aにピーク電流を供給するために、マイコン39と駆動制御回路37との各々が行う処理の内容について、図5及び図6を用い説明する。
マイコン39は、燃料噴射制御装置31への電源投入に伴って起動すると、電磁弁41の制御を開始する前(噴射指令信号の出力を開始する前)に、図5の初期設定処理を行う。
マイコン39は、燃料噴射制御装置31への電源投入に伴って起動すると、電磁弁41の制御を開始する前(噴射指令信号の出力を開始する前)に、図5の初期設定処理を行う。
図5に示すように、マイコン39は、初期設定処理を開始すると、まずS110にて、駆動対象の電磁弁41の種類を判別する。
例えば、当該燃料噴射制御装置31に接続される電磁弁41の種類を区別可能な識別信号が、マイコン39と共にプリント配線基板に実装されるジャンパー線やディップスイッチ等によってマイコン39に入力されるようにしておけば、マイコン39は、その識別信号を読み取ることで、電磁弁41の種類を判別することができる。また例えば、マイコン39と電磁弁41とが有線または無線で通信可能になっているのであれば、マイコン39は、電磁弁41から、その電磁弁41の種類を示す型番情報を通信で取得することにより、電磁弁41の種類を判別することができる。
例えば、当該燃料噴射制御装置31に接続される電磁弁41の種類を区別可能な識別信号が、マイコン39と共にプリント配線基板に実装されるジャンパー線やディップスイッチ等によってマイコン39に入力されるようにしておけば、マイコン39は、その識別信号を読み取ることで、電磁弁41の種類を判別することができる。また例えば、マイコン39と電磁弁41とが有線または無線で通信可能になっているのであれば、マイコン39は、電磁弁41から、その電磁弁41の種類を示す型番情報を通信で取得することにより、電磁弁41の種類を判別することができる。
次にマイコン39は、S120にて、S110で判別した電磁弁41の種類に応じた制御パラメータを決定する。
制御パラメータは、電磁弁41のコイル41aにピーク電流を供給するために使用する情報である。制御パラメータとしては、ピーク電流の目標最大値Ipと、ピーク電流期間の目標時間Tpと、放電スイッチT12をオン/オフさせる周期Tsと、放電スイッチT12の制御開始状態とがある。制御開始状態は、放電スイッチT12のオン/オフ制御をオンとオフとの何れで開始するか、を示す情報である。周期Tsは、目標時間Tpの「1/N」の時間(Nは1以上の整数)に設定される。
制御パラメータは、電磁弁41のコイル41aにピーク電流を供給するために使用する情報である。制御パラメータとしては、ピーク電流の目標最大値Ipと、ピーク電流期間の目標時間Tpと、放電スイッチT12をオン/オフさせる周期Tsと、放電スイッチT12の制御開始状態とがある。制御開始状態は、放電スイッチT12のオン/オフ制御をオンとオフとの何れで開始するか、を示す情報である。周期Tsは、目標時間Tpの「1/N」の時間(Nは1以上の整数)に設定される。
このような制御パラメータは、例えばROM62に、電磁弁41の複数の種類毎に記憶されている。そして、マイコン39は、S120では、ROM62に記憶されている複数組の制御パラメータの中から、S110で判別した電磁弁41の種類に応じた制御パラメータを選択し、その選択した制御パラメータを、電磁弁41の制御に使用する制御パラメータとして決定する。このため、電磁弁41の制御に使用される制御パラメータは、電磁弁41の種類に応じて変更されることとなる。
更にマイコン39は、次のS130にて、S110で判別した電磁弁41の種類に応じたバッテリ電圧対電流傾きテーブルを選択する。
バッテリ電圧対電流傾きテーブルは、バッテリ電圧VBと、そのバッテリ電圧VBをコイル41aの上流側に印加した場合の、コイル電流の傾き(コイル電流の時間変化率であり、単位時間あたりの増加量)との関係を、複数通りのバッテリ電圧VBについて示したデータテーブルである。このため、バッテリ電圧対電流傾きテーブルは、バッテリ電圧VBが大きいほど、コイル電流の傾き(以下、電流傾きともいう)が大きくなることを示す。また、バッテリ電圧対電流傾きテーブルは、例えばROM62に、電磁弁41の複数の種類毎に記憶されている。そして、マイコン39は、S130では、ROM62に記憶されている複数通りのバッテリ電圧対電流傾きテーブルの中から、S110で判別した電磁弁41の種類に応じたバッテリ電圧対電流傾きテーブルを選択する。
バッテリ電圧対電流傾きテーブルは、バッテリ電圧VBと、そのバッテリ電圧VBをコイル41aの上流側に印加した場合の、コイル電流の傾き(コイル電流の時間変化率であり、単位時間あたりの増加量)との関係を、複数通りのバッテリ電圧VBについて示したデータテーブルである。このため、バッテリ電圧対電流傾きテーブルは、バッテリ電圧VBが大きいほど、コイル電流の傾き(以下、電流傾きともいう)が大きくなることを示す。また、バッテリ電圧対電流傾きテーブルは、例えばROM62に、電磁弁41の複数の種類毎に記憶されている。そして、マイコン39は、S130では、ROM62に記憶されている複数通りのバッテリ電圧対電流傾きテーブルの中から、S110で判別した電磁弁41の種類に応じたバッテリ電圧対電流傾きテーブルを選択する。
次にマイコン39は、S140にて、実際のバッテリ電圧VBを検出する。
図1にて図示を省略しているが、例えば、バッテリ電圧VBは、抵抗により分圧されてマイコン39に入力される。そして、マイコン39は、入力される分圧後の電圧を内部のA/D変換器でA/D変換し、そのA/D変換値からバッテリ電圧VBを検出する。
図1にて図示を省略しているが、例えば、バッテリ電圧VBは、抵抗により分圧されてマイコン39に入力される。そして、マイコン39は、入力される分圧後の電圧を内部のA/D変換器でA/D変換し、そのA/D変換値からバッテリ電圧VBを検出する。
次にマイコン39は、S150にて、放電スイッチT12のオン期間でのコイル電流の傾き(以下、オン電流傾きという)Aonと、放電スイッチT12のオフ期間でのコイル電流の傾き(以下、オフ電流傾きという)Aoffとを、それぞれ決定する。
オン電流傾きAonは、コンデンサ電圧VCをコイル41aの上流側に印加した場合の、電流傾きであり、コンデンサ電圧VCと電磁弁41の種類(詳しくは、コイル41aの電気特性)に依存するが、コンデンサ電圧VCは既知の目標電圧(本実施形態では前述の60V)に制御される。このため、例えばROM62には、電磁弁41の複数の種類毎にオン電流傾きAonが記憶されている。そして、マイコン39は、S150では、ROM62に記憶されている複数通りのオン電流傾きAonの中から、S110で判別した電磁弁41の種類に応じたオン電流傾きAonを選択する。その選択されたオン電流傾きAonが、オン電流傾きAonの決定値となる。
オフ電流傾きAoffは、バッテリ電圧VBをコイル41aの上流側に印加した場合の、電流傾きであり、バッテリ電圧VBと電磁弁41の種類に依存する。このため、マイコン39は、S150では、S130にて電磁弁41の種類に応じて選択したバッテリ電圧対電流傾きテーブルから、S140で検出したバッテリ電圧VBに対応する電流傾きを算出する。その算出された電流傾きが、オフ電流傾きAoffの決定値となる。
尚、変形例として、オン電流傾きAonについても、オフ電流傾きAoffと同様に、実際のコンデンサ電圧VCに基づいて決定しても良い。その場合、バッテリ電圧対電流傾きテーブルと同様のコンデンサ電圧対電流傾きテーブルを、電磁弁41の種類毎に作成してROM62に記憶しておく。コンデンサ電圧対電流傾きテーブルは、コンデンサ電圧VCと、そのコンデンサ電圧VCをコイル41aの上流側に印加した場合の、コイル電流の傾きとの関係を、複数通りのコンデンサ電圧VCについて示したデータテーブルである。そして、マイコン39は、S130では、コンデンサ電圧対電流傾きテーブルについても、ROM62に記憶されているものの中から、S110で判別した電磁弁41の種類に応じたものを選択し、S140では、実際のコンデンサ電圧VCも、バッテリ電圧VBと同様の手法で検出し、更にS150では、S130で選択したコンデンサ電圧対電流傾きテーブルから、S140で検出したコンデンサ電圧VCに対応する電流傾きを算出し、その算出した電流傾きを、オン電流傾きAonの決定値とすれば良い。
次にマイコン39は、S160にて、S120で決定した目標最大値Ip及び目標時間Tpと、S150で決定したオン電流傾きAon及びオフ電流傾きAoffとから、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過したときにコイル電流が目標最大値Ipとなるようにするための、放電スイッチT12の駆動デューティ比(即ち、オン/オフ制御のデューティ比)Dを決定する。
具体的には、駆動デューティ比Dは、周期Tsに対するオン時間Tonの割合(=Ton/Ts)である。そして、マイコン39は、S160では、下記の式1を満たす駆動デューティ比Dを算出する。尚、目標時間Tpにおけるオン時間Tonの総和を、ΣTonとすると、駆動デューティ比Dは、目標時間Tpに対するΣTonの割合でもある。
{Aon×Tp×D}+{Aoff×Tp(1−D)}=Ip…式1
次にマイコン39は、S170にて、S160で決定した駆動デューティ比Dと、S120で決定した制御パラメータのうちの周期Ts及び制御開始状態と、S120で決定した制御パラメータのうちの目標最大値Ip又は目標時間Tpとを、制御情報として駆動制御回路37に指令する。そして、その後、当該初期設定処理を終了する。尚、図1に示すように、マイコン39と駆動制御回路37との間には、マイコン39から駆動制御回路37へ制御情報を与えるための信号線65が配設されている。
次にマイコン39は、S170にて、S160で決定した駆動デューティ比Dと、S120で決定した制御パラメータのうちの周期Ts及び制御開始状態と、S120で決定した制御パラメータのうちの目標最大値Ip又は目標時間Tpとを、制御情報として駆動制御回路37に指令する。そして、その後、当該初期設定処理を終了する。尚、図1に示すように、マイコン39と駆動制御回路37との間には、マイコン39から駆動制御回路37へ制御情報を与えるための信号線65が配設されている。
そして、駆動制御回路37は、図6に示すピーク電流供給処理を行う。
図6に示すように、駆動制御回路37は、第n気筒#nの噴射指令信号がローからハイになったことを検知すると(S210:YES)、第n気筒#nに対応する気筒選択スイッチT10をオンさせる(S220)。更に、駆動制御回路37は、定電流スイッチT11をオンさせる(S230)と共に、放電スイッチT12のオン/オフ制御を開始する(S240)。
図6に示すように、駆動制御回路37は、第n気筒#nの噴射指令信号がローからハイになったことを検知すると(S210:YES)、第n気筒#nに対応する気筒選択スイッチT10をオンさせる(S220)。更に、駆動制御回路37は、定電流スイッチT11をオンさせる(S230)と共に、放電スイッチT12のオン/オフ制御を開始する(S240)。
放電スイッチT12のオン/オフ制御は、マイコン39から制御情報として指令された駆動デューティ比D、周期Ts及び制御開始状態に従って行われる。即ち、駆動制御回路37は、放電スイッチT12を、指令された周期Ts及び駆動デューティ比Dでオン/オフさせると共に、その各周期Tsの開始時における放電スイッチT12の駆動状態は、指令された制御開始状態にする。このため、指令された制御開始状態が“オン”であれば、放電スイッチT12は、{「Ts×D」だけオンの後、「Ts×(1−D)」だけオフ}を1周期として繰り返しオン/オフされ、逆に、指令された制御開始状態が“オフ”であれば、放電スイッチT12は、{「Ts×(1−D)」だけオフの後、「Ts×D」だけオン}を1周期として繰り返しオン/オフされる。
駆動制御回路37は、コイル電流の検出値と、マイコン39から指令された目標最大値Ipとを比較し、コイル電流が目標最大値Ipに達したと判定するまで、放電スイッチT12のオン/オフ制御と、定電流スイッチT11のオンとを続ける(S250:NO)。
そして、駆動制御回路37は、コイル電流が目標最大値Ipに達したと判定すると(S250:YES)、放電スイッチT12と定電流スイッチT11をオフさせ(S260)、その後は、コイル41aにピックアップ電流を流すための定電流制御を行う状態に移行する。
尚、上記S250の判定例は、マイコン39から駆動制御回路37へ、目標最大値Ipと目標時間Tpとのうち、目標最大値Ipの方が指令された場合の例である。
これに対して、マイコン39から駆動制御回路37へ、目標時間Tpが指令される場合には、駆動制御回路37は、S250では、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過したか否かを判定し、目標時間Tpが経過したと判定したなら(S250:YES)、放電スイッチT12と定電流スイッチT11をオフさせる(S260)ように構成することができる。本実施形態では、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過したときにコイル電流が目標最大値Ipとなるように、放電スイッチT12をオン/オフさせており、駆動開始時から、目標時間Tpが経過するタイミングと、コイル電流が目標最大値Ipに達するタイミングとが、同じになるからである。
これに対して、マイコン39から駆動制御回路37へ、目標時間Tpが指令される場合には、駆動制御回路37は、S250では、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過したか否かを判定し、目標時間Tpが経過したと判定したなら(S250:YES)、放電スイッチT12と定電流スイッチT11をオフさせる(S260)ように構成することができる。本実施形態では、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過したときにコイル電流が目標最大値Ipとなるように、放電スイッチT12をオン/オフさせており、駆動開始時から、目標時間Tpが経過するタイミングと、コイル電流が目標最大値Ipに達するタイミングとが、同じになるからである。
以上のような燃料噴射制御装置31において、マイコン39及び駆動制御回路37は、電磁弁41の駆動開始時から目標時間Tpが経過したときに、コイル電流がピーク電流の目標最大値Ipに達するように、放電スイッチT12をオン/オフさせる。このため、コンデンサ電圧VCが、電磁弁41を連続放電方式で駆動する場合の最適値よりも高い電圧に制御されるにも拘わらず、電磁弁41の駆動開始時からコイル電流が目標最大値Ipになるまでのピーク電流期間を、目標時間Tpにすることができる。よって、ピーク電流期間が短すぎることによる電気エネルギの損失(駆動初期の損失)を防ぐことができ、エネルギ効率を良くすることができる。
また、ピーク電流期間において、定電流スイッチT11はオフさせたままにしても良いが、本実施形態では、定電流スイッチT11をオンさせているため、少なくとも放電スイッチT12がオフしているときに、コイル41aの上流側(端子CM)にバッテリ電圧VBが供給される。このため、図3における例えば実線で示すように、ピーク電流期間において放電スイッチT12がオフしているときにも、コイル41aにバッテリ電圧VBから電流を流して、コイル電流を増加させることができる。よって、電磁弁41を速やかに開弁させるのに必要な電流増加率を確保し易い。
また、ピーク電流期間において、定電流スイッチT11をオンさせることにより、コイル41aの上流側にバッテリ電圧VBを供給するため、バッテリ電圧VBを供給するための他の手段を別途設ける必要がない。他の手段としては、例えば、定電流スイッチT11と並列に設けられるスイッチ(スイッチング素子)が考えられるが、そのようなスイッチは不要となる。
また、マイコン39は、バッテリ電圧VBを検出し(S140)、その検出したバッテリ電圧VBに応じたオフ電流傾きAoffを算出し(S150)、そのオフ電流傾きAoffを用いて駆動デューティ比Dを決定している(S160)。このため、検出したバッテリ電圧VBに応じて、駆動デューティ比Dが変更されることとなり、詳しくは、バッテリ電圧VBが低い場合ほど、駆動デューティ比Dは大きい値に設定される。
よって、バッテリ電圧VBが変動しても、ピーク電流期間の長さを目標時間Tpにすることができる。例えば、エアコン装置のような消費電流の大きい電気負荷が作動したことにより、バッテリ電圧VBが通常の14Vから10Vに低下した場合、オフ電流傾きAoffは小さくなるが、その分、駆動デューティ比Dが大きくなることで、ピーク電流期間の長さを一定に保つことができる。
また、マイコン39は、目標時間Tpと目標最大値Ipとを、電磁弁41の種類に応じて変更する(S110,S120)ため、電磁弁41にとって最適な長さのピーク電流期間とピーク電流の最大値とを実現することができる。
尚、変形例として、目標時間Tpと目標最大値Ipとのうちの一方又は両方が、電磁弁41の種類によって変更されるのではなく、固定値であっても良い。
また、マイコン39は、放電スイッチT12をオン/オフさせる周期Tsも、電磁弁41の種類に応じて変更する(S110,S120)ため、電磁弁41に適したコイル電流の波形を実現して、電磁弁41を適切に駆動することができる。
また、マイコン39は、放電スイッチT12をオン/オフさせる周期Tsも、電磁弁41の種類に応じて変更する(S110,S120)ため、電磁弁41に適したコイル電流の波形を実現して、電磁弁41を適切に駆動することができる。
例えば、駆動対象の電磁弁41が、弁体の引上げ初期(リフト開始時)の荷重が比較的小さいものである場合には、図3における実線で示したコイル電流の波形を実現する周期Tsよりも、大きい周期Tsを採用して、コイル電流の波形が例えば図3おける一点鎖線で示すような波形となるようにすることにより、弁体を一気に引き上げることができる。尚、図3おける一点鎖線の波形は、周期Tsを目標時間Tpと同じ値に設定した場合の、コイル電流の波形であり、その一点鎖線の波形においては、最初の傾きが、オン電流傾きAonであり、後の緩い方の傾きが、オフ電流傾きAoffである。
また、マイコン39は、放電スイッチT12のオン/オフ制御をオンとオフとの何れで開始するかという制御開始状態も、電磁弁41の種類に応じて変更する(S110,S120)。このことによっても、電磁弁41に適したコイル電流の波形を実現して、電磁弁41を適切に駆動することができる。制御開始状態を切り替える手法は、特に周期Tsを長く設定した場合に有利である。
例えば、駆動対象の電磁弁41が、弁体の引き上げ初期の荷重が比較的大きいものである場合には、制御開始状態を“オフ”に設定して、コイル電流の最初の増加傾きを、オフ電流傾きAoffにすれば良い。更に具体的には、制御開始状態を“オフ”に設定して、コイル電流の波形が例えば図3おける二点鎖線で示すような波形となるようにすることにより、まず、コイル41aにバッテリ電圧VBから緩やかに電流を流して弁体を動きやすくし、その後、コイル41aにコンデンサC0から電流を流して(つまり放電スイッチT12をオンして)弁体の引上げ速度を上げる、ということが実現できる。尚、図3おける二点鎖線の波形も、一点鎖線の波形と同様に、周期Tsを目標時間Tpと同じ値に設定した場合の、コイル電流の波形であるが、その二点鎖線の波形においては、最初の傾きが、オフ電流傾きAoffであり、後の急な方の傾きが、オン電流傾きAonである。
また例えば、駆動対象の電磁弁41が、弁体の引上げ初期の荷重が比較的小さいものである場合には、制御開始状態を“オン”に設定して、コイル電流の最初の増加傾きを、オン電流傾きAonにすれば良い。更に具体的には、制御開始状態を“オン”に設定して、コイル電流の波形が例えば図3おける一点鎖線で示すような波形となるようにすることにより、まず、コイル41aにコンデンサC0から電流を流して弁体を一気に引き上げ、その後、コイル41aにバッテリ電圧VBから電流が流れるようにして弁体の移動速度を低下させることにより、弁体の引上げ停止位置でのバウンスを抑える、ということが実現できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、駆動制御回路37が行うことを、マイコン39が行うようになっていても良い。駆動対象の電磁弁41は、インジェクタに限らず、例えば、燃料ポンプの電磁弁であっても良い。駆動対象の電磁弁41が設けられるエンジンは、ガソリンエンジンでも良い。
また、特許請求の範囲に記載された内容の範囲において、前述した実施形態の構成や処理のうちの、何れかの組み合わせを変える変形や、一部を削除する変形等を行うことも勿論可能である。
例えば、電磁弁41の種類に応じて前述の制御パラメータを変更することを、実施しない構成にすることもできる。その場合、制御パラメータは、駆動対象の電磁弁41について適した値を、予めROM62等に記憶しておけば良い。
33…昇圧回路、37…駆動制御回路、39…マイコン、41…電磁弁、41a…コイル、T11…定電流スイッチ、T12…放電スイッチ、C0…コンデンサ、CM…端子、Lp…電源ライン、VB…バッテリ電圧
Claims (7)
- コンデンサ(C0)の充電電圧が電源電圧(VB)よりも高い所定電圧となるように、前記コンデンサを充電する充電手段(33)と、
電磁弁(41)のコイル(41a)に電流を流すための通電経路における前記コイルよりも上流側(CM)に、前記コンデンサを接続させる放電スイッチ(T12)と、
前記放電スイッチをオンして前記コンデンサから前記コイルに放電させることにより、前記コイルに前記電磁弁の弁体を速やかに動かすためのピーク電流を流すピーク電流供給手段(37,39,S110〜S170,S230〜S250)と、
を備えた電磁弁駆動装置において、
前記ピーク電流供給手段は、前記電磁弁の駆動開始時から目標時間が経過したときに、前記コイルに流れる電流が前記ピーク電流の目標最大値に達するように、前記放電スイッチをオン/オフさせること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項1に記載の電磁弁駆動装置において、
前記ピーク電流供給手段は、前記駆動開始時から前記コイルに流れる電流が前記目標最大値に達するまでのピーク電流期間において、少なくとも前記放電スイッチをオフさせているときには、前記通電経路における前記コイルよりも上流側に前記電源電圧を供給する給電手段(S230)を備えること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項2に記載の電磁弁駆動装置において、
前記電源電圧が供給される電源ライン(Lp)と前記通電経路における前記コイルよりも上流側との間には、前記コイルに一定の電流を流すためにオン/オフされる定電流スイッチ(T11)が設けられており、
前記給電手段は、前記定電流スイッチをオンさせることにより、前記通電経路における前記コイルよりも上流側に前記電源電圧を供給すること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の電磁弁駆動装置において、
前記ピーク電流供給手段は、前記電源電圧を検出する電圧検出手段(S140)を備え、該電圧検出手段により検出される電源電圧に応じて、前記放電スイッチをオン/オフさせるデューティ比を変更すること(S150,S160)、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の電磁弁駆動装置において、
前記ピーク電流供給手段は、前記放電スイッチのオン/オフ制御をオンとオフとの何れで開始するかを、前記電磁弁の種類に応じて変更すること(S110,S120)、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の電磁弁駆動装置において、
前記ピーク電流供給手段は、前記目標時間と前記目標最大値との少なくとも一方を、前記電磁弁の種類に応じて変更すること(S110,S120)、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の電磁弁駆動装置において、
前記ピーク電流供給手段は、前記放電スイッチをオン/オフさせる周期を、前記電磁弁の種類に応じて変更すること(S110,S120)、
を特徴とする電磁弁駆動装置。
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Cited By (3)
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KR20180076722A (ko) * | 2016-12-28 | 2018-07-06 | 주식회사 현대케피코 | 고압펌프 성능 학습 시스템 |
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-
2013
- 2013-01-09 JP JP2013002051A patent/JP2014134126A/ja active Pending
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